JP2005305228A - 塗布装置及びダイコータの作製方法 - Google Patents

塗布装置及びダイコータの作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 長期間経過して塗布を行っても塗布幅方向で均一な塗布膜厚を有し、塗布故障が少ない塗布製品が得られる塗布幅が1m以上の広幅のダイコータを用いた塗布装置及びダイコータの作製方法の提供。
【解決手段】 塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、該塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供給口と、前記塗布液を前記ポケット部から被塗布物に吐出するスリット部とを有し、少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータを用いた塗布装置において、
該バーは、前記式1)で示される真直度の関係を有する台の面上に載置し、熱処理炉で熱処理した後に、研削加工したことを特徴とする塗布装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、少なくとも2本のバーを組み付け作製されたダイコータを用いた塗布装置及びダイコータの製造方法に関し、詳しくは塗布幅方向の塗布膜厚が安定した良好な塗布品質が得られる少なくとも2本のバーを組み付け作製されたダイコータを用いた塗布装置及びダイコータの製造方法に関する。
従来より、写真感光材料、熱現像記録材料、アブレーション記録材料、磁気記録媒体、ガラス板・鋼板等の表面処理等の塗布液(下引き処理液、上塗り液、裏面層液等を含む)を連続走行する帯状支持体(以下、支持体ともいう)に塗布液を塗布する方法として、例えばディップ塗布法、ブレード塗布法、エアーナイフ塗布法、ワイヤーバー塗布法、グラビア塗布法、リバース塗布法、リバースロール塗布法、エクストルージョン塗布法、スライド塗布法、カーテン塗布法等が知られている。
これらの塗布方法の中で、一般的に写真感光材料、熱現像記録材料、アブレーション記録材料等の塗布には高速、薄膜、多層同時塗布が可能であることから、スライド塗布法、エクストルージョン塗布法、カーテン塗布法等が広く用いられている。これらの塗布方法に用いる塗布装置としては、スライド塗布法にはスライド型ダイコータを使用し、エクストルージョン塗布法にはエクストルージョン型ダイコータを使用し、カーテン塗布法にはカーテン型ダイコータを使用している。本発明では、スライド型ダイコータ、エクストルージョン型ダイコータ等の総称としてダイコータともいう。
これらダイコータの構成としては、例えばスライド型ダイコータの場合は、少なくとも2本のバーより構成された塗布液を流出させるスリット部と、スリット部の幅方向に均一に塗布液を供給するためのポケット部と称する液溜まり部、スリット部から流出した塗布液が流れるスライド部及びスライド部終端で支持体との間にビードを形成して塗布するリップ部とを有している。
ダイコータにより塗布される多くの塗布膜は塗布膜厚の精度を要求されることから、ダイコータの真直度も数マイクロメータの精度が要求されている。例えばスライド型ダイコータ、エクストルージョン型ダイコータ又はカーテン型ダイコータを用いて、ハロゲン化銀粒子を含む写真感光材料、熱現像記録材料の塗布液を用いて塗布を行う場合、ダイコータを構成している部材の持つ内部応力やダイコータを製作したときの加工応力が、ダイコータを長期間経過させた後に顕在化し、歪みが発生してダイコータの真直度を悪化させ、真直度の悪化に伴い、塗布幅方向のスリット間隙やダイコータと被塗布物との距離が不均一となって塗布幅手の膜厚均一性を悪化させ、場合によっては塗布が出来なくなる恐れがあった。このことから、従来より長期間経過時のダイコータの塗布方向の膜厚均一性を改善するためにダイコータの加工方法の面から様々な検討がなされている。
例えば、ダイコータを構成するバーより切削加工にて粗加工を行い、粗加工により残留応力が発生した加工変質層を研削加工にて除去し、反り取り加工を行うことにより、残留応力が除去され、経時的にスリットの面精度が安定したダイコータ及びその加工方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
しかしながら、特許文献1に記載の技術は優れた技術であるが、次の欠点を有している。1)粗加工による残留応力を研削で除去する方法であるが、研削量が膨大であり、研削工数・費用がかかって効率的でない。2)この膨大な研削による新たな残留応力が発生し、長期間経過後には応力による歪みが顕在化してダイコータに変形が生じ、真直度が悪化する。3)塗布幅が1mを越える様な広幅のダイコータの場合は、1)、2)の事項が更に悪化する。
この様な状況から、塗布幅が広いダイコータの場合、塗布幅手の膜厚均一性が得られないため、塗布膜厚の均一性が要求されない品質の塗布しか行うことが出来なかった。このため、長期間経過して使用しても塗布幅方向で均一な塗布膜厚を有し、塗布故障が少ない塗布製品が得られる塗布幅が広いダイコータを用いた塗布装置及びダイコータの作製方法の開発が望まれている。
特開平11−192452号公報
本発明は係る状況に鑑みなされたものであり、その目的は長期間経過して塗布を行っても塗布幅方向で均一な塗布膜厚を有し、塗布故障が少ない塗布製品が得られる塗布幅が1m以上の広幅のダイコータを用いた塗布装置及びダイコータの作製方法を提供することである。
上記目的は、下記の構成により達成された。
(請求項1)
塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、該塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供
給口と、前記塗布液を前記ポケット部から被塗布物に吐出するスリット部とを有し、少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータを用いた塗布装置において、
該バーは、式1)で示される真直度の関係を有する台の面上に載置し、熱処理炉で熱処理した後に、研削加工したことを特徴とする塗布装置。
式1) 0.1μm≦B≦A
式中、Aはバーの熱処理前の真直度を示し、Bはバーを載置する台のバーを載置する面の真直度を示す。
(請求項2)
塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、該塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供給口と、前記塗布液を前記ポケット部から被塗布物に吐出するスリット部とを有し、少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータを用いた塗布装置において、
該バーは、式2)で示される熱膨張係数の関係を有する台上に載置し、熱処理炉で熱処理した後に、研削加工したことを特徴とする塗布装置。
式2) 0.9<D/C<1.1
式中、Cはバーの熱膨張係数を示し、Dは台のバーを載置する面の熱膨張係数を示す。
(請求項3)
塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、該塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供
給口と、前記塗布液を前記ポケット部から被塗布物に吐出するスリット部とを有し、少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータを用いた塗布装置において、
該バーは、予め式3)で示される関係を有する温度で熱処理された台上に載置し、熱処理炉で熱処理した後に、研削加工したことを特徴とする塗布装置。
式3)t≧T
式中、Tはバーの熱処理の温度を示し、tは台の熱処理の温度を示す。
(請求項4)
塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、該塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供給口と、前記塗布液を前記ポケット部から被塗布物に吐出するスリット部とを有し、少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータを用いた塗布装置において、
該バーを該台上に設置し、前記台と固定を行わないか又は1箇所で固定して熱処理した後に、研削加工したことを特徴とする塗布装置。
(請求項5)
前記研削加工は、最終仕上り形状にする仕上げ研削加工を含むことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の塗布装置。
(請求項6)
前記仕上げ研削加工は、バーを組み付けダイコータとしたとき、少なくともスリット部を構成する箇所の塗布幅方向の真直度を0.1〜10μmにすることを特徴とする請求項5に記載の塗布装置。
(請求項7)
前記熱処理は、バーの材質である析出硬化系ステンレスの析出硬化処理条件と同じであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の塗布装置。
(請求項8)
前記バーは、少なくとも2本の該バーにより構成され、前記バーにより構成される少なくとも1つのスリット部の間隙が、塗布液の入口側より出口側が狭く、且つ出口側の間隙dがd≦5×10-5[m]であり、該スリット部から塗布液を、前記スリット部の出口と非接触に設置あるいは搬送される被塗布物に対して所定の間隙を隔てて、塗布液を衝突させて塗布するために塗布液を膜状に噴出させるダイコータの構成部材であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の塗布装置。
(請求項9)
前記バーは、上流から下流に向かって連続搬送される帯状支持体へ、少なくとも2本の該バーにより形成される少なくとも1つのスリット部から塗布液を流出させ、該支持体と該スリット部の塗布液流出部近傍との間で塗布液のビードを形成して塗布するエクストルージョン型ダイコータの構成部材であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の塗布装置。
(請求項10)
前記バーは、上流から下流に向かって連続搬送される帯状支持体へ、少なくとも2本の該バーにより形成される少なくとも1つのスリット部から塗布液を流出させ、流出した塗布液をスリット部出口に連続する斜面を流下させた後、該帯状支持体と該斜面の先端部近傍との間で塗布液のビードを形成して塗布するスライド型ダイコータの構成部材であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の塗布装置。
(請求項11)
前記バーは、上流から下流に向かって連続搬送される帯状支持体へ、少なくとも2本の該バーにより形成されるすくなくとも1つのスリット部から流出した塗布液を自由落下させて塗布するカーテン型ダイコータの構成部材であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の塗布装置。
(請求項12)
前記バーは、塗布幅が1m以上のダイコータの構成部材であることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の塗布装置。
(請求項13)
前記帯状支持体が、バックロールで塗布反対面が保持されていることを特徴とする請求項8〜11の何れか1項に記載の塗布装置。
(請求項14)
前記帯状支持体が、サポートロールでダイコータ前後を保持されていることを特徴とする請求項9に記載の塗布装置。
(請求項15)
前記塗布液が、熱現像感光材料用の銀成分を含有する感光層用塗布液であることを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載の塗布装置。
(請求項16)
塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供給口と、塗布液を該ポケット部から被塗布物に吐出するスリット部とを有するダイコータを構成する少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータの作製方法において、
該バーを、前記式1)で示される真直度の関係を有する台上に載置し、熱処理炉で熱処理し、研削加工した後に、前記バーを組み付けてダイコータを作製することを特徴とするダイコータの作製方法。
(請求項17)
塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供給口と、塗布液を該ポケット部から被塗布物に吐出するスリット部とを有するダイコータを構成する少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータの作製方法において、
該バーを、前記式2)で示される熱膨張係数の関係を有する台上に載置し、熱処理炉で熱処理し、研削加工した後に、前記バーを組み付けダイコータを作製することを特徴とするダイコータの作製方法。
(請求項18)
塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供給口と、塗布液を該ポケット部から被塗布物に吐出するスリット部とを有するダイコータを構成する少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータの作製方法において、
該バーを、予め前記式3)で示される関係を有する温度で熱処理した台上に載置し、熱処理炉で熱処理し、研削加工した後に、前記バーを組み付けダイコータを作製することを特徴とするダイコータの作製方法。
(請求項19)
塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供給口と、塗布液を該ポケット部から被塗布物に吐出するスリット部とを有するダイコータを構成する少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータの作製方法において、
該バーを該台上に設置し、前記台と固定を行わないか又は1箇所で固定し、前記台上に載置し、熱処理炉で熱処理し、研削加工した後に、
前記バーを組み付けダイコータを作製することを特徴とするダイコータの作製方法。
(請求項20)
前記研削加工は、最終仕上り形状にする仕上げ研削加工を含むことを特徴とする請求項16〜19の何れか1項に記載のダイコータの作製方法。
(請求項21)
前記仕上げ研削加工は、バーを組み付けダイコータとしたとき、少なくともスリット部を構成する箇所の塗布幅方向の真直度を0.1〜10μmにすることを特徴とする請求項20に記載のダイコータの作製方法。
(請求項22)
前記熱処理は、バーの材質である析出硬化系ステンレスの析出硬化処理条件と同じであることを特徴とする請求項16〜20の何れか1項に記載のダイコータの作製方法。
発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を加えた結果、塗布幅が1m以上のダイコータを使用して長期間塗布を行う場合、次第に塗布幅方向で均一の塗布膜厚分布が悪くなる原因として、ダイコータを構成しているバーの持つ内部応力やバーを作製したときの加工応力が顕在化し、歪みが発生しダイコータの真直度を悪化させ、さらには、真直度の悪化に伴い、塗布幅方向のスリット間隙やダイコータと被塗布物との距離が不均一となって塗布幅方向の膜厚均一性が悪化することが判明した。
