JP2010156358A - 変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの燃料消費率を低下させ、かつ、車両の運転者が変速制御に違和感を持つことを防止することのできる、変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジンと、エンジンから出力された動力が伝達される変速機とを有し、複数種類の変速制御をおこなうことの可能な、変速機の制御装置において、エンジンの燃料消費率を相対的に少なくする変速特性を有する第1の変速処理と、車速の変化量に対する変速比の変化回数が第1の変速処理よりも少ない特性を有する第2の変速処理とを備え、第2の変速処理が選択されているときに、第1の変速処理をおこなうと、変速機で1段階のアップシフトがおこなわれるか否かを推定する推定手段(ステップS2)と、推定手段(ステップS2)で、変速機で1段階のアップシフトがおこなわれると推定された場合は、第2の変速処理から第1の変速処理に切り替える切替手段(ステップS4)とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】エンジンと、エンジンから出力された動力が伝達される変速機とを有し、複数種類の変速制御をおこなうことの可能な、変速機の制御装置において、エンジンの燃料消費率を相対的に少なくする変速特性を有する第1の変速処理と、車速の変化量に対する変速比の変化回数が第1の変速処理よりも少ない特性を有する第2の変速処理とを備え、第2の変速処理が選択されているときに、第1の変速処理をおこなうと、変速機で1段階のアップシフトがおこなわれるか否かを推定する推定手段(ステップS2)と、推定手段(ステップS2)で、変速機で1段階のアップシフトがおこなわれると推定された場合は、第2の変速処理から第1の変速処理に切り替える切替手段(ステップS4)とを備えている。
【選択図】図1
Description
この発明は、エンジンの動力が変速機に伝達される構成であり、その変速機の変速線図を複数種類備えている、変速機の制御装置に関するものである。
従来、変速機が設けられた車両において、運転者の運転指向に適合した変速制御をおこなうことのできる技術が知られており、その一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された車両では、エンジンから出力された動力が、トルクコンバータおよび自動変速機および図示しない差動歯車装置および車軸を経て図示しない駆動輪へ伝達されるように構成されている。また、自動変速機の変速比を制御する電子制御装置が設けられている。この電子制御装置には、複数種類の変速線図、つまり、加速指向の変速線図、および中間指向の変速線図、および燃費指向の変速線図が記憶されている。
ここで、加速指向の変速線図は、中間指向の変速線図と比較して、高エンジン回転速度で変速が実行されるように変速線が設定されている。また、燃費指向の変速線図は、中間指向の変速線図と比較して、低エンジン回転速度で変速が実行されるように変速線が設定されている。そして、ブレーキペダルの非操作中に、アクセルペダルの戻し操作が完了してから、アクセルペダルが踏み込み操作されるまでの間におけるアクセルペダルの非操作時間、あるいはブレーキペダルの操作が完了してから、アクセルペダルの踏み込みが開始されるまでの間におけるアクセルペダルの非操作時間を算出し、その算出結果に基づいて各変速線図を切り替える制御をおこなうことが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載された発明においては、複数種類の変速線図を切り替えることにより、燃費指向の変速制御をおこなうことで、エンジンの燃費を向上、言い換えれば、燃料消費率を低下させることができるものの、その変速比が頻繁に変更されることに運転者が違和感を持つ可能性があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、エンジンの燃料消費率を低下させることができ、かつ、車両の運転者が変速制御に違和感を持つことを防止することのできる、変速機の制御装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、燃料を燃焼させて動力を発生するエンジンと、このエンジンから出力された動力が伝達され、かつ、入力回転数と出力回転数との間の変速比を段階的に変更可能な変速機とを有し、前記変速機の変速比を制御するために、変速比の制御特性が異なる複数種類の変速処理を選択的に切り替えることの可能な、変速機の制御装置において、前記複数種類の変速処理には、前記エンジンの燃料消費率が相対的に小さくなる変速特性を有する第1の変速処理と、前記変速機における変速比の変更頻度が相対的に少ない特性を有する第2の変速処理とが含まれており、前記第2の変速処理を選択して前記変速機の変速比を制御しているときに、仮に前記第1の変速処理を選択して前記変速機を制御すると、前記変速機の変速比を1段階小さくする変速がおこなわれるか否かを推定する推定手段と、この推定手段により、その第1の変速処理を選択すると前記変速機の変速比を1段階小さくする変速がおこなわれると推定された場合は、前記第2の変速処理から前記第1の変速処理に切り替えて前記変速機の変速比を制御する切替手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記エンジンおよび前記変速機が車両に搭載されており、この車両が前記エンジンから出力される動力で走行する構成であり、前記第1の変速処理および第2の変速処理は、前記車両の乗員が操作する操作部材の操作量に基づいて前記変速比を決定する処理を含み、前記推定手段は、前記第2の変速処理が選択され、かつ、前記操作部材の操作量が予め定められた所定値以上である場合に、前記変速機の変速比を1段階小さくする変速がおこなわれるか否かを推定する手段を含むことを