JP2005293877A - 燃料電池用金属板およびこれを用いた燃料電池用セパレータならびにこれを用いた固体高分子形燃料電池 - Google Patents

燃料電池用金属板およびこれを用いた燃料電池用セパレータならびにこれを用いた固体高分子形燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】金属基板に被覆する貴金属を低減し且つ接触電気抵抗も低減でき得ると共に、安価に供給し得る燃料電池のセパレータなどに用いる燃料電池用金属板およびこれを用いた燃料電池用セパレータなどを提供する。
【解決手段】金属基板2と、係る金属基板2の表面3および裏面4に形成され且つ上記金属基板2よりも貴な金属(Au)からなる複数の貴金属被覆部5,6と、を備え、上記複数の貴金属被覆部5,6は、上記金属基板2の表面3および裏面4において、互いに離間し且つほぼ等間隔で位置している、燃料電池のセパレータなどに用いる燃料電池用金属板1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固体高分子形燃料電池のセパレータなどに用いる燃料電池用金属板およびこれを用いた上記燃料電池用セパレータならびにこれを用いた固体高分子形燃料電池に関する。
固体高分子形燃料電池用セパレータには、薄肉化と耐食性向上の観点から、ステンレス鋼などからなる金属薄板の表面と裏面との全面にAuなどの貴金属の薄膜を被覆し且つこれを圧延したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、上記金属薄板の全面にAuなどの貴金属をメッキなどにより被覆すると、コスト高になる、という問題がある。
一方、上記燃料電池用セパレータに隣接する電極などの他部材との接触電気抵抗を低減するため、係る他部材と接触する部分に厚み5nm以上の貴金属を付着させた低接触抵抗ステンレス鋼なども提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−260681号公報(第1〜9頁) 特開2001−6713号公報(第1〜9頁)
しかしながら、前記特許文献2に記載の発明のように、セパレータにおける他部材と接触する部分にのみ貴金属を付着させることは、技術的に困難であると共に、製造コストも高くなる、という問題があった。
本発明は、前述した背景技術における問題点を解決し、金属基板に被覆する貴金属を低減し且つ接触電気抵抗も低減でき得ると共に、安価に供給し得る燃料電池のセパレータなどに用いる燃料電池用金属板、およびこれを用いた燃料電池用セパレータ、ならびにこれを用いた固体高分子形燃料電池を提供する、ことを課題とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明は、前記課題を解決するため、金属基板に被覆すべきAuなどの貴金属の被覆パターンを最適化する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の燃料電池用金属板(請求項1)は、金属基板と、係る金属基板の表面および裏面の少なくとも一方に形成され且つ上記金属基板よりも貴な金属からなる複数の貴金属被覆部と、を備え、係る複数の貴金属被覆部は、上記金属基板の表面および裏面の少なくとも一方において、互いに離間し且つほぼ等間隔で位置している、ことを特徴とする。
これによれば、複数の貴金属被覆部は、金属基板の表面や裏面において互いに離間し且つほぼ等間隔で位置しており、これらの間には金属基板の表面などが露出している。このため、個別の貴金属被覆部付近には、当該貴金属被覆部をカソード極とし且つその周囲に位置する金属基板の表面などをアノード極とする局部電池が形成される。この際、貴金属被覆部の貴金属は、アノード極である金属基板のアノード反応を促進させるような触媒的な作用を果たすため、アノード反応電流が大きくなる。一方、金属基板は、周囲からの酸化力を得て直ちに不動態膜を表・裏面に形成する。この結果、金属基板の電極電位が貴な方向に移動して、不動態電位域に保持されるため、燃料ガスや酸化剤ガスが流動するような腐食環境に置かれても、上記不動態膜によって露出している金属基板の腐食を抑制することが可能となる。
