JP2005296672A5 - - Google Patents

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トレーニング装置
本発明は、個人が体力向上のために運動を行うトレーニング機器に関する。
従来、個人が適切な負荷で運動するためのさまざまなトレーニング機器が提案されている。例えば特許文献1には、トレーニング者に負荷を与えるための負荷量可変式付加装置を有するトレーニング機制御装置が開示されている。この制御装置は、トレーニング者の運動量を検出し、検出した運動量を所要の過疲労判別用基準値と比較する。検出運動量が前記基準値より小さい状態が所定時間以上継続すると、整理運動モードに切り替わって負荷装置の負荷量が徐々に低減される。従って、トレーニング者は、疲労した場合には無理な運動を行うことなくスムーズに整理運動に移行でき、安全にトレーニングを中断することができると記載されている。
また特許文献2には、負荷としてトルクモータを使用し、負荷をプログラム制御する筋力トレーニング装置が記載されている。この装置は、運動者が操作するレバーの位置及びレバーに作用する負荷を検出し、トルクモータの出力を制御する。以下の出力制御が例示されている。(a)常にレバーの位置が一定となるようにトルクモータの出力を制御する。(b)常にトルクモータの出力を一定とする。(c)レバーの位置に応じてトルクモータの出力を制御する。(d)時間とレバーの位置とを関連づけ、レバーの位置、すなわち時間に応じてトルクの出力を制御する。このようにウェイトではなくトルクモータにより負荷制御するため、負荷の調整が容易であると共に任意の特性に適合させた負荷のプログラム制御が可能となると記載されている。
特許第2858852号公報 実公昭61−22609号公報
ところで、トレーニング者が実際にトレーニング機器を用いて負荷をかけて運動を行う場合、途中で疲労しても、少し負荷を軽減した後は再び元の負荷で運動を続行することができる。しかし、前記特許文献1に記載のトレーニング機制御装置は、一旦疲労すると整理運動モードに入ってしまう。そのため、トレーニング者にまだ運動を続行する気力と体力とが残っていても、負荷はどんどん軽くなり、ついには運動が終わってしまうことになる。
前記特許文献2に記載の筋力トレーニング装置は、トルクモータの出力がレバーの位置とレバーに作用する負荷とで決まるため、トレーニング者が疲労した場合とそうでない場合とでトルクモータの出力が同じになってしまうおそれがある。
つまり、トレーニング者が疲労した場合に運動をやめてしまうのではなく、目標とする運動を完遂できるよう支援しながら無理なく運動できるトレーニング機器は未だ提案されていない。
本発明は、トレーニング者が疲労した場合でも、運動の目標値を完遂できるようトレーニング者を支援するトレーニング機器を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、発明1は、運動用に供される上下方向に移動可能な可動部に電気的な負荷発生器により第1の負荷をかけるトレーニング装置を提供する。このトレーニング装置は、下記の手段を備えている。
・前記可動部の移動状態を監視する可動部監視手段、
・前記可動部の可動領域の少なくとも一方の端部を基準位置として設定する設定手段、
・前記基準位置に対して予め定められた前記可動部の可動方向に沿って、前記可動部が前記基準位置を越えたことを検出する負荷調整手段。
このトレーニング装置において、前記可動部が前記基準位置を超えた場合、前記負荷調整手段は前記第1の負荷をゼロに調整する。
トレーニング装置が例えばトレーニング者が仰臥状態でバーベルを上げ下げするベンチプレスタイプのものである場合、トレーニング者が把持して上げ下げするバーベル(本願発明の実施形態ではハンドルバー、以下ハンドルバーで説明する)が可動部に相当する。ハンドルバーには、ウエイトに代えてサーボモータ、ステッピングモータ、トルクモータ、電磁ブレーキなどにより負荷が加えられる。
トレーニング者がハンドルバーを上げている途中でハンドルバーの動きが早すぎる場合、負荷が軽すぎると見なされる。この場合、ハンドルバーの移動状態が所定の範囲内となるまで、負荷が徐々に増加される。ハンドルバーの移動状態が所定の範囲内となると、その時の負荷が、例えばハンドルバーが上がりきるまで維持される。その後、増加した負荷の値をそのまま維持しても良いし、所定のタイミングで元に戻しても良い。
また例えば、可動部監視手段は、ハンドルバーのスタート位置から所定の到達ポイントまでの到達時間のみを監視するようにしてもよい。到達ポイントに到達するまでの間に速度が速すぎると、到達時間が所定値を下回る。この場合には、到達時間が一定の範囲にはいるよう、負荷を徐々に増加させる。
以上の例は、トレーニング途中で負荷を増大させるものであるが、これとは逆に、トレーニング者にとって負荷が大きすぎる場合には負荷を低減させるようにすることができる。
本発明に係るトレーニング装置は、可動部監視手段によって可動部の可動状態を継続的に監視することでトレーニング者のトレーニング時における体力の余裕度・疲労度に応じて負荷を変化させ、適切な運動の継続を支援する。ここで、負荷の変化の契機となるのは、上記の通り可動部の可動状態であって、単純にある一定値を下回った、あるいは上回った時に低減または増大させるというものではなく、トレーニング状態に応じて変化させるものである。例えば、可動部の移動が瞬間的に停止(トレーニング者が持上げられない状態)しても、それによって直ちに負荷を低減させるものではなく、その停止が所定時間継続しているか等の条件によって負荷変化の判断を行う。
再びベンチプレスを例に取る。トレーニング装置は、運動を始めるに先立ち、トレーニング者が動かせるハンドルバーの可動範囲を定める基準位置を測定する。一例であるが例えば、運動を始めるに先立ち、トレーニング者が自分で無理なく動かせる範囲でハンドルバーを一旦、下端から上端まで移動させる過程を設けておくようにし、その際に検出された下端及び上端の位置を基準位置として設定する。従ってこの場合であれば基準位置は下端と上端の2箇所が設定されることになるが、例えば下端のみの基準位置を設定するようにしてもよい。このように可動範囲は、ハンドルバーが動くことのできる最大領域である可動領域中の領域であり、基準位置により定まる領域である。以下の説明では主に可動範囲を用いて説明する。
可動範囲はトレーニング者の体格、性別、トレーニング経験や運動の種類など様々な要因により異なる。
本発明によるトレーニング装置は、可動範囲外でハンドルバーの重さを実質的にゼロに調整することにより、ハンドルバーが可動範囲外に位置した場合のトレーニング者の安全性を担保する。即ち、従来であれば、一人で重量物を持上げるトレーニングを行っていて、途中で急に体調を崩したような場合には非常に危険な状態になることがあるが、本発明によれば、仮にハンドルバーが降下してきても可動範囲外にまで移動すれば実質的な負荷がゼロとなるかまたは停止するので、トレーニング者の安全性は確実に確保される。一方、これにより、トレーニング者にとっては、運動を止めたい場合には、単にハンドルバーを可動範囲外に移動させるだけでいつでも運動を中止することができるので、運動中に何か急用が生じた場合にも直ちに対応ができ、優れた操作性を有している。また、上記の機能を有していることによってトレーニング者は精神的にも安定した状態でトレーニングを行うことができる。
また、可動範囲を外れた際に負荷をゼロとするのは可動範囲の上下の両方とすることができるが、可動範囲を越えてさらに上方に押し上げるケースが少ないと判断される場合には、下方のみ負荷をゼロとするようにしてもよい(即ち、基準位置を下端のみに設定する場合である)。なお、上記において、運動に対する負荷がゼロの状態とは、ハンドルバーの重量分の負荷をモータによりハンドルバーに対して上方にかけている状態である。従って、みかけ上、ハンドルバーは同じ位置に停止しており、例えば手で軽く触れるだけで上方にも下方にも容易に動く状態となっている。
負荷発生器として電磁ブレーキを使用する場合には、可動部の移動を停止させるように負荷をかけることが可能なだけであり、上記のような逆方向への駆動ができないため、可動部が基準位置を越えた時点でそれ以上負荷がかからないよう固定状態で停止するようにしてもよい。そして所定時間後に固定状態を解除し、トレーニングを継続可能とするといった方法が考えられる。
発明2は、発明1において、前記負荷調整手段が、前記可動領域内を移動する可動部が前記基準位置に近づくに従って、前記第1の負荷を順次低減させるトレーニング装置を提供する。
発明は、発明1または2において、以下の要素をさらに備えることを特徴とするトレーニング装置を提供する。
・表示部、
