JP2006167685A - 塗布装置及びダイコータの作製方法 - Google Patents

塗布装置及びダイコータの作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 長期間の塗布を行っても塗布幅方向で均一な塗布膜厚を有し、塗布故障が少ない塗布製品が得られ、清掃が容易で、フッ素系樹脂により被覆加工された塗布幅が1m以上の広幅のダイコータを用いた塗布装置及びダイコータの作製方法の提供。
【解決手段】 塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、該塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供給口と、前記塗布液を前記ポケット部から支持体に吐出するスリット部とを有し、少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータを用いた塗布装置において、前記塗布液に接する該ダイコータの面を構成する該バーの少なくとも一部がフッ素系樹脂で被覆加工されており、前記バーを、前式1)で示される熱膨張係数の関係を有する台の面上に載置して焼成炉で該フッ素系樹脂を焼成処理した後、仕上げ研削加工したことを特徴とする塗布装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、少なくとも2本のバーを組み付け作製されたダイコータを用いた塗布装置及びダイコータの製造方法に関し、詳しくは塗布幅方向の塗布膜厚が安定し、塗布故障が少なく良好な塗布品質が得られ、清掃性が良好な少なくとも2本のバーを組み付け作製されたダイコータを用いた塗布装置及びダイコータの製造方法に関する。
従来より、写真感光材料、熱現像記録材料、アブレーション記録材料、磁気記録媒体、ガラス板・綱板等の表面処理等の塗布液(下引き処理液、上塗り液、裏面層液等を含む)を連続走行する帯状支持体や基板(以下、支持体とも言う)に塗布液を塗布する方法として、例えば、ディップ塗布法、ブレード塗布法、エアーナイフ塗布法、ワイヤーバー塗布法、グラビア塗布法、リバース塗布法、リバースロール塗布法、エクストルージョン塗布法、スライド塗布法、カーテン塗布法等が知られている。
これらの塗布方法の中で、一般的に写真感光材料、熱現像記録材料、アブレーション記録材料等の塗布には高速、薄膜、多層同時塗布が可能であることから、スライド塗布法、エクストルージョン塗布法、カーテン塗布法等が広く用いられている。これらの塗布方法に用いる塗布装置としては、スライド塗布法にはスライド型ダイコータを使用し、エクストルージョン塗布法にはエクストルージョン型ダイコータを使用し、カーテン塗布法にはカーテン型ダイコータを使用している。
これらダイコータは少なくとも2本のバーを組み付け作製されており、構成としては、
例えば、スライド型ダイコータの場合は、少なくとも2本のバーより構成された塗布液を流出させるスリット部と、スリット部の幅方向に均一に塗布液を供給するためのポケット部と称する液溜まり部、スリット部から流出した塗布液が流れるスライド部及びスライド部終端で支持体との間にビードを形成して塗布するリップ部とを有している。これらスリット部、ポケット部、スライド部、リップ部、リップ部に繋がる外壁等が塗布液と接する部分として挙げられる。
スライド型ダイコータ、エクストルージョン型ダイコータ又はカーテン型ダイコータを用いて、例えば、ハロゲン化銀粒子を含む写真感光材料、熱現像記録材料の塗布液を塗布する場合、これら各種のダイコータの塗布液と接する部分には次の様な問題点があることが知られている。
リップ部に繋がる外壁の場合、塗布開始時の流量を設定する場合及び塗布終了時に塗布液がリップ部に繋がる外壁を流下し外壁に付着し、乾燥固化するため塗布終了後の清掃が大変となっている。
スリット部、ポケット部、スライド部、リップ部の場合は、これらの箇所に微小の異物及びハロゲン化銀粒子等が付着したりする。長時間の塗布を行う場合、これらの箇所に付着した微小の異物及びハロゲン化銀粒子が核になり、更に異物及びハロゲン化銀粒子が付着することで付着物が大きくなることがある。この様にある程度の大きさになると、付着箇所の塗布液の流量、流速が変わることで安定した塗布液の流れでなくなるため、塗布故障となり、製品化が困難になってしまう。例えば、これらの異物及びハロゲン化銀粒子等は塗布液供給管からダイコータのスリット部出口までの複雑な塗布液供給系に配設されている配管の継ぎ手部分、バルブ部分等のデッドスペースに付着している異物が塗布液を流すことにより離れて発生したり、長時間の塗布で塗布液中に沈殿し発生するハロゲン化銀粒子と考えられている。
特に、塗布開始時には塗布液供給系に急激に塗布液が流れるため、塗布液供給系の各デッドスペースに付着していた微小の異物が離れ、ダイコータの塗布液と接する部分に付着したりする。又、リップ部に繋がる外壁にも塗布液が付着し乾燥固化する。又、長時間の塗布では、塗布液中に沈殿したハロゲン化銀粒子、微小の異物等がダイコータの塗布液と接する箇所に付着し難くし、安定した塗布を行うため及び塗布終了後の清掃を容易にするため以下に示す対策が知られている。
例えば、エクストルージョン型ダイコータのポケット部、スリット部等をフッ素系樹脂で構成し洗浄、分解を容易にする技術が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。エクストルージョン型ダイコータのスリット部周辺をフッ素系樹脂により親油化処理することで、スジ状のムラの発生がなく薄膜を形成可能にする技術が知られている(例えば、特許文献3参照。)。基材塗布用エクストルージョン型コータの外壁側面部をフッ素系樹脂被覆し塗布開始位置における液溜まりの発生を防止し均一な膜厚を得る技術が知られている(例えば、特許文献4参照。)。
上記特許文献1〜4に記載されている如く、ダイコータの塗布液と接する箇所をフッ素系樹脂により被覆することで異物の付着を防止することが可能となるため非常に優れた技術であるが次の欠点を有している。
ダイコータは塗布膜厚の精度を要求されることから真直度も数マイクロメータの精度が要求されている。バーへフッ素系樹脂を被覆加工する場合、塗布幅がおおよそ1m未満の場合は焼成処理の影響は少なくほとんど問題とならない。しかしながら、塗布幅が1mを越える広幅のダイコータの作製に使用するバーの場合、フッ素系樹脂の焼成処理の影響が大きく、フッ素系樹脂で被覆加工したバーを組み付けて作製したダイコータは、長期間使用した場合、塗布液の固着に伴う塗布は防止出来るが、塗布幅手の膜厚均一性が得られないため、塗布膜厚の均一性が要求されない品質の塗布しか行うことが出来なかった。このため、フッ素系樹脂を被覆加工せずに塗布故障の発生を抑えるために長期間の塗布は行わず、清掃を頻繁に行い工程の稼働率を下げて塗布を行っていた。
このため、長期間の塗布を行っても塗布幅方向で均一な塗布膜厚を有し、塗布故障が少ない塗布製品が得られ、塗布液と接する箇所の清掃が容易なフッ素系樹脂により被覆加工された1m以上の広幅のダイコータを用いた塗布装置及びダイコータの作製方法の開発が望まれている。
特開平11−156265号公報 特開2001−269606号公報 特開2001−191004号公報 特開2001−276709号公報
本発明は係る状況に鑑みなされたものであり、その目的は長期間の塗布を行っても塗布幅方向で均一な塗布膜厚を有し、塗布故障が少ない塗布製品が得られ、塗布液と接する箇所の清掃が容易なフッ素系樹脂により被覆加工された1m以上の広幅のダイコータを用いた塗布装置及びダイコータの作製方法を提供することである。
上記目的は、下記の構成により達成された。
(請求項1)
塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、該塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供給口と、前記塗布液を前記ポケット部から支持体に吐出するスリット部とを有し、少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータを用いた塗布装置において、
前記塗布液に接する該ダイコータの面を構成する該バーの少なくとも一部がフッ素系樹脂で被覆加工されており、
前記バーを、式1)で示される熱膨張係数の関係を有する台の載置面上に載置して焼成炉で該フッ素系樹脂を焼成処理した後、仕上げ研削加工したことを特徴とする塗布装置。
式1) 0.9<B/A<1.1
式中、Aはバーの熱膨張係数を示し、Bはバーを載置する台の載置面の熱膨張係数を示す。
(請求項2)
前記バーは予め該フッ素系樹脂の焼成処理温度と同じか又は高い温度で予備熱処理を行い、該予備熱処理した後に研削加工を行うことを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
(請求項3)
前記研削加工は、予備熱処理で生じた歪みを除去する第1研削加工と、最終仕上り形状に仕上げる第2研削加工とを含むことを特徴とする請求項2に記載の塗布装置。
(請求項4)
前記仕上げ研削加工は、焼成処理で生じた歪みを除去する第1仕上げ研削加工と、被覆加工により生じたフッ素系樹脂の厚みムラを除去する第2仕上げ研削加工とを含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の塗布装置。
(請求項5)
前記焼成処理温度が100〜380℃であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の塗布装置。
(請求項6)
前記バーは、フッ素系樹脂で被覆加工を行った箇所の塗布幅方向の真直度が0.1〜10μmを有していることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の塗布装置。
