JP2005296798A - ガス分離膜 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ポリイミドからなる樹脂材料を、乾湿式紡糸して得られた非対称中空糸ガス分離膜及びそれを装備した非対称中空糸ガス分離装置に関する。
近年、気体混合物の分離、精製を高分子ガス分離膜で行う試みが多くなされている。例えば、高分子ガス分離膜を用いて空気から酸素を選択的に透過させることにより、酸素富化空気又は窒素富化空気を調製し、前者を医療、燃焼システム等で、後者を食品保存、燃焼性材料の発火防止に活用する試みがなされている。また、燃焼排ガス等から窒素とCO2を選択的に透過させることにより、CO2富化ガスを調製する試みもなされている。そして、これらの用途に用いるガス分離膜には、分離膜を透過させたいガス(以下、透過ガスという)と透過させたくないガス(以下、非透過ガスという)を効率よく分離する性能が求められる。すなわち、透過ガスに対する透過性及び選択性がいずれも優れていることが要求される。また、使用環境によっては、更に安定性、耐熱性、耐薬品性、高強度等の特性も要求される。更に、高効率なガス分離に好適な形状である中空糸膜等を製造する上で、加工性に優れていることも重要な要件になっている。そこで、数多くの高分子分離膜が検討されている。
高分子膜における気体の透過性の指標である透過速度は、気体の高分子膜への溶解性の指標である溶解度係数と、高分子膜中での気体の拡散性の指標である拡散係数との積で表される。また、選択性の指標である分離係数は、透過ガスと非透過ガスの透過速度の比で表される。したがって、透過ガスの透過性を選択的に向上させるためには、高分子膜に対する透過ガスの溶解度係数、拡散係数又は両者を非透過ガスに対して選択的に向上させることが必要になる。
特許文献1や4には、貫通孔を有しないスキン層とこれに隣接する多孔質層とからなる非対称構造を有する非対称中空糸ガス分離膜が記載されている。そして、これを製造する方法として、二重管ノズルより紡糸溶液を中空糸状に押出し成形し、まず乾式部(例えば、空気中)で溶媒の一部を除去してスキン層を形成し、次に湿式部(例えば、有機貧溶媒中)で凝固させてスキン層に隣接する多孔質層を形成させる方法、すなわち乾湿式法が記載されている。非対称中空糸ガス分離膜は、その製造が容易である点で優れるが、乾湿式法により工業的に安定生産するためには、使用する樹脂材料又はそれから得られる非対称中空糸ガス分離膜が、所望の機械的強度を有することが必要である。
特許文献2及び3は、ガス分離膜に使用する樹脂材料として、ビスフェニルフルオレン骨格を有するポリマー(以下、カルド型ポリマーともいう)を使用することを提案している。特許文献3は、ポリイミドを使用すること、このポリイミドにカルボキシル基、スルホン酸基を導入して擬似架橋効果を持たせることにより、ポリイミドの分子間間隙を最適化し、ガス透過選択率を向上させる方法を提案している。カルド型ポリマー、例えばカルド型ポリイミドは、ガス透過選択率が優れている点で有望なものであるが、乾湿式法により非対称中空糸ガス分離膜を工業的に安定生産するためには、機械的強度、特に引張り伸度が不足する問題がある。
特許文献4は、Heガス透過係数が一定以上で、Heガス透過係数とN2ガス透過係数の比が一定以上の第1ポリマー(例えば、ポリイミド)と、引張り伸度が一定以上の第2ポリマー(例えば、ポリイミド)を配合した樹脂の溶液を用いて乾湿式法により非対称中空糸ガス分離膜を製造する方法が記載されている。しかしながら、ここで使用されるポリイミドはカルド型ポリマーではないため、CO2とN2とガス分離のような場合については、十分な分離性能を有しないという問題がある。
更に、特許文献4及び5には、この非対称中空糸ガス分離膜を多数本(例えば、100〜100000本)集束して、その端部を接着剤等で固着して中空糸ガス分離膜エレメントとすること、このエレメントの1以上を、混合ガス導入口、透過ガス排出口及び非透過ガス排出口を有する容器内に装備した中空糸ガス分離膜ガスモジュールについても記載されている。このモジュールは、中空糸膜の内側に通じる空間と外側に通じる空間とが隔絶された構造となっており、ガス分離が行われる。このモジュールは、このままでもガス分離装置として使用されるが、通常は切替え弁等を設けた容器にセットされた上で、ガス分離装置として使用されることが多い。この場合は、モジュールが劣化したらモジュールを取り替えることにより長期使用を可能としている。また、特許文献5は、3成分以上のガスを含む混合ガスから、モジュールを使用してこれらを分離する方法を開示している。
