JP2005299286A - 建築材料及びその製造方法、建造物の施工方法 - Google Patents

建築材料及びその製造方法、建造物の施工方法 Download PDF

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清 足立
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Abstract

【課題】 持ち運び時や取り扱い時に壊れにくく、かつ防火性能の高い建築材料及びその製造方法、建造物の施工方法を提供する。
【解決手段】 断熱材10は、ガラス発泡板2と、アクリル樹脂とセメントと体質顔料とからなりガラス発泡板2を覆うポリマーセメント4と、を含む構成となっている。このような構成によれば、可とう性に優れ、耐衝撃性に優れたポリマーセメント4でガラス発泡板2を保護することができるので、持ち運び時や取り扱い時にガラス発泡板2の破損をある程度防ぐことができる。また、ポリマーセメント4は耐熱性に優れているので、防火性能が高い。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建築材料及びその製造方法、建造物の施工方法に関し、特に、ガラス発泡板と、このガラス発泡板上に形成されたポリマーセメントとからなる断熱材及び断熱材の製造方法、建造物の断熱の施工方法に関する。
従来から、各種建造物用の断熱材等として、ガラス発泡体が用いられてきた(例えば、特許文献1、2参照。)。このようなガラス発泡体は、多孔質でその表面及び内側に無数の細孔を備えているので、特に断熱性に優れ、また軽量であるという長所が有る反面、外力に対して非常に脆いという短所がある。この短所ゆえに、ガラス発泡体は、その持ち運び時及びその取り扱い時に、僅かな外力が付加されただけでも壊れやすい、という問題点があった。従来、ガラス発泡体を外力による破壊から保護する等の目的で、その持ち運び前、又はその取り扱い前に、ガラス発泡体をアスファルト樹脂で覆う技術が知られている。
特開2003−27407号公報 特開平10−279325号公報
しかしながら、アスファルト樹脂は、天然又は石油精製から得られる瀝青を主成分とするので、燃焼によって生ずる発熱量が大きい。それゆえ、上記アスファルトで覆われたガラス発泡体を断熱材等の建築材料として使用する場合には、コーンカロリーメーター燃焼試験において、不燃性、準不燃性の基準をクリアーすることができず、防火地域および内装制限地域では建造物に使用できないという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、持ち運び時や取り扱い時に壊れにくく、かつ防火性能の高い建築材料及びその製造方法、建造物の施工方法の提供を目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る第1の建築材料は、所定形状に成形されたガラス発泡体と、所定の樹脂とセメントとからなり前記ガラス発泡体を覆うポリマーセメントとを含むことを特徴とするものである。
ここで、前記ガラス発泡体は、例えば直方体のガラス発泡板である。このガラス発泡体(板)は多孔質であり、その表面及び内側に無数の細孔を備えているので、特に断熱性に優れている。また、前記ポリマーセメントを構成する前記樹脂は、例えば、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリル−スチレン(アクリルスチレン共重合体)系樹脂、EVA(エチレン酢酸共重合体)系樹脂、又はアクリル−ウレタン(アクリルウレタン共重合体)系樹脂の何れか一つである。
これらの中で、耐候性及び耐酸性、並びにセメントとの混和性を考慮すると、ポリマーセメントを構成する樹脂としては、特に、アクリル系樹脂、又はアクリル−スチレン系樹脂、或いはEVA(エチレン酢酸共重合体)系樹脂が最適である。
また、本発明に係る第2の建築材料は、上述した第1の建築材料において、前記ガラス発泡体は直方体であり、前記ポリマーセメントは、前記ガラス発泡体の表面と、裏面と、側面とを覆っていることを特徴とするものである。
本発明に係る第1、第2の建築材料によれば、可とう性に優れ、耐衝撃性に優れたポリマーセメントでガラス発泡体を保護できるので、持ち運び時や取り扱い時にガラス発泡体の破損をある程度防ぐことができる。また、ポリマーセメントは耐熱性に優れているので、従来のアスファルト樹脂を塗布した発泡体と比べて、その防火性能が高い。
