JP2005300705A - 光書き込み媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来の金属微粒子の発色を利用したリライタブルペーパーは、書き込み後1日程度放置すると退色してしまうといった課題があった。
【解決手段】 基体上に形成された金属微粒子と金属酸化物からなる複合膜中に、ほぼ同形状の金属微粒子が少なくとも1種類以上固定されてなることを特徴とする光書き込み媒体。
【選択図】 図1
【解決手段】 基体上に形成された金属微粒子と金属酸化物からなる複合膜中に、ほぼ同形状の金属微粒子が少なくとも1種類以上固定されてなることを特徴とする光書き込み媒体。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ナノサイズの金属微粒子を利用した光による静止画書き換え技術に関するものである。
近年、コンピューターやモバイルの発達、ネットワーク環境の充実によって、オフィスは勿論、家庭、さらにはアウトドア環境でもこうした情報機器を利用することが多くなった。特にオフィスでは、情報機器を介して入手した膨大な量の情報を一旦紙に出力し、その後一週間程度の内に破棄するといった動作が頻繁に行われ、紙の消費量が増加の一途を辿っている。
現代社会において、紙の消費量増加による環境破壊を防ぎ、長時間正視してもストレスの少ない視認性を有し、紙の様に可搬性に優れた書き換え装置の普及が求められており、近年、電子ペーパー、リライタブルペーパー等の新しい表示媒体の研究開発が盛んである。
大別すると、書き換え装置一体型の電子ペーパーと、書き換え装置別体型で表示媒体は紙の様に薄く可搬性に優れるリライタブルペーパーがあるが、紙の大量消費の解決に直結するのが後者のリライタブルペーパーである。リライタブルペーパーには熱による書き換えを行うものと光による書き込みを行うものがあるが、一般に光による書き込みは精細度の高い書き込みが可能である。
光書き込みによるリライタブルペーパーは従来コレステリック液晶を用いたものが代表的であったが、コントラストが低くカラーの色調が淡いという欠点があった。そこで最近、金属微粒子の発色を用いたマルチカラー表示可能な光書き込みによるリライタブルペーパーが提案された(非特許文献1)。
この金属微粒子の発色を用いたマルチカラー表示可能な光書き込みによるリライタブル媒体は、金属酸化物である酸化チタンを基板上にコーティング膜した後、溶液中で銀イオンを含浸させるという簡便な手法を用いて作製できる上、作製した複合膜に種々の波長の光を照射することで、照射した波長に対応する色を書き込むことができる、単層でのマルチカラーが可能な優れた提案である。
このリライタブル媒体は、酸化チタンの微粒子を水溶液中に分散させた溶液組成物を基体上に塗布あるいはディップ等の方法で膜形成したのち、硝酸銀水溶液に該膜を充分浸漬させて銀を酸化チタン膜に含浸させる。その後、膜を洗浄し余分な硝酸銀を洗い流した後乾燥して、得るものである。
かかるリライタブル媒体に所望の色を書き込む方法は、まずUVを全面に照射して酸化チタン膜中に種々の形状の微粒子を析出させる。UVを照射することで酸化チタン中に光励起された電子によって銀イオンが還元され析出する。媒体はこの段階で褐色を呈する。その後、所望の波長の単色光を所望の領域に照射すると、その領域のみ照射した波長の色に着色する。これは照射した波長の光を吸収した特定の銀粒子だけが光溶解して金属微粒子の表面プラズモンによる発色を損なうために、所望の色を呈すると推察されている。全面を白色にしたい場合には、白色光を照射すればよい。
金属は通常バルクでは金属光沢を示すものであるが、ナノサイズの微粒子になると特定の波長の電磁波を吸収して着色する現象(プラズモン九州)が良く知られている(例えば、非特許文献2)。この現象は古くからステンドグラス等の着色に用いられてきたもので、自然光の吸収と透過による濁りの無いクリアな色を示すという優れた着色特性を有する。
