JP2005297469A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 温度変化により半導体レーザのモニタ電流特性に変動が生じても、安定した一定のレーザ光の出力ができる半導体レーザ制御装置を有する画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 制御手段は、基準となる最大レーザ光出力値の2水準のバイアス電流値に対応するモニタ特性と、レーザ光出力検出手段が検出したモニタ信号により、温度変化時の2水準のバイアス電流値に基づく所定の温度に対応した補正用のモニタ特性との補正比率を求め、基準の最大レーザ光出力値が得られる駆動電流値を補正比率に基づき制御すること。
【選択図】 図1
【解決手段】 制御手段は、基準となる最大レーザ光出力値の2水準のバイアス電流値に対応するモニタ特性と、レーザ光出力検出手段が検出したモニタ信号により、温度変化時の2水準のバイアス電流値に基づく所定の温度に対応した補正用のモニタ特性との補正比率を求め、基準の最大レーザ光出力値が得られる駆動電流値を補正比率に基づき制御すること。
【選択図】 図1
Description
本発明は、レーザプリンタ、ファクシミリ装置やデジタル複写機等の画像形成装置に関し、特に、露光手段の光源として用いられる半導体レーザを駆動制御する半導体レーザ制御装置を備えた画像形成装置に関する。
最近では、半導体レーザはきわめて小型であり、かつ駆動電流により高速に直接変調を行うことができるので、レーザプリンタ、ファクシミリ装置やデジタル複写機等の画像形成装置に設けられた露光手段の光源として広く用いられている。
しかしながら、半導体レーザの駆動電流とレーザ光出力との関係は、温度により著しく変化するので、半導体レーザの光強度を所望の値に設定しようとする場合に問題となる。
そこで、このような問題を解決し、半導体レーザの利点を活かすため、従来様々なAPC(Automatic Power Control)回路が提案されている。
APC回路には、例えば、以下の方式がある。
半導体レーザのレーザ光出力を受光素子によりモニタし、パワー設定時間内では発光レベル信号とレーザ光出力に基づくモニタ電流に比例した信号とが等しくなるように、光・電気負帰還ループにより半導体レーザの順方向電流を制御し、パワー設定時間外では、パワー設定時間内に設定した半導体レーザ順方向の電流をサンプルホールド回路により保持し、レーザ光出力を所望の値に設定するとともに、順方向電流を変調信号に基づいて変調する方式がある。しかしながら、モニタ電流特性が温度により変化すると、設定出力が一定にならない問題があった。
そこで、半導体レーザ周辺の温度を検出し、温度に対応した温度検出信号を出力する温度検出器と、温度検出信号をレベル補正信号に変換する信号変換器とを有し、信号変換器の出力信号により温度変化によるモニタ電流変動を補正することで、温度変化により半導体レーザ(LD)の電気的特性に変動が起こる場合においても、高速、高精度なレーザ光出力を行うことのできる半導体レーザ制御装置(例えば、特許文献1参照。)の技術が開示されている。
特開2003−17801号公報
しかしながら、特許文献1は、半導体レーザ周辺の温度を検出し、温度に対応した温度検出信号を出力するための温度検出器や温度検出器の温度検出信号に基づき発光制御信号のレベルを補正するレベル補正信号に変換するための信号変換器等の回路部品を含む大規模な回路を構成することが必要で、コストが高騰すると共に、常時、半導体レーザ周辺の温度を検出し、温度変化によるモニタ電流変動を補正する必要があり、しかも、温度検出器そのものの温度変化による特性の変化等を考慮する必要があるので、制御が複雑になるという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑み、安価な市販のLD駆動ICを使用し、制御が容易で、しかも、温度変化により半導体レーザのモニタ電流特性に変動が生じても、安定した一定のレーザ光の出力ができる半導体レーザ制御装置を有する露光手段を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、下記構成を採ることで上記目的を達成できる。
