以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明の一実施形態に係る光走査装置を備えた画像形成装置1の斜視図である。図2は、図1に示される画像形成装置1の内部構造を概略的に示す説明図である。なお、図2には、図1の上部筐体12は現れていない。図1及び図2に示される画像形成装置1は、いわゆるモノクロ複写機であるが、他の実施形態において、画像形成装置は、カラープリンター、ファクシミリ装置、これらの機能を備える複合機やトナー画像をシートに形成するための他の装置であってもよい。なお、以下の説明で用いられる「上」や「下」、「前」や「後」、「左」や「右」といった方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、画像形成装置の原理を何ら限定するものではない。
画像形成装置1は、略直方体形状の主筐体2を含む。主筐体2は、略直方体形状の下部筐体11と、下部筐体11の上方に配設される略直方体形状の上部筐体12と、下部筐体11と上部筐体12とを連結する連結筐体13とを含む。連結筐体13は、主筐体2の右縁及び背面縁に沿って延びる。下部筐体11、上部筐体12及び連結筐体13で囲まれる排出空間14に印刷処理が施与されたシートが排出される。
上部筐体12の正面方向に突出する操作部16は、例えば、画像の表示とタッチ操作の受付とを行うLCD(Liquid Crystal Display)タッチパネル17(報知部)を含む。操作部16は、画像形成処理に関する情報を入力可能に形成される。使用者は、例えば、LCDタッチパネル17を通じて、印刷されるシートの枚数等を入力したり、印刷濃度等を入力したりすることができる。上部筐体12内には、露光ランプ及びCCD(Charge Coupled Device)等からなる原稿読取部15が収容される。
上部筐体12の上に配設される押さえカバー223は、原稿を押さえるために用いられる。押さえカバー223は、上部筐体12に上下に回動可能に取り付けられる。使用者は、押さえカバー223を上方に回動させ、上部筐体12上に原稿を載置する。その後、使用者は操作部16を操作して、原稿の画像を上部筐体12内に配設された原稿読取部15に読み取らせることができる。
下部筐体11の右側面には、手差トレイ240が配設される。手差トレイ240は、下端240A(図2)を支点として、上端240B側が上下に回動可能である。手差トレイ240が下方に回動され、手差トレイ240が下部筐体11の右方に突出する位置にあるとき、ユーザーは手差トレイ240上にシートを載置可能である。手差トレイ240上のシートは、操作部16を通じてユーザーによって入力された指示に基づき、下部筐体11内に引き込まれた後、画像形成処理を施与され、排出空間14へ排出される。
下部筐体11の前面には、下部筐体11に対して開閉可能に設けられ、開状態で下部筐体11の内部機構を外部に露出させる開閉扉224が配設されている。開閉扉224は、開閉扉224の下端を支点として回動可能とされている。
図2を参照して、画像形成装置1は、カセット110と、給紙部10と、第2給紙ローラー114と、中間ローラー対115と、レジストローラー対116と、電源部PSと、インターロックスイッチSW(スイッチ)と、画像形成部120とを備える。給紙部10は、ピックアップローラー112と、第1給紙ローラー113と、を備える。給紙部10は、シート搬送路PPにシートPを送り出す。シート搬送路PPは、給紙部10から、中間ローラー対115、レジストローラー対116を介して、画像形成部120内に配設された転写位置を通過するように配設された搬送路である。
カセット110は、内部にシートPを収容する。カセット110は、下部筐体11から正面方向(図2の紙面手前方向)に引出可能である。カセット110内に収容されたシートPは、下部筐体11内で上方に送り出される。その後、シートPは、操作部16を通じて使用者によって入力された指示に基づき、下部筐体11内で画像形成処理を施与され、排出空間14へ排出される。カセット110は、シートPを支持するリフト板111を備える。リフト板111は、シートPの先頭縁を上方に押し上げるように傾斜する。
ピックアップローラー112は、リフト板111によって上方に押し上げられたシートPの先頭縁上に配置される。ピックアップローラー112が回転すると、シートPはカセット110から引き出される。
第1給紙ローラー113は、ピックアップローラー112のシート搬送方向下流側に配設される。第1給紙ローラー113は、シートPを更に下流側に送り出す。第2給紙ローラー114は、手差トレイ240の内側に配設される。第2給紙ローラー114は、手差トレイ240上のシートPを下部筐体11内に引き込む。使用者は、カセット110に収容されたシートP、または手差トレイ240の上に載置されたシートPを選択的に使用することができる。
中間ローラー対115は、第1給紙ローラー113、第2給紙ローラー114のシート搬送方向下流側に配設される。中間ローラー対115は、第1給紙ローラー113、第2給紙ローラー114によって送り出されたシートPを更に下流へ搬送する。
レジストローラー対116は、シート搬送方向と直交する方向のシートの位置を規定する。これにより、シートP上に形成される画像の位置が調整される。レジストローラー対116は、ローラー間にニップ部を形成する。レジストローラー対116は、画像形成部120において、シートPにトナー画像が転写されるタイミングに合わせて、シートPを画像形成部120に搬送する。また、レジストローラー対116は、シートPの斜行(スキュー)を補正する機能を備える。