・前記可動領域に対応する可動域ウインドウと、前記可動域ウインドウ内で移動する模擬可動部と、を前記表示部に出力することにより、前記可動部を動かす可動タイミングの指示を出力する指示手段。
再びベンチプレスを例に取る。可動タイミングとは、例えばトレーニング者がハンドルバーを動かすテンポである。さらにスピーカを設け、テンポに合うかけ声や音楽などを出力しても良い。コーチに代えてトレーニング装置がテンポを指定することで、トレーニング者は適切な速度でハンドルバーを動かすよう努力するようになる。
なお、年齢や性別、筋力などの個人データや負荷の重さに応じ、指示する可動タイミングを変更することが好ましい。また、トレーニング者が運動を途中で停止した場合、実際のハンドルバーの動きに関わらず指示する可動タイミングを変えなくても良いし、実際のハンドルバーの動きに応じて指示する可動タイミングを変えても良い。
発明4は、発明1または2において、以下の要素をさらに備えることを特徴とするトレーニング装置を提供する。
・表示部、
・前記可動領域よりも狭い領域に対応する表示可動ウインドウと、前記表示可動ウインドウ内で移動する模擬可動部と、を前記表示部に出力することにより、前記可動部を動かす可動タイミングの指示を出力する指示手段。
別の形態において、前記所定の状態が前記可動部の停滞のとき、前記第2の負荷が前記第1の負荷より軽減されていることを特徴とするトレーニング装置も考えられる。
トレーニング装置が、例えばトレーニング者が仰臥状態でハンドルバーを上げ下げするベンチプレスタイプのものである場合を例に取る。トレーニング者がハンドルバーを上げている途中でハンドルバーが止まってしまうと、負荷が重すぎて運動が停止したと見なされる。この場合、トレーニング者が再びハンドルバーを押し上げ始めるまで、負荷が徐々に減らされる。ハンドルバーが再び上がり始めると、その時の負荷が、例えばハンドルバーが上がりきるまで維持される。軽減された負荷の値を、そのまま維持しても良いし、所定のタイミングで戻しても良い。停滞とは、所定の動作時間中において可動部、例えばハンドルバーが所定位置に留まり移動していない状態を言い、トレーニング中にハンドルバーが完全に停止する場合だけでなく、さらにその速さが所定値以下になる場合を含んでいても良い。所定の動作時間とは、ハンドルバーが往復運動すべきトレーニング時間である。
ここで、停滞とは以下の状態も含む。即ち、可動部監視手段が、ハンドルバーのスタート位置から所定の到達ポイントまでの到達時間のみを監視する場合を想定する。例えばスタートしてから上端の基準位置(後述)までハンドルバーが10秒以内で到達するかどうかを監視するような場合である。到達ポイントに到達するまでの間に一旦速度が低下しても、途中で速度が盛り返して到達ポイントに所定時間内に到達すれば、停滞しなかったと見なす。逆に、所定時間内に到達しなければ停滞したと見なし、負荷を軽減し、到達ポイントへの可動部の到達を支援する。つまり、10秒かかっても上端の基準位置まで到達していない場合には負荷を軽減するものである。この場合、所定の動作時間中での停滞とは、ハンドルバーがスタート位置から到達ポイントに到達する時間が所定時間(例えば10秒)を超えている場合である。所定の動作時間とは、ハンドルバーがスタート位置と到達ポイントとの間を往復すべきトレーニング時間である。
本発明に係るトレーニング装置は、トレーニング者が疲労により運動を継続できなくなったときに、負荷を徐々に軽減することにより運動の再開を支援する。そのため、トレーニング者は、途中で負荷が少し軽くなったとはいえ、目標とする回数の運動をすることができたという達成感を得ることができる。
また別の形態において、前記可動部は、第1方向及びこれと逆方向の第2方向に移動可能とされているトレーニング装置も考えられる。この装置において、前記可動部監視手段は、前記可動部の移動方向をさらに監視する。また、前記負荷調整手段は、前記可動部がいずれかの方向に沿って移動しているときに前記第1の負荷から前記第2の負荷に変化させた場合、前記可動部監視手段の監視によって前記可動部の移動方向が他方向に切り替わる際に、負荷を第3の負荷にする。
第1の負荷から第2の負荷に変化した後に可動部の移動方向が切り替わると、負荷は第3の負荷に調整される。再びベンチプレスを例に取れば、ハンドルバーが上昇しているときに第1の負荷から第2の負荷に変化した場合、ハンドルバーの移動方向が上向きから下向きに切り替わる際に負荷を第3の負荷にすることが挙げられる。また例えば、後述するロウイングのようにハンドルバーを引き下げる運動であれば、ハンドルバーが下降しているときに第1の負荷から第2の負荷に変化した場合、ハンドルバーが下降から上昇に転じた際に負荷を第3の負荷にすることが挙げられる。第1の負荷よりも第2の負荷が軽い場合(第1の負荷>第2の負荷)には、第3の負荷を第1の負荷以下の重さであって第2の負荷以上の重さとすると(第1の負荷≧第3の負荷≧第2の負荷)、トレーニング者が必要としているときのみ負荷を軽くすることで運動の続行を支援することができる。また、トレーニング者の筋肉に対する刺激が大きすぎないので好ましい。
なお、ハンドルバーを上方に押し上げる際に大きな荷重を要するベンチプレスの場合には、上方へ押し上げようとする運動の際に本発明による負荷軽減機能が働くようにし、この運動とは逆に、下方に引き下げる際に大きな荷重を要するトレーニング装置の場合には、下方に引き下げようとする運動の際に負荷軽減機能が働くようにすれば良い。
また、ここで、第1方向及び第2方向とは直線状の移動のみならず、互いに逆の方向を示すものであればよく、例えば円弧を描くような曲線状の移動方向も含むものである。上記ベンチプレスの場合であれば主に上下方向の直線的な動作となるが、トレーニング者が椅子に腰掛け足の脛部を動かすようなトレーニング装置にも本願第3発明は適用が可能である。
また別の形態において、前記負荷調整手段は、前記可動部監視手段により前記可動部の移動方向が切り替わるのを検出するまで、前記第2の負荷を維持することを特徴とするトレーニング装置も考えられる。
例えば前述のベンチプレスにおいて、ハンドルバーが上昇しているときに第1の負荷から第2の負荷に変化した場合、ハンドルバーの移動方向が上向きから下向きに切り替わるまで第2の負荷を維持し、切り替わった際に負荷を第3の負荷にすることが挙げられる。また例えば、ロウイングのようにハンドルバーを引き下げる運動であれば、ハンドルバーが下降しているときに第1の負荷から第2の負荷に変化した場合、ハンドルバーが下降から上昇に転じるまで第2の負荷を維持し、切り替わった際に負荷を第3の負荷にすることが挙げられる。この場合、ハンドルバーが上昇しきるまで、あるいは下降しきるまで軽減後の負荷の値を維持することにより、運動の再開を支援することができる。
また別の形態において、前記負荷調整手段は、前記可動部監視手段により前記可動部の移動方向が切り替わる際に、前記第1の負荷以下で前記第2の負荷以上の範囲に前記第3の負荷を調整することを特徴とするトレーニング装置を提供する。
前述のベンチプレスを再び例に取る。負荷を軽減したことによりトレーニング者が運動を再開してハンドルバーを一番上まで押し上げた後に下げるときは、負荷を重くしてもよい。なぜなら、ハンドルバーを下げるときのトレーニング者の耐荷重は、ハンドルバーを上げるときのトレーニング者の耐荷重よりも高いのが通常だからである。ただし、軽減後の負荷とそこから戻す負荷との差が大きすぎると筋肉への刺激が強すぎるため、本発明においては負荷の差に制限を設けることによってトレーニング者の運動の安全性をより確実にしている。具体的には、戻した後の第3の負荷W3は、軽減前の第1の負荷W1を超えず(W3≦W1)、かつ軽減後の第2の負荷W2の130%〜140%を上限とすることで筋肉に無理な負荷がかかることを回避できる(W2≦W3≦W2×1.3〜1.4)。
また別の形態において、前記可動部は、第1方向及びこれと逆方向の第2方向に移動可能とされているトレーニング装置も考えられる。この装置において、前記可動部監視手段は、前記可動部の移動方向をさらに監視する。また、前記負荷調整手段は、前記可動部が前記第1方向に沿って移動しているときにのみ前記第1の負荷から前記第2の負荷への軽減を行う。
再びベンチプレスを例に取れば、ハンドルバーが上昇する方向(これを第1方向とする)に動いている場合にのみ第1の負荷から第2の負荷への減量調整を行い、ハンドルバーが下降する方向(これを第2方向とする)では第3の負荷を第1の負荷と同じにすると良い。ハンドルバーを下げるときのトレーニング者の耐荷重は、ハンドルバーを上げるときのトレーニング者の耐荷重よりも高いからである。言い換えれば、ハンドルバーを下げるトレーニング者は、下方へ向かってくる荷重を支えるだけであるので、上方へハンドルバーを押し上げる場合に比べて肉体的に負荷に耐えやすいからである。従って、ハンドルバーを下げるときには負荷を軽減する必要性が少ない。このように負荷軽減の対象となる運動の方向を、トレーニング上必要と考えられる一方向のみとすることで、装置の設計の簡易化に寄与できる。
