JP2005305023A - 液状食品加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 容器からの液状食品の吹きこぼれを防止し、液状食品に含まれる液状物のみならず固形物をも均一にかつ効率良く加熱できる液状食品加熱装置を提供する。
【解決手段】 液状食品加熱装置1は、容器2に収容されたミルク、コーヒー、具入りスープなどの液状食品3に蒸気噴出ノズル4を挿入し、蒸気噴出ノズル4から蒸気を吐出して液状食品3を加熱する。また、蒸気噴出ノズル4は、各下側噴出口10を蒸気噴出ノズル4の内側から外側に向かって斜め下方向に貫通させた。これにより、容器2からの液状食品3の吹きこぼれを防止し、液状食品3に含まれる液状物のみならず固形物をも均一に加熱することが可能で、かつ、効率の良い加熱をおこなうことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 液状食品加熱装置1は、容器2に収容されたミルク、コーヒー、具入りスープなどの液状食品3に蒸気噴出ノズル4を挿入し、蒸気噴出ノズル4から蒸気を吐出して液状食品3を加熱する。また、蒸気噴出ノズル4は、各下側噴出口10を蒸気噴出ノズル4の内側から外側に向かって斜め下方向に貫通させた。これにより、容器2からの液状食品3の吹きこぼれを防止し、液状食品3に含まれる液状物のみならず固形物をも均一に加熱することが可能で、かつ、効率の良い加熱をおこなうことができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、容器に収容されたミルク、コーヒー、具入りスープなどの液状食品を蒸気により加熱する液状食品加熱装置に関する。
従来より、液状食品中に直接挿入した蒸気噴出ノズルから吐出する蒸気によって、液状食品を加熱する液状食品加熱装置が知られている(例えば、特許文献1)。この液状食品加熱装置71は、図15に示すように、液状食品(例えばスープ72)に直接挿入し蒸気を吐出する蒸気噴出ノズル73と、スープ72に直接挿入する温度センサー74と、を備えている。また、蒸気噴出ノズル73の一端部側には、容器75の開口部を閉塞するための蓋76が備えられている。
次に、上記蒸気噴出ノズル73から吐出する蒸気について説明する。蒸気噴出ノズル73からスープ72へ吐出する蒸気は、蒸気噴出ノズル73の噴出口から吐出された蒸気が温度センサー74に当たらないように噴出される。このため、蒸気を吐出する噴出口の孔の方向は一方向に設定されている。
特開2003−70644号公報
しかしながら、蒸気噴出ノズル73の噴出口の孔の方向が設定されているので、蒸気の熱がスープ72の一部に偏りやすい。従って、容器75内のスープ72の隅々まで加熱することが難しく、蒸気と接触するスープ72の一部だけが過熱状態となり、スープ72の一部だけが突沸し、容器75から吹きこぼれてしまうおそれがある。
また、液状食品加熱装置71に備えられた蒸気噴出ノズル73の噴出口からスープ72へ吐出された蒸気は、完全に凝縮されない状態のままスープ72の液面に達する。従って、スープ72内で蒸気の凝縮により放出されるはずの熱がスープ72の液面に達してから放出されてしまうので、蒸気噴出ノズル73ではスープ72を効率良く加熱できなかった。
また、上述したようにスープ72内では蒸気の熱がスープ72の一部に偏りやすいため、スープ72が固形物(具)入りのものとなっているときには、具の一部は加熱されるが、他部は熱伝導し難いためにほとんど加熱されないという事態が生じる。従って、スープ72が目的温度に達したにも関わらず、スープ72に含まれる具がまだ目的温度となっておらず、具の温度が特に低いことがある。