画像形成部120は、感光体ドラム121と、光走査装置3と、像形成部120Aとを備える。像形成部120Aは、帯電器122と、現像装置124と、トナーコンテナ125と、転写ローラー126と、搬送ベルト180と、クリーニング装置127と、定着装置130とを備える。
感光体ドラム121は、略円筒体の形状を有する。感光体ドラム121は、周面に静電潜像が形成されるとともに、該静電潜像に応じたトナー画像を担持する。
帯電器122は、所定の電圧が印加され、感光体ドラム121の周面を略一様に帯電させる。光走査装置3は、帯電器122によって帯電された感光体ドラム121の周面に、レーザー光を照射する。該レーザー光は、画像形成装置1に通信可能に接続されたパーソナルコンピューター等の外部装置(図示せず)から出力された画像データに従って、照射される。この結果、感光体ドラム121の周面には、画像データに対応する静電潜像が形成される。
現像装置124は、静電潜像が形成された感光体ドラム121の周面にトナーを供給する。トナーコンテナ125は、現像装置124へトナーを供給する。トナーコンテナ125は、現像装置124に順次又は必要に応じてトナーを供給する。現像装置124がトナーを感光体ドラム121に供給すると、感光体ドラム121の周面に形成された静電潜像が現像(可視化)される。この結果、感光体ドラム121の周面に、トナー画像が形成されることとなる。
転写ローラー126は、転写位置において感光体ドラム121の周面に対向して配設される。転写ローラー126は、搬送ベルト180の内周面に当接して、感光体ドラム121に対向するように配設される。
搬送ベルト180は、無端状ベルトからなる。搬送ベルト180は、回転駆動され、表面にシートPを担持して、転写位置にシートPを搬送する。搬送ベルト180は、内周面を介して、転写ローラー126に回転駆動力を伝達する。搬送ベルト180は、転写ローラー126よりもシート搬送方向上流側および下流側において、張架ローラー182および駆動ローラー181によって張架されている。転写ローラー126および張架ローラー182は、搬送ベルト180に連れ回って、搬送ベルト180と同じ速度で回転する。シートPが転写位置を通過するときに、感光体ドラム121の周面に形成されたトナー画像が、シートPに転写される。
クリーニング装置127は、シートPへトナー画像が転写された後に、感光体ドラム121の周面に残るトナーを除去する。クリーニング装置127によって、清浄化された感光体ドラム121の周面は、再度、帯電器122の下方を通過し、一様に帯電される。その後、上述のトナー画像の形成が新たに行われる。
定着装置130は、転写位置よりも搬送方向下流側に配設されている。定着装置130は、シートP上のトナー画像を定着させる。定着装置130は、シートP上のトナーを溶融させる加熱ローラー131と、シートPを加熱ローラー131に密着させる圧力ローラー132と、を備える。シートPが加熱ローラー131と圧力ローラー132との間を通過すると、トナー画像は、シートPに定着される。
画像形成装置1は、定着装置130の下流に配設された搬送ローラー対133と、搬送ローラー対133の下流に配設された排出ローラー対134と、を更に備える。シートPは、搬送ローラー対133および排出ローラー対134によって、下部筐体11から排出される。下部筐体11から排出されたシートPは、上壁210上に積み重ねられる。
電源部PSは、例えばスイッチング電源回路等から構成された電源回路である。電源部PSは、画像形成装置1内の各部を動作させるための電源電圧を供給する。電源部PSは、光走査装置3における後述のレーザーユニット21を駆動させるための電源電圧Vpsを、インターロックスイッチSWを介して後述の接続端子33へ供給する。
インターロックスイッチSWは、開閉扉224の開閉と連動してオン、オフする。インターロックスイッチSWは、開閉扉224が閉状態のときオンして電源部PSからの電源電圧Vpsを光走査装置3における接続端子33へ供給する。また、インターロックスイッチSWは、開閉扉224が開状態のときオフして電源部PSからの接続端子33への電源電圧Vpsの供給を遮断する。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1の主要な電気的構成について説明する。図3は、図2に示す画像形成装置1の電気的構成の主要部分を示すブロック図である。画像形成装置1は、当該画像形成装置1の各部の動作を統括的に制御する制御部100を備える。
制御部100は、所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。制御部100には、原稿読取部15、画像形成部120、操作部16、及び通信部18(報知部)が接続されている。
画像形成部120は、上述の構成に加えてドラムモーター128(ドラム駆動部)、及びドラム駆動検出部129を備えている。ドラムモーター128、及びドラム駆動検出部129については後述する。なお、図3においては、給紙ローラーやピックアップローラー等、シートPを搬送するための搬送機構の記載を省略している。
通信部18は、例えばLAN(Local Area Network)や公衆回線等のネットワークに接続される通信インターフェース回路である。通信部18は、図略の通信ネットワークに接続されたパーソナルコンピューター等の外部端末装置とデータ送受信可能にされている。
制御部100は、例えばROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、複写制御部101、及び報知制御部102を構成する。
複写制御部101は、画像形成装置内の複写に係る各部の動作を制御して、原稿画像の複写を実行する。具体的には、複写制御部101は、原稿読取部15によって原稿から読み取られた画像データを画像形成部120へ送信し、画像形成部120によって、当該画像の画像形成を実行させる。