(1) レーザ光出力手段のレーザ光により、原稿の画像データに基づく潜像を感光体上に形成する露光手段と、前記露光手段により形成された潜像を現像して転写材に画像を形成する画像形成手段と、少なくとも前記露光手段と前記画像形成手段とを制御する制御手段とを備えた画像形成装置において、前記レーザ光出力手段のレーザ光を受光してモニタ信号を出力するレーザ光出力検出手段と、前記レーザ光出力手段における所定の温度に対応する駆動電流とレーザ光出力との関係が定められたレーザ光出力・駆動電流特性のデータを予め記憶する記憶手段とを備え、前記制御手段は、前記レーザ光出力・駆動電流特性に基づく基準となる最大レーザ光出力値と、所定の温度に対応した2水準のバイアス電流値とが入力されたとき、前記レーザ光出力手段に前記2水準のバイアス電流値に対応した駆動電流を通電し、前記レーザ光出力検出手段が検出したモニタ信号により、所定の温度に対応するモニタ特性とレーザ光出力との関係を定めたレーザ光出力・モニタ特性を取得すると共に、前記レーザ光出力・駆動電流特性及び前記レーザ光出力・モニタ特性との関係から、前記基準となる最大レーザ光出力値に対応した基準のモニタ特性と、前記2水準のバイアス電流値に基づく所定の温度に対応した補正用のモニタ特性との補正比率を求め、前記基準の最大レーザ光出力値が得られる駆動電流値を前記補正比率に基づき制御することを特徴とする画像形成装置。
(2)前記2水準のバイアス電流値は、前記2水準のバイアス電流値をI1とI2、基準となる最大のレーザ光出力値が得られる駆動電流をIoとしたとき、I1<I2≦Ioの関係を満足し、かつ、I1が閾値電流より大きいことを特徴とする前記(1)に記載の画像形成装置。
(3)制御条件を入力するための操作入力手段を備え、前記制御手段は、レーザ光出力補正モードを有し、前記操作入力手段により前記レーザ光出力補正モードが選択されたとき、前記レーザ光出力手段の最大レーザ光出力値の温度補正制御を実行することを特徴とする前記(1)又は前記(2)に記載の画像形成装置。
本発明は、予め設定されたレーザ光出力・駆動電流特性に基づき、基準となる最大のレーザ光出力と2水準のバイアス電流値を設定するだけで、レーザ光出力・モニタ特性が取得でき、求められた補正用のモニタ特性と基準のモニタ特性とから補正比率を求めると共に、求められた補正比率に基づき基準の最大レーザ光出力値を制御する電流値を制御するようにしたので、温度変化により半導体レーザのモニタ電流特性に変動が生じても、高価な温度検出器等からなる回路の必要がなく、しかも、温度検出器等の温度変化による特性の変化の影響等を考慮することなく、安価で、制御が容易で、しかも、安定した一定のレーザ光の出力ができる半導体レーザ制御装置を有する露光手段を備えた画像形成装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、各図面において、同一符号のものは同一の物を示すものとし、適宜、関連する他の図面を参照して、詳細に説明するものとする。
図1は本発明に係るLD駆動回路を示す概要ブロック図、図2は本発明に係るレーザ光出力の駆動電流特性及びモニタ特性を説明するための基本概念図、図3は本発明に係るレーザ光出力の温度補正制御を説明するための原理図、図4は本発明に係る画像形成装置である。
本発明の実施の形態における画像形成装置は、説明を簡単にするために電子写真方式の複写機とする。電子写真方式の複写機はよく知られているので、本発明と直接関わりのない部分に関しては簡単に説明する。
図1により本発明に係るLD駆動回路について説明する。