さらに、本発明に係る第1、第2の建築材料によれば、例えば、ポリマーセメントにおける樹脂の割合を所定の範囲内で調整することで、コーンカロリーメーター燃焼試験等の不燃性、又は準不燃性の基準に合格することが可能である。従って、防火地域および内装制限地域において、断熱材として建造物への取り付け施工が可能である。なお、ここでいう建造物とは、家屋、建物等の建築物、その他構造物等を含むものである。
本発明に係る第1の建築材料の製造方法は、所定形状に成形されたガラス発泡体に、所定の樹脂とセメントとからなるポリマーセメント系塗料を塗布する工程と、前記ポリマーセメント系塗料を乾燥させて、前記ガラス発泡体を覆うポリマーセメントを形成する工程と、を含むことを特徴とするものである。
ここで、ポリマーセメント系塗料に含まれる樹脂の形態は、例えば、水溶性、マイクロエマルジョン、ディスパージョン又はエマルジョンの何れか一形態である。ポリマーセメント系塗料は、セメントに水和効果反応を起こさせるため、例えば水系塗料とする。本発明に係る第1の建築材料の製造方法によれば、持ち運び時や取り扱い時に壊れにくく、かつ防火性能の高い建築材料を提供することができる。
本発明に係る第2の建築材料の製造方法は、上述した第1の建築材料の製造方法において、前記ポリマーセメント系塗料を構成する前記樹脂は、そのガラス転移温度が0[℃]以下、−30[℃]以上の範囲内にあることを特徴とするものである。ここで、ガラス転移温度が0[℃]より大きい樹脂からなるポリマーセメントはその粘着性が小さすぎ、このようなポリマーセメントをガラス発泡体上に形成した場合には、ガラス発泡体とポリマーセメントとの密着性を担保できないおそれがある。また、ガラス転移温度が−30[℃]より小さい樹脂からなるポリマーセメントはその粘着性が大きすぎ、このようなポリマーセメントはその表面に汚れ等が付着し易いので、実用的でない。
本発明に係る第2の建築材料の製造方法によれば、ポリマーセメントとガラス発泡体との密着性を良好に担保でき、汚れ等が付着しにくい建築材料を提供することができる。
本発明に係る第3の建築材料の製造方法は、上述した第1、又は第2の建築材料の製造方法において、前記ポリマーセメント系塗料における前記樹脂の割合を、重量パーセントで15[%]以上、40[%]以下の範囲内とすることを特徴とするものである。
ここで、乾燥前のポリマーセメント系塗料における樹脂の割合が、重量パーセントで15[%]よりも小さい場合には、乾燥後のポリマーセメント系塗料(即ち、ポリマーセメント)に十分な可とう性を持たせることができない。また、乾燥前のポリマーセメント系塗料における樹脂の割合が、重量パーセントで40[%]よりも大きい場合には、ポリマーセメントを所定の厚さ以上に厚く形成することができない傾向がある。また、ポリマーセメント系塗料における樹脂の割合が、重量パーセントで40[%]よりも大きい場合には、ポリマーセメントは例えばコーンカロリーメーター燃焼試験で、準不燃性の基準をクリアーできない可能性がある。
本発明に係る第3の建築材料の製造方法によれば、単体のガラス発泡体よりも強度が大きく、かつ、例えばコーンカロリーメーター燃焼試験の不燃性、又は準不燃性の基準に合格可能な建築材料を提供することができる。
本発明に係る第4の建築材料の製造方法は、上述した第1から第3の建築材料の製造方法の何れか一において、前記ポリマーセメントにおける前記セメントの割合を、重量パーセントで20[%]以上、40[%]以下の範囲内とすることを特徴とするものである。
ここで、乾燥前のポリマーセメント系塗料におけるセメントの割合が、重量パーセントで20[%]よりも小さい場合には、乾燥後のポリマーセメント系塗料(即ち、ポリマーセメント)に十分な硬さを持たせることができない。また、乾燥前のポリマーセメント系塗料におけるセメントの割合が、重量パーセントで40[%]よりも大きい場合には、セメントの硬化による影響が大きく、ポリマーセメントが硬くなり過ぎてしまう傾向がある。本発明に係る第4の建築材料の製造方法によれば、適度なポリマーセメントの硬さを実現することができる。
本発明に係る建造物の施工方法は、上述した本発明の建築材料に所定の接着剤を塗布する工程と、前記建築材料の前記接着剤が塗布された面を建造物の所定部位に接触させて、当該建築材料を該建造物に取り付ける工程と、を含むことを特徴とするものである。
