JP2005298925A - バナジウム含有物からバナジウム化合物の回収法 - Google Patents

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Abstract

【課題】石油系燃料を使用するボイラー等で発生した、スラグその他のバナジウム含有物からバナジウムを回収するに当たって、従来技術が抱える不経済性の問題とプロセス廃水による環境汚染の問題とを、同時に解決することを目的とする。
【解決手段】本発明は、酸化物型のバナジウム含有粉化物20重量部以下と濃度0.5%以上のアンモニア含有浸出用水80重量部以上との混合スラリーを、酸化性雰囲気下で加温し浸出処理する第1工程と、該浸出処理したスラリーからアンモニア水を回収する第2工程と、更に該スラリーから浸出残渣を除去して清澄な浸出液を得る第3工程と、該浸出液を冷却してメタバナジン酸アンモニウムスラリーとする第4工程と、該メタバナジン酸アンモニウムスラリーから残液を分離してメタバナジン酸アンモニウムを回収する第5工程とを含み、前記第2工程で回収したアンモニア水と前記第5工程で分離した残液とを、前記第1工程における浸出用水の少なくとも一部として循環使用する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バナジウム含有物からバナジウム化合物の回収法に関し、特に石油系燃料を使用するボイラー等で発生したバナジウムを含有する副産物から、環境を汚染することなくバナジウム化合物を生成させ、かつ経済的にバナジウム化合物を分離回収する方法に関する。
従来から、石油火力発電所においては、重油や原油が燃料として使用されている。しかし最近では、経済性の観点から高粘度高硫黄分重油やアスファルト、更にエマルジョン燃料などの、より安価な燃料を使用する事業所が増加している。ところでこのような石油系燃料には、石炭等の他の燃料に比べて比較的多量のバナジウムやニッケルなどの重金属化合物が含まれている。こうした石油系燃料に含まれる重金属化合物は、燃焼によりボイラー内部の蒸気過熱器や節炭器にその一部が付着して、ボイラースラグを形成し、或いは燃焼煤などに付着して捕集される。特にこうしたボイラースラグは、燃焼ガスの通気抵抗の増大や、伝熱阻害などの原因となるが、その一方で5〜20%のバナジウムを含むボイラースラグは、天然資源の少ない我が国にとっては、貴重なバナジウム原料となっている。
そこで、このようなボイラースラグに含まれる有価金属を分離回収する方法が検討された。そして、その一つとしてバナジウムの回収が着目され、バナジウム含有鉱石からバナジウム化合物を分離回収するための、工業的方法の一つであるソーダ焙焼法などを応用して、ボイラースラグなどからバナジウム化合物の回収が行われている。
上記のソーダ焙焼法は、バナジウム含有原料に炭酸ナトリウムや塩化ナトリウムなどのナトリウム塩を加えて、800〜850℃で焙焼したのち、温水で浸出してバナジン酸ナトリウムの水溶液を回収し、これに塩化アンモニウムや硫酸アンモニウムなどのアンモニウム塩を加えてメタバナジン酸アンモニウムを析出させ、バナジウムを回収する方法である。しかし、この方法を応用して回収した浸出液から、バナジウムを析出させて分離するには、アンモニウム塩を使用する必要があるが、使用後のアンモニウム塩溶液を廃水として排出しようとすると、環境汚染を避けるための排水処理の費用が嵩むことになり、その一方で、回収して循環使用することは極めて不経済である。その上、ソーダ焙焼法は本質的に多種多量の薬剤を必要とするほか、工程も複雑であるという問題があった。
本発明は、石油系燃料を使用するボイラー等で発生した、スラグその他のバナジウム含有物からバナジウムを回収するに当たって、従来技術が抱える不経済性の問題とプロセス廃水による環境汚染の問題とを、同時に解決することを目的としたもので、原料に含まれるバナジウムを効率よくバナジウム化合物として回収すると共に、環境汚染の原因となるアンモニウム塩の処理を必要としない、経済的なバナジウムの回収方法を提供しようとするものである。
