JP2005296488A - 光検出装置及びグルコース濃度測定装置 - Google Patents

光検出装置及びグルコース濃度測定装置 Download PDF

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Abstract


【課題】 非侵襲的なグルコース濃度測定において、S/N比を上げて測定精度を向上する。
【解決手段】 発振器27から発せられたチョッピング信号の周期に基づいて、断続的に出射された光が入力され、その光に応じた正弦波状または方形波状の電気信号を検出信号Sとして出力する参照光検出器及び信号光検出器と、その検出信号Sが入力され、検出信号Sの位相を180度ずらした検出信号Sを出力する移相器52と、検出信号S及び検出信号Sのうち、チョッピング信号のオフ期間に対応する信号をチョッピング周期に基づいて交互に選択する選択器54とを備える。
【選択図】 図4

Description

この発明は、光強度を検出する光検出装置に関するものである。
従来、糖尿病の判断のために血中グルコース濃度測定が行われており、特に、糖尿病患者のインシュリン投与量を決定する血糖値を検査するために、グルコース濃度の測定が行われている。グルコース濃度の測定は、一般に、指や腕から採取した血液を直接分析することにより行われている。患者の体内における血液中のグルコース濃度は、食事の前後や運動後などの測定条件によって変化するため、正確な血糖値を得るためには、頻繁なグルコース濃度測定が必要である。
しかしながら、採血した血液を直接分析する上記方法は、グルコース濃度の測定の度に注射針等を刺して採血しなければならず、患者にかかる負担が大きいという問題がある。
この問題を解決するために、指、腕、耳朶などの生体組織に対し、外部から近赤外光を照射して生体内で拡散させ、生体外に出射された光を検出する非侵襲的なグルコース濃度測定方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1の方法は、ハロゲンランプから発せられた所定波長帯域の光を光ファイバによって分光器へ導き、分光器により分光された特定波長の光を生体に照射することにより、生体内に入射させ、生体内において拡散されて生体表面から生体外に戻る光(以下「戻り光」という。)をフォトダイオードにより光検出することにより吸収信号を測定し、その測定結果に基づいてグルコースの濃度を算出するものである。
特開2000−131322号公報(図3等)
特許文献1に示される方法では、生体表面からの戻り光を受光する手段としてフォトダイオードを採用している。このフォトダイオードは、光起電力効果を利用して入射光の光強度に応じた電流を流すことにより光検出を行うものである。
しかしながら、上記フォトダイオード等の光起電力効果を利用して光検出を行う光検出器は、光検出の際に、ショットノイズが発生するという特性を持つ。ここで、ショットノイズNは、N=(2QIB)1/2の関係式で表される。上記式において、Qは電価量、Bは回路帯域幅、Iは電流である。
したがって、光検出器の検出信号には、入力される光強度が高いほどノイズが多く含まれることとなり、S/N比の高い検出信号を出力することが難しいという問題があった。
また、このような特性を有する光検出器を用いてグルコース濃度を測定する場合には、グルコース濃度測定を精度良く行うことができないという問題があった。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、S/N比の高い検出信号を出力することができる光検出装置及びグルコース濃度を高精度に測定することができるグルコース濃度測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、所定の周波数でチョッピングされた光が入力され、該光に応じた正弦波状の電気信号を第1の検出信号として出力する光検出手段と、該第1の検出信号が入力され、該第1の検出信号の位相を180度ずらした第2の検出信号を出力する位相変換手段と、該第1の検出信号及び該第2の検出信号のうち、該チョッピング周期のオフ期間に対応する信号を前記チョッピング周期に基づいて交互に選択する選択手段とを具備する光検出装置を提供する。
本発明によれば、所定の周波数でチョッピングされた光は、光検出手段によって検出され、第1の検出信号として正弦波状または方形波状の電気信号が出力される。この光検出手段は、例えば、光起電力効果を利用して、入射光の光強度に応じた電流を流すことにより光検出を行うものであり、また、該電流値(光強度)に応じたショットノイズを生じさせるという特性を有している。
