JP2005297274A - 自動車用内装材の製造方法、自動車用内装材における表層材の位置決め方法及び固定方法 - Google Patents

自動車用内装材の製造方法、自動車用内装材における表層材の位置決め方法及び固定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 自動車用内装材において、表層材の製作時に、予め各工程間を通じて一定となる位置決め構造を持たせて工程不良対策と作業性の向上を図る。
【解決手段】 予め、表層材23を構成する布地の製作時に、位置決め用の開口部位としての位置決め孔23cを周縁部に連続的に紋様として形成する一方、位置決めピン26を各工程の設備や治工具に統一した規格で設けておく。表層材23の位置決め孔23cを設備や治工具の位置決めピン26に挿入することで位置決めする。これにより、初工程から最終工程まで一貫した位置決めにより各工程及び工程間での位置不良を防止できる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、自動車用内装材の製造方法に関し、特に、自動車用内装材における表層材の位置決め方法及び固定方法に関する。
従来、自動車用インストルメントパネル等には、エアコン等と接続された空調吹き出し口が形成されている。かかる空調吹き出し口は、通常、ベンチレータ(VENT)と呼ばれる射出成形樹脂によるルーバータイプが一般的である。また、特に、大口径の空調吹き出し口では、いわゆるパンチングメタル等も使用されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、上述したインストルメントパネル等に用いる自動車用内装材としては、高級感を付与したり、ソフトな肌触わり感を付与するために、例えば、不織布などの繊維基材シートを、例えばABS樹脂などの芯材に接着剤で一体的に結着した積層体を加熱軟化した状態で成形型で加圧成形したもの等が知られている(例えば、特許文献2参照)。また、この特許文献2には、表層材に布を用いた自動車用内装材が記載されている。
しかしながら、例えば、自動車用インストルメントパネルには、柔らかさ、しなやかさ、或いは緩衝性等が要求されるのに対し、上述した空調吹き出し口に用いる従来のルーバータイプやパンチングメタル等の自動車用内装材は、硬質素材であるため、上記した柔らかさ等の要求を満足することができない。
また、特に、高級自動車用インストルメントパネルには、空調吹き出し口と分からないような周囲との一体感が得られるのが望ましいところ、たとえ色調は合わせられても、硬質素材であることから、触感は周囲のインストルメントパネルとは異なり、見た目にも一体感がないため、明らかに空調吹き出し口と分かってしまう。
そこで、本発明者等は、少なくとも単繊維の編物又は織物から成る表層材と、クッション材と、芯材とから成る3層構造の自動車用内装材を発明し、本出願とは別個の本出願人による特許出願である特願2004−114110号により出願すると共に、その一実施形態として当該自動車用内装材をインストルメントパネルの空調吹き出し口に適用した例を開示している(特許文献3参照)。
即ち、図1に示すように、その自動車用内装材20の空調吹き出し口周辺部は、芯材21、クッション材22、単繊維の編物又は織物から成る布製の表層材23が順に積層された3層構造を形成している。尚、表層材23の裏面(下面)には、目止め用ラミネート材(弾性発泡シート)25が貼付されている。
表層材23には、部分的に開口部(吹き出し部)23Aが形成されている。クッション材22は、全体として弾性発泡体22Aから形成されているが、表層材23の開口部23Aに対応する部分は、通気性素材(中空体)22Bから形成されている。尚、芯材21は、表層材23の開口部23Aに対応する部分(21B)には、多数の小孔(貫通孔)21aが形成されている。図1に示すように、この空調吹き出し口では、芯材21の下側(裏側)からダクトからの送風が小孔(貫通孔)21aから流入し、通気性素材22Bを介して表層材23の開口部23Aから吹き出すようになっている。