(請求項7)
前記バーは、フッ素系樹脂で被覆加工を行った箇所の表面粗さが、0.01μm<Ra<1μm、且つ0.1μm<Rmax<5μmであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の塗布装置。
(請求項8)
前記バーは、少なくとも2本の該バーにより構成され、前記バーにより構成される少なくとも1つのスリット部の間隙が、塗布液の入り口側より出口側が狭く、且つ出口側の間隙DがD≦5×10-5[m]であり、該スリット部から塗布液を、前記スリット部の出口と非接触に設置あるいは搬送される支持体に対して所定の間隙を隔てて、塗布液を衝突させて塗布するために塗布液を膜状に噴出させるダイコータの構成部材であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の塗布装置。
(請求項9)
前記バーは支持体へ、少なくとも2本の該バーにより形成される少なくとも1つのスリット部から塗布液を流出させ、該支持体と該スリット部の塗布液流出部近傍との間で塗布液のビードを形成して塗布するエクストルージョン型ダイコータの構成部材であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の塗布装置。
(請求項10)
前記バーは支持体へ、少なくとも2本の該バーにより形成される少なくとも1つのスリット部から塗布液を流出させ、流出した塗布液をスリット部出口に連続する斜面を流下させた後、該帯状支持体と該斜面の先端部近傍との間で塗布液のビードを形成して塗布するスライド型ダイコータの構成部材であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の塗布装置。
(請求項11)
前記バーは支持体へ、少なくとも2本の該バーにより形成される少なくとも1つのスリット部から流出した塗布液を自由落下させて塗布するカーテン型ダイコータの構成部材であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の塗布装置。
(請求項12)
前記バーは、塗布幅が1m以上のダイコータの構成部材であることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の塗布装置。
(請求項13)
前記支持体が、バックロールで塗布反対面が保持されていることを特徴とする請求項8〜11の何れか1項に記載の塗布装置。
(請求項14)
前記支持体が、サポートロールでダイコータ前後を保持されていることを特徴とする請求項9に記載の塗布装置。
(請求項15)
前記塗布液が、熱現像感光材料用の銀成分を含有する感光層及び非感光性保護層用塗布液であることを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載の塗布装置。
(請求項16)
塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、該塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供給口と、前記塗布液を前記ポケット部から支持体に吐出するスリット部とを有し、塗布液に接する面の少なくとも一部がフッ素系樹脂で被覆加工されている少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータの作製方法において、
前記塗布液に接する該ダイコータの面を構成する該バーの少なくとも一部に該フッ素系樹脂により被覆加工処理し、
前記式1)で示される熱膨張係数の関係を有する台の載置面上に載置し、焼成炉で前記フッ素系樹脂を焼成処理し、仕上げ研削加工を行った後、
前記バーを組み付けダイコータを作製することを特徴とするダイコータの作製方法。
(請求項17)
前記バーは、予め予備熱処理を行った後に研削加工を行うことを特徴とする請求項16に記載のダイコータの作製方法。
(請求項18)
前記予備熱処理は、フッ素系樹脂の焼成処理温度と同じか、又はそれより高い温度で行うことを特徴とする請求項17に記載のダイコータの作製方法。
(請求項19)
前記研削加工は、予備熱処理で生じた歪みを除去する第1研削加工と、最終仕上り形状に仕上げる第2研削加工とを含むことを特徴とする請求項17又は18に記載のダイコータの作製方法。
(請求項20)
前記焼成処理温度が100〜380℃であることを特徴とする請求項16〜19の何れか1項に記載のダイコータの作製方法。
(請求項21)
前記仕上げ研削加工は、焼成処理で生じた歪みを除去する第1仕上げ研削加工と、被覆加工により生じたフッ素系樹脂の厚みムラを除去する第2仕上げ研削加工とを含むことを特徴とする請求項16〜20の何れか1項に記載のダイコータの作製方法。
(請求項22)
前記仕上げ研削加工により、フッ素系樹脂で被覆加工を行った部分の表面の塗布幅方向の真直度を0.1〜10μm及び粗さを0.01μm<Ra<1μm、且つ0.1μm<Rmax<5μmに仕上げることを特徴とする請求項16〜21の何れか1項に記載のダイコータの作製方法。
発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を加えた結果、フッ素系樹脂により被覆加工した少なくとも2本のバーを組み付け作製した、塗布幅が1m以上のダイコータを使用して長期間経過した場合、次第に塗布幅方向で均一の塗布膜厚分布が悪くなる原因は次のことが生じていることによるものであることが判明した。
ダイコータを構成しているバーの持つ内部応力や、バーを焼成処理した時のバーに残存する加工応力が顕在化し、歪みが発生しダイコータの塗布液と接触する部分、例えば、ポケット部、塗布液供給口、スリット部、エッジ部、リップ部等の真直度を悪化させ、更には、真直度の悪化に伴い、塗布幅方向のスリット間隙やダイコータと支持体との距離が不均一となって塗布幅方向の膜厚均一性が悪化する。
何故、長期間経過でダイコータを構成しているバーの真直度が悪化するのか、発明者らは更に鋭意検討を加えた結果、ダイコータを構成するバーをフッ素系樹脂により被覆加工した後に、台の載置面上に載置して焼成処理を行う際、台の載置面の精度が悪いと焼成処理に伴う台の載置面の膨張、収縮、曲り、変形等の外乱の影響を受け、真直度の劣化が大きくなる。この様にして焼成処理することで悪化したバーの真直度を修正するための研削加工量が多くなり、研削加工の加工応力がバーに残留する状態となる。これらのバーを組み付けたダイコータを長期間経過することでバーに残留する加工応力が顕在化し、ダイコータ全体に歪みが発生し、塗布幅手の膜厚均一性が悪化すると推定した。
これらに対して、発明者らは鋭意検討を加えた結果、ダイコータを構成するバーをフッ素系樹脂により被覆加工する時、バーを台に載置して行う焼成処理で、台による外乱を分離することが焼成処理で発生するバーの真直度の歪みを出来る限り小さくし、仕上げ研削加工による研削量を少なくし、バーの残留加工応力を少なくすることに有効であることが判明し本発明に至った次第である。
長期間の塗布を行っても塗布幅方向で均一な塗布膜厚を有し、塗布故障が少ない塗布製品が得られ、塗布液と接する箇所の清掃が容易なフッ素系樹脂により被覆加工された1m以上の広幅のダイコータを用いた塗布装置及びダイコータの作製方法を提供することが出来、塗布故障が軽減し、膜厚分布が安定したことに伴い品質が安定し良品率が上がった。
本発明の実施の形態を図1〜図7を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1はスライド型ダイコータを使用しビードを形成し塗布するスライド塗布方式の概略図である。図1の(a)はバックロールで塗布反対面を保持された支持体の保持部へ、スライド型ダイコータを使用しビードを形成して塗布するスライド塗布方式の模式図である。図1の(b)は図1で示されるスライド型ダイコータの拡大概略断面図である。
図中、1はスライド型ダイコータを示し、2はバックロールを示し、3は上流から下流に向かって(図中の矢印方向)連続搬送される帯状支持体を示す。スライド型ダイコータ1は各バー101a〜101dを組み付け作製されている。バー101a〜101dの数は固定されているのではなく、塗布する層の数に応じて増減することが可能である。バックロールとはスライド型ダイコータ1と帯状支持体3を挟んで帯状支持体3の塗布反対面側に設置された搬送ロールを指し、その円筒度がスライド型ダイコータ1と同様に塗布幅手間隙精度に影響大のため、200mm以上と大径の金属で構成されている。
102a〜102cはスライド型ダイコータを構成している各バー101a〜101dの間に作られた塗布液の流出口であるスリット部を示す。スリット部の数はスライド型ダイコータを構成している各バー101a〜101dの数により変わるが、通常は2〜20である。本図に示されるスライド型ダイコータは4本のバーを組み付けることで構成され、3つのスリット部を有する同時重層用のスライド型ダイコータを示す。
103a〜103cは各スリット部102a〜102cの内壁を示し、104a〜104cは各スリット部102a〜102cの出口のエッジ部を示す。105a〜105cは各供給管403a〜403cから送られてくる塗布液を各スリット部102a〜102cより幅方向に均一に押し出すために各スリット部102a〜102cに設けられたポケット部を示す。106a〜106cは各ポケット部105a〜105cの内壁を示す。
107a〜107dはスライド面を示す。塗布液供給系4の調製釜401a〜401cで調製された塗布液を各送液ポンプ402a〜402cにより各供給管403a〜403cを通して、各バー101a〜101dの間に作られた各液溜まり105a〜105cに供給され、各スリット部102a〜102cから押し出された塗布液は各スライド面107a〜107cを流下し、リップ部108を介してビード5を形成し、バックロール2により塗布反対面を保持され搬送される支持体3の保持部に塗布される。