上記した本発明の目的は、酸化物型のバナジウム含有粉化物20重量部以下と濃度0.5%以上のアンモニア含有浸出用水80重量部以上との混合スラリーを、酸化性雰囲気下で加温し浸出処理する第1工程と、該浸出処理したスラリーからアンモニア水を回収する第2工程と、更に該スラリーから浸出残渣を除去して清澄な浸出液を得る第3工程と、該浸出液を冷却してメタバナジン酸アンモニウムスラリーとする第4工程と、該メタバナジン酸アンモニウムスラリーから残液を分離してメタバナジン酸アンモニウムを回収する第5工程とを含み、前記第2工程で回収したアンモニア水と前記第5工程で分離した残液とを、前記第1工程における浸出用水の少なくとも一部として循環使用することを特徴とする、バナジウム含有物からバナジウム化合物の回収法によって達成することができる。
本発明のバナジウム含有物からバナジウム化合物の回収法によれば、バナジウムを含有する原料から、アンモニアのみを副原料とし、且つ単純でかつコンパクトな設備を用いて、効率よくメタバナジン酸アンモニウムを回収することが可能であるので、従来のバナジウム化合物の回収法と比較して、経済性が大幅に改善される効果がある。また、バナジウム回収系内で使用する水は、蒸発して失われるものと固形物に付着して持ち去られるものを除いて、全てが循環使用され、その一方で排出されるものとしては、殆どが原料由来の抽出残渣であるから、窒素含有排水による環境汚染は皆無であり、従来技術における排水処理に関わる経済的負担を大幅に軽減できる利点がある。
本発明のバナジウム含有物からバナジウム化合物の回収法を適用できるバナジウム含有物としては、例えば前記の石油系燃料を使用するボイラーなどで発生したボイラースラグ、燃焼排ガスから分離回収される回収カーボン、燃焼排ガスの腐食性を抑えるためにアンモニアを注入したときに発生する燃焼煤、或いはこれらの各種の排出物に適宜の処理を加えて得られる、種々のバナジウム含有物などを挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではなく、バナジウムを含有する鉱物などでも、適用することができる。
ところで、本発明のバナジウム化合物の回収法の工程を図1に示すが、ここで原料Aと表示されるバナジウム含有物は、スラリー化するために粉化されることが必要であり、その粒度は例えば0.5mm以下、好ましくは0.1〜0.05mmである。この粉末化は、以下に述べる酸化焙焼を容易にするほか、原料に含まれる水溶性不純物の除去が容易となり、かつバナジウムの酸化反応速度や浸出効率が高くなり、装置の小型化が図れ、経済性を高め得るので、必要に応じて予備処理としての粉砕工程を経ることが望ましい。
また、これらのバナジウム含有物に含まれるバナジウムは、アンモニアによる浸出が可能なために酸化物型である必要があるから、例えばバナジウムが硫化物型などであるときは、原料の予備処理として800℃以下、好ましくは690℃以下の、生成する五酸化バナジウムによる装置の高温腐食を防止できる温度範囲で、酸化焙焼して酸化物型に転化しておくことが必要となる。しかし、本発明のバナジウム化合物の回収法を実施するに当たっては、原料のバナジウム含有物が既に酸化物型であり、また不純物の除去などにも有用でない場合には、このような予備処理が不要であることは勿論である。
こうして得た粉化原料は、更に必要に応じて洗浄水を用いて浸出し、水溶性成分を除去するなどの予備処理を行うこともできる。このような原料の洗浄処理は、原料の種類に応じてそれぞれ適切な操作条件を選択するのが良く、例えば30℃以上の洗浄水を用いてスラリー状とし、攪拌し浸出したのち濾別するなどの方法を利用して、精製原料Bを得ることができる。