レーザ光出力手段としてのLD駆動回路は、LD(半導体レーザ又はレーザダイオードともいう。)とLD駆動IC(集積回路又は単に回路ともいう。)とにより構成されており、制御手段の指示により作動し、原稿の画像データ(画像情報ともいう。)に基づき、例えば、デジタル化された画像データや半導体レーザの光出力を制御するための制御信号等のIC制御信号が入力されると、予め設定されたプログラムにより、LDを発光させ感光体上に潜像を形成するようになっている。
また、LD駆動回路においては、前述のように、半導体レーザの駆動電流とレーザ光出力との関係は、温度により著しく変化するので、常に安定した一定のレーザ光が発光(出力ともいう。)できるようにするために、レーザ光出力検出手段のモニタ電流特性の変動を検知して、温度補正制御を行うことが必要となる。
そのために、温度補正制御を行うためのレーザ光出力検出手段として、本実施の形態においては、更に、上記構成の他に、R(モニタ電流検出抵抗)出力に、A/D(アナログ/デジタル)変換を行うA/D変換器が設けられている。
そして、詳細は後述するが、レーザ光出力の温度補正制御を行う場合には、レーザ光出力補正モードが選択され、画像形成装置の少なくとも露光手段を制御する制御手段には、最大レーザ光出力値に対する2水準のバイアス電流値がD/A変換器を介してLD駆動ICに入力され、制御手段に予め記憶されている制御プログラムにより、LD駆動ICは2水準のバイアス電流値によりLDを発光させる。
次に、LDから発光されるレーザ光出力をPDが検出すると、その電流値として検出された検出信号(モニタ電流)はモニタ電流検出抵抗R介してA/D変換器に入力されモニタ電圧に変換されて、モニタ信号として出力されるようになっている。
その後、制御手段は、ここで得られたモニタ信号により、2水準のバイアス電流値が所定の温度に対応した補正用のモニタ特性を求め、予め記憶されている基準となる最大レーザ光出力値に対応した基準のモニタ特性と、補正用のモニタ特性とにより補正比率を求め、この補正比率に応じて最大レーザ光出力を制御する。つまり、対象となる温度での最大レーザ光出力が常に一定になるように、基準となる最大レーザ光出力が得られるときの駆動電流値を、求められた補正比率に基づき制御するようになっている。
なお、本実施の形態においては、モニタ信号は、モニタ特性を取得するために、PDが検出した電流値を電圧値に変換したが、モニタ特性を取得することができれば良いので、特に、電流/電圧変換を行うことが必須ではなく、回路構成によっては、モニタ電流またはモニタ電圧からなる何れのモニタ信号であっても良い。
図2により、本発明に係るレーザ光出力の駆動電流特性及びレーザ光出力・モニタ特性の基本概念について説明する。図2は基本概念図で、レーザ光出力・駆動電流特性図(イ)とレーザ光出力・モニタ特性図(ロ)により構成される。
図2の(イ)図はレーザ光出力・駆動電流特性図であり、縦軸にレーザ光出力(P)を示し、横軸にLDを駆動するために印加する駆動電流(Id)を示し、低温時、常温時、高温時の駆動電流特性をそれぞれT1、T2、T3で示している。
そして、前述のLD駆動回路を使用して、例えば、基準となる常温時の駆動電流特性をT2とすると、駆動電流Ioを印加してLDを発光させたとき、駆動電流Ioと駆動電流特性T2の交点に対応する縦軸に、Poのレーザ光出力が得られることを示している。
図2の(ロ)図はレーザ光出力・モニタ特性図であり、縦軸にレーザ光出力(P)を示し、横軸にLDを駆動した際にPDにより得られたモニタ電流をA/D変換器で電圧変換したモニタ電圧(Vm)を示し、低温時、常温時、高温時のモニタ特性がそれぞれT1、T2、T3で示され、前述のように環境温度により変化するので、その傾きがそれぞれ異なって示されている。
次に、環境温度が変化したときのレーザ光出力の変化について説明する。
例えば、前述のLD駆動回路を使用して、(イ)図のように、常温時の駆動電流特性をT2とすると、駆動電流Ioを印加してLDを発光させたとき、Poのレーザ光出力が得られ、そのときのモニタ特性としては、(ロ)図に示されるように、常温時のモニタ特性(T2)と矢印付き点線との交点で示されるモニタ電圧、すなわち、モニタ電圧Voが得られたことを示している。