このような光検出手段から出力された第1の検出信号は位相変更手段に導かれ、位相を180度ずらされて、第2の検出信号として選択手段へ導かれる。選択手段へ導かれた第2の検出信号、並びに前記位相変更手段を介さずにそのまま選択手段に導かれた第1の検出信号は、チョッピング周期に基づいて交互に選択される。この場合において、本発明では、選択手段によって選択される信号をチョッピング周期のオフ期間に対応する信号とする。ここで、チョッピング周期のオフ期間には、光検出手段に入力される光が微弱であるので、この期間における第1の検出信号及び第2の検出信号にはショットノイズが非常に少ないこととなる。
したがって、ショットノイズが含まれていないS/N比の高い信号を常に選択することが可能となる。
本発明は、生体に所定の周波数でチョッピングした測定光を照射する光照射手段と、該生体からの戻り光が入力される請求項1に記載の光検出装置と、該光検出装置の光検出結果に基づいて該生体内のグルコース濃度を測定する演算手段とを備えるグルコース濃度測定装置を提供する。
グルコース濃度測定においては、全体的に信号レベルが低い信号に基づいてグルコース濃度の演算処理等が行われるため、ノイズの低減は非常に重要な課題となる。
そこで、S/N比の高い検出信号を出力することができる光検出装置を採用することにより、信頼性の高い光検出信号に基づくグルコース濃度の測定が可能となり、グルコース濃度測定の精度を向上させることが可能となる。
また、本発明は、所定の周波数でチョッピングされた光が入力され、該光に応じた正弦波状の電気信号を第1の検出信号として出力する過程と、該第1の検出信号が入力され、該第1の検出信号の位相を180度ずらした第2の検出信号を生成する過程と、該第1の検出信号及び該第2の検出信号のうち、該チョッピング周期のオフ期間に対応する信号を前記チョッピング周期に基づいて交互に選択する過程とを具備する光検出方法を提供する。
本発明に係る光照射装置によれば、ショットノイズが含まれていない期間の信号のみを選択するので、S/N比の高い検出信号を出力することができるという効果を奏する。
また、本発明に係るグルコース濃度測定装置によれば、信頼性の高い光検出信号に基づいてグルコース濃度を測定することが可能となるので、高精度なグルコース濃度測定を実現させることができるという効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態に係るグルコース濃度測定装置について図面を参照して説明する。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1は、図1に示されるように、生体Aに照射する光を発生する光源2と、該光源2から出射された光を分光する分光器3とを有する光照射部4と、生体A内で拡散あるいは透過した光を生体A外部において検出する光検出部(光検出装置)5と、該光検出部5により検出された光のスペクトルに基づいて生体A内のグルコース濃度を算出する演算部6とを備えている。
光照射部4は、生体Aに照射する光を発生する光源2と、光源2から出射された光を分光する分光器3とを備えている。
前記光源2は、例えば、ハロゲンランプ、波長帯域をそれぞれ異にする複数の広帯域光源からの光をマルチプレクサで合波した光源、あるいは、これらの光源の組み合わせからなる光源のいずれでも良い。上記広帯域光源としては、例えば、ASE(Amplified Spontaneous Emission)光源や、SLD(Super Luminescence Diode)等が挙げられる。
ハロゲンランプによれば、簡易かつ安価に構成できる利点があり、広帯域光源からの光を合波した光源によれば、高輝度の光を効率よく伝播することができる利点がある。光源2から出射された光は、光ファイバ29によって分光器3に導かれている。この光ファイバ29は、特に制限されるものではなく、シングルモードファイバであってもマルチモードファイバであってもよい。
前記分光部3は、入力された高周波の周波数に応じて、入射された光の内の特定の波長の光のみをさらに分光して出射する音響光学可変波長フィルタ25(AOTF:Acousto-Optic
Tunable Filter、以下、AOTFという。)と、所定の速さで高周波信号の周波数を変更しながら出力するフィルタ制御部26と、所定の周波数の高周波信号を出力する発振器27と、乗算器28とを備えている。