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1の構成に加えて、前記エンジンおよび前記変速機が車両に搭載されており、この車両が前記エンジンから出力される動力で走行する構成であり、前記第1の変速処理および前記第2の変速処理は、前記車両の乗員が操作する操作部材の操作量に基づいて前記変速比を決定する処理を含み、前記推定手段は、前記第2の変速処理が選択され、かつ、前記操作部材の操作量が予め定められた所定値以上であり、かつ、車速が上昇する場合に、前記変速機の変速比を1段階小さくする変速がおこなわれるか否かを推定する手段を含むことを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項2または3の構成に加えて、前記第1の変速処理および前記第2の変速処理は、車速および操作部材の操作量をパラメータとする変速線図を用いて、前記変速機の変速比を決定する処理を含むことを特徴とするものである。
請求項5の発明は、燃料を燃焼させて動力を発生するエンジンと、このエンジンから出力された動力が伝達され、かつ、入力回転数と出力回転数との間の変速比を段階的に変更可能な変速機とを有し、前記変速機の変速比を制御するために、変速比の制御特性が異なる複数種類の変速処理を選択的に切り替えることの可能な、変速機の制御装置において、前記複数種類の変速処理には、前記エンジンの燃料消費率が相対的に小さくなる変速特性を有する第1の変速処理と、前記変速機における変速比の変更頻度が相対的に少ない特性を有する第2の変速処理とが含まれており、前記第2の変速処理を選択して前記変速機の変速比を制御しているときに、前記車両の走行する道路情報を求め、仮に前記第1の変速処理を選択して前記変速機を制御すると、前記変速機の変速比を2段階小さくする変速が生じる程度に車速を上昇させられない道路状況であるために、前記変速機の変速比を1段階小さくする変速がおこなわれるか否かを推定する推定手段と、前記推定手段により、その第1の変速処理を選択すると前記変速機の変速比を1段階小さくする変速がおこなわれると推定された場合は、前記第2の変速処理から前記第1の変速処理に切り替えて前記変速機の変速比を制御する切替手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項6の発明は、燃料を燃焼させて動力を発生するエンジンと、このエンジンから出力された動力が伝達され、かつ、入力回転数と出力回転数との間の変速比を段階的に変更可能な変速機とを有し、前記変速機の変速比を制御するために、変速比の制御特性が異なる複数種類の変速処理を選択的に切り替えることの可能な、変速機の制御装置において、前記複数種類の変速処理には、前記エンジンの燃料消費率が相対的に小さくなる変速特性を有する第1の変速処理と、前記変速機における変速比の変更頻度が相対的に少ない特性を有する第2の変速処理とが含まれており、前記第2の変速処理を選択して前記変速機の変速比を制御しているときに、前記車両の乗員が操作する操作部材の操作量および前記車両の走行抵抗を求め、仮に前記第1の変速処理を選択して前記変速機を制御すると、前記変速機の変速比を2段階小さくする変速が生じる程度に車速を上昇させられない前記操作部材の操作量および前記車両の走行抵抗であるために、前記変速機の変速比を1段階小さくする変速がおこなわれるか否かを推定する推定手段と、前記推定手段により、その第1の変速処理を選択すると前記変速機の変速比を1段階小さくする変速がおこなわれると推定された場合は、前記第2の変速処理から前記第1の変速処理に切り替えて前記変速機の変速比を制御する切替手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項7の発明は、燃料を燃焼させて動力を発生するエンジンと、このエンジンから出力された動力が伝達され、かつ、入力回転数と出力回転数との間の変速比を段階的に変更可能な変速機とを有し、前記変速機の変速比を制御するために、変速比の制御特性が異なる複数種類の変速処理を選択的に切り替えることの可能な、変速機の制御装置において、前記複数種類の変速処理には、前記エンジンの燃料消費率が相対的に小さくなる変速特性を有する第1の変速処理と、前記変速機における変速比の変更頻度が相対的に少ない特性を有する第2の変速処理とが含まれており、前記第2の変速処理を選択して前記変速機の変速比を制御しているときに、仮に前記第1の変速処理を選択して前記変速機を制御すると、前記変速機の現在の変速比が、最小変速比に相当する最高速段よりも1段階下の変速段であるために、前記変速機の変速比が1段階小さくなる前記最高速段とする変速がおこなわれるか否かを推定する推定手段と、前記推定手段により、その第1の変速処理を選択すると前記変速機の変速比が1段階小さくなる最高速段に変速されると推定された場合は、前記第2の変速処理から前記第1の変速処理に切り替えて前記変速機の変速比を制御する切替手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、エンジンの燃料消費率を相対的に少なくする変速特性を有する第1の変速処理と、変速機の変速比の変更頻度が相対的に少ない特性を有する第2の変速処理とを切り替え可能である。また、第2の変速処理を選択して変速機の変速比を制御しているときに、仮に第1の変速処理により変速機の変速比を制御すると、その変速機で変速比を1段階小さくする変速、つまり、アップシフトがおこなわれるか否かを推定する。ここで、変速機で1段階のアップシフトがおこなわれると推定された場合は、第2の変速処理から第1の変速処理に切り替えて変速機の変速比を制御する。これにより、エンジン回転数を低下させることができ、エンジンの燃費が向上、言い換えれば、エンジンの燃料消費率が低下する。また、変速機では1段階のアップシフトがおこなわれることに止まるため、変速機の変速リズムに違和感を持つことを回避できる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、エンジンの動力で車両が走行中に、第2の変速処理を選択することを仮定して、操作部材の操作量が予め定められた所定値以上である場合に、変速機で1段階のアップシフトがおこなわれるか否かを推定する。つまり、操作部材の操作量が所定値以上であれば、車両の運転者が加速を要求していることが考えられるため、変速機で1段階のアップシフトがおこなわれても、運転者は違和感を持ちにくい。