この空調吹き出し口を形成する自動車用内装材20は、部分的に開口部23Aを設けた布製の柔らかい表層材23を、目止め用ラミネート材(弾性発泡シート)25及び2種類のクッション材22(弾性発泡体22A、通気性素材22B)を介して芯材21(21A、21B)に貼り合わせて形成されている。
図2は、表層材23の構成を簡略化して示す図であり、(a)は、その正面図、(b)は、その断面図である。
表層材23は、伸縮性、柔軟性、耐久性のある繊維を用いた編物又は織物から成る本物の布製であり、図2(a)、(b)に示す23Bは、表層材23の編目又は織目を表している。また、表層材23の開口部(吹き出し部)23Aは、図2(a)、(b)に示すように、多数の開口孔23aが編まれ又は織物で形成されている。
このように、表層材23は空調の吹き出し口表面層を形成するものであり、自動車用内装材20の表面層として意匠の面で従来の空調の吹き出し口には無い、新しい見栄えを表現するものである。また、インストルメントパネルに用いる内装材として、編物又は織物から成る本物の布製であることから、金属製の内装材や樹脂の射出品から成る内装材と比べて、ソフトな触感を表現できる。
特開平11−115549号公報 特開平6−114990号公報 特願2004−114110号
表層材23に編物又は織物から成る布を適用し、例えば、車室内空調の吹き出し口を持つインストルメントパネルにおいて、表層材23を形成する布は、粗となる空調吹き出し口として任意の開口形状を有する部位と、密となる一般パネル面の2種類の紋様部分により構成される。
しかしながら、上述した芯材21、クッション材22、表層材23等の各製作工程においては、粗と密の位置関係を正確に合わせることが難しく不良発生、歩留り低下の要因となる。そこで、自動車用内装材20において、表層材23を構成する布地の製作時に、予め各工程間を通じて一定となる位置決め構造を持たせて工程不良対策と作業性の向上を図る技術の開発が望まれた。
一方、表層材23には、編目・織目23B、吹き出し部の開口孔23a等が多数存在することから、実用上、ゴミ、ほこりの付着が発生し、乗員等に不快感を起こさせる虞れがある。掃除機等で吸引し清掃することも可能であるが、布の編目・織目23Bや吹き出し口内部に入り込んだゴミや汚れが除去しづらく臭いを発生する可能性がある。この臭いに関しては掃除機等で除去することは不可能であり水洗等により洗い落とすしか方法が無い。
しかしながら、布地を表層材23とした自動車用内装材20による空調吹き出し口を持つインストルメントパネルを脱着式とし、水洗可能な構造とした場合、表層材23を従来の一般的な貼付方法に従い接着固定したのでは、水分の浸入により界面剥離が起きる可能性がある。そこで、自動車用内装材20を脱着式とし、水洗可能な構造とした場合に、水洗に耐えられる固定方法の開発が望まれた。
本発明の第1の目的は、少なくとも芯材、クッション材(中空素材)、単繊維の編物又は織物から成る布製の表層材が順に積層された3層構造の自動車用内装材において、表層材を構成する布地の製作時に、予め各工程間を通じて一定となる位置決め構造を持たせて工程不良対策と作業性の向上を図る技術を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、少なくとも芯材、クッション材(中空素材)、単繊維の編物又は織物から成る布製の表層材が順に積層された3層構造の自動車用内装材を脱着式とし、水洗可能な構造とした場合に、水洗に耐えられる固定方法を提供することにある。
上記第1の目的達成のため、本発明に係る自動車用内装材は、初工程から最終工程まで一貫した位置決めにより各工程及び工程間での位置不良を防止する。このために、自動車用内装材において、予め、表層材を構成する布地の製作時に、一般面の通常の編目又は織目よりも粗く編み又は織った位置決め部を形成しておくようにした。