フィルタ制御部26は、後述のコンピュータ49から入力される周波数可変信号に基づいて、所定の速度で周波数が順次変化する高周波信号(以下「制御信号」という。)を出力する。一方、発振器27は、一定の周波数(以下「チョッピング周波数」という。)のディジタル信号(以下「チョッピング信号」という。)を出力する。乗算器28は、フィルタ制御部26から出力される制御信号と、発振器27から出力されるチョッピング信号を乗算して、AOTF25へ供給する。この結果、AOTF25へは、チョッピング信号の「オン期間」において、制御信号が供給されることとなる。
また、発振器27から出力されるチョッピング信号は、後述する演算部6のロックイン検波器47に対しても供給される。
AOTF25から出力された分光された光は、光ファイバ30及び32によって装置本体1の出口まで導かれるようになっている。このAOTF25の出口に配置された光ファイバ30は、特に制限されるものではないが、AOTF25の出力角度に変動が生じても、その光を全て光ファイバ30の端面から入射させることができるように、比較的コア径の大きなマルチモードファイバが採用されることが好ましい。マルチモードファイバによれば、光学系の機械的なズレや変形によって光路が変動する場合にも、AOTF25から出射される光を漏れなく入射させることが可能である。
AOTF25の出力側には、AOTF25を通過してきた光を2方向に分岐させる光分岐部33が設けられている。この光分岐部33は、例えば、図2に示されるように、光ファイバ30の端面に対向して配置されたコリメートレンズ34と、該コリメートレンズ34によりコリメートされた光を2方向に分岐させるビームスプリッタ35と、分岐されたコリメート光を2本の光ファイバ32、36に集光させる2つの集光レンズ37、38とを備えている。
分岐後の一方の光ファイバ32は、前記装置本体31の出口に接続され、もう一方の光ファイバ36は、後述する光検出部5の参照光検出器44に分岐された光を導くように構成されている。光分岐部33におけるビームスプリッタ35(図2参照)の分岐比率は、例えば、装置本体31の出口側に向かう測定光が95%、参照光検出器44に向かう参照光が5%程度となるように設定されている。
装置本体31の出口にはコネクタ39が設けられており、前記光分岐部33において分岐された一方の光を装置本体31の外側へ導く光ファイバ32が接続されている。また、装置本体31の外側には、生体A組織表面に接触させられる測定プローブ40が設けられ、該測定プローブ40と前記コネクタ39とが照射用光ファイバ41によって接続されている。コネクタ39における光ファイバ32、41の接続は、同径のコアを有する光ファイバ32、41の端面どうしを突き当てるように配置することにより行われている。光ファイバ32、41の端面は、例えば、PC研磨されており、一方の光ファイバ32の端面から発せられた測定光を効率よく他方の光ファイバ41内に引き渡すことができるようになっている。
前記測定プローブ40には、その先端面40aに、図3に示されるように、中心に1本の照射用光ファイバ41が配置され、その周囲に間隔をあけて複数本の受光用光ファイバ42が配置されている。すなわち、測定プローブ40の先端面40aを生体A組織表面に密着させた状態で装置を作動させることにより、測定プローブ40の中心から出射された測定光は、生体A内に入射され、拡散あるいは透過させられた後に、生体A表面に戻り、照射用光ファイバ41の周囲に配置されている受光用光ファイバ42によって信号光として受光されるようになっている。
各受光用光ファイバ42と照射用光ファイバ41との間の距離は、照射用光ファイバ41から出射された測定光が、所定の光路長を経て受光用光ファイバ42に受光されるような距離に設定されている。本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1の場合には、グルコースを多く含む真皮領域にまで測定光が進達するように、約0.4〜0.8mmの距離をあけて配置されている。これにより、受光用光ファイバ42により受光される信号光は、生体A組織内を真皮の深さまで進達した光を多く含んでいるようになる。受光用光ファイバ42は、束ねられることによりファイババンドルを形成し、コネクタ43により装置本体31内部に戻されるようになっている。
光検出部5は、参照光検出器(光検出手段)44と、信号光検出器(光検出手段)45と、信号光検出器45の検出信号及び参照光検出器44の検出信号をそれぞれ増幅するアンプ46と、該アンプ46により増幅された検出信号から特定の周波数の信号のみを抽出するロックイン検波器47とを備えている。