請求項3の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、エンジンの動力で車両が走行中に、第2の変速処理を選択することを仮定して、操作部材の操作量が予め定められた所定値以上であり、かつ、車速が上昇すると判断された場合に、変速機で1段階のアップシフトがおこなわれるか否かを推定する。つまり、操作部材の操作量が所定値以上であり、かつ、車速が上昇していればれば、車両の運転者が加速を要求していることが考えられるため、変速機で1段階のアップシフトがおこなわれても、運転者は違和感を持ちにくい。請求項4の発明においても、請求項2または3と同様の効果を得られる。
請求項5の発明によれば、エンジンの燃料消費率を相対的に少なくする変速特性を有する第1の変速処理と、変速機の変速比の変更頻度が相対的に少ない特性を有する第2の変速処理とを切り替え可能である。また、第2の変速処理を選択して変速機の変速比を制御しているときに、仮に第1の変速処理により変速機の変速比を制御すると、その変速機で変速比を1段階小さくする変速、つまり、アップシフトがおこなわれるか否かを推定する。ここで、変速機の変速比を2段階小さくする変速が生じる程度に車速を上昇させられない道路状況であるために、変速機で1段階のアップシフトがおこなわれると推定された場合は、第2の変速処理から第1の変速処理に切り替えて変速機の変速比を制御する。これにより、エンジン回転数を低下させることができ、エンジンの燃費が向上、言い換えれば、エンジンの燃料消費率が低下する。また、変速機では1段階のアップシフトがおこなわれることに止まるため、変速機の変速リズムに違和感を持つことを回避できる。
請求項6の発明によれば、エンジンの燃料消費率を相対的に少なくする変速特性を有する第1の変速処理と、変速機の変速比の変更頻度が相対的に少ない特性を有する第2の変速処理とを切り替え可能である。また、第2の変速処理を選択して変速機の変速比を制御しているときに、仮に第1の変速処理により変速機の変速比を制御すると、その変速機で変速比を1段階小さくする変速、つまり、アップシフトがおこなわれるか否かを推定する。ここで、変速機の変速比を2段階小さくする変速が生じる程度に車速を上昇させられない操作部材の操作量および車両の走行抵抗であるために、変速機の変速比を2段階小さくする変速が生じる程度に車速を上昇させられず、変速機で1段階のアップシフトがおこなわれると推定された場合は、第2の変速処理から第1の変速処理に切り替えて変速機の変速比を制御する。これにより、エンジン回転数を低下させることができ、エンジンの燃費が向上、言い換えれば、エンジンの燃料消費率が低下する。また、変速機では1段階のアップシフトがおこなわれることに止まるため、変速機の変速リズムに違和感を持つことを回避できる。
請求項7の発明によれば、エンジンの燃料消費率を相対的に少なくする変速特性を有する第1の変速処理と、変速機の変速比の変更頻度が相対的に少ない特性を有する第2の変速処理とを切り替え可能である。また、第2の変速処理を選択して変速機の変速比を制御しているときに、仮に第1の変速処理により変速機の変速比を制御すると、その変速機で変速比を1段階小さくする変速、つまり、アップシフトがおこなわれるか否かを推定する。ここで、変速機の現在の変速比が、最小変速比に相当する最高速段よりも1段階下の変速段であるために、変速機の変速比が1段階小さくなる最高速段とする変速がおこなわれると推定された場合は、第2の変速処理から第1の変速処理に切り替えて変速機の変速比を制御する。これにより、エンジン回転数を低下させることができ、エンジンの燃費が向上、言い換えれば、エンジンの燃料消費率が低下する。また、変速機では1段階のアップシフトがおこなわれることに止まるため、変速機の変速リズムに違和感を持つことを回避できる。
この発明において、第1の変速処理および第2の変速処理には、車両に設けられている操作部材の操作量に基づいて、変速機の変速比を決定する処理が含まれる。この発明において、エンジンの燃料消費率が相対的に小さくなるとは、第1の変速処理と第2の変速処理とを比較したときの相対的な特性の相違を意味している。なお、エンジンの燃料消費率が相対的に小さくなることは、エンジンの燃料消費量が相対的に少なくなることと技術意味は同じである。また、変速機における変速比の変更頻度が相対的に少ないとは、第1の変速処理と第2の変速処理とを比較したときの相対的な特性の相違を意味している。前記操作部材は、車両の運転者の手または足により操作される装置であり、操作部材には、足により操作されるアクセルペダル、手により操作されるレバー、ノブなどが含まれる。これらの操作部材は、乗員の意図を車両の駆動力に反映させるために操作される操作部材であり、その操作部材の操作量が相対的に多くなるほど、要求される駆動力が大きいものとして、エンジン出力および変速機の変速比が制御される。