何故、長期間の経時で塗布幅方向の膜厚均一性が悪化するのか、発明者らは更に鋭意検討を加えた結果、ダイコータを作製する時に、ダイコータを構成するバーの熱処理で次の現象が発生していると推定した。1)バーを台に水平に載せて台ごと熱処理炉に入れて、熱処理を行うため、台の真直度が影響し、台の曲がりがバーに転写し、真直度が得られにくい。2)台と一緒にバーが加熱時熱膨張、冷却時収縮する際に、台と接するバーの下面と、接触しない他の面とで膨張・収縮量に差ができるため、反りやネジレが発生し、真直度が得られにくい。3)台とバーの下面が全面接触しない場合や枕木の上に設置する場合は、非接触部が、重力で下方へ撓んでしまい、真直度が得られにくい。この様にして熱処理することで悪化したバーの真直度を修正するために研削加工を行うことで、研削加工の、加工応力がバーに残留する。これらのバーを組み付けたダイコータを長期間経過することでバーに残留する加工応力が顕在化し、ダイコータ全体に歪みが発生し、塗布幅手の膜厚均一性が悪化すると推定した。
これらに対して、発明者らは鋭意検討を加えた結果、ダイコータを構成するバーを作製する時に行う熱処理で外乱の影響を受けないで、熱処理で発生するバーの真直度の歪みを出来る限り小さくし、仕上げ研削による加工応力を小さくし、バーの残留加工応力を少なくすることが有効であることが判明し本発明に至った次第である。
長期間経過して塗布を行っても塗布幅方向で均一な塗布膜厚を有し、塗布故障が少ない塗布製品が得られる塗布幅が1m以上の広幅のダイコータを用いた塗布装置及びダイコータの作製方法を提供することが出来、生産効率の向上が可能となった。
本発明の実施の形態を図1〜図6を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1はスライド型ダイコータを使用しビードを形成し塗布するスライド塗布方式の概略図である。図1の(a)はバックロールで塗布反対面を保持された支持体の保持部へ、スライド型ダイコータを使用しビードを形成して塗布するスライド塗布方式の模式図である。図1の(b)は図1で示されるスライド型ダイコータの拡大概略図である。
図中、1はスライド型ダイコータを示し、2はバックロールを示し、3は上流から下流に向かって(図中の矢印方向)連続搬送される帯状支持体を示す。スライド型ダイコータ1は各バー101a〜100dを組み付け作製されている。バーの数は固定されているのではなく、塗布する層の数に応じて増減することが可能である。バックロールとはスライド型ダイコータ1と帯状支持体3を挟んで帯状支持体3の塗布反対面側に設置された搬送ロールを指し、その円筒度がスライド型ダイコータ1と同様に塗布幅手間隙精度に影響大のため、200mm以上と大径の金属で構成されている。
102a〜102cはスライド型ダイコータを構成している各バーの間に作られた塗布液の流出口であるスリット部を示す。スリット部の数はスライド型ダイコータを構成している各バーの数により変わるが、通常は2〜20である。本図に示されるスライド型ダイコータは4つのバーで構成され、3つのスリット部を有する同時重層用のスライド型ダイコータを示す。
103a〜103cは各スリット部102a〜102cの内壁を示し、104a〜104cは各スリット部102a〜102cの出口のエッジ部を示す。105a〜105cは各供給管403a〜403cから送られてくる塗布液を各スリット部102a〜102cより幅方向に均一に押し出すために各スリット部102a〜102cに設けられたポケット部を示す。106a〜106cは各ポケット部105a〜105cの内壁を示す。
107a〜107dはスライド面を示す。塗布液供給系4の調製釜401a〜401cで調製された塗布液を各送液ポンプ402a〜402cにより各供給管403a〜403cを通して、各バー101a〜101dの間に作られた各液溜まり105a〜105cに供給され、各スリット部102a〜102cから押し出された塗布液は各スライド面107a〜107cを流下し、リップ部108を介してビード5を形成し、バックロール2により塗布反対面を保持され搬送される支持体3の保持部に塗布される。
110はリップ部108に繋がる外壁を示す。109a〜109cは各供給管403a〜403cから送られてくる塗布液を各ポケット部105a〜105cに供給するための塗布液供給流路部を示す。
111a〜111dは各スライド面107a〜107dに対向する各バー101a〜101dの裏面を示し、これらの裏面111a〜111dでスライド型ダイコータ1の裏面を形成している。
6は塗布の安定化のためスライド型ダイコータ1の下部に設けられた減圧室を示し、601は吸引管を示す。7は支持体に塗布された塗布層を示す。W1は支持体3にスライド型ダイコータ1により塗布液を塗布する塗布点を示し、通常バックロールの中心を通る水平軸より下方0〜20度の位置が好ましい。
図2はエクストルージョン型ダイコータを使用しビードを形成して塗布するエクストルージョン塗布方式の概略図である。図2の(a)は、バックロールで塗布反対面を保持された支持体の保持部へ、エクストルージョン型ダイコータを使用しビードを形成して塗布するエクストルージョン塗布方式の模式図である。図2の(b)は図2の(a)で示されるエクストルージョン型ダイコータの拡大概略図である。
図中8はエクストルージョン型ダイコータを示す。エクストルージョン型ダイコータ8は各バー801a〜801cを組み付け作製されている。バー801a〜801cの数は固定されているのではなく、塗布する層の数に応じて増減することが可能である。
802a、802bはエクストルージョン型ダイコータ8を構成している各バー801a〜801cの間に作られた塗布液の流出口であるスリット部を示す。スリット部の数はエクストルージョン型ダイコータを構成している各バー801a〜801cの数により変わるが、通常は1〜5である。本図に示されるエクストルージョン型ダイコータは3つのバーで構成され、2つのスリット部を有する同時重層用のエクストルージョン型ダイコータを示す。
803a、803bは各スリット部802a、802bの内壁を示し、804a、804bは各スリット部802a、802bの出口のエッジ部を示し、805a〜805cはリップ部を示す。806a、806bは各供給管403a、403bから送られてくる塗布液を各スリット部802a、802bより幅方向に均一に押し出すために各スリット部802a、802bに設けられたポケット部を示す。807a、807bは各ポケット部806a、806bの内壁を示す。
808a、808bは各供給管403a、403bから送られてくる塗布液を各ポケット部806a、806bに供給するための塗布液供給流路部を示す。809はリップ部805aに繋がる外壁を示す。
810a〜810cは各リップ部805a〜805cに対向する各バー801a〜801cの裏面を示し、これらの裏面810a〜810cでエクストルージョン型ダイコータ8の裏面を形成している。
塗布液供給系4の各調製釜401a、401bで調製された塗布液を各送液ポンプ402a、402bにより各供給管403a、403bを通して、各バー801a〜801cの間に作られた各ポケット部806a、806bに供給され、各スリット部802a、802bから押し出された塗布液はリップ部805aを介してビード9を形成し、バックロール2により塗布反対面を保持され搬送される帯状支持体3の保持部に塗布される。W2は支持体3にコータ8により塗布液を塗布する塗布点を示し、通常バックロールの中心を通る水平軸より下方0〜90度の位置が好ましい。他の符号は図1と同義である。
図3はサポートロールで支持された支持体に図2に示すエクストルージョン型ダイコータを使用し塗布するエクストルージョン塗布方式の概略図である。
図中、10はサポートロールを示す。本図では図2に示す様に支持体の支持をバックロールで行う代わりに、エクストルージョン型ダイコータ8の上流側と下流側に配設された2本のサポートロールで行い塗布する方式を示している。他の符号は図2と同義である。
図4は他の形式のエクストルージョン型ダイコータを使用し、スリット部から所定の間隙を隔てて、ビードを形成しないで塗布液を衝突させて塗布するエクストルージョン塗布方式の概略図である。図4の(a)は、バックロールで塗布反対面を保持された支持体の保持部へ、他の形式のエクストルージョン型ダイコータを使用しビードを形成しないで塗布するエクストルージョン塗布方式の模式図である。図4の(b)は、図4の(a)で示されるエクストルージョン型ダイコータの拡大概略図である。