APC回路は、モニタ電圧が一定(Vo)になるように制御するため、モニタ電圧が同じVoで、そのときの環境温度が低温であれば、モニタ特性T1とモニタ電圧voとの交点に対応した縦軸にレーザ光出力としてPLが得られ、高温であれば、モニタ特性T3とモニタ電圧Voとの交点に対応した縦軸にレーザ光出力としてPHが得られることを示している。
このモニタ特性の変化を1つの駆動電流Ioを印加しただけでは、(ロ)図に示すモニタ特性T1、T2、T3の傾きは得られないので、実際には、少なくとも2つの駆動電流、すなわち、2水準のバイアス電流値に対応する駆動電流を印加(通電ともいう。)して、補正用のモニタ特性を求める必要がある。
図3により、本発明に係るレーザ光出力の温度補正制御方法について説明する。
図3の(ハ)、(ニ)、(ホ)図は、それぞれ低温時、常温時、高温時の場合におけるレーザ光出力の温度補正制御を示す原理図である。なお、この原理図は、図2と同様に、それぞれレーザ光出力・駆動電流特性図(右側の図)とレーザ光出力・モニタ特性図(左側の図)により構成されている。特に、ここでは、説明を簡単にするために、レーザ光出力・駆動電流特性図を単に駆動電流特性図といい、レーザ光出力・モニタ特性図を単にモニタ特性図ということにする。以下、手順を追って説明する。
(1)レーザ光出力の温度補正制御を行う場合は、予め基準となる最大のレーザ光出力と2水準のバイアス電流値を設定する。最大のレーザ光出力Poが得られる駆動電流Ioが設定されので、最大のレーザ光出力Poが得られる駆動電流Io以下の電流値で2水準のバイアス電流値I1とI2を設定する必要がある。つまり、I1<I2≦Ioの関係を満足し、かつ、I1が閾値電流より大きい関係が成立する2水準のバイアス電流値I1とI2を設定する。
なお、I1とI2のバイアス電流値の差ΔIは、T1、T2、T3のモニタ特性を取得するときに、少なくともT1、T2、T3の傾きが検出できる程度の差を設ければ良い。
因に、一般に、LDに流す電流がある値を超えると、反転分布キャリア密度がレーザ発振を起こすために必要な値を超えて誘導放出が起きるとともに、放出された光子の互いの位相がそろえあって急速に出力が増加する。このときの電流値を閾値電流という。
(2)基準となるモニタ特性について説明する。つまり、2水準のバイアス電流値I1とI2を図1に示すLD駆動回路に印加してLDを発光させ、PDによりレーザ光出力を検出し、I1とI2に対応するモニタ電圧VT21とVT22が取得され、モニタ特性図におけるT2の傾きと、モニタ電圧VT2=VT22−VT21の関係が得られる。
(3)基準となる対駆動電流モニタ電流率Imoの算出は、モニタ電圧VT2やバイアス電流値の差ΔIが既に求められているので、対駆動電流モニタ電流率Imoは下記の関係から求めることができる。
Imo=(VT22−VT21)/(I2−I1)=VT2/ΔI
なお、基準となる対駆動電流モニタ電流率Imoは、最初に求めておき、記憶手段に記憶し、必要なときに読み出して使用するようにすれば良いが、経時変化によるLDの劣化等が予想される場合等においては、適宜の期間の間隔で、あるいは、レーザ光出力の温度補正制御を行う毎に求めるようにしても良い。
なお、基準となる対駆動電流モニタ電流率Imoは、最初に求めておき、記憶手段に記憶し、必要なときに読み出して使用するようにすれば良いが、経時変化によるLDの劣化等が予想される場合等においては、適宜の期間の間隔で、あるいは、レーザ光出力の温度補正制御を行う毎に求めるようにしても良い。
(4)次に、補正の対象となる対駆動電流モニタ電流率Imtを求める。低温時、または高温時等において、(1)と同様の2水準のバイアス電流値I1とI2を使用し、前述の(2)と(3)の工程を実行し、モニタ特性を取得すれば、基準となる対駆動電流モニタ電流率Imoが求められる。
つまり、低温時は、(ハ)図のように、モニタ電圧VT1=VT12−VT11が求められ、低温時の対駆動電流モニタ電流率Imt(T1)は、下記のように求められる。
Imt(T1)=VT1/ΔI
