JP2005299705A - 車両用変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】最適な暖機パターンが選択されることで、全体として燃費を向上させることが可能な車両用変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】車両が暖機完了状態となるために変速段又は変速比の変更を規制する暖機パターンが複数設定可能な車両用変速機の制御装置であって、一方の暖機パターンが利用されたときの燃費を測定又は推定する手段と、他方の暖機パターンが利用されたときの燃費を測定又は推定する手段と、前記一方の暖機パターンについての燃費の測定又は推定の結果と、前記他方の暖機パターンについての燃費の測定又は推定の結果の比較結果に基づいて、選択すべき暖機パターンを決定することを特徴としている。前記一方及び他方の暖機パターンの燃費の測定又は推定は、同一区間を対象として行われる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両用変速機の制御装置に関し、特に、最適な暖機パターンが選択されることで、全体として燃費が向上する車両用変速機の制御装置に関する。
現在位置から目標位置までの変速スケジュールを道路環境や燃費を考慮して設定することにより、燃費においても最適となる変速制御を実現することができる車両用自動変速機の制御装置として、特開平9−21457号公報(特許文献1)に記載された技術が知られている。
同公報の技術では、車両の現在位置から目標位置までの走行経路における道路情報を記憶手段から読み出し、この読み出された道路情報に応じて、上記走行経路における車両の駆動力を推定し、この推定された駆動力と予め記憶された燃費マップとを比較して、上記走行経路において燃費消費量が最小となるような変速スケジュールを設定し、この設定された変速スケジュールに応じて変速制御手段における制御パターンを変更する。
特開平9−21457号公報
最適な暖機パターンが選択されることで、全体として燃費が向上することが望まれている。
例えば、経路の途中に長い下り坂がある場合、下り坂ではフューエルカットを利用して走行した方が良いが、その場合、下り坂以前に暖機運転が完了している必要がある。しかし、下り坂以前に暖機を完了するためには、低速段領域を多用する必要があり、この部分では燃費が低下してしまう。道路形状などによっては標準的に燃費を向上させる変速パターンよりも、部分的には燃費が悪くても全体としては燃費が良くなる変速パターンがあるので、これらに対応する変速パターンを検討する必要がある。
本発明の目的は、最適な暖機パターンが選択されることで、全体として燃費を向上させることが可能な車両用変速機の制御装置を提供することである。
本発明の車両用変速機の制御装置は、車両が暖機完了状態となるために変速段又は変速比の変更を規制する暖機パターンが複数設定可能な車両用変速機の制御装置であって、一方の暖機パターンが利用されたときの燃費を測定又は推定する手段と、他方の暖機パターンが利用されたときの燃費を測定又は推定する手段と、前記一方の暖機パターンについての燃費の測定又は推定の結果と、前記他方の暖機パターンについての燃費の測定又は推定の結果の比較結果に基づいて、選択すべき暖機パターンを決定することを特徴としている。前記一方及び他方の暖機パターンの燃費の測定又は推定は、同一区間を対象として行われる。
本発明の車両用変速機の制御装置において、外気温が設定値以上異なるタイミングで、改めて、前記一方の暖機パターンについての燃費の測定又は推定の結果と、前記他方の暖機パターンについての燃費の測定又は推定の結果の比較結果に基づいて、選択すべき暖機パターンを決定することを特徴としている。外気温が設定値以上異なるタイミングには、一日の中の時間帯が異なるタイミングや、天候が異なる日のタイミングや、季節が異なるタイミングが含まれる。
本発明の車両用変速機の制御装置によれば、最適な暖機パターンが選択されることで、全体として燃費を向上させることができる。
(第1実施形態)
以下、図1から図9を参照して、本発明の車両用変速機の制御装置の一実施形態について詳細に説明する。
本実施形態では、通勤(走行)経路を特定し、現在の暖機パターンでの平均燃費と、別の暖機パターンでの推定燃費とを比較し、燃費が最小となる暖機パターンを選択する。
本実施形態では、以下の構成が前提となる
(1)変速段又は変速比を変更可能な変速機(有段変速機での例を示すが無段変速機でもよい)。
(2)走行履歴等に基づいて、走行経路を推定する走行経路推定手段。
(3)走行経路の走行履歴に基づいて、平均走行パターンを検出する平均走行パターン検出手段。