また、第1の変速処理および第2の変速処理は、電子制御装置に入力される信号および電子制御装置に記憶されているデータまたはマップを用いて、変速機の変速比を決定する処理である。そのマップを用いる例を挙げると、電子制御装置に、車速および操作部材の操作量をパラメータとする変速線図を記憶しておき、第1の変速処理および第2の変速処理は、その変速線図を用いて変速機の変速比を決定することができる。この場合、第1の変速処理と第2の変速処理とで用いる変速線図を予め別々に用意しておいてもよい。また、いずれか一方の変速線図を電子制御装置に記憶しておき、その変速線図を演算処理により補正して他方の変速線図としてもよい。また、データを用いる例を挙げると、電子制御装置に車速および操作部材の操作量をパラメータとして変速機の変速を決定する演算式を記憶しておき、第1の変速処理および第2の変速処理は、その演算式を用いて変速機の変速比を決定することもできる。この場合、第1の変速処理と第2の変速処理とでは、演算式自体を異ならせたり、演算式を同じとし、その演算式を構成する係数もしくは関数を、第1の変速処理と第2の変速処理とで異ならせることで、変速特性を変更することも可能である。
つぎに、この発明の具体例を図面に基づいて説明する。図2は、この発明の適用対象である車両1の概念図である。車両1には、車輪に伝達する動力を発生する駆動力源としてエンジン2が搭載されている。エンジン2は燃料を燃焼させた時に生じる熱エネルギを運動エネルギに変換して出力する動力装置であり、エンジン2としては内燃機関、例えば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジン、メタノールエンジンなどを用いることが可能である。このエンジン2には、エンジン回転数およびエンジントルクを制御する機構として、吸入空気量を制御する電子スロットルバルブ(図示せず)、および燃料噴射量を制御する燃料噴射バルブ(図示せず)などが設けられている。このエンジン2から車輪に至る動力伝達経路には流体伝動装置3が設けられている。この流体伝動装置3は、作動油の運動エネルギにより動力伝達をおこなう伝動装置であり、この流体伝動装置3は、ポンプインペラ(図示せず)およびタービンランナ(図示せず)を有している。そのポンプインペラがエンジン2の出力軸(図示せず)と動力伝達可能に接続されている。
また、流体伝動装置3と車輪との間の動力伝達経路には変速機4が設けられている。この変速機4の入力軸(図示せず)とタービンランナ(図示せず)とが動力伝達可能に接続されている。この変速機4は、有段変速機、具体的には、遊星歯車機構(図示せず)および摩擦係合装置(図示せず)を有する変速機である。この摩擦係合装置には、クラッチおよびブレーキなどが含まれており、摩擦係合装置の係合および解放を制御することにより、変速機4の入力軸と出力軸との間の回転数の比、つまり、変速比を段階的に切り替えることができる。変速機4の変速段は、遊星歯車機構の構成および遊星歯車機構の数、回転要素同士の接続関係等を設計することにより決定される。この具体例では、変速機4を制御するシフトポジションとして、パーキングポジション、リバースポジション、ニュートラルポジション、ドライブポジション、2ポジション、Lポジション等を選択可能である。このドライブポジションが選択された場合に、第1速ないし第4速の変速段を選択的に切り替え可能な変速機4であるものとして説明する。2ポジションでは、第1速および第2速での変速が可能であり、Lポジションでは第1速に固定される。
さらに、エンジン2から変速機4に至る動力伝達経路で、流体伝動装置3とロックアップクラッチ(図示せず)とが並列に配置されている。このロックアップクラッチは、エンジン2と変速機4との間で摩擦力により動力伝達をおこなう伝動装置である。このロックアップクラッチは、係合および解放およびスリップの各状態を選択的に切り替え可能である。上記の摩擦係合装置の係合および解放を制御し、かつ、ロックアップクラッチの係合および解放を制御するアクチュエータとして、油圧制御装置5が用いられている。この油圧制御装置5は、作動油の流れる油圧回路、この油圧回路の油圧を制御する圧力制御弁、圧油を供給する油路を切り替える方向制御弁、油路に供給する圧油の流量を制御する流量制御弁などを有する公知のものである。これらの圧力制御弁および方向制御弁および流量制御弁は、例えば、ソレノイドバルブにより構成することができる。さらに、変速機4の出力軸から車輪6に至る動力伝達経路には、プロペラシャフト7および終減速機8が設けられている。図2に示された車両1は、エンジン2の動力が変速機4を経由して車輪6、具体的には後輪に伝達される構成の後輪駆動車である。
一方、車両1には、前記エンジン2の回転数およびトルクを制御するエンジン用電子制御装置9、前記変速機4の変速比の制御、およびロックアップクラッチの係合および解放を制御する変速機用電子制御装置10が設けられており、各電子制御装置には、各種の制御をおこなうために、データおよびプログラムなどが記憶されている。各電子制御装置には、各種の制御をおこなうために用いるセンサの信号、例えば、エンジン回転数を検知するセンサ、電子スロットルバルブの開度を検知するスロットル開度センサ、車速を検知するセンサ、変速機4の入力回転数を検知するセンサ、変速機4の出力回転数を検知するセンサ、選択されたシフトポジションを検知するセンサ、アクセルペダル12の操作状態を検知するアクセル開度センサ、ブレーキペダル(図示せず)の操作状態を検知するブレーキセンサ、地磁気センサ、操舵角センサ、道路勾配センサ、車間距離センサ、赤外線カメラ、レーザレーダレンサなどの信号が入力される。
ここで、変速機用電子制御装置10に記憶されているデータ、より具体的には、変速機4の変速比を制御する変速線図を、図3および図4に基づいて説明する。図3は通常用の変速線図であり、図4は燃費優先用の変速線図である。これらの変速線図には、車速およびアクセル開度をパラメータとして変速機4の変速段を変更する基準となる変速線が示されている。まず、図3および図4に共通する事項を説明する。この変速線には、変速前の変速比の方が大きく、かつ、変速後の変速比が小さい変速であるアップシフト線、変速前の変速比の方が小さく、かつ、変速後の変速比が大きい変速であるダウンシフト線の2種類がある。図3および図4では、アップシフト線が実線で示され、ダウンシフト線が破線で示されている。この図3および図4において、「1→2」は第1速(1st)から第2速(2nd)にアップシフトする基準となるアップシフト線、「2→3」は第2速から第3速(3rd)にアップシフトする基準となるアップシフト線、「3→4」は第3速から第4速(4th)にアップシフトする基準となるアップシフト線である。「4→3」は第4速から第3速にダウンシフトする基準となるダウンシフト線、「3→2」は第3速から第2速にダウンシフトする基準となるダウンシフト線、「2→1」は第2速から第1速にダウンシフトする基準となるダウンシフト線である。そして、車速およびアクセル開度が、変速線を横断するように変化したときに、アップシフトまたはダウンシフトをおこなう判定が成立する。すると、変速機用電子制御装置10から油圧制御装置5を制御する信号が出力されて、摩擦係合装置の係合および解放が切り替えられ、変速機4の変速段が、現在の変速段から他の変速段に変更(変速)される。