特許文献6は、上記のような公知技術を詳細に説明した上、気体分離機能性樹脂材料の設計は、主として高分子の分子鎖空隙である自由体積の平均値と分布及びその運動性を調整することにより、気体の収着と拡散を制御することにより行われるとし、この自由体積を大きく、且つ、高分子鎖の分子運動性を抑制する構成要素として、嵩高い基を含むカルド型モノマーを選び、これにフェノール、アニリン、キシリジン等を付加してなる二官能性モノマーが優れるとしている。具体的には、カルド型ポリマーの構造中に存在する側鎖ベンジル位又はアリル位の水素原子の一部に、透過性ガスの物理的又は化学的性質に対して親和性を有すると考えられる官能基、例えばハロゲン原子等を導入して変性を行うことにより、カルド型ポリイミド特有の嵩高い構造からくる溶剤可溶性、湿式製膜の容易性、剛直構造に起因する熱的安定性及び縮合芳香環を主体とする骨格に起因する化学的安定性等の優れた特性を生かしつつ、気体透過性や気体選択性についての分離膜性能をより一層向上させることを教えている。
本発明は、気体透過性や気体選択性についての分離膜性能が優れ、且つ、その工業的な製造が容易な非対称中空糸ガス分離膜及びこれを装備してなるガス分離装置を提供することを目的とする。
本発明は、下記一般式(1)
(但し、R1〜R4は独立に、H、CH3、C2H5又はハロゲンを示し、R5及びR6は独立に、4価の有機残基を示し、Xは2価の基を示し、lは1、2又は3を示し、m及びnは各構造単位の存在モル量を示し、mは50〜95%、nは5〜50%の範囲である。)で表されるポリイミドからなる樹脂材料から得られ、引張り伸度が10%以上であることを特徴とする非対称中空糸ガス分離膜である。
ここで、一般式(1)で表されるポリイミドのXがO又はSであること、又は、R5及びR6の少なくとも一方が、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はピロメリット酸から生じる4価のテトラカルボン酸残基であることは好ましい態様である。
ここで、一般式(1)で表されるポリイミドのXがO又はSであること、又は、R5及びR6の少なくとも一方が、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はピロメリット酸から生じる4価のテトラカルボン酸残基であることは好ましい態様である。
また、本発明は、前記の非対称中空糸ガス分離膜を装備してなるガス分離装置である。このガス分離装置は、少なくともCO2とN2を含む混合ガスから少なくとも1種のガスを分離又は濃縮するためのガス分離装置として有利に使用できる。
以下、本発明の非対称中空糸ガス分離膜について説明する。
本発明の非対称中空糸ガス分離膜は、一般式(1)で表されるポリイミドからなる樹脂材料から得られる。この樹脂材料はインへレント粘度が0.5〜1.5、好ましくは0.5〜0.7程度である。
本発明の非対称中空糸ガス分離膜は、一般式(1)で表されるポリイミドからなる樹脂材料から得られる。この樹脂材料はインへレント粘度が0.5〜1.5、好ましくは0.5〜0.7程度である。
一般式(1)において、R1〜R4は独立に、H、CH3、C2H5又はハロゲンを示すが、好ましくはH又はCH3である。R5及びR6は独立に、芳香族テトラカルボン酸からカルボキシル基を除いて生じる4価の有機残基である。具体的には、後記するポリイミドの合成に使用される芳香族テトラカルボン酸又はその誘導体から理解される。Xは2価の有機残基であり、具体的には後記するポリイミドの合成に使用される他の必須の芳香族ジアミンから理解される。lは1、2又は3を示すが、好ましくは1又は2である。m及びnは各構造単位の存在モル量を示し、mは50〜95%、nは5〜50%の範囲である。
本発明で使用するポリイミドは、ジアミンと芳香族テトラカルボン酸又はその酸二無水物等の誘導体とを反応させることにより得られる。必須のジアミンとして、一般式(1)の左側の構造単位を与える9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン類を使用する。9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン類としては、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、9,9-ビス(3,5-ジメチル-4-アミノフェニル)フルオレン、9,9-ビス(3-メチル-4-アミノフェニル)フルオレン及び9,9-ビス(5-メチル-4-アミノフェニル)フルオレン等が挙げられる。かかる必須のジアミンの使用量は全ジアミンの50〜95モル%、好ましくは60〜90モル%、より好ましくは65〜85モル%の範囲である。