(4)上記(2)及び(3)に基づいて、複数の暖機パターンでの燃費を推定する手段。
(5)上記(4)に基づいて、暖機パターンを選択・変更する手段。
以下に、本実施形態の構成について詳述する。
図3は、車両用駆動装置のスケルトン図である。エンジン20の動力は、ロックアップクラッチ付トルクコンバータ(流体継手)21、3組の遊星歯車ユニット等から構成された有段自動変速機10、及び図示しない差動歯車装置等を経て駆動輪へ伝達される。
トルクコンバータ21は、エンジン20のクランク軸23と連結されるポンプ(ポンプインペラ)24と、自動変速機10の入力軸25に固定され、ポンプ24とオイルを介して対峙されたタービン(タービンランナ)26と、一方向クラッチ27を介してハウジング28に固定されたステータ29と、ダンパ30を介して入力軸25に連結されたロックアップクラッチ31とを備える。
トルクコンバータ21において、ロックアップピストン36よりも図中右側には、係合側油室32が形成され、また、ロックアップピストン36よりも図中左側には、解放側油室33が形成されている。
油圧制御装置34により、トルクコンバータ21の係合側油室32よりも解放側油室33内の油圧が高められると、ロックアップクラッチ31は解放状態とされオイルを介してポンプ24からタービン26へとトルクが伝達される。
一方、解放側油室33よりも係合側油室32内の油圧が高められると、ロックアップクラッチ31はフロントカバー35に押し付けられて係合状態となり、トルクコンバータ21の入出力部材、即ちクランク軸23及び入力軸25が機械的に直結される。また、解放側油室33と係合側油室32の油圧が適宜のバランスで維持されると、ロックアップクラッチ31はスリップ状態となり、解放と係合の中間の動力伝達状態が形成される。
自動変速機10は、ハイ及びローの2段の切り換えを行う第1変速部320と、後進変速段及び前進4段の切り換えが可能な第2変速部340とを備えている。第1変速部320は、サンギヤS0、リングギヤR0、及びキャリアK0に回転可能に支持されてそれらサンギヤS0及びリングギヤR0に噛み合わされている遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置360と、サンギヤS0とキャリアK0との間に設けられたクラッチC0及び一方向クラッチF0と、サンギヤS0及びハウジング38間に設けられたブレーキB0とを備えている。
第2変速部340は、サンギヤS1、リングギヤR1、及びキャリアK1に回転可能に支持されてそれらサンギヤS1及びリングギヤR1に噛み合わされている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置400と、サンギヤS2、リングギヤR2、及びキャリアK2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2及びリングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成る第2遊星歯車装置420と、サンギヤS3、リングギヤR3、及びキャリアK3に回転可能に支持されてそれらサンギヤS3及びリングギヤR3に噛み合わされている遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置440とを備えている。
サンギヤS1とサンギヤS2は互いに一体的に連結され、リングギヤR1とキャリアK2とキャリアK3とが一体的に連結され、そのキャリアK3は出力軸120cに連結されている。また、リングギヤR2がサンギヤS3及び中間軸48に一体的に連結されている。そして、リングギヤR0と中間軸48との間にクラッチC1が設けられ、サンギヤS1及びサンギヤS2とリングギヤR0との間にクラッチC2が設けられている。また、サンギヤS1及びサンギヤS2の回転を止めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング38に設けられている。また、サンギヤS1及びサンギヤS2とハウジング38との間には、一方向クラッチF1及びブレーキB2が直列に設けられている。この一方向クラッチF1は、サンギヤS1及びサンギヤS2が入力軸22と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられる。
キャリアK1とハウジング38との間にはブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウジング38との間には、ブレーキB4と一方向クラッチF2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合させられる。