上記のような予備処理を経て準備された精製原料Bは、本発明の第1工程において、0.5%以上、好ましくは1〜5%濃度の酸化浸出用のアンモニアを含有する浸出用水Cの80重量部以上に対し、20重量部以下となるような割合のスラリーの形態で、酸化浸出槽に装入される。精製原料Bの配合量が20重量部を超えると、攪拌能率が低下して好ましくないからである。
また、この酸化浸出槽は1MPa程度、少なくとも0.3MPa程度までの内圧に耐える反応容器であって、底部から酸素、オゾン又は空気の吹き込みができる装置と、気液混合用の攪拌装置と、内容物である原料の混合スラリーを加熱する装置と、容器の上部から排出されるガスを冷却し、且つ、凝縮水を反応容器に還流させ得る装置とが付設されているものである。そして混合スラリーは、酸化浸出槽内において70℃以上、好ましくは70〜95℃に加熱された状態で、底部から吹き込まれた酸素又は空気の気泡と混合攪拌され、酸化反応が順調に進行する。この際、酸化用として使用するガスは、実用性及び経済性の面から空気を使用することが好ましい。
酸化浸出槽内において混合スラリーの酸化反応が進行すると、原料中のバナジウムが酸化を受けてVO3―のイオンとなり、アンモニアと反応してメタバナジン酸アンモニウムの形態で液中に溶出する。そうすると原料の混合スラリーは、アンモニアアルカリ性のメタバナジン酸アンモニウム溶液中に、残渣が懸濁した浸出処理スラリーに転化する。この反応が進む間に酸化浸出槽の上部から流出する空気は、ガス冷却器を経由して排出されるが、ガス冷却器を通る間に空気に同伴する水蒸気とアンモニアが凝縮し、アンモニア水となって酸化浸出槽内に還流するが、スラリーのpHがアルカリ側にあるように、必要に応じてアンモニアを補充することが好ましい。
こうしてアンモニアアルカリ性下で酸化浸出が進んだ浸出処理スラリーは、次の第2工程において、例えば充填搭型のアンモニア回収搭などに送られてアンモニアの蒸留回収が行われ、分離されたアンモニアDがアンモニア水の形態で循環水槽に送入される。そして、残りの液は略中性の熱スラリーとなって、次工程の固液分離装置に送られる。
第3工程の固液分離装置では、熱スラリー中から浸出残渣Eを固液分離して、熱浸出液を回収する操作が行われる。この固液分離装置で分離された浸出残渣Eは系外に排出されるが、この際、必要に応じて浸出残渣Eを洗浄して得た洗浄液は、分離された濾液と合わせて固形物を含まない清澄な熱浸出液とし、必要に応じて精密濾過された後、次工程の晶析槽に送り込まれる。
第4工程における晶析槽には、例えば気液接触型の冷却塔などが付設されており、晶析槽に送り込まれた熱浸出液を冷却塔に循環し空気と接触させると、熱浸出液中の水が蒸発して、熱浸出液の顕熱の除去と水量の削減とが同時に進むことになる。このようにして熱浸出液の温度を30℃以下まで低下させると、浸出液中のメタバナジン酸アンモニウムの溶解度が約1%まで低下するから、溶解度を越えた過剰な量のメタバナジン酸アンモニウムが結晶となって析出し、浸出液がスラリー化する。
次の第5工程では、前工程で生成したメタバナジン酸アンモニウムの結晶スラリーを固液分離して、結晶メタバナジン酸アンモニウムを得ると共に、残液Gを回収する。こうして回収した残液Gは循環水槽に送られ、第2工程で回収したアンモニア水と合わせて、第1工程で使用する浸出用水Cの少なくとも一部として、循環使用される。
以下、本発明のバナジウム含有物からバナジウム化合物の回収法を、実施例に基づいて詳細に説明するが、実施例中の%又は部は、特に指定しない限り、固体又、液体及び気体の場合には重量%又は重量部を、それぞれ意味するものである。
尚、本発明は、この実施例によって何らの限定を受けるものではなく、本発明の主旨の範囲内で適宜の変更を加えて実施することができることを、付け加える。
本発明のバナジウム含有物からバナジウム化合物の回収法は、図1に示すような手順に従って進められる。そこで本発明の方法を、図に基づいて工程の順に説明する。