即ち、本発明の自動車用内装材の位置決め方法では、少なくとも単繊維の編物又は織物から成る表層材と、クッション材と、芯材とが順に積層されてなる自動車用内装材を製造するために少なくとも前記表層材、クッション材、芯材のいずれかひとつを製造工程設備に位置決めする位置決め方法において、予め、表層材を構成する布地の製作時に、一般面の通常の編目又は織目よりも粗く編み又は織った位置決め部を形成しておき、該位置決め部を用いて前記製造工程設備に位置決めすることを特徴とする。
また、前記位置決め部は、予め、表層材を構成する布地の製作時に、一般面の通常の編目又は織目よりも粗く編み又は織ることで形成される位置決め用の孔により構成されるのが好適である。
そして、前記製造工程設備に前記位置決め部に挿入されるピンを配置しておき、前記位置決め部を前記ピンに挿入することで位置決めを行うのが望ましい。
上記第2の目的達成のため、従来の接着剤固定に代えて係止又は溶着固定とし、少なくとも単繊維の編物又は織物から成る布製の表層材を芯材に固定するようにした。
即ち、本発明の表層材の固定方法では、少なくとも単繊維の編物又は織物から成る表層材と、クッション材と、芯材とが順に積層されてなる自動車用内装材を製造するために少なくとも前記表層材を前記芯材に固定する固定方法において、予め、表層材を構成する布地の製作時に、一般面の通常の編目又は織目よりも粗く編み又は織った粗なる部位を設け、該粗なる部位に前記芯材を固定することを特徴とする。
更に、溶着により前記表層材の粗なる部位を前記芯材に固定することで確実な固定となる。
また、前記芯材の端部又はその付近に爪を設け、該爪に前記表層材の粗なる部位を挿入した状態で該爪を溶着することで、前記表層材を前記芯材に固定するのが好適である。
本発明によれば、予め、表層材を構成する布地の製作時に、一般面の通常の編目又は織目よりも粗く編み又は織った位置決め部を形成しておき、該位置決め部を用いて前記製造工程設備に位置決めするので、各工程間を通じて一定となる位置決め構造を持たせて工程不良対策と作業性の向上を図ることが可能になった。
また、本発明によれば、従来の接着剤固定に代えて溶着固定とし、予め、表層材を構成する布地の製作時に、一般面の通常の編目又は織目よりも粗く編み又は織った粗なる部位を設け、該粗なる部位に前記芯材を溶着固定するので、自動車用内装材を脱着式とし、水洗可能な構造とした場合にも、接着面が水洗により剥れるということが無いので、水洗に耐えられる固定方法が得られる。
図3は、本発明の実施形態に係る自動車用内装材を用いて成形されたインストルメントパネルの全体構成を示す斜視図である。このインストルメントパネル11は、略中央位置に後述する空調吹き出し口を構成する部分パッド部12を一体に形成してなるインストルメントパネルであって、このインストルメントパネル11は、その全体が、後述する図4に示すように、芯材21、クッション材22、単繊維の編物又は織物から成る布製の表層材23が順に積層された3層構造を有し、表面が当該布製の表層材23で覆われた自動車用内装材20から成るインストルメントパネル本体部材13から構成されている。また、インストルメントパネル本体部材13の一部には、比較的口径の大きい空調吹き出し口を構成する部分パッド部12が一体的に形成されている。尚、インストルメントパネル本体部材13の左右両端側には、比較的小径の空調吹き出し口16も形成されている。
つぎに、図3に示したインストルメントパネル11に用いられる自動車用内装材20の製造工程と共に、工程上の位置不良が発生する事例について説明する。かかる工程不良が発生するのは、主として、表層材23を構成する布地の位置決めが不明確なことによる。即ち、表層材23は、上述したように、伸縮性、柔軟性、耐久性のある単繊維を用いた編物又は織物から成り、もともと伸縮性、柔軟性のある素材により形成されているため、表層材23を構成する布地には、それ自体で形状を保持できる剛性が無く、例えば、力を加えると変形するからである。また、表層材23と他の部材との位置関係を明確にする基準が無く、マーキング等も可能であるが、上述したように、表層材23を構成する布地は力を加えると変形するから、マークの再現性が低いという問題がある。
