JP2005300936A - 液晶表示装置 - Google Patents

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三嘉 宮井
Michio Izumi
倫生 泉
Jun Yamada
潤 山田
Masakazu Okada
真和 岡田
Keiichi Furukawa
慶一 古川
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Abstract

【課題】 良好な黒表示を達成することのできるコレステリック液晶を表示媒体とした反射型の液晶表示装置を得る。
【解決手段】 円偏光素子11(直線偏光板12及び位相差板13)と散乱層14と液晶表示素子15とを積層した液晶表示装置。液晶表示素子15は基板51,52の間にカイラルネマチック液晶層を保持したもので、基板51,52の対向面には電極53,54及び配向膜55,56が設けられている。液晶は電極53,54から印加される電圧に応じてプレーナ配列とフォーカルコニック配列に変化する。配向膜56はラビング処理されており、そのラビング方向は直線偏光板12の吸収軸と直交し、かつ、電極54の長手方向と平行である。
【選択図】 図5

Description

本発明は、液晶表示装置、特に、表示媒体としてコレステリック液晶を用いた反射型の液晶表示装置に関する。
近年、携帯電話やモバイルパーソナルコンピュータなどの表示デバイスとして反射型の液晶表示装置を応用する研究、開発が急速に進んでいる。反射型の液晶表示装置は、環境光(外部からの光)を反射することにより表示を行うため、低消費電力、薄型、軽量等の利点を有している。
現在、実用化されている一般的な反射型液晶表示装置は、ネマチック液晶を用いており、TN(ツイスティッドネマチック)モード、STN(スーパーツイスティッドネマチック)モードで駆動されるものが代表的である。しかし、これらのネマチック液晶はメモリ性がないため、表示期間中は常に電力を消費してしまう(バックライトを用いる透過型の液晶表示装置よりも省電力ではあるが)という問題点を有している。
ところで、近年では、さらなる省電力化が期待できるメモリ性を有する反射型の液晶表示装置の開発が盛んになってきている。その代表例は、コレステリック液晶を用いた液晶表示装置である。コレステリック液晶は、電圧の印加に応じてプレーナ配列とフォーカルコニック配列に変化して双安定状態で存在し(メモリ性)、かつ、次のような特性を有している。
(1)プレーナ配列において液晶自体が入射光のうち特定波長の光を選択的に反射する。フォーカルコニック配列では入射光を実質的に反射しない。
(2)フォーカルコニック配列において液晶は屈折率異方性が大きく、プレーナ配列では屈折率異方性が小さい。
前記(1)の選択反射特性を利用した表示装置に関しては非特許文献1に開示されている。この液晶表示装置は、RGBの各色を選択反射する三つのコレステリック液晶層を積層することにより、黒を背景とした良好な白表示が得られる。しかし、3層の液晶層からなるために厚く、重たくなり、コストも高くなる。
一方、前記(2)の屈折率異方性の特性を利用した表示装置に関しては、特許文献1,2に開示されている。これらの装置は、コレステリック液晶層を円偏光板と反射板とで挟持した構成を備え、フォーカルコニック配列では白表示、プレーナ配列では黒表示を行う。これらの表示装置は、1層のコレステリック液晶層で白表示が可能なため、選択反射特性を利用した表示装置に比べて薄型、軽量かつ安価である。
しかし、液晶の屈折率異方性を利用した動作モードによる従来の表示装置では、プレーナ配列で液晶のヘリカル軸が揃いにくく、良好な黒表示が得られないという問題点を有している。その改善策として、特許文献2では、配向膜のアンカリング強度の最適化が提案されているが、それでも充分な黒色レベルに到達することは困難である。
SID International Symposium Digest of Technical Paper Volume 29 1998年 第897ページ 米国特許第6462805号明細書 特開2003−149682号公報
そこで、本発明の目的は、良好な黒表示を達成することのできるコレステリック液晶を表示媒体とした反射型の液晶表示装置を提供することにある。