さらに、スープ72が粘性(とろみ)を有している場合等は、スープ72内で対流が起こり難くいため、噴出口からスープ72へ吐出された蒸気の熱は、容器75内のスープ72の隅々まで伝わらず、スープ72を均一に加熱できなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、容器からの液状食品の吹きこぼれを防止し、液状食品に含まれる液状物のみならず固形物をも均一にかつ効率良く加熱できる液状食品加熱装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1では、容器に収容されたミルク、コーヒー、具入りスープなどの液状食品に該容器の上から蒸気噴出ノズルを挿入し、該蒸気噴出ノズルに形成された多数の噴出口から蒸気を吐出して該液状食品を加熱する液状食品加熱装置において、前記各噴出口のうちの少なくとも一部は前記蒸気噴出ノズルの内側から外側に向かって斜め下方向に貫通させた構成となっている。
請求項1の発明によれば、各噴出口のうちの少なくとも一部は蒸気噴出ノズルの内側から外側に向かって斜め下方向に貫通させて形成しているので、蒸気がこれら噴出口から斜め下方に向かって吐出される。この蒸気は一旦蒸気噴出ノズルの先端の下方に移動し、液状食品との比重差により液状食品の液面に向かって上昇する。この蒸気の流動に起因して、液状食品全体が容器内で上下に対流する。従って、均一にかつ効率良く液状食品を加熱できる上に、容器からの液状食品の吹きこぼれを防止し、かつ液状食品に含まれる固形物(具)への熱伝導を考慮することが可能となる。尚、請求項1の発明に係る蒸気噴出ノズルは、蒸気噴出ノズルの内側から外側に向かって水平方向に貫通させた噴出口を有していてもよい。
請求項2では、容器に収容されたミルク、コーヒー、具入りスープなどの液状食品に該容器の上から蒸気噴出ノズルを挿入し、該蒸気噴出ノズルに形成された多数の噴出口から蒸気を吐出して該液状食品を加熱する液状食品加熱装置において、前記各噴出口のうちの少なくとも一部は前記蒸気噴出ノズルの内側から外側に向かって放射方向に対して斜めに交差するように貫通させた構成となっている。
請求項2の発明によれば、各噴出口のうちの少なくとも一部は蒸気噴出ノズルの内側から外側に向かって放射方向に対して斜めに交差するように貫通させて形成しているので、放射方向に貫通させて形成した噴出口と比較して、蒸気が容器側面に衝突したとき、蒸気の流動と容器壁との角度差により容器側面に沿った流れができやすくなる。従って、蒸気の流動と容器壁との角度差を任意に設定すれば、均一にかつ効率良く液状食品を加熱できる上に、容器からの液状食品の吹きこぼれを防止し、かつ液状食品に含まれる固形物(具)への熱伝導を考慮することが可能となる。尚、請求項2の発明に係る蒸気噴出ノズルは、蒸気噴出ノズルの内側から外側に向かって水平方向に貫通させた噴出口を有していても良いし、蒸気噴出ノズルの内側から外側に向かって斜め下方向に貫通させた噴出口を有していても良い。
請求項3では、容器に収容されたミルク、コーヒー、具入りスープなどの液状食品に該容器の上から蒸気噴出ノズルを挿入し、該蒸気噴出ノズルに形成された多数の噴出口から蒸気を吐出して該液状食品を加熱する液状食品加熱装置において、前記各噴出口のうちの少なくとも一部は前記蒸気噴出ノズルの下部側に有するとともに、該蒸気噴出ノズルは、その下端が前記容器の底部近傍に達するように設定した構成となっている。
請求項3の発明によれば、蒸気噴出ノズルに形成された多数の噴出口のうちの少なくとも一部は蒸気噴出ノズルの下部側に有するとともに、蒸気噴出ノズルは、その下端が容器の底部近傍に達するように設定しているので、蒸気が容器の底部近傍に各噴出口から吐出される。この蒸気は一旦容器の底部近傍に移動し、液状食品との比重差により液状食品の液面に向かって上昇する。この蒸気の流動に起因して、液状食品全体が容器内で上下に対流する。従って、均一にかつ効率良く液状食品を加熱できる上に、容器からの液状食品の吹きこぼれを防止し、かつ液状食品に含まれる固形物(具)への熱伝導を考慮することが可能となる。尚、請求項3の発明に係る蒸気噴出ノズルは、蒸気噴出ノズルの内側から外側に向かって水平方向に貫通させた噴出口を有していても良いし、蒸気噴出ノズルの内側から外側に向かって斜め下方向に貫通させた噴出口を有していても良い。