110はリップ部108に繋がる外壁を示す。109a〜109cは各供給管403a〜403cから送られてくる塗布液を各ポケット部105a〜105cに供給するための塗布液供給流路部を示す。
101a1〜101d1は各スライド面107a〜107dに対向する各バー101a〜101dの底面を示し、これらの底面101a1〜101d1でスライド型ダイコータ1の底部を形成している。
6は塗布の安定化のためスライド型ダイコータ1の下部に設けられた減圧室を示し、601は吸引管を示す。7は支持体に塗布された塗布層を示す。W1は支持体3にスライド型ダイコータ1により塗布液を塗布する塗布点を示し、通常バックロールの中心を通る水平軸より下方0〜20度の位置が好ましい。
長時間塗布を行う場合、リップ部108及びリップ部108に繋がる外壁110に塗布液が付着し乾燥して固化したり、塗布液中に混在する異物、ハロゲン化銀粒子等が各ポケット部105a〜105cの各内壁106a〜106c、各スリット部102a〜102cの各内壁103a〜103c、各スリット部102a〜102cの出口のエッジ部104a〜104cに付着する。付着物が塗布液により押し出され、そのまま帯状支持体に塗布された場合は異物付着故障が発生する。
又、各スリット部102a〜102cの各内壁103a〜103c、各エッジ部104a〜104c、各スライド面107a〜107c、リップ部108に塗布液中に混在する異物、ハロゲン化銀粒子等が付着した場合は、付着した箇所の塗布液の流れが異なりスジ状となりスジ故障が発生する。
又、リップ部108に塗布液の乾燥による被膜が付着した場合は、ビードの形成が安定せず塗布が不安定になる。リップ部108に繋がる外壁110に塗布液の乾燥による被膜が付着した場合は、塗布終了後の清掃が大変となる。リップ部108に繋がる外壁110は、塗布開始前の塗布液流量調整、又は各スリット部102a〜102cの内部清掃等を行う場合、塗布液が外壁110を伝わって流れ落ち、乾燥固化するため、塗布毎に擦り落とす、掻き落とす等の清掃作業を行わなければならない箇所である。
本図で示されるスライド型ダイコータ1で塗布液と接する面としては、各バー101a〜101dにより構成される各スリット部102a〜102cの各内壁103a〜103c、各エッジ部104a〜104c、各ポケット部105a〜105cの各内壁106a〜106c、各塗布液供給流路部109a〜109c、各スライド面107a〜107c、リップ部108及びリップ部108に繋がる外壁110が挙げられる。塗布液と接するこれらの箇所が本発明に係るフッ素系樹脂で被覆加工される箇所に該当する。
即ち、各バー101a〜101dを組み付けスライド型ダイコータ1を作製した時、塗布液と接するこれらの箇所に該当する各バー101a〜101dの箇所が本発明に係るフッ素系樹脂で被覆加工される箇所に該当する。
図2はエクストルージョン型ダイコータを使用しビードを形成して塗布するエクストルージョン塗布方式の概略図である。図2の(a)は、バックロールで塗布反対面を保持された支持体の保持部へ、エクストルージョン型ダイコータを使用しビードを形成して塗布するエクストルージョン塗布方式の模式図である。図2の(b)は図2の(a)で示されるエクストルージョン型ダイコータの拡大概略断面図である。
図中、8はエクストルージョン型ダイコータを示す。エクストルージョン型ダイコータ8は各バー801a〜801cを組み付け作製されている。バー801a〜801cの数は固定されているのではなく、塗布する層の数に応じて増減することが可能である。
802a、802bはエクストルージョン型ダイコータ8を構成している各バー801a〜801cの間に作られた塗布液の流出口であるスリット部を示す。スリット部の数はエクストルージョン型ダイコータを構成している各バー801a〜801cの数により変わるが、通常は1〜10である。本図に示されるエクストルージョン型ダイコータは3本のバーで構成され、2つのスリット部を有する同時重層用のエクストルージョン型ダイコータを示す。
803a、803bは各スリット部802a、802bの内壁を示し、804a、804bは各スリット部802a、802bの出口のエッジ部を示し、805a〜805cはリップ部を示す。806a、806bは各供給管403a、403bから送られてくる塗布液を各スリット部802a、802bより幅方向に均一に押し出すために各スリット部802a、802bに設けられたポケット部を示す。807a、807bは各ポケット部806a、806bの内壁を示す。
808a、808bは各供給管403a、403bから送られてくる塗布液を各ポケット部806a、806bに供給するための塗布液供給流路部を示す。809はリップ部805aに繋がる外壁を示し、外壁809は、塗布開始前の塗布液流量調整、又は各スリット部802a、802bの内部清掃等を行う場合、塗布液が伝わって流れ落ち、乾燥固化するため、塗布毎に、擦り落とす、掻き落とす等の清掃作業を行わなければならない箇所である。
本図で示されるエクストルージョン型ダイコータで塗布液と接する面としては、各スリット部802a、802bの各内壁803a、803b、各エッジ部804a、804b、リップ部805a〜805c、各ポケット部806a、806bの各内壁807a、807b、各塗布液供給流路部808a、808b及びリップ部805aに繋がる外壁809が挙げられる。これらの塗布液と接する面がフッ素系樹脂で被覆加工される箇所に該当する。
810a〜810cは各リップ部805a〜805cに対向する各バー801a〜801cの底面を示し、これらの底面810a〜810cでエクストルージョン型ダイコータ8の底部を形成している。
塗布液供給系4の各調製釜401a、401bで調製された塗布液を各送液ポンプ402a、402bにより各供給管403a、403bを通して、各バー801a〜801cの間に作られた各ポケット部806a、806bに供給され、各スリット部802a、802bから押し出された塗布液はリップ部805a〜805cを介してビード9を形成し、バックロール2により塗布反対面を保持され搬送される帯状支持体3の保持部に塗布される。W2は支持体3にコータ8により塗布液を塗布する塗布点を示し、通常バックロールの中心を通る水平軸より下方0〜90度の位置が好ましい。他の符号は図1と同義である。
長時間塗布を行う場合、リップ部805a及びリップ部805aに繋がる外壁809に塗布液が付着し乾燥して固化したり、塗布液中に混在する異物、ハロゲン化銀粒子等が各ポケット部806a、806bの各内壁807a、807b、各エッジ部804a、804b、各スリット部802a、802bの各内壁803a、803bに付着する。付着物が塗布液により押し出され、そのまま帯状支持体に塗布された場合は異物付着故障が発生する。又、各スリット部802a、802bの各内壁803a、803b、各エッジ部804a、804b、リップ部805a〜805cに塗布液中に混在する異物、ハロゲン化銀粒子等が付着した場合は、付着した箇所の塗布液の流れが異なりスジ状となりスジ故障が発生する。又、リップ部805aに塗布液の乾燥による被膜が付着した場合は、ビードの形成が安定せず塗布が不安定になる。リップ部805aに繋がる外壁809に塗布液の乾燥による被膜が付着した場合は、塗布終了後の清掃が大変となる。
本図で示されるエクストルージョン型ダイコータで塗布液と接する面としては、各スリット部802a、802bの各内壁803a、803b、各エッジ部804a、804b、各ポケット部806a、806bの各内壁807a、807b、各塗布液供給流路部808a、808b、各リップ部805a〜805c及びリップ部805aに繋がる外壁809が挙げられる。これらの塗布液と接する面が本発明に係るフッ素系樹脂で被覆加工される箇所に該当する。即ち、各バー801a〜801dを組み付けエクストルージョン型ダイコータ8を作製した時、塗布液と接するこれらの箇所に該当する各バー801a〜801dの箇所が本発明に係るフッ素系樹脂で被覆加工される箇所に該当する。
図3はサポートロールで支持された支持体に図2に示すエクストルージョン型ダイコータを使用し塗布するエクストルージョン塗布方式の概略断面図である。
図中、10はサポートロールを示す。他の符号は図2と同義である。本図で示される塗布方式においては、帯状支持体の支持方法が図2で示される方法を変えた以外は全て同じであるため、長時間塗布により塗布液が付着する箇所、異物が付着する箇所、及び塗布液と接する面及びフッ素系樹脂で被覆加工される箇所等も図2で示されるエクストルージョン型ダイコータと同じである。
図4は他の形式のエクストルージョン型ダイコータを使用し、スリット部から所定の間隙を隔てて、ビードを形成しないで塗布液を衝突させて塗布するエクストルージョン塗布方式の概略図である。図4の(a)は、バックロールで塗布反対面を保持された支持体の保持部へ、他の形式のエクストルージョン型ダイコータを使用しビードを形成しないで塗布するエクストルージョン塗布方式の模式図である。図4の(b)は、図4の(a)で示されるエクストルージョン型ダイコータの拡大概略断面図である。
図中、11はエクストルージョン型ダイコータを示す。エクストルージョン型ダイコータ11はバー111a〜111cを組み付け作製されている。バー111a〜111cの数は固定されているのではなく、塗布する層の数に応じて増減することが可能である。
112a、112bは各バー111a〜111cの間に作られたスリット部を示し、エクストルージョン型コータを構成している各バー111a〜111cの間にそれぞれ設けられている。12a、12bは各スリット部112a、112bから塗布液を噴出することで形成される塗布膜を示す。
