JP2005300888A - 走査光学系ケーシングへのカバー固定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
屑の発生がなく、複雑な部品構成を必要とせず、煩雑な手間もかからない走査光学系ケーシングへのカバー固定方法を、提供する。
【解決手段】
ケーシング2にカバー5を被せる。その後に、LSU1を側壁2e(又は側壁2d)側から筒状の熱収縮フィルム6の内側に通していく。そして、夫々の側壁2b,2cから突出している両脚4,4の間に熱収縮フィルム6が位置するように両者の位置を調整する。その次に、この熱収縮フィルム6に対して熱を加える。すると、熱収縮フィルム6全体が収縮するため、図1に示すように、熱収縮フィルム6が底壁2a,側壁2b,2c及びカバー5の外周に密着する。その結果、熱収縮フィルム6によってカバー5がケーシング2に対して固定される。
【選択図】 図1
屑の発生がなく、複雑な部品構成を必要とせず、煩雑な手間もかからない走査光学系ケーシングへのカバー固定方法を、提供する。
【解決手段】
ケーシング2にカバー5を被せる。その後に、LSU1を側壁2e(又は側壁2d)側から筒状の熱収縮フィルム6の内側に通していく。そして、夫々の側壁2b,2cから突出している両脚4,4の間に熱収縮フィルム6が位置するように両者の位置を調整する。その次に、この熱収縮フィルム6に対して熱を加える。すると、熱収縮フィルム6全体が収縮するため、図1に示すように、熱収縮フィルム6が底壁2a,側壁2b,2c及びカバー5の外周に密着する。その結果、熱収縮フィルム6によってカバー5がケーシング2に対して固定される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、走査光学系を収容するケーシングにカバーを固定する方法に、関する。
周知のように、走査光学系は、通常上方が開口したケーシング内に配置され、この開口を塞ぐカバーをケーシング上に被せることによって、外部から埃が入らないように密閉されている。
このようにケーシングにカバーを被せた場合における両者の固定方法としては、ネジ止めによる固定方法(特許文献1参照),一方に係合部を形成し他方に被係合部を形成し両者を係合させた後、弾性体を用いて係合部を被係合部に押しつける固定方法(特許文献2参照),又は、接着剤を用いた接着による固定方法が提案されている。
特開2001−330791
特開2002−277795
しかしながら、ネジ止めによる固定方法では、ケーシングに対してカバーを確実に固定するためには、複数の箇所をネジ止めする作業が必要となるため、作業に手間と時間が掛かるという問題がある。さらに、ネジ止めを行うときに、ネジとネジ穴とが擦れることによってネジとネジ穴とが削れて屑が発生する虞があり、この屑がケーシング内の光学系に付着してしまうという虞もある。また、係合による固定方法では、ケーシングやカバーに係合部や被係合部を夫々形成しなければならないため、部品構造が複雑になるという問題がある。また、接着による固定方法では、十分な接着強度を得るためにはケーシングとカバーとが接する全領域に接着剤を塗布する必要があり、この接着剤の塗布,貼り付け作業及び接着剤の乾燥に手間が掛かるという問題がある。
そこで、本発明の課題は、屑の発生がなく、複雑な部品構成を必要とせず、煩雑な手間もかからない走査光学系ケーシングへのカバー固定方法を、提供することにある。
上記課題を解決するために発明された走査光学系ケーシングへのカバー固定方法は、その底面上に走査光学系が設置されているケーシング本体に対して、前記底面に直交す方向から当接することによって前記走査光学系を収容する閉空間を形成するカバーを固定する方法であって、前記ケーシング本体に前記カバーを当接させた後に、その中心軸を前記底面と平行な方向へ向けた筒状の熱収縮フィルムを、前記ケーシング及びカバーに被せ、この熱収縮フィルムを加熱することによって、前記ケーシング本体及びカバーの外面に密着するまで収縮させることを特徴としている。
このように構成されると、ケーシング及びカバーに筒状または袋状の熱収縮フィルムを被せた時には、確実にケーシング本体の下面とカバーの上面とを熱収縮フィルムが覆うことになり、この状態で熱収縮フィルムを加熱すると熱収縮フィルムが収縮し、この熱収縮フィルムによってケーシング本体とカバーとがケーシング本体の底面に直交する方向に互いに押さえつけられるため、ケーシング本体に対してカバーを固定することができるようになる。
