JP2005305217A - 排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温雰囲気に曝された後も高いNOx 浄化活性を示し、かつ硫黄被毒をさらに抑制できる触媒とする。
【解決手段】多孔質酸化物粉末に少なくともPtとNOx 吸蔵材とを担持した第1触媒粉末と、θ型アルミナ粒子を含む酸化物粉末に少なくともRhとNOx 吸蔵材とを担持した第2触媒粉末と、からなり、第1触媒粉末と第2触媒粉末とが混在してなる。
PtとRhを分離して担持するとともに、θ型アルミナは耐熱性に優れかつRhとは固相反応が生じにくいので、Rhが酸化状態で安定化されることがない。
【選択図】 なし

Description

本発明は、NOx 吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒と、それを用いた排ガス浄化方法に関する。
近年、地球環境保護の観点から、自動車などの内燃機関から排出される排ガス中の二酸化炭素(CO2 )が問題とされ、その解決策として酸素過剰雰囲気において希薄燃焼させるいわゆる希薄燃焼方式内燃機関が有望視されている。この希薄燃焼方式内燃機関においては、燃費が向上するために燃料の使用量が低減され、その燃焼排ガスであるCO2 の発生を抑制することができる。
しかしながら従来の三元触媒は、空燃比が理論空燃比(ストイキ)において排ガス中の一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx )を同時に酸化・還元し、浄化するものであって、空燃比がリーン時の排ガスのように酸素過剰雰囲気下ではNOx を十分に還元除去することができない。このため酸素過剰雰囲気下でもNOx を効率よく浄化できる触媒及び浄化システムの開発が望まれている。
そこで酸素過剰雰囲気の排ガス中のNOx を浄化する触媒として、NOx 吸蔵還元型触媒が利用されている。この触媒は、例えば特開平05−317625号公報に開示されているように、γ-Al2O3などの多孔質担体にPtなどの貴金属と、Kなどのアルカリ金属やBaなどのアルカリ土類金属からなるNOx 吸蔵材とを担持したものである。このNOx 吸蔵還元型触媒を用い、空燃比をリーン側からパルス状にストイキ〜リッチ側となるように制御する(リッチスパイク)ことにより、リーン側ではNOx がNOx 吸蔵材に吸蔵され、それがストイキ又はリッチ側で放出されてHCやCOなどの還元性成分と反応して浄化される。
この触媒は、空燃比リーン時において、排ガス中のNOが貴金属上でNOx へ酸化される第1ステップと、塩基性物質であるNOx 吸蔵材が酸性物質であるNOx を吸蔵する第2ステップと、を経て排ガス中のNOx を吸蔵・除去し、短時間のパルス状に導入される空燃比リッチ時(リッチスパイク)において酸素濃度の低下によりNOx 吸蔵材がNOx を放出する第3ステップと、放出されたNOx が貴金属上でCOやHCなどの還元性ガスとの反応によりN2へ還元される第4ステップと、を経てNOx を還元・浄化する。その結果、この触媒は希薄燃焼方式内燃機関からの排ガスにおいてもNOx を効率よく浄化することができる。
NOx 吸蔵還元型触媒の貴金属を考えた場合、PtがNOx 浄化に不可欠な第1ステップでのNO酸化反応に最も高い活性を示し、この触媒に必要不可欠な貴金属であるといえる。一方、比較的低温域で生じる第4ステップにおいては、還元性ガスの活性化に優れたRhが最も高い活性を示す。またRhの担持量が多いほどNOx 吸蔵還元型触媒の三元活性(CO及びHCの酸化活性とNOx の還元活性)が高くなる。したがってRhも必要不可欠な貴金属であり、PtとRhとを担持するのが最も好ましいことになる。
ところがPtとRhを併用した場合、Rhの担持量が多いほど第1ステップのNO酸化活性が低下するという不具合がある。これは、リッチ雰囲気でPtとRhとが合金化し、リーン雰囲気で酸化物になりやすいRhが合金表面に濃化してPtを被覆するため、Pt上でのNO酸化反応が抑制されるものと考えられている。