Aはボイラースラグなどの塊状の原料であり、先ず予備処理(1)として、例えばボールミルなどの湿式粉砕機に、原料50部に対して約同量の水50部を投入して粉砕した後、0.1mmの篩を通過させ、例えば0.1〜0.05mm程度までとした粉砕物を得た。このように粉砕された原料は泥状となっているので、乾燥機などにより水分が10重量%以下になるように乾燥した。
こうして乾燥された粉砕原料を、予備処理(2)として、直径が約0.7mで長さが約8mのロータリーキルンにより、通気しながら約650℃で3時間酸化焙焼して、酸化焙焼された粉化原料を得た。そして予備処理(3)として、攪拌槽中で洗浄水を加えて固形分が10〜20重量%程度のスラリー状とし、1時間以上、好ましくは6時間程度、攪拌しながら水溶性成分を浸出したのち、濾別するなどして洗浄を行った。そして分離した洗浄水は、前工程の洗浄用水として再利用すると共に、水溶性の不純物成分が除去された湿りケーキ状の精製原料Bを得た。
上記のようにして得た精製原料Bの平均水分は58%であり、またその組成(ドライベース)は表1に示すとおりであった。
Figure 2005298925
本発明の第1工程と第2工程を実施するための装置として、縦型タービン翼攪拌機付の容量45Lのステンレス製酸化浸出槽兼アンモニア蒸留槽を用意した。この酸化浸出槽兼蒸留槽は、側面に覗き窓を備え、槽底部に設けた散気ノズルに送気できる気体ポンプ及び気体流量計と、プロパンガスを燃料とする業務用ガスコンロを利用した外部加熱器とを設け、また槽上部にはシェルアンドチューブ型の外部冷却器と、精製原料などの投入孔と、槽内温度を計測するための温度計と、随意に槽内のサンプルを採取できるサンプリングノズルとを設けたものである。
上記の酸化浸出槽兼蒸留槽に、先ず、水25kgを投入して攪拌を開始すると共に、外部加熱器に点火して昇温を開始した。次いで、前記の精製原料B7.5kg(水4.3kgを含む)を投入し、上部にある投入孔から覗いて、原料のスラリーが充分に攪拌されていることを確認した。そして、スラリーの液温が95℃に達した時点で、スラリー中の水量に対しアンモニア濃度が3%になるように、25%アンモニア水4kgを投入すると共に、気体ポンプを起動して空気を20L/minの流量で通気し、その後2時間浸出を継続した。
酸化浸出槽兼蒸留槽の上部から排出される空気は外部冷却器で冷却され、生じた含アンモニア凝縮水は槽内に還流させたが、アンモニアの逸散を完全には避けることができないので、スラリー中のアンモニア濃度をある程度維持するために、最初に25%アンモニア水を投入した時点から、1時間及び1時間30分後にそれぞれ2kgの25%アンモニア水を補充した。そして2時間後に、約1Lのスラリーサンプルを採取した。
上記のスラリーサンプルを減圧濾過して固形分を分離除去し、得た濾液を30℃まで冷却してpHを測定したところ、10.2であった。そこで、通気量を50L/minへと増加し、スラリー中の余剰のアンモニアを取り除く蒸留操作を1時間30分継続した。その後、スラリーを加熱したまま通気を停止して、約1Lのスラリーサンプルを採取し、前記同様にサンプル濾液のpHを測定したところ、8.7であった。この蒸留操作の間に回収された含アンモニア凝縮水Dの量は、18gであった。
更に上記サンプル濾液中のバナジウム濃度を分析したところ、バナジウム濃度は9800mg/Lであって、これを基にして計算した結果、バナジウムの浸出率は92%であることが分かった。
次いで、アンモニア蒸留後のスラリーの温度を下げないようにして、前述と同様の減圧濾過により固液分離し、約23.5kgの濾液を得た。そして、この濾液を別な晶析用容器に移し、容器底部から50L/minの流量で散気攪拌すると共に、容器上部からもブロワーにより液面を空気冷却した。冷却開始から約20分後より、メタバナジン酸アンモニウムの結晶が析出し始めてスラリー化が進み、約40分後に液温が30℃まで低下した。
そこで冷却したメタバナジン酸アンモニウムスラリーを、前述と同様の減圧濾過により固液分離したところ、湿り状態のメタバナジン酸アンモニウムケーキ510gを得た。そこで、回収されたメタバナジン酸アンモニウムケーキの水分を測定したところ、29%であることが分かった。更に、これを基にして計算した結果、バナジウム回収率は41%であり、回収したメタバナジン酸アンモニウムの純度は99.5%であった。