ここで、所定の接着剤とは、例えば、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリル−スチレン(アクリルスチレン共重合体)系樹脂、EVA(エチレン酢酸共重合体)系樹脂、又はアクリル−ウレタン(アクリルウレタン共重合体)系樹脂の何れか一つを含有した接着モルタルである。また、建造物の所定部位としては、例えば、モルタルや合板からなる外壁、又は内壁等が挙げられる。本発明に係る建造物の施工方法によれば、本発明に係る建築材料を、例えば、防火地域および内装制限地域で建造物の断熱材として用いることが可能である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る建築材料及びその製造方法、建造物の施工方法について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る断熱材10の構成例を示す斜視図である。この断熱材10は、例えば、直方体のガラス発泡板2と、このガラス発泡板2を覆うポリマーセメント4、とを含む構成となっている。
ガラス発泡板2は、その主成分が珪酸又は、珪酸塩であり、多孔質である。そのため、ガラス発泡板2は、軽量であり、優れた断熱性を有する。このようなガラス発泡板2は、例えば、廃ガラス瓶や、廃ガラス板等を粉砕して形成したガラスカレットに発泡剤を混ぜ、これを溶融、発泡させて生成する。このガラス発泡板2の厚さは、例えば25[mm]〜45[mm]程度である。体質顔料は、即ち増量剤として働き、例えば炭酸カルシウム等の珪砂である。
また、ポリマーセメント4は、例えば、重合体又は共重合体からなる所定の樹脂と、セメントと、体質顔料とからなるものである。ポリマーセメント4を構成する樹脂は、例えば、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリル−スチレン(アクリルスチレン共重合体)系樹脂、EVA(エチレン酢酸共重合体)系樹脂、又はアクリル−ウレタン(アクリルウレタン共重合体)系樹脂の何れか一つである。
これらの中で、耐候性及び耐酸性、並びにセメントとの混和性を考慮すると、ポリマーセメント4を構成する樹脂としては、特に、アクリル系樹脂、又はアクリル−スチレン系樹脂、或いはEVA(エチレン酢酸共重合体)系樹脂が最適である。図1に示す断熱材10では、ポリマーセメント4はガラス発泡体2の表面と、裏面と、全ての側面とを覆っている。また、このポリマーセメント4の厚さは、例えば0.5[mm]〜2[mm]程度である。
このような構成によれば、可とう性に優れ、耐衝撃性に優れたポリマーセメント4でガラス発泡板2を保護できるので、その持ち運び時やその取り扱い時にガラス発泡板2の破損を防ぐことができる。また、ポリマーセメント4は耐熱性に優れているので、従来のアスファルト樹脂を塗布した発泡体と比べて、その防火性能が高い。
図2(A)及び(B)は、断熱材10の製造方法を示す工程図である。図2(A)に示すように、まず始めに、ガラス発泡板2を用意する。上述したように、このガラス発泡板2は、多孔質、軽量であり、可とう性と、耐衝撃性とを備えた被膜で覆われていない状態では非常に脆弱である。この実施形態では、例えば、このガラス発泡板2の6面全てに、ポリマーセメント系塗料4´を塗布する。
ここで、ポリマーセメント系塗料4´は、所定の樹脂と、セメントと、体質顔料とからなるものである。乾燥後のポリマーセメント系塗料4´(即ち、ポリマーセメント4)は、ガラス発泡板の保護に必要な可とう性と、耐衝撃性とを、主にこの樹脂と、セメントとによって得ている。また、一般に、塗料は、水系、溶剤系、又は紛体の何れか一形態で使用されるが、ポリマーセメント系塗料4´にはセメントが含まれており、セメントの水和効果反応を促進させる必要がある。それゆえ、ポリマーセメント系塗料4´の形態は水系が最適である。
ポリマーセメント系塗料4´に含まれる樹脂は、例えば、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリル−スチレン(アクリルスチレン共重合体)系樹脂、EVA(エチレン酢酸共重合体)系樹脂、又はアクリル−ウレタン(アクリルウレタン共重合体)系樹脂の何れか一つである。また、ポリマーセメント系塗料4´に含まれる樹脂の形態は、例えば、水溶性、マイクロエマルジョン、ディスパージョン又はエマルジョンの何れか一形態である。表1に、本発明の実施形態に係るポリマーセメント系塗料4´の構成の一例を示す。
