JP2005300597A - 光ファイバの切断方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光ファイバ先端をその軸線方向に対してある角度をもち、かつ平滑な面となるように再現性よく切断できる光ファイバの切断方法および装置を提供。
【解決手段】被覆を除去した光ファイバの軸方向の異なる二ヶ所を保持具で固定した後、二ヶ所の固定点の間に押し具を挿入して、ファイバを側面から押して変形させ、ファイバに張力を与えた状態に保ちながら、ファイバ表面に刃を垂直方向から当てることによりファイバを斜めに切断するに際し、特定の関係式が成立するような条件下でファイバを切断することを特徴とする光ファイバの切断方法などによって提供。
【選択図】図2

Description

本発明は、光ファイバの切断方法および装置に関し、さらに詳しくは、光ファイバ先端をその軸線方向に対してある角度をもち、かつ平滑な面となるように再現性よく切断できる光ファイバの切断方法および装置に関する。
近年、光通信や光計測装置の構成デバイスとして、光変調器、光スイッチ、光合波分波器等の光導波路型単結晶素子が活用されている。このような素子においては、その複数個の入、出力端子を伝送路である光ファイバと接続して使用される。
光ファイバを他の光ファイバと融着接続する際には、ファイバ先端が軸線方向に垂直になるように光ファイバを切断する必要がある。きれいな垂直面を得るための光ファイバ切断方法として、ファイバ本体と切断刃との距離を検出し、ファイバに所定の深さの切り欠き部が形成されるように、その検出結果を基に支持台をスライドして距離を調整する垂直切断方法、装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
一方、光ファイバを前記光デバイスに接続する際には、ファイバ端面からの反射光が光デバイスへ戻ることを防ぐために、ファイバの先端を斜めに切断する必要がある。そのために、ファイバ先端をジルコニアや金属製のフェルールに固定し、その端面を研磨することが一般に行われてきた。
しかし、この方法は手間がかかり作業性が悪いため、簡易に斜め面が得られる切断方法として、上記の垂直切断方法を改良したダイアモンドの刃や超鋼刃を用いて切断する方法が採られるようになった。
従来、このような斜め切断が行える装置では、ファイバの切断時に平滑かつ軸方向に斜めとなる面を得るために、試行錯誤的に押し具の位置や刃を当てる位置を調整し、最適な位置を見つけていた(例えば特許文献2参照)。
ところが、切断の本質的なパラメータが明確ではなかったために、刃先の様子や張力のかかり具合などによって、実際の装置ではいつも同じ状態を維持できず、刃を当てる位置が定まらないためにファイバを再現性よく安定して切断することができないという問題があった。
このような状況下、刃先の様子やファイバへの張力のかかり具合などによらず、刃を当てる位置を容易に決定でき、いつも同じ状態に維持できる光ファイバの切断方法が求められていた。
特開2001−318237号公報 特開平5−203813号公報
本発明の目的は、上記従来の事情に鑑み、光ファイバ先端をその軸線方向に対してある角度をもち、かつ平滑な面となるように再現性よく切断できる光ファイバの切断方法および装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、被覆を除去したファイバ芯線の軸方向の異なる二ヶ所を固定し、この固定点の間に押し具を挿入して、ファイバを側面から押して変形させ、ファイバに張力を与えた状態でファイバ表面に刃を当てることによりファイバを斜めに切断する方法では、ファイバを斜め切断するときの本質的なパラメータが、刃と押し具との距離(A)、刃のある側の固定点と押し具との距離(B)、およびファイバの押し量(C)であることを実験にもとづくシミュレーション結果から究明し、比(A/C)および(B/C)を演算して、距離(B)および(C)の量を任意に設定したときに、特定の関係式を満足するように距離(A)を決定することにより、従来のようにその都度試行錯誤的な試験をすることなく、光ファイバを安定的に良好な斜め切断できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、被覆を除去した光ファイバの軸方向の異なる二ヶ所を保持具で固定した後、二ヶ所の固定点の間に押し具を挿入して、ファイバを側面から押して変形させ、ファイバに張力を与えた状態に保ちながら、ファイバ表面に刃を垂直方向から当てることによりファイバを斜めに切断するに際し、下記の関係式が成立するような条件下でファイバを切断することを特徴とする光ファイバの切断方法が提供される。
1.31B/C−6.93<A/C<1.26B/C−3.86