このナノサイズの金属微粒子の色は、主に粒子の材質、形状、大きさによって大きく影響を受ける。例えば、Auは530nm近傍に吸収ピークを有する赤いAuコロイドが有名であり、Agは420nm近傍に吸収ピークを有する黄色いAgコロイドが有名である。また、同じAgからなる微粒子であっても、J.J.Mockら(非特許文献3)によれば、例えば球形状であっても直径が大きくなると、吸収ピークが徐々に長波長側にシフトするといった大きさによる色の変化と、TEMの断面像で球・五角形・三角形という形状の異なる場合にも、吸収ピークが変化することが観察されており、Agのみでも可視光ほぼ全域に渡って吸収変化が可能であることが示されている。
また、これらの金属微粒子のプラズモン吸収による発色状態は粒子の凝集により変化することが良く知られている(例えば、非特許文献4)。即ち、上述の発色状態は金属微粒子が単一分散する場合に、微粒子の形状に対応して決定付けられるものである。
Yoshihisa Ohko、 Tetsu Tatsuma、 Tsuyoshi Fujii、 Kenji Naoi、 Chisa Niwa、 Yoshinobu Kubota and Akira Fujishima、 Nature Materials Vol. 2、 p29、 2003 『超微粒子とは何か』川村清著(丸善) J. Chem. Phys.、 Vol. 116、 No. 15、 15April 2002 Surface Science 156(1985) 678−700、 U. Kreibig and L. Genzel
Yoshihisa Ohko、 Tetsu Tatsuma、 Tsuyoshi Fujii、 Kenji Naoi、 Chisa Niwa、 Yoshinobu Kubota and Akira Fujishima、 Nature Materials Vol. 2、 p29、 2003 『超微粒子とは何か』川村清著(丸善) J. Chem. Phys.、 Vol. 116、 No. 15、 15April 2002 Surface Science 156(1985) 678−700、 U. Kreibig and L. Genzel
しかしながら、上述の金属微粒子の発色を用いたマルチカラー表示可能な光書き込みによるリライタブルペーパーでは、その簡便な作り方ゆえ、発消色に携わる金属微粒子の形状が制御されておらず、マルチカラーの画像を書き込む場合には、マルチカラーの書き込み装置(光源)が必要であり、デジタル化された信号による書き込みには適さない。
また、一旦所望の色を書き込んだのち、一晩から1日程度放置すると退色してしまうといった課題があった。退色現象は金属微粒子の析出による着色(黒褐色)を伴って起こるもので、例えば紙に印刷した文章の様に背景に白色が好まれるような用途に対しては好ましくない、という特徴を持ち合わせていた。これは上述の簡便な作製方法に由来して、多彩な形状の金属微粒子が存在することでマルチカラー化が可能であるためである。
本発明は、金属微粒子を用いた光書き込みに関するもので、金属微粒子の形状を制御し、所望の波長でのみ書き込みを行うことを可能とし、放置による退色を著しく低減する方法を見出した。即ち、
(1)基体上に形成された金属微粒子と金属酸化物からなる複合膜であって、ほぼ同形状の金属微粒子を、少なくとも1種類以上該複合膜中に概略固定されてなる、光書き込み媒体である。
(1)基体上に形成された金属微粒子と金属酸化物からなる複合膜であって、ほぼ同形状の金属微粒子を、少なくとも1種類以上該複合膜中に概略固定されてなる、光書き込み媒体である。
(2)金属酸化物はTiO2である、上述の光書き込み媒体である。
(3)金属微粒子はAgである、上述の光書き込み媒体である。
(4)少なくとも1種類以上の、ほぼ同形状の金属微粒子を作製する工程と、該金属微粒子を金属酸化物に混合する工程と、基体上に複合膜を形成する工程と、を含む、光書き込み媒体の製造方法である。
(5)上述の基体上に該複合膜を形成する工程は、少なくとも100℃以上の過熱工程を含む、光書き込み媒体の製造方法である。
(6)上述の製造方法で作製した、光書き込み媒体である。