図4は、本実施形態に係る自動車用内装材の一実施例としての空調吹き出し口周辺部を製造する工程を示す図である。
即ち、図4(a)に示すように、まず、表層材23の表面(空調吹き出し口の意匠面)に、セパレートフィルム24を粘着剤等を用いて貼り、表層材23の裏面には、予め、開口部23Aの対応部分を抜いたラミネートフィルム25を接着剤等を用いて貼る。尚、セパレートフィルム24は、真空、発泡、射出等の成形時の表層材23の編目又は織目23Bや開口孔23aの目止め(気密保持)用のフィルムであり、ラミネートフィルム25は、発泡、射出成形時の目止め(Puの含浸防止)用のフィルムである。また、セパレートフィルム24、ラミネートフィルム25は、必ずしも粘着剤等を用いて表層材23に貼り合わせる必要はなく真空成形時、発泡成形時に表層材を隙間無く覆っていればよい。例えば、ラミネートシート25の表面を高温加熱し半溶融状態で圧着させても良い。
この工程において、特に、ラミネートフィルム25は表層材23の開口部(吹き出し部)23Aを塞いでしまうと困るので、位置関係を正確に合わせて貼り合わせる必要があるところ、貼り合わせの位置をなかなか決められないという問題がある。従って、ラミネートフィルム25を貼り合わせた表層材23の開口部(吹き出し部)23Aを塞いでしまう場合がある。
次に、図4(b)に示すように、真空成形(圧空成形)を行う。この時、本実施形態の製造工程では、図4(a)に示したように、表層材23の表面(空調吹き出し口の意匠面)に真空成形時の気密保持用セパレートフィルム24を貼ってあるので、気密が保持できて予備賦形が可能である。従って、編目・織目23Bというような隙間がある素材である表層材23についても、予備賦形により成形性を付与することが可能である。
続いて、図4(c)に示すように、上記の表層材23及び芯材21Aを発泡型にセットする。即ち、例えば、上記のように吹き出し部を円形に窪ませた表層材23を図示しない発泡型にセットし、例えばABS樹脂などの成形品である芯材21Aを発泡型100にセットする。次に、芯材21Aをセットした発泡型100を表層材23の開口部(吹き出し部)23Aの裏面側と当接するように固定(型締め)する。
更に、図4(d)に示すように、型締めをした状態で、型内に例えばポリウレタン(Pu)、PP系の発泡体等を充填発泡する。この充填発泡により、表層材23と芯材21Aとが一体化されて貼り付けられ、空調吹き出し口用パッド部品(PAD)を作製することができる。
次に、図4(e)に示すように、芯材21Bに通気性素材(中空体)22Bを貼り合わせた別部品52を作製しておき、これを上記パッド部品(PAD)に嵌め込む。
続いて、上記別部品52が上記パッド部品(PAD)に嵌め込まれた状態で、図4(f)に示すように、表層材23の表面(空調吹き出し口の意匠面)に貼ってあるセパレートフィルム24を剥離する。
以上により、図4(g)に示すように、自動車用内装材20の空調吹き出し口周辺部(図3に示した部分パッド部12)が完成する。
しかしながら、上記の真空成形や圧空成形の工程で、ラミネートフィルム25を貼り合わせた表層材23の布地自体を成形型にセットする時に、正確にセットしないと、成形型による表層材23の布地やラミネートフィルム25の噛み込みを生じ、ひいては表層材23の布地やラミネートフィルム25の破損を生じる場合がある。
また、この工程において、表層材23の布地の真空成形(圧空成形)機へのセット位置が分からないことが原因となり、開口部の位置不良という現象が発生する。この結果、空調吹き出しのダクト位置と合わないという不具合を生じる場合がある。