以上のように構成された自動変速機10では、例えば図4に示す作動表に従って後進1段及び変速比が順次異なる前進5段(1st〜5th)の変速段の何れかに切り換えられる。図4において「○」は係合で、空欄は解放を表し、「◎」はエンジンブレーキ時の係合を表し、「△」は動力伝達に関与しない係合を表している。前記クラッチC0〜C2、及びブレーキB0〜B4は何れも油圧アクチュエータによって係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
制御装置100は、例えば図5に示す予め記憶された変速線図から実際のエンジン負荷に対応するアクセル開度および車速Vに基づいて自動変速機10のギヤ段を決定し、この決定されたギヤ段を成立させるように自動変速機10に設けられた油圧制御回路34の電磁弁を制御する自動変速制御を実行する。図5の実線はアップシフト線で、破線はダウンシフト線である。
図6に示すように、制御装置100には、エンジン回転速度センサ54と、変速機油温センサ51と、スロットル開度センサ55と、車速センサ56と、シフトポジションセンサ57と、ナビゲーションシステム装置58が接続されている。
エンジン回転速度センサ54は、エンジン20の回転速度Neを検出し、そのエンジンの回転速度Neを示す信号を制御装置100に出力する。ここで、エンジン回転速度Neは、クランク軸23の回転速度に対応する。
スロットル開度センサ55は、電子スロットル弁52の開度TAを検出し、その検出結果を示す信号を制御装置100に出力する。
車速センサ56は、自動変速機10の出力軸120cの回転速度Noなどから車速Vを検出し、その検出結果を示す信号を制御装置100に出力する。
シフトポジションセンサ57は、自動変速機10のシフトポジションを検出し、その検出結果を示す信号を制御装置100に出力する。
変速機油温センサ51は、自動変速機10の油温を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置100に出力する。
ナビゲーションシステム装置58は、自車両を所定の目的地に誘導することを基本的な機能としており、演算処理装置と、車両の走行に必要な情報(地図、直線路、カーブ、登降坂、高速道路など)が記憶された情報記憶媒体と、自立航法により自車両の現在位置や道路状況を検出し、地磁気センサやジャイロコンパス、ステアリングセンサを含む第1情報検出装置と、電波航法により自車両の現在位置、道路状況などを検出するためのもので、GPSアンテナやGPS受信機などを含む第2情報検出装置等を備えている。
制御装置100は、周知のマイクロコンピュータによって構成され、CPU77、RAM78、ROM79を備えている。ROM79には、図1のフローチャートの動作、図8−1及び図8−2のマップが格納されている。制御装置100には、走行履歴データベース91が接続されている。走行履歴データベース91には、通勤経路の走行か否かを問わず、過去の走行履歴のデータ(走行経路、車速V、スロットル弁開度TA、変速段(シフトポジション)、ロックアップクラッチ31の状態等)が格納される。
制御装置100は、エンジン20の燃料噴射弁80を閉じることで、フューエルカット制御を行う。フューエルカット制御では、後述する図2の例のようにアクセル開度が全閉状態とされたときのような被駆動状態(車両の減速走行時)においては、制御装置100は、所定のフューエルカット復帰回転速度よりもエンジン回転速度Neが高い期間において、エンジン20の燃料噴射弁80を閉じる。
制御装置100は、ロックアップクラッチ31の係合制御及びスリップ制御を実行する。制御装置100のROM79には、自動変速機10の1速ギヤ段(1st)及び2速ギヤ段(2nd)では、スロットル開度TAと車速Vに関わらず、ロックアップクラッチ31が解放状態とされると予め設定されている。また、ROM79には、自動変速機10の3速ギヤ段(3rd)〜5速ギヤ段(5th)では、例えば図7に示すように、スロットル弁開度TAと車速(出力軸回転速度Noに対応)Vに基づいて、ロックアップクラッチ31が解放、スリップ制御及び係合のいずれかが行われる旨が設定されている。
制御装置100は、自動変速機10が3速ギヤ段(3rd)〜5速ギヤ段(5th)にあるときには、図7の関係に基づいて、ロックアップクラッチ31の解放、スリップ制御及び係合のいずれを行うかを決定し、その決定した解放、スリップ制御及び係合のいずれかを示すロックアップクラッチ制御信号SG2を、油圧制御装置34に出力する。
油圧制御装置34は、そのロックアップクラッチ制御信号SG2に基づいて、上記のように、トルクコンバータ21の係合側油室32及び解放側油室33に供給する油圧を制御し、ロックアップクラッチ31に解放、スリップ及び係合のいずれかの状態を生成させる。
