JP2005302695A - 光電極及びこれを備えた色素増感型太陽電池 - Google Patents

光電極及びこれを備えた色素増感型太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 色素増感型太陽電池において透明導電膜の抵抗を十分に小さくしながら、リーク電流を十分に小さくすることができる光電極及び色素増感型太陽電池を提供すること。
【解決手段】 本発明は、受光面F2を有する半導体電極2と、受光面F2上に隣接して配置され、フッ素ドープ酸化スズを含む透明導電膜3bと、透明導電膜3b上に隣接して配置され、スズドープ酸化インジウムを含む透明導電膜3aと、透明導電膜3a上に隣接して配置された透明基板4とを有する光電極10であって、半導体電極2が酸化物半導体粒子と増感色素とを含んでおり、透明導電膜3bの厚さが30nm以上で、透明導電膜3a,3bのイオン化ポテンシャルが、酸化物半導体粒子のイオン化ポテンシャル以上であり且つ4.8eV以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光電極及びこれを備えた色素増感型太陽電池に関する。
近年、地球温暖化やエネルギー問題に対する関心の高まりとともに太陽光を利用する太陽電池等の光−電気変換素子の様々な開発が進められている。例えば、太陽電池の中でも、色素増感型太陽電池は使用する材料が安価であること、比較的シンプルなプロセスで製造できること等の利点を有するためその実用化が期待されている。
このような色素増感型太陽電池は通常、受光面を有する光電極と、対極と、光電極と対極との間に配置される電解質とを有しており、光電極は通常、透明基板と、透明基板に隣接して配置された透明導電膜と、透明導電膜に隣接して配置された半導体電極とを有している。
色素増感型太陽電池としては、従来より、透明導電膜としてフッ素ドープ酸化スズ(FTO)膜を用いたものが知られている。FTO膜を用いるのは、色素増感型太陽電池を作製する際、通常、金属酸化物半導体微粒子を透明導電膜に400〜600℃の温度で焼付けを行う必要があるため、この温度範囲で抵抗値が大きく上昇しないことが透明導電膜に求められるからである。
一方、透明導電膜として、FTO膜に比べて抵抗率が低く光透過率が高いスズドープ酸化インジウム(ITO)膜が知られている。ところが、ITO膜は通常、上述した焼付け温度で抵抗率が大きく上昇するため、色素増感型太陽電池には通常用いられてこなかった。
近年、このITO膜の弱点を補填し、ITO膜の優れた低抵抗率を利用するために、ITO膜上に酸化スズ膜やFTO膜を積層した透明導電膜を色素増感型太陽電池に利用されるようになっている(例えば特許文献1参照)。
特開2003−323818号公報
しかしながら、本発明者らは、上記の特開2003−323818号公報に記載の色素増感型太陽電池であっても、リーク電流が大きくなり、色素増感型太陽電池の発電効率が低下することを見出した。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、色素増感型太陽電池において透明導電膜の抵抗を十分に小さくしながら、リーク電流を十分に小さくすることができる光電極及び色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、透明導電膜が特定の異なる材料を含む2つの透明導電膜で構成されると共に、イオン化ポテンシャルが特定の範囲にあるときに、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、受光面を有する半導体電極と、前記受光面上に隣接して配置され、フッ素ドープ酸化スズを含む第1透明導電膜と、第1透明導電膜上に隣接して配置され、スズドープ酸化インジウムを含む第2透明導電膜と、前記第2透明導電膜上に隣接して配置された透明基板とを有する光電極であって、前記半導体電極が酸化物半導体粒子と増感色素とを含んでおり、第2透明導電膜の厚さが30nm以上であり、前記第1及び第2透明導電膜で構成される透明導電膜のイオン化ポテンシャルが、前記酸化物半導体粒子のイオン化ポテンシャル以上であり且つ4.8eV以下であることを特徴とする光電極である。
本発明の光電極によれば、色素増感型太陽電池において、第1及び第2透明導電膜で構成される透明導電膜の抵抗を十分に小さくしながら、リーク電流を十分に小さくすることができる。
上記第1透明導電膜におけるスズドープ酸化インジウムの平均粒径は50〜200nmであることが好ましい。平均粒径が50nm未満では、平均粒径が上記範囲内にある場合に比べて熱処理等により抵抗率が大きくなる傾向があり、200nmを超えると、平均粒径が上記範囲内にある場合に比べて光散乱が大きくなり過ぎる傾向がある。
更に、本発明は、光電極と、対極とを有し、前記光電極と前記対極とが電解質を介して対向配置された色素増感型太陽電池であって、前記光電極が上記光電極であることを特徴とする色素増感型太陽電池である。
この色素増感型太陽電池によれば、光電極として上記光電極が用いられているため、第1及び第2透明導電膜で構成される透明導電膜の抵抗を十分に小さくしながら、リーク電流を十分に小さくすることができる。