ケーシング本体及びカバーは、両者を組み合わせたときに閉空間を形成することができればどのような形状であってもよい。例えば、ケーシング本体が上面が開口した箱形状を有するものであってカバーがこのケーシング本体の側壁の上端縁に当接する形状を有するものであってもよい。また、カバーが下面が開口した箱形状を有するものであってケーシング本体がカバーの側壁の下端縁に当接する形状を有するものであってもよい。また、ケーシング本体が上面が開口した箱形状を有するものであって、カバーが下面が開口した箱形状を有するものであって、両者の側壁同士が当接するように構成されていてもよい。
熱収縮フィルムは、筒状または袋状に形成されたフィルムから構成されるとともに、加熱されるとその全体が収縮する素材から作られていればどのような素材を採用してもよい。例えば、ポリ塩化ビニルやポリオレフィン等の素材を採用してもよい。
また、熱収縮フィルムは筒状に形成されていればどのような幅を持つものであってもよい。例えば、この熱収縮フィルムの幅は、その収縮後において、カバー上面の一部のみ、またケーシング本体の下面の一部にのみ一体に密着する広さであってもよいし、カバー上面の全面やケーシング本体の下面の全面に一体に密着する広さであってもよい。走査光をケーシング本体から外に取り出すための開口部を塞がなければ、袋状の熱収縮フィルムでも良い。
本発明の走査光学系ケーシングへのカバー固定方法によると、屑の発生がなく、複雑な部品構成を必要とせず、煩雑な手間をかけることなく、走査光学系が取り付けられたケーシングにカバーを固定することができる。
以下、図面に基づいて本発明を実施するための形態を説明する。
図1は、本発明によるカバー固定方法の第1実施形態が施されたレーザスキャニングユニット(以下、LSUという)1を示す斜視図である。
まず、このLSU1の全体構成を図1及び図2に基づいて説明する。なお、図2は、このLSU1を構成するケーシング2(ケーシング本体に相当する。)からカバー5(カバーに相当する。)を外すとともに熱収縮フィルム6(熱収縮フィルムに相当する。)を除外した状態を示す分解斜視図である。
図1に示されるように、このLSU1は、全体として扁平な略直方体形状を有している。そして、このLSU1の外殻をなす筐体は、上面が開放した扁平な有底箱型のケーシング2と、このケーシング2の開放上面を閉じる板状のカバー5とから、構成されている。
ケーシング2は、樹脂製の成型品であり、矩形板状の底壁2aと、この底壁2aの周囲に立設された矩形板状の側壁2b,2c,2d,2eとを、一体に有している。この側壁2b,2c,2d,2eは、夫々底壁2aから等しい高さに形成されている。また、側壁2bと2cとは平行に対向しており、この側壁2b,2cと垂直な方向に側壁2dと2eとが平行に対向している。
また、ケーシング2の底壁2a側における4つの角の近傍には、側壁2b,2cに対して垂直な方向に、個々の側壁2b,2cからケーシング2の外部に向けて、夫々矩形板状の脚4が突出して形成されている。なお、側壁2d,2eから脚4は突出しておらず、側壁2eには、横長に形成された矩形のスリット3が穿たれている。
そして、このケーシング2の内部には、レーザビームを走査させるための走査光学系(後述する)が内蔵されている。
カバー5は、ケーシング2の側壁2b,2c,2d,2eの上面外縁により形成される矩形面と同じ面形状に形成された矩形板状の樹脂または鉄製の板から作られている。
ケーシング2内に内蔵される走査光学系は、光源ユニット11,ポリゴンミラー12,及び走査レンズ群13(夫々、走査光学系に相当する。)を、備えている。
光源ユニット11は、レーザ光を射出する半導体レーザ及びこのレーザ光を平行光束にする光学系を備えている。ポリゴンミラー12は、扁平な正多角柱状に形成されており、その各側面は、反射面として構成されている。このポリゴンミラー12は、その中心軸回りに等角速度で回転駆動されるようになっており、光源ユニット11から射出されたレーザ光を回転しながら反射することによりレーザ光を動的に偏向する偏向器として機能する。走査レンズ群13は、走査速度補正機能(fθ機能)を有する結像光学系であり、第1プラスチックレンズ13a及び第2プラスチックレンズ13bから構成されている。この走査レンズ群13は、ポリゴンミラー12によって偏向されたレーザ光を、スリット3を通してLSU1の外部に位置する図示せぬ走査面上に、スポット光として収束する。