他の必須のジアミンとして、一般式(1)の右側の構造単位を与えるベンゼン環を2以上有するp-ジアミン類を使用する。p-ジアミン類としては、4,4'-ジアミノジフェニルプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエタン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼンなどが挙げられる。
これらの中でも、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)、4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド(DADPS)が好ましく用いられる。また、一般式(1)において、lが2以上のp-ジアミン類としては、1,4-ビス(4-アミノフェニルオキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェニルチオ)ベンゼン等が挙げられる。好ましくは一般式(1)において、XがO又はSであり、lが1を与えるp-ジアミン類である。かかるp-ジアミン類ジアミンの使用量は全ジアミンの50〜5モル%、好ましくは10〜40モル%、より好ましくは15〜35モル%の範囲である。このp-ジアミン類を使用することにより引張り伸度等の機械的強度が向上するが、使用量が多すぎると分離性能が低下する。また、XとしてOやSを与えるp-ジアミン類の使用することにより、機械的強度が向上する効果が大きい。
芳香族テトラカルボン酸類としては、特に限定されるものではなく公知のものを使用することができる。ジアミンと反応してポリイミドを形成するものが使用できるが、芳香族テトラカルボン酸二無水物を使用することが有利であるので、芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げて芳香族テトラカルボン酸類の具体例を示す。芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、具体例を挙げると、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,4,5-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,6,7-テトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、2,6-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,7-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-テトラクロロナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3'',4,4''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2'',3,3''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3'',4''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3.4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ペリレン-2,3,8,9-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-4,5,10,11-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-5,6,11,12-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,2,7,8-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,2,6,7-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,2,9,10-テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸二無水物などが挙げられる。また、これらは単独で又は2種以上混合して用いることができる。