なお、本発明において、イオン化ポテンシャルとは、透明導電膜の表面上の5箇所で測定されたイオン化ポテンシャルの平均値を言うものとし、イオン化ポテンシャルの測定値は、光電子分光装置で測定された値を言うものとする。なお、本発明において、「イオン化ポテンシャル」の概念には、「仕事関数」も含まれるものとする。
本発明の光電極及び色素増感型太陽電池によれば、色素増感型太陽電池において透明導電膜の抵抗を十分に小さくしながらリーク電流を十分に小さくすることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の色素増感型太陽電池の一実施形態を示す断面図である。図1に示すように、色素増感型太陽電池20は、主として、光電極10と、対極CEと、スペーサーSにより光電極10と対極CEとの間に形成される間隙に充填された電解質Eとから構成されている。
図2に示すように、光電極10は、主として、受光面F2を有する半導体電極2と、半導体電極2の受光面F2上に隣接して配置された透明電極1とから構成されている。半導体電極2は、受光面F2と反対側の裏面F22において間隙の電解質Eを挟んで対極CEと対面する。
半導体電極2は、主として、酸化物半導体粒子と増感色素とから構成されている。
透明電極1は、透明基板4と、透明基板4に隣接して配置された第2透明電極膜3bと、第2透明導電膜3b上に隣接して配置された第1透明導電膜3aとで構成されている。
ここで、第1透明導電膜3aはスズドープ酸化インジウムを含んでおり、第2透明導電膜3bはフッ素ドープ酸化スズを含んでいる。スズドープ酸化インジウム及びフッ素ドープ酸化スズはいずれも電子伝導性を有しており入射光L10のうち半導体電極2における光電変換反応に寄与する波長領域の光を透過することが可能となっている。
そして、第2透明導電膜3bの厚さは30nm以上であり、第1透明導電膜3a及び第2透明面導電膜3bで構成される透明導電膜のイオン化ポテンシャルは、半導体電極2に含まれる酸化物半導体粒子のイオン化ポテンシャル以上であり且つ4.8eV以下となっている。
なお、第1透明導電膜3a及び第2透明導電膜3bは、入射光L10のうち半導体電極2における光電変換反応に寄与する波長領域の光を透過できる構成を有する。
色素増感型太陽電池20が上記のように構成されることで、第1透明導電膜3a及び第2透明導電膜3bで構成される透明導電膜の抵抗を十分に小さくしながら、リーク電流を十分に小さくすることができる。
また第1透明導電膜3aにおけるスズドープ酸化インジウムは粒子状となっており、その平均粒径が50〜200nmであることが好ましい。スズドープ酸化インジウムの平均粒径が50nm未満では、平均粒径が上記範囲内にある場合に比べて半導体電極2形成後の抵抗率が大きくなる傾向がある。一方、スズドープ酸化インジウムの平均粒径が200nmを超えると、平均粒径が上記範囲内にある場合に比べて光散乱が大きくなり過ぎる傾向がある。
透明基板4としては、入射光L10のうち半導体電極2における光電変換反応に寄与する波長領域の光を透過できるものであれば特に限定されない。例えば、液晶パネル等に用いられる透明基板を用いてよい。具体的には透明なガラス基板、ガラス基板表面を適当に荒らすなどして光の反射を防止したもの、すりガラス状の半透明のガラス基板など光を透過するものが透明基板材料として挙げられる。なお、光を透過するものであれば材質はガラスでなくてもよく、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体などでもよい。
半導体電極2に含まれる酸化物半導体粒子は、光電変換反応に寄与するものであれば特に限定されるものではなく、公知の酸化物半導体等を使用することができる。酸化物半導体としては、例えば、TiO2,ZnO,SnO2,Nb25,In23,WO3,ZrO2,La23,Ta25,SrTiO3,BaTiO3等を用いることができる。
ここで、酸化物半導体粒子の平均粒径は10〜200nmであることが好ましい。酸化物半導体粒子の平均粒径が10nm未満では色素吸着量が少なくなり光を有効に吸収できなくなる傾向があり、200nmを超えるとイオン拡散抵抗が増大して、光励起されて半導体への電子注入を果した後の色素に対するIからの電子注入によってI3 の対極への搬出が阻害され、色素増感型太陽電池20の出力特性が低下する傾向がある。
また、半導体電極2に含まれる増感色素は光電変換反応に寄与するものであれば特に限定されるものではなく、可視光領域および/または赤外光領域に吸収を持つ色素であればよい。この増感色素としては、金属錯体や有機色素等を用いることができる。金属錯体としては銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニン等の金属フタロシアニン、クロロフィルまたはその誘導体、ヘミン、ルテニウム、オスミウム、鉄及び亜鉛の錯体(例えばシス−ジシアネート−ビス(2、2’−ビピリジル−4、4’−ジカルボキシレート)ルテニウム(II))等が挙げられる。有機色素としては,メタルフリーフタロシアニン,シアニン系色素,メロシアニン系色素,キサンテン系色素,ポリメチン系色素,トリフェニルメタン系色素等を用いることができる。