図中、11はエクストルージョン型ダイコータを示す。エクストルージョン型ダイコータ11はバー111a〜111cを組み付け作製されている。バー111a〜111cの数は固定されているのではなく、塗布する層の数に応じて増減することが可能である。
112a、112bは各バー111a〜111cの間に作られたスリット部を示し、エクストルージョン型コータを構成している各バー111a〜111cの間にそれぞれ設けられている。12a、12bは各スリット部112a、112bから塗布液を噴出することで形成される塗布膜を示す。
スリット部の数はエクストルージョン型ダイコータを構成している各バーの数により変わるが、通常は1〜5である。本図に示されるエクストルージョン型ダイコータは3つのバーで構成され、2つのスリット部を有する同時重層用のエクストルージョン型ダイコータを示す。
113a、113bは各スリット部112a、112bの塗布液の出口側を示し、113a1、113b1は塗布液の入り口側を示す。114a、114bは各スリット部112a、112bの各塗布液の出口側113a、113bの内壁を示し、114a1、114b1は各塗布液の入り口側113a1、113b1の内壁を示す。115a、115bは各スリット部112a、112bのエッジ部を示し、116a、116bはリップ部を示す。117a、117bは各供給管403a、403bから送られてくる塗布液を各スリット部112a、112bより幅方向に均一に押し出すためにスリット部に設けられた液溜まりを示す。118a、118bは各液溜まり117a、117bの内壁を示す。
119a、119bは各供給管403a、403bから送られてくる塗布液を各液溜まり117a、117bに供給するための塗布液供給流路部を示す。120はリップ部116aに繋がる外壁を示す。
塗布液供給系4の各調製釜401a、401bで調製された塗布液を各送液ポンプ402a、402bにより各供給管403a、403bを通して、各バー111a〜111cの間に作られた各液溜まり117a、117bに供給され、各スリット部112a、112bから膜状に噴出する塗布液は、バックロール2により塗布反対面を保持され搬送される帯状支持体3の保持部に衝突し塗布される。
Dはスリット部の出口間隙を示す。出口間隙Dは使用する塗布液の物性、塗膜厚により適宜調整が可能となっている。スリット部の間隙は塗布液の入口側が広く出口側が狭まっており、かつスリット部の出口間隙DがD≦5×10-5[m]である。更に好ましくは、Dが1×10-5[m]≦D≦4×10-5[m]である。この様な範囲にすることで、従来のエクストルージョン型ダイコータより、塗布液を極めて薄い膜状に噴出させ、薄膜塗布が可能となる。
図5は図1で示されるスライド型ダイコータを使用したカーテン塗布方式の概略図である。
図中、13は各スリット部口から押し出された塗布液が積層された状態でスライド面を流下し、自然落下により形成した膜を示す。この膜13が帯状の支持体に塗布される。他の符号は図1と同義である。
図1〜図5に示される各種のダイコータにおいて、ポケット部は、一般に塗布幅方向に塗布液を均一な圧力で行き渡らせスリット部から均一な塗布液を流出させるために、断面を大きくし流速が低くなるように設計されている。このためポケット部及びスリット部の真直度を一定にすることは塗布幅方向の塗布膜厚を安定にする上で有効である。
リップ部は、スリットから流出した塗布液が支持体とダイコータとの間で一旦ビードを形成して塗布液を支持体に塗布する、図1〜図3に示されるスライド型ダイコータ及びエクストルージョン型ダイコータ場合、リップ部の真直度が悪い場合、幅方向でビードの形成が不安定になり安定した塗布が出来なくなり、幅方向の塗布膜厚が安定しなくなるため、リップ部の真直度を小さくすることは塗布幅方向の塗布膜厚を安定にする上で有効である。
エッジはスリットから塗布液を安定に流出する機能を有しているため、エッジの真直度が悪い場合、スリットから塗布液の流出が安定でなくなり、塗布幅方向の塗布膜厚が安定しなくなるため、リップ部の真直度を一定にすることは塗布幅方向の塗布膜厚を安定にする上で有効である。
スライド面は、図1及び図5に示されるスライド型ダイコータの場合、スリットから流出した塗布液が流下する面であるため、スライド面の真直度が悪い場合、塗布液は均一の厚さでスライド面を流下しなくなり、塗布幅方向の塗布膜厚が安定しなくなるため、スライド面の真直度を一定にすることは塗布幅方向の塗布膜厚を安定にする上で有効である。
本発明は、この様に塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、該塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供給口と、前記塗布液を前記ポケット部から被塗布物に吐出するスリット部とを有するダイコータを構成する少なくとも2本のバーの真直度を一定にしたバーを用いて作製されたダイコータを用いた塗布装置及びダイコータの作製方法に関するものである。本発明のダイコータの作製方法につき以下に説明する。
図6はダイコータを構成するバーを熱処理炉で熱処理を行う状態を示す概略斜視図である。図6の(a)は図1で示すスライド型ダイコータを構成するバーを熱処理炉で熱処理を行う状態を示す概略斜視図である。図6の(b)は図2で示すエクストルージョン型ダイコータを構成するバーを熱処理炉で熱処理を行う状態を示す概略斜視図である。尚、本図では熱処理炉は省略してある。
図中、14は図1で示すスライド型ダイコータを構成するバー101b又は図2で示すエクストルージョン型ダイコータを構成するバー801bを載置する台を示し、14aはバー101又はバー801bを載置する台14の面を示す。面14aの長辺側と短辺側にはそれぞれ脚部を兼ねる側壁を有している。14bは短辺側の側面を示し、14cは長辺側の側面を示す。
台の大きさは特に限定はなく、例えば図1で示すスライド型ダイコータを構成するバー101a〜101d(図1を参照)又は、図2で示すエクストルージョン型ダイコータを構成するバー801a〜801c(図2を参照)を一度に載置できる大きさであっても良いし、バー1本を載置する程度の大きさであってもかまわない。熱処理炉の大きさに合わせて適宜選択することが可能である。本図はバー1本を載置する大きさの場合を示している。台の形状も特に限定はなく、例えば4本の脚でバーを載置する面を支える形式でも良いし、本図に示すように側壁が脚部を兼ねる形式でもよい。
図6の(a)で示されるスライド型ダイコータを構成するバーの場合は、バーを組み付けてスライド型ダイコータとしたとき、スライド型ダイコータの裏面になるバーの側面111bを台の面14aに接触する状態で台の面14a上に載置した場合を示している。
図6の(b)で示されるエクストルージョン型ダイコータを構成するバーの場合は、バーを組み付けてエクストルージョン型ダイコータとしたとき、エクストルージョン型ダイコータの裏面になるバーの側面810bを台の面14aに接触する状態で台の面14a上に載置した場合を示している。台への載置方法は特には限定は無いが、ダイコータとしたときに塗布液の供給、流れに影響を与える場所は取り扱いで傷が付く危険があるため避けることが好ましい。
本発明に係るバーを載置する台は次に示す特性を有している。
1)バーを載置する台は式1)で示される真直度の関係を有している。
式1) 0.1μm≦B≦A
式中、Aはバーの熱処理前の真直度を示し、Bはバーを載置する台のバーを載置する面の真直度を示す。
台のバーを載置する面の真直度Bが0.1μm未満の場合、バーを作製する工数、時間、費用等が莫大に掛かり実用的でないため好ましくない。台のバーを載置する面の真直度Bがバーの熱処理前の真直度Aより大きい場合、台の曲がり、反り、ネジレ等がバーに転写し、バーの真直度を悪化させるため好ましくない。
バーを載置する台の面の真直度を式1)に表される関係にすることで、バーを載置する台の面の熱処理による曲りやネジレ等がバーに転写してバーの真直度の悪化することを防止し、バーの真直度を仕上げの真直度に近付けることが可能となる。このため、熱処理後の研削加工の研削量を少なくでき、この結果、バーの残留加工応力が少なくなる。この様にして作製したこれらのバーを組み付けて作製したダイコータは長期間経過しても残留加工応力の顕在化が少なくなりダイコータの幅方向の真直度の変化が少ないため幅方向の塗布膜厚の安定した塗布が可能となった。