(式中、Aは刃と押し具との距離(mm)、Bは刃がある側の固定点と押し具との距離(mm)、Cは押し具によるファイバの押し量(mm)をそれぞれ意味する。)
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、刃を押し具に対向するファイバ側面に当てることを特徴とする光ファイバの斜め切断方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、式中のAが、1.0〜2.5mmであることを特徴とする光ファイバの斜め切断方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、式中のBが、2.0〜4.0mmであることを特徴とする光ファイバの斜め切断方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、式中のCが、0.2〜0.4mmであることを特徴とする光ファイバの斜め切断方法が提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第1の発明において、二ヶ所の固定点の間の距離が、7.0〜10.0mmであることを特徴とする光ファイバの斜め切断方法が提供される。
一方、本発明の第7の発明によれば、ファイバを二ヶ所の固定点で固定する保持具と、ファイバ側面を押してファイバに張力を与える押し具と、ファイバを切断する刃と、刃の移動手段を有する光ファイバの切断装置において、刃と押し具との距離(A)、刃がある側の固定点と押し具との距離(B)及び押し具によるファイバの押し量(C)から比(A/C)と比(B/C)を演算する手段を設けるとともに、刃と押し具との距離(A)が下記の関係式を満足する位置に、刃を移動させ、ファイバを切断するように構成したことを特徴とする切断装置が提供される。
1.31B/C−6.93<A/C<1.26B/C−3.86
(式中、Aは刃と押し具との距離(mm)、Bは刃がある側の固定点と押し具との距離(mm)、Cは押し具によるファイバの押し量(mm)をそれぞれ意味する。)
本発明の光ファイバの切断方法、装置によれば、光ファイバの軸線に対し斜めでかつ平滑な端面をもつ光ファイバを再現性よく得ることができる。これにより得られたファイバは、端面から反射光が光デバイスに戻ることを防止することができるから、工業的価値は極めて大きい。
以下、本発明の光ファイバの切断方法および装置について詳細に説明する。
本発明の光ファイバ切断方法は、次に詳述する切断装置を用い、被覆を除去したファイバ芯線の軸方向の異なる二ヶ所を固定し、二ヶ所の固定点の間にある押し具によりファイバ側面をファイバ軸方向に対して垂直に押してファイバを変形させ、ファイバに張力を与えた状態で、押し具と固定点との間のファイバ表面に刃を当てることによりファイバを軸方向に対して斜めに切断する方法に於いて、押し具に対して刃がある側の固定点と押し具との距離(B)およびファイバの押し量(C)を適宜設定したときに、刃と押し具との距離(A)を下記の関係式が成立するように調整して、ファイバを切断する方法である。
1.31B/C−6.93<A/C<1.26B/C−3.86
(式中、Aは刃と押し具との距離(mm)、Bは刃がある側の固定点と押し具との距離(mm)、Cは押し具によるファイバの押し量(mm)をそれぞれ意味する。)
1.光ファイバの切断装置
本発明の光ファイバの切断装置は、図1(平面図)に示す外観をしている。ファイバ切断装置の台6の上にファイバを保持する二つの固定手段(保持具)2、3と、押し具4と、押し具4に対向しファイバ1を挟む位置にある刃5が載置されている。台6は、十分な広さを有し、その表面が平坦に形成されていることが望ましい。
保持具2、3にはV溝を形成したり、溝の表面に滑り止めを形成してもよい。通常、図1のように二つの保持具2と3との位置は固定され、光ファイバのクラッド長さよりも若干短く、例えば7mmに設定しておく。ただし、光ファイバの種類や作業性を考慮して、その間隔を変えられるようにしてもよい。
刃の材質は、通常の鉄鋼、ステンレスの他、特種合金やダイヤモンドを用いることができる。また、その断面形状は特に限定されず、側面が直線状の一般的なものでも、外側に湾曲した形状のものでもよい。刃角は例えば30〜50度、刃厚は先端部が細くなったものが良好であり、0.5mm以下であるものが好ましい。刃は往復動するものでも回転するものでもよい。刃を移動し駆動する動力は、直流モーター、交流モーターなど各種モーターを利用できる。