請求項4では、請求項3記載の液状食品加熱装置において、前記蒸気噴出ノズルの挿入位置を前記容器の中央に設定した構成となっている。
請求項4の発明によれば、請求項3の作用に加え、蒸気噴出ノズルの挿入位置が容器の中央に設定されているので、各噴出口から容器の内壁までの距離が均等である。従って、蒸気が各噴出口から液状食品内に向かって放射状に吐出されることにより、液状食品全体を満遍なく隅々まで加熱できる。
請求項5では、請求項3記載の液状食品加熱装置において、前記蒸気噴出ノズルの挿入位置を前記容器の周縁寄りに設定するとともに、前記各噴出口を該容器の内側に対向して設けた構成となっている。
請求項5の発明によれば、請求項3の作用に加え、蒸気噴出ノズルの挿入位置が容器の周縁寄りに位置するように設定されているので、容器の内積の大半を使った対流を起こすことが可能となり、かつ、この対流は蒸気噴出ノズルによって遮ぎられることはない。また、上側噴出口及び下側噴出口を容器の内側に対向して設けたので、蒸気が容器に当たることなく液状食品内に直接吐出される。例えば、液状食品に大きな固形物(具)がたくさん混入していても、容器の内積の大半を使った対流が起きて均一にかつ効率良く液状食品を加熱できることから、具への熱伝導を促進する加熱が可能となり、かつ、対流に乗った大きな具が蒸気噴出ノズルに引っ掛かることを防止できる。
請求項6では、請求項1乃至請求項5の何れか一項記載の液状食品加熱装置において、液状食品内において前記蒸気噴出ノズルを回転させる回転機構を有する構成となっている。
請求項6の発明によれば、請求項1乃至請求項5の何れか一項の作用に加え、蒸気噴出ノズルを回転させる回転機構を有することにより、蒸気が各噴出口から放射状に、かつ全方位に向かって吐出される上に、液状食品内で強制対流が起きるので、効率良く液状食品の隅々まで加熱できる。
請求項7では、請求項1乃至請求項5の何れか一項記載の液状食品加熱装置において、液状食品内で前記蒸気噴出ノズルを上下動させる上下動機構を有する構成となっている。
請求項7の発明によれば、請求項1乃至請求項5の何れか一項の作用に加え、蒸気噴出ノズルを上下動させる上下動機構を有することにより、蒸気が各噴出口から放射状に、かつ蒸気噴出ノズルの上下動に伴い液状食品の容器底部近傍と液面との間を上下しながら連続的に吐出される上に、液状食品内で強制対流が起きるので、効率良く液状食品の隅々まで加熱できる。
請求項8では、請求項1乃至請求項7の何れか一項記載の液状食品加熱装置において、液状食品を前記蒸気噴出ノズルに沿って上から下に向かって案内するエゼクターを有する構成となっている。
請求項8の発明によれば、請求項1乃至請求項7の何れか一項の作用に加え、エゼクターの上部に存在する液状食品(以下、上部液状食品という)がエゼクター内に取り込まれた後、エゼクター内において、取り込まれた液状食品と蒸気噴出ノズルから吐出した蒸気とが混合される。そして、蒸気と混合された液状食品は、エゼクター内を貫流してエゼクターの下部に存在する液状食品(以下、下部液状食品という)内に吐出される。従って、本発明に係る液状食品加熱装置がエゼクターを有することにより、上部液状食品と下部液状食品との間で強制対流を起こすことが可能なので、液状食品を均一にかつ効率良く隅々まで加熱できる。例えば、液状食品が対流し難い粘性(とろみ)を有する場合であっても、エゼクター付き蒸気噴出ノズルを用いれば、上部液状食品と下部液状食品との間で強制対流が起こすことが可能となり、均一にかつ効率良く隅々まで液状食品を加熱できる。