なお、ハンドルバーを上方に押し上げる際に大きな荷重を要するベンチプレスの場合には、上方へ押し上げようとする運動の際に本発明による負荷軽減機能が働くようにし、この運動とは逆に、下方に引き下げる際に大きな荷重を要するトレーニング装置の場合には、下方に引き下げようとする運動の際に負荷軽減機能が働くようにすれば良い。
また、ここで、第1方向及び第2方向とは直線状の移動のみならず、互いに逆の方向を示すものであればよく、例えば円弧を描くような曲線状の移動方向も含むものである。上記ベンチプレスの場合であれば主に上下方向の直線的な動作となるが、トレーニング者が椅子に腰掛け足の脛部を動かすようなトレーニング装置にも本願第3発明は適用が可能である。
また別の形態において、前記可動部監視手段は、前記可動部の移動の速さを監視し、前記速さが所定値以下に低下した状態が所定時間継続したか否かを判断するトレーニング装置も考えられる。この装置において、前記負荷調整手段は、前記速さが所定値以下に低下した状態が所定時間継続した場合、前記第1の負荷を前記第2の負荷に軽減する。
可動状態として、可動部の移動速度を監視することが挙げられる。移動速度は、モータの回転数を監視することにより検出できるので、可動部の可動状態を容易かつ正確に把握することができる。
また別の形態において、前記指示手段は、前記可動部を動かす可動タイミングの指標を図表によって前記表示部に示すことにより、前記可動タイミングに関する指示を出力することを特徴とするトレーニング装置を提供する。
再びベンチプレスを例に取る。ディスプレイには、例えばウインドウと、そのウインドウの中で上下する模擬バーと、リズムを指示する数字と、が表示される。ウインドウの高さ(床面に対して垂直方向の高さ)は擬似的に可動部の可動範囲に相当するものとしている。模擬バーの上下とリズムを示す数字との組み合わせは、トレーニング者がハンドルバーを動かすテンポを指定する。上記のように可動タイミングの指標を画像で表すことにより、トレーニング者は直感的に目標となる運動のタイミングを知ることができる。なお、ここで指標とは、可動部を変動すべき速度や、開始、移動、停止等のタイミングをトレーニング者が視認して、その運動に反映し易いように図表等によって表示されるものである。上記例では模擬バーと数字の組合せを指標としているが、これに限らず、模擬バーのみであってもよいし、模擬バーに限らず円グラフの円弧を光点が移動するようなものであってもよい。また、上記指標の動きとタイミングを合わせるBGMを流すようにしてもよい。
また別の形態において、前記可動部監視手段は前記可動部の移動の速さを監視するトレーニング装置を提供する。この装置において、前記指示手段は、前記可動部の速さの変化に応じ、指示する可動タイミングを変化させる。
例えばベンチプレスにおいて、トレーニング者がハンドルバーを押し上げる速度が遅くなってきたり運動を停止した場合、指定するテンポを遅くしたりテンポの指定を止めたりすることができる。トレーニング者は、遅くした指定テンポに追随できれば、負荷を変えずに目標回数を達成できたという満足感を得ることができる。
負荷の軽減と指定テンポの変化とを組み合わせるとさらに好ましい場合がある。例えば、ハンドルバーを押し上げる速度が鈍ってきたときに、負荷を減量しつつ指定テンポを遅くすることが挙げられる。トレーニング者の疲労度が高い場合には、負荷の軽減に加えて指定テンポも遅くする方が運動を再開しやすく好ましい。
別の形態において、前記可動部の可動状態が停滞のときに前記負荷調整手段により第1の負荷から第2の負荷へ軽減し、前記第2の負荷への軽減後に前記可動部が再度可動し始めた場合、前記指示手段は、軽減された負荷に応じた可動タイミングを指示することを特徴とするトレーニング装置も考えられる。
例えばベンチプレスにおいて、負荷を軽減したことにより運動が再開されると、指定テンポを速くしてもよい。負荷が軽減した分の運動量をテンポアップにより補填することができる。トレーニング者は、負荷が軽減したものの運動速度を速めたことにより、ある程度の達成感を得ることができる。負荷軽減後のテンポは、年齢や性別、筋力などの個人データや負荷の重さに加え、軽減前の負荷や軽減前後における負荷の差に基づいて決定することが好ましい。
なお、前述の形態において、例えば速度低減や負荷軽減に応じてテンポを遅くするような仕様を採用する場合には、BGMは流さないようにするのが望ましい。この理由は、本来、BGMは運動のリズムをとるために上記テンポに同期していることから、そのテンポを遅くするとその音楽もゆっくり流れることになりトレーニング者にとっては自らの疲労状態を認識してしまうことにもなり、むしろ運動の達成感を減少させてしまう恐れがあるためである。
また別の形態において、第1位置と第2位置とを切り替え可能なシートユニットをさらに有するトレーニング装置を提供する。この装置において、前記設定手段は、前記シートユニットの前記第1位置と第2位置とについて、それぞれ異なる基準位置を設定する。
トレーニング者は、1つのハンドルバーを有するトレーニング装置を用い、異なる種類の運動を行うことができる。例えば、シートが座位位置(第1位置)のときは、ショルダープレス及びプルダウンを行う。また、シートが仰臥位置(第2位置)のときは、チェストプレス及びロウイングを行う。トレーニング者が運動途中で座位位置と仰臥位置とを切替える場合には、ハンドルバーを可動範囲の上方または下方に移動させておいてシート位置を切り替えればよい。なお、ここで上記運動の内、ショルダープレス及びチェストプレスとは、ハンドルバーを上昇させるために押し上げの力を要する運動である。これらの運動では、上下動させるハンドルバーの下降の際には、降下してくるハンドルバーをトレーニング者が支えるように力を入れながら徐々に下方に下げる運動である。従って、これらの運動の場合にはトレーニング者にとってハンドルバーを上昇させる方に大きな負荷がかかる。プルダウン及びロウイングとはハンドルバーを下降させるために引き下げの力を要する運動である。これらの運動では、上下動させるハンドルバーが上昇する際には、勝手に上方に上がろうとするハンドルバーを、トレーニング者が手元に引き戻す力を入れながら徐々に上に戻していく。従って、これらの運動の場合にはトレーニング者にとってハンドルバーを下降させる方に大きな負荷がかかる。
本発明を用いれば、トレーニングの負荷を必要に応じて軽減するので、トレーニング者はトレーニングの目標を達成することができる。従って、トレーニング者を充実感で満たし、やる気を継続させることができる。
<発明の概要>
本発明に係るトレーニング装置は、トレーニング者の運動により駆動されるハンドルバー(可動部に相当)にモータにより負荷をかける。ハンドルバーを動かすトレーニング者の動きが止まったら、或いはほとんど止まりそうになったら、負荷を徐々に軽減する。負荷を軽減したことによりハンドルバーが再び動き始めたら、トレーニング者が運動を再開したと見なし、そのときの負荷を少なくとも一時的に維持する。
トレーニング者の疲労の限界において負荷を徐々に軽減することにより、運動の再開・継続を促進することができる。従って、トレーニング者は当初運動を始めるにあたり目標としていた運動量を達成できたという充実感を得ることができる。
<第1実施形態>
[ハードウェア構成]
1.全体構成
図1は、本発明の第1実施形態に係るトレーニング装置100の構成図である。トレーニング装置100は、例えば店舗に設置され、店舗内のサーバ200と接続される。サーバ200は、トレーニング者の個人データを蓄積しており、トレーニング装置100からの要求に応じてこれを送信する。なお、本実施例においては、サーバ200を店舗内にのみ設置しているが、全国または全世界の店舗内サーバを繋ぐ店舗外サーバを設けてもよい。このような店舗外サーバに会員データを蓄積し、各店舗のサーバがそれにアクセスするようにしてもよい。
トレーニング装置100は、本体10(シートユニットに相当)、制御部30、入力部50、モニタ70、及びスピーカ90a,bを有している。本体10及び制御部30については、詳細を後述する。制御部30は、CPU、ROM、RAM、ハードディスクなどを備えたコンピュータである。入力部50は、データの入力を受け付ける機能を有し、例えばトランスポンダの受信部やテンキーユニット、カードリーダで実現することができる。モニタ70及びスピーカ90は、制御部30に記憶されているプログラムに従った画像や音声を出力する。
2.本体
