JP2005293954A - スパークプラグ - Google Patents
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Abstract
【課題】 接地電極の強度を低下させること無く、コストを低減し、且つ、生産性を向上しつつ、接地電極に形成される亜鉛めっき層が剥離するのを防止することができるスパークプラグの製造方法を提供することにある。
【解決手段】主体金具1に接地電極4の一端42が結合された金具組立体200を用意し、金具組立体200の表面全体に亜鉛を主成分とする亜鉛めっき層141を形成し、亜鉛めっき層141が形成された接地電極4を、少なくとも他端部側部位M1が700℃以上1000℃未満の温度となるように加熱することで、亜鉛めっき層141の一部を接地電極4の表面と合金化し、残部を蒸発させて除去する。
【選択図】 図3
【解決手段】主体金具1に接地電極4の一端42が結合された金具組立体200を用意し、金具組立体200の表面全体に亜鉛を主成分とする亜鉛めっき層141を形成し、亜鉛めっき層141が形成された接地電極4を、少なくとも他端部側部位M1が700℃以上1000℃未満の温度となるように加熱することで、亜鉛めっき層141の一部を接地電極4の表面と合金化し、残部を蒸発させて除去する。
【選択図】 図3
Description
本発明は内燃機関の着火用に使用されるスパークプラグに関する。
自動車エンジン等の内燃機関の着火用に使用されるスパークプラグとして、軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、該絶縁体の軸孔の先端側に配設される中心電極と、前記絶縁体の周囲を取り囲む主体金具と、前記中心電極と放電ギャップを隔てて対向する接地電極とを備えるスパークプラグが知られている。そして、主体金具の外周面に形成された取付ねじ部により、内燃機関等に取り付けられ使用される。
ところで、このスパークプラグの主体金具の表面には、防食のために亜鉛めっきが施されることが多い。この主体金具に亜鉛めっきを施す方法として、通常、主体金具に接地電極が結合された状態(以下、金具組立体ともいう)で、いわゆるバレルめっき処理(以下、めっき処理とも言う。)を行うことが、生産性等を考慮すると有効であった。
ところが、上記方法にてめっき処理を行うと、接地電極の表面に形成された亜鉛めっき層が、めっき処理後に行われるギャップ形成のための接地電極の曲げ加工により剥離することがある。また、ギャップ形成時に亜鉛めっきが剥離しない場合であっても、エンジン使用中に接地電極に熱応力が発生し、亜鉛めっき層が接地電極表面から剥離することがある。すると、剥離した亜鉛めっきが接地電極と中心電極との間に付着することがあり、その結果、スパークプラグが短絡、失火が発生することがある。特に、接地電極が、高温に耐えることができるIr、Pt、Rhのいずれか1つを主成分とする合金、またはそれ単体から構成された材料を用いて形成されることがあるが、このような金属にて構成される接地電極は、亜鉛めっきとの密着性が特に悪く、接地電極表面から亜鉛めっき層が剥離しやすい。
そこで、接地電極に樹脂チューブ等のマスクを被せ、接地電極をマスキングした状態で金具組立体にめっき処理を行うことで、主体金具のみに亜鉛めっき層を形成する方法が知られている。また、金具組立体にめっき処理を行い、金具組立体全体に亜鉛めっき層を形成した後、接地電極のみを研削することにより接地電極の表面の亜鉛めっき層を除去する方法(例えば、特許文献1参照)が知られている。さらには、金具組立体にめっき処理を行い、金具組立体全体に亜鉛めっき層を形成した後、接地電極のみをめっき剥離液に浸漬することで、接地電極の亜鉛めっき層を化学的に剥離する方法(例えば、特許文献2参照)が知られている。
特開2003−123937
特開2001−68250
しかしながら、接地電極に樹脂チューブ等のマスクを被せる方法では、めっき処理前にマスクを接地電極に被せたり、そのマスクをめっき処理後に除去する工程が必要となり、且つ、コストが高くなるという問題が起こる。また、特許文献1のような方法では、亜鉛めっき層だけでなく接地電極をも研削する可能性があり、接地電極の曲げ加工の際に接地電極の切削痕を起点にした疲労破壊が生ずる等の接地電極の強度を低下させる虞がある。さらに、特許文献2のような方法では、亜鉛めっきとめっき剥離液との化学反応の際に発生するミストが主体金具の接地電極付近に付着し、主体金具の亜鉛めっき層をも剥離する虞がある。これにより、主体金具の防食性が低減してしまう虞があるため、主体金具の近辺まで接地電極の亜鉛めっき層を剥離する事が困難であった。
