JP2005296894A - 撹拌翼 - Google Patents

Abstract

【課題】 撹拌槽内で液−液又は固−液の撹拌を行なう撹拌装置の撹拌翼において、構造が簡単な板状翼体を用いて、しかも高い吐出効率の得られるような撹拌翼を提供する。
【解決手段】 平板状の長方形からなる複数の板状翼体３を、該板状翼体３の根部において、回転円盤状体２の回転中心２ａから回転方向の前進側へ間隔Ｄだけ隔離してオフセット状に配置すると共に、これら板状翼体３を前記回転円盤状体２を介して互いに連結固定した。
【選択図】 図１

Description

本発明は、化学工業や薬品工業や食品工業等における液−液又は固−液の混合を効率的に行うことができる撹拌翼に関する。

出願人による略台形状に形成した複数の板状翼体を回転軸に嵌着するハブ部に組込む撹拌翼が知られている（特許文献１参照）。
意匠登録第１１９１５２７号公報

前記撹拌翼によれば、該撹拌翼の回転に伴い各翼体の回転方向と逆の後退側の背面に負圧が生じこの負圧に取り込まれた流れがその後慣性力によって吐出されるが、撹拌翼の回転動力の割に吐出効率が高くない問題点があった。

本発明はこのような問題点を解消し、撹拌翼の回転動力が低く吐出効率が高い、低コストの撹拌翼を提供することを目的とする。

この目的を達成すべく本発明は複数の板状翼体を、該板状翼体の根部において回転中心から回転方向の前進側へ隔離して配置し、互に連結固定した。

本発明によれば、構造の簡単な板状翼体を用いて高い吐出効率を有する撹拌翼とすることができるので、低コストでしかも高効率の撹拌翼を提供できる効果を有する。

本発明の撹拌翼の最良の形態の各実施例を以下に示す。

図１は実施例１の撹拌翼１の平面図であり、図２は該撹拌翼１の斜視図である。

前記撹拌翼１は、中心部の回転円盤状体２と４枚の板状翼体３とからなり、矢印Ａの方向に回転する。

前記板状翼体３は平板状で縦長の長方形に形成され、各板状翼体３の根部を回転中心２ａから回転方向の前進側へ間隔Ｄだけ離して、オフセット状に前記円盤状体２に固定されている。

尚、該間隔Ｄは、前記回転円盤状体２の直径の１０分の１乃至２分の１に相当する長さとする。

又、前記板状翼体３は長方形以外の、例えば図３に示す如き側方へ凸の梯形状としてもよく、又は図４に示す如く、頂点を上部に配置した三角形状としてもよく、或いは又図５の如く、頂点を下部に配置した逆三角形状としてもよい。

尚、図１乃至図５では、回転円盤状体２を前記板状翼体３の上下方向の中間部に固定したが、これは前記回転円盤状体２を前記板状翼体３の下端部、又はその他の部位に固定するようにしてもよい。

次に本実施例の使用方法及びその効果について説明する。

撹拌翼１を撹拌槽内に垂設して使用するときは、前記回転円盤状体２の中心部２ａに回転軸（図示せず）を挿通固定して、該回転軸を図６の矢印Ａの方向に回転駆動して撹拌槽内の液体等の撹拌を行なう。

撹拌翼１の板状翼体３の先端部付近における撹拌液の流れは、回転中心に対して放射状に板状翼体を配置した従来の撹拌翼とは異なって、前記板状翼体３の前面に対して９０度よりも少許少ない角度で衝突する。

これは丁度、後方湾曲翼と同じ効果となり、直線放射翼と較べて後方湾曲翼の方が高効率であることから、間隔Ｄだけオフセットした本撹拌翼１もその撹拌抵抗が低下して高効率が得られる。

更に又、本撹拌翼１の板状翼体３は、該板状翼体３が回転中心から間隔Ｄだけオフセットして配置されているため、図６に示すように板状翼体３の背面に発生する負圧３ａが増大して、板状翼体３の腹側の正圧３ｂ側から前記負圧３ａ側へと導かれる流れ３ｃを生ずる。この流れ３ｃの発生により撹拌翼１は高い吐出効率を実現することができ、前述した撹拌低下との相乗効果により更に高効率が得られる。

尚、本実施例では撹拌翼１に板状翼体３を４枚取付けた例を示したが、これは４枚以外の数であってもよい。

図７は実施例２の撹拌翼５の平面図である。

撹拌翼５を形成する４枚の板状翼体６は、各、その根部において連結杆７を介してボス８に、該ボス８の回転方向（矢印Ａ）の前進側へ間隔Ｄだけ離して、オフセット状に連結固定している。