更に、半導体電極2の厚さは、3〜50μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましく、6〜18μmであることが更に好ましい。半導体電極2の厚さが3μm未満となると、色素吸着量が少なくなり光を有効に吸収できなくなる傾向が大きくなる。一方、半導体電極2の厚さが50μmを超えると、電気抵抗が大きくなり半導体に注入されたキャリアの損失量が多くなるとともに、イオン拡散抵抗が増大して、光励起されて半導体への電子注入を果した後の色素に対するIからの電子注入によってI3 の対極への搬出が阻害され、色素増感型太陽電池20の出力特性が低下する傾向が大きくなる。
また、対極CEは、特に限定されるものではなく、例えば、シリコン太陽電池、液晶パネル等に通常用いられている対極と同じものを用いてよい。例えば、前述の透明電極1と同じ構成を有するものであってもよく、透明電極1と同様の透明導電膜3上にPt等の金属薄膜電極を形成し、金属薄膜電極を電解質Eの側に向けて配置させるものであってもよい。また、透明電極1の透明導電膜3に白金を少量付着させたものであってもよく、白金などの金属薄膜、炭素などの導電性膜などであってもよい。
更に、電解質Eの組成も光励起され半導体への電子注入を果した後の色素を還元するための酸化還元種を含んでいれば特に限定されないが、I/I3 等の酸化還元種を含むヨウ素系レドックス溶液が好ましく用いられる。
具体的には、I/I3 系の電解質はヨウ素のアンモニウム塩あるいはヨウ化リチウムとヨウ素を混合したものなどを用いることができる。その他、Br/Br 系、キノン/ハイドロキノン系などのレドックス電解質をアセトニトリル、炭酸プロピレン、エチレンカーボネートなどの電気化学的に不活性な溶媒(およびこれらの混合溶媒)に溶かしたものも使用できる。
また、スペーサーSの構成材料は特に限定されるものではなく、例えば、シリカビーズ等を用いることができる。
次に、図1に示した色素増感型太陽電池20の製造方法の一例について図2(a)〜(e)を参照しながら説明する。図2(a)〜(e)は、色素増感型太陽電池に含まれる光電極を製造する一連の工程図である。
先ず、光電極10の製造方法の一例について説明する。はじめに、透明電極1を用意する(図2(a)参照)。そして、ガラス基板等の透明基板4の上に第1透明導電層33aを形成する(図2(b)参照)。
第1透明導電層33aは、例えばスプレー熱分解成膜法を用いて形成することができる。スプレー熱分解成膜法は、透明基板4を加熱しながら、透明基板4の表面上にスズドープIn形成用原料(以下、ITO膜形成用原料)を噴霧するものである。これにより、ITO膜形成用原料を構成する材料が透明基板4の表面上で分解しながらスズドープInからなる第1透明導電層33aが形成される。
ITO膜形成用原料としては、インジウム含有化合物、スズ含有化合物及びこれらを溶解する溶媒によって構成することができる。インジウム含有化合物としては、例えば塩化インジウム、硝酸インジウム、水酸化インジウム、酢酸インジウム、インジウムアセチルアセトナート、2−エチルヘキサンインジウム、インジウムイソプロポキシドなどが挙げられ、スズ含有化合物としては、例えば塩化スズ、水酸化スズ、酢酸スズ、テトラブチルスズ、スズアセチルアセトナート、ジブチルスズアセテート、2−エチルヘキサンスズ、オクチル酸スズ、スズエトキシド、スズイソプロポキシド、スズイソブトキシドなどが挙げられる。また溶媒としては、インジウム含有化合物及びスズ含有化合物を溶解できる液体であれば特に制限されないが、例えばエタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、メトキシエタノール、アセトン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、水又はこれらの2種以上の組合せなどを用いることができる。
またこのときの透明基板4の温度は、インジウム含有化合物及びスズ含有化合物を分解することが可能な温度であればよく、例えば280〜500℃とすればよい。
第1透明導電層33aを構成する材料としては、大気中で450℃、1時間で加熱した後の抵抗率が、加熱前の抵抗率の1.5倍以上とならないものが用いられる。加熱後の抵抗率が、加熱前の抵抗率の1.5倍以上になると、後述する第1透明導電膜3aの抵抗率が大きくなりすぎ、色素増感型太陽電池において内部抵抗が大きくなり変換効率が低下するというデメリットが生じるからである。
続いて、第1透明導電層33aの表面上に、第2透明導電層33bを形成する(図2(c)参照)。このとき、第2透明導電膜3bの厚さが30nm以上となるように第2透明導電膜3bを形成する。第2透明導電層33bも第1透明導電層33aを形成する場合と同様、スプレー熱分解成膜法を用いて形成することができる。
この場合、スプレー熱分解成膜法は、透明基板4を加熱しながら、透明基板4の表面上にフッ素ドープSnO2形成用原料(以下、FTO膜形成用原料)を噴霧するものである。これにより、FTO膜形成用原料を構成する材料が第1透明導電層33aの表面上で分解しながらフッ素ドープSnO2からなる第2透明導電層33bが形成される。