報知制御部102は、光走査装置3から出力された異常原因の判定結果に関する情報を受信し、その情報に応じたメッセージをLCDタッチパネル17に表示させたり、その情報を、通信部18を介して外部端末装置へ送信したりする。
図4は、光走査装置3、感光体ドラム121、ドラムモーター128、及びドラム駆動検出部129の構成を概念的に示す斜視図である。図4は、光走査装置3によって、感光体ドラム121がレーザー光LB(光線)で走査された状態を示している。図4に示す光走査装置3は、レーザーユニット21と、ポリゴンミラー22(走査部、ミラー)と、ポリゴンモーター23(走査部、ミラー駆動部)と、光センサー27とを備えている。なお、ポリゴンミラー22と感光体ドラム121との間にFシータレンズなどの光学系部材が配設されていてもよく、走査部は、これらの光学系部材を含んでいてもよい。また、ポリゴンミラーが走査部を構成する例を示したが、走査部は例えばMEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラー等の他の走査手段を用いて構成されていてもよい。
ドラムモーター128は、感光体ドラム121を回転駆動させる。感光体ドラム121は、ドラムモーター128の駆動軸128Aに連結されている。駆動軸128Aには、軸方向と交差する方向に突出した板状の遮蔽部材128Bが取り付けられている。
ドラム駆動検出部129は、感光体ドラム121が回転駆動しているか否かを検出する検出回路である。ドラム駆動検出部129は、例えば発光部と受光部とが対向配置されたいわゆるフォトインタラプターを用いて構成されている。ドラム駆動検出部129は、駆動軸128Aの近傍に、遮蔽部材128Bと対応する位置に配設されている。そして、駆動軸128Aが回転すると、遮蔽部材128Bが駆動軸128Aと連動して駆動軸128A回りを周回する。遮蔽部材128Bが駆動軸128Aの回りを周回すると、遮蔽部材128Bは、ドラム駆動検出部129の発光部と受光部の間を通過するようにされている。
そして、遮蔽部材128Bがドラム駆動検出部129の発光部と受光部の間を通過する際、発光部と受光部との間で発光部の光が遮光される。ドラム駆動検出部129は、受光部が発光部からの光を受光するとドラム駆動検出信号DSを例えばハイレベルで出力し、発光部の光が遮光されるとドラム駆動検出信号DSを例えばローレベルで出力する。これにより、感光体ドラム121が回転駆動するとドラム駆動検出信号DSが周期的にパルス状にローレベルになり、感光体ドラム121が停止しているとドラム駆動検出信号DSがハイレベルで固定される。これにより、ドラム駆動検出信号DSは、感光体ドラム121が回転駆動しているか否かを示す。ドラム駆動検出部129は、ドラム駆動検出信号DSを光走査装置3へ出力する。
レーザーユニット21は、レーザー光LBをポリゴンミラー22へ出射する。レーザーユニット21は、レーザー光LBを出射するレーザーダイオード等のレーザー光源と、レーザー光源の光量を検出するフォトダイオード等の光センサーとが一つのパッケージ内に配設されて構成されている。
ポリゴンミラー22は、正六角形の多面鏡であり、その側面に6つの光偏向面221を有している。ポリゴンミラー22は、ポリゴンモーター23によって、回転軸25を中心に回転方向RAに回転される。これにより、レーザーユニット21から出射されたレーザー光LBは、ポリゴンミラー22の光偏向面221により反射されて、その反射角がポリゴンミラー22の回転に伴い変化する。その結果、レーザー光LBが、感光体ドラム121の周面を含む一定領域内を、主走査方向に走査する。これにより、感光体ドラム121上に走査ラインSLに応じた静電潜像が形成される。
一つの光偏向面221により一つの走査ラインSLに応じた静電潜像が形成される。ポリゴンミラー22の回転に伴いレーザー光LBを反射する光偏向面221が切り替わる都度、新たな走査ラインSLに応じて感光体ドラム121に静電潜像が形成される。これにより、ポリゴンミラー22は、予め設定された一定の走査周期で、レーザー光LBを繰り返し感光体ドラム121の周面に主走査方向に沿って走査する。一方、感光体ドラム121が回転方向RBに回転することで、副走査方向に複数の走査ラインSLに応じた静電潜像が形成される。
ポリゴンモーター23には、ポリゴンモーター23が回転駆動しているか否か、すなわちポリゴンミラー22が回転駆動しているか否かを検出するミラー駆動検出部231が内蔵されている。ミラー駆動検出部231は、ポリゴンミラー22が回転駆動しているか否かを示すミラー駆動検出信号MSを光走査装置3へ出力する。なお、ポリゴンモーター23がミラー駆動検出部231を内蔵する例に限らない。例えば、ポリゴンミラー22に遮蔽部材128Bと同様の遮蔽部材を取り付け、ミラー駆動検出部231をドラム駆動検出部129と同様のフォトインタラプターによって構成してもよい。
光センサー27は、走査ラインSLの開始側の感光体ドラム121の端部付近において、レーザー光LBの光路中に配設されている。光センサー27は、レーザー光LBを受光すると、ビーム検出信号BDがローレベルで複写制御部101へ出力される。
複写制御部101は、画像形成を実行する際、光走査装置3へレーザーダイオードLDの点灯を要求する。そして、複写制御部101は、描画しようとする画像データを表す走査ラインSLを出力させるための制御信号を、ビーム検出信号BDと同期して光走査装置3へ出力する。これにより、複写制御部101は、走査ラインSLが正しく描かれるように、描画される画像と走査ラインSLとを同期させる。
また、複写制御部101は、レーザーダイオードLDの光量調整を行う際、レーザーダイオードLDの強制点灯を要求する出力要求を光走査装置3へ出力する。