本発明の課題は、接地電極の強度を低下させること無く、コストを低減し、且つ、生産性を向上しつつ、接地電極に形成される亜鉛めっき層が剥離するのを防止することができるスパークプラグの製造方法を提供することにある。
本発明のスパークプラグは、軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、該絶縁体の軸孔の先端側に配設される中心電極と、前記絶縁体の周囲を取り囲む主体金具と、前記中心電極と放電ギャップを隔てて対向する、Ir、Pt、Rhのいずれか1つを主成分とする接地電極と、を備えるスパークプラグの製造方法において、
前記主体金具に前記接地電極の一端が結合された金具組立体を用意し、該金具組立体の表面全体に亜鉛を主成分とする亜鉛めっき層を形成するめっき形成工程と、該亜鉛めっき層が形成された前記接地電極を、少なくとも該接地電極の他端部側部位が700℃以上1000℃未満の温度となるように加熱する加熱工程と、を含むことを特徴とする。
前記主体金具に前記接地電極の一端が結合された金具組立体を用意し、該金具組立体の表面全体に亜鉛を主成分とする亜鉛めっき層を形成するめっき形成工程と、該亜鉛めっき層が形成された前記接地電極を、少なくとも該接地電極の他端部側部位が700℃以上1000℃未満の温度となるように加熱する加熱工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法は、亜鉛めっき層が形成された接地電極を加熱する。これにより、亜鉛めっき層の一部が接地電極の表面と合金化し、残部が酸化または蒸発することで、亜鉛めっき層の接地電極からの剥離を防止することができる。よって、接地電極を研削する必要が無く、接地電極の強度が低下することがない。また、めっき剥離液を使用する必要が無くなり、主体金具の近辺まで接地電極のめっきを剥離しても、主体金具の防食性を保つことができる。
そして、亜鉛めっき層が形成された接地電極の他端部部位の温度が700℃以上1000℃未満となるように加熱する。加熱温度が700℃未満では、亜鉛めっき層の一部が充分に酸化又は蒸発することが難しく、亜鉛めっき層を除去することが難しい。一方、加熱温度が1000℃以上では、接地電極の再結晶やひずみ等が発生する場合が多く、接地電極の強度が低下する。なお、少なくとも該接地電極の他端部部位が700℃以上1000℃未満の温度となるように加熱すればよく、接地電極全体が上記温度になっても良いし、接地電極の他端部側部位のみが上記温度になっても良い。また、本発明において、主成分とは、含有している成分のうち、最も多く含有されている成分のことをいう。
さらに、接地電極の他端部部位は、軸線と接地電極の重心を含む断面で切断したときの、中心電極の先端面の接地電極側縁と接地電極と主体金具との接合面の中心電極側縁との最短距離Hとし、接地電極側縁を起点に最短距離Hの90%以下の領域に位置する接地電極の部位のことをいう。発明者等の検討によると、上記領域に位置する接地電極の部位(他端部側部位)の亜鉛めっき層が剥離すると、中心電極と接地電極との間に付着しやすい。そこで、少なくとも他端部側部位を加熱することで、亜鉛めっき層の一部を合金化し、残部を酸化または蒸発させることができ、有効に亜鉛めっきの剥離を防止することができる。
また、本発明のスパークプラグの製造方法は、加熱工程において、接地電極にレーザを照射することにより、亜鉛めっき層が形成された接地電極を加熱することが良い。加熱手段としてレーザを使用することで、主体金具を加熱することなく、容易に接地電極のみを加熱することができ、亜鉛めっき層の一部が接地電極の表面と合金化し、残部が酸化または蒸発することで、亜鉛めっき層を除去することができる。よって、亜鉛めっき層の接地電極からの剥離を防止することができる。なお、レーザは、パルスレーザであっても良いし、CWレーザでもあってもよい。
さらに、大気よりも低酸素雰囲気下で接地電極にレーザを照射することが良い。このように、大気よりも低酸素雰囲気下で加熱工程を行うことで、亜鉛めっき層が酸化することを抑制し、亜鉛めっき層の一部を合金化させ、亜鉛めっき層の残部はほとんど蒸発させて除去することができる。よって、亜鉛めっき層の接地電極からの剥離を十分に防止することができる。
