JP2005298360A - カプサイシン類配糖体の分離精製方法 - Google Patents

カプサイシン類配糖体の分離精製方法 Download PDF

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弘康 中村
Kayo Matsuyama
佳世 松山
Yoshiyo Yoshitani
佳代 吉谷
Ko Tamura
航 田村
Yoshiaki Kagami
義昭 鏡
Takashi Yonetani
俊 米谷
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Abstract

【課題】 トウガラシからカプサイシン類配糖体を効率的に分離精製する。
【解決手段】 トウガラシを、有機溶媒または有機溶媒を30体積%以上含む水との混合液で抽出し、その抽出液を水で希釈することで、水に不溶なカプサイシン類を沈澱除去し、水に可溶なカプサイシン類配糖体だけを効率的に分離精製する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トウガラシからカプサイシン類配糖体を効率的に分離精製する方法に関する。
トウガラシ中に含まれるカプサイシンは交感神経系を活性化させ、さまざまな生理作用がもたらされることが知られている。さらに近年、トウガラシ中にはカプサイシン類の配糖体が存在することも明らかになり、その生理作用に期待が集まっている。しかし現在、トウガラシまたはトウガラシから得られた粗製抽出物からこのような配糖体を効率的に分離精製する方法は知られていない。
カプサイシン類の配糖体の精製方法として、特開平5−86086では、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した後、逆相分取HPLCを使用する、または酢酸エチル等での分液操作などによる方法が、特開平7−82289では、ジエチルエーテルでの抽出や調製用ODS-HPLCでカプサイシン類の配糖体を分離する方法が示されている。しかし、これらの方法は、(1)複数の手法を組み合わせての方法で効率的ではない、(2)分離精製にHPLCなどの高価な装置を必要とする、(3)ジエチルエーテルなどの食品では使用できない有機溶媒を用いる、(4)トウガラシから分離精製する方法ではない、等の多くの問題点がある。
これらの問題点を解決した方法はこれまでに無く、トウガラシからカプサイシン類の配糖体を、効率的に、安価で、食品として安全に分離精製する方法の開発が期待されていた。
特開平5−86086公報 特開平7−82289公報
トウガラシからカプサイシン類の配糖体を、効率的に、安価で、食品として安全に分離精製する方法を開発する。
本発明は、トウガラシまたはトウガラシから得られた粗製抽出物から、食品に使用可能な有機溶媒またはその有機溶媒を30体積%以上含む水との混合液で、カプサイシン類およびカプサイシン類配糖体を抽出し、その抽出液を水で希釈することで、水に不溶なカプサイシン類を沈澱除去し、カプサイシン類配糖体を、効率的に、安価で、食品として安全に分離精製させることができるものである。
トウガラシからカプサイシン類の配糖体を、効率的に、安価で、食品として安全に分離精製することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明でのトウガラシは、トウガラシとして知られているCapsicum属の植物種であれば、どのような種でもよい。また、トウガラシは定法により乾燥粉末化したものを用いることで、後の抽出を容易にすることができる。さらにプレス機などで窄汁した後の液体部分をもちいてもよい。これらの原料に水が含まれる場合、その含有量を考慮し、後述する有機溶媒と水の組成を決定する。以下本願にてこれらを総称してトウガラシと称することとする。
本願においてカプサイシン類とは、トウガラシに含まれているカプサイシン、およびその同族体をさす。同族体には、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、ノルカプサイシン、ノルノルカプサイシン等がある。
本願においてカプサイシン類配糖体とは、前記カプサイシン類のフェノール環のOH基に糖が結合している構造体で、結合している糖の種類、数およびその結合状態はどのようなものでもよい。糖の種類には、グルコース、ラムノース、キシロース、アラビノース、フルクトース、ガラクトース、マンノース等が例示される。また、その結合状態には、α−結合やβ−結合が知られている。