図5は、主に光走査装置3の電気的構成の一例を示すブロック図である。図5に示す光走査装置3は、レーザーユニット21、光センサー27(光線検出部)、コンパレーターCMP2(開状態検出部)、バッファ28,29(信号検出部)、抵抗R1,R2、可変抵抗VR、ダイオードD1、キャパシターC1、APC(Automatic Power Control)回路31(発光制御部)、電流検出部32、接続端子33(受電部)、ミラー駆動検出部231、及びスキャン制御部300を備えている。光センサー27は、フォトダイオードPD1とコンパレーターCMP1とを備えている。レーザーユニット21は、レーザーダイオードLD(発光部)とフォトダイオードPD2(光量検出部)とを備えている。図5においてはポリゴンモーター23の記載を省略している。
レーザーダイオードLD及びフォトダイオードPD2は、レーザーユニット21内に近接配置されて、同一のパッケージ内に封入されている。レーザーダイオードLDは、例えば端面発光型レーザーである。レーザーダイオードLDは、正面からレーザー光LBを出力し、レーザー光LBと反対方向に向けてバックビームを出力する。レーザーダイオードLDの正面からポリゴンミラー22へ向けてレーザー光LBが射出され、レーザーダイオードLDの反対側から射出されるいわゆるバックビームがフォトダイオードPD2に照射されるようになっている。レーザー光LBの光量とバックビームの光量とは相関関係があり、レーザー光LBの光量変化に応じてバックビームの光量が変化するので、フォトダイオードPD2は、バックビームの光量を検出することにより間接的にレーザー光LBの光量を検出するようになっている。
なお、レーザーダイオードLDが発光部を構成する例を示したが、発光部は光線を出力するものであればよく、レーザーダイオードに限らない。また、フォトダイオードPD2が光量検出部を構成する例を示したが、光量検出部はレーザー光の光量を検出できるものであればよく、フォトダイオードに限らない。また、フォトダイオードPD2が、レーザーダイオードLDのバックビームの光量を検出する例を示したが、フォトダイオードPD2は、直接レーザー光LBの光量を、レーザーダイオードLDとポリゴンミラー22との間で検出する構成であってもよい。フォトダイオードPD2は、例えばレーザーダイオードLDとポリゴンミラー22との間の光路上に設けられたハーフミラーによって反射されたレーザー光の光量を、レーザー光LBの光量を示す情報として検出する構成であってもよい。
しかしながら、レーザーダイオードLDとポリゴンミラー22との間にハーフミラーを配置して、ハーフミラーによって反射されたレーザー光をフォトダイオードPD2で検出する場合、感光体ドラム121の周面を走査するレーザー光LBの光量が減少する。一方、バックビームの光量をフォトダイオードPD2で検出することによって、間接的にレーザー光LBの光量を検出する構成は、感光体ドラム121の周面を走査するレーザー光LBの光量が減少することがないので、より好ましい。
接続端子33は、電源部PSからインターロックスイッチSWを介して供給された電源電圧Vpsを受電する。なお、受電部は、電源電圧Vpsを受電するものであればよく、接続端子に限らない。受電部は、例えば配線、配線パターン、電極、コネクタ、端子台、あるいはランドやパッド等の配線パターンであってもよい。
レーザーダイオードLDのアノードは接続端子33に接続され、レーザーダイオードLDのカソードは電流検出部32を介してAPC回路31に接続されている。フォトダイオードPD2のカソードは接続端子33に接続されている。フォトダイオードPD2のアノードは抵抗R2と可変抵抗VRとを介して回路グラウンドに接続されると共に、APC回路31に接続されている。
電流検出部32は、例えばホール素子やシャント抵抗等を用いて構成された電流検出回路である。電流検出部32は、レーザーダイオードLDに流れる電流Idを検出し、電流Idを示す信号をAPC回路31へ出力する。
コンパレーターCMP2の+端子は、接続端子33に接続されている。コンパレーターCMP2の−端子には、電源電圧Vpsが供給されているか否かを判定するための基準電圧Vrefが入力されている。コンパレーターCMP2は、接続端子33の電圧と基準電圧Vrefとを比較し、その比較結果を示す信号を、開閉扉224の開閉状態を示す信号としてスキャン制御部300へ出力する。
具体的には、開閉扉224が閉状態のときは、インターロックスイッチSWがオンし、電源電圧VpsがコンパレーターCMP2の+端子に印加される。その結果、コンパレーターCMP2の出力信号はハイレベルとなる。すなわち、コンパレーターCMP2の出力信号がハイレベルになることは、コンパレーターCMP2が、開閉扉224が閉状態であることを検出したことを意味している。また、開閉扉224が開状態のときは、インターロックスイッチSWがオフし、電源電圧VpsがコンパレーターCMP2の+端子に印加されない。その結果、コンパレーターCMP2の出力信号はローレベルとなる。すなわち、コンパレーターCMP2の出力信号がローレベルになることは、コンパレーターCMP2が、開閉扉224が開状態であることを検出したことを意味している。
なお、開状態検出部は、必ずしもコンパレーターCMP2のように電源電圧Vpsの有無に基づき開閉扉224が開状態であることを検出する例に限らない。例えば、インターロックスイッチSWとは別に、開閉扉224の開閉状態を検出する検出スイッチやセンサーを、開状態検出部として備えていてもよい。