また、高温時は、(ホ)図のように、モニタ電圧VT3=VT32−VT31が求められ、高温時の対駆動電流モニタ電流率Imt(T3)は、下記のように求められる。
また、高温時は、(ホ)図のように、モニタ電圧VT3=VT32−VT31が求められ、高温時の対駆動電流モニタ電流率Imt(T3)は、下記のように求められる。
Imt(T3)=VT3/ΔI
(5)基準となる対駆動電流モニタ電流率Imoと補正の対象となる対駆動電流モニタ電流率Imtとにより補正比率αを求める。補正比率αは下記の式により求められる。
(5)基準となる対駆動電流モニタ電流率Imoと補正の対象となる対駆動電流モニタ電流率Imtとにより補正比率αを求める。補正比率αは下記の式により求められる。
α=Imt/Imo
従って、低温時における補正比率α(T1)、高温時における補正比率α(T3)は、
α(T1)=(VT1/ΔI)/(VT2/ΔI)=VT1/VT2
α(T3)=(VT3/ΔI)/(VT2/ΔI)=VT3/VT2
となる。
従って、低温時における補正比率α(T1)、高温時における補正比率α(T3)は、
α(T1)=(VT1/ΔI)/(VT2/ΔI)=VT1/VT2
α(T3)=(VT3/ΔI)/(VT2/ΔI)=VT3/VT2
となる。
(6)対象となる最大のレーザ光出力Pmaxを得るための駆動電流の設定値を求める。対象となる最大のレーザ光出力Pmaxが得られる駆動電流PImaxは下記の関係により求められる。
PImax=α×Io
従って、基準となる最大のレーザ光出力Pmax=PoのときIo=I2として、前述のように予め設定されているので、低温時におけるPImax(T1)と高温時のPImax(T3)は、基準となる最大のレーザ光出力Pmax=Poが得られる駆動電流Io=I2に対して、それぞれの補正比率α(T1)、α(T3)を掛けた値となり、具体的には、下記のようになる。
従って、基準となる最大のレーザ光出力Pmax=PoのときIo=I2として、前述のように予め設定されているので、低温時におけるPImax(T1)と高温時のPImax(T3)は、基準となる最大のレーザ光出力Pmax=Poが得られる駆動電流Io=I2に対して、それぞれの補正比率α(T1)、α(T3)を掛けた値となり、具体的には、下記のようになる。
PImax(T1)=α(T1)×I2
PImax(T3)=α(T3)×I2
つまり、補正比率αに基づき、基準となる最大のレーザ光出力Pmax=Poが得られる駆動電流Io=I2を制御すれば良く、具体的には、PImax(T1)、PImax(T3)は、駆動電流I2を補正比率α(T1)、α(T3)に基づき制御すればよいことになる。
PImax(T3)=α(T3)×I2
つまり、補正比率αに基づき、基準となる最大のレーザ光出力Pmax=Poが得られる駆動電流Io=I2を制御すれば良く、具体的には、PImax(T1)、PImax(T3)は、駆動電流I2を補正比率α(T1)、α(T3)に基づき制御すればよいことになる。
なお、予め温度補正の対象となる温度(例えば、低温、常温または高温)に関連づけて、補正比率α、基準となる最大のレーザ光出力Pmax=Poや駆動電流Io=I2、PImax等の数値を記憶手段に記憶するようにしておき、実際に、環境温度が変化したと思われる場合等に、その温度に対応して記憶手段に記憶されたPImax等の数値を直ちにLD駆動回路に設定することで、迅速なレーザ光出力を一定にする温度補正制御を実施しても良い。
従って、本発明においては、予め設定されたレーザ光出力・モニタ電流(駆動電流)特性に基づき温度変化時のレーザ光出力・モニタ特性を求め、この2つの特性の関係から補正比率αを求めるようにしたので、特に、温度検出器を用いなくてもレーザ光出力の温度補正制御が行え、むしろ、温度検出器に係る温度特性による影響等を考慮する必要がなく、簡単で正確なレーザ光出力の温度補正制御が行えるようになり、安定した一定のレーザ光の出力ができる半導体レーザ制御装置を有する露光手段を備えた画像形成装置を提供することができるようになった。