参照光検出器44は、光分岐部33において分岐された一方の光を導く光ファイバ36の端面に対向配置されており、該光ファイバ36を伝送してきた参照光を検出して検出信号を出力するようになっている。また、他方の信号光検出器45は、前記ファイババンドル42の端面に対向して配置されており、光ファイバ42により受光され伝播されてきた反射光及び透過光を検出して検出信号を出力するようになっている。
上記参照光検出器44及び信号光検出器45は、例えば、光起電力効果を利用して、入射光の光強度に応じた電流を流すことにより光検出を行うものであり、また、該電流値(光強度)に応じたショットノイズを生じさせるという特性を有している。具体的には、PbSセンサ、あるいは、InGaAsセンサ等である。
ロックイン検波器47は、図4に示されるように、アンプ46から出力された検出信号(第1の検出信号)Sをそのまま出力するバッファ51と、該検出信号Sの位相を180度ずらした検出信号(第2の検出信号)Sを出力する移相器(位相変更手段)52と、移相器52からの検出信号Sをそのまま出力するバッファ53と、バッファ51及びバッファ53の出力側に設置され、バッファ51からの検出信号Sとバッファ53からの検出信号Sのうち、発振器27から供給されるチョッピング信号がオフの期間に相当する信号を交互に選択する選択器(選択手段)54と、選択器54からの信号からリップルを取り除き、A/D変換器48へ出力するローパスフィルタ55とを備える。
前記演算部6は、上記ロックイン検波器47から出力された電気信号をディジタル信号に変換するA/D変換器48と、該A/D変換器48から出力されたディジタル信号に基づいてグルコース濃度を算出するコンピュータ49とを備えている。
コンピュータ49では、ロックイン検波器47の出力信号をA/D変換した信号と、前記フィルタ制御部26へ供給した周波数可変信号とに基づいて、グルコース濃度の演算処理が行われる。たとえば、上記グルコース濃度の演算処理は、A/D変換器48から得られた複数の出力信号、並びに周波数可変信号に基づいて、出力信号のスペクトル分布を得、このスペクトル分布から特定の波長領域、例えば、波長1600nm近傍の領域における吸光度を求め、この吸光度に基づいて、グルコース濃度を演算する。
なお、コンピュータ49には、ディスプレイ(図示略)が備えられており、コンピュータ39において演算されたグルコース濃度値が表示されるようになっている。
このように構成された本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1を用いて生体A内の体液のグルコース濃度を測定するには、測定プローブ40の先端面40aを生体A、例えば、指先の表面に密着させる。なお、測定部位は、指先の他、掌、前腕等でもよい。
この状態で、光源2を作動させ、光源2から発せられた光を光ファイバ29に入射させる。光ファイバ29によって伝播された光はAOTF25に入射される。
AOTF25へは、発振器27から発せられたチョッピング信号のオン期間にのみ制御信号が供給される。また、この制御信号は、所定の速さで周波数が順次異なる高周波信号であるので、AOTF25は、この制御信号が供給されている期間において、この制御信号の周波数に対応する特定波長の光を順次分光し、測定光として出射する。
この結果、AOTF25からは、波長が順次異なる測定光が、チョッピング信号の周期に応じて、断続的に出射されることとなる。
AOTF25から出射された測定光は、光ファイバ30を介して光分岐部33においてその一部を参照光として分岐される。
分岐された参照光は、参照用光ファイバ36の端面に対向配置されている参照光検出器44によりそのまま検出されることになる。ここで、参照光検出器44に入力される光は、所定のチョッピング周波数でチョッピングされた測定光であるため、光強度が高い期間と、光強度が低い期間とがチョッピング周期に同期して繰り返し訪れることとなる。これにより、参照光検出器44から出力される検出信号は、チョッピング周期に同期した正弦波状または方形波状の信号となる。さらに、上述したように、参照光検出器44は、光強度が高いほど、ショットノイズというノイズ成分が生ずる。従って、光強度が高い部分においては、ショットノイズが多く重畳された検出信号が出力されることとなる。