上記スリップ制御では、車両の駆動状態において運転性を損なうことなく燃費を可及的に良くすることを目的としてエンジン20の回転変動を吸収しつつ連結させてトルクコンバータ21の回転損失を可及的に抑制するために、ロックアップクラッチ31がスリップ状態に維持される。
また、車両の被駆動状態すなわち減速惰行走行中でも、エンジン回転速度Neをフューエルカット復帰回転速度よりも高めてフューエルカット制御の制御域を拡大したり、大きな減速Gを車両に作用させたりすること等を目的として、ロックアップクラッチ31の減速時係合制御として減速スリップ制御が実行される。この減速スリップ制御は、スロットル弁開度TAが略ゼロであること、車速Vが所定値以上であることなどを条件として実行される。
次に、図1、図2及び図6を参照して、本実施形態の動作について説明する。
図1は、本実施形態の制御フローを示すフローチャートである。
図2は、本実施形態を説明するためのタイムチャートである。
まず、本制御フローの最初の段階では、現在の暖機パターンとして、第1暖機パターンが設定されているものとする。ここで、暖機パターンとは、自動変速機10の高速段を規制するもので、例えば、5速ATの変速機10で5速ギヤ段への変速を禁止するものや、4速ギヤ段以上への変速を禁止するものが含まれる。ここで、第1暖機パターンとは、5速ギヤ段への変速が禁止される暖機パターンであるとする。また、第2暖機パターンとは、4速ギヤ段以上への変速が禁止される暖機パターンであるとする。
[ステップS1]
図1に示すように、ステップS1では、制御装置100により、今回、走行した経路が通勤経路であるか否かが判定される。制御装置100は、走行履歴データベース91に格納された過去の走行履歴のデータをクラスター分析して、通勤経路を認定する。制御装置100は、その特定した通勤経路と、今回の走行のスタート地点、時刻、曜日、進行方向等に基づいて、今回、走行した経路が通勤経路であるか否かを判定する。
なお、ナビゲーションシステム装置を用いた通勤経路の特定については、特開2000−28384号公報、特開平9−7090号公報、又は、特開平9−14986号公報に記載されている。ステップS1の判定の結果、走行した経路が通勤経路である場合には、ステップS2に進み、そうでない場合には、本制御フローはリターンされる。
[ステップS2]
ステップS2では、制御装置100により、制御装置100が有するカウンタ(図示せず)のカウンタ値Nをインクリメントされる。これにより、通勤経路の走行回数がカウントされる。ステップS2の次にステップS3に進む。
[ステップS3]
ステップS3では、制御装置100により、カウンタ値Nが予め設定された基準値N1を超えたか否かが判定される。その判定の結果、カウンタ値Nが基準値N1を超えていると判定された場合には、ステップS4に進み、そうでないと判定された場合には、ステップS11に進む。本制御フローの最初の段階では、カウンタ値が基準値N1を超えていないので、ステップS11に進む。
[ステップS4]
ステップS4では、制御装置100により、後述するステップS11にて走行履歴データベース91に蓄積されたデータに基づいて、現在までの第1暖機パターンによる複数回(基準値N1以上)の通勤経路の走行に関する平均走行パターンに基づいて、平均燃費が計算される。ここでは、過去の走行履歴データの平均的な車速Vとスロットル弁開度TAの推移に基づいて、燃料噴射量と噴射時間の推移が求められ、それら燃料噴射量と噴射時間の推移に基づいて、平均的な燃費が求められる。ステップS4の次にステップS5が行われる。
[ステップS5]
ステップS5では、制御装置100により、現在の暖機パターン(第1暖機パターン)とは異なる別の暖機パターン(第2暖機パターン)で走行が行われた場合の暖機完了位置が推定される。暖機完了位置とは、自動変速機10の油温が予め設定された暖機閾値以上になった時点をいう。
暖機完了位置は、初期油温と、変速段と、車速・経過時間などに基づいて、予め求められていたマップを参照して、推定される。ここで、暖機完了位置がマップを参照して推定される技術は、公知である。例えば、図8−1及び図8−2に示すマップを用いて、暖機完了位置が求められることができる。
図8−1は、自動変速機10の油温(初期油温を含む)がXa〜Xb℃の範囲にあるときの変速段と車速(自動変速機10の出力軸120cの回転数NOに対応)とから決まる単位時間当たりの油温上昇量を示すマップである。図8−2は、自動変速機10の油温(初期油温を含む)がXb〜Xc℃の範囲にあるときの変速段と車速とから決まる単位時間当たりの油温上昇量を示すマップである。