これらの中でも、ピロメリット酸二無水物(PMDA)又は3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BTDA)が好ましい。なお、必要によりテトラカルボン酸二無水物の他に無水トリメリット酸や無水フタル等の2〜3価の芳香族カルボン酸無水物類を少量、好ましくは10モル%以下使用することで末端を封止することが好ましい。また、前記ジアミンについても、特許文献3で知られているようなカルボキシル基、スルホン酸基等の置換基を導入したジアミンを少量、好ましくは10モル%以下使用することができる。
本発明で使用するポリイミドは公知の方法で得ることができる。例えば、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物とを実質的に等モル使用し、有機極性溶媒中で重合する公知の方法によって製造することができる。すなわち、窒素気流下N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)などの有機極性溶媒に芳香族ジアミンを溶解させた後、芳香族テトラカルボン酸二無水物を加えて、室温で数時間程度反応させ、次いで180℃程度の高温でイミド化することにより得られる。この重合度としては、成形性の点で上記インへレント粘度を満たす範囲とすることがよい。
本発明で使用するポリイミドは、一般式(1)で表される構造単位を有するが、20モル%以下、好ましくは10モル%以下の少量の他の構造単位を含むことができる。かかる他の構造単位としては、フルオレン環又はベンゼン環に特許文献3で知られているようなカルボキシル基、スルホン酸基等の置換基を導入したもの、2価のカルボン酸又はその誘導体を使用してポリイミド鎖の間にアミド結合を生じさせた構造単位がある。本発明で使用する樹脂材料は、上記ポリイミドからなるが、少量の添加剤の配合は本発明の効果を阻害しない限り許容される。
本発明の非対称中空糸ガス分離膜は、上記樹脂材料から公知の方法により製造することができる。例えば、上記樹脂材料をNMP等の有機溶媒に溶解し、乾湿式法により製造することができる。この非対称中空糸ガス分離膜は、スキン層の厚みが10〜200nmであり、多孔質層の厚みが20〜200μmであることが好ましい。そして、この非対称中空糸ガス分離膜は、実施例に示す条件で測定した引張り伸度が10%以上である必要がある。また、非対称中空糸ガス分離膜は、引張り強度が0.1kg/本以上であることがよい。また、ガス分離性能の指標であるCO2透過速度が190 GPU以上であることがよく、CO2/N2の透過速度比が20以上であることがよい。但し、ここで、GPU=1×10-6cm3(STP)/(cm2・sec・cmHg)を示す。
本発明のガス分離装置は、本発明の非対称中空糸ガス分離膜を装備しているものであれば制限はない。例えば、非対称中空糸ガス分離膜を多数束ねた構造と入口と排出部を有するモジュールと称される装置であっても、切替弁等を備えた装置であってもよい。本発明のガス分離装置は、CO2とN2の分離性能が優れるため、燃焼排ガス、天然ガス等からのCO2の分離、回収、またはO2とN2の分離性能に優れるため、空気からのO2富化空気の製造、あるいはN2の製造に使用可能である。
本発明の非対称中空糸ガス分離膜は、機械的強度とガス分離性能をバランスよく備えているため、優れたガス分離性能を保持しつつ、乾湿式法によるその工業的製造が容易となる。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
なお、以下の実施例及び比較例において、合成で得られたポリイミド溶液のインへレント粘度は0.5gをNMP100mlに溶解した溶液を30℃で測定した値による。オストワルド式粘度計を用いて測定した値を、下記の式に導入し算出した。
ηinh. = (ln(t/t0))/c
t = ポリマー溶液の滴下秒数
to= 溶媒の滴下秒数(NMP)
c = ポリマー溶液濃度
なお、以下の実施例及び比較例において、合成で得られたポリイミド溶液のインへレント粘度は0.5gをNMP100mlに溶解した溶液を30℃で測定した値による。オストワルド式粘度計を用いて測定した値を、下記の式に導入し算出した。
ηinh. = (ln(t/t0))/c
t = ポリマー溶液の滴下秒数
to= 溶媒の滴下秒数(NMP)
c = ポリマー溶液濃度
非対称中空糸膜は、乾湿式紡糸法により製造した。製造条件は、得られたポリイミド溶液を金属メッシュでろ過したあと、温度25℃で中空糸紡糸ノズル(環状口外径650μm、環状口内径450μm、円状口外径350μm)の円状口から芯液として25℃の蒸留水を押し出し速度0.73ml/minで、環状口からポリイミド溶液を押し出し速度0.73ml/minで吐出させ、空気中を走行後に70℃の温水の凝固槽、続いて40℃の温水の脱溶媒槽を通過して、巻き取りドラムに巻き取り、湿潤糸とした。更に、25℃の水中に1日浸漬して脱溶媒作業完了とした。得られた湿潤糸を110℃で乾燥し、内表面のスキン層と呼ばれる分離機能層とフィンガー状又はスポンジ状の支持多孔層からなる非対称中空糸膜を得た。