Figure 2005299286
表1に示すように、ここでは、ポリマーセメント系塗料を構成する樹脂として、例えば、ガラス転移温度(Tg)が0[℃]以下、−30[℃]以上の範囲内にあるアクリル系樹脂エマルジョンを選択する。樹脂のガラス転移温度(Tg)が0[℃]以下、−30[℃]以上の範囲内にあることで、適度な粘着性を持ったポリマーセメントを形成することができる。この点については、後述する実験2で、表3を参照しながら説明する。
また、表1に示すように、ポリマーセメント系塗料を構成するアクリル樹脂と、セメントと、体質顔料とのそれぞれの割合を、重量パーセントで、アクリル樹脂25[%]、セメント40[%]、体質顔料35[%]とする。アクリル樹脂の割合を重量パーセントで25[%]に設定することで、ポリマーセメントに必要十分な可とう性を持たせることができる。また、コーンカロリーメーター燃焼試験で、不燃性の基準に合格することが可能である。この点については、後述する実験1,3で、表2,4を参照しながら説明する。
また、ポリマーセメント系塗料におけるセメントの割合は、当該塗料全体に対して、重量パーセントで20[%]以上、60[%]以下の範囲内に収める必要がある。また、ポリマーセメント系塗料におけるセメントの最適な割合は、重量パーセントで20[%]以上、40[%]以下の範囲内である。その理由は、ポリマーセメント系塗料全体に対するセメントの割合が、重量パーセントで60[%]を超えると、セメントの効果による影響が大きくなり、途膜が硬くなりすぎてしまうからである。また、このセメントの割合が、重量パーセントで20[%]を下回ると、途膜に求められる必要な硬さを達成できないからである。表1に示すポリマーセメント系塗料では、このような理由から、当該塗料全体に対するセメントの割合を重量パーセントで40[%]としている。
図2(B)に示すように、上記のように調整されたポリマーセメント系塗料4´をガラス発泡板2の例えば6面全てに、順次塗布していく。このポリマーセメント系塗料4´のガラス発泡板2への塗布は、塗布対象であるガラス発泡板2が多孔質なので(即ち、表面の目が粗いので)、例えば、噴霧器等を用いた吹き付けで行う。吹き付け塗装により、ポリマーセメント系塗料4´をガラス発泡板2の細孔内まで容易に到達させることができ、ガラス発泡板4にポリマーセメント系塗料4´を略均一な厚さに塗布することができる。
なお、この実施形態では、ガラス発泡板2の6面全てにポリマーセメント系塗料を1回塗布する。その後で、ガラス発泡板2の表(おもて)面2aのみもう一度、ポリマーセメント系塗料4´を塗布する。つまり、ガラス発泡板2の表面2aのみポリマーセメント系塗料4´を2回塗布し、その他の面はポリマーセメント系塗料4´を1回塗布する。
一般に、塗料の塗布量は通常0.1〜0.5[kg/m]と言われているが、塗料の塗布量が少ないと特に耐衝撃性が低くなってしまう傾向がある。この実施形態では、ポリマーセメントに耐衝撃性を十分持たせ、ガラス発泡板2を十分保護するために、ポリマーセメント系塗料4´の1回当たりの塗布量を1.0〜2.0[kg/m]とする。これにより、ポリマーセメント系塗料4´の1回当たりの塗布厚は0.5〜1.0[mm]程度となる。上述したように、図2(B)では、ガラス発泡板2の表面2aのみポリマーセメント系塗料4´を2回塗布し、その他の面はポリマーセメント系塗料4´を1回塗布するので、ガラス発泡板2の表面2aにおけるポリマーセメント系塗料4´の塗布厚は1.0〜2.0[mm]程度、その他の面におけるポリマーセメント系塗料4´の塗布厚は0.5〜1.0[mm]程度となる。
次に、ポリマーセメント系塗料4´が6面全てに塗布され、かつ、表面2aのみ2回塗布されたガラス発泡板2を、例えば、温度20[℃]、湿度65[%RH]の環境下で7日間、養生させて、ポリマーセメント系塗料4´を乾燥させる。これにより、図1に示したようなポリマーセメント4で覆われた断熱材10を完成させる。
次に、上記の方法により完成させた断熱材10を建造物に取り付けて、断熱施工する方法について説明する。ここで、建造物とは、家屋、建物等の建築物、その他構造物等を含むものである。
まず始めに、建造物における断熱材10の取り付け箇所に応じて、断熱材10に切断加工を施し、断熱材10を所定の形状、所定の大きさに成形する。ここで、建造物の取り付け箇所とは、例えば、モルタルや合板からなる外壁、又は内壁等である。