FTO膜形成用原料としては、フッ素含有化合物、スズ含有化合物及びこれらを溶解する溶媒によって構成することができる。フッ素含有化合物としては、例えばフッ化アンモニウム、フッ酸などが挙げられ、スズ含有化合物としては、例えば塩化スズ、水酸化スズ、酢酸スズ、テトラブチルスズ、スズアセチルアセトナート、ジブチルスズジアセテート、2−エチルへキサンスズ、オクチル酸スズ、スズエトキシド、スズイソプロポキシド、スズイソブトキシドなどが挙げられる。また溶媒としては、フッ素含有化合物及びスズ含有化合物を溶解できる液体であれば特に制限されないが、例えばエタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、メトキシエタノール、水又はこれらの2種以上の組合せなどを用いることができる。
またこのときの透明基板4の温度は、フッ素含有化合物及びスズ含有化合物を分解することが可能な温度であればよく、例えば280〜700℃とすればよい。
次に、第2透明導電層33bの表面上に半導体電極膜22を形成する(図2(d)参照)。半導体電極膜22を形成する方法としては、例えば以下の方法がある。すなわち、先ず、酸化チタン等の酸化物半導体粒子を分散させた分散液を調製する。この分散液の溶媒は水、有機溶媒、または両者の混合溶媒など酸化物半導体粒子を分散できるものなら特に限定されない。また、分散液中には必要に応じて界面活性剤、粘度調節剤を加えてもよい。
次に、分散液を第2透明導電層33bの表面上に塗布し、次いで乾燥する。こうして半導体電極膜22を得る。このときの塗布方法としてはバーコーター法、印刷法などを用いることができる。
そして、半導体電極膜22を乾燥した後、空気中、不活性ガス或いは窒素中で加熱、焼成して半導体電極2を形成する(図2(e)参照)。このとき、第1透明電極膜33aは第1透明電極膜3aとなり、第2透明導電層33bは第2透明電極膜3bとなる。
このときの焼成温度は300〜800℃が好ましい。焼成温度が300℃未満であると酸化物半導体粒子間の固着、透明基板4への付着力が弱くなり十分な強度がでなくなるおそれがある。焼成温度が800℃を超えると酸化物半導体粒子間の固着が進み、半導体電極2(多孔質半導体膜)の表面積が小さくなるおそれがある。
次に、半導体電極2中に浸着法等の公知の方法により増感色素を含有させる。増感色素は半導体電極2に付着(化学吸着、物理吸着または堆積など)させることにより含有させる。この付着方法は、例えば増感色素を含む溶液中に半導体電極2を浸漬するなどの方法を用いることができる。この際、溶液を加熱し還流させるなどして増感色素の吸着、堆積を促進することができる。なお、このとき、色素の他に必要に応じて、銀等の金属やアルミナ等の金属酸化物を半導体電極2中に含有させてもよい。
なお、半導体電極2内に含まれる光電変換反応を阻害する不純物を除去する表面酸化処理を、各層それぞれの形成時毎、或いは、各層全てを形成した時などに公知の方法により適宜施してもよい。
また、第2透明導電層33b上に半導体電極膜22を形成する他の方法としては、以下の方法がある。すなわち、第2透明導電層33b上にTiO2等の半導体を膜状に蒸着させる方法を用いてもよい。第2透明導電層33b上に半導体を膜状に蒸着させる方法としては公知の方法を用いることができる。
例えば、電子ビーム蒸着、抵抗加熱蒸着、スパッタ蒸着、クラスタイオンビーム蒸着等の物理蒸着法を用いてもよく、酸素等の反応性ガス中で金属等を蒸発させ、反応生成物を第2透明導電層33b上に堆積させる反応蒸着法を用いてもよい。更に、反応ガスの流れを制御する等してCVD等の化学蒸着法を用いることもできる。
このようにして光電極10を作製した後は、公知の方法により対極CEを作製し、これと光電極10と、スペーサーSを図1に示すように組み上げて、内部に電解質Eを充填し、色素増感型太陽電池20を完成させる。
(第2実施形態)
以下、図3を参照しながら本発明の色素増感型太陽電池の第2実施形態について説明する。なお、上述した色素増感型太陽電池20に関して説明した要素と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図3は、本発明の色素増感型太陽電池の第2実施形態を示す模式断面図である。
図3に示す色素増感型太陽電池30は、図1に示した光電極10を使用し、図1に示した対極CEと同様の対極CEを使用している。そして、図1に示した色素増感型太陽電池20においてはスペーサーSにより光電極10と対極CEとの間に形成される空間に電解質Eを充填したのに対して、図2に示す色素増感型太陽電池30においては、光電極10と対極CEとの間に多孔体層PSを配置している。そして、対極CEの多孔体層PSと反対側の面には透明基板6が配置されている。
この多孔体層PSは多数の細孔を有した構造を有しており、この多孔体層PSの内部には、図1に示した色素増感型太陽電池20に使用したものと同様の電解質Eがしみ込まされることにより保持されている。
