JP2005294701A - 固体撮像素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の固体撮像素子は、受光面側にトレンチ7を有する基板1と、第1絶縁膜10を介してトレンチ7を埋めるように形成されたゲート電極12と、トレンチ7の側面に隣接して形成された垂直転送部4と、垂直転送部4と電気的に分離されて形成された光電変換部13と、光電変換部13に電気的に接続されて光電変換部13の下方に形成され、かつ、トレンチ7及び垂直転送部4の下方に延びる埋め込みキャリア蓄積層3と、垂直転送部4と埋め込みキャリア蓄積層3の間であって、トレンチ7に隣接して形成されたチャネル領域9とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明の固体撮像素子は、受光面側にトレンチを有する基板と、第1絶縁膜を介してトレンチを埋めるように形成されたゲート電極と、トレンチの側面に隣接して形成された垂直転送部と、垂直転送部と電気的に分離されて形成された光電変換部と、光電変換部に電気的に接続されて光電変換部の下方に形成され、かつ、トレンチ及び垂直転送部の下方に延びる埋め込みキャリア蓄積層と、垂直転送部と埋め込みキャリア蓄積層の間であって、トレンチに隣接して形成されたチャネル領域とを備える。
基板には、シリコンなどの半導体基板などを用いることができる。基板は、n型又はp型である。また、基板は、n型又はp型のウェルを備えてもよい。基板がウェルを備える場合は、トレンチ、垂直転送部、光電変換部、埋め込みキャリア蓄積層及びチャネル領域は、好ましくは、ウェル内に形成される。
基板の受光面側にトレンチが形成される。トレンチは、好ましくは、細長い溝状である。トレンチは、好ましくは、その幅が、50〜500nmである。500nm以上であれば単位セルあたりの表面積が増大しセルサイズ縮小が困難になるからであり、50nm以下であればトレンチのアスペクト比が大きくなりポリシリコンの埋め込み性が悪くなるからである。トレンチは、好ましくは、その深さが、1000nm〜3000nmである。3000nm以上であればポリシリコンの埋め込み性が悪くなるからであり、1000nm以下であれば垂直転送部容量が低下するからである。トレンチは、好ましくは、底部の深さが埋め込みキャリア蓄積層よりも10〜500nm浅くなるように形成する。500nm以上であれば読み出し時の電圧が設定より高くなるからであり、10nm以下であればキャリア蓄積層がゲート電圧の影響を受けポテンシャル溜まりができてしまうからである。トレンチは、例えば、(a)基板上にフォトレジストからなるマスク層を形成し、(b)このマスク層を用いて、基板を、好ましくは異方性の、ドライエッチングすることにより形成することができる。
トレンチ内に第1絶縁膜(ゲート絶縁膜)が形成される。第1絶縁膜は、酸化膜若しくは窒化膜又はこれらの積層膜などからなる。酸化膜又は窒化膜は、例えば、それぞれ酸化シリコン膜又は窒化シリコン膜からなる。第1絶縁膜は、好ましくは、その厚さが5〜60nmである。60nm以上であれば読み出し電圧、転送電圧が設定より高くなるからであり、5nm以下であれば絶縁膜の耐圧低下やリーク電流の増加を招くからである。第1絶縁膜は、例えば、基板を熱酸化することにより形成することができる。
ゲート電極は、第1絶縁膜を介してトレンチを埋めるように形成される。ゲート電極は、読み出し・転送電極として働く。ゲート電極は、好ましくは、ポリシリコンからなる。ゲート電極は、好ましくは、その上面が基板表面と実質的に同一平面である。この場合、基板上の凹凸を小さくすることができ、斜め方向からの光を効果的に受けることができ、その結果、固体撮像素子の感度を向上させることができる。また、この場合、後工程で通常形成されるマイクロレンズと、光電変換部との距離を小さくすることができるので、この点からも固体撮像素子の感度を向上させることができる。