スリット部の数はエクストルージョン型ダイコータを構成している各バーの数により変わるが、通常は1〜9である。本図に示されるエクストルージョン型ダイコータは3本のバーで構成され、2つのスリット部を有する同時重層用のエクストルージョン型ダイコータを示す。
113a、113bは各スリット部112a、112bの塗布液の出口側を示し、113a1、113b1は塗布液の入り口側を示す。114a、114bは各スリット部112a、112bの各塗布液の出口側113a、113bの内壁を示し、114a1、114b1は各塗布液の入り口側113a1、113b1の内壁を示す。115a、115bは各スリット部112a、112bのエッジ部を示し、116a、116bはリップ部を示す。117a、117bは各供給管403a、403bから送られてくる塗布液を各スリット部112a、112bより幅方向に均一に押し出すためにスリット部に設けられた液溜まりを示す。118a、118bは各液溜まり117a、117bの内壁を示す。
119a、119bは各供給管403a、403bから送られてくる塗布液を各液溜まり117a、117bに供給するための塗布液供給流路部を示す。120はリップ部116aに繋がる外壁を示し、外壁120は、塗布開始前の塗布液流量調整、又は各スリット部112a、112bの内部清掃等を行う場合、塗布液が伝わって流れ落ち、乾燥固化するため、塗布毎に、擦り落とす、掻き落とす等の清掃作業を行わなければならない箇所である。
111a〜111cは各バー111a〜111cの底面を示し、これらの底面111a〜111cで本図で示されるエクストルージョン型ダイコータ11の底部を形成している。
本図で示されるエクストルージョン型ダイコータで塗布液と接する面としては、各スリット部112a、112bの塗布液の出口側113a、113bの各内壁114a、114b、各スリット部112a、112bの各塗布液の入り口側113a1、113b1の各内壁114a1、114b1、各エッジ部115a、115b、各リップ部116a、116b、各液溜まり117a、117bの各内壁118a、118b、各塗布液供給流路部119a、119b及びリップ部116aに繋がる外壁120が挙げられる。これらの塗布液と接する面がフッ素系樹脂で被覆加工される箇所に該当する。即ち、各バー111a〜111cを組み付けエクストルージョン型ダイコータ11を作製した時、塗布液と接するこれらの箇所に該当する各バー111a〜111cの箇所が本発明に係るフッ素系樹脂で被覆加工される箇所に該当する。
塗布液供給系4の各調製釜401a、401bで調製された塗布液を各送液ポンプ402a、402bにより各供給管403a、403bを通して、各バー111a〜111cの間に作られた各液溜まり117a、117bに供給され、各スリット部112a、112bから膜状に噴出する塗布液は、バックロール2により塗布反対面を保持され搬送される帯状支持体3の保持部に衝突し塗布される。
Dはスリット部の出口間隙を示す。出口間隙Dは使用する塗布液の物性、塗膜厚により適宜調整が可能となっている。スリット部の間隙は塗布液の入り口側が広く出口側が狭まっており、且つスリット部の出口間隙DがD≦5×10-5[m]である。更に好ましくは、Dが1×10-5[m]≦D≦4×10-5[m]である。この様な範囲にすることで、従来のエクストルージョン型ダイコータより、塗布液を極めて薄い膜状に噴出させ、薄膜塗布が可能となる。
本図で示されるエクストルージョン型ダイコータの場合、長時間の塗布で異物及びハロゲン化銀粒子等の付着する箇所は図2で示されるエクストルージョン型ダイコータの場所と同じである。
図5はカーテン型ダイコータを使用したカーテン塗布方式の模式図である。
図中、13は各スリット部口から押し出された塗布液が積層された状態でスライド面を流下し、自然落下により形成した膜を示す。この膜13が帯状の支持体に塗布される。他の符号は図1と同義である。
本図で示されるカーテン型ダイコータの場合、塗布液と接する面及びフッ素系樹脂で被覆加工される箇所及び長時間塗布で異物及びハロゲン化銀粒子等の付着する箇所は図1に示されるスライド型ダイコータと同じである。
本発明では、図1〜図5に示されるスライド型ダイコータ、カーテン型ダイコータ、エクストルージョン型ダイコータの総称としてダイコータとも言う。
図1〜図5に示される各種のダイコータにおいて、ポケット部は、一般に塗布幅方向に塗布液を均一な圧力で行き渡らせるために、断面を大きくし流速が低くなるように設計されている。このため、塗布液中の異物及びハロゲン化銀粒子等が付着し易く、一旦付着すると付着した箇所が核となり大きくなり、これが何らかの衝撃で剥がれ塗布液中に混ざり塗布故障の原因となるため、フッ素系樹脂で被覆加工を行い付着し難くすることは塗布故障発生を防止する上で有効である。
スリット部は間隙が狭いため塗布液の流速が早くポケット部よりは塗布液中の異物及びハロゲン化銀粒子等は付着し難いと考えられるが、少しでも発生すると、流路を塞ぐこととなり、スジ状の故障の原因となるためフッ素系樹脂で被覆加工を行い付着し難くすることは塗布故障発生を防止する上で有効である。
スリット部の真直度が悪い場合は塗布液を均一な圧力でダイコータの幅方向吐出することが困難となり、幅方向で塗布液の吐出量が不安定になり、幅方向の塗布膜厚が一定にならなくなるため、真直度を小さくすることは幅方向の塗布膜厚を一定にする上で有効である。
リップ部への塗布液中の異物及びハロゲン化銀粒子の付着も、スリット部と同様でありフッ素系樹脂で被覆加工を行うことが極めて有効である。特に、最下流側のリップ部ではビードより回り込み付着した塗布液が乾燥固化した場合、ビードの形成が不安定になり安定した塗布が出来なくなるためフッ素系樹脂で被覆加工を行い付着し難くすることは塗布故障発生を防止する上で極めて有効である。
リップ部の真直度が悪い場合は、幅方向でビードの形成が不安定になり安定した塗布が出来なくなり、幅方向の塗布膜厚が一定にならなくなるため、真直度を小さくすることは幅方向の塗布膜厚を一定にする上で有効である。
スライド面上の塗布液は自重による流下であるため、流速が遅くポケット部と同様に塗布液の異物及びハロゲン化銀粒子が付着し易いため、フッ素系樹脂で被覆加工を行い付着し難くすることは塗布故障発生を防止する上で極めて有効である。
スライド面の真直度が悪い場合は、スライド面上を安定して流下しなくなり、安定した塗布が出来なくなるため幅方向の塗布膜厚が一定にならなくなる。このため真直度を小さくすることは幅方向の塗布膜厚を一定にする上で有効である。
エッジ部も塗布液の異物及びハロゲン化銀粒子等が付着し易い箇所であり、付着した場合は塗布液の流れが安定でなくなり、筋故障が発生するためフッ素系樹脂で被覆加工を行い付着し難くすることは筋故障の発生を防止することから有効である。
エッジ部の真直度が悪い場合は、スリットの幅方向で塗布液の吐出量が不安定になり安定した塗布が出来なくなり、幅方向の塗布膜厚が一定にならなくなるため、真直度を小さくすることは幅方向の塗布膜厚を一定にする上で有効である。
リップ部に繋がる外壁は、塗布開始前の塗布液流量調整、又は各スリット部の内部清掃等を行う場合、塗布液が外壁を伝わって流れ落ち付着し、乾燥固化するため、塗布毎に擦り落とす、掻き落とす等の清掃作業を行わなければならず清掃作業に時間を要する箇所である。リップ部に繋がる外壁にフッ素系樹脂で被覆加工を行うことで塗布液の付着が極めて少なくなるため清掃作業を短時間にすることから有効である。
塗布液と接する箇所をフッ素系樹脂により被覆加工したバーを組み付け作製したダイコータを使用して長時間の塗布を行った場合、ダイコータの接液部の汚れは改良されるのであるが、長期間使用した場合は、塗布幅方向の塗布膜厚が均一な塗布が出来なくなる場合があり、特にこの傾向は塗布幅が1m以上の広幅のダイコータに生じる場合が多い。
発明者らは鋭意検討した結果、次のことが明らかになった。1)バーの塗布液と接する箇所をフッ素系樹脂により被覆加工する場合、加工面の清掃のための熱処理とフッ素を基材に接着させるための焼成処理が行われる。この様な被覆加工に焼成処理を行うことで、バーの持つ内部応力やバーを作製した時の加工応力が顕在化し、歪みが発生しバーの真直度が劣化する。この劣化した真直度を修正するための研削加工を行うことにより加工応力が残留し、この様な状態のバーを使用してダイコータを作製して長期間経過した場合、バーに残留している加工応力が顕在化し、塗布幅方向のスリット間隙やダイコータと支持体との距離が不均一となって塗布幅手の膜厚均一性を悪化させることが判明した。2)焼成処理を行う時にバーを台に載置して行うのであるが、この時に台の真直度がバーに転写し、台の真直度がバーの真直度よりも悪い(大きい)とバーの真直度を悪化させる原因になっていることが判明した。
本発明は、少なくとも2本のバーを組み付け作製したダイコータにおいて、塗布液に接する箇所である、塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、塗布液をポケット部へ供給する塗布液供給口と、塗布液をポケット部から支持体に吐出するスリット部及びリップ部に繋がる外壁等に該当する各バーの少なくとも一部がフッ素系樹脂で被覆加工され、且つ真直度を一定にした少なくとも2本のバーを組み付け作製したダイコータを用いた塗布装置及びダイコータの作製方法に関するものである。本発明のダイコータの作製方法に付き以下に説明する。尚、本発明においてダイコータの真直度とは、ダイコータのスリット部、リップ部、スライド面、エッジの真直度を含めた場合を示し、又、バーの真直度とは、ダイコータのスリット部、リップ部、スライド面、エッジを構成するバーの箇所の真直度を含めた場合を示す。フッ素系樹脂の被覆加工後に行う焼成処理について図6で説明する。
図6はダイコータを構成するバーのフッ素系樹脂の被覆加工後に行う焼成処理の状態を