本願に用いる有機溶媒には、エタノール、アセトン、ヘキサン等が挙げられる。特に、食品製造に用いることができ、かつ水に溶けやすいエタノール、アセトンが好ましく、またこれらを組み合わせて用いてもよい。
以下、本願の実施の態様を説明する。まず、有機溶媒と水との混合液(以下本願において抽出液という)でトウガラシからカプサイシン類とカプサイシン類配糖体を抽出する。この場合、抽出液は有機溶媒を30体積%以上含む水との混合液であれば効率的に抽出できるが、30体積%未満になると配糖体の抽出性が悪くなるので、下限は30体積%以上が好ましく特に40%以上が好ましい。必要に応じて、抽出中の加温や抽出後の濃縮操作を加えてもよい。抽出時間は原料の性質によりさまざまであるが、トウガラシを粒度20ミクロン程度にまで粉末化したものを用いるのであれば、攪拌を行うことにより1時間程度で完了する。
次に抽出液とトウガラシを分離する。分離は固体(固相)と液体(液相)が分離できればどのような方法でもよい。ろ過、フィルタプレスなどが例示される。
次に分離された液相に水を加え、カプサイシンとカプサイシン配糖体を分離する。液相、つまりカプサイシンとカプサイシン配糖体を含んだ抽出液を水で希釈する際は、有機溶媒の体積濃度が30%未満になるように希釈する。特に20%以下にすると分離効率が上がり好適である。
水に希釈することで、油溶性成分が遊離してくることがある。本成分を除去するには、ヘキサンなどの水に溶解しない有機溶媒を添加し、よく攪拌後、油溶性成分が溶解した有機溶媒の上層を取除けばよい。
水に希釈することで不溶化したカプサイシン類を除去する方法は、どのような方法でもよく、特に、遠心分離法や膜濾過法などが好ましい。
カプサイシン類を除去したカプサイシン類配糖体溶液はそのまま配糖体素材として用いてもよいが、濃縮や乾燥させて扱うこともできる。
(実施例1)50mMのカプサイシン(Cap)と10mMのノルジヒドロカプサイシン配糖体(CapG)を含むエタノール溶液をエタノールが10〜90体積%になるように各々水で希釈した。各希釈液を室温で3時間静置後、遠心分離し、その上澄み液中のCapGとCap比(CapG/Cap)をODSカラムによるHPLCにて解析した。その結果、図1の様に、エタノール体積濃度が10%まで希釈すると、上澄み液中のCapに対するCapG比が顕著に上昇し、配糖体を著しく多く含む溶液を得ることができた。
(実施例2)トウガラシ乾燥粉末5g(カプサイシン700μg・カプサイシン配糖体80μg含有)にエタノール30mLを加え、60℃で加温しながら、1時間攪拌し、この液をエバポレータで1mLまで濃縮後、濾過した。さらにこの濾過液に10倍量の水を加え攪拌、続いて2倍量のn-ヘキサンを加え攪拌し、一晩静置した。油溶性成分が溶解しているヘキサン層を除去後、遠心分離し、その上澄み液をエバポレータで濃縮した。その結果、濃縮液にはカプサイシン類配糖体が70μg含有していたが、カプサイシンは含んでおらず、本分離方法がすぐれていることがわかった。
本発明によりトウガラシからカプサイシン類の配糖体を、効率的に、安価で、食品として安全に分離精製することが可能となる。
カプサイシンとジヒドロカプサイシン配糖体を含むエタノール溶液を、10〜90体積%になるように水に希釈した際の上澄み液中のカプサイシンに対するノルジヒドロカプサイシン配糖体の比を示した結果である。(実施例1)

Claims (4)

  1. トウガラシを、有機溶媒または有機溶媒を30体積%以上含む水との混合液で抽出し、その抽出液を水で希釈することで、水に不溶なカプサイシン類を沈澱除去し、水に可溶なカプサイシン類配糖体だけを効率的に分離精製する方法
  2. 有機溶媒が、エタノール、アセトン、またはそれらの混合物である請求項1に記載の方法
  3. カプサイシン類が、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、ノルカプサイシン、ノルノルカプサイシンのうち1種類以上である請求項1に記載の方法
  4. カプサイシン類配糖体が、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、ノルカプサイシン、ノルノルカプサイシンのうち1種類以上のフェノール環のOH基に糖が結合している構造体である請求項1に記載の方法
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