次に、所定の形状、所定の大きさに成形された断熱材10を施工工事の現場に搬送する。そして、この施工工事の現場で、断熱材10の裏面に接着モルタルを塗布する。ここで、この接着モルタルには、例えば、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリル−スチレン(アクリルスチレン共重合体)系樹脂、EVA(エチレン酢酸共重合体)系樹脂、又はアクリル−ウレタン(アクリルウレタン共重合体)系樹脂の何れか一つが含まれている。ここでは、例えば、アクリル系樹脂を含有した接着モルタルを使用する。
次に、この接着モルタルが塗布された断熱材10の裏面を、例えば、上記の外壁、又は内壁等に接着させる。このように建造物の外壁、又は内壁に複数枚の断熱材10を隙間が生じないように順次取り付けて、建造物の外断熱施工、又は内断熱施工を行う。
このように、本発明の実施形態に係る断熱材10及びその製造方法、建造物の断熱施工方法によれば、可とう性に優れ、耐衝撃性に優れたポリマーセメント4でガラス発泡板2を保護できるので、その持ち運び時やその取り扱い時にガラス発泡板2の破損を防ぐことができる。
また、この断熱材10はガラス発泡板2を基体としているので軽量である。従って、断熱材の搬送や、断熱材の建造物への取り付け時に、その作業性を向上させることができる。
さらに、断熱材を施工現場に搬送する前に、この断熱材をその取り付け箇所に応じて所定の形状、所定の大きさに前もって成形しておくことが可能である。このような断熱材の建造物への取り付け作業は、例えば左官職のように熟練した技術がなくても行うことが可能である。従って、断熱施工の工期短縮や、断熱施工のコスト低減に貢献することができる。
また、ポリマーセメント4は耐熱性に優れているので、従来のアスファルト樹脂を塗布した発泡体と比べて、その防火性能が高い。従って、ポリマーセメントにおける樹脂の割合を調整することで、断熱材10はコーンカロリーメーター燃焼試験等の不燃性、又は準不燃性の基準に合格することが可能である。防火地域および内装制限地域において、断熱材10の建造物への取り付け施工が可能である。この実施形態では、ガラス発泡板2が本発明のガラス発泡体に対応し、断熱材10が本発明の建築材料に対応している。
〔実験及び、その結果〕
〔実験1〕
本発明の実施形態で用いるポリマーセメント系塗料における樹脂、セメント、体質顔料のそれぞれの割合(重量パーセント)を変えて、乾燥後のポリマーセメント系塗料(即ち、ポリマーセメント)の曲げ強度と、圧縮強度とを測定した。実験方法は下記の通りである。また、その実験結果を表2に示す。なお、この実験1における樹脂は、アクリル系樹脂である。
(実験方法)
・曲げ強度:JIS R 5201 (5) 強さ試験 (b) 曲げ強さ
・圧縮強度 JIS R 5201 (5) 強さ試験 (a) 圧縮強さ
・塗付後の養生時間 7日間
・養生(乾燥)条件 200[℃]、65[%]RH
・試験機器:曲げ、圧縮強度試験:万能試験機
(実験結果)
Figure 2005299286
(所見)
表2から明らかなように、曲げ強度に関しては、サンプル1E(樹脂40[%]、セメント30[%]、体質顔料30[%])と、サンプル1F(樹脂50[%]、セメント30[%]、体質顔料20[%])とが大きい。また、圧縮強度に関しては、サンプル1〜サンプル7で大きな差はなかった。曲げ強度のみを考えれば、サンプル1E及びサンプル1Fがベストである。
しかしながら、ポリマーセメント系塗料全体に対する樹脂の割合が、重量パーセントで40[%]を超えると、途膜を厚く形成出来ない傾向がある。そのため、特に、耐衝撃性の向上という観点から見ると、ポリマーセメント系塗料にサンプル1E、1Fの配合比を採用することにはやや問題がある。一方、ポリマーセメント系塗料全体に対する樹脂の割合が、重量パーセントで15[%]のときに、曲げ強度は1.0[N/mm]程度であることが推定される。可とう性の観点から、ポリマーセメントの曲げ強度は1.0[N/mm]以上は必要であると思われるので、樹脂の割合は重量パーセントで15[%]以上とすることが好ましい。
〔実験2〕
本発明の実施形態で用いるポリマーセメント系塗料における樹脂、セメント、体質顔料の割合を、重量パーセントでそれぞれ樹脂25[%]、セメント40[%]、体質顔料35[%]に設定した。この設定条件で、樹脂のガラス転移温度(Tg)を10[℃]〜−50[℃]の範囲内で変えて、乾燥後のポリマーセメント系塗料(即ち、ポリマーセメント)の曲げ強度を測定し、かつ、ポリマーセメント表面のべたつき度を確認した。実験方法は下記の通りである。また、その実験結果を表3に示す。なお、この実験2における樹脂は、アクリル系樹脂である。