ところで、スパークプラグの中には、接地電極の一端部(主体金具との接合部)から他端部に向かうほど中心電極に常に近づく形態のものがある。これは、主体金具の先端面に棒状の接地電極を軸線に向かって軸線方向と交わるように接合することで、金具組立体を形成する。このような形態の金具組立体のうち、接地電極の他端部の中心電極側内周面と接地電極の他端面との端縁と、主体金具の先端面との軸線方向の距離が2mm以下の金具組立体は、上記のような最短距離Hの90%の領域に含まれる接地電極の部位が平行電極型スパークプラグに比べて主体金具の先端側により近づくこととなる。すると、従来のように接地電極を研削する方法や、めっき剥離液に浸す方法がより困難となる。ところが、本発明の製造方法を用い、接地電極を加熱することで、上記問題が生じることが無く、容易に接地電極の亜鉛めっき層の剥離を防止することができる。
また、本発明のスパークプラグの製造方法は、加熱除去工程後、除去された接地電極の他端部に貴金属からなる電極チップを接合する接合工程を含むことがよい。接地電極の他端部には耐久性向上の為に、貴金属からなる電極チップが溶接等により接合されることがある。この場合、接地電極の他端部に形成されている亜鉛めっき層を除去することで、容易に貴金属チップを接合することができる。
以下、本発明のいくつかの実施の形態を図面を用いて説明する。図1に示す本発明の実施形態1の抵抗体入りスパークプラグ100は、筒状の主体金具1、先端部が突出するようにその主体金具1に嵌め込まれた絶縁体2、先端側に接合された第1貴金属チップ31を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電極3、第1貴金属チップ31(中心電極3)の先端面に対向するように第2の貴金属チップ41を接合した接地電極4等を備えている。そして、これら第1貴金属チップ31と第2貴金属チップ41との間が放電ギャップgとなっている。
主体金具1は炭素鋼等で形成され、図1に示すように、その外周面には、スパークプラグ100を図示しないエンジンブロックに取付けるためのねじ部12が形成されている。また、ねじ部12の後端側には、フランジ状の鍔部1fを備える。さらに、フランジ部1fの後端側には、主体金具1を取り付ける際にスパナやレンチ等の工具を係合させる六角状の軸断面形状を有する工具係合部1eを備え、その後端側には、主体金具1を後述する絶縁体2に対して固定するかしめ部1dを有している。
主体金具11の表面全体には防食のための亜鉛めっき層141が形成され、更にその外面にはクロメート層142が形成されている。亜鉛めっき層141は、めっき処理により形成される。また、亜鉛めっき層の膜厚は3μm〜10μmである。一方、クロメート層142は、更なる防食の効果を上昇させるために形成され、含有される95wt%が三価クロムである。また、クロメート層142の膜厚は、0.2μm〜0.5μmである。
絶縁体2は、例えばアルミナあるいは窒化アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、その内部には自身の軸方向に沿って中心電極3を嵌め込むための貫通孔6を有している。貫通孔6の一方の端部側に端子金具13が挿入・固定され、同じく他方の端部側に中心電極3が挿入・固定されている。また、該貫通孔6内において端子金具13と中心電極3との間に抵抗体15が配置されている。この抵抗体15の両端部には、導電性ガラスシール層16、17を有し、導電性ガラスシール層16、17を介して中心電極3と端子金具13とにそれぞれ電気的に接続されている。
中心電極3は、電極母材3aが表面に形成され、内部に金属芯3bが挿入されている。そして、中心電極3の電極母材3aは、INCONEL600(INCO社の登録商標)等のNi合金である。一方、金属芯3bは、Cu、Ag等を主成分とする合金からなる。そして、中心電極3の電極母材3aは先端側が縮径されるとともにその先端面が平坦に構成され、ここに円板状の貴金属チップを重ね合わせ、さらにその接合面外縁部に沿ってレーザ溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等により溶接部を形成してこれを固着することにより第1貴金属チップ31が形成される。上記第1貴金属チップ31は、Pt、Ir及びWを主成分とする金属にて構成される。具体的には、Pt−20wt%Ir、Pr−20wt%Rh、Pt−20wt%Ir−5wt%Rh等のPt合金や、Ir−5wt%Pt、Ir−20wt%Rh等のIr合金が挙げられる。