尚、エゼクターの流入口側は、上端から下端に向かって広がりを形成したフィルタで覆ってもよい(請求項9)。これにより、上端から下端に向かって広がりを形成したフィルタの上に固形物が積もることがないので、エゼクター内に液状食品を取り込みやすい状態を維持でき、かつ流入口内に固形物を取り込むことがないので固形物が流入口内で詰まることを防止できる。
請求項10では、請求項1乃至請求項9の何れか一項記載の液状食品加熱装置において、前記各噴出口を小径に形成した構成となっている。
請求項10の発明によれば、蒸気噴出ノズルの各噴出口が小径に形成されているので、各噴出口から吐出される蒸気の気泡サイズが小さいので、液状食品内で凝縮し易くなる。従って、蒸気の全てが液状食品の液面に達するまでに凝縮放熱するので、効率の良い加熱を行うことができる。
以上説明したように本発明の液状食品加熱装置によれば、蒸気噴出ノズルに形成された各噴出口を前記蒸気噴出ノズルの内側から外側に向かって斜め下方向に貫通させることにより、または、各噴出口のうちの少なくとも一部は蒸気噴出ノズルの下部側に有するとともに、蒸気噴出ノズルの下端が容器の中央または周縁寄りの底部近傍に達するように設定することにより、均一にかつ効率良く液状食品を加熱できるので、容器からの液状食品の吹きこぼれを防止し、液状食品に含まれるスープと固形物(具)とを均一に加熱できるため、スープのみならず具も温かい液状食品を常に提供できる。また、液状食品加熱装置が回転機構、上下動機構、またはエゼクターを有することにより、液状食品内で強制対流を起こすことができるので、均一にかつ効率良く隅々まで液状食品を加熱できる。さらに、各噴出口から吐出される蒸気の気泡サイズが小さいので、蒸気は液状食品の液面に達するまでに凝縮放熱するので、効率良く液状食品が加熱できる。
図1乃至図5は本発明の第1実施形態を示すもので、図1は第1実施形態に係る液状食品加熱装置を示す概略断面図、図2は第1実施形態に係る液状食品加熱装置のB−B’方向の断面図、図3は第1実施形態に係る蒸気噴出ノズルを示す側面概略断面図、図4及び図5は第1実施形態に係る蒸気噴出ノズルのC−C’方向の平面概略断面図である。
尚、以下の実施形態の説明にあたって、同一の構成要件については同一符号を付し、その説明は省略もしくは簡略化する。
本発明の液状食品加熱装置1は、図1に示すように、液状食品3、例えばミルク、コーヒー、具入りスープなどを蒸気で加熱するものであり、容器2に収容された液状食品3内へ蒸気を吐出する蒸気噴出ノズル4と、蒸気噴出ノズル4の上端に連結した蒸気噴出ノズル4の回転機構Aとを有している。
蒸気噴出ノズル4は、図1に示すように、液状食品3を収容する容器2の開口部を閉塞する蓋8の中央部に挿通して設置されている。また、蒸気噴出ノズル4は、蒸気開閉弁17が設けられた蒸気配水管18を介してボイラ19と接続されている。このボイラ19は、給水弁20が設けられた給水管21を介して給水装置(例えばポンプ22)と接続されている。また、蒸気噴出ノズル4は、図3に示すように、先端側に蒸気噴出ノズル4の内側から外側に向かって水平方向に貫通させた小径の上側噴出口9と、蒸気噴出ノズル4の内側から外側に向かって斜め下方向に貫通させた小径の下側噴出口10とを数個ずつ有している。この下側噴出口10のC−C’方向の平面から見た断面は、図4に示すように、蒸気噴出ノズル4の外周円の接線tに対して垂直に蒸気が吐出するように放射方向に貫通させた形状である。尚、下側噴出口10のC−C’方向の平面から見た断面は、図5(a)及び(b)に示すように、蒸気噴出ノズル4の内側から外側に向かって放射方向に対して斜めに交差するように貫通させて形成しても良い。