また、2つの変速線図では、アクセル開度が所定値θ1以下である領域θAと、アクセル開度が所定値θ1を越える領域θBとに区分されている。アクセル開度θ1の所定値は、車速に関わりなく一定である。そして、各変速線は、領域θAおよび領域θBの両方に亘って設けられている。ここで、領域θAにおける変速線同士の間隔は、領域θBの変速線同士の間隔よりも狭い。つまり、領域θBでは、領域θAに比べて、車速が変化しても変速比が変更されにくい。別の見方をすると、領域θAは、領域θBに比べて、車速の上昇にともない変速比が変更され易く、領域θAの方が、領域θBに比べて、相対的に小さな変速比が選択されやすい特性である。
つぎに、通常用の変速線図と燃費優先用の変速線図とを対比して説明する。アクセル開度θ1以下の領域θAでは、通常用の変速線図における変速線と、燃費優先用の変速線図における変速線とが同じ位置に設けられている。つまり、領域θAでは、図3および図4の変速線図の変速特性が同じである。これに対して、アクセル開度θ1を越える領域θBでは、通常用の変速線図における変速線同士の間隔は、燃費優先用の変速線図における変速線同士の間隔よりも広い。また、アクセル開度θ1を越える領域θBでは、通常用の変速線図で変速線が設定されている車速は、燃費優先用の変速線図で変速線が設定されている車速よりも高い。つまり、燃費優先用の変速線図における領域θBでは、通常用の変速線図の領域θBに比べて、相対的に低車速でアップシフトが生じる変速特性を有する。これにより、燃費優先用の変速線図を用いる方が、通常用の変速線図を用いるよりも、エンジン回転数を相対的に低くすることができる。したがって、エンジン2の燃費を向上、言い換えれば、車両1の走行距離に対する燃料消費率を低下させることができる。このように、図4の変速線図は、燃費を重視したものであり、図3の変速線図は、車速の変化量に対して変速比の変更が生じる回数、つまり、変速頻度を相対的に少なくするものである。この図3の変速線図は変速リズムを重視していると言える。
一方、前記車両1には走行を支援する装置として、ナビゲーションシステム11が設けられている。車両1の乗員がナビゲーションシステム11を操作して、車両1の現在位置および車両1の目的地を入力し、かつ、現在位置から目的地までの走行経路を検索することができる。また走行経路における道路状況、およびその道路の交通情報を取得することもできる。このような機能のために、ナビゲーションシステム11では、地図情報および道路情報を記録した記録媒体、例えば、CD−ROM、DVDなどが用いられる。なお、ナビゲーションシステム11は電子制御装置(図示せず)を有しており、その電子制御装置と、エンジン用電子制御装置9および変速機用電子制御装置10との間で、相互に信号の授受が可能である。また、ナビゲーションシステム11は、車両1に取り付けられた発信器(図示せず)および受信機(図示せず)を有しており、地上に設置された情報交換施設と自車両との間、あるいは、宇宙空間を飛行する人工衛星と自車両との間で電波による交信をおこなうとともに、地磁気センサの信号および操舵角センサの信号および車速センサの信号などを処理して、車両1の現在位置に関する情報を検知するとともに、各種の道路情報を取得することが可能である。さらに、ナビゲーションシステムを有する他車両と、自車両との間で、双方向通信をおこなうことも可能である。さらにまた、地上に設置されたビーコンまたはサインポストと、自車両との間で通信をおこなうことも可能である。
つぎに、上記のように構成された車両1において、変速機4の変速比を制御する例を図1のフローチャートに基づいて説明する。まず、エンジン用電子制御装置9および変速機用電子制御装置10およびナビゲーションシステム11の電子制御装置に入力される信号が処理され、その処理結果に基づいて各種の制御がおこなわれる(ステップS1)。このステップS1の処理例を説明すると、例えば、シフトポジション、車速およびアクセル開度などの信号が変速機用電子制御装置10に入力され、その信号および通常用の変速線図に基づいて、変速機4の変速比を制御する制御信号が変速機用電子制御装置10から出力される。この制御信号により前記油圧制御装置5が制御されて、変速機4の摩擦係合装置の係合および解放が制御されて、変速機4で変速が実行される。また、このステップS1では、車速およびアクセル開度に基づいて車両における要求駆動力が求められ、その要求駆動力に基づいて、エンジン出力が制御される。
そして、車両1の走行中にドライブポジションが選択され、かつ、通常用の変速線図を用いて変速機の変速段(ギヤ段)を制御しているときに、通常用の変速線図から、燃費優先用の変速線図に切り替える条件が成立したか否かが判断される(ステップS2)。このステップS2の判断条件は、前記図4を用いておこなわれる。この図4には、車速およびアクセル開度の変化例として、CASE1ないしCASE5が示されている。なお、CASE1ないしCASE5の全てにおいて、アクセル開度はそれぞれ一定であり、車速が変化している。例えば、アクセル開度θ1以下の領域θAでは、図4の燃費優先用の変速線図の変速特性は、図3の通常用の変速線図の変速特性と同じである。このため、図4の領域θAでCASE4で示すように車速が変化したときに、変速機4の変速段の制御に用いるマップを、通常用の変速線図から燃費優先用の変速線図に切り替えても、エンジン2の燃料消費率は変わらないため、ステップS2で否定的に判断される。