接地電極4は、INCONEL600等のNi合金や、Ir、Pt、Rhのいずれかを主成分とする貴金属等で形成されている。そして、接地電極4は、一端部42が、主体金具1の先端面に対して溶接等により固着・一体化されている。また、接地電極4の他端部43には、第2貴金属チップ41が備えられている。この第2貴金属チップ41は、円柱状の貴金属チップを接地電極4の所定位置に設け、レーザ溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等により固着することにより第2貴金属チップ41が形成される。上記第2貴金属チップ41は、Pt、Ir及びWを主成分とする金属にて構成される。具体的には、Pt−20wt%Ni、Pr−20wt%Rh、Pt−20wt%Ir−5wt%Rh等のPt合金や、Ir−5wt%Pt、Ir−20wt%Rh等のIr合金が挙げられる。そして、第2貴金属チップ41の対向面41aは、中心電極先端面(具体的には第1貴金属チップ31の先端面31a)に対向している。
そして、接地電極4の他端部43の表面には、1μm〜2μmの膜厚の合金層143が形成されている。なお、実施形態1では、合金層143が形成されている接地電極4の他端部43は、軸線Oと接地電極4の重心を含む断面で切断したとき(図2参照)に、中心電極3の先端面(本発明の場合、貴金属チップ31の先端面311)の接地電極側縁311aと接地電極4と主体金具1との接合面11の中心電極側縁111との最短距離H1とし、接地電極側縁311を起点に最短距離H1の90%以下の領域K1に位置する接地電極の他端部側部位M1を含む。
このようなスパークプラグ100は、次のようにして製造する。但し、本実施形態1の要部の製造方法を中心に説明し、公知部分については、説明を省略または簡略化する。
まず、主原料にアルミナを使用し、高温の所定の形状に焼成することによって絶縁体2を形成する。また、鋼材を使用し、所定の形状に塑性加工することによって、主体金具1を形成する。この際、主体金具の軸線方向中央部にフランジ部1f、その後端側に工具係合部1e、主体金具1の先端部の外周面にねじ部12を形成している。次いで、Ni耐熱合金からなる棒状の中心電極3、接地電極4を作成する。なお、中心電極3の形成時には、金属芯3bを挿入して形成している。
そして、接地電極4を主体金具1の先端面に抵抗溶接等を用いて接合し、金具組立体200(図3(a)参照)を形成する。この金具組立体200の接地電極4は曲げ加工前であり、直線的に延びた形状となっている。この金具組立体200を図4に示すバレルめっき装置201を用いてめっき処理を行う。バレルめっき装置201は、壁面が網や穴開き板等により構成された保持容器202と、亜鉛が混合された亜鉛めっき浴203を備えている。また、亜鉛めっき浴203には対向電極204が配置され、対向電極204は直流電源205の一端に接続される。なお、直流電源205の他端は保持容器202内の通電電極206に接続している。めっき処理は、保持容器202に複数の金具組立体200を入れ、亜鉛めっき浴203に浸漬する。そして、保持容器202に取り付けられたモータ207により保持容器202を回転させながら、通電電極205を介して、金具組立体200と対向電極204との間で通電することで、金具組立体200全体の表面に亜鉛めっきを施す。
上記のように金具組立体200に亜鉛めっきを施すと、図3(b)に示すように、金具組立体200の表面全体に亜鉛めっき層141が形成される。その後、金具組立体200を洗浄・乾燥し、クロメート処理を行う。クロメート処理は図5に示すようにクロメート処理装置250を用いて上記とめっき処理と同様に処理を行っている。但し、クロメート処理は、上記のように電極、電源は設けずに非電離型のものを使用している。