そこで特開平10−000356号公報には、アルミナにPtとNOx 吸蔵材とを担持した第1粉末と、アルミナにRhを担持した第2粉末とを混在してなる触媒が提案されている。また特開平10−052627号公報には、アルミナにPtとNOx 吸蔵材とを担持した第1粉末と、アルミナにRhとNOx 吸蔵材とを担持した第2粉末とを混在してなる触媒が提案されている。
例えば特開平10−052627号公報に記載の触媒では、Ptは第1粉末に担持され、Rhは第2粉末に担持されているので、PtとRhとは分離担持されている。したがって、RhによってPtが被覆されNO酸化反応が抑制されるという不具合が防止されている。またPtとNOx 吸蔵材とが近接担持されていることで、上記第1ステップと第2ステップとが円滑に行われる。そしてRhとNOx 吸蔵材とが近接担持され、かつPtとNOx 吸蔵材とが近接担持されているのでリッチスパイク時にNOx 吸蔵材から放出されたNOx はRh及びPt上においてCO及びHCと反応して還元浄化され、それに伴ってCO及びHCが酸化浄化される。この反応はPt上よりもRh上の方が高活性である。そのため、Rhの近傍にNOx 吸蔵材を担持することにより、リッチスパイク時におけるNOx 浄化能及びCOとHCの浄化能が一層向上する。
また特開平11−226404号公報には、アルミナにPtとNOx 吸蔵材とを担持した第1粉末と、アルカリ土類金属で安定化されたジルコニアにRhを担持した第2粉末とが混在してなる触媒が開示されている。この触媒によれば、第2粉末によって排ガス中のHCとH2O から還元力の高い水素が生成され(水蒸気改質反応)、この水素がNOx の還元と、NOx 吸蔵材の硫酸塩あるいは亜硫酸塩からのSOx の脱離に大きく寄与する。これによりリッチスパイク時のNOx 還元性能が高く、硫黄被毒も著しく少なくなる。
ところがこれらの触媒においては、高温雰囲気に曝されるとNOx 浄化活性が低下するという不具合があった。またSO2 が含まれる排ガス中で用いると硫黄被毒が少なからず生じ、NOx 浄化活性が低下するという不具合がある。
特開平10−000356号 特開平10−052627号 特開平11−226404号
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、高温雰囲気に曝された後も高いNOx 浄化活性を示し、かつ硫黄被毒をさらに抑制できる触媒とすることを目的とする。
上記課題を解決する本発明の排ガス浄化用触媒の特徴は、多孔質酸化物担体に少なくともPtとNOx 吸蔵材とを担持した第1触媒と、θ型アルミナを含む担体に少なくともRhとNOx 吸蔵材とを担持した第2触媒と、からなることにある。多孔質酸化物粉末に少なくともPtとNOx 吸蔵材とを担持した第1触媒粉末と、θ型アルミナ粒子を含む酸化物粉末に少なくともRhとNOx 吸蔵材とを担持した第2触媒粉末と、からなり、第1触媒粉末と第2触媒粉末とが混在してなることが望ましい。
またθ型アルミナを含む担体又はθ型アルミナ粒子を含む酸化物粉末は、θ型アルミナとα型アルミナの混合物であることが好ましく、比表面積が30m2/g以上であることが望ましい。
そして本発明の排ガス浄化方法の特徴は、本発明の排ガス浄化用触媒を排ガス中に配置し、酸素過剰のリーン雰囲気においてNOx 吸蔵材にNOx を吸蔵し、一時的にストイキ〜リッチ雰囲気に変化させることでNOx 吸蔵材から放出されるNOx を還元して浄化することにある。
本発明の排ガス浄化用触媒によれば、高温雰囲気に曝された後も高いNOx 浄化活性を示し、高温耐久性に優れている。また硫黄被毒がさらに抑制されているので、SO2 を含む排ガス中で用いても高いNOx 浄化活性を維持することができる。
従来の触媒担体としては比表面積の大きなγ型アルミナが用いられるのが主流であるが、それにRhを担持した触媒では、Rhが担体と固溶し3価の酸化状態で安定化してしまう。そのためリッチスパイク時にHCなどの還元性ガスを活性化する能力が低下し、NOx 還元活性が低下する結果NOx 浄化性能が低下する。