図8−1のマップには、例えば、自動変速機10の油温がXa以上Xb未満のXx℃であるときに、2速ギヤ段で回転数NOが2000rpmであるときには、毎秒a22℃ずつ油温が上昇すると推定されることが定められている。よって、2速ギヤ段で回転数NOが2000rpmである状態で3秒間走行すると、油温は、(Xx+3×a22)℃となることが推定される。
油温が低温であるほど、油温の変化によって、単位時間当たりの油温上昇量が大きく変化する。そのため、油温が低温であるほど、同一油温帯であるとして同一マップが使用される油温帯の幅は小さく設定されている。また、自動変速機10の油温は、時間の経過に連れて所定の油温X℃までは概ね線形に上昇するが、それの油温X℃以上は上昇しないという傾向にある。よって、図8−1及び図8−2のマップを用いた自動変速機10の油温の推定は、推定温度がX℃になることを上限とする。なお、上限となる自動変速機10の油温X℃は、外気温の関数である。ステップS5の次に、ステップS6が行われる。
[ステップS6]
ステップS6では、制御装置100により、上記ステップS5で推定された暖機完了位置に基づいて、第2暖機パターンで走行が行われた場合の燃費が推定される。暖機完了位置が決まると、燃費を算出することができる。ステップS6の次に、ステップS7が行われる。
[ステップS7]
ステップS7では、制御装置100により、上記ステップS4で算出した第1暖機パターンでの平均燃費と、上記ステップS6で推定された燃費が比較される。ステップS7の判定の結果、現在の第1暖機パターンの方が第2暖機パターンよりも低燃費であれば(ステップS7−N)、本制御フローはリセットされる。ステップS7の判定の結果、第2暖機パターンの方が第1暖機パターンよりも低燃費であれば、ステップS8に進む。
[ステップS8]
ステップS8では、制御装置100により、暖機パターンが第1暖機パターンから第2暖機パターンに変更される。ステップS8の次に、ステップS9が行われる。
[ステップS9]
ステップS9では、制御装置100により、現在の暖機パターンの定義が第2暖機パターンに変更される。ステップS9の次に、ステップS10が行われる。
[ステップS10]
ステップS10では、制御装置100により、上記カウンタのカウンタ値がリセットされる。ステップS10の次に、本制御フローはリセットされる。
[ステップS11]
ステップS11では、制御装置100により、今回の走行データ(走行経路、車速V、スロットル弁開度TA、変速段、ロックアップクラッチ31の状態等)が、走行履歴データベース91に蓄積される。ステップS11では、今回の走行経路が通勤経路である場合(S1−Y)に、その走行データが走行履歴データベース91に格納される。ステップS11の次には、本制御フローはリセットされる。
季節や一日の中の時間帯などにより変化する、車両のスタート時の自動変速機10の油温、又はエンジンの始動時の自動変速機10の油温等により最適な暖機パターンが変わる可能性があるので、新パターン(ここでは第2暖機パターン)で所定回数(N1回)走行したら(ステップS3−Y)、別の暖機パターン(ここでは第1暖機パターン)での燃費と再度比較する。
図2は、本実施形態にて通勤経路であると認定された経路に関する走行状態を示す図である。図2には、通勤経路の道路勾配101と、変速段102と、アクセル開度103と、ロックアップクラッチ(L/C)31の係合(又は半係合)状態104と、燃料カット状態105と、自動変速機10の油温106と、燃費差107とが示されている。
本実施形態では、5速AT車を対象とし、説明の簡略化のため、平坦→降坂→平坦の通勤経路を考える。図2において、A地点が通勤経路の出発点であり、F地点が通勤経路の目的地である。道路勾配101に示すように、A地点からC地点までは平坦路であり、C地点からE地点までは下り勾配であり、E地点からF地点までが平坦路となっている。
図2の実線は、第1暖機パターン(標準パターン)での特性を示している。上記のように、第1暖機パターンでは、5速ギヤ段への変速が禁止される。この場合、自動変速機10の油温106が暖機閾値を越えて暖機が完了するのは、降坂開始後のD点となるとする(D点にて5速ギヤ段への変速が許可されている)。
ここで、降坂路のD点では、アクセル開度103は、全閉とされている。ロックアップクラッチは、車両が被駆動状態(パワーオフ状態)であるときには、係合され難いという性質があるから、アクセル開度103が全閉のD点では、暖機が完了しても、ロックアップクラッチ31の係合又はスリップ(半係合)状態への移行は困難である。