しかも、貴金属被覆部は、比較的少量の貴金属により形成でき、且つ電極などの他部材とも確実に接触し得る。このため、前記金属板を追って後述する燃料電池用セパレータに用いた場合、係るセパレータと他部材との接触電気抵抗を低減することも可能となる。更に、複数の貴金属被覆部は、互いに離間し且つほぼ等間隔で配置されるので、任意の配置模様で且つ少ない貴金属の使用量により形成し得るため、これを曲げ加工などして得られる上記セパレータのコストを更に低減することも容易となる。
但し、前記燃料電池用金属板は、固体高分子形燃料電池における集電板やコネクタなどにも使用することが可能である。
尚、前記金属基板は、ステンレス鋼板またはNi基合金板などからなる。また、前記貴金属被覆部は、Au、Ag、Pt、Pd、Ir、Rh、Ru、Osなどや、Au−Pt系、Au−Pd系、Au−Co系合金などからなり、パターンマスクを介した電解メッキ、無電解メッキ、スパッタリング、あるいはイオンプレーティグなどにより形成される。更に、前記複数の貴金属被覆部には、個別のサイズおよび形状が共通である他、互いに相似形である形態や、互いに形状が異なる形態も含まれる。尚また、前記複数の貴金属被覆部を前記金属基板の表面または裏面の一方に形成する形態は、いわゆる単層セルの燃料電池に活用できる。加えて、前記金属基板の表面と裏面とは、金属基板における一方の表面と他方の表面とを指し示す相対的な表現である。
また、本発明には、前記複数の貴金属被覆部は、前記金属基板の表面および裏面の双方に形成されていると共に、係る表面に形成された複数の貴金属被覆部と裏面に形成された複数の貴金属被覆部とは、上記金属基板の表面と裏面とにおいてほぼ同じ位置に分布しているか、あるいは、上記金属基板の表面と裏面とにおいて互いに異なるように互い違いの位置に分布している、燃料電池用金属板(請求項2)も含まれる。
これによれば、例えば、複数層の固体高分子膜を積層する燃料電池において、耐食性に優れ且つ電極などとの接触電気抵抗が低い燃料電池用セパレータを提供可能となると共に、固体高分子形燃料電池のコストを低減することにもできる。特に、複数の貴金属被覆部が金属基板の表面と裏面との互い違いの位置に分布する形態では、貴金属被覆部の面積割合を最小限にして、耐食性を確保することができる。
尚、複数の貴金属被覆部が金属基板の表面と裏面との同じ位置に分布する形態は、後述する「同相」として、複数の貴金属被覆部が金属基板の表面と裏面との互い違いの位置に分布する形態は、後述する「異相」として具体的に説明する。
更に、本発明には、前記金属基板の厚みは、1mm以下であると共に、前記貴金属被覆部の厚みは、1nm〜100nmの範囲にある、燃料電池用金属板(請求項3)も含まれる。これによれば、例えば、固体高分子形燃料電池全体の厚さを抑制した小型化が可能となり、且つこれに用いるセパレータと電極などとの接触電気抵抗を低減できると共に、上記燃料電池のコスト低減にも寄与し得る。
尚、金属基板の厚みが1mmを越えると、固体高分子形燃料電池全体の厚さが過大となってその小型化の支障になるため、係る範囲を除いた。望ましい金属基板の厚みは、0.1mm以下であるが、下限の厚みは実用面から約0.05mmである。また、金属被覆部の厚みが1nm未満になると、接触電気抵抗が無視できなくなり、一方、金属被覆部の厚みが100nmを越えると、コスト高になる。このため、これらの範囲を除去したものである。
また、本発明には、前記複数の貴金属被覆部は、前記金属基板の表面および裏面の少なくとも一方において、上記金属基板の厚み方向の視覚でそれぞれ直径0.05mm以上の円形、または少なくとも1辺の長さが0.05mm以上の四角形を呈すると共に、当該複数の貴金属被覆部の面積は、上記表面または裏面の面積の少なくとも10%を占めている、燃料電池用金属板(請求項4)も含まれる。
これによれば、例えば、耐食性の向上および接触電気抵抗の低減の双方が可能な燃料電池用セパレータなどを容易に提供することができる。
尚、上記四角形には、細長い縞状のストライプ(直線部)、長方形、正方形、平行四辺形、菱形が含まれる。また、上記直径または1辺の長さが0.05mm未満になり且つ上記面積が10%未満になると、隣接する電極などの他部材との接触面積が過少になり、係る他部材との接触電気抵抗が過大になり得るため、係る範囲を除外したものである。上記面積は、望ましくは20%以上である。