また、この電解質は半導体電極2内や、使用する構成材料(例えば、炭素等の多孔質の導電性膜)によっては対極CEにも保持されている。そして、図2に示す色素増感型太陽電池30の半導体電極2、多孔体層PS及び対極CEの側面は、電解質が、半導体電極2、多孔体層PS及び対極CEの側面から外部に漏れることを防止するためにシール材5により被覆されている。
多孔体層PSは、電解質を保持可能であり、電子伝導性を有さない多孔体であれば特に限定されない。例えば、ルチル型の酸化チタン粒子により形成した多孔体を使用してもよい。また、ルチル型の酸化チタン以外の構成材料としては、ジルコニア、アルミナ、シリカ等が挙げられる。
また、シール材5としては、例えば、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂フィルム、あるいはエポキシ系接着剤を使用することができる。対極CEの側に配置される透明基板6は光電極10の透明電極1に使用される透明基板4と同様の基板を使用することができる。
次に、図3に示す色素増感型太陽電池30の製造方法の一例について説明する。
先ず、図1に示した色素増感型太陽電池20と同様にして光電極10を作製する。次に、光電極10の半導体電極2の各層を作製する場合と同様の手順により、光電極10の半導体電極2の面F22上に多孔体層PSを形成する。例えば、ルチル型の酸化チタン等の多孔体層PSの構成材料を含む分散液(スラリー)を調製し、これを半導体電極2の面F22上に塗布し乾燥させることにより形成してもよい。
また、対極CEについても、例えば、炭素等の多孔質の導電性膜を対極CEとする場合には、例えば、カーボンペーストを調製し、これを多孔体層PSの面上に塗布し乾燥させることにより形成してもよい。そして、公知の方法により、対極CEの多孔体層PSの側と反対の側の面上に透明基板6を形成し、半導体電極2、多孔体層PS及び対極CEの側面をシール材5で被覆して色素増感型太陽電池30を完成する。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明について更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
以下に示す手順により、図1に示した光電極10と同様の構成を有する光電極を作製し、更に、この光電極を用いた以外は図3に示す色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する5×20mmのスケールの色素増感型太陽電池を作製した。
まず透明基板としてのガラス基板(厚さ:約1mm,26mm×50mm)上に、スプレー熱分解性膜法(Spray Pyrolysis deposition)を用いて、ITO膜及びFTO膜を順次成膜し、積層透明導電膜を形成した。なお、ガラス基板としては、コーニング製#7059ガラス平板を用いた。
ITO膜及びFTO膜は以下のようにして作製した。
ITO膜を作製する場合は、塩化インジウム、塩化スズ及びエタノールからなるITO膜用原料を用意した。ITO膜用原料は、インジウムとスズとがモル比で95:5となるようにし、エタノール中のインジウムとスズの合計モル数が0.1mol/Lとなるように調製した。そして、このITO膜用原料を、孔径約0.1mmのスプレーノズルを用いてガラス基板の表面上にスプレーした。このとき、ガラス基板の温度は320〜350℃に設定し、スプレーは間欠的に200回行った。このとき、噴霧時間は0.2〜0.3秒とし、噴霧間隔は約5秒とした。こうしてガラス基板上に厚さ400nmのITO膜を形成した。
FTO膜を作製する場合は、塩化スズ、フッ化アンモニウム、2M−塩酸及びエタノールからなるFTO膜用原料を用意した。FTO膜用原料は、フッ素原子とスズ原子とがモル比で1:2となるようにし、2M−塩酸とエタノールとが体積比で、2M−塩酸:エタノール=5:95となるようにし、エタノール及び2M−塩酸の混合溶媒中のスズのモル数が0.1mol/Lとなるように調製した。そして、このFTO膜用原料を、孔径約0.1mmのスプレーノズルを用いてITO膜の表面上にスプレーした。このとき、スプレーは間欠的に10回行った。ガラス基板の温度、噴霧時間および噴霧間隔はITO膜を形成する場合と同様とした。こうしてITO膜上に厚さ30nmのFTO膜を形成した。
一方、TiO2粒子(アナタース、テイカ社製、商品名;「AMT−600」、平均粒
径;30nm、イオン化ポテンシャルの大きさ;約4.1eV)にアセチルアセトン、イオン交換水、界面活性剤(東京化成社製、商品名;「Triton−X」)を加え、混練して半導体電極形成用のスラリーを調製した。
そして、上記ガラス基板の面上に形成した積層透明導電膜のFTO膜上の一部分に、上述のスラリーをスクリーン印刷法によって塗布し、次いで乾燥させた。その後、大気中、450℃の条件のもとで60分間焼成した。
こうして、透明ガラス基板上に積層透明導電膜が形成された透明電極1について、積層透明導電膜のイオン化ポテンシャルを、光電子分光装置を用い、測定した。結果を表1に示す。
Figure 2005302695