ロックアップクラッチ31が係合されると、駆動輪の回転トルクがトルクコンバータ21を介さずに直接エンジン20に伝達されることにより、エンジン回転数が向上する。しかし、D点では、上記のように、ロックアップクラッチ31の係合又はスリップ(半係合)状態となるのが困難であることから、エンジン回転数(Ne)は、フューエルカット復帰回転数よりも低く、フューエルカットされない(燃料カット状態105参照)。この場合、少なくとも、車両が駆動状態となる降坂路終了のE点までは、ロックアップクラッチ31が係合又はスリップ(半係合)状態となるのが困難であることから、フューエルカットされない。
図2の破線は、第2暖機パターンでの特性を示している。上記のように、第2暖機パターンでは、4速ギヤ段以上への変速が禁止される。第2暖機パターンでは、第1暖機パターンと異なり、暖機が完了するまで4速ギヤ段にアップシフトされずに、3速ギヤ段でホールドされるため、第1暖機パターンよりも早期に暖機が完了する。図2では、降坂が開始する前のB点で、自動変速機10の油温106が暖機閾値を越えて暖機が完了する(B点にて5速ギヤ段への変速が許可されている)。
第2暖機パターンで暖機が完了したB点では、アクセル開度103が全閉ではなく、車両が駆動状態であるから、ロックアップクラッチ31の係合又は半係合が可能である(ロックアップクラッチ31のスリップ制御状態104参照)。
降坂が開始されるC点から、アクセル開度103が全閉になり減速状態となると、減速時のロックアップクラッチの係合、又は減速スリップ制御が可能であり、エンジン回転数がフューエルカット復帰回転数よりも高くなり、フューエルカットの運転が可能となる(燃料カット状態105参照)。
図2の燃費差107では、第1暖機パターンを基準としたときの第2暖機パターンの燃費を示している。第2暖機パターンでは、B点までは3速ギヤ段が選択され、4速ギヤ段が選択される第1暖機パターンよりもアクセル開度は低くなり、エンジン回転数は大きくなる(暖機が早く完了する)。
このように、第2暖機パターンでは、B点までは、低負荷高回転でエンジン使用域として、燃費の良くない領域を使用するので、燃費は相対的に悪くなる。その後のC点からE点までは、第2暖機パターンにおいて、フューエルカット運転が可能になるので、出発地A点から目的地F点までの全体としては、大きく燃費の向上を図ることができる。この場合、図1のステップS7では、第2暖機パターンの方が第1暖機パターンよりも低燃費であると判定されて、ステップS8では、第2暖機パターンに変更される。
なお、図2の例では、第2暖機パターンでは、暖機完了後、4速ギヤ段を継続するようにしているが、第1暖機パターンと同様に、5速ギヤ段としてもよい。ここでは、先方の降坂を検知して、4速ギヤ段を継続させ、ドライバビリティの面(エンジンブレーキ力)の向上を図っている。
上記第1実施形態では、代替可能な暖機パターンは、1つとして説明したが、複数であってもよい。その場合、上記ステップS5及びステップS6では、複数の別暖機パターンを対象とし、上記ステップS8では、それら複数の別暖機パターンの中で最も好燃費の別暖機パターンに変更されることができる。
なお、代替可能な暖機パターンは、燃費の面だけでなく、ドライバビリティを考慮して設定される必要がある。例えば、2速ギヤ段以上への変速が禁止される暖機パターンに設定された場合には、暖機完了位置は早期になり、フューエルカットがされ易いが、エンジン音が大きく、また、低速域でもエンジンブレーキが効いてしまい、ドライバビリティの面では良くない。そのため、ドライバビリティの面で良くない暖機パターンは設定されないようにされる。
また、暖機パターンの設定に際しては、運転者の日頃の運転パターンが考慮されることが有効である。日頃、アクセル開度をあまり極端に大きくせずに運転することが多い運転者にとって、アクセル開度の全開時間が長くされたときに暖機が早期に完了することを想定した暖機パターンが設定されても意味が無い。そのため、運転者の過去の走行履歴に基づいて、その運転者の運転パターン(アクセル開度など)を考慮して、その運転者のドライバビリティの面で許容される暖機パターンが設定されるのが好ましい。
また、自動変速機10としては、有段の変速機の例を示したが、無段変速機であることが可能である。この場合、暖機パターンは無数存在するので、燃費の面で最適な暖機パターンを求めることが可能となる。
(第2実施形態)
次に、図10を参照して、本発明の車両用変速機の制御装置の第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、上記第1実施形態と共通する部分についての説明は省略する。
図10において、図1と異なる点は、ステップSA5において、実際に別暖機パターンで走行してみて、その走行結果に基づいて、その別暖機パターンの燃費を計算する点である。そして、ステップSA6において、別暖機パターンの方が現暖機パターンよりも低燃費であれば、ステップSA7において、その別暖機パターンに変更される。