更に、本発明には、前記金属基板の表面および裏面の少なくとも一方において、前記円形または四角形を呈すると共に、互いに隣接する最短距離にある一対の貴金属被覆部間の距離(s,s′)は、個々の貴金属被覆部の直径または一辺の長さ(d)の0.1〜5倍の範囲である、燃料電池用金属板(請求項5)も含まれる。
これによれば、例えば、個別の貴金属被覆部をカソード極とし且つその周囲に位置する金属基板をアノード極とする局部電池を形成できると共に、直ぐにアノード極である当該金属基板の表・裏面に不動態膜を形成できるため、不動態電位域に至らぬ金属基板の表・裏面部分を容易に解消できる。このため、燃料電池用セパレータなどの耐食性を確保することが容易となる。尚、同じ燃料電池用金属板に円形と四角形の貴金属被覆部を混在させても良い。
また、本発明には、前記金属被覆部は、前記金属基板の厚み方向の視覚で、円形、長円形、楕円形、正三角形以上の正多角形、変形多角形、長方形、台形、平行四辺形、ほぼY字形、ほぼ十字形、ほぼ星形、または異形形状を呈する、燃料電池用金属板(請求項6)も含まれる。
これによれば、金属基板の表面などに複数の金属被覆部を多様な形状で配設したセパレータなどに用いる金属板が得られるため、所要の特性やサイズに応じた固体高分子形燃料電池、集電板、またはコネクタを提供することが可能となる。
尚、上記各形状は、例えば上記形状のパターン孔を有するフッ素樹脂(登録商標:テフロン)またはエポキシ樹脂などをフィルム状にし且つ所要形状のパターン孔を有する絶縁性マスク材を用い、これを金属基板に密着させつつメッキを施すことで得られる。また、上記異形形状とは、不規則な外形を有する全ての形状を指す。尚また、上記各形状の金属被覆部を同じ燃料電池用金属板に混在させても良い。
更に、本発明には、前記複数の貴金属被覆部は、前記金属基板の表面および裏面の少なくとも一方において、上記金属基板の厚み方向の視覚で、複数の直線部からなる縞模様を呈するか、あるいは、それぞれが交点または交互に位置する格子模様または千鳥模様を呈する、燃料電池用金属板(請求項7)も含まれる。
これによれば、例えば、前記局部電池を多数形成することが容易にできると共に、少量の貴金属により不動態電位域に至らぬ金属基板の部分を確実に解消できる。このため、燃料電池用セパレータの耐食性を確保でき且つ接触電気抵抗の低減も容易となる。
また、本発明には、複数の貴金属被覆部を形成した前記金属基板の表面および裏面の少なくとも一方に、カーボンの薄膜が更に被覆されている、燃料電池用金属板(請求項8)も含まれる。
これによれば、複数の貴金属被覆部により金属基板の腐食を防止すると共に、貴金属被覆部または上記カーボンの薄膜の少なくとも一方により、隣接する電極との間における接触電気抵抗を低減することが可能となる。
尚、上記カーボンの薄膜には、厚みが3〜100μmのカーボン塗料の塗膜または50〜500μmの膨張黒鉛が用いられ、その特性上から15〜50μmの厚みが推奨される。上記薄膜の厚みが厚みが3μm未満になると、接触電気抵抗が無視できなくなり、500μmを越えると、導電性の効果が飽和し且つ上記金属板が厚くなり過ぎるためである。
一方、本発明の第1の燃料電池用セパレータ(請求項9)は、前記燃料電池用金属板からなるセパレータ用金属板と、係るセパレータ用金属板に設けられ、表面および裏面の一方が凸条で且つ他方が凹溝となる複数の平行な凹凸部とを備え、少なくとも凹凸部の凸条の頂き面および凹溝の底面に前記複数の貴金属被覆が位置している、ことを特徴とする。
これによれば、凸条の頂き面に位置する貴金属被覆は、耐食性の向上と接触電気抵抗の低減との双方に寄与し、且つ凹溝の底面に位置する貴金属被覆は、セパレータ自体の耐食性の向上に寄与できる。従って、耐食性が高く且つ接触電気抵抗の低い固体高分子形燃料電池を提供することが可能となる。
また、本発明の第2の燃料電池用セパレータ(請求項10)は、前記燃料電池用金属板からなるセパレータ用金属板と、係るセパレータ用金属板の表面および裏面の少なくとも一方に形成したカーボンからなる複数の棒材と、係る複数の棒材間の凹溝の底面に前記複数の貴金属被覆部が位置している、ことを特徴とする。これによれば、カーボンからなる平行な複数の棒材により、それらの間に燃料ガスや酸化剤ガスの流路となる凹溝が形成され、当該棒材の頂き面で隣接する電極などとの間における接触電気抵抗を低減できる。しかも、各凹溝の底面に位置している複数の貴金属被覆部により、セパレータ自体の腐食を確実に防止することができる。尚、上記カーボンの棒材は、カーボン塗料の塗膜、膨張黒鉛、またはカーボン不織布などにより形成される。