(7)該複合膜の書き込み方法は、第1の波長の光で着色し、第2の波長の光で消色するものであって、該第2の波長の光は、概略金属微粒子の吸収波長であって、該第1の波長の光と該第2の波長の光は、互いに異なる波長域の光である、光書き込み媒体の書き換え方法である。
本発明は、金属微粒子を用いた光書き込み媒体であって、デジタル化された選択色の光書き込みに適した光書き込み媒体を提供することができる。また、本発明は、経時的な退色を防ぎ、鮮明な色表示を可能にする光書き込み媒体及びその製造方法を提供することができる。さらに、本発明はリライタブルメディアに求められる紙ライクな白色背景への着色書き込みを用意とする光書き込み媒体を提供することができる。
以下、本発明の実施の態様を図1−5を用いて説明する。
本発明の複合膜は、主にナノサイズの金属微粒子とそれを緻密に囲むマトリクス構造材から成り、該金属微粒子は所望の波長の光を吸収するほぼ同程度の形状であるものが、少なくとも1種類以上複合膜中に概略固定されたものである。また、該複合膜を基体上に形成し、光照射によって書き込み及び消去を行う光書き込み媒体である。また、該光書き込み媒体は、予め所望の波長を吸収するほぼ同形状の金属微粒子を作製し、マトリクス構造材と混合し分散させた後、基体上に複合膜を形成する方法によって作製される。
本発明において、該マトリクス構造体の材質は上述の金属微粒子を包囲し個々の金属微粒子を独立分散せしめるために用いられるものであれば良い。凝集を妨げ、良好な色再現を実現するためには、該金属微粒子はマトリクス構造体に固定されていることが好ましい。また、上述したように、発色は金属微粒子の形状とサイズに大きく影響されることから種々の使用状況での粒子の変形を防ぐためにもマトリクス構造材で包囲されていることが好ましい。
ナノサイズの金属微粒子を充分に包囲固定する方法として、その最小単位体積が金属微粒子と同程度かあるいはそれより小さい単位を有する材料を、最終的に光や熱などで固化して用いる方法が好ましい。例えば、金属酸化物をマトリクス構造体として用いる場合には、一次粒径が包囲する金属微粒子と同程度かあるいはそれより小さい粒子からなる材料を焼結して用いる方法が好ましく用いることができる。
該マトリクス構造体は、光照射によって該金属微粒子との電子の授受が行われるのに容易な物質であれば特に限定されないが、特に触媒として一般に利用されている材料として、TiO2、SiO2、Al2O3、ZnO、SnO2、CuO、Co3O4、NiO、In2O、Fe2O3、CdO、V2O5、Bi2O3、Sb2O5、MoO、Wo3等の半導体や金属酸化物等の無機酸化物が好ましく用いられる。
また、リライタブルペーパーの用途として、従来の紙に印刷された文章表示が重要な用途として挙げられるが、その場合特に、背景色として白色、乳白色、透明等の色調を作製することのできるものが好ましく用いられる。
以上の条件を満たすものとして、TiO2の微粒子はマトリクス構造材として特に好ましいもののうちの1つである。
本発明の光書き込み媒体を示す一例を図1に、他の一例を図2及び図3に示す。図1は基体上に金属微粒子と金属酸化物からなる複合膜を配置したものであり、図2は基体上に白色層5を配置した上に複合膜を配置したものであり、図3は基体上に反射層6を配置した上に複合膜を配置したものである。
基体1は、ガラス、ステンレス、ポリイミドフィルムなどが適宜用いられるが、上述の複合膜を作製する工程に要する温度によって適宜選択される。図1の構成において、基体1及びマトリクス構成材3が透明のものを用いれば、透明状態と所望の着色表示を行うことが可能となり、また、基体1に白色のものを用いれば、白色背景での着色表示が行える。また、図2の構成において、基体1上に白色層5を設けることで、同様に白色背景での着色表示が可能である。さらに、図3の構成において、基体1上に反射層6を設けることでマトリクス構造材3の白さが充分ではない場合にも白色背景での着色表示が可能である。
白色層5は、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ等の無機酸化物をそのまま用いる以外に、これらを白色顔料としてバインダーと混合して用いる等の方法が好ましい。また、反射層6は、アルミ、パラジウム、マグネシウム等の金属あるいは合金をスパッタリング方などで膜形成したものを好ましく用いられる。必要に応じて、反射板の表面にμメーター単位の凹凸を設けても良い。