図10において、ステップSA1での通勤経路の特定は、現暖機パターンと別暖機パターンが同一区間を走行することを保証するために行われる。第2実施形態では、別暖機パターンについても実際に走行するため、現暖機パターンと同一区間でなければ意味が無いためである。
なお、上記第1実施形態では、別暖機パターンの燃費が計算により推定され、上記第2実施形態では、別暖機パターンの燃費は、実際に別暖機パターンで走行されることにより求められた。これに対して、上記第1及び第2実施形態の両方を合わせた形を採用することができる。即ち、上記第1実施形態のように計算ベースで、現暖機パターンと別暖機パターンの燃費の比較を行い、その比較の結果、別暖機パターンの方が低燃費であれば、上記第2実施形態にように、別暖機パターンで実際に走行し、その走行の結果に基づいて別暖機パターンについての燃費が算出され、その結果、別暖機パターンについての実際の走行による燃費が現暖機パターンの燃費よりも低ければ、別暖機パターンに変更されることができる。
また、上記第1実施形態及び第2実施形態のそれぞれにおいて、異なる季節や異なる時間帯(外気温が異なる環境)において、車両のスタート時の油温又はエンジンの始動時の油温等が異なることから、最も低燃費である最適な暖機パターンが変わることがある。そのため、基準値N1の値及び本制御フローの実行サイクルの設定に際しては、それらの外気温が異なる環境となるタイミングに合わせて、本制御フローによる最適な暖機パターンの選択動作が行われるように設定されることが効果的である。
本発明の車両用変速機の制御装置の第1実施形態の制御内容を示すフローチャートである。 本発明の車両用変速機の制御装置の第1実施形態を説明するためのタイムチャートである。 本発明の車両用変速機の制御装置の第1実施形態における自動変速機を示すスケルトン図である。 本発明の車両用変速機の制御装置の第1実施形態における自動変速機の作動表を示す図である。 本発明の車両用変速機の制御装置の第1実施形態における自動変速機の変速線図を示す図である。 本発明の車両用変速機の制御装置の第1実施形態の概略構成を説明するための説明図である。 本発明の車両用変速機の制御装置の第1実施形態のロックアップクラッチの係合制御を説明するための図である。 本発明の車両用変速機の制御装置の第1実施形態の自動変速機の油温の上昇分を推定するためのマップを示す図である。 本発明の車両用変速機の制御装置の第1実施形態の自動変速機の油温の上昇分を推定するための他のマップを示す図である。 本発明の車両用変速機の制御装置の第1実施形態の自動変速機の油温の特性を示す図である。 本発明の車両用変速機の制御装置の第2実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
符号の説明
10 自動変速機
20 エンジン
21 トルクコンバータ
31 ロックアップクラッチ
34 油圧制御装置
51 変速機油温センサ
54 エンジン回転速度センサ
55 スロットル開度センサ
57 シフトポジションセンサ
58 ナビゲーションシステム装置
77 CPU
78 RAM
79 ROM
80 燃料噴射弁
91 走行履歴データベース
100 制御装置

Claims (2)

  1. 車両が暖機完了状態となるために変速段又は変速比の変更を規制する暖機パターンが複数設定可能な車両用変速機の制御装置であって、
    一方の暖機パターンが利用されたときの燃費を測定又は推定する手段と、
    他方の暖機パターンが利用されたときの燃費を測定又は推定する手段と、
    前記一方の暖機パターンについての燃費の測定又は推定の結果と、前記他方の暖機パターンについての燃費の測定又は推定の結果の比較結果に基づいて、選択すべき暖機パターンを決定する
    ことを特徴とする車両用変速機の制御装置。
  2. 請求項1記載の車両用変速機の制御装置において、
    外気温が設定値以上異なるタイミングで、改めて、前記一方の暖機パターンについての燃費の測定又は推定の結果と、前記他方の暖機パターンについての燃費の測定又は推定の結果の比較結果に基づいて、選択すべき暖機パターンを決定する
    ことを特徴とする車両用変速機の制御装置。
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JP2014152861A (ja) * 2013-02-08 2014-08-25 Daimler Ag 機械式自動変速機の初期設定方法

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