ダイオードD1のカソードは接続端子33に接続され、ダイオードD1のアノードは電流検出部32とAPC回路31との接続点に接続されている。ダイオードD1は、レーザーダイオードLDを逆電圧から保護する保護回路である。キャパシターC1は、接続端子33と回路グラウンドとの間に接続されている。キャパシターC1は、いわゆるバイパスコンデンサである。キャパシターC1は、レーザーダイオードLD及びフォトダイオードPD2に供給される電源電圧Vpsを安定化させる。
フォトダイオードPD2にレーザー光が照射されると、レーザー光の光量に応じた電流が抵抗R2と可変抵抗VRとの直列回路に流れる。その直列回路に流れた電流が抵抗R2と可変抵抗VRとの直列抵抗によって電圧に変換される。その結果、フォトダイオードPD2のアノードと抵抗R2との接続点の電圧が、レーザー光LBの光量を示す第2検出信号SP2として得られる。第2検出信号SP2は、APC回路31に入力される。
レーザー光LBの光量(バックビームの光量)と第2検出信号SP2の電圧値との関係は、フォトダイオードPD2の特性ばらつきや抵抗R2の抵抗ばらつきによって変化するため、可変抵抗VRを調節することで、これらのばらつきの影響をキャンセルできるようになっている。
光センサー27は、フォトダイオードPD1とコンパレーターCMP1とが1パッケージに集積されたフォトICである。
フォトダイオードPD1のカソードは接続端子33に接続され、フォトダイオードPD1のアノードは抵抗R1を介して回路グラウンドに接続されている。これにより、フォトダイオードPD1にレーザー光が照射されると、レーザー光の光量に応じた電流が抵抗R1に流れ、その流れた電流が抵抗R1によって電圧に変換される。その結果、フォトダイオードPD1のアノードと抵抗R1との接続点の電圧が、ポリゴンミラー22で反射された後のレーザー光LBの光量を示す第1検出信号SP1として得られる。第1検出信号SP1は、コンパレーターCMP1の−端子に入力される。
コンパレーターCMP1の+端子には、第1閾値電圧Vth1が入力されている。第1閾値電圧Vth1は、レーザー光LBの検出の有無を判定するための基準電圧である。コンパレーターCMP1は、第1検出信号SP1と第1閾値電圧Vth1とを比較し、その比較結果を示すビーム検出信号BDを複写制御部101及びスキャン制御部300へ出力する。第1閾値電圧Vth1は、図略の分圧抵抗や定電圧回路等の電圧生成回路によって生成される。
コンパレーターCMP1は、第1検出信号SP1が第1閾値電圧Vth1を超えると、ビーム検出信号BDをローレベル(L)とし、第1検出信号SP1が第1閾値電圧Vth1を下回ると、ビーム検出信号BDをハイレベル(H)とする。すなわち、ビーム検出信号BDは、ローレベルのとき、光センサー27によってレーザー光LBが検出されたことを示している。
APC回路31は、スキャン制御部300からの点灯制御信号EN及び強制点灯信号SHに応じてレーザーダイオードLDに流す駆動電流を制御することによって、レーザーダイオードLDを点灯又は消灯させる。また、APC回路31は、レーザーダイオードLDを点灯させた際の光量を、第2検出信号SP2によって監視し、レーザーダイオードLDの光量が予め設定された一定の光量になるように、レーザーダイオードLDの駆動電流を調節する。
バッファ28は、点灯制御信号ENを検出し、検出された点灯制御信号ENをスキャン制御部300へ出力する。バッファ29は、強制点灯信号SHを検出し、検出された強制点灯信号SHをスキャン制御部300へ出力する。
スキャン制御部300は、所定の演算処理を実行するCPUと、所定の制御プログラムが記憶されたROMと、データを一時的に記憶するRAMと、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。スキャン制御部300は、例えばROMに記憶された制御プログラムを実行することによって、走査異常判定部301、異常原因判定部302、指示制御部303、及び受付部304を構成する。異常原因判定部302は、発光部異常判定部321と、信号異常判定部322と、扉開状態判定部323を含む。
受付部304は、複写制御部101から出力された出力要求を受け付ける。
指示制御部303は、受付部304によって受け付けられた複写制御部101からの出力要求に応じて、レーザーダイオードLDによりレーザー光を出力(点灯)させるか否かの指示を示す点灯制御信号EN、及びレーザーダイオードLDを強制的に点灯させるか否かの指示を示す強制点灯信号SHをAPC回路31へ出力する。強制点灯信号SHは、レーザーダイオードLDの光量調整を行う際に、レーザーダイオードLDを強制点灯させるための信号である。指示制御部303は、受付部304によって複写制御部101からの出力要求が受け付けられると、すなわち複写制御部101からレーザーダイオードLDの点灯が要求されると、レーザーダイオードLDを点灯させる旨の点灯制御信号ENをAPC回路31へ出力する。
また、指示制御部303は、ミラー駆動検出部231によってポリゴンミラー22が駆動していないことが検出された場合、複写制御部101からの出力要求に関わらず、レーザーダイオードLDを消灯させる旨の点灯制御信号ENをAPC回路31へ出力する。
ポリゴンミラー22が駆動していない状態でレーザーダイオードLDを点灯すると、感光体ドラム121の主走査方向における同一位置にレーザー光LBが照射され続けるおそれがある。感光体ドラム121の同一位置にレーザー光LBが照射され続けると、感光体ドラム121の感光体を劣化させるおそれがある。
そこで、指示制御部303は、ポリゴンミラー22が駆動していないことが検出された場合、レーザーダイオードLDを消灯させることによって、感光体ドラム121の感光体が劣化するおそれを低減することができる。
また、指示制御部303は、ドラム駆動検出部129によって感光体ドラム121が駆動していないことが検出された場合、複写制御部101からの出力要求に関わらず、レーザーダイオードLDを消灯させる旨の点灯制御信号ENをAPC回路31へ出力する。