示す概略斜視図である。図6の(a)は図1で示すスライド型ダイコータを構成するバーのフッ素系樹脂の被覆加工後に行う焼成処理を行う状態を示す概略斜視図である。図6の(b)は図2で示すエクストルージョン型ダイコータを構成するバーのフッ素系樹脂の被覆加工後に行う焼成処理の状態を示す概略斜視図である。尚、本図では焼成炉は省略してある。
図中、14は図1で示すスライド型ダイコータを構成するバー101b又は図2で示すエクストルージョン型ダイコータを構成するバー801bを載置する台を示し、14aはバー101又はバー801bを載置する台14の面を示す。面14aの長辺側と短辺側にはそれぞれ脚部を兼ねる側壁を有している。14bは短辺側の側面を示し、14cは長辺側の側面を示す。
台の大きさは特に限定はなく、例えば図1で示すスライド型ダイコータを構成するバー101a〜101d(図1を参照)又は、図2で示すエクストルージョン型ダイコータを構成するバー101a〜101d(図2を参照)を一度に載置出来る大きさであってもよいし、バー1本を載置する程度の大きさであってもかまわない。焼成炉の大きさに合わせて適宜選択することが可能である。本図はバー1本を載置する大きさの場合を示している。台の形状も特に限定はなく、例えば4本の脚でバーを載置する面を支える形式でもよいし、本図に示すように側壁が脚部を兼ねる形式でもよい。
図6の(a)で示されるスライド型ダイコータを構成するバーの場合は、バーを組み付けてスライド型ダイコータとした時、スライド型ダイコータの裏面になるバーの側面111bを台の載置面14aに接触する状態で台の載置面14a上に載置した場合を示している。
図6の(b)で示されるエクストルージョン型ダイコータを構成するバーの場合は、バーを組み付けてエクストルージョン型ダイコータとした時、エクストルージョン型ダイコータの裏面になるバーの側面810bを台の載置面14aに接触する状態で台の載置面14a上に載置した場合を示している。台の載置面14aへの載置方法は特には限定はないが、ダイコータとした時に塗布液の供給、流れに影響を与える場所は取り扱いで傷が付く危険があるため避けることが好ましい。
図1に示されるスライド型ダイコータ、図2〜図4に示されるエクストルージョン型ダイコータ、図5に示されるカーテン型ダイコータの熱膨張係数とバーを載置する台の熱膨張係数は式1)で示される関係を有している。
式1) 0.9<B/A<1.1
式中、Aはバーの熱膨張係数を示し、Bは台のバーを載置する面の熱膨張係数を示す。
0.9≧B/Aの場合、熱処理中のバーと台のバーを載置する面との接触面と非接触面との間に収縮量の差が生じ、反りが発生し、これがバーの真直度に転写し、ダイコータの真直度を悪くするため好ましくない。1.1≦B/Aの場合、熱処理中のバーと台のバーを載置する面との接触面と非接触面との間に収縮量の差が生じ、反りが発生し、これがバーの真直度に転写し、ダイコータの真直度を悪くするため好ましくない。
バーとバーを載置する台とを式1)に表される関係にすることで、熱処理中のバーと台との接触面と非接触面との間に収縮量の差が生じ、反りが発生し、これがバーの真直度に転写し、ダイコータの真直度を悪くすることを防止することが可能となった。この結果、熱処理後の研削加工の研削量を少なく出来、バーの残留加工応力が少なくなり、これらのバーを組み付けて作製したダイコータは長期間経過しても残留加工応力の顕在化が少なくなりダイコータの幅方向の真直度の変化が少ないため幅方向の塗布膜厚が安定した塗布が可能となった。式1)を満たすには、台に使用する材質をダイコータの材質と同じにすることが好ましい。熱膨張係数は、金属便覧 改訂6版 社団法人 日本金属学会編等の文献に記載の値をそのまま用いてもかまわない。
バーを載置する台のバーを載置する面の熱膨張係数を前記式1)に表される関係にすることで、焼成処理によるバーを載置する台の載置面の曲りやネジレ等がバーに転写してバーの真直度が悪化することを防止し、バーの真直度を仕上げの真直度に近付けることが可能となる。このため、焼成処理後の研削加工の研削量を少なく出来、この結果、バーの残留加工応力が少なくなる。この様にして作製したこれらのバーを組み付けて作製したダイコータは長期間経過しても残留加工応力の顕在化が少なくなりダイコータの幅方向の真直度の変化が少ないため幅方向の塗布膜厚が安定した塗布が可能となった。
特にこの様な効果は、従来長期間の使用で歪みの発生を抑えることが困難であった塗布幅が1m以上の広幅のダイコータに対して有効であり、長期間経過した時の歪みの発生を抑えることが可能となった。本発明において1m以上の広幅のダイコータとは、1〜4mのダイコータを示す。
台の載置面上に載置したバーを固定しないか又は1箇所で固定し熱処理を行うことで、例えば台の載置面とバーとの変形量が異なる場合でも、各が単独で変形するため、台の載置面の変形のバーへの影響を小さくすることが可能となる。固定しない場合は、焼成炉への出し入れ時等に転倒する可能性があるため、転倒防止を行うことが望ましい。転倒防止対策としては、例えばバーの大きさに合わせた仕切を有する枠体を台の上に固定し、仕切にバーを入れる方式であってもよい。固定する方法としては、バーを載置する台の載置面の下側から固定ねじでバーを固定する方法が挙げられる。
又、バーとバーを載置する台の載置面との間には潤滑剤を塗設してもよい。潤滑剤を使用することで、焼成処理時に発生する台の載置面とバーとに発生する膨張、収縮、歪み等を各分離することが容易となるので、真直度の変化の少ないバーを得ることが可能となる。この結果、焼成処理後の仕上げ研削加工の研削量を少なく出来るため残留加工応力が少なくなり、これらのバーを組み付けて作製したダイコータは長期間経過しても残留加工応力の顕在化が少なくなり、ダイコータの幅方向の真直度の変化が少ないため幅方向の塗布膜厚が安定した塗布が可能となる。潤滑剤としては耐熱型であれば特に限定はなく、例えば、二酸化モリブデン、二酸化タングステン等が挙げられる。
フッ素系樹脂で被覆加工されたバーを本図に示す方法により焼成処理した後、目的とする形状及び真直度に仕上げる仕上げ研削加工を行うのであるが、焼成処理を施した段階で反りやネジレの発生が少なく真直度がよいため、仕上げ研削加工の研削量も少なくて済み、研削に伴う加工応力の残留が少なくなり長期間経過しても塗布性に影響を及ぼす真直度の変化は小さいため安定した塗布が可能となる。特にこの様な効果は従来歪みの発生を抑えることが困難であった幅が1m以上の広幅のダイコータに対しても歪みの発生を抑えることが可能となった。
本発明に係るバーの仕上げ研削加工を行った後のフッ素系樹脂で被覆加工を行った箇所の真直度は0.1〜10μmが好ましく、又、フッ素系樹脂で被覆加工を行った箇所の表面粗さは、0.01μm<Ra<1μm、且つ0.1μm<Rmax<5μmが好ましい。真直度が0.1μm未満の場合は、研削精度上の限界となるため加工が困難となる場合がある。真直度が10μmを越える場合は、安定した塗布液の供給が難しくなり、塗布膜厚が安定しなくなる場合がある。
フッ素系樹脂で被覆加工を行った箇所をこの様な真直度にすることで、長期間経過しても塗布液の幅手の供給が安定になるため、幅手の塗布膜を安定した塗布が可能となる。
尚、真直度はバーの表面の塗布幅方向(長さ1m当たり)の真直度を指し、精密平面研削盤の上にバーを置き、ダイヤルゲージの触針をバーの測定箇所に接触した状態で固定し、精密平面研削盤を移動させることで測定した値である。研削加工は、一般に使用されている精密平面研削盤を使用し行うことが可能である。表面粗さRaが0.01μm未満の場合は、加工が困難となり、フッ素系樹脂で被覆加工した箇所の真直度が悪化する場合がある。1μmを越えた場合は、塗布液中の異物、ハロゲン化銀粒子の付着がし易くなり、フッ素系樹脂による被覆加工の効果が少なくなる場合がある。
表面粗さRmaxが0.1μm未満の場合は、加工が困難となり、フッ素系樹脂で被覆加工した箇所の真直度が悪化する場合がある。5μmを越えた場合は、塗布液中の異物、ハロゲン化銀粒子の付着がし易くなり、フッ素系樹脂による被覆加工の効果が少なくなる場合がある。
この様な表面粗さにすることで、長時間の塗布を行っても塗布液中の異物、ハロゲン化銀粒子の付着を防止すると共に塗布液の流れをよくすることで、塗布故障の発生を防止し、均一の塗布膜を安定して得ることが可能となる。研磨加工は、研磨機を用いてもよいし、磨き粉を用いて手で磨いてもよい。
このフッ素系樹脂による被覆加工により生じる歪みを出来るだけ少なくするための他の手段として次の手段が挙げられる。
フッ素系樹脂を被覆加工する前に、予めバーの予備熱処理を行うことである。この予備熱処理の温度は、フッ素系樹脂の被覆加工処理でバーの歪みを少なくするために、バーの持つ内部応力やバーを作製した時の加工応力を顕在化させて歪みを発生させるために、フッ素系樹脂の焼成処理の温度と同じか又は高い温度にすることが好ましい。予備熱処理の温度が、焼成処理温度より低い場合は、この予備熱処理で残留したバーの持つ内部応力やバーを作製した時の加工応力がフッ素系樹脂の被覆加工後の焼成処理で顕在化し、バーに発生する歪みが大きくなる場合がある。
予めダイコータを構成しているバーに予備熱処理を行うことで、バーの持つ内部応力やバーを作製した時の加工応力を取り除くことが出来るため、フッ素系樹脂の焼成処理によるバーの歪みの発生を更に抑えることが可能となった。これに伴い、仕上げ研削加工での研削量が少なくて済み、仕上げ研削加工に伴う加工応力の残留が減少し、これらのバーを組み付けたダイコータを長時間経過して使用しても、真直度の変化が少なく、幅方向での塗布膜厚が一定の塗布が可能となった。この方法は特に従来困難であった塗布幅が1m以上の広幅のダイコータを構成するバーに対しても歪みの発生を容易に抑えることが可能となった。特に1〜4mの広幅のダイコータが好ましい。