また、透明電極1について、焼成前後の抵抗率及び焼成前後の光透過率を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2005302695
そして、上記と同じようにして透明電極1のFTO膜上に、図1に示す半導体電極2と同様の構成の半導体電極(受光面の面積;1.0cm2、層厚;15μm、層厚;5μm)を形成し、増感色素を含有していない光電極を作製した。
その後、半導体電極の裏面に色素を以下のようにして吸着させた。先ず、増感色素としてルテニウム錯体[cis-Di(thiocyanato)-N,N'-bis(2,2'-bipyridyl-4,4'dicarboxylic acid)-ruthenium(II)]を用い、これのエタノール溶液(増感色素の濃度;3×10−4mol/L)を調製した。次に、この溶液に半導体電極を浸漬し、80℃の温度条件のもとで4日間放置した。その後、余分な色素を取り除くために、半導体電極2を溶液から取り出してアセトニトリルにより軽くリンスした。これにより、半導体電極2の内部に増感色素を約1.0×10−7mol/cm2吸着させた。
次に、半導体電極の裏面上に、シール材としての樹脂(エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂、例えばデュポン製サーリン)を用いて、環状の枠を形成した。
そして、電解質Eとして、ヨウ素、ヨウ化リチウム、イミダゾリウム塩を含み、γ−ブチロラクトンを溶媒とするヨウ素系レドックス溶液を調製し、このヨウ素系レドックス溶液を、環状の枠内に充填した。
次に、上記の光電極と同様の形状と大きさを有する対極として、電子ビーム蒸着法によりPtが蒸着された透明導電性ガラス電極(Pt薄膜の厚さ;3nm)を作製し、このPtが蒸着された透明導電性ガラス電極で環状枠の開口を塞ぐように取り付けた。こうして色素増感型太陽電池を完成させた。
こうして得られた色素増感型太陽電池について、暗所下においてI−V測定装置(ワコム電創製型式IV−9701)のようにしてリーク開始電圧を測定した。ここで、リーク開始電圧は、暗所下I−V特性評価時においてリーク電流が0.1mA/cmとなる電圧値を言うものとする。結果を表3に示す。なお、表3では、リーク開始電圧を示したが、リーク開始電圧は、上記のように定義されていることから、リーク電流の目安となる。具体的には、リーク開始電圧が大きいほど、リーク電流が小さく、リーク開始電圧が小さいほど、リーク電流が大きいことを意味する。さらに、暗所下のリーク電流は発電時のリーク電流の目安となる。具体的には暗所下のリーク電流が大きいほど発電時のリーク電流も大きい。これらのことから、リーク開始電圧が大きいほどリーク電流が小さく、リーク開始電圧が小さいほどリーク電流が大きいことを意味する。
Figure 2005302695
表1〜3の結果より、本実施例の色素増感型太陽電池によれば、抵抗率を十分に小さくしながら、暗所下でのリーク開始電圧を十分に大きくできること、つまり、リーク電流を十分に小さくできることが確認された。
(実施例2)
FTO膜形成用原料の噴霧回数を20回とした以外は実施例1と同様にして透明電極を測定した。そして、得られた透明電極について、実施例1と同様にして積層透明導電膜のイオン化ポテンシャルを測定した。結果を表1に示す。また、透明電極について、実施例1と同様にして、焼成前後の抵抗率及び焼成前後の光透過率を測定した。結果を表2に示す。
そして、上記透明電極を用い、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。こうして得られた色素増感型太陽電池について、実施例1と同様にして暗所下におけるリーク開始電圧を測定した。結果を表3に示す。
表1〜3の結果より、本実施例の色素増感型太陽電池によれば、抵抗率を十分に小さくしながら、暗所下でのリーク開始電圧を十分に大きくできること、つまり、リーク電流を十分に小さくできることが確認された。
(実施例3)
FTO膜形成用原料の噴霧回数を33回とすることにより厚さ100nmのFTO膜を形成したこと以外は実施例1と同様にして透明電極を測定した。そして、得られた透明電極について、実施例1と同様にして積層透明導電膜のイオン化ポテンシャルを測定した。結果を表1に示す。また、透明電極について、実施例1と同様にして、焼成前後の抵抗率及び焼成前後の光透過率を測定した。結果を表2に示す。
そして、上記透明電極を用い、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。こうして得られた色素増感型太陽電池について、実施例1と同様にして暗所下におけるリーク開始電圧を測定した。結果を表3に示す。
表1〜3の結果より、本実施例の色素増感型太陽電池によれば、抵抗率を十分に小さくしながら、暗所下でのリーク開始電圧を十分に大きくできること、つまり、リーク電流を十分に小さくできることが確認された。
(比較例1)
FTO膜を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして透明電極を測定した。そして、得られた透明電極について、実施例1と同様にして透明導電膜のイオン化ポテンシャルを測定した。結果を表1に示す。また、透明電極について、実施例1と同様にして、焼成前後の抵抗率及び焼成前後の光透過率を測定した。結果を表2に示す。