特にこの様な効果は従来長期間の経過で歪みの顕在化を抑えることが困難であった幅が1m以上の広幅のダイコータに対して有効であり、長期間経過した時の歪みの発生を抑えることが可能となった。本発明において1m以上の広幅のダイコータとは、1〜4mのダイコータを示す。
2)バーを載置する台は式2)で示される熱膨張係数の関係を有している。
式2) 0.9<D/C<1.1
式中、Cはバーの熱膨張係数を示し、Dは台のバーを載置する面の熱膨張係数を示す。
0.9>D/Cの場合、熱処理中のバーと台のバーを載置する面との接触面と非接触面との間に収縮量の差が生じ、反りが発生し、これがバーの真直度に転写し、ダイコータの真直度を悪くするため好ましくない。1.1<D/Cの場合、熱処理中のバーと台のバーを載置する面との接触面と非接触面との間に収縮量の差が生じ、反りが発生し、これがバーの真直度に転写し、ダイコータの真直度を悪くするため好ましくない。
バーとバーを載置する台とを式2)に表される関係にすることで、熱処理中のバーと台との接触面と非接触面との間に収縮量の差が生じ、反りが発生し、これがバーの真直度に転写し、ダイコータの真直度を悪くすることを防止することが可能となった。この結果、熱処理後の研削加工の研削量を少なくでき、バーの残留加工応力が少なくなり、これらのバーを組み付けて作製したダイコータは長期間経過しても残留加工応力の顕在化が少なくなりダイコータの幅方向の真直度の変化が少ないため幅方向の塗布膜厚が安定した塗布が可能となった。式2)を満たすには、台に使用する材質をダイコータの材質と同じにすることが好ましい。熱膨張係数は、金属便覧 改訂6版 社団法人 日本金属学会編等の文献に記載の値をそのまま用いてもかまわない。
3)バーを載置する台は式3)で示される関係を有する温度で予め熱処理されている。
式3)t≧T
式中、Tはバーの熱処理の温度を示し、tは台の熱処理の温度を示す。
t<Tの場合、熱処理時に台のバーを載置する面に曲がり、ネジレが生じ、これらの曲がり、歪みが載置してあるバーに転写し、バーの真直度を悪くする。この結果、研削加工量が大きくなり、バーの残留加工応力が大きくなり、この様なバーを組み立てたダイコータは長期間の経過で残留応力が顕在化し真直度が悪くなり塗布膜厚が均一でなくなるため好ましくない。
台の熱処理の温度はバーの熱処理の温度より高ければ高いほど良く、敢えて言うならば台が変形しない範囲の温度であればかまわない。例えば、ステンレス、鋼材等の場合は上限が1500℃とすることが好ましい。
バーを載置する台を式3)に表される関係にすることで、熱処理時に台の曲りやネジレ等の発生がなくなるため、バーへの影響がなくなり、バー単独の真直度の変化となるので真直度の変化の少ないバーを得ることが可能となった。この結果、熱処理に伴う台のバーへの影響を少なくすることが可能となり、熱処理を行うことで発生するバーの真直度の変化を出来る限り小さくし、熱処理後の研削加工の研削量を少なくでき、バーの残留応力が少なくなり、これらのバーを組み付けて作製したダイコータは長期間経過しても残留加工応力の顕在化が少なくなりダイコータの幅方向の真直度の変化が少ないため幅方向の塗布膜厚が安定した塗布が可能となった。
又、熱処理を行う時、台上に載置したバーは固定しないか又は1箇所を固定する必要がある。固定する箇所が1箇所を越えた場合、おのおのが単独で膨張、収縮することが規制され、熱膨張係数が大きい方に影響される。例えば台の熱膨張係数がバーの熱膨張係数より大きい場合、熱処理に伴う台の膨張、収縮の影響がバーに及ぼし、バーの真直度の変化が大きくなり、真直度を修正するための仕上げ研削による残留加工応力が大きくなるため好ましくない。
台上に載置したバーを固定しないか又は1箇所で固定し熱処理を行うことで、例えば台とバーとの熱膨張係数が異なる場合でも、おのおのが単独で膨張、収縮するため、台の膨張、収縮のバーへの影響を小さくすることが可能となる。固定しない場合は、熱処理炉への出し入れ時等に転倒する可能性があるため、転倒防止を行うことが望ましい。転倒防止対策としては、例えばバーの大きさに合わせた仕切を有する枠体を台の上に固定し、仕切にバーを入れる方式であってもよい。固定する方法としては、台のバーを載置する面の下側から固定ねじでバーを固定する方法が挙げられる。
又、バーと台のバーを載置する面との間には潤滑剤を塗設することが好ましい。潤滑剤を使用することで、熱処理時に発生する台とバーとに発生する膨張、収縮、歪み等をおのおの分離することが可能となるので、真直度の変化の少ないバーを得ることが可能となった。この結果、熱処理後の研削加工の研削量を少なくできるため残留加工応力が少なくなり、これらのバーを組み付けて作製したダイコータは長期間経過しても残留加工応力の顕在化が少なくなりダイコータの幅方向の真直度の変化が少ないため幅方向の塗布膜厚が安定した塗布が可能となる。潤滑剤としては耐熱型であれば特に限定はなく、例えば、二酸化モリブデン、二酸化タングステン等が挙げられる。
本図に示す方法によりダイコータを構成するバーを熱処理炉で熱処理を行う時、バーを載置する台を前記式1)〜3)で示される台を用い、台に載置するときに固定しないか、又は1箇所のみで固定することで、台のバーを載置する面の影響を受けずに熱処理を行うことが可能となった。この結果、真直度の良いバーを得ることが可能となり、熱処理を施した後に行う研削加工でも研削加工量を少なくすることが出来、研削加工に伴う加工応力の残留が少なくすることが可能となった。この様な方法で作製したバーを組み付けて作製したダイコータは、長期間経過しても塗布性に影響を及ぼす真直度の変化は生じないため安定した塗布が可能となる。特にこの様な効果は従来歪みの発生を抑えることが困難であった幅が1m以上の広幅のダイコータに対しても歪みの発生を抑えることが可能となった。本発明において1m以上の広幅のダイコータとは、1〜4mのダイコータを示す。
本発明のダイコータの作製方法の一例につき以下に説明する。本発明のダイコータの作製方法は、以下に示す第1段階〜第3段階の工程を経て行う方法である。
第1段階としてダイコータを構成している各バーを、台に載置し熱処理を行う熱処理工程である。
第2段階として、第1段階の熱処理で生じた歪みを除去する研削加工工程である。
第3段階として、第2段階で得られた各バーを組み付けダイコータとする組み立て工程である。
第1段階の熱処理の温度は、ダイコータを構成しているバーの材質により異なるため数値を決めることは難しいが、敢えて言うならば上限の温度は材質の融点より低い温度である。熱処理時には、次の条件が必要である。1)バーを載置する台は、前記式1)〜式3)の何れかを満たしていること。或いは、2)台の面に載置したバーは固定をしない、又は一箇所のみ固定する。又、3)バーとバーを載置する台の面との間には潤滑剤を設けることが好ましい。
第2段階に行う研削加工工程は次の2工程を有している。第1工程としては、熱処理で発生した歪みを除去する第1研削加工であり、第2工程としては、第1研削加工の後、目的とする設計図に描かれた形状及び真直度に仕上げる第2研削加工である。
第2研削加工を行った後のバーの真直度は0.1〜10μmである。0.1μm未満の場合は、研削精度上の限界となるため加工が困難となるため好ましくない。10μmを越える場合は、安定した塗布液の供給が難しくなり、塗布膜厚が安定しなくなるため好ましくない。
尚、真直度はバーの表面の塗布幅方向(長さ1mあたり)の真直度を指し、精密平面研削盤の上にバーを置き、ダイヤルゲージをバーの測定箇所に接触した状態で固定し、精密平面研削盤を移動させることで測定した値である。研削加工は、一般に使用されている精密平面研削盤を使用し行うことが可能である。これら第1段階〜第3段階とを経てダイコータを得ることが可能となっている。