垂直転送部は、トレンチの側面に隣接して形成される。垂直転送部は、トレンチの側面に接触して形成されることが好ましいが、ゲート電極からの電界の効果が及ぶ範囲であれば、トレンチの側面に対して所定の間隔を有して形成されてもよい。垂直転送部は、トレンチ内に形成されたゲート電極によって、制御される。従って、垂直転送部を深く形成し、垂直転送部の側面から電界を加えることにより、キャリアの垂直転送を行うことができる。この場合、基板表面での垂直転送部の面積を大きくする必要がなく、基板表面での垂直転送部の面積を縮小することができる。具体的には、垂直転送部は、好ましくは、基板表面からの深さが1000〜2500nmである。2500nm以上であれば埋め込みキャリア蓄積層との距離が近くなり、垂直転送部と埋め込みキャリア蓄積層間の耐圧が低下するからであり、1000nm以下であれば垂直転送部の容量が不足するからである。
光電変換部は、垂直転送部と電気的に分離されて形成される。光電変換部は、基板の導電型(基板がウェルを備える場合は、ウェルの導電型)と異なる導電型の不純物を、例えば、イオン注入して形成することができる。
埋め込みキャリア蓄積層は、光電変換部に電気的に接続されて光電変換部の下方に形成され、かつ、トレンチ及び垂直転送部の下方に延びる。埋め込みキャリア蓄積層は、基板の導電型(埋め込みキャリア蓄積層がウェル内に形成される場合は、ウェルの導電型)と異なる導電型の不純物を、例えば、イオン注入して形成することができる。イオン注入のエネルギーは、好ましくは、注入イオン種が砒素の場合は500k〜4MeVである。4MeV以上であればトレンチを深くする必要がありその埋め込み性が悪化するからであり、500keV以下であればトレンチ深さが浅くなって垂直転送部の容量が不足するからである。埋め込みキャリア蓄積層は、好ましくは、その不純物濃度のピーク深さが、1000nm〜4000nmとなるように形成する。4000nm以上であれば、トレンチ深さが深くなり埋め込み性が悪化するからであり、1000nm以下であれば、トレンチ深さが浅くなって垂直転送部の容量が不足するからである。また、このピーク深さと、トレンチの底部との距離は、好ましくは、10〜500nmである。500nm以上であれば、読み出し時の電圧が設定より高くなるからであり、10nm以下であれば、キャリア蓄積層がゲート電圧の影響を受けポテンシャル溜まりができてしまうからである。また、埋め込みキャリア蓄積層は、好ましくは、その厚さが100〜500nmである。500nm以上であれば、シングル注入による形成が困難になるからであり、100nm以下であれば、フォトダイオード容量が設定よりも小さくなるからである。埋め込みキャリア蓄積層は、光電変換部と同じ導電型であり、基板又はウェルとフォトダイオードを構成する。従って、埋め込みキャリア蓄積層を形成することにより、固体撮像素子全体のフォトダイオード容量が大きくなり、飽和特性が改善する。また、埋め込みキャリア蓄積層を形成した後に、埋め込みキャリア蓄積層を貫通し、かつ、隣接する2つの固体撮像素子を電気的に分離する画素分離領域を形成してもよい。
チャネル領域は、垂直転送部と埋め込みキャリア蓄積層の間であって、トレンチに隣接して形成される。チャネル領域は、垂直転送部及び埋め込みキャリア蓄積層と異なる導電型である。基板又はウェルをそのままチャネル領域と用いてもよく、また、新たにイオン注入を行うことにより、チャネル領域を形成してもよい。チャネル領域は、好ましくは、傾斜角度5〜20度の傾斜回転注入により、形成される。20度以上であればトレンチ底部のチャネル領域形成ができないからであり、5度以下であればトレンチの側壁のチャネル領域形成ができないからである。これにより、トレンチの底部及び側壁にチャネル領域が形成される。また、イオン注入のドーズ量を調節することにより、垂直転送部と埋め込みキャリア蓄積層とを電気的に接続するときのしきい値電圧を調節することができる。 チャネル領域は、通常、ゲート電極に電圧が印加されていないときは、垂直転送部と埋め込みキャリア蓄積層を絶縁し、ゲート電極に電圧が印加されたときに、両者を電気的に接続する。
本発明の固体撮像素子は、基板上に、第2絶縁膜を介して、垂直転送部を覆う遮光膜をさらに備えてもよい。この場合、垂直転送部での光電変換を防ぎ、ノイズを減少させることができるからである。第2絶縁膜は、例えば、酸化シリコン膜若しくは窒化シリコン膜、又はこれらの組合せなどからなる。第2絶縁膜は、好ましくは、その厚さが50〜200nmである。遮光膜は、好ましくは、タングステンまたは窒化チタンからなる。遮光膜は、好ましくは、その厚さが10〜100nmである。第2絶縁膜及び遮光膜は、CVD法などで形成することができる。