また、回収された残液Gの量は約22.9kgであり、メタバナジン酸アンモニウムの含有率は0.98%であった。従って、この残液Gの水質は、第1工程での浸出用水Cとしてアンモニア水を加えて使用しても、次回のメタバナジン酸アンモニウムの収率を底上げするだけで,何等の問題も起こらない水質であることが分った。そしてまた残液Gの回収量は、工程中で採取した試験用サンプルの量を考慮しても、前記の浸出用水Cとして使用するには不足することが分った。
以上本実施例では、原料のバナジウム含有物としてボイラースラグを使用した例を示したが、ボイラーの燃焼排ガスからの回収カーボンや、含有する硫酸アンモニウムを水洗して除去した燃焼煤の処理カーボンなどでも、殆ど同様にして処理することができる。そして、回収残液G中に硫酸アンモニウムが残る場合があっても、10%台の濃度であればバナジウムの浸出回収に支障はなく、回収残液Gの一部を複分解処理するなどによりアンモニアを回収して、硫酸アンモニウム濃度を低下させれば、排水を発生させることなくバナジウム化合物の回収を継続することができる。
本発明のバナジウム含有物からバナジウム化合物の回収法によれば、種々の多様なバナジウム含有原料から、アンモニアのみを副原料とする浸出反応を利用して、簡素で且つコンパクトな設備を用いて、効率よくメタバナジン酸アンモニウムを回収することが可能であり、従来のバナジウム化合物の回収法を適用した場合と比較して、経済性が画期的に改善される効果がある。また、バナジウム回収系からの排水は一切発生せず、且つ環境汚染の問題も全くないので、バナジウム化合物の回収に係る全ての従来技術における産業上、及び環境上の問題を、一挙に解決できる利点がある。
本発明のバナジウム含有物からバナジウム化合物の回収法の工程図である。
符号の説明
A 原料
B 精製原料
C 浸出用水
D 回収アンモニア水
E 残渣
F 結晶メタバナジン酸アンモニウム
G 残液
(1) 粉砕・乾燥操作
(2) 酸化焙焼操作
(3) 洗浄操作

Claims (6)

  1. 酸化物型のバナジウム含有粉化物20重量部以下と濃度0.5%以上のアンモニア含有浸出用水80重量部以上との混合スラリーを、酸化性雰囲気下で加温し浸出処理する第1工程と、浸出処理した該スラリーからアンモニア水を回収する第2工程と、更に該スラリーから浸出残渣を除去して清澄な浸出液を得る第3工程と、該浸出液を冷却してメタバナジン酸アンモニウムスラリーとする第4工程と、該メタバナジン酸アンモニウムスラリーから残液を分離してメタバナジン酸アンモニウムを回収する第5工程とを含み、前記第2工程で回収したアンモニア水と前記第5工程で分離した残液とを、前記第1工程における浸出用水の少なくとも一部として循環使用することを特徴とする、バナジウム含有物からバナジウム化合物の回収法。
  2. 前記第1工程における浸出用水が、1〜5%濃度の比較的低濃度のアンモニア水である、請求項1に記載のバナジウム含有物からバナジウム化合物の回収法。
  3. 前記第1工程における酸化性雰囲気が、0.1〜1MPaの空気雰囲気である、請求項1又は2に記載のバナジウム含有物からバナジウム化合物の回収法。
  4. 前記第1工程を70℃以上の温度で実施する、請求項1乃至3のいずれかに記載のバナジウム含有物からバナジウム化合物の回収法。
  5. 前記第1工程を70〜95℃の温度で実施する、請求項4に記載のバナジウム含有物からバナジウム化合物の回収法。
  6. 前記第4工程おける冷却を、前記浸出液の温度が30℃以下に達するまで実施する、請求項1乃至5のいずれかに記載のバナジウム含有物からバナジウム化合物の回収法。
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