尚、予備熱処理の温度の上限はダイコータを構成しているバーの材質により異なるため数値を決めることは難しいが、敢えて言うならばバーの融点より低い温度である。
他の手段としては、フッ素系樹脂の被膜の強度を維持しながら焼成処理を出来る限り低い温度で行うことである。従来はフッ素系樹脂の被覆加工工程の焼成処理は、通常400〜500℃で行なわれているが、この温度では、前記予備熱処理及び予備熱処理の後の研削加工工程でも除去しきれなかった歪や、この予備熱処理の後の研削加工工程で新たに発生した加工応力による歪みが顕在化して、バーの真直度が劣化し、この劣化した真直度を修正するために行う仕上げ研削加工により、加工応力が残留した状態となる。この加工応力が残留した状態のバーを組み付けてダイコータを作製した場合、長期間の使用で残留している加工応力が顕在化し、フッ素系樹脂で被覆した箇所の真直度が劣化することで、塗布幅方向のスリット間隙やダイコータと支持体との距離が不均一となって塗布幅手の膜厚均一性を悪化させてしまう。
焼成処理温度を低くすることで失われるフッ素系樹脂の被膜の強度を補う手段として、フッ素系樹脂の被膜強度を維持出来て且つ焼成処理温度を低くする方法を検討した結果、フッ素系樹脂を熱硬化性樹脂に分散させ塗料系として使用することが有効であることを見い出した。
本発明に係るフッ素系樹脂としては一般に使用されているものが使用可能であり、特に限定されなく、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニールエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン共重合体(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)及びポりフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。
特にこれらフッ素系樹脂の中でも、FEP、ETFE、ECTFEが耐溶剤性、耐スリキズ性、耐磨耗性にも優れ、しかも他のフッ素系樹脂よりも低温で焼成処理が可能であるため、本発明に係るダイコータを構成しているバーへの被覆加工用の好ましいフッ素系樹脂として挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えばフェノール樹脂(PF)、ユリア樹脂(UF)、メラミン樹脂(MF)、エポキシ樹脂(EP)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、フタル酸ジアリル樹脂(PDAP)、ポリイミド樹脂(PI)、ポリアミドイミド樹脂(PAI)、シリコーン樹脂(SI)等が挙げられる。特に好ましい熱硬化性樹脂としてはPAIが挙げられる。これらの熱硬化性樹脂を使用することで焼成処理温度を低くすることが可能となった。
フッ素系樹脂で被覆加工する時の焼成処理温度は100〜380℃が好ましい。焼成処理の温度が100℃未満の場合は、フッ素系樹脂の被膜の強度が得られず塗布時に剥がれ故障の原因になる場合がある。焼成処理温度が380℃を越えた場合は、ダイコータに歪みが発生し、その発生した歪みを修正するための仕上げ研削量が多くなり、バーに残留する研削加工応力が大きくなり、これらのバーを組み付けたダイコータを長期間経過して使用した場合、スリット部、ポケット部等の真直度が劣化し、塗布膜厚が安定しなく場合がある。
フッ素系樹脂の焼成処理温度を100〜380℃にすることで、焼成処理により発生する歪みを防止することが可能となり、予備熱処理と合わせることで、塗布幅方向で均一な塗布膜厚を有し、塗布故障が少ない塗布製品が得られる。塗布液と接する箇所をフッ素系樹脂により被覆加工されたダイコータ及びこれを用いた塗布装置が可能となった。
本発明のダイコータの作製方法に付き図7を参照しながら説明する。
図7はダイコータの塗布液と接する箇所をフッ素系樹脂により被覆加工したダイコータの作製方法の一例を示す概略フロー図である。
本図は、フッ素系樹脂によりダイコータを構成するバーの塗布液と接する箇所をフッ素系樹脂により被覆加工する前に、予めフッ素系樹脂の焼成処理温度と同じか又は高い温度で予備熱処理を行った後に、フッ素系樹脂により被覆加工する場合を示している。
塗布液と接する箇所をフッ素系樹脂により被覆加工したダイコータの作製は、S・1のダイコータを構成するバーの予備熱処理工程、S・2の研削加工工程、S・3のフッ素系樹脂の被覆加工工程、S・4のフッ素系樹脂の被覆加工面の仕上げ研削加工工程、S・5のフッ素系樹脂の被覆加工面の研磨加工工程、S・6のバーの組み付け工程に分けることが出来る。
尚、本発明ではS・1のダイコータを構成するバーの予備熱処理工程、S・2の研削加工工程は省略してもバーの塗布液と接する箇所をフッ素系樹脂により被覆加工することは可能であるが、S・1、S・2に示される各工程を行うことで更に精度よくフッ素系樹脂による被覆加工が可能となる。以下、各工程に付き説明する。
S・1のダイコータを構成するバーの予備熱処理工程は、フッ素系樹脂の被覆加工処理の前に行い、バーに残留する内部応力や加工応力を顕在化させ、バーに歪みを発生させる工程である。このため、後工程での歪みの発生を少なくさせるためフッ素系樹脂の焼成処理温度と同じかこれより高い温度で行うことが好ましい。尚、予備熱処理の温度の上限はダイコータを構成しているバーの材質により異なるため数値を決めることは難しいが、敢えて言うならば材質の融点より低い温度である。
S・2の研削加工工程は、1)S・1の予備熱処理工程で発生した歪みの除去を行う第1研削加工と、2)最終仕上がり形状にする第2研削加工とを有している。
第1研削加工で発生した歪みを除去することでフッ素系樹脂の被覆加工後の仕上げ研削量を少なくすることが可能となる。最終仕上がり形状にする第2研削加工とは、設計図に描かれたバーの形状にするための研削加工を言う。マイクロメータ単位の寸法精度が要求されるされるバーにおいては、研削仕上がりの精度を追求して何度も研削を繰り返すことが多いため、研削で除去される厚さが形成されたフッ素系樹脂膜の厚さを超えてしまうことが多い。従って、予め仕上げ研削加工を実施しておくことで、被覆加工後にフッ素系樹脂の厚さ分を研削加工で除去することなく、所望の形状となるように研削加工を実施することが可能となる。
S・3のフッ素系樹脂の被覆加工工程は、1)フッ素系樹脂膜の密着性をよくし、加工後の剥がれを防止するために、フッ素系樹脂により被覆加工を行う前にバーのフッ素系樹脂加工を行う面をサンドブラスト等で粗面化する下地加工、2)フッ素系樹脂で被覆加工を行う加工面の清掃処理(払拭処理、空焼き処理)、3)フッ素系樹脂の塗工(塗装、浸漬等)・乾燥、4)フッ素系樹脂膜の強化とバーへの接着力の強化のための焼成処理、5)冷却処理の5つの工程等を有する。これら5つの工程を経て、必要に応じてこれらの工程を繰り返して所望の膜厚を得ることが可能となっている。
清掃処理に空焼き処理を行う場合、温度は焼成処理温度と同じか低いことが必要である。焼成処理温度より高い場合は、焼成処理で発生する歪みより大きな歪みが発生する場合があり、歪みを除去するための研削量が多くなり、研削応力がバーに残る状態になる。
焼成処理はフッ素系樹脂で被覆処理されたバーを台(焼成処理を行う時にバーを載置する台及び載置する状態に関しては図6を参照)に載置して行う。焼成処理温度は100〜380℃が好ましい。
フッ素系樹脂で被覆加工する時のフッ素系樹脂膜の厚さは、予備熱処理を行うこと及びフッ素系樹脂の焼成処理温度を100〜380℃とすることで、フッ素系樹脂で被覆加工する時の歪みの発生を抑えることが可能となるので、フッ素系樹脂被覆後は研削量の少ない仕上げ研削のみでよくなり、フッ素系樹脂の被覆加工膜厚は0.3mm以下と薄くすることが可能である。ただし被覆加工膜厚が0.03mm未満の場合は、フッ素系樹脂被覆面の仕上げ研削をした時に、フッ素樹脂被覆がなくなってしまう場合があるため注意を要する。又、被覆加工膜厚は0.3mmを越えても差し支えないが、必要以上の厚さになりフッ素系樹脂の種類によってはコストが高くなる場合がある。
予備熱処理を行わない場合は、焼成処理温度により発生するバーの歪みによる曲りやネジレ等を被覆加工後研削除去してもフッ素系樹脂がなくならないように厚くする必要がある。従って、フッ素系樹脂の被覆加工膜厚は0.3mm以上が望ましい。この厚めのフッ素系樹脂をその厚さよりも少なく研削することで最終的にフッ素系樹脂の被覆加工した箇所を必要とする真直度、表面粗さ、形状に加工することが可能となる。被覆加工膜厚が0.3mm未満の場合は、フッ素系樹脂被覆面を研削した時に、バーの歪みによる曲りやネジレが除去される前に、フッ素樹脂被覆がなくなってしまう場合がある。ただし被覆加工膜厚が1mmを越えた場合は、必要以上の厚さになりフッ素系樹脂の種類によってはコストが高くなる場合がある。
S・4のフッ素系樹脂の被覆加工面の仕上げ研削加工工程は、被覆加工により生じたフッ素系樹脂の厚みムラを除去する第1仕上げ研削加工と、フッ素系樹脂で被覆加工した箇所の塗布幅方向の真直度を必要とする真直度に仕上げる第2仕上げ研削加工工程とを有している。フッ素系樹脂の被覆加工面を仕上げ研削加工することで、S・3のフッ素系樹脂の被覆加工工程の熱処理で発生する歪み及びフッ素系樹脂の被覆加工での被覆膜を均一に矯正し塗布液と接する表面の真直度を均一にすることが出来、均一な塗布膜を有する塗布が可能となった。
S・5のフッ素系樹脂の被覆加工面の研磨加工工程とは、フッ素系樹脂加工面を0.01μm<Ra<1μm、且つ0.1μm<Rmax<5μmの表面粗さにする研磨加工を指す。研磨加工は、研磨機を用いてもよいし、磨き粉を用いて手で磨いてもよい。
S・6のバーの組み付け工程とは、S・1〜S・5の工程を経て作製されたフッ素系樹脂で被覆加工したバーを組み付けてダイコータを作製する工程である。