なお、押し具4と刃5は、それぞれの位置を前後左右に微調整するためのステージ7、8に固定されている。そして、本発明の特徴部分である演算装置(図示していない)によって、押し具4と刃5の位置が台6上で前後左右に微調整できるように構成されている。演算装置としては、工作機械で汎用されているデータ入力手段、記憶手段を有する数値制御装置などが利用できる。このために必要であれば、位置センサーや補正装置などを備えても良い。
ファイバは1本だけでなく、複数本が保持具に取り付けられるようにしてもよい。図1では、押し具と刃5がファイバを挟んで前後となる位置にあるが、ファイバを挟んで上下に位置するようにしてもよい。
2.光ファイバの切断方法
本発明にかかる光ファイバの切断方法では、まず、光ファイバ先端部の被覆を除去し、所定の長さのクラッドを露出させたファイバを準備する。
ファイバ切断装置で切断されるファイバの長さや太さは特に限定されない。例えば、クラッドの長さは8mm以上あればよく、好ましくは10mm以上とする。光ファイバの太さは通常、直径100〜300μmであるが、この範囲内であればいずれも好ましく切断される。また、ファイバの被覆を除去する手段も特に限定されず、加熱軟化による方法、リムーバ(機械的手段)による方法さらには各種溶剤を用いた化学的手段による方法などが利用できる。
次に、被覆を除去した光ファイバを二つの保持具2と3に挟み、図1のように固定する。この際、ファイバには固定する目的以外の力を作用させず、引張りや圧縮、捻りなどが加わらないようにする。ここでファイバに引張り応力が加わると、下記シミュレーションの基礎となるデータが崩れることになり、本発明の目的を達成することができない。二つの保持具によって形成される固定点の距離は、通常、7.0〜10.0mm、特に7.5〜9.5mmであることが好ましい。7.0mm未満では、押し具を二つの保持具の固定点間に挿入しにくくなり、10.0mmを超えるとファイバへかかる引張り応力が不安定になるので好ましくない。
こうして、ファイバを固定してから、二つの保持具の固定点間に押し具を移動させる。この工程を示したものが図2である。押し具4は、このうち刃がある側の保持具2(固定点)からの距離(B)が、2.0〜4.0mmとなるようにする。この距離が2.0mm未満では、十分な応力が得られるものの、安定して切断できる領域が狭くなり、4.0mmを超えると大幅に応力が小さくなってしまい、反射率を−50dBとするのに必要とされる角度6〜8°の斜め切断が行えないので好ましくない。
その後、ファイバ1の側面に押し具4の先端を当てて、特定の押し量(C)、例えば0.2〜0.4mmだけファイバ1を前方(上方)に押しやるようにする。押し量が0.2mm未満では、ファイバに十分な引張り応力がかからず、0.4mmを超えると引張り応力が強くなりすぎて切断されたファイバの断面が不良になりやすい。
ここでの押し具4の移動によって、ファイバ1の少なくとも一部に引張り応力が作用することになる。特に押し具に近い部分のファイバに大きな引張り応力がかかり、押し具から遠く離れた部分には圧縮応力がかかることになる。上記押し具と固定点との距離(B)、ファイバの押し量(C)が決まることで、下記関係式中の比(B/C)が演算でき、刃と押し具との距離(A)と押し量(C)との比(A/C)の採り得る範囲が決まってくる。なお、かかる関係式の技術的意義は後述する。
1.31B/C−6.93<A/C<1.26B/C−3.86
次に、こうして導かれた比(A/C)の値に基づき、刃5を押し具4から所定の距離(A)となるように移動させる。刃と押し具との距離(A)は、1.0〜2.5mmであることが好ましい。距離が1.0mm未満では押し具に接近しすぎて切断しにくく、2.5mmを超えると良好なファイバ断面が得られない場合がある。
そして、最後に刃5をファイバ1の表面に当てる。このとき、押し具4に向かって反対側のファイバ表面に刃5を当てることが好ましい。押し具と同じ側のファイバ表面に刃を当てると、ファイバの軸方向に圧縮力が加わっているために切断面が不良になりやすいからである。
3.本願に係る関係式の技術的意義
本発明において、刃と押し具との距離(A)は、刃がある側の固定点と押し具との距離(B)、ファイバの押し量(C)に対して相関があり、これらの比(A/C)と(B/C)が特定の関係にあるようにしなければならないことを説明したが、これは下記のようにして予めシミュレーションを行って決定した。
まず、上記の切断装置を用いて、保持具から3mm離れた位置のファイバ上の点を押し具によって押し、押し具と反対側のファイバ表面上の軸方向に沿った応力分布をシミュレーションにより求めた。ファイバの押し量は、0.1mmから0.4mmまで、0.1mm刻みで変化させた。図3は、この結果を示したものである。
このシミュレーションの結果から、ファイバの1点を押し具によって押したとき、押し量が大きくなるほど引張り応力が高くなり、特に押し具が保持具と近くなるほど顕著であることが分かる。ただし、刃を当てる側のファイバの表面全体に引っ張り応力が働いているわけではなく、一部に圧縮応力が働いている領域が存在していることも分かる。