回転機構Aは、可動蒸気噴出管5、回転体6、ギア7、固定蒸気噴出管11、ホルダ13、玉軸受け14、原動軸15、及びモータ16から構成されている。可動蒸気噴出管5は、図1又は図2に示すように、ホルダ13で固定され、かつ固定蒸気噴出管11に連通している。また、可動蒸気噴出管5及び固定蒸気噴出管11とホルダ13との間には蒸気漏れを防止するためにOリング12が配されている。また、回転体6とホルダ13との間には、図1又は図2に示すように、複数の回転球が転動する玉軸受け14が具備されている。この玉軸受け14を具備することにより、回転体6がホルダ13から独立して回転できる。また、ギア7は、原動軸15を介してモータ16と接続されている。
以下、本実施形態の液状食品加熱装置1の作用を説明する。モータ16が作動すると原動軸15が回転駆動し、従動側であるギア7も回転駆動する。そして、このギア7の回転駆動により、ギア7の従動側である回転体6が回転駆動する。これにより、回転体6に連結した可動蒸気噴出管5が回転駆動するので、蒸気噴出ノズル4の先端側に設けられた上側噴出口9及び下側噴出口10が蒸気を水平方向または斜め下方向に吐出しながら液状食品3内で回転する。
本実施形態に係る液状食品加熱装置1によれば、蒸気を吐出する蒸気噴出ノズル4に設けられた上側噴出口9と下側噴出口10が小径なので、吐出する蒸気の気泡体積が小さくなっている。このため、蒸気の全てが液面に達するまでに凝縮放熱し、効率の良い液状食品3の加熱が可能となる。また、蒸気が下側噴出口10から斜め下方に向かって吐出される。この蒸気は、一旦容器2の下部側に向かって移動し、その後液状食品3との比重差により上方に向かって移動する。この蒸気の流動に起因して、液状食品3全体が容器2内で上下に対流する。従って、液状食品3の均一な加熱が可能となる上に、容器2から液状食品3が吹きこぼれることを防止できる。さらに、液状食品加熱装置1が回転機構Aを有することにより、蒸気噴出ノズル4が蒸気を吐出しながら液状食品3内で回転するので、蒸気が各噴出口から液状食品内に向かって放射状に、かつ全方位に向かって吐出されることにより、液状食品全体を満遍なく隅々まで加熱できることから、液状食品3にスープと固形物(具)とが含まれる場合でも、スープのみならず具も均一に加熱できる。
また、蒸気噴出ノズル4の各噴出口を、蒸気噴出ノズル4の内側から外側に向かって放射方向に対して斜めに交差するように貫通させて形成した場合には、放射方向に貫通させて形成した噴出口と比較して、蒸気が容器2側面に衝突したとき、蒸気の流動と容器2の壁との角度差により容器2側面に沿った流れができやすくなる。具体的には、図5(a)に示すように、放射方向に貫通させて形成した噴出口から吐出した蒸気m2と比較して、放射方向に対して斜めに交差するように貫通させて形成した噴出口から吐出した蒸気m1は、容器2側面に衝突したときに図に向かって左が鋭角、右が鈍角になり、蒸気m1の流動は時計回りとなる。これにより、液状食品3内で時計周りの対流を起こせるので、液状食品3の隅々まで均一な加熱が可能となる上に、容器2から液状食品3が吹きこぼれることを防止できる。
尚、本実施形態では、モータ16を一方向に回転した例を示したが、モータ16を断続的に逆転するよう制御しても良い。
図6及び図7は本発明の第2実施形態を示すもので、図6は本発明の第2実施形態に係る液状食品加熱装置を示す概略断面図、図7は本発明の第2実施形態に係る液状食品内の対流を示す平面図である。
第1実施形態の蒸気噴出ノズル4の下端は容器2のやや下部側に位置しているが、第2実施形態である液状食品加熱装置31は、図6に示すように、蒸気噴出ノズル32の下端が容器2の底中央部近傍に位置するように設定されている点で異なる。
以下、本実施形態の液状食品加熱装置31の作用を説明する。図6に示すように、蒸気噴出ノズル4の下端を容器2の底中央部近傍に位置するように設置し、蒸気噴出ノズル32を回転させながら液状食品3内に蒸気を吐出すると、一旦容器2の底中央から放射方向に吐出し、その後液状食品3の上部へと向かう対流(図6に示す白抜きの矢印)が起こる。また、この液状食品3内における対流を平面から見ると、図7に示すように、蒸気噴出ノズル32の回転に伴って、蒸気噴出ノズル32を中心として回転する対流(図7に示す白抜きの矢印)が起きる。