図6、図7に示される本発明のダイコータの作製方法により、図1〜図5に示される各種ダイコータに対して、1)ダイコータを構成するバーのフッ素系樹脂による被覆加工に伴う歪みを抑え、仕上げ研削加工量を少なくすることで、バーに仕上げ研削加工に伴う仕上げ研削加工応力の残存を少なくした真直度が良好なバーを得ることが可能となり、2)バーの塗布液と接する箇所を精度よくフッ素系樹脂による被覆加工が可能となり、3)これらのバーを組み付けて作製したダイコータを長期間経過して使用しても、真直度が劣化することなく、且つ、長時間の塗布を行っても塗布液と接する箇所に塗布液中の異物、及びハロゲン化銀粒子等の付着がなくなり、従来のダイコータの清掃性を維持しながら塗布幅方向の膜厚が均一で塗布故障が少なく良好な塗布品質が得ることが可能なダイコータを用いた塗布装置を得ることが可能となった。本発明のダイコータの作製方法は、特に塗布幅が1m以上で、好ましくは1〜4mの広幅塗布を行うダイコータに対して有効である。
本発明で用いられる支持体としては、特に種類に制限はなく、例えば紙、プラスチックフィルム、金属シート、ガラス基板、金属基板等を用いることが出来る。紙としては、例えばレジンコート紙、合成紙等が挙げられる。又、プラスチックフィルムとしては、ポリオレフィンフィルム(例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等)、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレン2,6−ナフタレートフィルム等)、ポリアミドフィルム(例えばポリエーテルケトンフィルム等)、セルロースアセテート(例えばセルローストリアセテート等)等が挙げられる。又、金属シートではアルミニウム板が代表的である。又、用いる支持体の厚さについても特に制限はない。
本発明で用いることの出来る塗布液としては、特に制限はなく、例えば写真感光材料、熱現像記録材料、アブレーション記録材料、磁気記録媒体、綱板表面処理、電子写真感光体等の塗布液(下引き処理液、上塗り液、裏面層液等を含む)の塗布液等を挙げることが出来る。この内、熱現像感光材料用塗布液である銀成分を含有する感光層用塗布液及び非感光性保護層用塗布液が特に好ましい塗布液として挙げられる。
以下に、本発明の効果を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
以下に示す方法に従って、有機銀を含有した感光層塗布液及び表面保護層塗布液を調製した。
〈感光層塗布液〉
《ハロゲン化乳剤Aの調製》
水900ml中にイナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウム及び〔Ir(NO)Cl5〕塩を銀1モル当たり1×10-6モル及び塩化ロジウム塩を銀1モル当たり1×10-6モルを含む水溶液370mlを、pAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で添加した。その後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを添加し、NaOHでpHを5に調整して、平均粒子サイズ0.06μm、単分散度10%、投影直径面積の変動係数8%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤に、ゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理を行った後、フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整して、ハロゲン化銀乳剤を得た。更に、得られたハロゲン化銀乳剤に、塩化金酸及び無機硫黄で化学増感を行いハロゲン化銀乳剤Aを得た。
上記単分散度及び投影直径面積の変動係数は、下式により算出した。
単分散度(%)=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
投影直径面積の変動係数(%)=(投影直径面積の標準偏差)/(投影直径面積の平均値)×100
《ベヘン酸Na溶液の調製》
945mlの純水にベヘン酸32.4g、アラキジン酸9.9g、ステアリン酸5.6gを90℃で溶解した。次に高速で攪拌しながら1.5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液98mlを添加した。次に濃硝酸0.93mlを加えた後、55℃に冷却して30分、攪拌してベヘン酸Na溶液を得た。
(プレフォーム乳剤の調製)
上記のベヘン酸Na溶液に前記ハロゲン化銀乳剤Aを15.1g添加し水酸化ナトリウム溶液でpH8.1に調整した後に1モル/Lの硝酸銀溶液147mlを7分間かけて加え、更に20分攪拌し限外濾過により水溶性塩類を除去した。出来たベヘン酸銀は平均粒子サイズ0.8μm、単分散度8%の粒子であった。分散物のフロックを形成後、水を取り除き、更に6回の水洗と水の除去を行った後乾燥させ、次ぎに、ポリビニルブチラール(平均分子量3000)のメチルエチルケトン溶液(17質量%)544gとトルエン107gを徐々に添加して混合した後に、メディア分散機により27.6MPaで分散させプレフォーム乳剤を調製した。
〈感光層塗布液の調製〉
プレフォーム乳剤 240g
増感色素−1(0.1%メタノール溶液) 1.7ml
ピリジニウムプロミドペルブロミド(6%メタノール溶液) 3ml
臭化カルシウム(0.1%メタノール溶液) 1.7ml
カブリ防止剤−1(10%メタノール溶液) 1.2ml
2−(4−クロロベンゾイル安息香酸(12%メタノール溶液))
9.2ml
2−メルカプトベンズイミダゾール(1%メタノール溶液) 11ml
トリブロモメチルスルホキノリン(5%メタノール溶液) 17ml
現像剤−1(20%メタノール溶液) 29.5ml
Figure 2006167685
〈表面保護層塗布液〉
《表面保護層塗布液の調製》
アセトン 35ml/m2
メチルエチルケトン 17ml/m2
酢酸セルロース 2.3g/m2
メタノール 7ml/m2
フタラジン 250mg/m2
4−メチルフタル酸 180mg/m2
テトラクロロフタル酸 150mg/m2
テトラクロロフタル酸無水物 170mg/m2
マット剤:単分散度10%平均粒子サイズ4μm単分散シリカ
70mg/m2
919−C64−SO3Na 10mg/m2
〈ダイコータの作製〉
図1に示されるスライド型ダイコータを以下の方法で作製し1−1〜1−10とした。
作製に際して、スライド型ダイコータを構成している、長辺側の長さ2000mm、真直度が1μmのバーの熱膨張係数及びフッ素系樹脂で被覆加工する箇所を表1に示す様に変えてフッ素系樹脂で被覆加工した後、バーを載置する台の載置面の熱膨張係数を表1に示す様に変えた台の載置面上に、図6に示す状態で各バーを載置し、300℃で焼成処理を行い、仕上げ研削加工で各バーを焼成処理前と同じ真直度に仕上げ、研磨加工で表面粗さRa0.1μm、Rmax0.5μmとした後、組み付けてスライド型ダイコータとした。
尚、フッ素系樹脂による被覆加工を行う前に、加工面の清掃処理として空焼き処理を300℃で行った。フッ素系樹脂としては、ETFEを使用し、フッ素系樹脂の厚さは300μmとした。熱膨張係数は金属便覧 改訂6版 社団法人 日本金属学会編に記載の値を用いた。台及びバーの熱膨張係数の変更は材質を選択することにより行った。
値を示す。
研削加工は、(株)岡本工作機械作製所製コラム形精密平面研削盤を使用し行い、真直度は、研削盤の砥石ホルダーにマグネットスタンドにて市販のレーザー変位センサを固定し、研削盤上に移動方向に平行となるように設置したバーを直線移動させ、バーの垂直面の水平方向変位をバー全長に渡って測定し、バーの長さ1m毎の最大値と最小値との差を求めた。
表面粗さRa、Rmaxは、(株)ミツトヨ製 サーフテストSJ−201Pで測定した。フッ素系樹脂の厚さは、(株)小野測器製静電気容量型微小変位検出器で測定した。フッ素系樹脂による被覆箇所は、バーを組み付けダイコータにした時の名称を示す。
尚、作製した各スライド型ダイコータNo.1−1〜1−10は、仕上げ研削終了後の加工研磨加工を終了した後、直ちに各バー組み付け使用し、その後、1年間使用した。
Figure 2006167685
尚、イはステンレス(SUS416)の熱膨張係数9.9×10-6、ロはステンレス(SUS630)の熱膨張係数10.8×10-6、ハはステンレス(SUS329J1)の熱膨張係数12.2×10-6を示す。
〈塗布〉
作製直後及び1年間使用後の各ダイコータNo.1−1〜1−10を用いて、上記、調製した感光層塗布液の粘度μ(Pa・s)を約0.5Pa・s、表面保護層塗布液の粘度μ(Pa・s)を約1.0Pa・sに調整し、厚さ175μm、幅2100mm、1本の長さ1000mの帯状支持体(PETを使用)を10本繋げ、各ダイコータNo.1−1〜1−10を用いた塗布装置にて、バックロールに保持された帯状支持体に、塗布速度を30m/分で、下層に感光層を付き量75g/m2(ウエット付き量)、上層に保護層を25g/m2(ウエット付き量)となるように塗布幅1900mmで塗布し、乾燥を行い試料を作製した。粘度測定は、ハーケ社ロトビスコRV−12を使用して各剪断における粘度を測定した。又、塗布液供給流路部はフッ素系樹脂(FEP)で被覆してある配管を使用した。
〈評価〉
作製直後及び1年間使用後の各ダイコータNo.1−1〜1−10を用いて、得られた各試料に付き、スジ発生数及び幅方向塗布膜厚分布を測定した結果を表2に示す。幅方向塗布膜厚分布の評価は以下に示す評価ランクにより行った。尚、幅方向塗布膜厚分布は塗布の最後尾を幅手方向に50mm間隔にて幅手方向の塗布膜厚を測定し、その最大値と最小値との差の、平均値に対する比を計算し求め%で表した。塗布膜厚は、東京精密社製 電機マイクロメータ ミニコムMを使用し、サンプルの一点を支持体と共に測定し、その後同じ場所の塗布面をメチルエチルケトンを湿らせた不織布で剥ぎ取り、支持体のみの厚さを測定し、これらの測定値の差を塗布膜厚とした。スジ故障発生数は、塗布乾燥後のサンプルを、塗布の全長に渡って目視で観察した結果を示す。