感光体ドラム121が停止している状態で、光走査装置3によるレーザー光LBの走査が感光体ドラム121の副走査方向における同一位置で繰り返されると、感光体が劣化するおそれがある。そこで、指示制御部303は、ドラム駆動検出部129によって感光体ドラム121が駆動していないことが検出された場合、レーザーダイオードLDを消灯させることによって、感光体ドラム121の感光体が劣化するおそれを低減することができる。
また、指示制御部303は、受付部304によって複写制御部101からレーザーダイオードLDの強制点灯を要求する出力要求が受け付けられると、レーザー光を強制点灯させる旨の強制点灯信号SHをAPC回路31へ出力する。点灯制御信号EN及び強制点灯信号SHは、指示信号の一例に相当する。
APC回路31は、点灯制御信号ENに応じてレーザーダイオードLDを点灯したり、消灯したりする。また、APC回路31は、レーザーダイオードLDを点灯させる旨の強制点灯信号SHを受信した場合、点灯制御信号ENに関わらず、レーザーダイオードLDを強制的に点灯させる。
走査異常判定部301は、複写制御部101によってレーザーダイオードLDの点灯又は強制点灯が要求され、すなわち光走査装置3によってレーザー光LBの走査が行われるべき期間中に、光センサー27によってレーザー光LBが検出されない期間が予め設定された走査判定時間Tj(例えば1〜10msec)を超えて継続した場合、レーザー光LBの走査に異常が生じていると判定する。レーザー光LBの走査は、正常であれば200〜300μsec毎に行われるので、1〜10msec程度の走査判定時間Tjを超える期間、光センサー27によってレーザー光LBが検出されない場合、レーザー光LBの走査に何らかの異常が発生していると判定できる。
異常原因判定部302は、走査異常判定部301によってレーザー光LBの走査に異常が生じていると判定された場合、発光部異常判定部321、信号異常判定部322、及び扉開状態判定部323によって、レーザー光LBの走査に異常が生じた原因を判定する。
異常原因判定部302は、発光部異常判定部321、信号異常判定部322、及び扉開状態判定部323により、光走査装置3によるレーザー光LBの走査に異常が生じた場合にその異常の発生を検出し、かつその異常原因を判定することができる。
発光部異常判定部321は、走査異常判定部301によってレーザー光LBの走査に異常が生じていると判定された場合において、電流検出部32によって検出された電流Idが予め設定された電流閾値Ithを超えたとき、レーザーダイオードLDの異常を異常原因として判定する。
信号異常判定部322は、走査異常判定部301によってレーザー光LBの走査に異常が生じていると判定された場合において、バッファ28によりレーザーダイオードLDを消灯させる旨の点灯制御信号ENが検出されたとき、点灯制御信号ENに関する異常をレーザー光LBの走査に異常が生じた原因として判定する。
さらに信号異常判定部322は、点灯制御信号ENに関する異常をレーザー光LBの走査に異常が生じた原因として判定したとき、すなわち走査異常判定部301によってレーザー光LBの走査に異常が生じていると判定された場合においてバッファ28によりレーザーダイオードLDを消灯させる旨の点灯制御信号ENが検出されたときに、さらにミラー駆動検出部231によってポリゴンミラー22が駆動していないことが検出された場合、点灯制御信号ENに関する異常の原因は、ミラーの駆動に関する異常であると判定する。具体的には、ミラーの駆動に関する異常とは、ポリゴンミラー22が駆動していないために指示制御部303がレーザーダイオードLDを消灯させる旨の点灯制御信号ENを出力している異常であり、ポリゴンミラー22の駆動に何らかの問題が生じている異常を意味する。
さらに信号異常判定部322は、点灯制御信号ENに関する異常をレーザー光LBの走査に異常が生じた原因として判定したとき、すなわち走査異常判定部301によってレーザー光LBの走査に異常が生じていると判定された場合においてバッファ28によりレーザーダイオードLDを消灯させる旨の点灯制御信号ENが検出されたときに、さらにドラム駆動検出部129によって感光体ドラム121が駆動していないことが検出された場合、点灯制御信号ENに関する異常の原因は、感光体ドラム121の駆動に関する異常であると判定する。具体的には、感光体ドラム121の駆動に関する異常とは、感光体ドラム121が駆動していないために指示制御部303がレーザーダイオードLDを消灯させる旨の点灯制御信号ENを出力している異常であり、感光体ドラム121の駆動に何らかの問題が生じている異常を意味する。
扉開状態判定部323は、走査異常判定部301によってレーザー光LBの走査に異常が生じていると判定された場合において、コンパレーターCMP2によって開閉扉224が開状態であることが検出された場合、開閉扉224が開いていることをレーザー光LBの走査に異常が生じた原因として判定する。開閉扉224が開いていると、インターロックスイッチSWがオフしてレーザーダイオードLDが消灯し、走査異常判定部301によってレーザー光LBの走査に異常が生じていると判定されるからである。
次に、このように構成された光走査装置3の動作について説明する。図6〜図8は、画像形成装置1の動作の一例を示すフローチャートである。図6〜図8に示すフローチャートは、図5に示す光走査装置3における、走査異常判定部301と異常原因判定部302の動作を主に示している。まず、画像形成装置1が起動されると、ポリゴンモーター23の回転が開始される(ステップS1)。