図2及び図3に示すトレーニング装置100の一例を参照し、本体10についてさらに具体的に説明する。図2及び図3は、トレーニング装置100の一例を示す。トレーニング装置100は、この例では、シートに着座したトレーニング者がハンドルバー(可動部に相当)11をガイドレール12に沿って上下に動かすことにより、背中や肩、胸の筋肉を鍛えることのできる構造を有している。
ハンドルバー11は、本体10の設置面と垂直なガイドレール12に沿ってスライド可能に取り付けられている。また、ハンドルバー11はベルト13に固定されている。ベルト13はガイドレール12の上下端に設けられた2つの滑車14a,14bにかけられている。滑車14bは、負荷発生器となるトルクモータ15と回転軸を共有している。トルクモータ15の回転方向、回転速度、回転回数などは、モータ信号処理部23を介して制御部30に制御される。トレーニング者によりハンドルバー11が上下動すると、ベルト13が動き、それにより滑車14a,14bが回転しようとする。このとき、滑車14bにはトルクモータ15がトルクをかけ、ハンドルバー11に負荷を与える。なお、モータとしては、サーボモータ、ステッピングモータなどをトルクモータに代えて用いることもできる。また、モータに代え、電磁ブレーキなどを用いてハンドルバー11に負荷をかけても良い。
本体10のシート16は、本体10の設置面に平行なシートレール17に沿ってスライド可能である。背もたれ18は、シート16の位置によって起きたり寝たりする。図2及び図3は、シート16及び背もたれ18の位置変化を示す。図2は、シート16が最後方位置にあるときを示し、背もたれ18はシート16に対してほぼ直立していることを示す(第1位置)。上記図2の状態でトレーニング者が行える運動は、座位位置で行うショルダープレスとプルダウンである。図3は、シート16が最前方位置にあるときを示し、背もたれ18はシート16とほぼ同一面をなす(第2位置)ことを示す。背もたれ18には油圧ダンパー19が取り付けられており、シート16及び背もたれ18の位置変化を容易にしている。上記図3の状態でトレーニング者が行える運動は、仰臥位置で行うチェストプレスとロウイングである。トレーニング者が運動途中で図2の座位位置と図3の仰臥位置とを切替える場合には、ハンドルバー11を後述する可動範囲の上方または下方に移動させることでハンドルバー11を無負荷状態にしておいてシート位置を切り替えればよい。
なお、ここで上記各運動の内、ショルダープレス(図2)及びチェストプレス(図3)とは、ハンドルバー11を上昇させるために押し上げの力を要する運動である。これらの運動では、後述する可動範囲の上端に向かってトレーニング者がハンドルバー11を押し上げた後にこれを下降させる際に、ハンドルバー11を支えられるだけの力を入れながら徐々に下方に下げる。従って、これらの運動の場合には、ハンドルバーを上昇させる方が下降させるよりもトレーニング者に大きな荷重がかかる。
プルダウン(図2)及びロウイング(図3)とは、ハンドルバーを下降させるために引き下げの力を要する運動である。これらの運動では、後述する可動範囲の下端に向かってトレーニング者がハンドルバー11を押し下げた後にこれを上昇させる際に、勝手に上方に上がろうとするハンドルバーを手元に引き戻すように力を入れながら徐々に上に戻していく。従って、これらの運動の場合には、ハンドルバーを上昇させるよりも下降させる方がトレーニング者に大きな荷重がかかる。
側面がL字形のフレーム20には、ガイドレール12、ベルト13、滑車14a,14b、トルクモータ15、及びシートレール17が取り付けられている。また、フレーム20には、バースイッチ21a,bと、シートスイッチ22a,bとが設けられている。バースイッチ21a,bは、ハンドルバー11が上限位置または下限位置に来るとオン/オフし、制御部30に信号を送る。シートスイッチ22a,bは、シート16が最前方位置または最後方位置に来るとオン/オフし、制御部30に信号を送る。
[機能構成]
次に、トレーニング装置100が有する機能について説明する。トレーニング装置100は、大別してトレーニング機能と運動量調整機能とを有している。各機能は、制御部30により実現される。
1.制御部
再び図1を参照し、制御部30について詳細に説明する。制御部30は、下記(a)〜(f)に示す機能を有している。
(a) 本体10からの検出信号を処理する検出処理部31。検出信号は、モータ信号処理部23、バースイッチ21a,b、シートスイッチ22a,bからの信号である。
(b) 入力部50からの入力信号を受信し、演算部36に渡す受信部32、
(c) サーバ200との間で個人データの送受信を行う通信制御部33、
(d) モニタ70への表示データを生成する画像生成部34、
(e) スピーカ90a,bへの音声データを生成する音声制御部35、
(f) 図示しない半導体メモリに記憶されたプログラムを実行し、制御部30の各部を制御する演算部36。
2.演算部
演算部36は、(A)トレーニング機能及び(B)運動量調整機能を実現するためのプログラムを実行する。演算部36は、可動部監視部36a、負荷調整部36b、再開支援部36c、テンポ指示部36d、トレーニング部36eを有し、これらにより前記2つの機能を実現する。
(A)トレーニング機能
トレーニング機能は、図示しない半導体メモリに記憶されたトレーニングプログラムを演算部36のトレーニング部36eが実行することにより実現する。トレーニングプログラムは、トレーニング者の個人データの入力受付、トレーニング者の最大筋力1RM(repetition maximum)の測定、モード選択受付、モード毎の処理、シート位置の指定、トレーニング方法の説明などを行う。
図4は、演算部36がモニタ70に出力する個人データの入力受付画面である。トレーニング者は、不足している個人データを、入力部50から入力する。個人データとは、例えば年齢、性別、体重、身長である。また、個人データは、測定により得られるものもある。例えば、最大筋力1RMや、後述するトレーニング種類毎のハンドルバー11の可動範囲は、測定により得られる個人データである。図5は、最大筋力1RMの測定結果を示す画面例である。
図6は、演算部36がモニタ70に出力するモード選択画面である。トレーニング者は、この画面において、各種モードのいずれかを選択することができる。この実施形態例では、“測定モード”、“プログラムモード”、“マニュアルモード”を選択することができる。“測定モード”においては、演算部36はトレーニング者が可動部であるハンドルバー11を動かし得る領域、すなわち可動範囲を、トレーニング種別毎に測定する。可動範囲とは、ハンドルバー11が動きうる最大領域である可動領域の一部の領域であり、上記の通りトレーニング者がハンドルバー11を動かし得る領域である。可動範囲は、測定モードで測定される基準位置により定められる。本実施形態においては、トレーニング者が“測定モード”において移動させたハンドルバーの下端位置(基準位置に相当)から上端位置(基準位置に相当)までの領域が可動範囲に相当する。ただし、対象となるトレーニング装置が変わればもちろんこれに限定されるものではない。例えば、トレーニング者が椅子に腰掛け、脚の脛部のみを円弧状に上下させるトレーニング装置であれば、トレーニング者が動かし得るその円弧状の領域が可動範囲となる。
また、可動範囲はトレーニング者が可動部を動かし得るその一端のみを設定する場合も含む。例えばハンドルバーを上下方向に移動させる場合に、下端(基準位置に相当)のみを設定しておき、上端については設定しないようにすることもできる。下端の設定については、ハンドルバーが下がってくる方向でありトレーニング者の安全を確保するためには必須の条件となるが、上端については省略することも可能であるためである。但し、上端についての設定は、トレーニング者にとって、あと少し持上げれば負荷から解放されるというトレーニング継続の動機付けの効果が得られるものであり、この効果も機能として持たせる場合には可動範囲として上端及び下端の両方を設定するようにしておくのが望ましい。
“測定モード”においてはさらに、個々のトレーニング者に最適の最大筋力1RMの設定を行う。具体的には、トレーニング者の個人データ(体重、性別、年齢、体脂肪等)がフィットネスクラブ等に蓄積されている場合、その個人データに基づいて暫定的な負荷重量である推定負荷重量が算出される。トレーニング者はこの推定負荷重量によって設定された負荷がかけられたハンドルバーの上げ下げを何回行えるかが測定され、この回数に応じて所定の算出式に基づきこのトレーニング者の最大1RMが決定される。