金属微粒子1は、ほぼ同形状であり、複合膜中に図示したような単一分散配置した状態であれば良い。
ここで言う同形状とは、所望の選択波長に対応する金属微粒子のことである。上述した様に、金属微粒子はその形状によって吸収する波長が異なるため、所望の形状の金属粒子を複合膜中に配置することで、対応する波長の光のみを吸収することが可能である。
図1に示した例は、ほぼ同形状の1種類の金属微粒子から成り、図4に示した例は、ほぼ同形状の2種類の金属微粒子から成るものである。また、図1の素子を透明基体を用いて作製し、後述の方法で複合膜への光照射による書き込み及び消去を行った場合の、複合膜の透過率の波長依存を模式的に示したものが図5である。
図5は横軸可視光の波長、縦軸は透過率、図中の点線が複合膜の透過率の波長依存性である。図5(a)は特定の波長の吸収が観察されない状態、すなわち消色状態を示す。また、図5(b)は特定の波長の吸収が観察される状態、すなわち着色状態を示す。
本発明に用いる金属微粒子は、上述した様に、ナノサイズの微粒子にした状態で可視域の波長に対応した発色が生じるものであれば好ましく用いられる。可視光領域に吸収が顕著なAu、Ag、Cu以外に、K、Naも黄色より長波長側に吸収があり好ましく用いられる。また、Au、Ag以外の貴金属、Pt、Pd、Ir、Rh、Ru、Os等のコロイド粒子も適宜好ましく用いられる。
中でも、ナノサイズの金属微粒子を溶液中で単分散したコロイド溶液を合成するのが容易で、その微粒子のサイズ、形状によって可視光領域全域の色を発色することが可能で、近年金属担持触媒としての反応性の高さも注目されているAgは特に好ましく用いられる。
次に本発明の光書き込み媒体の製造方法について説明する。
金属微粒子には、ガス蒸着法、スパッタリング法、金属蒸気合成方法などの物理的手法、コロイド法、アルコキシド法、均一沈殿法等などの化学的液相法、有機金属化合物の熱分解法などの化学的気相法、等の種々の製造方法が知られている。
物理的手法では一般に、蒸発して核を形成し成長したと同時に適宜有機溶剤を付着させ、所望の材料で被覆された金属微粒子を得る。また、液相法、例えばコロイド法ではアルコール中で貴金属塩を環境条件下で還元し、高分子に被覆された金属微粒子がコロイド状に析出する。
例えば、Auの粒径数nmの金属微粒子を所望の溶媒に均一に分散させた溶液組成物を得る場合に、上述の物理的手法を用いてAuの金属微粒子をトルエン等の非水系有機溶媒に単分散した溶液組成物が作製できることが知られており、一方同じAuの金属微粒子をエタノール+水などの水系溶媒に単分散した溶液組成物が作製できることも知られている。
後述する好適な製造方法のうち、使用する金属微粒子の溶液組成物は以上のような製造方法のうち、好ましいものを適宜用いればよい。本発明の光書き込み媒体の着色に係る金属微粒子の形状は、上述の金属微粒子の形状は、作成時の条件等により決定されるものであるので、特に金属微粒子を凝集させない限り、所望の波長での着色は損なわれない。
マトリクス構造材は、上述した金属酸化物の微粒子を溶液中に分散した溶液組成物、スラリー等を用いるのが好ましい。この際、後述する様に、相溶性の観点から、金属微粒子を分散した溶液組成物と、金属酸化物を分散した溶液組成物と、の各溶媒は、互いに相溶性の良好なものを選択しておくことが特に好ましい。
基体上への複合膜の製造方法は、所望の形状の金属微粒子が溶液中に単一分散された溶液組成物と、無機酸化物が分散された溶液組成物を予め用意し、2種類の溶液組成物を混合したものを用いて、スピン塗布方法、ディップコーティング法等の手法で膜形成するのが好ましい。予め基体表面の洗浄処理を行うことは好ましく行われる。
膜を塗布した後の加熱処理も好ましく行われる。上述の溶液組成物の溶媒等の成分を除去するためと、該複合膜の膜強度を向上させるために、好ましくは100℃以上の加熱工程を行うと良い。