次に、熱収縮フィルム6について図3に基づいて説明する。なお、図3は熱収縮フィルム6によってケーシング2にカバー5を固定する前の状態を示している。
この図3に示されるように、熱収縮フィルム6は、筒状に形成された1枚のフィルムから構成されている。この熱収縮フィルム6の周方向の長さは、周方向に関して底壁2a,側壁2b,2c及びカバー5の周囲を隙間を空けて覆うことができる長さであり、その幅は、個々の側壁2b,側壁2cから突出している二つの脚4,4同士の間隔より狭い。なお、熱収縮フィルム6は、熱収縮性を有する素材から作られており、例えば、ポリ塩化ビニルやポリオレフィン等から作られている。そのため、この熱収縮フィルム6は、加熱されると、その全体が収縮する。この実施形態で必要な熱収縮は筒状の周方向だけなので、1軸性の筒状の熱収縮フィルムが適している。また、このような形態であれば、スリット3がケーシングの底壁2aに設けられていても、熱収縮フィルムの位置設定により塞ぐ事が避けられる。
次に、ケーシング2にカバー5を固定する作業を図1及び図3に基づいて説明する。
まず、ケーシング2にカバー5を被せる。その後に、LSU1を側壁2e(又は側壁2d)側から熱収縮フィルム6の内側に通していく。そして、夫々の側壁2b,2cから突出している両脚4,4の間に熱収縮フィルム6が位置するように両者の位置を調整する。その次に、この熱収縮フィルム6に対して熱を加える(例えばドライヤー等によって熱風を当てる)。すると、熱収縮フィルム6全体が収縮するため、図1に示すように、熱収縮フィルム6が底壁2a,側壁2b,2c及びカバー5の外周に密着する。その結果、熱収縮フィルム6によってカバー5がケーシング2に対して固定される。
この方法によると、固定作業にネジを用いていないため、屑が発生する虞がない。そのうえ、係合部や被係合部を作る必要がないため、部品構造を簡略化できる。また、接着剤を用いないため、素早く容易にカバー5をケーシング2に固定することができる。
また、熱収縮フィルム6に熱を加えるだけで固定作業ができるため、固定作業の無人化を容易に行うことができるようになる。例えば、ケーシング2にカバー5を被せてから熱収縮フィルム6を上述のように被せた後、これらをベルトコンベアに載せ、ドライヤーが熱風を出している部屋(熱収縮フィルム6を加熱するための領域)を自動的に通過するようにすれば、固定作業を無人化することができる。
図4は、本発明によるカバー固定方法の第2実施形態が施されたLSU10を示す斜視図である。
このLSU10の分解斜視図を図5に示す。この図5と図2とを比較して明らかなように、LSU10は、上記第1実施形態のLSU1におけるケーシング2から、脚4を取り除いた構成となっている。それ以外の構成は、LSU1と同様である。
次に、熱収縮フィルム7(熱収縮フィルムに相当する。)について図6に基づいて説明する。なお、図6は、熱収縮フィルム7によってケーシング2にカバー5を固定する前の状態を示している。
熱収縮フィルム7は、図6に示されるように、上記第1実施形態の熱収縮フィルム6と比較して、ケーシング2の側壁2b(及び側壁2c)の長辺よりも長い幅に形成されている。それ以外の構成は、熱収縮フィルム6と同様である。
次に、ケーシング2にカバー5を固定する作業を図4及び図6に基づいて説明する。説明する。
まずケーシング2にカバー5を被せる。その後に、LSU10を側壁2e側(又は側壁2d側)から熱収縮フィルム7の内側に通していく。そして、このLSU10の側壁2d側及び側壁2e側の両方から熱収縮フィルム7がはみ出すように両者を配置する。その次に、この熱収縮フィルム7に対して熱を加える。すると、熱収縮フィルム7がケーシング2の底壁2a,側壁2b,2c及びカバー5の外周に密着する。さらに熱を加えると、LSU10の側壁2d側及び側壁2e側の両方からはみ出していた熱収縮フィルム7がさらに収縮するため、熱収縮フィルム7の夫々はみ出していた部分が、夫々側壁2d,2eの外縁近傍に密着する。その結果、図4に示されるように、熱収縮フィルム7によってカバー5がケーシング2に対して固定される。なお、熱収縮フィルム7に熱を加える前の段階において、側壁2e側から熱収縮フィルム7がはみ出す長さを、熱収縮フィルム7がケーシング2の側壁2eに開けられたスリット3を塞いでしまわないように事前に求めた所定の長さにすると、熱収縮フィルム7よってスリット3が塞がれることを防ぐことができる。