“プログラムモード”では、演算部36が負荷や目標回数を設定し、設定した数値に基づいて画面や音声の出力を制御する。“マニュアルモード”では、トレーニング者から負荷を受け付け、設定された負荷従い画面や音声の出力を制御する。このマニュアルモードはトレーニング者が自らが望むだけトレーニングを行えるよう準備したモードである。もちろん、これに限らず、目標回数の設定を受け付けるようにしてもよい。
図7、図8は、これから開始しようとするトレーニングの種別に適したシート位置や姿勢、トレーニング方法を指示する画面例である。トレーニング者は、指示に従い、シート位置を調整してトレーニングの姿勢を取り、トレーニング方法を実行する。
図9は、プログラムモードにおける表示画面例を示す。演算部36は、負荷重量、目標回数、実行した回数、トレーニングの見本などを、画面に出力する。
図10は、トレーニングを終了したときの表示画面例を示す。この画面は、トレーニングが終了か否かの選択を受け付ける。
(B)運動量調整機能
演算部36は、可動部監視部36a、負荷調整部36b、再開支援部36c、テンポ指示部36dを有している。運動調整機能は、図示しない半導体メモリに記憶された運動調整プログラムを前記各部36a〜dが実行することにより実現する。運動調整プログラムは、ハンドルバー11に加える負荷の調整や、ハンドルバー11を上下させる指定テンポの調整を行う。以下に、(1)負荷調整機能と(2)指定テンポ調整機能とに分け、運動調整プログラムの機能ついて、さらに説明する。
(1)負荷調整機能
(1−1)負荷軽減機能
可動部監視部36a(可動部監視手段に相当)は、ハンドルバー11の可動状態(移動している状態)、を継続的に監視する。この例では、ハンドルバー11が動く速さを可動状態として監視する。ハンドルバー11が動く速さは、トルクモータ15の回転速度を検出信号処理部31で検出することにより監視されている。ハンドルバー11の速さが所定の動作時間中に所定値以下になった場合、負荷調整部36b(負荷調整手段に相当)はハンドルバー11が停滞したと見なし、ハンドルバー11に加える負荷を徐々に軽減する。例えば所定値ΔWずつ負荷を軽減し、軽減する毎にハンドルバー11の速さが所定の値以上になるかどうかを判定する。所定の動作時間とは、ハンドルバー11が往復運動すべきトレーニング時間である。負荷の軽減によりハンドルバー11の速さが所定値を超えた場合、再開支援部36c(再開支援手段に相当)はトレーニング者が運動を再開したと見なし、そのときの負荷を少なくとも一時的に維持する。なお、この場合、ハンドルバー11の停滞とは、ハンドルバー11が完全に停止する場合を含み、さらにその速さが所定値以下になる場合を含んでいても良い。
例えば、トレーニング者がハンドルバー11を上げている途中で動きが止まってしまうと、負荷W1が重すぎて運動を継続できないと見なされる。そしてトレーニング者が再びハンドルバー11を押し上げ始めるまで、負荷が徐々に減らされる。ハンドルバー11が再び上がり始めると、その時の負荷W2が例えばハンドルバー11が上がりきるまで維持される。演算部36は、負荷を軽減した後、そのままの負荷W2でトレーニングを継続させても良いし、一定時間の後に負荷W2から負荷W1に戻しても良い。
また、ハンドルバー11の可動状態を監視する方法は、これに限定されない。例えば、ハンドルバー11の可動状態として、ハンドルバー11の所定のスタート位置から所定の到達ポイントまでの到達時間を、演算部36により監視するようにしてもよい。到達ポイントに到達するまでの間に一旦速度が低下しても、途中で速度が盛り返して到達ポイントに所定時間内に到達すれば、演算部36はハンドルバー11が停滞しなかったと見なす。逆に、所定時間内に到達しなければ停滞したと見なし、負荷を軽減し、到達ポイントへの可動部の到達を支援する。この場合、ハンドルバー11の停滞とは、所定時間内にハンドルバー11がスタート位置から到達ポイントに到達しない場合である。また、所定の動作時間とは、ハンドルバーがスタート位置と到達ポイントとの間を往復すべきトレーニング時間である。
このような負荷軽減機能を有するトレーニング装置は、トレーニング者が疲労により運動を継続できなくなったときに、負荷を徐々に軽減することにより運動の再開・継続を支援する。そのため、トレーニング者は、途中で負荷が少し軽くなったとはいえ、目標とする回数の運動をすることができたという達成感を得ることができる。
(1−2)負荷復活機能
演算部36の負荷調整部36bは、負荷W1から負荷W2に負荷を軽減した後、所定のタイミングで負荷を戻す(負荷調整手段に相当)。具体的には、運動の再開によりハンドルバー11が所定の位置に到達した後、軽減前の負荷W1を超えない範囲で負荷を重くする。
例えば本装置をチェストプレスとして使用している場合を考える。負荷を軽減したことによりトレーニング者が運動を再開してハンドルバー11を一番上まで押し上げた後、ハンドルバー11を下げ始める場合に、元の重さW1を限度として負荷を戻しても良い。なぜなら、ハンドルバー11を下げるときのトレーニング者の耐荷重は、ハンドルバー11を上げるときのトレーニング者の耐荷重よりも高いのが通常だからである。つまり、トレーニング者は下方へ向かってくる荷重を支えるだけであるので、上方へ荷重を押し上げる場合に比べて肉体的に耐えやすいのである。ただし、軽減後の負荷W2とそこから戻す負荷W3との差(W3−W2)が大きすぎないことが好ましい。負荷の差が大きいと、たとえ荷重を支えながら降下させる運動であるとはいえ、筋肉への刺激が強すぎるからである。具体的には、戻した後の負荷W3は、軽減前の負荷W1を超えず(W3≦W1)、かつ軽減後の負荷W2の130%〜140%を上限とするとよい(W3≦W2×1.3〜1.4)。
(1−3)運動方向に応じた負荷軽減
負荷の軽減は、上記と同様、チェストプレスを例とすれば、ハンドルバー11が上昇する場合にのみ行い、下降する場合には行わなくてもよい。すなわち、演算部36は、ハンドルバー11の運動方向を監視し、ハンドルバー11が上昇している場合にのみ、負荷の調整を行う。この理由は、上述のようにハンドルバー11を下げるときのトレーニング者の耐荷重は、ハンドルバー11を上げるときのトレーニング者の耐荷重よりも高いため、ハンドルバー11を下げるときには負荷を軽減する必要性に乏しいからである。言い換えれば、トレーニング者は下方へ向かってくる荷重を支えるだけであるので、上方へ荷重を押し上げる場合に比べて肉体的に耐えやすいからである。なお、ハンドルバー11が動く方向の監視は、トルクモータ15の回転方向を検出信号処理部31で検出することにより行っている。なお、上記の負荷軽減は、チェストプレスのようにハンドルバー11を上方に押し上げるときにトレーニング者に負荷がかかる運動を例にとって説明している。逆に、ロウイングなどハンドルバー11を下方に下げるときにトレーニング者に負荷が係る運動の場合には、これとは逆にハンドルバー11を引き下げる場合に負荷の軽減を行う。
(1−4)可動範囲に応じた負荷の調整
演算部36の負荷調整部36bは、トレーニング者がハンドルバー11を動すことのできる可動範囲を測定することが好ましい。可動範囲は、トレーニング者によって個人差がある。また、トレーニングの部位により、可動範囲が異なる。従って、可動範囲は、トレーニング者毎に、かつトレーニングの種類毎に測定する。さらに、同じトレーニング者の同じ部位であっても、違うときに測定した可動範囲はそれぞれ少しずつ異なるのが一般的である。従って、測定した可動範囲には適当な遊び幅やデータの有効期限を設定しておくことが好ましい。なお、ハンドルバー11の位置の検出は、トルクモータ15の初期位置からの回転数及び回転方向により求めることができる。
可動範囲の測定に当たり、演算部36は、トレーニングの種類に応じた適切な姿勢をトレーニング者が取るよう指示を出力する。さらに、演算部36は、トレーニング者が動かせる最大範囲内でハンドルバー11を動かすように指示を出力し、ハンドルバー11の最高位置と最低位置とを検出する。指示は、画面及び音声により出力すると良い。図7及び図8は、トレーニングの種類に応じた姿勢を指示する画面例である。図9は、トレーニング者に所定の動きを指示する画面例である。トレーニングが開始すると、演算部36は、測定した可動範囲外にハンドルバー11が位置した場合、負荷をゼロに調整する。
ここで、可動範囲の上限及び下限には、所定の幅、例えばプラスマイナス5%の遊びを設定しておくとよい。例えば測定した最高位置が80cm、最低位置が30cmであれば、76〜84cmであれば最高位置、28.5〜31.5cmであれば最低位置とみなすことができる。そして、ハンドルバー11の高さが84cmを超えた場合または28.5cm未満になった場合、負荷をゼロに調整する。