また、図4に示す様な複数種の形状の金属微粒子を含む複合膜を作製するには、予め個別に金属微粒子の単一分散した溶液組成物を用意した後、金属酸化物を分散した溶液組成物に混合分散して用いるとよい。あるいは、個別に金属微粒子を単一分散した溶液組成物を用意し、個別に金属酸化物を分散した溶液組成物に混合分散した後、さらに混合して用いてもよい。
最終的に同一の溶液組成物中に、複数種の形状の金属微粒子を含む溶液組成物を、基体上に、スピン塗布、ディップコーティング法等の手法で膜形成することができる。
また、複数種の形状の金属微粒子を含む複合膜を作製する方法として、個別に金属微粒子の単一分散した溶液組成物を用意した後、個別に金属酸化物を分散した溶液組成物に混合分散し、基体上に、各溶液組成物を、スピン塗布、ディップコーティング法等で順次積層してもよい(不図示)。異なる形状の金属微粒子を同一の分散媒に単一分散することが困難な場合に、特に好ましく用いられる。
係るようにして作製した媒体に書き込み消去を行う方法について述べる。
まず、1種類の形状の金属微粒子を含む複合膜を作製し、単色の書き込み、消去を行う場合には、第1の波長の光で書き込み、第2の波長の光で消去(消色)する。第1の波長の光として紫外線等の短波長光が好ましく用いられる。これは、上述のマトリクス構造材である金属酸化物を励起し電子を発生させるのに適しているからである。ここで言う短波長光とは、必ずしも可視光外領域である必要は無く、第2の波長の光と異なる波長の光であって、励起電子を金属酸化物表面近傍に供給できるものであれば好ましく用いられる。次に、第2の波長の光は、金属微粒子の形状に対応した波長、即ち金属微粒子が吸収する波長の光である。例えば図1に示す金属微粒子の選択波長が、図5(b)の図中、矢印で示した波長であるとすると、その場合第2の波長の光とは矢印の波長の光となる。実際には、金属微粒子の吸収分布に応じて、所望の波長幅のフィルターを用いる等することが好ましい。
また、図4に示した様な複数種の金属微粒子を含有する場合には、まず共通の書き込み波長で全波長の着色を実施した後、所望の波長に対応する金属微粒子以外のもの以外を順次消去することで、所望の色が着色可能である。
(実施例)
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
石英基板表面を中性洗剤及び有機溶剤でよく洗浄・乾燥したものを用意する。一方、アナターゼ型の酸化チタンゾル水溶液(石原産業STS−21)に、エタノール水溶液中に平均粒径10nmの銀ナノ粒子を単一分散した水溶液を加え、超音波水槽中で充分撹拌する。撹拌した混合液は銀微粒子の添加によって黄色く着色する。この混合液を石英上にスピン塗布し、複合膜を形成する。
80℃のオーブンで30分仮焼成したのち400℃のマッフル炉中で1時間焼成する。焼成後、複合膜はうっすらと乳白色であるが黄色味は消失していた。
作製した複合膜に1mW/cm2のUV(<400nm)を10分程照射したところ、複合膜は黄色く着色した。次に、中心波長430nm、半値全幅10nmの光を照射したところ、消色した。
実施例1同様に基板を用意する。一方、ルチル型酸化チタンゾル水溶液に、エタノール中に平均粒径40nmの銀ナノ粒子を単一分散した水溶液を加え、超音波水槽中で充分撹拌する。撹拌した混合液は銀微粒子の添加によって橙色に着色する。この混合液を石英上にスピン塗布し、複合膜を形成する。
実施例1同様に仮焼成及び本焼成を行ったところ、複合膜はほぼ透明であり、橙色は消失していた。
作製した複合膜に第1の波長、中心波長405nm、半値全幅10nmの光を照射したところ、複合膜は橙色に着色した。次に、中心波長480nm、半値全幅10nmの光を照射したところ、消色した。
実施例1、及び実施例2で作製した複合膜を、着色した状態でそのまま室内に放置したが、2日経っても著しい退色は認められなかった。
〔比較例1〕