また、この固定方法によると、ケーシング2の側壁2b,2c,2d,2eの上面とカバー5の下面との間に隙間があったとしても、熱収縮フィルム7がその隙間を完全に覆うため、スリット3を密閉すれば、内部の光学系が駆動することによる音が外部に漏れにくいという効果も奏する。
このような実施形態の場合、熱収縮フィルムを側壁2d側が閉じた袋状とすることもできる。袋状のフィルムをケーシングに密着させるには2軸性の材料が適している。
図7は、本発明によるカバー固定方法の第3実施形態が施されたLSU1を示す斜視図である。この図7と図4とを比較して明らかなように、この第3実施形態は、第2実施形態と比較して、熱収縮フィルム8(熱収縮フィルムに相当する。)を被せる対象であるLSU1に第1実施形態と同様の脚4がある点と、熱収縮フィルム8をLSU1に被せたときにこの熱収縮フィルム8のこれら脚4に重なる箇所が切り取られている点とが、異なっている。
この固定作業を実際に行う場合には、上記第2実施形態と同様に熱収縮フィルム8の内側にLSU1を配置した後に、熱収縮フィルム8の切り取られている位置に脚4を配置してからこの熱収縮フィルム8に熱を加える。すると、上記第2実施形態と同様に熱収縮フィルム8がLSU1の外面に密着していく。このとき、脚4が熱収縮フィルム8が切り取られている箇所から熱収縮フィルム8の外側に飛び出すため、熱収縮フィルム8がLSU1の外面にムラ無く密着する。
このように、フィルムの形状をケーシング及びカバーの形状に合わせて形成することができるため、各種形状のケーシング及びカバーに本発明を適用することができる。
1,10 レーザスキャニングユニット
2 ケーシング
5 カバー
6,7,8 熱収縮フィルム
11 光源ユニット
12 ポリゴンミラー
13 走査レンズ群
2 ケーシング
5 カバー
6,7,8 熱収縮フィルム
11 光源ユニット
12 ポリゴンミラー
13 走査レンズ群
Claims (4)
- その底面上に走査光学系が設置されているケーシング本体に対して、前記底面に直交す方向から当接することによって前記走査光学系を収容する閉空間を形成するカバーを固定する方法であって、
前記ケーシング本体に前記カバーを当接させた後に、
その中心軸を前記底面と平行な方向へ向けた筒状または袋状の熱収縮フィルムを、前記ケーシング及びカバーに被せ、
この熱収縮フィルムを加熱することによって、前記ケーシング本体及びカバーの外面に密着するまで収縮させる
ことを特徴とする走査光学系ケーシングへのカバー固定方法。 - 前記ケーシング本体は、上面が開放した箱形状を有し、前記カバーは、前記ケーシング本体の側壁の上端縁に当接する
ことを特徴とする請求項1記載の走査光学系ケーシングへのカバー固定方法。 - 前記熱収縮フィルムを収縮させたときには、前記熱収縮フィルムが、前記カバーの上面の一部のみ、また前記ケーシング本体の下面の一部のみに一体に密着することを特徴とする請求項1または2記載の走査光学系ケーシングへのカバー固定方法。
- 前記熱収縮フィルムを収縮させたときには、前記熱収縮フィルムが、前記カバーと前記ケーシング本体との当接部全周に密着することを特徴とする請求項1または2記載の走査光学系ケーシングへのカバー固定方法。
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JP2004116588A JP2005300888A (ja) | 2004-04-12 | 2004-04-12 | 走査光学系ケーシングへのカバー固定方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012108383A (ja) * | 2010-11-18 | 2012-06-07 | Canon Inc | 光走査装置 |
-
2004
- 2004-04-12 JP JP2004116588A patent/JP2005300888A/ja active Pending
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JP2012108383A (ja) * | 2010-11-18 | 2012-06-07 | Canon Inc | 光走査装置 |
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