また、図4の領域θBでCASE4として示すように、変速機4の最高速段である第4速が選択されているときに、さらに車速が上昇した場合も、変速機4ではアップシフトできないため、ステップS2で否定的に判断される。さらに、図4の領域θBでCASE5として示すように、現在の変速段が維持される範囲で車速が上昇した場合も、燃料消費率は変わらないため、ステップS2で否定的に判断される。さらに、図4の領域θBでCASE2として示すように車速が変化して、現在の変速段から2段以上のアップシフトがおこなわれることが推定される場合は、運転者が違和感を持つ可能性があるため、ステップS2で否定的に判断される。
これに対して、図4の領域θBで、現在の変速段から1段階のみ変速機4でアップシフトが生じる加速、あるいは再加速の場合は、ステップS2で肯定的に判断される。例えば、CASE1Aとして示すように、最高速段よりも1段下の第3速から第4速にアップシフトする場合、または、CASE1Bとして示すように、第1速から第2速にアップシフトする場合は、ステップS2で肯定的に判断される。なお、図4には示されていないが、第2速から第3速にアップシフトする場合も、ステップS2で肯定的に判断される。ここで、1段のみアップシフトする加速の状況としては、車両1の走行方向の前方に停止線があり、車速を2段のアップシフトが生じる程度に上昇させられない状況、現在のアクセル開度では、車両1の駆動力と走行抵抗とが釣り合って車速が上昇せず、2段以上のアップシフトが生じる見込みがない状況、自車両と他車両との車間距離が所定値以下であり、2段以上のアップシフトが生じる見込みがない状況、自車両と他車両との相対速度差が所定値以下であり、2段以上のアップシフトが生じる見込みがない状況、などが挙げられる。このような状況であるか否かの判断は、ナビゲーションシステム11の他、自車両に搭載されている道路情報検知システムから得られる道路情報を用いておこなう。ここで、道路情報検知システムには、前述の赤外線カメラ、レーザレーダセンサ、車間距離センサなどが含まれる。自車両と他車両との車間距離は、レーザレーダセンサ、車間距離センサ、赤外線カメラ、自車両と他車両との間の双方向通信などにより検知可能である。また、自車両と他車両との間の相対速度差は、赤外線カメラ、レーザレーダセンサの信号、自車両と他車両との間の双方向通信により検知可能である。前記車両1の駆動力は、エンジントルクおよび変速機4の変速比および終減速機8の変速比などから求めることができる。また、車両1の走行抵抗は、ナビゲーションシステム11、ビーコンまたはサインポストと自車両との間の通信により検知される道路勾配、予め決定されている車両1の重量などから求めることができる。
そして、ステップS2で否定的に判断された場合は、通常用の変速線図を用いて変速機4のギヤ段を決定する制御を継続する(ステップS3)。このステップS3では、図3の通常用の変速線図を用い、アクセル開度および車速のパラメータからギヤ段を決定する。これに対して、ステップS2で肯定的に判断された場合は、通常用の変速線図から燃費優先用の変速線図に切り替え、その燃費優先用の変速線図を用いて変速機4のギヤ段を決定する処理をおこなう(ステップS4)。そして、ステップS3またはステップS4で決定されたギヤ段を変速機4で実現するために、変速機用電子制御装置10から油圧制御装置5に制御信号を出力し(ステップS5)、リターンする。
つぎに、実施例の制御および比較例の制御を含むタイムチャートの一例を図5に基づいて説明する。比較例の制御では、燃費優先の変速線図を使うことなく、通常用の変速線図のみにより変速機の変速段を制御するものとする。この図5において、時刻t1以前においては、アクセル開度が一定であり、かつ、第4速が選択され、かつ、車速は一定である。時刻t1でアクセル開度が増加すると、変速機の変速段が第4速から第2速にダウンシフトされるとともに、車速が上昇を開始している。そして、時刻t2で車速が所定値以上になると、実施例では実線で示すように第2速から第3速にアップシフトされるとともに、車速が実線で示すように一定になる。これに対して、比較例の制御では、時刻t2以降も破線で示すように第2速に維持される。そして、比較例の制御では時刻t3になると、第2速から第3速にアップシフトされる。このように、時刻t2から時刻t3の間、実施例の制御の方が、比較例の制御に比べて、変速機の変速段を高くすることができる。つまり、エンジン回転数を相対的に低くすることができ、エンジンでの燃料消費率を相対的に小さくする運転領域に滞在する時間を稼ぐ(相対的に長くする)ことができる。この効果を図5では、燃費向上領域として示してある。
以上のように、図1の制御例によれば、通常用の変速線図を用いているときに、燃費優先用の変速線図を用いることを想定し、通常用の変速線図を用いるよりも、燃費優先用の変速線図を用いて変速機4の変速比を制御する方が、変速機4でアップシフトが1段階生じてエンジン2の燃費が良好となると推定される場合に限り、通常用の変速線図から燃費優先用の変速線図に切り替えられる。したがって、エンジン2の燃費が良好になり、かつ、変速機4ではアップシフトが1段階のみ生じるため、変速機4で変速ショックが生じる回数が1回のみとなり、運転者が変速リズムに違和感を持つことを回避できる。
特に、燃費優先用の変速線図で、アクセル開度が予め定められた所定値以上である場合は、運転者が加速、あるいは再加速を要求していることが考えられるため、変速機で1段階のアップシフトがおこなわれても、運転者は違和感を持ちにくい。さらに、燃費優先用の変速線図で、アクセル開度が予め定められた所定値以上であり、かつ、車速が上昇する場合は、運転者が加速、あるいは再加速を要求していることが考えられるため、変速機で1段階のアップシフトがおこなわれても、運転者は違和感を持ちにくい。