本実施形態に係る液状食品加熱装置31によれば、蒸気噴出ノズル32の下端が容器2の底中央部近傍に位置するように設置されているので、上側噴出口9及び下側噴出口10から吐出される蒸気が蒸気噴出ノズル32の先端側より下部から液状食品3を加熱することになる。この蒸気の熱は液状食品3液面に上昇するので、それにより液状食品3内で対流が起きやすくなり、効率良く液状食品3の均一な加熱が可能となり、容器2から液状食品3が吹きこぼれることを防止できる。また、蒸気噴出ノズル32を中心として回転する対流が起こるため、液状食品3内の対流に変化を加えることが可能となり、液状食品3の隅々まで加熱でき、液状食品3にスープと固形物(具)とが含まれる場合でも、スープのみならず具も均一に加熱できる。なお、その他の構成、作用は、前記第1実施形態と同様である。
図8及び図9は本発明の第3実施形態を示すもので、図8は本発明の第3実施形態に係る液状食品加熱装置を示す概略断面図、図9は本発明の第3実施形態に係る液状食品内の対流を示す平面図である。
第2実施形態の蒸気噴出ノズル32の下端は容器2の底中央部近傍に位置するように設定されているが、第3実施形態である液状食品加熱装置41は、図8に示すように、蒸気噴出ノズル42の下端が容器2の周縁寄りに設定されているとともに、上側噴出口43及び下側噴出口44を容器2の内側に対向して設けた点で異なる。
以下、本実施形態の液状食品加熱装置41の作用を説明する。図8に示すように、蒸気噴出ノズル42の下端を容器2の周縁寄りに位置するように設置するとともに、容器の内側に対向して設けた上側噴出口43及び下側噴出口44を有する蒸気噴出ノズル42を双方向に半回転させながら、蒸気噴出ノズル42から液状食品3内へ蒸気を吐出すると、容器2の内積の大半を使った対流(図8に示す白抜きの矢印)が起こる。また、この液状食品3内における対流を平面から見ると、図9に示すように、蒸気噴出ノズル42が設置された容器2の周縁寄りの一端部から他端部に向かう対流(図9に示す白抜きの矢印)が起きる。
本実施形態に係る液状食品加熱装置41によれば、蒸気噴出ノズル42が容器2周縁寄りに位置するように設置されているので、容器2の内積の大半を使った対流を起こすことが可能となり、かつ、この対流が蒸気噴出ノズル42によって遮ぎられることはない。また、上側噴出口43及び下側噴出口44を容器の内側に対向して設けたので、蒸気が容器2に当たることなく液状食品3内に直接吐出される。例えば、液状食品3に大きな固形物(具)がたくさん混入していても、容器2の内積の大半を使った対流が起きることにより具への熱伝導を促進する加熱が可能となり、かつ、対流に乗った大きな具が蒸気噴出ノズル42に引っ掛かることによる具への熱伝導の妨げを防止できるので、液状食品3内に含まれ熱特性の異なるスープ及び具を加熱できる。なお、その他の構成、作用は、前記第2実施形態と同様である。
図10及び図11は本発明の第4実施形態を示すもので、図10は本発明の第4実施形態に係る液状食品加熱装置を示す概略断面図、図11は本発明の第4実施形態に係るエゼクターを示す平面概略断面図、図12は本発明の第4実施形態に係る液状食品加熱装置を示す概略断面図である。
第3実施形態の蒸気噴出ノズル32は下端が容器2の底中央部近傍に位置するように設定されているが、第4実施形態である液状食品加熱装置51は、図10及び図11に示すように、蒸気噴出ノズル53は液状食品3を蒸気噴出ノズル53に沿って上から下に向かって案内するエゼクター52有する点で異なる。
エゼクター52は、図10に示すように、蒸気噴出ノズル53の先端側に固着されている。また、エゼクター52は、図11に示すように、蒸気噴出ノズル53を挿通させるための挿通孔54と、液状食品3が貫流する貫流孔55及び貫流孔56を有する。