性能測定用の中空糸モジュールは10本の中空糸膜を、エポキシ樹脂系接着剤を使用して有効長が15cmの透過性能評価用の中空糸束を作成し、これをステンレスモジュール管に装着してペンシルモジュールとした。気体の透過速度は、検出器にガスクロマトグラフィーを用いた減圧式気体透過率測定装置を用い、供給ガスとして混合ガス(二酸化炭素ガス20%、窒素ガス80%)を用い、測定温度40℃及び圧力差(供給側:0.4Pa, 透過側:減圧)条件で測定した。測定した供給ガス量、透過ガス量、供給圧力と透過側圧力及び有効膜面積からガスの透過速度を算出した。
気体透過速度(Q)の単位は、GPU(1×10-6cm3(STP)/(cm2・sec・cmHg))で示す。更に、透過速度比(α)は二酸化炭素/窒素透過速度の比で示す。
気体透過速度(Q)の単位は、GPU(1×10-6cm3(STP)/(cm2・sec・cmHg))で示す。更に、透過速度比(α)は二酸化炭素/窒素透過速度の比で示す。
中空糸膜の引張り伸度の測定は、引張試験機(島津製作所(株)製 TRAPEZIUM2)用いて測定温度25℃、有効長50mm、引張速度10mm/minで測定した。
窒素気流下、セパラブルフラスコ中にて9,9-ビス(3,5-ジメチル-4-アミノフェニル)フルオレン(以下、BAFL(4Me)と略記する)18.20g(45mmol)、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル(以下、DADPEと略記する)1.00g(5.0mmol)、4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下、BTDAと略記する)16.21g(50mmol)をNMP 138.04gに室温下1時間撹拌溶解させ、その後溶液温度を20分で180℃に昇温、180℃で保持して生成する水を除去しながら7時間重合し、20重量%濃度のポリイミドA溶液を得た。このポリイミドのインへレント粘度は0.53であった。このポリイミドAの化学式を式(2)に示す。式(2)において、m:n(モル比)は90:10である。得られたポリイミド溶液を用いて、前記の乾湿式紡糸法により中空糸膜を製造し、前記の中空糸モジュール製造方法により、性能測定用モジュールを作成した。このモジュールを用いて、前記の気体透過性能測定法により測定した結果と中空糸膜について引張り伸度を測定した結果を共に表2に示す。
BAFL(4Me) 48.55g(120mmol)、DADPE 6.01g(30mmol)、BTDA 48.63g(150mmol)をNMP 399.26gを使用し、20分で180℃に昇温、そのまま180℃での保持時間を17時間とした他は、実施例1と同様にして20重量%濃度のポリイミドB溶液を得た。このポリイミドBは、式(2)で表され、m:nが80:20である。また、このポリイミドBのインへレント粘度は0.55であった。得られたポリイミドBについて、実施例1と同様にして中空糸膜を製造し、各種測定した結果を表2に示す。
BAFL(4Me) 16.99g(42mmol)、DADPE 3.60g(18mmol)、BTDA 19.45g(60mmol)をNMP 155.84gを使用し、20分で180℃に昇温、20分で180℃に昇温、そのまま180℃での保持時間を7時間とした他は、実施例1と同様にして20重量%濃度のポリイミドC溶液を得た。このポリイミドCは、式(2)で表され、m:nが70:30である。また、このポリイミドCのインへレント粘度は0.55であった。得られたポリイミドCについて、実施例1と同様にして中空糸膜を製造し、各種測定した結果を表2に示す。
BAFL(4Me) 10.11g(25mmol)、DADPE 5.01g(25mmol)、BTDA 16.21g(50mmol)をNMP 120.82gを使用し、20分で180℃に昇温、そのまま180℃での保持時間を7.5時間とした他は、実施例1と同様にして20重量%濃度のポリイミドD溶液を得た。このポリイミドDは、式(2)で表され、m:nが50:50である。また、このポリイミドDのインへレント粘度は0.56であった。得られたポリイミドDについて、実施例1と同様にして中空糸膜を製造し、各種測定した結果を表2に示す。