またアルカリ土類金属で安定化されたジルコニアは、γ型アルミナと比べると熱安定性が低いため、高温雰囲気に曝されると比表面積が大きく低下する。それにより担持されていたRhが粒成長し、NOx 還元活性が低下する結果NOx 浄化性能が低下する。さらにRhによる水蒸気改質反応活性も低下するため、生成する水素によるNOx 還元反応の促進作用が低下してNOx 浄化性能が低下する。
そしてγ型アルミナ及びアルカリ土類金属で安定化されたジルコニアは、共に塩基点の多い酸化物であるため、SOx の付着が促進されるとともに付着したSOx の脱離が抑制される。したがって担持されているRh又はNOx 吸蔵材の硫黄被毒が生じ、NOx 浄化性能が低下する。またRhによる水蒸気改質反応活性も低下するため、NOx 還元反応の促進作用が低下するとともに、生成した水素が硫黄被毒したNOx 吸蔵材を回復させる作用も低下する。
そこで本発明の排ガス浄化用触媒では、θ型アルミナを含む担体にRhとNOx 吸蔵材とを担持している。θ型アルミナとRhとは固相反応が生じにくいので、高温雰囲気に曝されてもRhが酸化状態で安定化されることなく容易にメタル状態に戻る。またθ型アルミナは熱安定性が高いため、高温雰囲気に曝されても比表面積の低下が抑制され、担持されているRhの粒成長も抑制される。これにより活性点の減少が抑制され、リッチスパイク時に高いNOx 還元性能を示す。
そして本発明の排ガス浄化用触媒では、PtとRhとが別の酸化物担体又は酸化物粒子に担持されているので、PtがRhによって覆われるのが防止され、NO酸化活性の低下が抑制されるため高いNOx 吸蔵性能を示す。
第1触媒又は第1触媒粉末の多孔質酸化物担体又は多孔質酸化物粉末は、γ型アルミナ、θ型アルミナ、α型アルミナ、セリア、ジルコニア、チタニア、シリカ、などから選択される一種又は複数種、あるいはこれらから選ばれる複数種の複合酸化物を用いることができる。中でも耐熱性に優れ比表面積も大きなγ型アルミナを含むことが特に好ましい。
また第2触媒又は第2触媒粉末の担体は、θ型アルミナ又はθ型アルミナ粒子を含む。θ型アルミナとα型アルミナとの混合物であることが特に望ましい。θ型アルミナとα型アルミナとの混合物はRhとの固相反応がさらに抑制され、かつ塩基点が少ないのでSOx の付着が抑制されるとともに付着したSOx の脱離が促進される。したがって担持されているRh又はNOx 吸蔵材の硫黄被毒が抑制され、NOx 浄化性能が向上する。またRhによる水蒸気改質反応活性も向上するため、NOx 還元反応の促進作用が向上するとともに、生成した水素が硫黄被毒したNOx 吸蔵材を回復させる作用も向上する。
θ型アルミナとα型アルミナとの混合比率は、粉末X線回折パターンにおいてθ型アルミナに帰属される最も強い回折線と、α型アルミナに帰属される最も強い回折線との強度比でθ型:α型=20: 100〜 100:10の範囲が好ましい。混合比率がこの範囲から外れると、上記作用が奏されにくくなる。なおθ型アルミナとα型アルミナとの混合物は、γ型アルミナを大気中にて1050〜1250℃で焼成することにより製造することができる。
また第2触媒又は第2触媒粉末の担体は、比表面積が30m2/g以上であることが望ましい。比表面積を30m2/g以上とすることで、Rhが高分散状態で担持されるため、リッチスパイク時にRhを活性点とするHCの活性化が促進され、NOx 還元性能がさらに向上する。
第1触媒又は第1触媒粉末は、少なくともPtとNOx 吸蔵材を担持している。Pt以外にPd、Irなどの貴金属あるいは遷移金属を担持することもできる。Rhは担持しないことが望ましい。Ptの担持量は、第1触媒又は第1触媒粉末中に 0.1〜10重量%の範囲が好ましい。またNOx 吸蔵材の担持量は、第1触媒又は第1触媒粉末の 100重量部中に0.02〜 2.0モルの範囲が好ましい。
また第2触媒又は第2触媒粉末は、少なくともRhとNOx 吸蔵材を担持している。Rh以外にPt、Pd、Irなどの貴金属あるいは遷移金属を担持することもできる。Rhの担持量は、第2触媒又は第2触媒粉末中に0.05〜 5.0重量%の範囲が好ましい。またNOx 吸蔵材の担持量は、第2触媒又は第2触媒粉末の 100重量部中に0.02〜 2.0モルの範囲が好ましい。