一方、参照光を分離された残りの測定光は、光分岐部33内の集光レンズ37(図2参照)によって、光ファイバ32内に入射されて、コネクタ29により接続されている測定プローブ40の照射用光ファイバ41に入射させられる。コネクタ39においては、同径のコアを有する光ファイバ32、41どうしの端面が突き当てられた状態に接続されているので、伝達されてきた測定光が外部に漏れることなく測定プローブ40の先端面40aから出射されることになる。
生体A内に入射された測定光は、生体A内を進行する間に、生体A組織に衝突して拡散される。測定光は、通過する生体A組織や体液の成分に応じて、特定の波長領域の光を吸収される。したがって、生体A内で拡散されることにより生体Aの表面に戻って生体A外に出射された信号光は、通過した生体A組織や体液に応じた特定の波長領域の光量が低下していることになる。
受光用光ファイバ42は、上述したように照射用光ファイバ41との間の距離を一定に固定されているので、その距離に応じた深さまで進達した光を多く含む信号光を受光する。本実施形態の場合には、測定光は真皮領域まで進達した後に、信号光として受光用光ファイバ42に受光されるので、受光される信号光はグルコースの情報を多く含んでいることになる。
受光された信号光は、受光用光ファイバ42を介して装置本体31内に戻され、受光用光ファイバ42の端面に対向配置されている信号光検出器45により検出され、出力される。ここで、当該信号光は、発振器27によってチョッピングされた測定光を生体Aに照射して得られた光である。したがって、信号光検出器45の検出信号についても、基本的には、ショットノイズがチョッピング周期に応じて、繰り返し現れる信号となる。
信号光検出器45の検出信号及び参照光検出器44の検出信号は、アンプ46によってそれぞれ増幅され、ロックイン検波器47にそれぞれ入力される。
ここで、上述したように、アンプ46から入力される検出信号Sは、信号光検出器45または参照光検出器44の特性により、光強度が高いほどショットノイズ成分が多く含まれている。本実施形態においては、両光検出器44、45の出力は反転されてアンプ46へ入力される構成となっているため、図4に示されるように、波形が下へ行くほど光強度が高く、ショットノイズが多く含まれることとなる。また、ショットノイズが多く含まれている期間(図4における期間aと期間c)は、光強度が強い期間に当たるため、AOTF25から光が出射された期間、つまりチョッピング信号のオン期間に該当し、ノイズが少ない期間(図4における期間bと期間d)は、光強度が弱い期間に当たるため、AOTF25から光が出射されていない期間、つまりチョッピング信号のオフ期間に該当する。
このような検出信号Sは、ロックイン検波器47内のバッファ51及び移相器52に同時に入力される。バッファ51に入力された検出信号Sは、そのままの位相で選択器54へ入力される。一方、移相器52に入力された検出信号Sは、位相が180度遅延されて、検出信号Sとして、バッファ53を通過して選択器54へ入力される。
選択器54は、発振器27から供給されるチョッピング信号の半周期毎に、検出信号S及び検出信号Sの内、チョッピング信号のオフ期間に対応する信号を交互に選択する。これにより、常に、ショットノイズが含まれていないS/N比の高い信号を常に選択し、出力することが可能となる。したがって、このS/N比の高い検出信号に基づいてコンピュータ49がグルコースの濃度測定を行うことにより、測定精度を向上させることができる。
選択器54から出力されたS/N比の高い検出信号は、ローパスフィルタ55によりリップル成分が取り除かれ、出力される。
そして、ロックイン検波器47からの出力信号は、それぞれA/D変換器48によってディジタル信号に変換させられてコンピュータ49に入力される。
コンピュータ49では、まず、信号光のディジタル検出信号から参照光のディジタル検出信号を差し引く処理が行われ、AOTF25から発せられる測定光の強度変動による信号光強度の変動が除去される。
続いて、フィルタ制御部26へ供給した周波数可変信号に基づいて、生体Aに入射させた測定光の波長情報を得、この波長情報を変動除去後の信号光のディジタル検出信号と照らし合わせることにより、波長特性を求める。
続いて、求めた波長特性の内、所定の波長領域、例えば、波長1600nm近傍の領域における吸光度を求めることにより、最終的に、生体A内部のグルコース濃度が求められる。そして、演算されたグルコース濃度値がディスプレイに表示される。