更に、本発明には、前記複数の貴金属被覆の全面積は、前記セパレータ用金属板の表面または裏面の面積の少なくとも10%を占めている、燃料電池用セパレータ(請求項11)も含まれる。
これによれば、耐食性の向上および接触電気抵抗の低減の双方が可能な燃料電池用セパレータとなるため、前記のような優れた燃料電池を提供可能となる。
尚、上記面積割合(面積率)は、望ましくは20%またはこれ以上である。
加えて、本発明の固体高分子形燃料電池(請求項12)は、複数の前記燃料電池用セパレータと、係る複数の燃料電池用セパレータの間に位置する固体高分子膜と、を含む、ことを特徴とする。尚、固体高分子膜は、単数でも複数でも良い。
これによれば、耐食性に優れ且つ電流が流れ易くて効率の良い固体高分子形燃料電池を安価に提供することが可能となる。
以下において、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明における一形態の燃料電池のセパレータに用いる燃料電池用金属板(以下、単にセパレータ用金属板と記する)1を示す正面図、図2は、係るセパレータ用金属板1の断面図、図3は図2中の部分拡大図である。
セパレータ用金属板1は、図1,2に示すように、表面3および裏面4を有する金属基板2と、係る表面3に形成した複数の貴金属被覆部5と、係る裏面4に形成した複数の貴金属被覆部6とを備えている。
金属基板2は、厚みが1mm以下のステンレス鋼(例えば、SUS316L)からなる。また、貴金属被覆部5,6は、金属基板2よりも腐食電位が貴な金属、例えばAuからなり、直径(d):0.05mm以上で且つ厚み:1nm〜100nmである。尚、貴金属被覆部5,6は、円形を呈する多数のパターン孔を穿孔したフッ素樹脂またはエポキシ樹脂などをフィルム状にし且つ所要形状のパターン孔を有する絶縁性マスク材を金属基板2に密着させた状態で、Auを電解メッキ、無電解メッキ、スパッタリング、あるいはイオンプレーティングなどすることで形成されている。
複数の貴金属被覆部5,6は、図1,2に示すように、表面3および裏面4において、互いに離間し且つ等間隔で位置するように、表面3および裏面4の各辺と平行な複数の長方形からなる格子模様の交点に位置に分布している。また、複数の貴金属被覆部5,6は、表面3または裏面4の面積全体の10%以上を占めている。しかも、複数の貴金属被覆部5,6は、図1〜3に示すように、表面3および裏面4において、互い違い(異相)の位置に分布して形成されている。
図3に示すように、表面3または裏面4、あるいは表・裏面3,4間において互いに隣接し且つ最短距離にある貴金属被覆部5,5間の距離(s,s′)は、前記直径(d)の0.1〜5倍の範囲に設定されている。
図4は、異なる形態のセパレータ用金属板1aの正面図を示す。係るセパレータ用金属板1aも、前記同様の金属基板2と、その表面3に形成した複数の貴金属被覆部5と、裏面4に形成した複数の貴金属被覆部6とを備えている。
複数の貴金属被覆部5,6も、Auからなり、図4に示すように、表面3および裏面4において、互いに離間し且つ等間隔で位置するように、表面3および裏面4の各辺に対し斜め姿勢の四角形の交点に位置し且つ千鳥模様を呈すると共に、表面3または裏面4の面積全体の10%以上を占めている。しかも、複数の貴金属被覆部5,6は、図4に示すように、表面3および裏面4において、互い違い(異相)の位置に分布するように形成されている。
図5は、更に異なる形態のセパレータ用金属板1bの部分正面図を示し、前記同様の金属基板2と、その表面3に形成した複数の貴金属被覆部5と、裏面4に形成した複数の貴金属被覆部6とを備えている。
複数の貴金属被覆部5,6も、Auからなり、図5に示すように、表面3および裏面4において、互いに離間し且つほぼ等間隔で位置し、且つ千鳥模様を呈するように分布すると共に、表面3または裏面4の面積全体の10%以上を占めている。但し、貴金属被覆部5は、反対側の裏面4における三角形の交点に位置する3個の貴金属被覆部6に囲まれ、貴金属被覆部6は、反対側の表面3における上記3個の貴金属被覆部5に囲まれている。即ち、貴金属被覆部5,6もほぼ互い違い(異相)の位置に分布して形成されている。