なおNOx 吸蔵材とは、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも一種をいう。アルカリ金属とアルカリ土類金属とを併用することが望ましい。
本発明の排ガス浄化用触媒において、第1触媒と第2触媒とは、例えば排ガス上流側と下流側にそれぞれを分けて形成することができる。またいずれか一方を下層とし他方を上層とした二層構造の触媒としてもよい。しかしこのような触媒では、PtとRhとが近接していないため、活性が十分に向上しない場合がある。そこで第1触媒粉末と第2触媒粉末とが混在してなる触媒とすることが特に好ましい。
第1触媒粉末と第2触媒粉末との混合比率は、重量比で第1触媒粉末:第2触媒粉末=50:50〜90:10の範囲とすることができる。混合比率がこの範囲を外れると、NOx 浄化性能が不十分となり実用的でない場合がある。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
市販のθ型アルミナ粉末(比表面積80m2/g)に所定量の硝酸ロジウム水溶液を含浸させ、大気中 300℃で3時間焼成してRhを担持した。Rhの担持量は、θ型アルミナ粉末 100gに対して1gである。
得られた粉末50gと、γ型アルミナ粉末(比表面積 220m2/g) 100gと、チタニア−ジルコニア固溶体粉末(比表面積 100m2/g) 100gと、セリア粉末(比表面積30m2/g)20gと、アルミナゾルバインダ(固形分8.95重量%) 136g及び所定量のイオン交換水を混合し、ボールミルを用いて所定流度まで粉砕してスラリーを調製した。
直径30mm、長さ50mmの円柱形状のコージェライト製ハニカム基材を用意し、上記スラリーをウォッシュコートし 500℃で3時間焼成した。形成されたコート層のコート量はハニカム基材の体積1Lあたり 160gであり、コート層中のRhの担持量はハニカム基材の体積1Lあたり 0.3gである。
次に、所定濃度のジニトロジアンミン白金水溶液の所定量を上記コート層に吸水させ、 300℃で3時間焼成してPtを担持した。Ptの担持量は、ハニカム基材の体積1Lあたり 1.5gである。ここで、Ptはいずれの酸化物粉末にも比表面積あたり同じ割合で担持されるとすると、γ型アルミナ粉末及びチタニア−ジルコニア固溶体粉末にPtの約90%が担持され、θ型アルミナ粉末にはPtの約10%のみが担持されることになり、PtとRhが異なる粉末に担持される状態がほぼ成立している。
続いて酢酸バリウム、酢酸カリウム及び酢酸リチウムの混合水溶液をコート層に吸水させ、 300℃で3時間焼成してBa、K及びLiを担持した。Ba、K及びLiの担持量は、ハニカム基材の体積1Lあたり0.05モル、 0.025モル及び 0.3モルである。
(実施例2)
θ型アルミナ粉末に代えて、市販のγ型アルミナ粉末を大気中にて1200℃で5時間焼成したアルミナ粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の触媒を調製した。γ型アルミナ粉末を大気中にて1200℃で5時間焼成されてなるアルミナ粉末は、θ型アルミナ粉末とα型アルミナ粉末との混合物からなり、粉末X線回折パターンにおいてθ型アルミナに帰属される最も強い回折線と、α型アルミナに帰属される最も強い回折線との強度比でθ型:α型=74: 100であって、比表面積は46m2/gである。
(比較例1)
θ型アルミナ粉末に代えて、市販のγ型アルミナ粉末(比表面積 220m2/g)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の触媒を調製した。
(比較例2)
θ型アルミナ粉末に代えて、カルシウム添加ジルコニア粉末(カルシウム添加量4モル%、比表面積80m2/g)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の触媒を調製した。
(比較例3)
Rhを担持したθ型アルミナ粉末に代えて、実施例2と同様に焼成されてなるアルミナ粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にして、コート層を形成した。これに実施例1と同様にしてPtを担持した後、所定量の硝酸ロジウム水溶液を含浸させ、大気中 300℃で3時間焼成してRhを担持した。Pt及びRhの担持量はハニカム基材の体積1Lあたり 1.5g及び 0.3gであり実施例1と同量である。次いで実施例1と同様にBa、K及びLiを担持した。