また、上記図4(c)に示すように、表層材23及び芯材21Bを発泡型にセットする時に、表層材23の布地の発泡型へのセット位置が分からないことが原因となり、型締め不良という現象が発生する。この結果、空隙を形成すべき箇所に発泡樹脂が流入したり、成形品の形がくずれてしまう場合があり、不良品発生の要因となる。
更に、上述したラミネートフィルム25の貼り合わせの位置が決められないこと等が原因で、上記図4(d)に示す工程において発泡樹脂材が表層材23の隙間から表層材23の表面(空調吹き出し口の意匠面)へ回り込んでしまうという現象が発生し、この結果、図4(g)に示す完成品が不良品となる場合がある。
以上に述べた工程上の位置不良発生を未然に防止する方法等につき、鋭意研究を重ねた結果、本発明者は、初工程から最終工程まで一貫した位置決めにより各工程及び工程間での位置不良を防止する有効な方法を見出だした。以下に、本発明の第1の実施形態に係る自動車用内装材の製造における表層材の位置決め方法を詳しく述べる。
即ち、自動車用内装材において、予め、表層材を構成する布地の製作時に、一般面の通常の編目又は織目よりも粗く編み又は織った位置決め部を形成しておくようにした。
この位置決め部は、一般面の通常の編目又は織目よりも粗く編み又は織ることで形成される位置決め用の孔により構成するのが好適である。
図5(a)、(b)は、本実施形態の位置決め方法を説明するための図であり、図5(a)は、表層材23の正面図を示す。本実施形態の位置決め方法では、予め、表層材23を構成する布地の製作時に位置決め用の開口部位としての位置決め孔を連続的に紋様として形成した。
即ち、本実施形態の位置決め方法では、まず、図5(a)に示すように、表層材23を構成する布地の製作時に、位置決め用の開口部位としての位置決め孔23cを表層材23の周縁部に連続的に紋様として形成しておく。図5(a)に示す23Bは、表層材23の編目又は織目を表している。また、表層材23の開口部(吹き出し部)23Aは、同図に示すように、多数の開口孔23aが編まれ又は織物で形成されている。一方、本実施形態の位置決め方法では、図5(b)に示す位置決めピン26を上述した図4(a)〜(g)に示す各工程の設備や治工具に統一した規格で設けておく。
そして、図5(b)に示すように、表層材23の位置決め孔23cを設備や治工具の位置決めピン26に挿入する。尚、例えば、図5(a)に示す例では、表層材23の周縁部に合計24個の位置決め孔23cを形成したが、各工程の設備や治工具には、位置決めピン26を表層材23の位置決め孔23cの数に対応する数だけ設ける必要は無い。例えば、表層材23の周縁部の4隅(角部)にあるそれぞれ3つの位置決め孔23c1、23c2、23c3に対応する各3ヶ所だけ位置決めピン26を設けるようにしても良い。好適には、4隅(角部)の各角部10R程度の中に3ヶ所位置決めピン26を設けるのが良い。また、図5(a)に示す例では、表層材23の周縁部に多数の位置決め孔23cを連続的に紋様として形成したが、必ずしも、このように多数の位置決め孔23cを連続的に紋様として形成する必要は無い。例えば、位置決め孔23cも、表層材23の4隅(角部)の各角部10R程度の中に3ヶ所だけ設けるようにしても良い。但し、多数の位置決め孔23cを連続的に紋様として形成すれば、意匠的には、より優れた表層材23が得られる。
尚、表層材23は編物又は織物から成る布地により構成するが、開口形状、開口位置の自由度及び伸縮性を考慮すると布地としては、織物よりも編物が望ましく、例えば、ニット編み等により構成できる。
本発明の自動車用内装材の製造における表層材の位置決め方法によれば、
(1)表層材を構成する布地の製作時に、予め、一般面の通常の編目又は織目よりも粗く編み又は織った位置決め部を物理的に形成しておくようにしたので、初工程から最終工程まで一貫した位置決めにより各工程及び工程間での位置不良を防止できる。また、縦横の糸の本数により物理的に、位置決め部の開口部(空調吹き出し部)23Aに対する相対的な位置関係を確定することができる。この結果、位置決めが極めて明確になる。即ち、縦横の糸の本数を機械的に数えるプログラムを用いて、それ程困難性もなく、予め、一般面の通常の編目又は織目よりも粗く編み又は織った位置決め部を形成できるので、後工程で他の手段(マーキング等)により位置決めを行うのと比べても、はるかに有効且つ効率的である。更に、粗く編み又は織る分だけ、糸を節約できるというコスト面での効果もある。