また、環境温度が変化し、画像形成装置から出力される画像の状態が変化したと思われるときに、使用者が操作入力手段によりレーザ光出力補正モードを選択設定すれば、レーザ光出力の温度補正制御が行えるので、容易に安定した画像形成が行える画像形成装置を提供することができるようになった。
図4により本発明に係る画像形成装置の構成について説明する。
本発明の実施の形態における画像形成装置20は、説明を簡単にするために電子写真方式の複写機とする。電子写真方式の複写機はよく知られているので、本発明と直接関わりのない部分に関しては簡単に説明する。
20は画像形成装置、30は画像形成装置20に装着された自動原稿送り装置(ADF)である。
画像形成装置20は、筐体1の右側面部に比較的少量の転写材Pを供給するための手差し皿2が設けられている。また、左側面部には、画像が形成され排出された通常の転写材(普通紙ともいう。)P、あるいは厚手の紙や薄手の紙のような特殊な転写材IPを排出して積載するための排紙皿3が設けられている。そして、筐体1の底面部には画像形成装置20を移動できるようにするための複数のローラ4が設けられている。
筐体1の前面の上部には、画像形成装置20を作動させるための表示手段及び操作入力手段としてのコントロールパネルCPが設けられている。
コントロールパネルCPには、液晶表示装置、あるいは、表示装置にタッチパネル等が組み込まれたタッチパネル式の液晶表示装置により構成された表示手段DP、数値等を入力するキーボードKB、及び、コピー等の一連の画像形成動作を実行させるスタート釦(コピー釦ともいう。)SK等からなる操作入力手段としての入力装置とが設けられている。
特に、本実施の形態においては、画像形成装置20の露光手段(図示せず。)に設けられたレーザ光出力手段(図示せず。)からのレーザ光出力(露光光Eともいう。)が、温度変化によりその特性が変化しても、常に安定した最大のレーザ高出力が得られるように、温度補正制御を行うためのレーザ光出力補正モードを備え、操作入力手段としてのコントロールパネルCPの操作によりレーザ光出力補正モードが選択された際に、レーザ光出力手段の最大レーザ光出力値の温度補正制御を実行できるようになっている。
従って、環境温度が変化し、画像形成装置から出力される画像の状態が変化したと思われるときに、レーザ光出力の温度補正制御が行えるようになっている。
筐体1の内部には、制御手段EC、画像形成手段11、画像読取手段13、及び給排紙手段14等が設けられている。
制御手段ECは、制御回路とも呼ばれ、画像形成装置20の全ての作動を制御するための手段であり、CPU等からなる電気回路で構成されている。そして、CPUに予め記憶された制御プログラムや制御データ等に基づき、画像形成装置20を構成する全ての手段を駆動制御するようになっている。
また、画像形成装置20にADF30等の付属装置が接続されている場合は、同様に、これらの付属装置と協働して、画像形成装置20のシステムとして全体が円滑に作動するように駆動制御する。
更に、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)等で、パーソナルコンピュータあるいは、他の情報機器等と接続されている場合も、制御手段ECは、これらの機器と協働して、作動に必要な情報の記憶や授受を含め支障なく円滑に駆動制御できるものとする。
画像形成手段11は、原稿の画像情報に基づく画像を形成するための手段である。例えば、モータ等の駆動源により予め設定された作像方向(例えば、矢印で示す時計方向)に回転する感光体ドラム(感光体とも言う。)5、感光体ドラム5を一様に帯電する帯電手段6、露光手段として、例えば、原稿の画像情報(画像データともいう)に基づき信号化され、感光体ドラム5に静電潜像を形成するための半導体レーザを備えたレーザー出力手段からのレーザ光による露光光E、感光体ドラム5に形成された静電潜像をトナー像として顕像化する現像手段7、感光体ドラム5に形成されたトナー像を転写材P等に転写する転写分離手段8、トナー像が転写材P等に転写された後、感光体ドラム5に残留するトナーや紙粉等を掻き落とすためのクリーニング手段9、及び、転写されたトナー像を転写材Pに溶融固着するための定着手段10等により構成されている。