<試験・評価>
(1)初期活性
それぞれの触媒を常圧固定床流通型反応装置に装着し、図1に示す所定温度において表1に示すリーン雰囲気及びリッチ雰囲気のモデルガスを30秒と3秒で交互に供給した。ガス流量は30000cm3/分とし、そのときの空間速度は約51000h-1である。表1に示すモデルガスは、代表的な運転条件でのディーゼルエンジンから排出される排ガスを模擬したものである。各温度におけるNOx 浄化率をそれぞれの触媒についてそれぞれ測定し、結果を図1に示す。
Figure 2005305217
実施例1−2の触媒と、比較例1−2の触媒とは、共に同等のNOx 浄化活性を示している。比較例3の触媒のみがNOx 浄化活性が低いが、これはPtとRhとが同一粒子上に担持されているため、RhがPtを被覆したことでNO酸化活性が低下し、それに伴ってNOx 吸蔵性能が低下したものと考えられる。
(2)耐熱性
次に、各触媒に対して表2に示すリーン雰囲気及びリッチ雰囲気のモデルガスを4分と1分で交互に供給しながら 700℃で5時間加熱する耐熱試験を行った。ガス流量は1L/分とした。そして耐熱試験後の各触媒について、初期活性と同様にしてNOx 浄化率を測定し、結果を図2に示す。
Figure 2005305217
図2より、実施例1−2の触媒は比較例1−3の触媒に比べて高いNOx 浄化率を示している。比較例3の触媒のNOx 浄化率が低いのは、前述したように、PtとRhとが同一粒子上に担持されているため、RhがPtを被覆したものと考えられる。
実施例1−2の触媒が比較例1−2の触媒より高いNOx 浄化率を示した原因を調べるため、以下の実験を行った。各触媒の調製時に調製されたRhを担持した触媒粉末、すなわちRhを担持したθ型アルミナ粉末(実施例1)、Rhを担持したθ型アルミナ粉末とα型アルミナ粉末との混合物(実施例2)、Rhを担持したγ型アルミナ粉末(比較例1)、Rhを担持したカルシウム添加ジルコニア粉末を用意し、上記と同様に耐熱試験を行った後、COパルス吸着法によってRh分散度をそれぞれ測定した。結果を図3に示す。
図3から、比較例2の触媒ではRh分散度が著しく低下していることがわかり、他の触媒に比べてRhの粒成長が進行していることが推察される。
また耐熱試験後のRhを担持した触媒粉末それぞれに対して、O2を10%含むArガス中にて 500℃で10分間酸化処理した後、H2を1%含むArガス中にて室温から 800℃まで昇温したときのH2-TPR分析を行った。得られたH2-TPRスペクトルから、 370℃以下のH2消費量を易還元性Rhの量とし、 370℃以上のH2消費量を難還元性Rhとして、易還元性Rhが占める割合を算出した。結果を図4に示す。
図4から、比較例1の触媒では易還元性Rhの割合がきわめて低いことがわかる。すなわち比較例1の触媒では、Rhが酸化状態で安定化されて大部分が難還元性Rhとなっていることが推察される。
以上の結果より、実施例1−2の触媒は、比較例1−2の触媒と比べて、耐熱試験時のRhの粒成長が抑制されるとともに、Rhが酸化状態で安定化されるのが抑制され、それによってRhを活性点とするHCの活性化が促進されたため、NOx 還元性能及びそれに伴うNOx 浄化性能が高くなったと推察される。
(3)耐硫黄被毒性
次に、耐熱試験後の各触媒に対して、表3に示すリーン雰囲気及びリッチ雰囲気のモデルガスを 120秒と3秒で交互に供給しながら 350℃で41分間加熱する硫黄被毒試験を行った。ガス流量は30000cm3/分とし、供給された硫黄量は触媒体積1Lあたり 1.5g( 0.047モル)である。
Figure 2005305217
硫黄被毒試験後の各触媒に対して、表4に示すリッチ雰囲気のモデルガスを流量30000cm3/分で供給しながら、 600℃で10分間加熱する硫黄脱離試験を行い、そのとき触媒から脱離する硫黄を全硫黄分析計(SOx 及びH2S を検出)によりそれぞれ測定した。結果を図5に示す。