この結果から、ファイバ表面に圧縮応力が働いている領域に刃を当ててもファイバは切断されず、切断しようとして無理に刃を押し込もうとすると平滑な切断面にならないことが予想され、また、たとえ刃を当てる領域が引っ張り応力領域であっても、その応力が小さいとファイバの切断には至らないことが推定された。
そこで、図3の状況を再現して光ファイバの切断実験を行ない、その結果を表1に示した。表中、“刃の位置”は、図3の横軸:“ファイバ上位置”に相当する。すなわち、表中の第一行は、押し量が0.2mmで、刃を押し具から1.0mmの場所に置いたことを表している。
Figure 2005300597
この切断状況(×、○、△)を図3に書き込んで図4を作成した。図4のグラフ中央部分に二本の直線が引け、このうち下側の直線(太線)が、ファイバを切断できる最小の応力の境界と考えられ、その応力は0.4GPaと決定された。この直線よりも上方の応力を与えなければ、ファイバが切断できないことを意味している。
逆に、引っ張り応力は強ければ強いほどよいというものではなく、強すぎると、ファイバを切断できても平滑な切断面が得られない。実際に、押し量を0.4mmとしたとき、押し具からの刃の位置を2mmよりも短くすると、ファイバを切断できたがその断面を平滑にすることができなかった。図4の直線のうち、上側の直線(太線)が、ファイバを切断でき、しかも平滑な面を得ることができる境界と考えられ、その最大の応力は0.8GPaと決定された。応力が、この直線よりも下方でなければ断面が良好なファイバを得ることができないことを意味している。
一方、上記と同様にして、今度は刃の位置を変えずに、押し具の位置を変化させて切断状況を実験した。この結果は具体的に示さないが、表1と同様の傾向であり、押し具が固定点から特定の距離にあるとき良好に切断されることを確認している。
こうしてファイバ表面上の応力が、これらの応力値の範囲に入る刃と押し具の位置、固定点と押し具の位置、およびファイバの押し量の関係をシミュレーションによって求めた。その結果を図5および図6に示す。すなわち、図5は、ファイバ表面上の応力がファイバ切断を可能とする最低応力となる押し具の位置/押し量(B/C)と、刃の位置/押し量(A/C)の関係を表し、図6は、ファイバ表面上の応力が、良好なファイバ切断面を得るための最大応力となる押し具の位置/押し量(B/C)と、刃の位置/押し量(A/C)の関係を表している。
そして、図5と図6のデータを重ね合わせて、図7のグラフを得た。ファイバ表面上の応力が、ファイバを切断でき、かつ平滑な面が得られる応力内にあるのは、図7においてファイバの押し量(C)に対する刃と押し具の位置(A)と、押し具の位置(B)から演算された比(A/C)と(B/C)との関係を表す二つの直線に挟まれた領域ということになる。ここで二つの直線はそれぞれ、下記(I)(II)の式により表される。
A/C=1.31B/C−6.93 …(I)
A/C=1.26B/C−3.86 …(II)
なお、図7には押し具の位置(B)が1、2、3、4mmの場合しか記載していないが、それ以外の位置でもあらかじめファイバ表面上の応力分布をシミュレーションで求めておくことで、押し具の位置、刃の位置および押し量の関係を表す直線を得ることができる。
このことから、あらかじめシミュレーションを行い、求められた領域に応力分布を有するファイバに刃を当てることにより平滑な切断面を有する光ファイバを得ることが可能となった。
なお、前記の特許文献2に記載された方法は、二つの保持具を用いて光ファイバを斜めに切断するという点では本発明と同様であるが、本発明のように固定点を二つ設けるものではなく、押し具を用いずに保持具の片方を移動させている。そのため、操作が不安定になりやすく、良好な切断面が得られない場合がある。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に示すが、本発明は、これらによって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
光ファイバ切断装置の台6の上に、ファイバを固定する二つの保持具2、3と押し具4とを配置し、押し具と対向するファイバを挟む位置に刃5を配置するようにして、図1に示す本発明の光ファイバ切断装置を作製した。押し具4と刃5は、それぞれ位置を微調整するためのステージ7、8に固定した。なお、図示していないが、この切断装置には前記関係式を演算するための演算装置を付設している。