画像読取手段13は、光源LT、ミラー群MR、結像レンズLZ等からなる読取光学系と、CCD(固体撮像素子)等を含む電気回路からなる読取装置ESとで、構成されている。
読取装置ESは、画像形成装置20が複写機の場合は、自動原稿送り装置30の底部側に位置し、筐体1の上部に設けられたプラテンガラス(図示せず)上に載置した原稿や、自動原稿送り装置30により、読取位置に搬送された原稿の画像情報を読取り、デジタルの画像データに変換して、制御手段ECに設けられた記憶手段に画像データを記憶するようになっている。
また、ADF30により搬送された原稿を画像読取手段13で読み取る場合は、読取位置に搬送された原稿を光源LTが照射し、ミラー群MRを介して、原稿からの反射光を結像レンズLZにより読取装置ESのCCD面に結像させ、CCDの出力する画像情報を画像データとして記憶するようになっている。
給排紙手段14は、給紙カセット12と、駆動源としてのモータや複数のローラ等からなる給排紙搬送装置で構成されている。
給紙カセット12は、例えば、厚紙IPを収納するカセット12aと、普通紙Pを収納するカセット12bとで構成されている。
給排紙搬送装置は、制御手段ECの指示により、原稿に基づき特殊な転写材IP又は普通紙Pを選択した後に、駆動源であるモータを回転させることにより、複数のローラ群等を回転駆動させて、給紙カセット12から適切なタイミングで感光体ドラム5に向けて特殊な転写材IP又は普通紙Pを給紙搬送し、画像が形成された後に、排紙皿3へ排紙搬送するようになっている。
ADF30は、搬送装置全体がADF筐体31で覆われ、ADF筐体31の外部に原稿載置台32と排紙部33が設けられている。
原稿載置台32には、第1頁の原稿面(表面)を最上部にした状態の複数の原稿WPが載置される。載置された原稿WPは、複数のローラ等により構成される原稿搬送装置により読取位置に搬送され、読取装置ESで読み取られ、排紙部33に排紙される。
原稿搬送装置は、図示せぬ駆動制御回路により、画像形成装置20の制御手段ECと連動して作動するようになっている。
以上により、画像形成装置の露光手段に設けられたレーザ光出力手段からのレーザ光出力により感光体ドラム5に静電潜像を形成するようにした画像形成装置の最大レーザ光出力の温度補正制御に関して説明したが、レーザ光出力手段を備えた画像形成装置は複写機に限らずレーザプリンタやファクシミリ装置であっても良いことは言うまでもない。
そして、本発明は、予め設定されたレーザ光出力・モニタ電流特性と2水準のバイアス電流値に対応して求められたレーザ光出力・モニタ特性との関係から、温度に対するレーザ光出力を制御したので、温度検出装置等を備えなくても、環境温度が変化した場合に、所定の温度に対して、簡単で容易に適切な駆動電流の設定ができ、一定のレーザ光出力が得られることになる。
すなわち、本発明は、基準となる最大レーザ光出力値に対応した基準のモニタ特性を求め、また、所定の温度に対応した2水準のバイアス電流値を予め設定し、設定された2水準のバイアス電流値に対応する駆動電流をLD駆動回路に印加してLDを発光させ、そのレーザ光出力をPDが検出することにり、基準のモニタ特性に対する所定の温度に対応した補正用のモニタ特性が求められるので、基準のモニタ特性に対する補正用のモニタ特性の比率を補正比率として求めて、この補正比率に基づき基準の最大レーザ光出力値が得られる駆動電流値を制御することにより、環境温度の変化に対応した一定のレーザ光出力を得るようにしたものである。
1 筐体
2 手差し皿
3 排紙皿
4 ローラ
5 感光体ドラム
6 帯電手段
7 現像手段
8 転写分離手段
9 クリーニング手段
10 定着手段
11 画像形成手段
12 給紙カセット
13 画像読取手段
14 給排紙手段