Figure 2005305217
図5より、実施例1−2及び比較例3の触媒から脱離する硫黄量は比較的多いが、比較例1−2の触媒から脱離する硫黄量が少ないことがわかる。硫黄脱離試験時のリッチ雰囲気では、HCの活性化にRhが大きく寄与していると考えられている。比較例1−2の触媒では、Rhが担持されているγ型アルミナ及びカルシウム添加ジルコニアは強い塩基点を多く有しているため、硫黄脱離試験時に残留する硫黄量が多かったと考えられる。そして硫黄酸化物が多く残留していると、Rhによる硫黄脱離試験時のガス中のHCの活性化が阻害され、活性化されたHCによる硫黄化合物の還元反応が抑制されたため硫黄脱離量が少なかったと考えられる。
硫黄脱離試験後の各触媒について、初期活性と同様にしてNOx 浄化率を測定し、結果を図6に示す。実施例1−2の触媒のNOx 浄化率は比較例1−3の触媒より高く、その優位性は耐熱試験後のNOx 浄化率と比べても顕著である。この原因は、実施例1−2の触媒では硫黄脱離試験時の硫黄脱離量が多かったことにあると考えられる。
以上の結果より、実施例1−2の触媒は、耐熱試験後及び硫黄被毒試験後のいずれも高いNOx 浄化率を示すことが明らかであり、これはPtとRhとを分離して担持するとともに、θ型アルミナを含む担体にRhを担持したことによる格別の効果であることが明らかである。
実施例及び比較例の触媒の初期における温度とNOx 浄化率の関係を示すグラフである。 実施例及び比較例の触媒の耐熱試験後における温度とNOx 浄化率の関係を示すグラフである。 実施例及び比較例の触媒の耐熱試験後におけるRh分散度を示すグラフである。 実施例及び比較例の触媒の耐熱試験後における易還元性Rhの割合を示すグラフである。 実施例及び比較例の触媒の硫黄脱離試験時における硫黄脱離量を示すグラフである。 実施例及び比較例の触媒の硫黄脱離試験後における温度とNOx 浄化率の関係を示すグラフである。

Claims (7)

  1. 多孔質酸化物担体に少なくともPtとNOx 吸蔵材とを担持した第1触媒と、θ型アルミナを含む担体に少なくともRhとNOx 吸蔵材とを担持した第2触媒と、からなることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 多孔質酸化物粉末に少なくともPtとNOx 吸蔵材とを担持した第1触媒粉末と、θ型アルミナ粒子を含む酸化物粉末に少なくともRhとNOx 吸蔵材とを担持した第2触媒粉末と、からなり、該第1触媒粉末と該第2触媒粉末とが混在してなる請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 前記θ型アルミナを含む担体は、θ型アルミナとα型アルミナの混合物である請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 前記θ型アルミナを含む担体は、比表面積が30m2/g以上である請求項1又は請求項3に記載の排ガス浄化用触媒。
  5. 前記θ型アルミナ粒子を含む酸化物粉末は、θ型アルミナ粒子とα型アルミナ粒子の混合粉末である請求項2に記載の排ガス浄化用触媒。
  6. 前記θ型アルミナ粒子を含む酸化物粉末は、比表面積が30m2/g以上である請求項2又は請求項5に記載の排ガス浄化用触媒。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒を排ガス中に配置し、酸素過剰のリーン雰囲気においてNOx 吸蔵材にNOx を吸蔵し、一時的にストイキ〜リッチ雰囲気に変化させることで該NOx 吸蔵材から放出されるNOx を還元して浄化することを特徴とする排ガス浄化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010026814A1 (ja) * 2008-09-02 2010-03-11 日産自動車株式会社 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法

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