次に、受付部304によって、複写制御部101からレーザーダイオードLDの点灯を要求する出力要求があったか否か、すなわち光走査装置3によってレーザー光LBの走査が行われるべき期間中であるか否かが確認される(ステップS2)。そして、複写制御部101から出力要求がなければ、受付部304はステップS2を繰り返し(ステップS2でNO)、出力要求があれば(ステップS2でYES)、指示制御部303が、光走査装置3によってレーザーダイオードLDを点灯させ、レーザー光LBの走査を実行させるべくステップS3へ移行する。
次に、走査異常判定部301によって、ビーム検出信号BDがローレベル「L」になったか否かが確認される(ステップS3)。ビーム検出信号BDがローレベル「L」になれば(ステップS3でYES)、光走査装置3によって正常にレーザー光LBの走査が行われているから、走査異常判定部301は、レーザー光LBの走査に異常なしと判定し(ステップS4)、処理を終了する。
一方、ビーム検出信号BDがローレベル「L」にならず(ステップS3でNO)、ビーム検出信号BDが「H」の期間が走査判定時間Tjを超えた場合(ステップS5でYES)、走査異常判定部301は、レーザー光LBの走査に異常ありと判定する(ステップS6)。
次に、発光部異常判定部321は、電流検出部32により検出された電流Idと電流閾値Ithとを比較する(ステップS7)。そして、電流Idが電流閾値Ithを超えた場合(ステップS7でYES)、発光部異常判定部321は、レーザーダイオードLDに異常ありと判定する(ステップS8)。
例えばレーザーダイオードLDが経年劣化や熱ストレス等により劣化した場合、発光効率が低下する。そのため、レーザーダイオードLDが劣化すると、劣化していないときと同じ光量のレーザー光を発光させるためにはレーザーダイオードLDに流す電流を増加させる必要がある。従って、レーザーダイオードLDが劣化すると、APC回路31が予め設定された一定の光量のレーザー光をレーザーダイオードLDから出力させるために、レーザーダイオードLDの駆動電流を増加させる。レーザーダイオードLDが劣化や故障等していると、レーザーダイオードLDから予め設定された一定の光量のレーザー光を出力させようとして駆動電流を増加させる結果、レーザーダイオードLDの駆動電流すなわち電流Idが、電流閾値Ithを超えることになる。
このようにして、発光部異常判定部321は、レーザーダイオードLDの異常を判定することが可能とされている。
発光部異常判定部321は、レーザーダイオードLDに異常が生じている旨の判定結果を報知制御部102に通知する。報知制御部102は、レーザーダイオードLDに異常が生じている旨の判定結果の通知を受けると、レーザーダイオードLDに異常が生じている旨のメッセージを例えばLCDタッチパネル17に表示させることにより報知し(ステップS9)、処理を終了する。
一方、電流Idが電流閾値Ithを超えない場合(ステップS7でNO)、信号異常判定部322は、バッファ28の出力信号に基づき点灯制御信号ENが消灯指示を示しているか否かを確認する(ステップS11)。点灯制御信号ENが消灯指示を示す場合(ステップS11でYES)、複写制御部101からレーザーダイオードLDの点灯を要求されている(ステップS2でYES)にもかかわらず、点灯制御信号ENが点灯指示を示していないことになるから、信号異常判定部322は、点灯制御信号ENに関連する異常ありと判定する(ステップS12)。
これにより、信号異常判定部322は、光走査装置3によるレーザー光LBの走査に異常が生じた場合に、レーザーダイオードLDを点灯させる旨の点灯制御信号ENが出力されていないことが、異常の原因であると判定することができる。
次に、信号異常判定部322は、ミラー駆動検出部231の検出結果に基づき、ポリゴンミラー22が駆動しているか否かを確認する(ステップS13)。そして、ポリゴンミラー22が駆動していない場合(ステップS13でNO)、信号異常判定部322は、ポリゴンミラー22の駆動に異常ありと判定する(ステップS14)。
これにより、信号異常判定部322は、点灯制御信号ENに関連する異常ありと判定した場合に、さらに点灯制御信号ENが点灯指示を示していない原因を詳細に判定することが可能となる。
信号異常判定部322は、ポリゴンミラー22の駆動に異常が生じている旨の判定結果を報知制御部102に通知する。報知制御部102は、ポリゴンミラー22の駆動に異常が生じている旨の判定結果の通知を受けると、ポリゴンミラー22の駆動に異常が生じている旨のメッセージを例えばLCDタッチパネル17に表示させることにより報知し(ステップS15)、処理を終了する。
一方、ステップS13において、ポリゴンミラー22が駆動している場合(ステップS13でYES)、信号異常判定部322は、ドラム駆動検出部129の検出結果に基づき、感光体ドラム121が駆動しているか否かを確認する(ステップS16)。そして、感光体ドラム121が駆動していない場合(ステップS16でNO)、信号異常判定部322は、感光体ドラム121の駆動に異常ありと判定する(ステップS17)。
これにより、信号異常判定部322は、点灯制御信号ENに関連する異常ありと判定した場合に、さらに点灯制御信号ENが点灯指示を示していない原因を詳細に判定することが可能となる。
信号異常判定部322は、感光体ドラム121の駆動に異常が生じている旨の判定結果を報知制御部102に通知する。報知制御部102は、感光体ドラム121の駆動に異常が生じている旨の判定結果の通知を受けると、感光体ドラム121の駆動に異常が生じている旨のメッセージを例えばLCDタッチパネル17に表示させることにより報知し(ステップS18)、処理を終了する。