(実験方法)
・曲げ強度:実験1と同様。
・べたつき度:指触にてべたつき度を判定。◎、○、△、×で表した。
(◎はべたつき度が小さく、×はべたつき度が大きい。)
(実験結果)
Figure 2005299286
(所見)
ガラス転移温度が0[℃]より大きい場合には、ポリマーセメントのべたつき度(即ち、粘着性)が小さ過ぎ、ガラス発泡体とポリマーセメントとの密着性を担保できないおそれがある。また、ガラス転移温度が−30[℃]より小さい場合には、ポリマーセメントのべたつき度が大き過ぎ、ポリマーセメントの表面に汚れ等が付着し易い。このため、本発明の建築材料には、ガラス転移温度が0[℃]以下、−30[℃]以上の範囲内にある樹脂からなるポリマーセメント系塗料を用いることが好ましい。
〔実験3〕
本発明の実施形態で用いるポリマーセメント系塗料におけるセメントの割合を、重量パーセントで40[%]に設定した。また、ポリマーセメント系塗料における樹脂の割合を重量パーセントで10[%]〜50[%]の範囲内に設定し、樹脂と体質顔料のそれぞれの割合を変えて、その燃焼性について試験を行った。その実験結果を表4に示す。なお、この実験3における樹脂は、アクリル系樹脂である。
(実験方法)
・塗付後の養生時間 7日間
・養生(乾燥)条件 200[℃]、65[%]RH
・燃焼性の試験方法:コーンカロリーメーター燃焼試験
(実験結果)
Figure 2005299286
(所見)
ポリマーセメント系塗料における樹脂の割合が、重量パーセントで40[%]よりも大きい場合には、コーンカロリーメーター燃焼試験の準不燃性の基準をクリアーできない可能性がある。従って、燃焼性の観点から、ポリマーセメント系塗料全体に対する樹脂の割合は、重量パーセントで40[%]以下に設定することが好ましい。
また、本発明の建築材料を、例えば、防火地域および内装制限地域で建造物の断熱材として用いる場合には、ポリマーセメント系塗料全体に対する樹脂の割合を、重量パーセントで40[%]以下に設定する必要がある。
以上、実験結果1、2及び3に基づいて、本発明の実施形態では、本発明のポリマーセメント系塗料の一例として表1を示した。
本発明の実施形態に係る断熱材10の構成例を示す斜視図。 断熱材10の製造方法を示す工程図。
符号の説明
2 ガラス発泡板、2a 表面、4 ポリマーセメント、4´ ポリマーセメント系塗料、10 断熱材

Claims (7)

  1. 所定形状に成形されたガラス発泡体と、
    所定の樹脂とセメントとからなり前記ガラス発泡体を覆うポリマーセメントとを含むことを特徴とする建築材料。
  2. 前記ガラス発泡体は直方体であり、
    前記ポリマーセメントは、前記ガラス発泡体の表面と、裏面と、側面とを覆っていることを特徴とする請求項1に記載の建築材料。
  3. 所定形状に成形されたガラス発泡体に、所定の樹脂とセメントとからなるポリマーセメント系塗料を塗布する工程と、
    前記ポリマーセメント系塗料を乾燥させて、前記ガラス発泡体を覆うポリマーセメントを形成する工程と、を含むことを特徴とする建築材料の製造方法。
  4. 前記ポリマーセメント系塗料を構成する前記樹脂は、
    そのガラス転移温度が0[℃]以下、−30[℃]以上の範囲内にあることを特徴とする請求項3に記載の建築材料の製造方法。
  5. 前記ポリマーセメント系塗料における前記樹脂の割合を、重量パーセントで15[%]以上、40[%]以下の範囲内とすることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の建築材料の製造方法。
  6. 前記ポリマーセメントにおける前記セメントの割合を、重量パーセントで20[%]以上、40[%]以下の範囲内とすることを特徴とする請求項3から請求項5の何れか一項に記載の建築材料の製造方法。
  7. 請求項1に記載された前記建築材料に所定の接着剤を塗布する工程と、
    前記建築材料の前記接着剤が塗布された面を建造物の所定部位に接触させて、当該建築材料を該建造物に取り付ける工程と、を含むことを特徴とする建造物の施工方法。
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