可動範囲外でハンドルバー11の重さをゼロに調整することにより、ハンドルバー11が可動範囲外に位置した場合の安全性を担保することができる。即ち、従来であれば、一人で重量物を持上げるトレーニングを行っている途中で急に体調を崩したような場合には危険な状態になることがある。しかし、本発明によれば、仮にハンドルバー11が降下してきても可動範囲外にまで移動すれば負荷がゼロとなるので、トレーニング者の安全性は確実に確保される。なお、可動範囲外で急激に負荷をゼロにするのではなく、可動範囲外に近づくに従って負荷を順次低減させるようにしてもよい。一方、これによりトレーニング者は、運動を止めたい場合には、単にハンドルバー11を可動範囲外に移動させるだけでいつでも運動を中止することができる。従って、トレーニング者に運動中に何か急用が生じた場合にも直ちに対応しやすく、トレーニング装置に優れた操作性をもたせることができる。また、上記の機能を有していることによって、トレーニング者は例えばハンドルバー11が落ちてくるのではないかという不安感から解放される他、精神的に安定した状態でトレーニングを行うことができる。
さらに、演算部36は、測定した可動範囲を、トレーニング者を特定するIDやトレーニングの種類と対応付けてサーバ300に送信する。この値は、例えば測定日から一月以内は有効な値としてサーバ300内に記憶される。可動範囲は、測定時のトレーニング者の動き方やトレーニング者の身体の変化により、刻々と変化する可能性があるからである。
(1−5)ハンドルバーの上下回数のカウント
可動部監視部36aは、ハンドルバー11の上下回数をカウントする。カウント方法として、表示可動範囲の上部10%または下部10%の幅にハンドルバー11を移動させた場合に、カウントを行う方法が挙げられる。ここで、表示可動範囲とは、可動範囲のうち、モニタ70に表示される範囲である。
(1−6)その他
演算部36は、ハンドルバー11の負荷を軽くするだけでなく、重くしても良い。例えば、ハンドルバー11の動きが後述する指定テンポよりも早すぎる場合、負荷がトレーニング者にとっては軽すぎると考えられる。その場合には、演算部36は、徐々に、例えばΔWずつ負荷を重くし、重くする毎にハンドルバー11の速度を監視する。また、重くする毎に新たな指定テンポを算出し、指定テンポとハンドルバー11の速度とを比較する。両者の差が所定範囲以下になるまで、負荷を徐々に重くし、トレーニング者にとって適度な負荷となる様に負荷を調整することもできる。なお、指定テンポは、個人データや負荷の重さに応じて算出される。
(2)テンポ調整機能
(2−1)指定テンポの出力
トレーニング装置100は、ハンドルバー11を上下動すべき可動タイミングの指標を図表によって出力しても良い。例えば、演算部36のテンポ指示部36d(指示手段に相当)は、リズム及び速度の組み合わせで決まるテンポを指示するための画面データや音声データを生成し、モニタ70やスピーカ90に出力する。指定テンポは、年齢や性別、筋力などの個人データや負荷の重さに応じて演算すると良い。トレーニング装置100が指定テンポを出力することで、トレーニング者は適切な速度でハンドルバー11を動かすよう努力し、運動効果が高まると期待できる。なお、テンポ指示部36dは、画面に合わせてテンポに合うかけ声や音楽などを、スピーカ90から出力しても良い。トレーニング者は、遊び感覚で楽しみながら運動するので、運動の苦痛が緩和される。
図9は、指定テンポを指示する画面例である。この画面は、可動域ウインドウ71、リズムマーク72、模擬バー73、方向マーク74、方向指示マーク75を表示している。可動域ウインドウ71は、トレーニング者の可動範囲を表す。可動域ウインドウ71の上端はトレーニング者の可動範囲の最高位置に、可動域ウインドウ71の下端はトレーニング者の可動範囲の最低位置に、それぞれ相当する。リズムマーク72は、ハンドルバー11を上下させるリズムを指示し、この例では4拍子でハンドルバー11を上昇及び下降させることを指示している。リズムマーク72の数字(1,2,3,4)は移動の順番を示す連番である。模擬バー73は、可動域ウインドウ71内を指定の速度で上下する。トレーニング者は、模擬バー73の上下動に合わせて自分もハンドルバー11を上げ下げするよう努力すればよい。
方向マーク74及び方向指示マーク75は、模擬バー73と共にハンドルバー11の移動方向を指定する。方向指示マーク75が上向きを指示する方向マーク74aに沿って動いていれば、ハンドルバー11を上昇させる指示である。逆に方向指示マーク75が下向きを指示する方向マーク74bに沿って動いていれば、ハンドルバー11を下降させる指示である。なお、方向指示マーク75は、模擬バー73と同期して可動域ウインドウ71内を上下し、上端及び下端に到達するたびに方向マーク74a、74bの指定を切り替える。
(2−2)テンポの調整
演算部36は、トレーニング者が運動を途中で停止した場合、実際のハンドルバー11の動きに関わらず指定テンポを出力しても良いが、実際のハンドルバー11の動きに応じて出力するテンポを緩くしても良い。例えば、演算部36は、ハンドルバー11の速さが所定値以下になった場合、ハンドルバー11の速さに応じて指定テンポを緩くしてもよい。トレーニング者は、遅くしたテンポに追随できれば、負荷を変えずに運動を継続できたという満足感を得ることができる。
また、ハンドルバー11の動きと指定テンポとのずれが所定の範囲を超えたとき、指定テンポを緩くまたは早くしてもよい。ずれが大きすぎ、指定テンポを出力することが無意味になるのを防止することができる。
(2−3)負荷の調整とテンポの調整との組み合わせ
テンポの調整と負荷の調整とを組み合わせて行うとさらに好ましい場合がある。
例えば、ハンドルバー11を押し上げる速度が鈍ってきたときに、負荷を減量しつつ指定テンポを遅くすることが挙げられる。トレーニング者の疲労度が高い場合には、負荷の軽減に加えて指定テンポも遅くする方が運動を再開しやすく好ましい。このとき、負荷の減量はトレーニングが再開できる程度に最小限に抑え、指定テンポはハンドルバー11と指定テンポとのずれが所定範囲内に収まる程度に遅くすると良い。
また例えば、軽減された負荷W2で運動が再開された場合、軽減された負荷W2に応じて指定テンポを早くすることが挙げられる。こうすることで、負荷が軽減した分の運動量をテンポアップにより補填することができる。トレーニング者は、負荷が軽減したものの運動速度を速めたことにより、達成感を得ることができる。例えば、負荷軽減前及び軽減後の指定テンポに相当する速度をそれぞれV1,V2とすると、(W2・V2)/(W1・V1)が所定の範囲内の値となるように、指定テンポを決めても良い。
指定テンポの調整は、年齢や性別、筋力などの個人データや負荷の重さに加え、負荷の値や軽減前後における負荷の差に基づいて行うことが好ましい。
なお、速度低減や負荷軽減に応じてテンポを遅くするような仕様を採用する場合には、BGMの音楽は流さないようにするのが望ましい。この理由は、本来、BGMは運動のリズムをとるために上記テンポに同期していることから、そのテンポを遅くするとその音楽もゆっくり流れることになりトレーニング者にとっては自らの疲労状態を認識してしまうことにもなり、むしろ運動の達成感を減少させてしまう恐れがあるためである。
(2−4)表示する可動範囲(表示可動範囲)
演算部36のテンポ指示部36dは、モニタ70上の可動域ウインドウ71に表示する表示可動範囲を、測定された可動範囲の幅よりも狭い範囲とすることが好ましい。例えば、表示可動範囲を、実際の可動範囲から上下10%を削除した範囲とするとよい。こうすることで、モニタ70を見ているトレーニング者にとって、例えばハンドルバー11が可動範囲の下端に到達したと思った地点においても、さらに10%分下げないと本当の可動範囲からは外れない。逆に、ハンドルバー11を上げる場合には、本当の可動範囲の下端から10%分だけハンドルバー11を上げた状態になって初めて、モニタ70上の可動域ウインドウ70の下端に模擬バー73が表示される。
このように本当の可動範囲よりも狭い範囲である表示可動範囲をモニタ70に表示する理由は次の通りである。即ち、例えばハンドルバー11を上に押し上げる場合、モニタ70上でハンドルバー11の動きが表示されるより前にハンドルバー11が既に可動範囲に入っていることになるので、トレーニング者は力を加える必要がある。模擬バー73が表示される前にトレーニング者に要求される動作が、トレーニング者にとって予備動作のような役割を果たす。人間は瞬間的に所定の力を出すことは困難であるため、このような予備動作を行うことで、モニタ70上の模擬バー73が可動域ウインドウ71の下端から上昇する動きに合わせ、トレーニング者はハンドルバー11を加速させてスムーズに負荷に抗する力を出すことができる。仮にモニタ70上の可動域ウインドウ71と測定された可動範囲の全範囲とを対応させると、例えばハンドルバー11を上げる場合には、トレーニング者は可動域ウインドウ71の下端から一気に所定の力を出さなければならない。これでは、トレーニング装置の使い勝手が低下してしまう。これを防ぐため、可動域ウインドウ71には、可動範囲よりも狭い表示可動範囲を対応させて模擬バー73の表示を行うことが望ましい。
