JP2005298400A - 化粧品 - Google Patents

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壽治 青木
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信治 東
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Abstract

【課題】 食品廃棄物であるオカラから回収した有効成分であるオカラエキスを有効活用した化粧品を提供する。
【解決手段】 オカラを加熱加圧処理したり、酵素処理したり、これらを組み合わせたりして取り出した有効成分であるオカラエキスの固形分濃度を1〜22%に調整し、これを化粧品基材の1〜35%の範囲で配合する。なお、オカラエキスの他に、オカラを加熱加圧処理した後これを酵素処理、または、加熱加圧処理せずに酵素処理してから固液分離した残渣を微細化処理して得られる微細繊維を更に加えても良い。




Description

本発明はオカラの有効成分を化粧品基材に配合してなる化粧品に関するものである。
豆腐、豆乳を製造する際副生するオカラは、従来から一部食用として用いられているほか、飼料、肥料等として利用されてきたが、分解し難い食物繊維を多量に含有するためその利用率は低く、しかも極めて腐食し易いことや水分含有率が高いことにより、現在ではほとんどが産業廃棄物として処分されている。そして、その処分費は年間100億円以上に達し社会問題化しているため、かかるオカラの有効な再利用が望まれている。
オカラには、多糖類、ペクチンなどの可溶性食物繊維や大豆たんぱく質、イソフラボン、サポニンなどの有効成分(以下、総称してオカラエキスと言う)が多く含まれており、オカラエキスを抽出する技術は、既に特許文献に開示されている。
例えば、特許文献1にはオカラを加熱加圧処理するか、加熱加圧処理後、さらにセルラーゼ処理、ペクチナーゼ処理、プロテアーゼ処理およびリパーゼ処理のうち、少なくとも2以上の処理の組み合わせの酵素処理や微生物による発酵処理を行うことにより新規生物系材料を得る技術が開示されている。そして、得られた材料は調味料等の食品材料、化粧品基材、医薬品基材等として使用可能となると記載されている。
また、特許文献2にはオカラに水を加えてセルラーゼ、ヘミセルラーゼおよびグルカナーゼからなる群より選択された酵素で処理して得られる保湿剤と、該保湿剤を化粧水、乳液、クリーム、ローション、美容液、パック、入浴剤、ファンデーション、化粧下地、口紅、体臭予防剤、デオドラント剤、養毛剤、育毛剤、シャンプー、リンス、化粧石鹸およびボディソープに配合した化粧品が開示されている。
特開2003−189812号公報 特開平10−316529号公報
上述の各特許文献によれば、オカラから有効成分であるオカラエキスを取り出し、化粧品に配合することは記載されているが、有効な配合方法は示唆すらされていない。
そこで、本発明の目的は、オカラエキスを特定の条件で化粧品基材に配合することにより、均一な組成の経時的に安定で相分離しない保湿性の高い化粧品を提供せんとするものである。
前記目的を達成するために、本発明の化粧品はオカラエキスの固形分濃度を1〜22%、好ましくは、2〜15%、に調整し、これを化粧品基材の1〜35%、好ましくは、2〜20%の範囲で配合してなるものである。
そして、オカラエキスはオカラを加熱加圧したり、酵素処理したり、これらを組み合わせたりして処理した処理物が望ましい。また、オカラを加熱加圧処理した後これを酵素処理、または、加熱加圧処理せずに酵素処理してから固液分離した残渣を微細化処理して得られる微細繊維を更に加えても良い。更に、化粧品基材には、前述のオカラエキスの他に従来から使用されている保湿材(例えば、ヒアルロン酸、ポリグルタミン酸等やそれらの誘導体)を配合することも可能である。
なお、ここで言う化粧品とは、美容液、ローション、クリーム、パック、口紅、入浴剤等である。
オカラエキスの固形分濃度が1%未満の場合には、保湿性やそれに基づくしっとりした使用感がなく、また、22%を超える場合には、長期保存の場合の経時的な安定が悪くなるが、本発明の化粧品によれば、化粧品基材に配合するオカラエキスの固形分濃度を1〜22%に調整し、これを化粧品基材の1〜35%の範囲で配合するようにしているので、均一な組成の経時的安定で相分離しない保湿性の高い化粧品を製造できる。
また、オカラエキスの他に、オカラを加熱加圧処理した後これを酵素処理、または、加熱加圧処理せずに酵素処理してから固液分離した残渣を微細化処理して得られる微細繊維を更に加えてれば、皮膚への適度な刺激による活性化と、それによる化粧品成分の浸透性促進が図られると共に、つや消し効果が得られる。
以下、本発明の化粧品の製造方法を具体的に説明する。
原料としてのオカラは、例えば、豆乳を絞った後の生の状態のオカラ、又は、一旦冷凍させてその後解凍したオカラ、或いは、乾燥オカラを使用する。そして、これらオカラに所定の水を加えて、例えば、オートクレーブ、エクストルーダー、パイプリアクター等の高圧加熱管式反応器等の装置に投入する。そして、所定加熱温度まで迅速に昇温する。
加熱加圧処理の条件は、この処理によって豆類の細胞がばらばらになることが必要であるため、例えば、温度85〜150℃の範囲、圧力1KPa〜3MPaの範囲、時間10〜180分間の範囲であることが望ましい。
所定時間加熱加圧された被処理物は、装置から取り出され濾布の袋に入れられた後、加圧圧搾されオカラエキスが回収される。上述の如く、加圧圧搾されオカラエキスを回収した残りの残渣は、セルラーゼ等の酵素で水解反応処理された後、濾布の袋に入れて加圧圧搾され、更にオカラエキスが得られる。
このようにして得られたオカラエキスは必要に応じてエバポレーターにて濃縮され、所定の固形分濃度に調整した後、化粧品基材に所定の割合で配合され製造される。また、必要に応じてオカラエキスと共に微細繊維が加えられる
かかる微細繊維は、オカラを加熱加圧処理した後これを酵素処理、または、加熱加圧処理せずに酵素処理してから固液分離した残渣を粉砕機、磨砕機で微細化したものである。