以上の目的を達成するため、本発明は、偏光素子と、電圧の印加に応じてプレーナ配列とフォーカルコニック配列に変化するコレステリック液晶層と、反射板とを積層してなる反射型の液晶表示装置において、前記コレステリック液晶層に面する少なくとも一方の配向膜がラビング処理されていることを特徴とする。
本発明に係る液晶表示装置によれば、コレステリック液晶がプレーナ配列のときに液晶の屈折率異方性が小さくなって黒表示となる。そして、少なくとも一方の配向膜にラビング処理が施されているため、プレーナ配列時におけるコレステリック液晶のヘリカル軸が配向膜面(即ち、観察面)に対して垂直に近づき、黒表示レベルが向上する。
通常、配向膜は液晶層を挟む両面に設けられるが、一方の配向膜のみにラビング処理を施し、他方の配向膜にはラビング処理が施されていないか、施しても僅かな密度のラビング処理であること(即ち、実質的にラビング処理が施されていないこと)が好ましい。両面の配向膜にラビング処理を施した場合、プレーナ配列時の黒表示は改善されるが、フォーカルコニック配列時の安定性が損なわれて白表示が劣化するおそれがあることによる。
ラビング処理は、観察面側の配向膜又は反射板側の配向膜のいずれに施しても黒表示レベルの改善が達成される。白表示で比較すると、観察面側から遠い側(つまり、反射板側)に位置している配向膜にラビング処理を施したほうが、反射率が高くなり優れている。
一方、偏光素子を構成する直線偏光板の吸収軸とラビング処理のラビング方向とを直交させることにより、黒表示レベルがさらに向上する。また、ラビング処理のラビング方向をコレステリック液晶層に設けた電極の長手方向と平行に設定することによっても、黒表示レベルがさらに良好なものとなる。
配向膜としては水平配向膜が適している。水平配向膜は、プレーナ配列及びフォーカルコニック配列での安定性に優れ、かつ、プレーナ配列時のヘリカル軸が観察面に対して垂直に近くなるので、黒表示レベルが良好になる。水平配向膜においてラビング処理のプレチルト角が5°以下であれば、より良好な黒表示が得られる。
ところで、ラビング処理のラビング密度は5以上であることが、黒表示レベルを改善する目的を達成するうえで好ましい。
以下、本発明に係る反射型の液晶表示装置の実施例について、添付図面を参照して説明する。
(カイラルネマチック液晶の光学異方性、図1参照)
室温でコレステリック液晶相を示すネマチック液晶として、その代表的なものは、ネマチック液晶にコレステリック液晶相を示すに十分な量のカイラル材を添加することによって得られるカイラルネマチック液晶である。
カイラル材は、ネマチック液晶に添加された場合にネマチック液晶の分子を捩る作用を有する添加剤である。カイラル材をネマチック液晶に添加することにより、所定の捩れ間隔を有する液晶分子の螺旋構造が生じ、これにより、液晶組成物がコレステリック液晶相を示す。
この種のカイラルネマチック液晶は、それを挟持する基板間において複数のドメインで存在する。図1において、ドメインDにおけるヘリカル軸Sの向きは一様である。カイラルネマチック液晶のドメインDは、光学異方性を示す屈折率楕円体物質とみなすことができる。
図1(B)に示すプレーナ配列の場合、即ち、ヘリカル軸Sが基板に対して垂直方向を向いている場合、基板面内の屈折率は等方となる。図1(C)に示すフォーカルコニック配列の場合、即ち、ヘリカル軸Sが基板に対して平行方向を向いている場合、基板面内の屈折率は非等方となる。要するに、プレーナ配列とフォーカルコニック配列の変化に応じて屈折率が変化することになる。
ドメインDにプレーナ配列のとき選択反射されない偏光光が入射すると、屈折率が等方の場合(プレーナ配列)、入射光はそのままドメインDを透過する。屈折率が非等方の場合(フォーカルコニック配列)、入射光は複屈折効果により偏光状態が変化する。このような現象を利用して、白黒の表示を行う。
(基本構成及び表示原理、図2〜図4参照)
本発明に係る液晶表示装置1は、図2に示すように、観察面から、吸収軸12aを有する直線偏光板12と遅相軸13aを有する1/4λ位相差板13とからなる円偏光素子11と、液晶表示素子15と、反射板16とを積層したものである。
液晶表示素子15は、それぞれ対向面に電極を形成した一対の基板間にカイラルネマチック液晶を保持したものである。カイラルネマチック液晶は、フォーカルコニック配列時にΔnd=(1/4)λの条件を満たすように調製されている。Δndは一般的にリタデーション(位相差)と呼ばれている値(単位はnm)であり、Δnは液晶の屈折率異方性、dは基板間ギャップである。反射板16は液晶層を透過した光を反射するものであり、アルミニウムや銀などからなる。