[処理の流れ]
次に、トレーニング装置100の演算部36が実行する処理について、具体例を挙げて説明する。説明を容易にするために、運動量の調整として負荷の調整を行う場合を例に取る。演算部36は、大別して(1)メインルーチン、(2)負荷調整ルーチンを実行する。負荷調整ルーチンは、メインルーチンとは独立に実行される。
(1)メインルーチン
図11は、演算部36が実行するメインルーチンの流れの一例を示すフローチャートである。メインルーチンでは、個人データの取得、トレーニング者の可動範囲測定の必要性の判断、各モード毎の処理などを行う。
ステップS1:演算部36は、トレーニング装置100が起動すると、トレーニング方法の概要を示すデモンストレーションを開始する。
ステップS2:演算部36は、デモンストレーションを実行しながら、決定ボタンまたはクイックスタートボタンの入力を待機する。決定ボタン及びクイックスタートボタンは、入力部50に設けられている。
ステップS3〜S6:演算部36は、個人データをサーバ200から取得するか、トレーニング者から入力してもらう。具体的には、演算部36は、デモンストレーション中にトランスポンダによりユーザIDが入力された場合(S3)、入力されたユーザIDに対応する個人データを店舗内サーバ200から取得する。取得した個人データに欠落がなければ(S4)、ステップS7に移行する。トランスポンダからの入力がない場合(S3)、演算部36はトレーニング者を認証できない旨の通知を出力し、処理の続行の意思を問い合わせる(S5)。続行の意志がある場合には、データ入力画面(前記図4参照)を表示し、個人データの入力を受け付ける(S6)。また、店舗内サーバ300から取得した個人データに欠落がある場合にも、データ入力画面からの個人データの入力を受け付ける(S4,S6)。
ステップS7〜S8:演算部36は、デモンストレーション中に決定ボタンが押された場合(S7)、モード及び部位の選択をトレーニング者から受け付ける。
ステップS9〜S10:演算部36は、クイックスタートボタンが押された場合(S9)、“マニュアルモード”を設定し、部位の選択をトレーニング者から受け付ける(S10)。また、演算部36は、負荷や目標回数等の設定を受け付けても良い。
ステップS11:演算部36は、後述するシート位置確認サブルーチンを実行する。この処理により、今から行おうとするトレーニングの部位に応じたシート位置が定まる。
ステップS12:前記ステップS8、S10、S11で、トレーニングの部位及びそれに応じたシート位置が定まると、演算部36は、そのトレーニング部位についてトレーニング者の可動範囲を個人データから抽出する。
ステップS13:演算部36は、設定されているモードやトレーニングの部位に応じた負荷を、ハンドルバー11に印加する。後述するように、ハンドルバー11の負荷は、トレーニング中のハンドルバー11の可動状態に応じて変化する。
ステップS14:演算部36は、設定されているモードや選択された部位に応じたトレーニング処理を開始させる。例えば“マニュアルモード”が設定されていれば、演算部36は、トレーニング者が選択したトレーニングの部位や負荷、目標回数の設定に従い、画面や音声の出力を制御するプログラムを開始させる。また“プログラムモード”が設定されていれば、演算部36は、選択された部位に対応する予め記憶されたトレーニングプログラムに従い、画面や音声出力を行うプログラムを開始させる。このプログラムは、トレーニング者の最大筋力1RMや性別、年齢などの個人データに基づいて、負荷や目標回数を設定する。トレーニング処理中、このメインルーチンとは独立に実行される負荷調整ルーチン(詳細は後述する)により、指示テンポや現在の負荷の値などがモニタ70に出力される。トレーニング処理終了後、演算部36は運動結果を店舗内サーバ300に保存し、ステップS1に戻る。なお、トレーニング処理が終了する条件は、トレーニングの完了により終了する場合と、後述する負荷調整ルーチンから終了を指示された場合である。
図12は、演算部36が実行するシート位置確認サブルーチンの処理の流れの一例を示すフローチャートである。前記メインルーチンにおいてステップS11に移行すると、以下の処理が開始される。
ステップS201、S202:演算部36は、これから行おうとするトレーニングの部位に基づき、シート位置の変更が必要か否かを判断する(S201)。変更が必要な場合にはステップS202に移行し、シート位置の変更を指示する画面をモニタ70に出力する。変更不要な場合には、メインルーチンに戻る。
ステップS203、S204:演算部36は、シート位置が変更されるのを待機し(S203)、シート位置が変更されるとトレーニング者に着座を指示する画面をモニタ70に出力する(S204)。シート位置の変更は、前述のバースイッチ21a,b及びシートスイッチ22a,bからの信号を検出することにより判断する。
ステップS205:演算部36は、トレーニング者により決定ボタンが押下されるのを待機し(S205)、メインルーチンに戻る。
(2)負荷調整ルーチン
図13(a),(b)は、演算部36が実行する負荷調整ルーチンの流れの一例を示すフローチャートである。演算部36は、この例では、プログラムモードまたはマニュアルモードにおける処理が実行されているときに、負荷調整ルーチンを実行する。この処理は、次の流れで行う。
フロー初期:トレーニング者がハンドルバー11を持ち上げる動きが実質止まっている場合に(S100〜S104)、負荷を徐々に軽減し(S105〜S107)、動きが再開した負荷の値をハンドルバー11が上がりきるまで維持する(S109)。
フロー中期:ハンドルバー11が上がりきると、負荷を所定の制限内で戻す(S110〜S115)。
フロー終期:ハンドルバー11が下がりきると、あと何回負荷を軽減できるかを判断し、それ以上負荷を軽減できない場合は運動を終了させる(S116〜S118)。
(2−1)フロー初期
ステップS100:演算部36は、プログラムモードまたはマニュアルモードが設定されているか否かを判断する。測定モードでバーを動かしているときや最大筋力を測定しているときに負荷を軽減しないためである。
ステップS101〜S102:演算部36は、ハンドルバー11の動く速さが所定の速さ以下になるのを監視し(S101)、所定の速度以下になるとトレーニング者の動きが停止したと見なして激励メッセージを出力する(S102)。
ステップS103〜S104:所定時間T2を経過してもハンドルバー11の速さが所定の速さ以下の場合(S103)、演算部36はハンドルバー11の動く方向が上向き(ポジティブレップという)か下向き(ネガティブレップという)かを判断する(S104)。
ステップS105:演算部36は、ハンドルバー11が上向きに動いている場合、負荷を一定量軽減する((軽減前の負荷W1)=W1−ΔW)。
ステップS106:演算部36は、軽減した結果、ハンドルバー11が所定の速さ以上で動き出すか否かを判断する(S106)。例えば所定時間以上経過してもハンドルバー11の速さが所定値以下であれば、ハンドルバー11は動いていないと判断する(S106)。
ステップS107:演算部36は、負荷を軽減してもハンドルバー11の速さが所定値以上にならない場合、負荷をさらに軽減できるかどうかを判断する。つまり、演算部36は、負荷がゼロを超えているかどうかを判断する。負荷がゼロになっていなければ、再びステップS105に戻る。このようにして、負荷がゼロになるまで、負荷をΔWずつ軽減し、ハンドルバー11が動き出すのを待機する。
ステップS108:演算部36は、軽減した負荷がゼロになった場合、運動終了をメインルーチンに指示し、処理を終了する。負荷がゼロになってもハンドルバー11が動き出さないので、トレーニング者はトレーニングを続行する気がないと見なすことができるからである。
ステップS109:負荷を軽減した結果ハンドルバー11が動き始めたら、演算部36は、それ以上負荷を軽減することを停止し、軽減後の負荷の値W2を維持する。
(2−2)フロー中期
ステップS110:演算部36は、負荷の値W2を維持したまま、ハンドルバー11が可動範囲の上端に到達するまで負荷W2を維持する。上端に到達したか否かの判断は、若干の遊びを許容するように行うことが好ましい。