そして、上記透明電極を用い、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。
なお、本比較例の色素増感型太陽電池については、透明電極における抵抗率が大きく、色素増感型太陽電池の透明電極として適さないことから、リーク開始電圧を測定しなかった。
表1及び2の結果より、本比較例における透明電極について抵抗率が高いことから、これを用いた光電極において、本発明の目的である、抵抗率を十分に小さくしながら、リーク電流を十分に小さくすることを達成できないことが分かった。
(比較例2)
ITO膜を形成せず、FTO膜の噴霧回数を200回とすることにより厚さ400nmのFTO膜を形成したこと以外は実施例1と同様にして透明電極を測定した。そして、得られた透明電極について、実施例1と同様にして透明導電膜のイオン化ポテンシャルを測定した。結果を表1に示す。また、透明電極について、実施例1と同様にして、焼成前後の抵抗率及び焼成前後の光透過率を測定した。結果を表2に示す。
そして、上記透明電極を用い、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。
なお、本比較例の色素増感型太陽電池については、透明電極における抵抗率がかなり大きく、色素増感型太陽電池の透明電極として適さないことから、リーク開始電圧を測定しなかった。
表1及び2の結果より、本比較例における透明電極について抵抗率がかなり高いことから、これを用いた光電極によれば、本発明の目的である、抵抗率を十分に小さくしながら、リーク電流を十分に小さくすることを達成できないことが分かった。
(比較例3)
FTO膜形成用原料の噴霧回数を5回とすることにより厚さ15nmのFTO膜を形成したこと以外は実施例1と同様にして透明電極を測定した。そして、得られた透明電極について、実施例1と同様にして積層透明導電膜のイオン化ポテンシャルを測定した。結果を表1に示す。また、透明電極について、実施例1と同様にして、焼成前後の抵抗率及び焼成前後の光透過率を測定した。結果を表2に示す。
そして、上記透明電極を用い、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。
なお、本比較例の色素増感型太陽電池については、透明電極における抵抗率が大きく、色素増感型太陽電池の透明電極として適さないことから、リーク開始電圧を測定しなかった。
表1及び2の結果より、本比較例における透明電極について抵抗率が高いことから、これを用いた光電極によれば、本発明の目的である、抵抗率を十分に小さくしながら、リーク電流を十分に小さくすることを達成できないことが分かった。
(比較例4)
透明電極1として、日本板硝子社製FTO膜付きガラス平板を用いたこと以外は実施例1と同様にして透明導電膜のイオン化ポテンシャルを測定した。結果を表1に示す。また、透明電極について、実施例1と同様にして、焼成前後の抵抗率及び焼成前後の光透過率を測定した。結果を表2に示す。
そして、上記透明電極を用い、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。
なお、本比較例の色素増感型太陽電池については、透明電極における抵抗率がかなり大きく、色素増感型太陽電池の透明電極として適さないことから、リーク開始電圧を測定しなかった。
表1及び2の結果より、本比較例における透明電極について抵抗率がかなり高いことから、これを用いた光電極によれば、本発明の目的である、抵抗率を十分に小さくしながら、リーク電流を十分に小さくすることを達成できないことが分かった。
(実施例4)
実施例2で得られた透明電極1に対し、水素ガスと窒素ガスとの混合ガス(水素ガス0.2%)雰囲気中で600℃、60分の還元処理を施し、透明電極を得た。そして、得られた透明電極について、実施例1と同様にして積層透明導電膜のイオン化ポテンシャルを測定した。結果を表1に示す。また、透明電極について、実施例1と同様にして、焼成前後の抵抗率及び焼成前後の光透過率を測定した。結果を表2に示す。
そして、上記透明電極を用い、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。こうして得られた色素増感型太陽電池について、実施例1と同様にして暗所下におけるリーク開始電圧を測定した。結果を表3に示す。
表1〜3の結果より、本実施例の色素増感型太陽電池によれば、抵抗率を十分に小さくしながら、暗所下でのリーク開始電圧を十分に大きくできること、つまり、リーク電流を十分に小さくできることが確認された。
(実施例5)
実施例3で得られた透明電極1に対し、水素ガスと窒素ガスとの混合ガス(水素ガス0.2%)雰囲気中で600℃、60分の還元処理を施し、透明電極を得た。そして、得られた透明電極について、実施例1と同様にして積層透明導電膜のイオン化ポテンシャルを測定した。結果を表1に示す。また、透明電極について、実施例1と同様にして、焼成前後の抵抗率及び焼成前後の光透過率を測定した。結果を表2に示す。