なお、図1の制御例は、エンジンの動力が前輪に伝達される構成の二輪駆動車、またはエンジンの動力が前輪および後輪の両方に伝達される構成の四輪駆動車にも適用可能である。また、駆動力源としてエンジンの他にモータ・ジェネレータを有する車両においても、図1の制御を実行可能である。さらに、有段変速機として、選択歯車式の変速機、または常時噛み合い式の変速機を用いた車両においても、図1の制御例を実行可能である。さらに、変速機として無段変速機を用いた車両においても、図1の制御例を実行できる。この無段変速機には、ベルト型無段変速機およびトロイダル型無段変速機が含まれる。さらに、無段変速機には遊星機構および電動機を用いた無段変速機が含まれる。この遊星機構は、相対回転可能な入力要素と反力要素と出力要素とを有しており、入力要素とエンジンとが連結され、反力要素と電動機とが接続され、出力要素と車輪とが接続される。そして、電動機の回転数を制御することにより、入力要素と出力要素との回転数の比、つまり変速比を無段階に変更可能である。上記の遊星機構には、遊星歯車機構および遊星ローラ機構が含まれる。上記のような無段変速機においても、変速比を段階的に制御することは可能であり、その場合に図1の制御を実行できる。
上記の説明は、電子制御装置に変速線図を記憶しておき、その変速線図、およびアクセル開度および車速を用いて変速機の変速段を決定する制御例である。これに対して、電子制御装置に変速機の変速比を決定する演算式を記憶しておき、その演算式、およびアクセル開度および車速を用いて変速機の変速段を決定する制御を、図1の制御で実行することも可能である。この場合、燃費優先用の演算式と、通常用の演算式とを別々に電子制御装置に記憶しておき、ステップS1で通常用の演算式を選択して変速機の変速比を制御しているときに、ステップS2では、燃費優先用の演算式を用いて変速機の変速比を制御すると、エンジンの燃費が向上し、かつ、アップシフトが1回のみ生じると判断された場合に、ステップS2で肯定的に判断されてステップS4に進む。このステップS4では、燃費優先用の演算式を用いて変速機の変速比が決定される。これに対して、ステップS2で否定的に判断された場合は、ステップS3に進み、通常用の演算式を選択して変速機の変速比を制御する処理を継続する。
他の例としては、燃費優先用の演算式と通常用の演算式とを同じ演算式とし、演算式における係数(もしくは関数)を異ならせることも可能である。例えば、ステップS1で、通常用の係数を選択して変速機の変速比を制御しているときに、ステップS2では、燃費優先用の係数を用いて変速機の変速比を制御すると、エンジンの燃費が向上し、かつ、アップシフトが1回のみ生じると判断された場合に、ステップS2で肯定的に判断されてステップS4に進む。このステップS4では、燃費優先用の係数を用いて変速機の変速比が決定される。これに対して、ステップS2で否定的に判断された場合は、ステップS3に進み、通常用の係数を選択して変速機の変速比を制御する処理を継続する。
ここで、図1に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すると、燃費優先用の変速線図を用いる変速比の制御、または燃費優先用の演算式を用いる変速比の制御、燃費優先用の係数または関数を用いる変速比の制御が、この発明の第1の変速処理に相当する。これに対して、通常用の変速線図を用いる変速比の制御、または通常用の演算式を用いる変速比の制御、通常用の係数または関数を用いる変速比の制御が、この発明の第2の変速処理に相当する。さらに、ステップS2が、この発明の推定手段に相当し、ステップS2からステップS4に進むルーチンが、この発明の切替手段に相当する。また、アクセルペダル12が、この発明の操作部材に相当し、アクセル開度が、この発明の操作部材の操作量に相当する。
1…車両、 2…エンジン、 4…変速機、 12…アクセルペダル。
Claims (7)
- 燃料を燃焼させて動力を発生するエンジンと、このエンジンから出力された動力が伝達され、かつ、入力回転数と出力回転数との間の変速比を段階的に変更可能な変速機とを有し、前記変速機の変速比を制御するために、変速比の制御特性が異なる複数種類の変速処理を選択的に切り替えることの可能な、変速機の制御装置において、
前記複数種類の変速処理には、前記エンジンの燃料消費率が相対的に小さくなる変速特性を有する第1の変速処理と、前記変速機における変速比の変更頻度が相対的に少ない特性を有する第2の変速処理とが含まれており、
前記第2の変速処理を選択して前記変速機の変速比を制御しているときに、仮に前記第1の変速処理を選択して前記変速機を制御すると、前記変速機の変速比を1段階小さくする変速がおこなわれるか否かを推定する推定手段と、
この推定手段により、その第1の変速処理を選択すると前記変速機の変速比を1段階小さくする変速がおこなわれると推定された場合は、前記第2の変速処理から前記第1の変速処理に切り替えて前記変速機の変速比を制御する切替手段と
を備えていることを特徴とする変速機の制御装置。 - 前記エンジンおよび前記変速機が車両に搭載されており、この車両が前記エンジンから出力される動力で走行する構成であり、
前記第1の変速処理および第2の変速処理は、前記車両の乗員が操作する操作部材の操作量に基づいて前記変速比を決定する処理を含み、
前記推定手段は、前記第2の変速処理が選択され、かつ、前記操作部材の操作量が予め定められた所定値以上である場合に、前記変速機の変速比を1段階小さくする変速がおこなわれるか否かを推定する手段を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の変速機の制御装置。 - 前記エンジンおよび前記変速機が車両に搭載されており、この車両が前記エンジンから出力される動力で走行する構成であり、
前記第1の変速処理および前記第2の変速処理は、前記車両の乗員が操作する操作部材の操作量に基づいて前記変速比を決定する処理を含み、