前記ボス８の中心部には回転軸が挿通する軸孔８ａを有している。

各板状翼体６は、前記実施例１における板状翼体３と同様の形状を有しており、又、前記間隔Ｄも前記実施例１の間隔Ｄと略同様の長さに形成されている。

撹拌翼５の使用方法及びその効果は、前記実施例１と同様である。

尚、本実施例で撹拌翼５は板状翼体６を４枚有する例を示したが、これは４枚以外の数であってもよい。

本発明の実施例３の撹拌翼１０の平面図を図８に示した。

撹拌翼１０は、板状翼体１１が撹拌翼１０の回転方向（矢印Ａ）とは逆の後退側へ向かって３段に折り曲げて形成されている以外は、前記実施例１の構造と同じである。

即ち、該板状翼体１１の根部を回転中心２ａから回転方向の前進側へ間隔Ｄだけ離して、オフセット状に回転円盤状体２に固定している。

このように後方湾曲翼とすることにより、撹拌翼１０は前記実施例１の撹拌翼１よりも更に高効率な撹拌翼とすることができる。

尚、前記板状翼体１１の折り曲げは３段以外の数の折り曲げ数としてもよく、又は図９に示す板状翼体１１´の如く、後退側へ湾曲させて形成してもよい。

本発明の実施例４を図１０乃至図１２により説明する。

図１０は本実施例の撹拌翼１３の平面図であり、図１１にその側面図（一部省略）を示した。

本撹拌翼１３は、４枚の板状翼体１４と回転円盤状体１５とからなり、各板状翼体１４が回転方向（矢印Ａ）とは逆の後退側へ向かって３段に折り曲げて形成され、回転中心に対してオフセット状に配置されている点は、前記実施例３の撹拌翼１０（図８）と同様である。

本実施例４の板状翼体１４は、頂点を上部に配置した三角形状に形成され、回転円盤状体１５の上に固定されている。

前記回転円盤状体１５は、上部を頭截円錐状に形成すると共に下面を前記板状翼体１４よりも少許下方に突出させて、該回転円盤状体１５の底部には永久磁石のマグネットカップリングを装着した。

本撹拌翼１３は、図１２に示す如く、撹拌槽１６内の底部に配置し、撹拌槽１６の外側に設置した回転磁力発生装置（図示せず）によって該撹拌翼１３を回転駆動して、撹拌槽１６内の撹拌を行なう。本発明の撹拌翼１３は吐出効率が良いので、伝達動力の低いマグネットカップリング方式であっても充分な撹拌を行なうことができる。

又、前記回転円盤状体１４の上面をテーパーを有する頭截円錐状としたので、撹拌液の流動面及び撹拌翼の洗浄性の面が向上して、好結果が得られる。

尚、本実施例では、撹拌翼１３の板状翼体１５の数を４枚としたが、これは４枚以外の数であってもよい。

本発明の撹拌翼は、化学工業や食品工業等における液−液、又は固−液の混合の分野で、安価でしかも効率の良い撹拌翼として有望である。

本発明の実施例１の撹拌翼の平面図である。 同上実施例１の撹拌翼の斜視図である。 同上実施例１の撹拌翼の他の例の側面図である。 同上実施例１の撹拌翼の、又他の例の側面図である。 同上実施例１の撹拌翼の、更に又他の例の側面図である。 同上実施例１の撹拌翼の、翼周りの状態の説明図である。 本発明の実施例２の撹拌翼の平面図である。 本発明の実施例３の撹拌翼の平面図である。 同上実施例３の撹拌翼の、他の例の平面図である。 本発明の実施例４の撹拌翼の平面図である。 同上実施例４の撹拌翼の側面図である。 同上実施例４の撹拌翼の使用状態を示す説明図である。

符号の説明

１、５、１０、１３ 撹拌翼
２、１５ 回転円盤状体
３、６、１１、１１´、１４ 板状翼体
７ 連結杆
Ｄ 間隔（回転方向の前進側への隔離）

Claims (4)

1. 複数の板状翼体を、該板状翼体の根部において回転中心から回転方向の前進側へ隔離して配置し、互に連結固定した撹拌翼。
2. 前記板状翼体は、その根部において回転軸に連結杆を介して連結固定されている請求項１に記載の撹拌翼。
3. 前記板状翼体は、その根部において回転円盤状体に固定されている請求項１に記載の撹拌翼。
4. 前記板状翼体は、その中間部或いは先端部において回転方向とは逆の後退側に向って曲折して或いは湾曲して形成されている請求項１乃至請求項３のいずれか１に記載の撹拌翼。
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   

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