20 画像形成装置
30 自動原稿送り装置
31 ADF筐体
32 原稿載置台
33 排紙部
2 手差し皿
3 排紙皿
4 ローラ
5 感光体ドラム
6 帯電手段
7 現像手段
8 転写分離手段
9 クリーニング手段
10 定着手段
11 画像形成手段
12 給紙カセット
13 画像読取手段
14 給排紙手段
20 画像形成装置
30 自動原稿送り装置
31 ADF筐体
32 原稿載置台
33 排紙部
Claims (3)
- レーザ光出力手段のレーザ光により、原稿の画像データに基づく潜像を感光体上に形成する露光手段と、
前記露光手段により形成された潜像を現像して転写材に画像を形成する画像形成手段と、
少なくとも前記露光手段と前記画像形成手段とを制御する制御手段とを備えた画像形成装置において、
前記レーザ光出力手段のレーザ光を受光してモニタ信号を出力するレーザ光出力検出手段と、
前記レーザ光出力手段における所定の温度に対応する駆動電流とレーザ光出力との関係が定められたレーザ光出力・駆動電流特性のデータを予め記憶する記憶手段とを備え、
前記制御手段は、
前記レーザ光出力・駆動電流特性に基づく基準となる最大レーザ光出力値と、所定の温度に対応した2水準のバイアス電流値とが入力されたとき、
前記レーザ光出力手段に前記2水準のバイアス電流値に対応した駆動電流を通電し、前記レーザ光出力検出手段が検出したモニタ信号により、所定の温度に対応するモニタ特性とレーザ光出力との関係を定めたレーザ光出力・モニタ特性を取得すると共に、
前記レーザ光出力・駆動電流特性及び前記レーザ光出力・モニタ特性との関係から、
前記基準となる最大レーザ光出力値に対応した基準のモニタ特性と、
前記2水準のバイアス電流値に基づく所定の温度に対応した補正用のモニタ特性との補正比率を求め、
前記基準の最大レーザ光出力値が得られる駆動電流値を前記補正比率に基づき制御することを特徴とする画像形成装置。 - 前記2水準のバイアス電流値は、前記2水準のバイアス電流値をI1とI2、基準となる最大のレーザ光出力値が得られる駆動電流をIoとしたとき、I1<I2≦Ioの関係を満足し、かつ、I1が閾値電流より大きいことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 制御条件を入力するための操作入力手段を備え、前記制御手段は、レーザ光出力補正モードを有し、前記操作入力手段により前記レーザ光出力補正モードが選択されたとき、前記レーザ光出力手段の最大レーザ光出力値の温度補正制御を実行することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004119890A JP2005297469A (ja) | 2004-04-15 | 2004-04-15 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004119890A JP2005297469A (ja) | 2004-04-15 | 2004-04-15 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005297469A true JP2005297469A (ja) | 2005-10-27 |
Family
ID=35329593
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004119890A Pending JP2005297469A (ja) | 2004-04-15 | 2004-04-15 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005297469A (ja) |
-
2004
- 2004-04-15 JP JP2004119890A patent/JP2005297469A/ja active Pending
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