前記推定手段は、前記第2の変速処理が選択され、かつ、前記操作部材の操作量が予め定められた所定値以上であり、かつ、車速が上昇する場合に、前記変速機の変速比を1段階小さくする変速がおこなわれるか否かを推定する手段を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の変速機の制御装置。 - 前記第1の変速処理および前記第2の変速処理は、車速および操作部材の操作量をパラメータとする変速線図を用いて、前記変速機の変速比を決定する処理を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の変速機の制御装置。
- 燃料を燃焼させて動力を発生するエンジンと、このエンジンから出力された動力が伝達され、かつ、入力回転数と出力回転数との間の変速比を段階的に変更可能な変速機とを有し、前記変速機の変速比を制御するために、変速比の制御特性が異なる複数種類の変速処理を選択的に切り替えることの可能な、変速機の制御装置において、
前記複数種類の変速処理には、前記エンジンの燃料消費率が相対的に小さくなる変速特性を有する第1の変速処理と、前記変速機における変速比の変更頻度が相対的に少ない特性を有する第2の変速処理とが含まれており、
前記第2の変速処理を選択して前記変速機の変速比を制御しているときに、前記車両の走行する道路情報を求め、仮に前記第1の変速処理を選択して前記変速機を制御すると、前記変速機の変速比を2段階小さくする変速が生じる程度に車速を上昇させられない道路状況であるために、前記変速機の変速比を1段階小さくする変速がおこなわれるか否かを推定する推定手段と、
前記推定手段により、その第1の変速処理を選択すると前記変速機の変速比を1段階小さくする変速がおこなわれると推定された場合は、前記第2の変速処理から前記第1の変速処理に切り替えて前記変速機の変速比を制御する切替手段と
を備えていることを特徴とする変速機の制御装置。 - 燃料を燃焼させて動力を発生するエンジンと、このエンジンから出力された動力が伝達され、かつ、入力回転数と出力回転数との間の変速比を段階的に変更可能な変速機とを有し、前記変速機の変速比を制御するために、変速比の制御特性が異なる複数種類の変速処理を選択的に切り替えることの可能な、変速機の制御装置において、
前記複数種類の変速処理には、前記エンジンの燃料消費率が相対的に小さくなる変速特性を有する第1の変速処理と、前記変速機における変速比の変更頻度が相対的に少ない特性を有する第2の変速処理とが含まれており、
前記第2の変速処理を選択して前記変速機の変速比を制御しているときに、前記車両の乗員が操作する操作部材の操作量および前記車両の走行抵抗を求め、仮に前記第1の変速処理を選択して前記変速機を制御すると、前記変速機の変速比を2段階小さくする変速が生じる程度に車速を上昇させられない前記操作部材の操作量および前記車両の走行抵抗であるために、前記変速機の変速比を1段階小さくする変速がおこなわれるか否かを推定する推定手段と、
前記推定手段により、その第1の変速処理を選択すると前記変速機の変速比を1段階小さくする変速がおこなわれると推定された場合は、前記第2の変速処理から前記第1の変速処理に切り替えて前記変速機の変速比を制御する切替手段と
を備えていることを特徴とする変速機の制御装置。 - 燃料を燃焼させて動力を発生するエンジンと、このエンジンから出力された動力が伝達され、かつ、入力回転数と出力回転数との間の変速比を段階的に変更可能な変速機とを有し、前記変速機の変速比を制御するために、変速比の制御特性が異なる複数種類の変速処理を選択的に切り替えることの可能な、変速機の制御装置において、
前記複数種類の変速処理には、前記エンジンの燃料消費率が相対的に小さくなる変速特性を有する第1の変速処理と、前記変速機における変速比の変更頻度が相対的に少ない特性を有する第2の変速処理とが含まれており、
前記第2の変速処理を選択して前記変速機の変速比を制御しているときに、仮に前記第1の変速処理を選択して前記変速機を制御すると、前記変速機の現在の変速比が、最小変速比に相当する最高速段よりも1段階下の変速段であるために、前記変速機の変速比が1段階小さくなる前記最高速段とする変速がおこなわれるか否かを推定する推定手段と、
前記推定手段により、その第1の変速処理を選択すると前記変速機の変速比が1段階小さくなる最高速段に変速されると推定された場合は、前記第2の変速処理から前記第1の変速処理に切り替えて前記変速機の変速比を制御する切替手段と
を備えていることを特徴とする変速機の制御装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008333442A JP2010156358A (ja) | 2008-12-26 | 2008-12-26 | 変速機の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008333442A Pending JP2010156358A (ja) | 2008-12-26 | 2008-12-26 | 変速機の制御装置 |
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JP2021046898A (ja) * | 2019-09-18 | 2021-03-25 | トヨタ自動車株式会社 | 変速比制御装置 |
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-
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JP2021046900A (ja) * | 2019-09-18 | 2021-03-25 | トヨタ自動車株式会社 | 変速比制御装置 |
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