以下、本実施形態の液状食品加熱装置51の作用を説明する。図10に示すように、エゼクター52の上部に存在する液状食品3がエゼクター52の流入口側57に取り込まれた後、エゼクター52内において取り込まれた液状食品3と蒸気噴出ノズル53から吐出した蒸気とが混合させる。そして、蒸気と混合された液状食品3は、貫流孔54及び貫流孔55を貫流してエゼクター52の下部に存在する液状食品3内に吐出されるので、エゼクター52より上部に存在する液状食品3と下部に存在する液状食品3との間で強制対流(図10に示す白抜きの矢印)が起きる。
本実施形態に係る液状食品加熱装置51によれば、エゼクター52の上部に存在する液状食品3が、エゼクター52の下部に存在する液状食品3と比較して温度が低い場合であっても、エゼクター52内で短時間に上部に存在する液状食品3を加熱できるので、均一にかつ効率良く隅々まで液状食品3を加熱できる。例えば、対流し難い粘性(とろみ)を有する液状食品3の加熱にエゼクター52付き蒸気噴出ノズル53を用いると、確実にエゼクター52の上部に存在する液状食品3と下部に存在する液状食品3との間で確実に強制対流が起こすことができるので、粘性(とろみ)を有する液状食品3を均一にかつ効率良く隅々まで加熱できる。
また、エゼクター52は、図12に示すように、流入口側57を上端から下端に向かって広がりを形成したフィルタ58で覆ってもよい。これにより、上端から下端に向かって広がりを形成したフィルタ58の上に固形物が積もることがないので液状食品3をエゼクター52内に取り込みやすい状態を維持でき、かつ流入口57内に固形物を取り込むことがないので固形物が流入口57内で詰まることを防止できる。この上端から下端に向かって広がりを形成したフィルタ58は、円錐状または多角錐状であることが好ましい。また、上端から下端に向かって広がりを形成したフィルタ58は、パンチングメタルを錐状に加工したものや、単にエゼクター52上端から蒸気噴出ノズル53に向かって金属線を伸張した形状でも良い。なお、その他の構成、作用は、前記第3実施形態と同様である。
図13及び図14は本発明の第5実施形態を示すもので、図13は本発明の第5実施形態に係る液状食品加熱装置を示す概略断面図、図14は本発明の第5実施形態に係る上下動機構Dの一部を示す平面図である。
第4実施形態の液状食品加熱装置51は回転機構Aを有するが、第5実施形態である液状食品加熱装置61は、図13及び図14に示すように、液状食品加熱装置61は上下動機構Dを有する点で異なる。
上下動機構Dは、可動蒸気噴出管5、固定蒸気噴出管11、ホルダ13、ラックホルダ64、可逆転モータ65、ピニオン66及び可動軸67から構成されている。可動蒸気噴出管5は、図13又は図14に示すように、ラックホルダ64に挿通され、かつホルダ13で固定されている固定蒸気噴出管11に連通している。また、可動蒸気噴出管5及び固定蒸気噴出管11とホルダ13との間には蒸気漏れを防止するためにOリング12が配されている。また、ピニオン66は、可動軸67を介して可逆転モータ65と接続されている。
以下、本実施形態の液状食品加熱装置61の作用を説明する。図13及び図14に示すように、可逆転モータ65が作動すると可動軸67が回転駆動し、従動側であるピニオン66が回転駆動することによって、ラック63を備えたラックホルダ64が上下動する。このラックホルダ64の上下動に伴い、可動蒸気噴出管5に接続された蒸気噴出ノズル62が上下動する。
本実施形態に係る液状食品加熱装置61によれば、蒸気噴出ノズル62を上下動させる上下動機構Dを有することにより、蒸気が上側噴出口9及び下側噴出口10から放射状に、かつ蒸気噴出ノズル62の上下動に伴い液状食品3の容器2底部近傍と液面との間で上下動しながら連続的に吐出される上に、液状食品3内で強制対流が起きるので、効率良く液状食品3の隅々まで加熱できる。なお、その他の構成、作用は、前記第4実施形態と同様である。