そして、上記透明電極を用い、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。こうして得られた色素増感型太陽電池について、実施例1と同様にして暗所下におけるリーク開始電圧を測定した。結果を表3に示す。
表1〜3の結果より、本実施例の色素増感型太陽電池によれば、抵抗率を十分に小さくしながら、暗所下でのリーク開始電圧を十分に大きくできること、つまり、リーク電流を十分に小さくできることが確認された。
(比較例5)
FTO膜を形成しなかったこと以外は実施例4と同様にして透明電極を測定した。そして、得られた透明電極について、実施例1と同様にして透明導電膜のイオン化ポテンシャルを測定した。結果を表1に示す。また、透明電極について、実施例1と同様にして、焼成前後の抵抗率及び焼成前後の光透過率を測定した。結果を表2に示す。
そして、上記透明電極を用い、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。こうして得られた色素増感型太陽電池について、実施例1と同様にして暗所下におけるリーク開始電圧を測定した。結果を表3に示す。
表1〜3の結果より、本比較例の色素増感型太陽電池によれば、暗所下でのリーク開始電圧が小さくなることから、抵抗率を十分に小さくしながら、リーク電流を十分に小さくできるという本発明の目的を達成できないことが確認された。
(比較例6)
比較例3で得られた透明電極に対し、実施例4と同様にして還元処理を行い、透明電極を測定した。そして、得られた透明電極について、実施例1と同様にして透明導電膜のイオン化ポテンシャルを測定した。結果を表1に示す。また、透明電極について、実施例1と同様にして、焼成前後の抵抗率及び焼成前後の光透過率を測定した。結果を表2に示す。
そして、上記透明電極を用い、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。こうして得られた色素増感型太陽電池について、実施例1と同様にして暗所下におけるリーク開始電圧を測定した。結果を表3に示す。
表1〜3の結果より、本比較例の色素増感型太陽電池によれば、暗所下でのリーク開始電圧が小さくなることから、抵抗率を十分に小さくしながら、リーク電流を十分に小さくできるという本発明の目的を達成できないことが確認された。
(比較例7)
実施例1で得られた透明電極に対し、実施例4と同様にして還元処理を行い、透明電極を測定した。そして、得られた透明電極について、実施例1と同様にして透明導電膜のイオン化ポテンシャルを測定した。結果を表1に示す。また、透明電極について、実施例1と同様にして、焼成前後の抵抗率及び焼成前後の光透過率を測定した。結果を表2に示す。
そして、上記透明電極を用い、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。こうして得られた色素増感型太陽電池について、実施例1と同様にして暗所下におけるリーク開始電圧を測定した。結果を表3に示す。
表1〜3の結果より、本比較例の色素増感型太陽電池によれば、暗所下でのリーク開始電圧が小さくなることから、抵抗率を十分に小さくしながらリーク電流を十分に小さくできるという本発明の目的を達成できないことが確認された。
以上の実施例1〜5及び比較例1〜7の結果より、本発明の色素増感型太陽電池によれば、抵抗率を十分に小さくしながらリーク電流を十分に小さくできることが分かった。
本発明の色素増感型太陽電池の一実施形態を示す模式断面図である。 図1の色素増感型太陽電池に含まれる光電極を製造する一連の工程図である。 本発明の色素増感型太陽電池の他の実施形態を示す模式断面図である。
符号の説明
1…透明電極、2…半導体電極、3…透明導電膜、4…透明基板、5…シール材、6…透明基板、10…光電極,20,30…色素増感型太陽電池、CE…対極、E…電解質、F2…受光面。

Claims (3)

  1. 受光面を有する半導体電極と、
    前記受光面上に隣接して配置され、フッ素ドープ酸化スズを含む第1透明導電膜と、
    第1透明導電膜上に隣接して配置され、スズドープ酸化インジウムを含む第2透明導電膜と、
    前記第2透明導電膜上に隣接して配置された透明基板とを有する光電極であって、
    前記半導体電極が酸化物半導体粒子と増感色素とを含んでおり、
    前記第2透明導電膜の厚さが30nm以上であり、
    前記第1及び第2透明導電膜で構成される透明導電膜のイオン化ポテンシャルが、前記酸化物半導体粒子のイオン化ポテンシャル以上であり且つ4.8eV以下である、
    ことを特徴とする光電極。
  2. 前記第1透明導電膜におけるスズドープ酸化インジウムの平均粒径が50〜200nmであることを特徴とする請求項1に記載の光電極。
  3. 光電極と、対極とを有し、前記光電極と前記対極とが電解質を介して対向配置された色素増感型太陽電池であって、
    前記光電極が、請求項1又は2に記載の光電極であることを特徴とする色素増感型太陽電池。
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