上記のように金具組立体200にクロメート処理を施すと、図3(c)に示すように、金具組立体200の亜鉛めっき層141の外面にクロメート層142が形成される。その後、金具組立体200を洗浄・乾燥し、加熱処理を行う。具体的には、図6に示すような加熱処理装置300を用いて加熱処理を行う。加熱処理装置300は、主体金具1の工具係合部1eを保持するチャック301と、接地電極4の温度を測定するための温度測定装置302(例えばサーモグラフィ)と、接地電極4を加熱するためのレーザ照射装置303を備える。加熱処理は、亜鉛めっき層141、クロメート層142が形成された金具組立体200を接地電極4が上方になるようにして、主体金具1の工具係合部1eをチャック301により固定する。そして、温度測定装置302を用いて、接地電極4の温度を測定しつつ(図6の裏方向から表方向に向かって測定しつつ)、レーザ照射装置(図示せず)から接地電極4に向かってCWレーザLを図6左方向から照射する。なお、このとき、ArもしくはN2含有ガス雰囲気中で行っている。そして、測定温度測定装置301による接地電極4の他端部43の温度(他端部部位M1)が700℃を越えたとき、1000℃以上にならないように、レーザ照射装置303を調整し、2〜10秒間照射する。すると、接地電極4の他端部43に形成された亜鉛めっき層141の一部が接地電極4の表面と合金化し、残部が酸化または蒸発する。その後、チャック301から金具組立体200を取り外す。これにより、図3(d)に示すように、主体金具1のみに亜鉛めっき層141、クロメート層142が形成され、接地電極4の他端部43には合金層143のみが形成された金具組立体200が形成される。
このように、亜鉛めっき層141が形成された接地電極4を、少なくとも他端部側部位M1(他端部43)が700℃以上1000℃未満の温度となるように加熱することで、亜鉛めっき層141の一部が接地電極4の表面と合金化し、残部が酸化または蒸発することで、亜鉛めっき層141を除去することができる。よって、亜鉛めっき層141の接地電極からの剥離を防止することができる。
さらに、加熱処理において、亜鉛めっき層141が形成された接地電極4にレーザを照射することにより、容易に亜鉛めっき層141の一部が接地電極4の表面と合金化し、残部が酸化または蒸発することで、亜鉛めっき層を除去することができる。よって、亜鉛めっき層141の接地電極4からの剥離を防止することができる。
次に、絶縁体2の軸孔6に中心電極3を先端側が絶縁体2から突出するように挿入する。なお、中心電極3は、先端部を縮径し、その先端面に貴金属チップを電気抵抗溶接、レーザ溶接等により固設し、第1貴金属チップ31を形成している。次いで、後端側に導電性シール層16、抵抗体15、導電性シール層17を順に挿入し、さらに、絶縁体2の後端側に、絶縁体2の後端から端子金具13の後端側が突出するように端子金具13を挿入して、公知の手法を使って、固設する。そして、中心電極3、端子金具13等が固設された絶縁体2を、接地電極4が固設された主体金具1に接地電極4に組み付ける。そして、接地電極4の他端部43に貴金属チップを電気抵抗溶接、レーザ溶接等により固設し、貴金属チップ41を形成する。なお、接地電極4には亜鉛めっき層141が形成されていないので、容易に貴金属チップ41を接合することができる。そして、接地電極4の第2貴金属チップが41が中心電極3の第1貴金属チップ31と放電ギャップgを介して対向するように、接地電極4を曲げ、図1に示すような、内燃機関用スパークプラグ100が完成する。
なお、本実施例におけるめっき処理が特許請求の範囲のめっき形成工程のことであり、本実施例における加熱処理が特許請求の範囲の加熱工程のことである。
次に、本発明の実施形態2を図面とともに説明する。
図7に示すスパークプラグ500は、上述したスパークプラグ100の接地電極4が異なる形態である。なお、図7については、図1と同一部分は同一符号で示し、上記接地電極4の形状以外については、実施形態1と同様の構成であり、接地電極4について主に説明する。
図7に示すスパークプラグ500は、上述したスパークプラグ100の接地電極4が異なる形態である。なお、図7については、図1と同一部分は同一符号で示し、上記接地電極4の形状以外については、実施形態1と同様の構成であり、接地電極4について主に説明する。