円偏光素子11(直線偏光板12及び位相差板13)に入射した光はその50%が円偏光素子11に吸収され、残り50%の光が円偏光状態(右/左いずれか一方の円偏光状態)で透過する(図3及び図4の(1),(2)参照)。
このような円偏光がカイラルネマチック液晶に入射すると、ドメインがプレーナ配列の場合、円偏光は偏光状態が変化することなく液晶層を透過する(図3の(3),(4)参照)。透過した円偏光は反射板16で反射される。このとき、円偏光の光の進行方向が逆転するため、逆回りの円偏光となる(図3の(5)参照)。
反射された光はそのまま液晶層を透過し(図3の(6)参照)、円偏光素子11に再入射する。この再入射光は逆回りの円偏光となっているため、円偏光素子11に吸収され(図3の(7),(8)参照)、黒表示として観察される。
一方、ドメインがフォーカルコニック配列の場合、円偏光素子11を透過した円偏光は、複屈折効果によって1/4λのリタデーション(位相差)の影響を受けて直線偏光となって液晶層を透過する(図4の(3),(4)参照)。透過した直線偏光は反射板16で反射され、液晶層でさらに1/4λのリタデーションの影響を受けて元の円偏光となる(図4の(5),(6)参照)。この円偏光はそのまま円偏光素子11を透過し(図4の(7),(8)参照)、白表示として観察される。
なお、図3、図4において、(1)は素子に入射する前、(2)は直線偏光板通過後、(3)は位相差板通過後、(4)は液晶層通過後、(5)は反射板による反射後、(6)は液晶層再通過後、(7)は位相差板再通過後、(8)は直線偏光板再通過後、のそれぞれの光の状態を模式的に示している。
(液晶表示装置の一例、図5参照)
本発明に係る液晶表示装置1は、図5に示すように、観察面側から、円偏光素子11(直線偏光板12及び位相差板13)と、散乱層14と、液晶表示素子15とを積層したものである。
液晶表示素子15は、基板51,52の間にカイラルネマチック液晶を保持したもので、表面側(観察面側)の基板51は透過率の高い透明材料からなり、裏面側の基板52は透明であっても不透明であってもよい。基板51,52としては、ガラス製の薄板やポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂フィルムが用いられ、それぞれの対向面に電極53,54及び配向膜55,56が設けられている。
配向膜55,56は、液晶がプレーナ配列及びフォーカルコニック配列に切り換わった際の安定性向上のために設けられる。特に、この液晶表示素子15においては観察面側から遠い側に位置している配向膜56にラビング処理が施されている。このようなラビング処理については後に詳述する。なお、ラビング処理を施さない配向膜55には絶縁性薄膜を設けてもよく、配向膜56にあってもラビング効果を損なわない程度の絶縁性薄膜を設けてもよい。
電極53はITOやIZOなどからなる透明電極である。電極54は透明又は不透明のいずれであってもよいが、少なくともその表面が金属材料からなり、反射板として機能するように形成されている。詳しくは、電極54が透明電極であれば、その表面にアルミニウムや銀をコーティングして反射板としての機能を付与する。また、電極54自体をアルミニウムや銀にて形成し、反射板を兼用させてもよい。
なお、観察側から遠い方の基板52を透明とし、基板52の後方に反射板を配置することも可能ではある。但し、この場合は、反射板と液晶層とを近づけるために基板52をできるだけ薄くする必要がある。
反射板としては、いずれにしても、実質的に偏光を解消しないものを用いるようにする。典型的には、前述したように銀やアルミニウムなどの金属層を有するものを使用することが好ましい。
電極53,54はそれぞれ図示しない走査駆動IC及び信号駆動ICに接続されており、電極53,54にそれぞれ所定のパルス電圧が印加される。この印加電圧に応じてカイラルネマチック液晶がプレーナ配列又はフォーカルコニック配列に変化し、表示状態が切り換えられる。また、この液晶はいずれの配列状態であっても電圧の印加を停止した後もその配列状態を維持し、双安定性(メモリ性)を有している。
電極53,54は、それぞれ微細な間隔を保って平行に並べられた複数の帯状電極であり、その帯状電極の並ぶ向きが観察面側から見て互いに直角方向となるように対向させてある。これら上下の帯状電極に順次パルス状の電圧が印加される。これをマトリクス駆動と称し、電極53,54が交差する部分が表示における各画素を構成することになる。