以上説明したように、本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1によれば、所定の周波数でチョッピングされた光が入力され、その光に応じた正弦波状の電気信号を検出信号Sとして出力する参照光検出器44及び信号光検出器45と、その検出信号Sが入力され、検出信号Sの位相を180度ずらした検出信号Sを出力する移相器52と、検出信号S及び検出信号Sのうち、発振器27のチョッピング信号のオフ期間に対応する信号をチョッピング信号に基づいて(本実施形態においては、チョッピング信号の半周期毎に)、交互に選択する選択器54とを備えるので、ショットノイズが含まれていないS/N比の高い信号を常に選択することができるという効果を奏する。
更に、このようなS/N比の高い検出信号に基づいて、グルコース濃度の測定を行うことにより、グルコース濃度測定の精度を向上させることができるという効果を奏する。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
第1に、分光器3として、AOTF25を採用したが、これに代えて、グレーティングとスキャンミラーとを組み合わせたもの等を採用してもよい。この場合、光検出器としてはリニアアレイセンサを採用することが好ましい。
第2に、光分岐部33として、コリメートレンズ、集光レンズ及びビームスプリッタを組み合わせたものを例示して説明したが、これに代えて、ファイバカプラ(図示略)により分岐する構造のものにしてもよい。
第3に、信号光検出器45及び参照光検出器44からの検出信号をそれぞれ別個のアンプ36で増幅し、別個のロックイン検波器47及びA/D変換器48を介してコンピュータ49に入力し、該コンピュータ49において差分処理を行うこととしたが、これに代えて、差動アンプに入力することにより、得られた差分信号を単一のロックイン検波器47及びA/D変換器48を介してコンピュータ49に入力することにしてもよい。
この発明の一実施形態に係るグルコース濃度測定装置の全体構成を示す概略図である。 図1のグルコース濃度測定装置の光分岐部を説明する概略図である。 図1のグルコース濃度測定装置の測定プローブ先端面を示す図である。 図1のグルコース濃度測定装置のロックイン検波器を説明する概略図である。
符号の説明
A 生体
1 グルコース濃度測定装置
5 光検出部
25 AOTF(音響光学可変波長フィルタ)
26 フィルタ制御部
27 発振器
28 乗算器
44 参照用光検出器
45 測定用光検出器
47 ロックイン検波器
51、53 バッファ
52 移相器

Claims (3)

  1. 所定の周波数でチョッピングされた光が入力され、該光に応じた正弦波状の電気信号を第1の検出信号として出力する光検出手段と、
    該第1の検出信号が入力され、該第1の検出信号の位相を180度ずらした第2の検出信号を出力する位相変換手段と、
    該第1の検出信号及び該第2の検出信号のうち、該チョッピング周期のオフ期間に対応する信号を前記チョッピング周期に基づいて交互に選択する選択手段と
    を具備する光検出装置。
  2. 生体に所定の周波数でチョッピングした測定光を照射する光照射手段と、
    該生体からの戻り光が入力される請求項1に記載の光検出装置と、
    該光検出装置の光検出結果に基づいて該生体内のグルコース濃度を測定する演算手段と
    を備えるグルコース濃度測定装置。
  3. 所定の周波数でチョッピングされた光が入力され、該光に応じた正弦波状の電気信号を第1の検出信号として出力する過程と、
    該第1の検出信号が入力され、該第1の検出信号の位相を180度ずらした第2の検出信号を生成する過程と、
    該第1の検出信号及び該第2の検出信号のうち、該チョッピング周期のオフ期間に対応する信号を前記チョッピング周期に基づいて交互に選択する過程と
    を具備する光検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009136326A (ja) * 2007-12-03 2009-06-25 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 成分濃度測定装置及び成分濃度測定装置制御方法

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JP2009136326A (ja) * 2007-12-03 2009-06-25 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 成分濃度測定装置及び成分濃度測定装置制御方法

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