例えば、可動範囲を示す最高位置がLtとすると、0.95×Lt〜1.1×Ltの高さ範囲にハンドルバー11が入れば、可動範囲の上端に到達したと見なすことが挙げられる。同様に、可動範囲の最低位置がLbとすると、0.95×Lb〜1.1×Ltの高さ範囲にハンドルバー11が入れば、可動範囲の下端に到達したと見なすことが挙げられる。トレーニング者がハンドルバー11を動かす範囲は、毎回可動範囲と正確に一致するわけではなく、実際には可動範囲と若干ずれるからである。
ステップS111〜S112:演算部36は、ハンドルバー11が可動範囲の上端を超えたセーフティゾーンに入ると(S111)、負荷をゼロにする(S112)。つまり、ハンドルバー11が上昇して高さが1.05×Ltを超えると、ハンドルバー11が可動範囲外に入ったと見なし、負荷をゼロにする。
なお、本実施例においては、上端に達したか否かの判断を、ハンドルバー11が可動範囲の最高位置に達したか否かによって行っているが、必ずしもこの判断に限定されるものではなく、可動範囲内であっても所定の高さに達すれば上端に達したとしてモニタ70にその旨の表示を行い、トレーニング者に対して逆方向へ移動させる指示を行う一方、上記の通りの負荷設定を行うようにしてもよい。
例えば、可動範囲については、装置によってはハンドルバーが下がった場合の下端位置のみを設定しておき、上方については可動範囲を設定しないようにしてもよく、この場合、上記の通りの負荷設定を行えばよい。
ステップS113:演算部36は、ハンドルバー11が可動範囲の上端に到達すると、負荷を元に戻しても良いか否かを判断する。この判断は、減量前の負荷W1と減量後の負荷W2との差が所定の上限を超えているか否かにより行う。例えば、減量前の負荷W2が、減量後の負荷W1の130%以下であれば、負荷の値を元の値W1に戻しても良いと判断する。
ステップS114:演算部36は、減量前の負荷W1と減量後の負荷W2との差が所定の上限を超えていなければ、負荷をW1に戻す。例えば、W1≦W2×1.3であれば、負荷をW1に戻す。
ステップS115:演算部36は、減量前の負荷W1と減量後の負荷W2との差が所定の上限を超えていれば、その上限まで負荷を重くする。例えば、W1>W2×1.3であれば、負荷をW2×1.3に戻す。
(2−3)フロー終期
ステップS116〜S118:演算部36は、ハンドルバー11が可動範囲の下端に到達すると(S116)、支援回数Nsを(Ns+1)とし、更新した支援回数Nsと所定の支援回数Nmaxとを比較する(S117)。Ns<Nmaxであれば、再びステップS101に戻り、トレーニング者の動きが止まったときには負荷を軽減することによりトレーニングの継続を支援する。逆にNs≧Nmaxであれば、運動終了をメインルーチンに指示し、処理を終了する(S118)。
ステップS119:演算部36は、ハンドルバー11が可動範囲の上端から下端に到達するまでの時間が所定時間T4を超えている場合、運動終了をメインルーチンに指示し、処理を終了する(S118)。例えば、トレーニング者がハンドルバー11を下げる速さが遅すぎる場合、トレーニングは終了したと見なされる。負荷調整ルーチンは終了し、メインルーチンはデモンストレーションの表示に戻る(S1)。
ステップS120〜S121:なお、演算部36は、ハンドルバー11が下向きに動いて状態で実質的に停止し(S120)、所定時間T3過ぎても動かない場合には、本処理を終了する(S121)。例えば、トレーニング者がハンドルバー11を下げている途中でトレーニングを放棄した場合、トレーニングは終了したと見なされる。
なお、上記負荷調整ルーチンでは、プログラムモードとマニュアルモードの時に負荷の調整を行っているが、どのようなモードをトレーニング装置100に設定し、その中のどのモードに置いて負荷の調整を行うかは適宜変更可能である。また、上記ルーチンでは負荷調整回数が上限まで実行されるとトレーニングが終了するが、必ずしもその必要はない。さらに、負荷W1を負荷W2に軽減してハンドルバー11が上がりきった後、負荷を再び重くしているが、これは必ずしも必要ではない。例えば、軽減した負荷W2をそのまま維持して最後までトレーニングさせても良い。加えて、ハンドルバー11を上げるときにのみ負荷の調整を行っているが、他の種類のトレーニングを行う装置においては、トレーニング者が駆動する部分がいかなる方向に動くときでも負荷の調整を行うようにすることもできる。
[効果]
以上述べたように、本発明に係るトレーニング装置は、トレーニング者の疲労を検知したときに、トレーニングを継続できるようにトレーニング者を支援する。支援は、トレーニングを再開するのに必要最小限な程度に行うので、トレーニング者はトレーニング後に適度な達成感を得ることができる。負荷の軽減は、筋肉に強い刺激を与えない程度に徐々に行い、また好ましくは支援回数に上限を設けるので、負荷の軽減によりトレーニング者に負担をかけることを防止できる。また、負荷の調整をトレーニング者の耐荷重が少ないような運動方向において行えば、支援を必要最小限に抑える上でさらに好ましい。
<その他の実施形態>
(A)前記第1実施形態では、トレーニング者の疲労を検出した場合に負荷の調整のみを行ったが、ハンドルバー11を上げ下げするための指定テンポの調整を、負荷の調整と共に行っても良い。例えば、負荷を軽減する代わりに指定テンポを速くすること、トレーニング者の疲労を検出した場合に指定テンポを緩くすること、が挙げられる。
(B)前述の方法をコンピュータ上で実行するためのプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明に含まれる。ここで、プログラムはダウンロード可能なものであってもよい。記録媒体としては、コンピュータが読み書き可能なフレキシブルディスク、ハードディスク、半導体メモリ、CD−ROM、DVD、光磁気ディスク(MO)、その他のものが挙げられる。
本発明は、個人が自己に最適な運動負荷で運動するためのトレーニング装置に適用可能である。
本発明の第1実施形態に係るトレーニング装置 図1のトレーニング装置の一例(シートが起きている状態) 図1のトレーニング装置の一例(シートが寝ている状態) 個人データの入力受付画面の一例 最大筋力1RMの測定結果を示す画面例 モード選択画面の一例 これから開始しようとするトレーニングの種別に適したシート位置を指示する画面例 これから開始しようとするトレーニングの種別に適した姿勢やトレーニング方法を指示する画面例 プログラムモードにおける表示画面例 トレーニングが終了したときの表示画面例 図1の演算部が行うメインルーチンの流れの一例を示すフローチャート 図11のメインルーチンのステップS11において実行される、シート位置確認サブルーチンの流れの一例を示すフローチャート 図1の演算部が行う負荷調整ルーチンの流れの一例を示すフローチャート(a) 図1の演算部が行う負荷調整ルーチンの流れの一例を示すフローチャート(b)
符号の説明
100:トレーニング装置
10:本体
20:制御部
11:ハンドルバー
15:トルクモータ
36:演算部
36a:可動部監視部
36b:負荷調整部
36c:再開支援部
36d:テンポ指示部
36e:トレーニング部

Claims (4)

  1. 運動用に供される上下方向に移動可能な可動部に電気的な負荷発生器により第1の負荷をかけるトレーニング装置であって、
    前記可動部の移動状態を監視する可動部監視手段と、
    前記可動部の可動領域の少なくとも一方の端部を基準位置として設定する設定手段と、
    前記基準位置に対して予め定められた前記可動部の可動方向に沿って、前記可動部が前記基準位置を越えたことを検出する負荷調整手段と、を備え、
    前記可動部が前記基準位置を超えた場合、前記負荷調整手段が前記第1の負荷をゼロに調整することを特徴とするトレーニング装置。
  2. 前記負荷調整手段は、前記可動領域内を移動する可動部が前記基準位置に近づくに従って、前記第1の負荷を順次低減させることを特徴とする請求項1の記載のトレーニング装置。
  3. 表示部と、
    前記可動領域に対応する可動域ウインドウと、前記可動域ウインドウ内で移動する模擬可動部と、を前記表示部に出力することにより、前記可動部を動かす可動タイミングの指示を出力する指示手段と、
    をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載のトレーニング装置。
  4. 表示部と、
    前記可動領域よりも狭い領域に対応する表示可動ウインドウと、前記表示可動ウインドウ内で移動する模擬可動部と、を前記表示部に出力することにより、前記可動部を動かす可動タイミングの指示を出力する指示手段と、
    をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載のトレーニング装置。
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