幅方向塗布膜厚分布の評価ランク
◎:幅方向塗布膜厚分布が0.1以上〜1.0%未満
○:幅方向塗布膜厚分布が1.0以上〜2.5%未満
△:幅方向塗布膜厚分布が2.5以上〜5.0%未満
×:幅方向塗布膜厚分布が5.0以上〜9.9%
Figure 2006167685
フッ素系樹脂で被覆加工した後の焼成処理を行う時に、バーを載置する台の載置面の熱膨張係数とバーの熱膨張係数とを同じにすることで、台の載置面の影響を受けることがなくなり、焼成処理後に行う仕上げ研削も加工量が少なくなり、バーに残留する仕上げ研削時の加工応力が小さいため、バーに残留する加工応力も影響を及ぼすこともなく、これらのバーを組み付けて作製したダイコータの1年間使用後の塗布でも塗布幅方向の膜厚分布が安定した塗布が可能となった。又、スジ故障発生数も少なく、塗布液による汚れもなくなり塗布後のダイコータの清掃が容易になり、本発明の有効性が確認された。
スライド型ダイコータを使用しビードを形成し塗布するスライド塗布方式の概略図である。 エクストルージョン型ダイコータを使用しビードを形成して塗布するエクストルージョン塗布方式の概略図である。 サポートロールで支持された支持体に図2に示すエクストルージョン型ダイコータを使用し塗布するエクストルージョン塗布方式の概略図である。 他の形式のエクストルージョン型ダイコータを使用し、スリット部から所定の間隙を隔てて、ビードを形成しないで塗布液を衝突させて塗布するエクストルージョン塗布方式の概略図である。 カーテン型ダイコータを使用したカーテン塗布方式の模式図である。 フッ素系樹脂で被覆加工されたダイコータを熱処理炉で焼成処理を行う状態を示す概略図である。 ダイコータの塗布液との塗布液と接する箇所をフッ素系樹脂により被覆加工したダイコータの作製方法の一例を示す概略フロー図である。
符号の説明
1 スライド型コータ
102a〜102c、802a、802b、112a、112b スリット
105a〜105c、806a、806b、117a、117b 液溜まり
107a〜107d スライド面
109a〜109c、808a、808b、119a、119b 塗布液供給流路部
108、805a、805b、805c、b116a、116b リップ部
110、809、120 外壁
2 バックロール
3 帯状支持体
8、11 エクストルージョン型コータ
10 サポートロール
14 台
14a 面

Claims (22)

  1. 塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、該塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供給口と、前記塗布液を前記ポケット部から支持体に吐出するスリット部とを有し、少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータを用いた塗布装置において、
    前記塗布液に接する該ダイコータの面を構成する該バーの少なくとも一部がフッ素系樹脂で被覆加工されており、
    前記バーを、式1)で示される熱膨張係数の関係を有する台の載置面上に載置して焼成炉で該フッ素系樹脂を焼成処理した後、仕上げ研削加工したことを特徴とする塗布装置。
    式1) 0.9<B/A<1.1
    式中、Aはバーの熱膨張係数を示し、Bはバーを載置する台の載置面の熱膨張係数を示す。
  2. 前記バーは予め該フッ素系樹脂の焼成処理温度と同じか又は高い温度で予備熱処理を行い、該予備熱処理した後に研削加工を行うことを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
  3. 前記研削加工は、予備熱処理で生じた歪みを除去する第1研削加工と、最終仕上り形状に仕上げる第2研削加工とを含むことを特徴とする請求項2に記載の塗布装置。
  4. 前記仕上げ研削加工は、焼成処理で生じた歪みを除去する第1仕上げ研削加工と、被覆加工により生じたフッ素系樹脂の厚みムラを除去する第2仕上げ研削加工とを含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の塗布装置。
  5. 前記焼成処理温度が100〜380℃であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の塗布装置。
  6. 前記バーは、フッ素系樹脂で被覆加工を行った箇所の塗布幅方向の真直度が0.1〜10μmを有していることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の塗布装置。
  7. 前記バーは、フッ素系樹脂で被覆加工を行った箇所の表面粗さが、0.01μm<Ra<1μm、且つ0.1μm<Rmax<5μmであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の塗布装置。
  8. 前記バーは、少なくとも2本の該バーにより構成され、前記バーにより構成される少なくとも1つのスリット部の間隙が、塗布液の入り口側より出口側が狭く、且つ出口側の間隙DがD≦5×10-5[m]であり、該スリット部から塗布液を、前記スリット部の出口と非接触に設置あるいは搬送される支持体に対して所定の間隙を隔てて、塗布液を衝突させて塗布するために塗布液を膜状に噴出させるダイコータの構成部材であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の塗布装置。
  9. 前記バーは支持体へ、少なくとも2本の該バーにより形成される少なくとも1つのスリット部から塗布液を流出させ、該支持体と該スリット部の塗布液流出部近傍との間で塗布液のビードを形成して塗布するエクストルージョン型ダイコータの構成部材であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の塗布装置。
  10. 前記バーは支持体へ、少なくとも2本の該バーにより形成される少なくとも1つのスリット部から塗布液を流出させ、流出した塗布液をスリット部出口に連続する斜面を流下させた後、該帯状支持体と該斜面の先端部近傍との間で塗布液のビードを形成して塗布するスライド型ダイコータの構成部材であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の塗布装置。
  11. 前記バーは支持体へ、少なくとも2本の該バーにより形成される少なくとも1つのスリット部から流出した塗布液を自由落下させて塗布するカーテン型ダイコータの構成部材であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の塗布装置。
  12. 前記バーは、塗布幅が1m以上のダイコータの構成部材であることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の塗布装置。
  13. 前記支持体が、バックロールで塗布反対面が保持されていることを特徴とする請求項8〜11の何れか1項に記載の塗布装置。
  14. 前記支持体が、サポートロールでダイコータ前後を保持されていることを特徴とする請求項9に記載の塗布装置。
  15. 前記塗布液が、熱現像感光材料用の銀成分を含有する感光層及び非感光性保護層用塗布液であることを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載の塗布装置。
  16. 塗布液を塗布幅方向に広げるポケット部と、該塗布液を該ポケット部へ供給する塗布液供給口と、前記塗布液を前記ポケット部から支持体に吐出するスリット部とを有し、塗布液に接する面の少なくとも一部がフッ素系樹脂で被覆加工されている少なくとも2本のバーを組み付けたダイコータの作製方法において、
    前記塗布液に接する該ダイコータの面を構成する該バーの少なくとも一部に該フッ素系樹脂により被覆加工処理し、
    前記式1)で示される熱膨張係数の関係を有する台の載置面上に載置し、焼成炉で前記フッ素系樹脂を焼成処理し、仕上げ研削加工を行った後、
    前記バーを組み付けダイコータを作製することを特徴とするダイコータの作製方法。
  17. 前記バーは、予め予備熱処理を行った後に研削加工を行うことを特徴とする請求項16に記載のダイコータの作製方法。
  18. 前記予備熱処理は、フッ素系樹脂の焼成処理温度と同じか、又はそれより高い温度で行うことを特徴とする請求項17に記載のダイコータの作製方法。
  19. 前記研削加工は、予備熱処理で生じた歪みを除去する第1研削加工と、最終仕上り形状に仕上げる第2研削加工とを含むことを特徴とする請求項17又は18に記載のダイコータの作製方法。
  20. 前記焼成処理温度が100〜380℃であることを特徴とする請求項16〜19の何れか1項に記載のダイコータの作製方法。
  21. 前記仕上げ研削加工は、焼成処理で生じた歪みを除去する第1仕上げ研削加工と、被覆加工により生じたフッ素系樹脂の厚みムラを除去する第2仕上げ研削加工とを含むことを特徴とする請求項16〜20の何れか1項に記載のダイコータの作製方法。
  22. 前記仕上げ研削加工により、フッ素系樹脂で被覆加工を行った部分の表面の塗布幅方向の真直度を0.1〜10μm及び粗さを0.01μm<Ra<1μm、且つ0.1μm<Rmax<5μmに仕上げることを特徴とする請求項16〜21の何れか1項に記載のダイコータの作製方法。
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