窒素気流下、セパラブルフラスコ中にてBAFL(4Me) 16.18g(40mmol)、DADPE 2.00g(10mmol)、BTDA 8.11g(25mmol)、無水ピロメリット酸(PMDA)5.45g(25mmol)をNMP 116.74gに室温下1時間撹拌溶解させ、その後溶液温度を20分で180℃に昇温、そのまま180℃で保持し、生成する水を除去しながら8.5時間重合し、20重量%濃度のポリイミドE溶液を得た。このポリイミドEは、式(2)で表される構造単位の他に、PMDAとBAFL(4Me)から生じる構造単位とPMDAとDADPEから生じる構造単位を有し、BAFL(4Me)から生じる構造単位の合計をmとし、DADPEから生じる構造単位合計をnとすると、m:nが80:20である。また、このポリイミドEのインへレント粘度は0.58であった。得られたポリイミドEについて、実施例1と同様にして中空糸膜を製造し、各種測定した結果を表2に示す。
比較例1
窒素気流下、セパラブルフラスコ中にてBAFL(4Me) 60.68g(150mmol)、BTDA 48.63g(150mmol)をNMP 426.44gに室温下1時間撹拌溶解させ、その後溶液温度を20分で180℃に昇温、そのまま180℃を保持し、生成する水を除去しながら17時間重合し、インへレント粘度が0.55で、20重量%濃度のポリイミドFの溶液を得た。得られたポリイミドFについて、実施例1と同様にして中空糸膜を製造し、各種測定した結果を表2に示す。
窒素気流下、セパラブルフラスコ中にてBAFL(4Me) 60.68g(150mmol)、BTDA 48.63g(150mmol)をNMP 426.44gに室温下1時間撹拌溶解させ、その後溶液温度を20分で180℃に昇温、そのまま180℃を保持し、生成する水を除去しながら17時間重合し、インへレント粘度が0.55で、20重量%濃度のポリイミドFの溶液を得た。得られたポリイミドFについて、実施例1と同様にして中空糸膜を製造し、各種測定した結果を表2に示す。
比較例2
窒素気流下、セパラブルフラスコ中にてBAFL(4Me) 20.23g(50mmol)、BTDA 8.11g(25mmol)、PMDA 5.45g(25mmol)をNMP 116.74gに室温下1時間撹拌溶解させ、その後溶液温度を20分で180℃に昇温、そのまま180℃を保持し、生成する水を除去しながら9時間重合し、インへレント粘度が0.56で、20重量%濃度のポリイミドGの溶液を得た。得られたポリイミドGについて、実施例1と同様にして中空糸膜を製造し、各種測定した結果を表2に示す。
窒素気流下、セパラブルフラスコ中にてBAFL(4Me) 20.23g(50mmol)、BTDA 8.11g(25mmol)、PMDA 5.45g(25mmol)をNMP 116.74gに室温下1時間撹拌溶解させ、その後溶液温度を20分で180℃に昇温、そのまま180℃を保持し、生成する水を除去しながら9時間重合し、インへレント粘度が0.56で、20重量%濃度のポリイミドGの溶液を得た。得られたポリイミドGについて、実施例1と同様にして中空糸膜を製造し、各種測定した結果を表2に示す。
比較例3
窒素気流下、セパラブルフラスコ中にて9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン(BAFL) 17.43g(50mmol)、BTDA 8.11g(25mmol)、PMDA 5.45g(25mmol)をNMP 116.74gに室温下1時間撹拌溶解させ、その後溶液温度を20分で180℃に昇温、そのまま180℃を保持し、生成する水を除去しながら7.5時間重合し、インへレント粘度が0.57で、20重量%濃度のポリイミドHの溶液を得た。得られたポリイミドHについて、実施例1と同様にして中空糸膜を製造し、各種測定した結果を表2に示す。
窒素気流下、セパラブルフラスコ中にて9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン(BAFL) 17.43g(50mmol)、BTDA 8.11g(25mmol)、PMDA 5.45g(25mmol)をNMP 116.74gに室温下1時間撹拌溶解させ、その後溶液温度を20分で180℃に昇温、そのまま180℃を保持し、生成する水を除去しながら7.5時間重合し、インへレント粘度が0.57で、20重量%濃度のポリイミドHの溶液を得た。得られたポリイミドHについて、実施例1と同様にして中空糸膜を製造し、各種測定した結果を表2に示す。
比較例4