実施例1と同様に基板を用意し、アナターゼ型の酸化チタンゾル水溶液(石原産業STS−21)をスピン塗布で膜形成する。この膜を実施例1同様に仮焼成及び本焼成を行い、充分に覚ましてから、希硝酸銀水溶液に3分程浸漬し、水洗した後、窒素ブローで乾燥させた。このようにして作製した複合膜の一部に1mW/cm2のUV(<400nm)を10分程照射したところ、茶褐色に着色した。この膜に、中心波長430nm、半値全幅10nmの光を1時間照射したところ、その領域だけが黄色く着色した。
実施例1と同様に基板を用意し、アナターゼ型の酸化チタンゾル水溶液(石原産業STS−21)をスピン塗布で膜形成する。この膜を実施例1同様に仮焼成及び本焼成を行い、充分に覚ましてから、希硝酸銀水溶液に3分程浸漬し、水洗した後、窒素ブローで乾燥させた。このようにして作製した複合膜の一部に1mW/cm2のUV(<400nm)を10分程照射したところ、茶褐色に着色した。この膜に、中心波長430nm、半値全幅10nmの光を1時間照射したところ、その領域だけが黄色く着色した。
その状態で室内に放置したところ次の日には周囲の茶褐色との区別が判別できなくなっていた。
実施例1のエタノール水溶液中に平均粒径10nmの銀ナノ粒子を単一分散した水溶液と、実施例2のエタノール中に平均粒径40nmの銀ナノ粒子を単一分散した水溶液を混合したものを、さらにルチル型酸化チタンゾル水溶液に加え超音波水槽中で充分撹拌する。撹拌した混合液は銀微粒子の添加によって黄橙色に着色する。この混合液を石英上にスピン塗布し、複合膜を形成する。
80℃のオーブンで30分仮焼成したのち400℃のマッフル炉中で1時間焼成する。焼成後、複合膜はほぼ透明で色味は消失していた。
作製した複合膜に1mW/cm2のUV(<400nm)を10分程照射したところ、複合膜は黄橙色に着色した。次に、中心波長430nm、半値全幅10nmの光を照射したところ、橙色に変色した。
1 基体
2、2a、2b 金属微粒子
3 マトリクス構造材
4 複合膜
5 白色層
6 反射層
2、2a、2b 金属微粒子
3 マトリクス構造材
4 複合膜
5 白色層
6 反射層
Claims (7)
- 基体上に形成された金属微粒子と金属酸化物からなる複合膜中に、ほぼ同形状の金属微粒子が少なくとも1種類以上固定されてなることを特徴とする光書き込み媒体。
- 該金属酸化物はTiO2であることを特徴とする請求項1記載の光書き込み媒体。
- 該金属微粒子はAgであることを特徴とする請求項1記載の光書き込み媒体。
- 第1の波長の光で着色し、第1の波長とは異なる第2の波長の光で消色する請求項1に記載の光書き込み媒体。
- 第2の波長の光は、金属微粒子の吸収波長である請求項4記載の光書き込み媒体。
- 少なくとも1種類以上の、ほぼ同形状の金属微粒子を作製する工程と、該金属微粒子を金属酸化物に混合する工程と、基体上に複合膜を形成する工程と、を含むことを特徴とする光書き込み媒体の製造方法。
- 基体上に該複合膜を形成する工程は、少なくとも100℃以上の過熱工程を含むことを特徴とする請求項7記載の光書き込み媒体の製造方法。
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WO2008053561A1 (fr) * | 2006-11-02 | 2008-05-08 | Shinoda Plasma Co., Ltd. | Élément de étection de champ électrique et dispositif d'affichage utilisant celui-ci |
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2004
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WO2008053561A1 (fr) * | 2006-11-02 | 2008-05-08 | Shinoda Plasma Co., Ltd. | Élément de étection de champ électrique et dispositif d'affichage utilisant celui-ci |
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