本発明の固体撮像素子の製造方法は、(1)基板内部の所定の深さの位置に埋め込みキャリア蓄積層を形成し、(2)基板の受光面側であって、埋め込みキャリア蓄積層よりも浅い位置に垂直転送部を形成し、(3)垂直転送部に隣接し、底部の深さが埋め込みキャリア蓄積層よりも浅くなるようにトレンチを形成し、(4)垂直転送部と埋め込みキャリア蓄積層の間であって、トレンチに隣接するチャネル領域を形成し、(5)第1絶縁膜を介してトレンチを埋めるゲート電極を形成し、(6)垂直転送部と電気的に分離され、かつ、埋め込みキャリア蓄積層に電気的に接続されるように光電変換部を形成する工程を備える。
図1はこの発明の実施例1の固体撮像素子の構造を示す断面図であり、図2はその製造工程を示す断面図である。ただし図1、2ではポリシリコン電極形成以降に形成する層間絶縁膜、カラーフィルタおよびマイクロレンズは示されていない。
本実施例の固体撮像素子の製造方法を図2を用いて説明する。
2、52 ウェル
3 埋め込みキャリア蓄積層
4、54 垂直転送部
5、55 画素分離領域
6 マスク
7 トレンチ
9 チャネル領域
10 第1絶縁膜
11 ゲート電極用導電層
12、62 ゲート電極
13、63 光電変換部
14、64 表面層
15 第2絶縁膜
16、66 遮光膜
60 ゲート絶縁膜
65 シリコン酸化膜
Claims (15)
- 受光面側にトレンチを有する基板と、
第1絶縁膜を介してトレンチを埋めるように形成されたゲート電極と、
トレンチの側面に隣接して形成された垂直転送部と、
垂直転送部と電気的に分離されて形成された光電変換部と、
光電変換部に電気的に接続されて光電変換部の下方に形成され、かつ、トレンチ及び垂直転送部の下方に延びる埋め込みキャリア蓄積層と、
垂直転送部と埋め込みキャリア蓄積層の間であって、トレンチに隣接して形成されたチャネル領域と、
を備える固体撮像素子。 - 基板は、ウェルをさらに備え、
トレンチ、垂直転送部、光電変換部、埋め込みキャリア蓄積層及びチャネル領域は、ウェル内に形成される請求項1に記載の素子。 - ゲート電極は、その上面が基板表面と実質的に同一平面である請求項1に記載の素子。
- 光電変換部は、トレンチを挟んで垂直転送部に対向するように形成される請求項1に記載の素子。
- 光電変換部は、光電変換部の導電型とは異なる導電型のバリア層を挟んでトレンチに対向するように形成される請求項4に記載の素子。
- 光電変換部は、その受光面側に表面層を備える請求項1に記載の素子。
- 基板上に、第2絶縁膜を介して、垂直転送部を覆う遮光膜をさらに備える請求項1に記載の素子。
- (1)基板内部の所定の深さの位置に埋め込みキャリア蓄積層を形成し、(2)基板の受光面側であって、埋め込みキャリア蓄積層よりも浅い位置に垂直転送部を形成し、(3)垂直転送部に隣接し、底部の深さが埋め込みキャリア蓄積層よりも浅くなるようにトレンチを形成し、(4)垂直転送部と埋め込みキャリア蓄積層の間であって、トレンチに隣接するチャネル領域を形成し、(5)第1絶縁膜を介してトレンチを埋めるゲート電極を形成し、(6)垂直転送部と電気的に分離され、かつ、埋め込みキャリア蓄積層に電気的に接続されるように光電変換部を形成する工程を備える固体撮像素子の製造方法。
- 工程(1)の前に、基板にウェルを形成する工程をさらに備え、
工程(1)は、基板のウェル内の所定の深さの位置に埋め込みキャリア蓄積層を形成する工程である請求項8に記載の方法。 - ゲート電極は、(a)第1絶縁膜を介してトレンチを埋め、かつ、基板を覆うようにゲート電極用導電層を形成し、(b)ゲート電極用導電層を平坦化することにより、ゲート電極用導電層であって基板を覆う部分を除去して形成される請求項8に記載の方法。
- 光電変換部は、トレンチを挟んで垂直転送部に対向するように形成される請求項8に記載の方法。
- 光電変換部は、光電変換部の導電型とは異なる導電型のバリア層を挟んでトレンチに対向するように形成される請求項8に記載の方法。
- 光電変換部の受光面側に表面層を形成する工程をさらに備える請求項8に記載の方法。
- チャネル領域は、傾斜角度5度以上の傾斜回転注入により、形成される請求項8又は13に記載の方法。
- 基板上に、第2絶縁膜を介して、垂直転送部を覆う遮光膜を形成する工程さらに備える請求項8に記載の方法。
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