液晶としては、室温でコレステリック液晶相を示すものが好ましく、特に、ネマチック液晶にコレステリック液晶相を示すのに十分な量のカイラル材を添加することによって得られるカイラルネマチック液晶が好適である。螺旋ピッチは長すぎると双安定性が確保できなくなるため、双安定性に優れた1000nm以下であることが好ましい。
ネマチック液晶としては、ビフェニル系、フェニルシクロヘキシル系、ターフェニル系、トラン系、ピリミジン系、スチルベン系等の従来公知のネマチック液晶を用いることができる。カイラル材としては、コレステロール環などの光学活性基を含む、エステル化合物、ピリミジン化合物、アゾキシ化合物、トラン化合物等の従来公知の各種のカイラル材を用いることができる。
また、液晶層はフォーカルコニック配列時に発生する前記リタデーション(Δnd)が光の波長λの1/4になるように調整されていることが望ましい。円偏光素子が理想的な完全なものであると仮定した場合、液晶表示装置のフォーカルコニック配列における反射率Rは次式により計算できる。
R=(1/2){sin2(2πΔnd/λ)}
Δn:フォーカルコニック配列時の屈折率異方性
d:液晶層の厚み
良好な白黒表示を実現するには、前記式で反射率Rのピーク値が可視光領域(λ=400〜700nm)になるようなリタデーションが望ましい。即ち、Δndがλ=400〜700nmの1/4の値である100〜175nmであることが望ましい。特に良好な白表示(可視光域でフラットな分光反射特性)を得るためには、フォーカルコニック配列時にΔndが135±10nmであることが望ましい。
液晶表示素子15を設計する際に、カイラルネマチック液晶のΔndは135±10nmよりも若干大きくしておくほうがよい。フォーカルコニック配列時のヘリカル軸が完全な0°(基板に対して平行)ではないからである。そのため、液晶表示素子15のΔndは、フォーカルコニック配列時のヘリカル軸が0°でないために減少するリタデーション(位相差)を補うように、大きめに設定しておくのが好ましい。
ところで、良好な黒表示を得るためには、プレーナ配列時のヘリカル軸が基板に対して90°(リタデーションΔnd=0nm)であることが望ましい。しかし、実際上のプレーナ配列は完全な90°ではなく、若干の傾きを生じており、液晶層の厚みdによっても傾き具合が異なる。本発明者らの実験では、液晶層の厚みdが薄くなるに伴ってプレーナ配列時のヘリカル軸の傾きは小さくなる(基板に対して90°に近くなる)傾向を確認している。即ち、液晶層の厚みdが小さくなるほど良好な黒表示が得られる。
但し、液晶層の厚みdが小さくなると素子15の製作が困難になる。従って、液晶層の厚みdは、表示特性及び製作の容易性から好ましくは3.0〜4.5μm、より好ましくは3.0〜4.0μm、さらに好ましくは3.0〜3.5μmである。
さらに、液晶中には基板51,52間のギャップを保持するために無機材からなるスペーサ及び/又は有機材からなる柱状構造物(図示せず)が配置されている。但し、このような構造に限らず、従来知られている高分子の3次元網目構造のなかに液晶が分散された、あるいは、液晶中に高分子の3次元網目構造が形成された、いわゆる高分子分散型の液晶複合膜として液晶層を構成することも可能である。
散乱層14は透明基材中に屈折率の異なる微粒子を分散させたものであり、フィルム状であってよく、あるいは粘着材として構成されていてもよい。透明基材としては、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。微粒子としては、アクリル樹脂、シリカなどの球形微粒子などを用いることができる。また、基板の表面を研磨し、微小な凹凸を形成することで散乱機能を持たせることも可能である。ヘーズ値は10〜85%程度が好ましい。
散乱層14は、そこを透過する入射光及び反射光を適度に散乱させ、反射板として機能する電極54の指向性を緩和し、かつ、偏光を解消することもないのでコントラストを大きく低下させることがない。液晶がフォーカルコニック配列の場合、電極54からの反射光は液晶層を透過して円偏光となるが、その反射光(円偏光)の指向性が緩和され、良好な白表示(ペーパーホワイト)として観察される。