本発明で用いられる支持体としては、帯状で搬送可能なものであれば種類に制限はなく、例えば紙、プラスチックフィルム、金属シート等を用いることができる。紙としては、例えばレジンコート紙、合成紙等が挙げられる。また、プラスチックフィルムとしては、ポリオレフィンフィルム(例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等)、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレン2,6−ナフタレートフィルム等)、ポリアミドフィルム(例えばポリエーテルケトンフィルム等)、セルロースアセテート(例えばセルローストリアセテート等)等が挙げられる。また、金属シートではアルミニウム板が代表的である。また、用いる支持体の厚さについても、特に制限はない。
本発明で用いることのできる塗布液としては、特に制限はなく、例えば写真感光材料、熱現像記録材料、アブレーション記録材料、磁気記録媒体、綱板表面処理、電子写真感光体等の塗布液(下引き処理液、上塗り液、裏面層液等を含む)の塗布液等を挙げることができる。この内、熱現像感光材料用塗布液である銀成分を含有する感光層用塗布液及び非感光性保護層用塗布液が特に好ましい塗布液として挙げられる。
以下に、本発明の効果を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
以下に示す方法に従って、有機銀を含有した感光層塗布液及び表面保護層塗布液を調製した。
〈感光層塗布液〉
《ハロゲン化乳剤Aの調製》
水900ml中にイナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウム及び〔Ir(NO)Cl5〕塩を銀1モル当たり1×10−6モル及び塩化ロジウム塩を銀1モル当たり1×10−6モルを含む水溶液370mlを、pAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で添加した。その後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを添加し、NaOHでpHを5に調整して、平均粒子サイズ0.06μm、単分散度10%、投影直径面積の変動係数8%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤に、ゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理を行った後、フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整して、ハロゲン化銀乳剤を得た。さらに、得られたハロゲン化銀乳剤に、塩化金酸及び無機硫黄で化学増感を行いハロゲン化銀乳剤Aを得た。
上記単分散度及び投影直径面積の変動係数は、下式により算出した。
単分散度(%)=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
投影直径面積の変動係数(%)=(投影直径面積の標準偏差)/(投影直径面積の平均値)×100
《ベヘン酸Na溶液の調製》
945mlの純水にベヘン酸32.4g、アラキジン酸9.9g、ステアリン酸5.6gを90℃で溶解した。次に高速で攪拌しながら1.5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液98mlを添加した。次に濃硝酸0.93mlを加えた後、55℃に冷却して30分攪拌させてベヘン酸Na溶液を得た。
(プレフォーム乳剤の調製)
上記のベヘン酸Na溶液に前記ハロゲン化銀乳剤Aを15.1g添加し水酸化ナトリウム溶液でpH8.1に調整した後に1モル/Lの硝酸銀溶液147mlを7分間かけて加え、さらに20分攪拌し限外濾過により水溶性塩類を除去した。出来たベヘン酸銀は平均粒子サイズ0.8μm、単分散度8%の粒子であった。分散物のフロックを形成後、水を取り除き、更に6回の水洗と水の除去を行った後乾燥させ、次ぎに、ポリビニルブチラール(平均分子量3000)のメチルエチルケトン溶液(17質量%)544gとトルエン107gを徐々に添加して混合した後に、メディア分散機により27.6MPaで分散させプレフォーム乳剤を調製した。
〈感光層塗布液の調製〉
プレフォーム乳剤 240g
増感色素−1(0.1%メタノール溶液) 1.7ml
ピリジニウムプロミドペルブロミド(6%メタノール溶液) 3ml
臭化カルシウム(0.1%メタノール溶液) 1.7ml
カブリ防止剤−1(10%メタノール溶液) 1.2ml
2−(4−クロロベンゾイル安息香酸(12%メタノール溶液))
9.2ml
2−メルカプトベンズイミダゾール(1%メタノール溶液) 11ml
トリブロモメチルスルホキノリン(5%メタノール溶液) 17ml
現像剤−1(20%メタノール溶液) 29.5ml
Figure 2005305228
〈表面保護層塗布液〉
《表面保護層塗布液の調製》
アセトン 35ml/m2
メチルエチルケトン 17ml/m2
酢酸セルロース 2.3g/m2
メタノール 7ml/m2
フタラジン 250mg/m2
4−メチルフタル酸 180mg/m2
テトラクロロフタル酸 150mg/m2
テトラクロロフタル酸無水物 170mg/m2
マット剤:単分散度10%平均粒子サイズ4μm単分散シリカ
70mg/m2
919−C64−SO3Na 10mg/m2
〈ダイコータの作製〉
図1に示されるスライド型ダイコータを以下の方法で作製し1−1〜1−7とし表1に示す。スライド型ダイコータを構成しているステンレス(SUS630)製で長辺側の長さ20000mmの各バーを図6に示す様に台に載置し、表1に示す様に台のバーを載置する面の真直度を変えて熱処理炉で熱処理を行い、熱処理で発生した歪みを除去する第1研削加工を行った後に、最終仕上り形状にする第2研削加工を行いスライド型ダイコータを組み立てた。熱処理炉で熱処理は、温度400℃で5時間行った。第1研削加工及び第2研削加工は、(株)岡本工作機械製作所製コラム形精密平面研削盤を使用して行い、真直度は平面研削盤の上にバーを置き、ダイヤルゲージをバーの測定箇所に接触した状態で固定し、平面研削盤を移動させることで測定した。表面粗さRa、Rmaxは、(株)ミツトヨ製 サーフテストSJ−201Pで測定した。台のバーを載置する面の真直度は、研削仕上の程度により変えた。台の面上のバーは図6の(6)に示す様に立てた状態で面上に固定しないで置いた。尚、バーの第2研削加工(仕上がり研削加工)後の全ての面の真直度は5μmとした。作製した各スライド型ダイコータ1−1〜1−7は常温で1年間保管した。
Figure 2005305228
〈塗布〉
上記、調製した感光層塗布液の粘度を0.5Pa・s、表面保護層塗布液の粘度を1.0Pa・sに調整し、厚さ175μm、幅2100mm、1本の長さ1000mの帯状支持体(PETを使用)を10本繋げ、1年間保管した各スライド型ダイコータ1−1〜1−7を用いた塗布装置にて、バックロールに保持された帯状支持体に、塗布幅を1900mm、塗布速度を30m/分で、下層に感光層を付き量75g/m2、上層に保護層を25g/m2となるように塗布・乾燥を行い試料101〜107を作製した。粘度測定は、ハーケ社 ロトビスコRV−12を使用して各剪断における粘度を測定した。尚、感光層塗布液及び表面保護層塗布液の塗布時の温度は常温で行った。
〈評価〉
得られた各試料101〜107につき幅方向塗布膜厚分布を測定した結果を表2に示す。幅方向塗布膜厚分布の評価は以下に示す評価ランクにより行った。幅方向塗布膜厚分布は塗布の最終から100mの位置を塗布幅方向に50mm間隔にて塗布膜厚を測定し、その最大値と最小値との差の、平均値に対する比を計算し求め%で表した。塗布膜厚は、東京精密社製 電機マイクロメータ ミニコムMを使用し、サンプルの一点を支持体と共に測定し、その後同じ場所の塗布面をメチルエチルケトンを湿らせた不織布で拭き取り、支持体のみの厚さを測定し、これらの測定値の差を塗布膜厚とした。
幅方向塗布膜厚分布の評価ランク
◎:幅方向塗布膜厚分布が0.1〜1.0%未満