一方、ステップS11において、点灯制御信号ENが点灯指示を示す場合(ステップS11でNO)、扉開状態判定部323は、コンパレーターCMP2の出力信号に基づき、開閉扉224が開状態であるか否かがを確認する(ステップS21)。そして、開閉扉224が開状態であった場合(ステップS21でYES)、扉開状態判定部323は、開閉扉224が開いていることがレーザー光LBの走査に異常が生じた原因であると判定する(ステップS22)。
これにより、扉開状態判定部323は、走査異常判定部301によってレーザー光LBの走査に異常ありと判定された場合に、レーザー光LBの走査に異常が生じた原因を更に詳細に判定することができる。
扉開状態判定部323は、開閉扉224が開いていることを報知制御部102に通知する。報知制御部102は、開閉扉224が開いている旨の判定結果の通知を受けると、例えば開閉扉224が開いているために正常に画像形成できない旨のメッセージや開閉扉224を閉めるように促すメッセージを例えばLCDタッチパネル17に表示させることにより報知し(ステップS23)、処理を終了する。開閉扉224が開いているために正常に画像形成できない旨のメッセージや開閉扉224を閉めるように促すメッセージは、開閉扉224が開いていることを示す判定結果に基づく情報の一例である。
ステップS16において、感光体ドラム121が駆動している場合(ステップS16でYES)、信号異常判定部322は、点灯制御信号ENに異常が生じている原因を判定することができない。そこで、信号異常判定部322は、点灯制御信号ENに関連する異常が生じている旨を報知制御部102に通知する。報知制御部102は、点灯制御信号ENに関連する異常が生じている旨の判定結果の通知を受けると、点灯制御信号ENに関連する異常が生じている旨のメッセージを例えばLCDタッチパネル17に表示させることにより報知し(ステップS31)、処理を終了する。
一方、ステップS21において、開閉扉224が閉じている場合(ステップS21でNO)、扉開状態判定部323は、レーザー光LBの走査に異常が生じている原因を判定することができない。そこで、扉開状態判定部323は、レーザー光LBの走査に異常が生じている旨を報知制御部102に通知する。報知制御部102は、レーザー光LBの走査に異常が生じている旨の判定結果の通知を受けると、レーザー光LBの走査に異常が生じている旨のメッセージを例えばLCDタッチパネル17に表示させることにより報知し(ステップS32)、処理を終了する。
なお、複写制御部101から指示制御部303へ、レーザーダイオードLDを強制点灯させる要求がされた場合、信号異常判定部322は、バッファ29の出力信号を確認し、強制点灯信号SHがレーザーダイオードLDを強制点灯させる指示を示しているか否かを確認するようにしてもよい。そして、強制点灯信号SHがレーザーダイオードLDを強制点灯させる指示を示していない場合、信号異常判定部322は、強制点灯信号SHに異常があると判定する構成としてもよい。
以上、ステップS1〜S6の処理により、レーザー光LBの走査に異常が生じた場合にその異常の発生を検出することができる。また、レーザー光LBの走査に異常が生じたことを検出した場合、ステップS7〜S32の処理により、極力レーザー光LBの走査に異常が生じた原因を判定することができる。そして、ステップS9、S15、S18、S23、S31の処理により、レーザー光LBの走査に異常が生じた場合にさらにその異常が生じた詳細な原因を、ユーザーやメンテナンス作業者へ報知することができるので、異常を解消するために必要となる交換部品や工具を的確に手配することが可能となる。また、ステップS32の処理により、少なくともレーザー光LBの走査に異常が生じたことをユーザーやメンテナンス作業者へ報知することができる。
なお、ステップS9において、報知制御部102は、発光部異常判定部321の判定結果を報知する例を示した。しかしながら、ステップS9において、報知制御部102は、例えば発光部異常判定部321の判定結果に基づき、「レーザーユニット21を交換してください」といった、異常を解消する手段を判定結果に基づく情報として報知してもよい。
同様に、報知制御部102は、異常原因判定部302の判定結果に基づき、ステップS15、S18、S31、S32において、それぞれ「ポリゴンモーター23を交換してください」、「ドラムモーター128を交換してください」、「スキャン制御部300を交換してください」、「光走査装置3を交換してください」といったメッセージを、判定結果に基づく情報として報知してもよい。
また、報知制御部102は、LCDタッチパネル17を用いて判定結果に基づく情報を報知する例に限らない。例えば、報知制御部102は、通信部18によって、ネットワークを介して判定結果に基づく情報を報知する構成であってもよい。
また、異常原因判定部302は、必ずしも発光部異常判定部321、信号異常判定部322、及び扉開状態判定部323を含んでいなくてもよい。発光部異常判定部321、信号異常判定部322、及び扉開状態判定部323のうち、少なくとも一つを備えていればよい。あるいは、発光部異常判定部321、信号異常判定部322、及び扉開状態判定部323を備えず、異常原因判定部302は、発光部異常判定部321、信号異常判定部322、及び扉開状態判定部323とは異なる手段で光線の走査に異常が生じた原因を判定する構成であってもよい。
例えば、異常原因判定部302は、フォトダイオードPD1から出力された検出信号SP1が閾値電圧Vth1以下であって、かつ閾値電圧Vth1よりも低い閾値電圧Vth2を超えた場合、すなわちレーザー光LBの光量が予め設定された第1閾値以下であってかつ第1閾値より少ない光量を示す第2閾値を超えた場合、レーザー光LBの光量不足と判定し、検出信号SP1が閾値電圧Vth2以下であり、レーザー光LBの光量が第2閾値以下の場合、ポリゴンミラー22による走査動作の異常又はレーザーダイオードLDの異常であると判定する判定部を含んでいてもよい。