円偏光素子11は、直線偏光板12と位相差板13とを組み合わせたものである。直線偏光板としては従来公知のものを、また、位相差板としても従来公知の1/4λ位相差板を用いることができる。円偏光素子11は、これら直線偏光板と位相差板をそれぞれの光学軸のなす角度が45°あるいは135°になるように貼り合わせることで製作できる。
但し、この構成では現実には完全な円偏光素子にはならず、可視光におけるある特定波長の光についてのみ完全な円偏光素子となり、他の波長の可視光については楕円偏光素子となる。理想的な円偏光素子に近づけるには、複数の位相差板を積層することが必要となる。しかし、位相差板の枚数が多くなるとコストの点で不利であり、位相差板の積層数は多くても3枚程度にすることが好ましい。典型的には1枚の位相差板を用い、実用上十分な表示特性を得ると共にコストを最小化するとよい。
円偏光素子は、右円偏光素子(透過した光が右円偏光)と左円偏光素子(透過した光が左円偏光)とが存在し、本発明の好適な実施形態において良好な白黒表示を行う場合は、液晶層で選択反射されない方向の円偏光を透過させる円偏光素子であることが好ましい。
なお、プレーナ配列での選択反射をも利用して白及び他色による表示(例えば、白・青表示)を行う場合は、液晶層で選択反射される方向の円偏光を透過させる円偏光素子を用いればよい。
前記液晶表示装置1の駆動は、例えば、リセット期間、選択期間、維持期間からなる3ステージに分けて電極53,54からパルス電圧を印加する方法を採用することができる。
(配向膜に対するラビング処理、図6及び図7参照)
前述の如く、液晶がプレーナ配列のとき、液晶の屈折率異方性は小さくなり、黒表示となる。良好な黒表示を得るには、プレーナ配列時の屈折率異方性をなるべく小さくすればよい。プレーナ配列時における液晶のヘリカル軸が、基板面に対して垂直に近いほど、屈折率異方性は小さくなる。配向膜55及び/又は配向膜56にラビング処理を施すと、プレーナ配列時におけるヘリカル軸は、基板面に対して垂直に近づき、黒表示レベルが改善される。
このようなラビング処理は配向膜55,56のいずれか一方にのみラビング密度5以上のラビング処理を施すことが好ましい。配向膜55,56の両方にラビング処理を施すと、フォーカルコニック配列での安定性が損なわれてしまう。即ち、黒表示レベルは改善されるが、白表示レベルが劣化することになる。従って、いずれか一方の配向膜に対してはラビング処理を施し、他方の配向膜にはラビング処理を施さないか、ラビング密度5以下の処理を行うことが好ましい。
ラビング処理の方向(図6に示すラビング方向56a参照)に関しては、前記直線偏光板12の吸収軸12aとの角度を最適化すれば、さらに黒表示レベルを改善することができる。
ラビング処理を施すと、液晶のヘリカル軸は基板面に対して垂直に近くなり、かつ、微弱な傾きを持つようになる。そのため、直線偏光板12の吸収軸12aの設定方向に起因して、黒レベルが変化することになる。吸収軸12aとラビング方向56aとが直交する配置関係の場合、黒表示レベルが最も良好になる。
また、ラビング方向56aは電極54の長手方向と平行であることが望ましい。このような配置の場合、ラビング方向56aが電極54の長手方向と直交する場合と比較すると、ヘリカル軸の均一性に優れ、良好な黒表示が得られる。
ラビング処理は観察面側の配向膜55又は反射面側の配向膜56のいずれに施しても黒レベルの改善に効果的である。一方、白表示で比較すると、反射面側の配向膜56にラビング処理を施したほうが、反射率が高くなるので優れている。反射面と液晶層との間の配向膜56がラビングされていると、配向膜56との界面付近の液晶分子はラビング方向56aに沿って均一に配列するため、散乱がほとんど生じない。液晶層を透過した光は反射面で反射され、そのほとんどは、再度、同じ位置の液晶層を透過するため、光の利用効率が高く、明るい白表示となる。カイラルネマチック液晶は数μm程度のドメインの状態で存在しており、光が往復で異なるドメインを透過すると散乱が生じて減衰してしまう。同一のドメインを往復するのであれば、減衰はほとんど生じない。
一方、配向膜55,56の種類としては、水平配向膜が適している。水平配向膜は、プレーナ配列時及びフォーカルコニック配列時の安定性に優れ、かつ、プレーナ配列時のヘリカル軸が基板面に対して垂直に近くなり、良好な黒表示が得られる。水平配向膜のなかでも、特に、プレチルト角が5°以下の低いものが好ましく、より良好な黒表示が得られる。