実施形態2のスパークプラグ500において、接地電極504は、INCONEL600等のNi合金や、Ir、Pt、Rhのいずれか1つを主成分とする貴金属等で形成されている。そして、接地電極504は、一端542が、主体金具1の先端面に対して溶接等により固着・一体化されている。そして、接地電極504は棒状であり、一端542から他端部543に向かうほど中心電極3に常に近づくようになっている。そして、主体金具1の先端面1aと、接地電極504の他端部543の中心電極側内周面543aと、接地電極504の他端面543bとの端縁543sとの距離tが1.5mmとなっている。
このようなスパークプラグ500の接地電極504は、最短距離H2の90%の領域K2に含まれる接地電極504の他端部側部位M2が実施形態1の平行電極型スパークプラグ100に比べて主体金具1の先端側により近づくこととなる。すると、接地電極504を研削する方法や、接地電極504をめっき剥離液に浸す方法はより困難となる。しかし、実施形態1と同様に、亜鉛めっき層141が形成された接地電極504を、少なくとも他端部側部位M2(他端部543)が700℃以上1000℃未満の温度となるように加熱することで亜鉛めっき層141の一部が接地電極504の表面と合金化し、残部が酸化または蒸発することで、亜鉛めっき層141を除去することができる。よって、亜鉛めっき層141の接地電極からの剥離を防止することができる。
なお、本発明においては、上述した具体的な実施形態に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施形態とすることができる。例えば、本発明のスパークプラグ100は、中心電極3のみに金属芯3bを挿入したが、これに限らず、接地電極4に金属芯が挿入されていてもよい。そして、この場合の金属芯の材質は、Cu、Ag等の単体または合金から形成されている
また、本発明のスパークプラグ100の製造方法は、金具組立体200に亜鉛めっき処理及びクロメート処理及び加熱処理を行い、その後貴金属チップを溶接していたが、これに限られず、加熱処理後、超音波洗浄等の洗浄工程を行っても良い。これにより、接地電極4表面から浮いた亜鉛めっきの酸化物をさらに除去することができる。
1 主体金具
2 絶縁体
3 中心電極
4、504 接地電極
6 貫通孔
31 第1貴金属チップ
41 第2貴金属チップ
100、500 スパークプラグ
2 絶縁体
3 中心電極
4、504 接地電極
6 貫通孔
31 第1貴金属チップ
41 第2貴金属チップ
100、500 スパークプラグ
Claims (5)
- 軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、
該絶縁体の軸孔の先端側に配設される中心電極と、
前記絶縁体の周囲を取り囲む主体金具と、
前記中心電極と放電ギャップを隔てて対向する、Ir、Pt、Rhのいずれか1つを主成分とする接地電極と、を備えるスパークプラグの製造方法において、
前記主体金具に前記接地電極の一端が結合された金具組立体を用意し、該金具組立体の表面全体に亜鉛を主成分とする亜鉛めっき層を形成するめっき形成工程と、
該亜鉛めっき層が形成された前記接地電極を、少なくとも該接地電極の他端部側部位が700℃以上1000℃未満の温度となるように加熱する加熱工程と、
を含むことを特徴とするスパークプラグの製造方法。 - 請求項1に記載のスパークプラグの製造方法において、
前記加熱工程において、前記接地電極にレーザを照射することにより、前記亜鉛めっき層が形成された前記接地電極を加熱することを特徴とするスパークプラグの製造方法。 - 請求項2に記載のスパークプラグの製造方法において、
大気よりも低酸素雰囲気下で前記接地電極に前記レーザを照射するスパークプラグの製造方法。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法において、
前記接地電極は、該接地電極の一端から他端部に向かうほど前記中心電極に近づく形態であって、前記接地電極の他端部の中心電極側内周面と他端面との端縁と、前記主体金具の先端面との距離が2mm以下であることを特徴とするスパークプラグの製造方法。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法において、
前記加熱除去工程後、除去された前記接地電極の他端部に貴金属からなる電極チップを接合する接合工程を含むことを特徴とするスパークプラグの製造方法。
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