含水率82%のオカラ10kgに水20kgを加えてオートクレーブに入れ、密閉状態で常温(約20℃)から120℃までを20分で昇温した。その後、直ちに降温させ、常温まで冷却できたときに被処理物をオートクレーブから取り出し、濾布の袋に入れて、加圧圧搾して液体成分を回収して得た固形分濃度3%のオカラエキスを、ローション原液に5%(いずれも重量比)加えたローションを製造した。
このローションを肌に塗ると、その直後に肌の水分率は46%となり、その後徐々に水分率は低下して15分で43%となって安定した。その後1時間経過後も水分率は一定であった。なお、ローション塗布前の肌の水分率は41%であった。肌の水分率は、松下電器産業(株)製肌水分計(型番:DMR2)を使用した。このローションを塗布した後には肌にしっとり感が感じられた。このローションは1ヵ月経過後も相分離がなく安定であった。
実施例1で作製したオカラから回収して得たオカラエキスを、クリーム素地に6%(重量比)加えたクリームを製造した。
このクリームを肌に塗ると、その直後に肌の水分率は48%となり、その後徐々に水分率が低下して20分で45%となって安定した。その後1時間経過後も水分率は一定であった。なお、クリーム塗布前の肌の水分率は40%であった。肌の水分率測定は実施例1と同じである。このクリームを塗布した後には肌にしっとり感が感じられた。このクリームは1ヶ月経過後も相分離がなく安定であった。
実施例1でオカラを加熱加圧処理、圧搾してオカラエキスを回収した残りの固形残渣にセルラーゼ酵素を加えて水解反応処理し、これから分離して回収した固形分濃度3.5%のオカラエキスを、ローション原液に5%(いずれも重量比)加えたローションを製造した。
このローションを肌に塗ると、その直後に肌の水分率は46%となり、その後徐々に水分率が低下して15分で43%となって安定した。その後1時間経過後も水分率は一定であった。なお、ローション塗布前の肌の水分率は39%であった。肌の水分率測定は実施例1と同じ方法によった。このローションを塗布した後には肌にしっとり感が感じられた。このローションは1ヶ月経過後も相分離がなく安定であった。
実施例1で作製したオカラから回収して得たオカラエキスをロータリーエバポレーターで真空濃縮し、固形分濃度10%の濃厚オカラエキスを作製した。このオカラエキスをクリーム素地に10%(いずれも重量比)加えたクリームを製造した。
このクリームを肌に塗ると、その直後に肌の水分率は49%となり、その後徐々に水分率が低下して25分で46%となって安定した。その後1時間経過後も水分率は一定であった。なお、クリーム塗布前の肌の水分率は41%であった。肌の水分率測定は実施例1と同じである。このクリームを塗布した後には肌にしっとり感が感じられた。このクリームは1ヶ月経過後も相分離がなく安定であった。
比較例1
オカラ1kgに水20kgを加えて固形分0.3%の加熱加圧処理回収液であるオカラエキスを作製し、これを用いてローションを製造した。加熱加圧処理時の水の添加率以外の条件は実施例1と同じである。
このローションを肌に塗ると、その直後に肌の水分率は46%となり、その後徐々に水分率が低下して1時間後には塗布前の水分率に戻った。なお、ローション塗布前の肌の水分率は41%であった。肌の水分率測定は実施例1と同じである。このローションを塗布した後は水を塗ったような感じで、最初はべたべたし、乾燥するとしっとり感は感じられなかった。なお、このローションは1ヶ月経過後も相分離がなく安定であった。
比較例2
実施例1で作製したオカラから回収して得た液体をロータリーエバポレーターで真空濃縮し、固形分濃度25%のオカラエキスを作製した。このオカラエキスをクリーム素地に10%(いずれも重量比)加えたクリームを製造したが均一な製品はできなかった。従って、商品価値は認められなかった。
比較例3
実施例4で作製した固形分濃度10%のオカラエキスをクリーム素地に0.05%(いずれも重量比)加えたクリームを製造した。その結果は比較例1と同様であった。
比較例4
実施例4で作製した固形分濃度10%のオカラエキスをローション原液に40%(いずれも重量比)加えたローションを製造した。その結果、15日後には相分離を生じ、均一な品質を保てなかった。





Claims (3)

  1. オカラエキスの固形分濃度を1〜22%に調整し、これを化粧品基材の1〜35%の範囲で配合してなる化粧品。
  2. 前記オカラエキスは、オカラを加熱加圧したり、酵素処理したり、これらを組み合わせたりして処理した処理物である請求項1に記載の化粧品。
  3. オカラを加熱加圧処理した後これを酵素処理、または、加熱加圧処理せずに酵素処理してから固液分離した残渣を微細化処理して得られる微細繊維を更に加えてなる請求項1又は2に記載の化粧品














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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010233497A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Institute Of National Colleges Of Technology Japan オカラからの抽出物
JP2016044129A (ja) * 2014-08-19 2016-04-04 プランドゥシーメディカル株式会社 保湿剤及びそれを含む皮膚外用剤

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JP2010233497A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Institute Of National Colleges Of Technology Japan オカラからの抽出物
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