ラビング処理は、図7に示すように、電極52及び配向膜56を設けた基板52をテーブル60上に固定し、ラビング布を巻き付けたラビングローラ61を矢印A方向に定速回転させつつ、テーブル60を矢印B方向に定速移動させて行われる。ラビング布は、コットンやレーヨンなど一般的に配向膜のラビング処理に用いられているものを使用することができる。
このようなラビング処理において、ラビング密度Lは以下の式によって表せられる。
L=Nd{1+2πrm/v}
N:ラビング回数
d:ラビング布の毛先押込み量
r:ラビングローラの半径
m:ラビングローラの回転速度
v:テーブルの移動速度
図5に示した液晶表示装置1を以下の材料を用いて製作した。観察面側の基板51はガラス基板とし、ITOにて電極53を形成した。裏面側の基板52もガラス基板とし、Alにて電極54を形成した。この電極54は反射板を兼ねている。ITOとAlはスパッタ法でガラス基板上に成膜し、フォトリソ法によりストライプ状の電極パターンを形成した。両基板51,52の電極形成面上にフレキソ印刷によりJSR社製水平配向膜AL3048を印刷し、配向膜55,56とした。水平配向膜AL3048での液晶のプレチルト角は3〜4°である。配向膜56には以下の条件でラビング処理を施した。ラビング方向は電極54の長手方向に平行である。
ラビング密度(L):50
ラビング布:レーヨン
ラビング回数(N):3回
押込み量(d):0.3mm
回転速度(m):600rpm
ローラ半径(r):30mm
テーブル送り速度(v):2070mm/min
液晶はネマチック液晶とカイラル材とを混合することによって室温でコレステリック液晶相を示すように調製した。その特性値は、屈折率異方性Δn=0.052、誘電率異方性Δε=13.09、ヘリカルピッチP=263nmであり、右円偏光を選択反射するように螺旋が形成されている。また、液晶層の厚さ(基板間ギャップ)は約3μmとし、ギャップ制御材として積水ファインケミカル社製のミクロパールSP−203を用いた。
散乱層14には、フィルム上の散乱層(日東電工社製フロントディフェーザ:ヘーズ値60%)を用いた。
円偏光素子11(直線偏光板12及び位相差板13)には、直線偏光板12として日東電工社製EG1425DUを、位相差板13として日東電工社製PC1軸延伸フィルムR−140を用いた。これらを透過する光が左円偏光(コレステリック液晶が選択反射しない偏光)になるように、直線偏光板の吸収軸と位相差板の遅相軸とのなす角度が45°になるように配置した。
前記ラビング処理の条件において、ラビングローラの回転速度mを0〜1210rpmの範囲で種々に変更し、ラビング密度と表示特性との関係を評価した。その結果を表1に示す。なお、この実験でラビング処理を施したのは、一方の配向膜のみである。
Figure 2005300936
表1において、○印はかなり良好な表示特性が得られた場合、△印は良好な表示特性が得られた場合、×印は満足できない表示特性であった場合を示す。表1から明らかなように、ラビング密度が5以上で良好な白/黒表示レベルが得られた。
また、一方の配向膜のラビング密度を50に設定し、他方の配向膜にもラビング処理を行った。他方の配向膜のラビング密度と表示特性との関係を評価した結果を表2に示す。
Figure 2005300936
特性評価の印は前記表1と同様である。両方の配向膜にラビング処理を行う場合、他方の配向膜のラビング密度が5以下であれば、良好な白/黒表示レベルを得ることができた。
また、一方の配向膜のみにラビング密度5以上のラビング処理を施した液晶表示装置において、直線偏光板の吸収軸とラビング方向とのなす角度αと表示特性との関係を評価した結果を表3に示す。
Figure 2005300936
表3において、○印はかなり良好な表示特性が得られた場合、◎印は非常に良好な表示特性が得られた場合を示す。表3から明らかなように、角度αが90°のとき(直交するとき)、非常に良好な黒表示が得られた。
さらに、一方の配向膜のみにラビング密度5以上のラビング処理を施した液晶表示装置において、電極の長手方向とラビング方向とのなす角度βと表示特性との関係を評価した結果を表4に示す。
Figure 2005300936
特性評価の印は前記表3と同様であり、角度βが0°のとき(平行するとき)、非常に良好な黒表示が得られた。
次に、一方の配向膜のみにラビング密度5以上のラビング処理を施した液晶表示装置において、観察面側の配向膜にラビング処理を施した場合と反射板側の配向膜にラビング処理を施した場合を比較した。その結果を表5に示す。