1、31、41、51、61…液状食品加熱装置、2…容器、3…液状食品、4、32,42,53…蒸気噴出ノズル、5…可動蒸気噴出管、6…回転体、7…ギア、11…固定蒸気噴出管、13…ホルダ、14…玉軸受け、15…原動軸、16…モータ、52…エゼクター、64…ラックホルダ、65…可逆転モータ、66…ピニオン、67…可動軸
Claims (10)
- 容器に収容されたミルク、コーヒー、具入りスープなどの液状食品に該容器の上から蒸気噴出ノズルを挿入し、該蒸気噴出ノズルに形成された多数の噴出口から蒸気を吐出して該液状食品を加熱する液状食品加熱装置において、
前記各噴出口のうちの少なくとも一部は前記蒸気噴出ノズルの内側から外側に向かって斜め下方向に貫通させた
ことを特徴とする液状食品加熱装置。 - 容器に収容されたミルク、コーヒー、具入りスープなどの液状食品に該容器の上から蒸気噴出ノズルを挿入し、該蒸気噴出ノズルに形成された多数の噴出口から蒸気を吐出して該液状食品を加熱する液状食品加熱装置において、
前記各噴出口のうちの少なくとも一部は前記蒸気噴出ノズルの内側から外側に向かって放射方向に対して斜めに交差するように貫通させた
ことを特徴とする液状食品加熱装置。 - 容器に収容されたミルク、コーヒー、具入りスープなどの液状食品に該容器の上から蒸気噴出ノズルを挿入し、該蒸気噴出ノズルに形成された多数の噴出口から蒸気を吐出して該液状食品を加熱する液状食品加熱装置において、
前記各噴出口のうちの少なくとも一部は、前記蒸気噴出ノズルの下部側に有するとともに、
該蒸気噴出ノズルは、その下端が前記容器の底部近傍に達するように設定した
ことを特徴とする液状食品加熱装置。 - 前記蒸気噴出ノズルの挿入位置を前記容器の中央に設定した
ことを特徴とする請求項3記載の液状食品加熱装置。 - 前記蒸気噴出ノズルの挿入位置を前記容器の周縁寄りに設定するとともに、
前記各噴出口を該容器の内側に対向して設けた
ことを特徴とする請求項3記載の液状食品加熱装置。 - 液状食品内において前記蒸気噴出ノズルを回転させる回転機構を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の液状食品加熱装置。
- 液状食品内で前記蒸気噴出ノズルを上下動させる上下動機構を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の液状食品加熱装置。
- 液状食品を前記蒸気噴出ノズルに沿って上から下に向かって案内するエゼクターを有することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の液状食品加熱装置。
- 前記エゼクターの流入口側を上端から下端に向かって広がりを形成したフィルタで覆ったことを特徴とする請求項8記載の液状食品加熱装置。
- 前記各噴出口を小径に形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の液状食品加熱装置。
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KR101734407B1 (ko) | 2015-10-08 | 2017-05-12 | 신이슬 | 열에너지 하방분사형 조리장치 |
JP2019500981A (ja) * | 2015-10-27 | 2019-01-17 | カログスト アーゲー | 食品を加工するための装置及び方法 |
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2004
- 2004-04-26 JP JP2004129897A patent/JP2005305023A/ja active Pending
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