BAFL(4Me) 8.09g(20mmol)、DADPE 6.01g(30mmol)、BTDA 16.21g(50mmol)をNMP 116.74gを使用し、20分で180℃に昇温、そのまま180℃に保持する時間を7.5時間とした他は、実施例1と同様にして20重量%濃度のポリイミドI溶液を得た。このポリイミドIは、式(2)で表され、m:nが40:60である。また、このポリイミドHのインへレント粘度は0.56であった。得られたポリイミドIについて、実施例1と同様にして中空糸膜を製造し、各種測定した結果を表2に示す。
BAFL(4Me) 8.09g(20mmol)、DADPE 6.01g(30mmol)、BTDA 16.21g(50mmol)をNMP 116.74gを使用し、20分で180℃に昇温、そのまま180℃に保持する時間を7.5時間とした他は、実施例1と同様にして20重量%濃度のポリイミドI溶液を得た。このポリイミドIは、式(2)で表され、m:nが40:60である。また、このポリイミドHのインへレント粘度は0.56であった。得られたポリイミドIについて、実施例1と同様にして中空糸膜を製造し、各種測定した結果を表2に示す。
表2からモル比(A/B)を10/90〜50/50にすると、引張り伸度は10%以上に向上することが判明した。(A/B)を制御することにより、引張り伸度を向上させ、且つ気体分離性能を示す気体透過速度と気体透過速度比を制御でき、分離性能を維持した気体分離膜の設計を容易にできることが判明した。
Claims (5)
- 一般式(1)で表されるポリイミドのXがO又はSである請求項1に記載の非対称中空糸ガス分離膜。
- 一般式(1)で表されるポリイミドのR5及びR6の少なくとも一方が、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はピロメリット酸から生じる4価のテトラカルボン酸残基である請求項1に記載の非対称中空糸ガス分離膜。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の非対称中空糸ガス分離膜を装備してなるガス分離装置。
- 少なくともCO2とN2を含む混合ガスから少なくとも1種のガスを分離又は濃縮するためのガス分離装置である請求項4に記載のガス分離装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2004116685A JP2005296798A (ja) | 2004-04-12 | 2004-04-12 | ガス分離膜 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2004116685A JP2005296798A (ja) | 2004-04-12 | 2004-04-12 | ガス分離膜 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2005296798A true JP2005296798A (ja) | 2005-10-27 |
Family
ID=35328992
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2004116685A Pending JP2005296798A (ja) | 2004-04-12 | 2004-04-12 | ガス分離膜 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2005296798A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2012033213A1 (ja) * | 2010-09-07 | 2012-03-15 | Jfeケミカル株式会社 | ポリイミドおよびポリイミドフィルム |
| CN108192278A (zh) * | 2011-12-09 | 2018-06-22 | 提克纳有限责任公司 | 不对称纤维增强聚合物带材 |
-
2004
- 2004-04-12 JP JP2004116685A patent/JP2005296798A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2012033213A1 (ja) * | 2010-09-07 | 2012-03-15 | Jfeケミカル株式会社 | ポリイミドおよびポリイミドフィルム |
| CN108192278A (zh) * | 2011-12-09 | 2018-06-22 | 提克纳有限责任公司 | 不对称纤维增强聚合物带材 |
| CN108192278B (zh) * | 2011-12-09 | 2020-12-29 | 提克纳有限责任公司 | 不对称纤维增强聚合物带材 |
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