まず、光ファイバ1の先端部の被覆を除去し、8mm以上の長さのクラッドを露出させた。光ファイバとして、クラッド径が直径125μmのものを採用した。次に、保持具2と保持具3との間隔を7mmとし、被覆を除去したファイバ芯線をこの保持具により固定した。押し具の位置を固定点から1.7mm(距離B)とし、ファイバを0.3mm押した(押し量C)。前記関係式を適用して演算を行い、刃を押し具から0.7mm(距離A)の位置に移動した。
刃をファイバ表面まで移動し、ファイバを切断すると平滑な切断面が得られた。なお、切断面が平滑であることは光学顕微鏡により確認した。
このとき、前記関係式中、押し位置/押し量(B/C)は5.7、刃と押し具との間隔/押し量(A/C)は2.3であるから、この関係式を満足しており、切断条件は図7における二つの直線間に挟まれた領域にあることがわかる。
(比較例1)
実施例1に記載した装置を用いて、刃を押し具から1.2mmの位置に移動した以外は実施例1と同様にして、刃をファイバ表面に当ててファイバを切断した。この結果、切断面が平滑なファイバを得ることはできなかった。
このとき、前記関係式中、押し位置/押し量(B/C)は5.7、また、刃と押し具との間隔/押し量(A/C)は4であるから、この関係式を満足せず、切断条件は図7における二つの直線間の領域から外れることがわかる。
は、本発明の光ファイバ切断装置の概要を示す平面図である は、図1の装置を用い、本発明により光ファイバを切断する状況を示す説明図である。 は、押し具を固定点から3mmの位置に置き、ファイバを押したときファイバ表面に現れる応力分布を示すグラフである。 は、第3図にファイバ切断実験の結果を重ねたグラフである。 は、ファイバ切断を可能とする最低応力となる、押し具/押し量と刃の位置/押し量の関係を表すグラフである。 は、良好なファイバ切断面を得るための最大応力となる、押し具/押し量、刃の位置/押し量の関係を表すグラフである。 は、ファイバを切断でき、かつ良好なファイバ切断面が得られる押し具/押し量、刃の位置/押し量の関係を表すグラフである。
符号の説明
1 …光ファイバ
2、3 …保持具
4 …押し具
5 …刃
6 …台
7 …押し具位置微調整用ステージ
8 …刃位置微調整用ステージ

Claims (7)

  1. 被覆を除去した光ファイバの軸方向の異なる二ヶ所を保持具で固定した後、二ヶ所の固定点の間に押し具を挿入して、ファイバを側面から押して変形させ、ファイバに張力を与えた状態に保ちながら、ファイバ表面に刃を垂直方向から当てることによりファイバを斜めに切断するに際し、
    下記の関係式が成立するような条件下でファイバを切断することを特徴とする光ファイバの切断方法。
    1.31B/C−6.93<A/C<1.26B/C−3.86
    (式中、Aは刃と押し具との距離(mm)、Bは刃がある側の固定点と押し具との距離(mm)、Cは押し具によるファイバの押し量(mm)をそれぞれ意味する。)
  2. 刃を押し具に対向するファイバ側面に当てることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの斜め切断方法。
  3. 式中のAが、1.0〜2.5mmであることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの斜め切断方法。
  4. 式中のBが、2.0〜4.0mmであることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの斜め切断方法。
  5. 式中のCが、0.2〜0.4mmであることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの斜め切断方法。
  6. 二ヶ所の固定点の間の距離が、7.0〜10.0mmであることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの斜め切断方法。
  7. ファイバを二ヶ所の固定点で固定する保持具と、ファイバ側面を押してファイバに張力を与える押し具と、ファイバを切断する刃と、刃の移動手段を有する光ファイバの切断装置において、
    刃と押し具との距離(A)、刃がある側の固定点と押し具との距離(B)及び押し具によるファイバの押し量(C)から比(A/C)と比(B/C)を演算する手段を設けるとともに、刃と押し具との距離(A)が下記の関係式を満足する位置に、刃を移動させ、ファイバを切断するように構成したことを特徴とする切断装置。
    1.31B/C−6.93<A/C<1.26B/C−3.86
    (式中、Aは刃と押し具との距離(mm)、Bは刃がある側の固定点と押し具との距離(mm)、Cは押し具によるファイバの押し量(mm)をそれぞれ意味する。)
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