(2)この位置決め部は、予め、表層材を構成する布地の製作時に、一般面の通常の編目又は織目よりも粗く編み又は織ることで形成される位置決め孔により構成したので、各工程において設備や治工具へのセットが容易になる。また、表層材の位置決めを各工程における設備や治工具への位置決め基準とすることで、工程間でのセット位置不良を防止できる。更に、別工程でマーキング等を施す必要が無くなる。尚、位置決め用の画像処理装置等高価な設備が不要になるという利点もある。
次に、本発明の第2の実施形態に係る自動車用内装材の製造における表層材の端部固定方法を述べる。本実施形態に係る自動車用内装材の端部固定方法は、上述した3層構造の自動車用内装材を脱着式とし、水洗可能な構造とした場合に、水洗に耐えられる固定方法として、従来の接着剤固定に代えて溶着固定とし、併せて、表層材を芯材に貼付する工程の作業性向上を図る表層材と芯材の端部構成に関するものである。
図6は、本実施形態の端部固定方法を説明するための図であり、同図は、表層材23の正面図を示す。
前提として、本実施形態の端部固定方法では、従来の接着剤固定に代えて係止又は溶着固定とし、編物又は織物から成る布製の表層材を芯材に固定する。
まず、予め、表層材23を構成する布地の製作時に、一般面の通常の編目又は織目よりも粗く編み又は織った、芯材21の固定に用いるための粗なる部位28を設ける。図6では、芯材21の固定用の粗なる部位28が、表層材23の周縁部に連続的に紋様として多数形成された位置決め孔23cと表層材23の中央に形成された開口部(吹き出し部)23A(多数の開口孔23a)との間に、例えば、矩形線状に形成されている。
図7は、本実施形態の端部固定方法を説明するための図であり、図7(a)は、芯材21Cの正面図、図7(b)は、図7(a)のA−A線断面図、図7(c)は、芯材21Cの角部の拡大断面図を示す。
図7(a),(b),(c)に示すように、芯材21Cの裏面端部付近及び裏面端部に爪31を設けて、表層材23の粗なる部位28をこの爪31に挿入する。尚、爪31は必要に応じ任意な位置に設ける。
図8は、本実施形態の固定方法を説明するための図である。
さて、本実施形態の固定方法により表層材23と芯材21Cとを固定するには、まず、図8(a)に示すように、表層材23の布地を芯材21Cに貼り、図8(b)に示すように、表層材23の布地の端部を折り曲げ芯材21Cの爪31に引っ掛ける。この状態で、図8(c)に示すように、爪31部分を超音波ホーン35を用いて超音波溶着する。尚、超音波溶着の他に熱溶着等で行ってもよい。これにより、図8(d)に示すように、表層材23と芯材21Cとの固定が完了する。
図9(a),(b)は、本実施形態の変形例に係る固定方法を説明するための図である。
即ち、本変形例に係る固定方法では、図9(a),(b)に示すように、端部化粧用カバー37を用い、表層材23と芯材21Cの端部の見栄えを良くするために端部化粧用カバー37を同時に溶着固定する。図9(a)は、端部化粧用カバー37を溶着固定する前の状態、(b)は、端部化粧用カバー37を溶着固定した後の状態を示す。他部品との合わせや嵌合で芯材21C単独では困難な形状も、端部化粧用カバー37に付加し同時に溶着固定することで可能となる。
本発明の自動車用内装材の製造における表層材と芯材の端部固定方法によれば、簡単に表層材の布地を固定できるので、作業性が向上する。また、接着剤のように貼付強度が出るまで表層材と芯材とを保持しておく必要が無くなる。更に、端部の固定に接着剤が不要となるので、規制物質等を用いなくて済み、環境への配慮という面からも好ましい。更にまた、接着剤の乾燥工程が不要となるので、乾燥に要する工程内在庫が無くなる。このため、作業工程の流れが良くなる。尚、表層材と芯材とを溶着固定することで強固に固定できるのは勿論であり、端部化粧用カバーを同時に溶着固定することで、簡単に端部の見栄えを改善することも可能となる。