○:幅方向塗布膜厚分布が1.0〜2.5%未満
△:幅方向塗布膜厚分布が2.5〜5.0%未満
×:幅方向塗布膜厚分布が5.1%以上
Figure 2005305228
尚、試料No.101は幅方向塗布膜厚分布は良好の結果を示しているが、使用した台を作製するのに膨大な時間と工数、費用が掛かり実用化は困難と判断した。本発明の有効性が確認された。
実施例2
〈感光層塗布液〉
実施例1で調製した感光層塗布液を使用した。
〈表面保護層塗布液〉
実施例1で調製した表面保護層塗布液を使用した。
〈ダイコータの作製〉
バーを載置する台のバーを載置する面の熱膨張係数とバーの熱膨張係数との比を表3に示すように変えた他は全て実施例1と同じ条件で図1に示すスライド型ダイコータを作製し2−1〜2−5とした。作製した各スライド型ダイコータ2−1〜2−5は常温で1年間保管した。熱膨張係数は金属便覧 改訂6版 社団法人 日本金属学会編に記載の値を用いた。台及びバーの熱膨張係数の変更は材質を選択することにより行った。
Figure 2005305228
尚、イはステンレス(SUS416)の熱膨張係数9.9×10-6、ロはステンレス(SUS630)の熱膨張係数10.8×10-6、ハはステンレス(SUS329J1)の熱膨張係数12.2×10-6を示す。
〈塗布〉
上記、調製した感光層塗布液、表面保護層塗布液を実施例1と同じ条件で、1年間保管した各スライド型ダイコータ2−1〜2−5を用いた塗布装置にて、塗布・乾燥を行い試料201〜205を作製した。
〈評価〉
得られた各試料201〜205につき幅方向塗布膜厚分布を実施例1と同じ方法で測定し、同じ方法で評価し、同じ評価ランクに従って評価した結果を表4に示す。
Figure 2005305228
本発明の有効性が確認された。
実施例3
〈感光層塗布液〉
実施例1で調製した感光層塗布液を使用した。
〈表面保護層塗布液〉
実施例1で調製した表面保護層塗布液を使用した。
〈ダイコータの作製〉
バーを載置する台を、表5に示すように予め熱処理した台を使用した他は全て実施例1と同じ条件で図1に示すスライド型ダイコータを作製し3−1〜3−4とした。作製した各スライド型ダイコータ3−1〜3−4は常温で1年間保管した。尚、バーの熱処理温度は800℃で行った。
Figure 2005305228
〈塗布〉
上記、調製した感光層塗布液、表面保護層塗布液を実施例1と同じ条件で、1年間保管した各スライド型ダイコータ3−1〜3−4を用いた塗布装置にて、塗布・乾燥を行い試料301〜304を作製した。
〈評価〉
得られた各試料301〜304につき幅方向塗布膜厚分布を実施例1と同じ方法で測定し、同じ方法で評価し、同じ評価ランクに従って評価した結果を表6に示す。
Figure 2005305228
本発明の有効性が確認された。
実施例4
〈感光層塗布液〉
実施例1で調製した感光層塗布液を使用した。
〈表面保護層塗布液〉
実施例1で調製した表面保護層塗布液を使用した。
〈ダイコータの作製〉
バーを載置する台の面上に、図6に示な状態で載置し、表7に示すようにバーの固定状態を変えた他は全て実施例1と同じ条件で図1に示すスライド型ダイコータを作製し4−1〜4−3とした。作製した各スライド型ダイコータ4−1〜4−3は常温で1年間保管した。尚、バーの台への固定は、台のバーを載置する面の裏側よりネジ止めにより行った。
Figure 2005305228
〈塗布〉
上記、調製した感光層塗布液、表面保護層塗布液を実施例1と同じ条件で、1年間保管した各スライド型ダイコータ4−1〜4−3を用いた塗布装置にて塗布・乾燥を行い試料401〜403を作製した。
〈評価〉
得られた各試料401〜403につき幅方向塗布膜厚分布を実施例1と同じ方法で測定し、同じ方法で評価し、同じ評価ランクに従って評価した結果を表8に示す。
Figure 2005305228
本発明の有効性が確認された。
実施例5
〈感光層塗布液〉
実施例1で調製した感光層塗布液を使用した。
〈表面保護層塗布液〉
実施例1で調製した表面保護層塗布液を使用した。
〈ダイコータの作製〉
実施例1に示すスライド型ダイコータ1−3を作製する時、熱処理後に行う第2研削加工(仕上がり研削加工)により真直度を表9になるようにした他は全て実施例1と同じ条件で作製し5−1〜5−7とした。作製した各スライド型ダイコータ5−1〜5−7は常温で1年間保管した。
Figure 2005305228
〈塗布〉
上記、調製した感光層塗布液、表面保護層塗布液を実施例1と同じ条件で、1年間保管した各スライド型ダイコータ5−1〜5−7を用いた塗布装置にて、塗布・乾燥を行い試料501〜507を作製した。
〈評価〉
得られた各試料501〜507につき幅方向塗布膜厚分布を実施例1と同じ方法で測定し、同じ方法で評価し、同じ評価ランクに従って評価した結果を表10に示す。
Figure 2005305228
尚、試料No.501は幅方向塗布膜厚分布は良好の結果を示しているが、使用したスライド型ダイコータを作製するのに膨大な時間と工数、費用が掛かり実用化は困難と判断した。本発明の有効性が確認された。
スライド型ダイコータを使用しビードを形成し塗布するスライド塗布方式の概略図である。 エクストルージョン型ダイコータを使用しビードを形成して塗布するエクストルージョン塗布方式の概略図である。 サポートロールで支持された支持体に図2に示すエクストルージョン型ダイコータを使用し塗布するエクストルージョン塗布方式の概略図である。 他の形式のエクストルージョン型ダイコータを使用し、スリット部から所定の間隙を隔てて、ビードを形成しないで塗布液を衝突させて塗布するエクストルージョン塗布方式の概略図である 図1で示されるスライド型ダイコータを使用したカーテン塗布方式の概略図である。 ダイコータを構成するバーを熱処理炉で熱処理を行う状態を示す概略斜視図である。
符号の説明
1 スライド型コータ
101a〜101d、801a〜801c、111a〜111c バー
102a〜102c、802a、802b、112a、112b スリット
105a〜105c、806a、806b、117a、117b 液溜まり
107a〜107d スライド面
109a〜109c、808a、808b、119a、119b 塗布液供給流路部
108、805a、805b、805c、b116a、116b リップ部
110、809、120 外壁
2 バックロール
3 帯状支持体
8、11 エクストルージョン型コータ
10 サポートロール
13 台
13a 面

Claims (22)

  1. 塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、該塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供
    給口と、前記塗布液を前記ポケット部から被塗布物に吐出するスリット部とを有し、少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータを用いた塗布装置において、
    該バーは、式1)で示される真直度の関係を有する台の面上に載置し、熱処理炉で熱処理した後に、研削加工したことを特徴とする塗布装置。
    式1) 0.1μm≦B≦A
    式中、Aはバーの熱処理前の真直度を示し、Bはバーを載置する台のバーを載置する面の真直度を示す。
  2. 塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、該塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供給口と、前記塗布液を前記ポケット部から被塗布物に吐出するスリット部とを有し、少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータを用いた塗布装置において、
    該バーは、式2)で示される熱膨張係数の関係を有する台上に載置し、熱処理炉で熱処理した後に、研削加工したことを特徴とする塗布装置。
    式2) 0.9<D/C<1.1