Figure 2005300936
特性評価の印は前記表3と同様であり、反射板側の配向膜にラビング処理を施したとき、非常に良好な白表示が得られた。
また、反射板側の配向膜のみにラビング密度5以上のラビング処理を施し、前記角度αを90°、前記角度βを0°とした組合せの液晶表示装置にあっては、黒表示及び白表示共に非常に良好であった。
(他の実施例)
なお、本発明に係る液晶表示装置は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更できる。
特に、コレステリック液晶の組成や特性値は任意であり、また、液晶の駆動には種々の方法を採用することができる。
また、液晶表示素子15で示した散乱層14は必ずしも単独の層として設ける必要はなく、透明な基板51に微粒子を分散させて散乱層14と同じ機能を付与してもよい。あるいは、基板52に設けた電極54の観察面側に微小な凹凸を形成し、反射面として機能させると共に散乱層14と同じく反射光の指向性を緩和する機能を付与してもよい。なお、散乱層を設けること、あるいはそれと同等の機能を付与することは、本発明において必ずしも必要な構成ではない。
また、液晶表示素子15に対してカラーフィルタやカラー反射板などを組み合わせると、カラーでの表示が可能である。
本発明に係る反射型の液晶表示装置に用いられる液晶の分子配列変化を模式的に示す図である。 前記液晶表示装置の基本的構成を示す斜視図である。 前記液晶表示装置の表示原理(プレーナ配列)を示す説明図である。 前記液晶表示装置の表示原理(フォーカルコニック配列)を示す説明図である。 前記液晶表示装置の具体的構成の一例を示す断面図である。 前記液晶表示装置の要部を示す斜視図である。 配向膜に対するラビング処理の説明図である。
符号の説明
1…液晶表示装置
11…円偏光素子
12…直線偏光板
13…位相差板
15…液晶表示素子
16…反射板
51,52…基板
53,54…電極
55,56…配向膜

Claims (8)

  1. 偏光素子と、電圧の印加に応じてプレーナ配列とフォーカルコニック配列に変化するコレステリック液晶層と、反射板とを積層してなる反射型の液晶表示装置において、前記コレステリック液晶層に面する少なくとも一方の配向膜がラビング処理されていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. ラビング処理された配向膜に対向する配向膜は実質的にラビング処理されていないことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. ラビング処理が施された配向膜は、観察面側から遠い側に位置していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記偏光素子を構成する直線偏光板の吸収軸とラビング処理のラビング方向とが直交していることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の液晶表示装置。
  5. ラビング処理のラビング方向が前記コレステリック液晶層に設けた電極の長手方向と平行であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の液晶表示装置。
  6. 前記配向膜は水平配向膜であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の液晶表示装置。
  7. ラビング処理のプレチルト角が5°以下であることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
  8. ラビング処理のラビング密度が5以上であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6又は請求項7に記載の液晶表示装置。
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WO2014127558A1 (zh) * 2013-02-19 2014-08-28 京东方科技集团股份有限公司 显示装置
KR101844526B1 (ko) * 2011-10-11 2018-05-15 엘지디스플레이 주식회사 반사형 액정표시장치 및 그 제어방법

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