本発明の実施形態に係る自動車用内装材の一実施例としての空調吹き出し口周辺部の概略断面図である。 表層材の構成を簡略化して示す図であり、(a)は、その正面図、(b)は、その断面図である。 本発明の実施形態に係る自動車用内装材を用いて成形されたインストルメントパネルの全体構成を示す正面図である。 本発明の実施形態に係る自動車用内装材の一実施例としての空調吹き出し口周辺部を製作する工程を示す図である。 本発明の実施形態に係る位置決め方法を説明するための図である。 本実施形態の端部固定方法を説明するための図である。 本実施形態の端部固定方法を説明するための図であり、(a)は、芯材の正面図、(b)は、図7(a)のA−A線断面図、(c)は、芯材の角部の拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る表層材との固定方法を説明するための図である。 本発明の実施形態の変形例に係る固定方法を説明するための図である。
符号の説明
11 インストルメントパネル、 12 部分パッド部、
13 インストルメントパネル本体部材、 16 小径の空調吹き出し口、
20 自動車用内装材、 21 芯材、 21a 小孔(貫通孔)、 22 クッション材、 22A 弾性発泡体、 22B 通気性素材(通気性を有する中空体)、 23 表層材、 23A 開口部、 23B 表層材の編目又は織目、 23c 位置決め孔、
24 セパレートフィルム、 25 ラミネートフィルム、 26 位置決めピン、
23c1,23c2,23c3 位置決め孔、 28 粗なる部位、 31 爪、
35 超音波ホーン、 37 端部化粧用カバー、 100 発泡型

Claims (6)

  1. 少なくとも単繊維の編物又は織物から成る表層材と、クッション材と、芯材とが順に積層されてなる自動車用内装材を製造するために少なくとも前記表層材、クッション材、芯材のいずれかひとつを製造工程設備に位置決めする位置決め方法において、予め、表層材を構成する布地の製作時に、一般面の通常の編目又は織目よりも粗く編み又は織った位置決め部を形成しておき、該位置決め部を用いて前記製造工程設備に位置決めすることを特徴とする自動車用内装材の位置決め方法。
  2. 前記位置決め部は、予め、表層材を構成する布地の製作時に、一般面の通常の編目又は織目よりも粗く編み又は織ることで形成される位置決め用の孔により構成されることを特徴とする請求項1に記載の自動車用内装材の位置決め方法。
  3. 前記製造工程設備に前記位置決め部に挿入されるピンを配置しておき、前記位置決め部を前記ピンに挿入することで位置決めを行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用内装材の位置決め方法。
  4. 少なくとも単繊維の編物又は織物から成る表層材と、クッション材と、芯材とが順に積層されてなる自動車用内装材を製造するために少なくとも前記表層材を前記芯材に固定する固定方法において、予め、表層材を構成する布地の製作時に、一般面の通常の編目又は織目よりも粗く編み又は織った粗なる部位を設け、該粗なる部位と前記芯材とを固定することを特徴とする自動車用内装材における表層材の固定方法。
  5. 溶着により前記表層材の粗なる部位を前記芯材に固定することを特徴とする請求項4に記載の自動車用内装材における表層材の固定方法。
  6. 前記芯材の端部付近に爪を設け、該爪に前記表層材の粗なる部位を挿入した状態で該爪を溶着することで、前記表層材を前記芯材に固定することを特徴とする請求項4に記載の自動車用内装材における表層材の固定方法。
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