    式中、Cはバーの熱膨張係数を示し、Dは台のバーを載置する面の熱膨張係数を示す。
  3. 塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、該塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供
    給口と、前記塗布液を前記ポケット部から被塗布物に吐出するスリット部とを有し、少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータを用いた塗布装置において、
    該バーは、予め式3)で示される関係を有する温度で熱処理された台上に載置し、熱処理炉で熱処理した後に、研削加工したことを特徴とする塗布装置。
    式3)t≧T
    式中、Tはバーの熱処理の温度を示し、tは台の熱処理の温度を示す。
  4. 塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、該塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供給口と、前記塗布液を前記ポケット部から被塗布物に吐出するスリット部とを有し、少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータを用いた塗布装置において、
    該バーを該台上に設置し、前記台と固定を行わないか又は1箇所で固定して熱処理した後に、研削加工したことを特徴とする塗布装置。
  5. 前記研削加工は、最終仕上り形状にする仕上げ研削加工を含むことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の塗布装置。
  6. 前記仕上げ研削加工は、バーを組み付けダイコータとしたとき、少なくともスリット部を構成する箇所の塗布幅方向の真直度を0.1〜10μmにすることを特徴とする請求項5に記載の塗布装置。
  7. 前記熱処理は、バーの材質である析出硬化系ステンレスの析出硬化処理条件と同じであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の塗布装置。
  8. 前記バーは、少なくとも2本の該バーにより構成され、前記バーにより構成される少なくとも1つのスリット部の間隙が、塗布液の入口側より出口側が狭く、且つ出口側の間隙dがd≦5×10-5[m]であり、該スリット部から塗布液を、前記スリット部の出口と非接触に設置あるいは搬送される被塗布物に対して所定の間隙を隔てて、塗布液を衝突させて塗布するために塗布液を膜状に噴出させるダイコータの構成部材であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の塗布装置。
  9. 前記バーは、上流から下流に向かって連続搬送される帯状支持体へ、少なくとも2本の該バーにより形成される少なくとも1つのスリット部から塗布液を流出させ、該支持体と該スリット部の塗布液流出部近傍との間で塗布液のビードを形成して塗布するエクストルージョン型ダイコータの構成部材であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の塗布装置。
  10. 前記バーは、上流から下流に向かって連続搬送される帯状支持体へ、少なくとも2本の該バーにより形成される少なくとも1つのスリット部から塗布液を流出させ、流出した塗布液をスリット部出口に連続する斜面を流下させた後、該帯状支持体と該斜面の先端部近傍との間で塗布液のビードを形成して塗布するスライド型ダイコータの構成部材であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の塗布装置。
  11. 前記バーは、上流から下流に向かって連続搬送される帯状支持体へ、少なくとも2本の該バーにより形成されるすくなくとも1つのスリット部から流出した塗布液を自由落下させて塗布するカーテン型ダイコータの構成部材であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の塗布装置。
  12. 前記バーは、塗布幅が1m以上のダイコータの構成部材であることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の塗布装置。
  13. 前記帯状支持体が、バックロールで塗布反対面が保持されていることを特徴とする請求項8〜11の何れか1項に記載の塗布装置。
  14. 前記帯状支持体が、サポートロールでダイコータ前後を保持されていることを特徴とする請求項9に記載の塗布装置。
  15. 前記塗布液が、熱現像感光材料用の銀成分を含有する感光層用塗布液であることを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載の塗布装置。
  16. 塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供給口と、塗布液を該ポケット部から被塗布物に吐出するスリット部とを有するダイコータを構成する少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータの作製方法において、
    該バーを、前記式1)で示される真直度の関係を有する台上に載置し、熱処理炉で熱処理し、研削加工した後に、前記バーを組み付けてダイコータを作製することを特徴とするダイコータの作製方法。
  17. 塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供給口と、塗布液を該ポケット部から被塗布物に吐出するスリット部とを有するダイコータを構成する少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータの作製方法において、
    該バーを、前記式2)で示される熱膨張係数の関係を有する台上に載置し、熱処理炉で熱処理し、研削加工した後に、前記バーを組み付けダイコータを作製することを特徴とするダイコータの作製方法。
  18. 塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供給口と、塗布液を該ポケット部から被塗布物に吐出するスリット部とを有するダイコータを構成する少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータの作製方法において、
    該バーを、予め前記式3)で示される関係を有する温度で熱処理した台上に載置し、熱処理炉で熱処理し、研削加工した後に、前記バーを組み付けダイコータを作製することを特徴とするダイコータの作製方法。
  19. 塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供給口と、塗布液を該ポケット部から被塗布物に吐出するスリット部とを有するダイコータを構成する少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータの作製方法において、
    該バーを該台上に設置し、前記台と固定を行わないか又は1箇所で固定し、前記台上に載置し、熱処理炉で熱処理し、研削加工した後に、
    前記バーを組み付けダイコータを作製することを特徴とするダイコータの作製方法。
  20. 前記研削加工は、最終仕上り形状にする仕上げ研削加工を含むことを特徴とする請求項16〜19の何れか1項に記載のダイコータの作製方法。
  21. 前記仕上げ研削加工は、バーを組み付けダイコータとしたとき、少なくともスリット部を構成する箇所の塗布幅方向の真直度を0.1〜10μmにすることを特徴とする請求項20に記載のダイコータの作製方法。
  22. 前記熱処理は、バーの材質である析出硬化系ステンレスの析出硬化処理条件と同じであることを特徴とする請求項16〜20の何れか1項に記載のダイコータの作製方法。
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