図6は、前記セパレータ用金属板1を折り曲げ加工またはプレス加工して得た本発明の第1の燃料電池用セパレータ(以下、単にセパレータと記する)10aの要部を示す斜視図である。係るセパレータ10aは、前記同様の金属基板2と、その表面3および裏面4の一方が凸条8で且つ他方が凹溝9となる組を平行に複数有する凹凸部7を備えている。しかも、複数の貴金属被覆部5,6は、凸条8の頂き面や凹溝9の底面において、それらの長手方向に沿って等間隔に位置し、且つ凸条8の頂き面と凹溝9の底面との間でも等間隔に位置している。
凸条8および凹溝9は、断面台形を呈し、図6に示すように、金属基板2の表面3と裏面4とに裏腹の関係で成形されると共に、隣接する凸条8および凹溝9と互いに平行に位置している。
例えば、凸条8の頂き面は、金属基板2の表面3または裏面4の面積全体の約10%であり、当該凸条8の頂き面を後述する固体高分子形燃料電池の電極と接する面とした場合、係る電極との接触電気抵抗を低減して良好な電気的導通を得るには、表面3または裏面4における凸条8の頂き面の面積における10%以上を貴金属被覆部5,6を被覆することが必要である。
換言すれば、前記セパレータ用金属板1において、その表面3または裏面4の面積全体の10%以上を貴金属被覆部5,6を被覆する必要である。この点に関しては、前記セパレータ用金属板1a,1bも同じである。
以上のような凹凸部7の当該凸条8の頂き面および凹溝9の底面に複数の貴金属被覆部5,6を等間隔に被覆したセパレータ10aによれば、各貴金属被覆部5,6とこれに隣接する金属基板2の表面3または裏面4との間で局部電池が形成される。一般に、不動態皮膜を表・裏面に形成しない金属基板2を用いた場合は、係る局部電池によって腐食される。しかし、ステンレス鋼からなる金属基板2を用いた場合は、逆に局部電池が不動態化を促進するので、貴金属被覆部5,6がない表面3および裏面4に形成されるクロム酸化物(CrOOH)の不動態皮膜は、不動態電位域にシフトして強固に形成される。このため、燃料ガスまたは酸化剤ガスが凹溝9内を流動しても露出している金属基板2の腐食を抑制できる。
しかも、凸条8の頂き面には、その10%以上の面積率で複数の貴金属被覆部5,6が位置しているため、燃料電池の電極との接触電気抵抗を抑制し良好な導通を確保できる。従って、セパレータ10aによれば、耐食性に優れ且つ接触電気抵抗を低減した安価な固体高分子形燃料電池を提供することが可能になる。
図7は、前記セパレータ用金属板1a,1bを折り曲げ加工またはプレス加工して得たセパレータ10bの要部を示す斜視図である。係るセパレータ10aも、前記同様の金属基板2と、その表面3および裏面4の一方が凸条8で且つ他方が凹溝9となる組を平行に複数有する凹凸部7を備え、且つこれら凸条8および凹溝9は、裏腹の関係で成形されると共に、隣接する凸条8および凹溝9と互いに平行に位置している。更に、複数の貴金属被覆部5,6は、凸条8の頂き面や凹溝9の底面において、それらの長手方向に沿って等間隔に位置し、且つ凸条8の頂き面と凹溝9の底面との間では等間隔またはほぼ等間隔に位置している。尚、複数の貴金属被覆部5,6の面積割合は、前記セパレータ10aと同様である。
以上のようなセパレータ10bによっても、前記セパレータ10aと同様な効果が得られる。
図8は、別形態のセパレータ用金属板1cの正面図、図9は、係る金属板1cを折り曲げまたはプレス加工して得たセパレータ10cの要部を示す斜視図である。セパレータ用金属板1cは、図8に示すように、表面3および裏面4を有する前記同様の金属基板2と、その表面3において対向する図示で上辺と下辺とに平行な細長い長方形(直線部)からなる複数の貴金属被覆部11と、金属基板2の裏面4において上記同様に位置し且つ表面3に形成される貴金属被覆部11,11の中間に位置するよう互い違い(異相)に分布した複数の細長い長方形の貴金属被覆部12を備えている。
貴金属被覆部11,12の幅(一辺の長さ)dは、0.05mm以上でそれらの厚みは前記と同じであると共に、係る貴金属被覆部11,12もAuからなり、表面3または裏面4において10%以上の面積を占めている。
即ち、複数の貴金属被覆部11,12は、表面3または裏面4において縞模様を呈すると共に、金属基板2の表面3と裏面4において、互い違い(異相)の位置に分布して形成されている。しかも、表面3と裏面4との間で隣接する貴金属被覆部11,12間の距離(s′)は、上記幅(d)の0.1〜5倍である。
前記セパレータ用金属板1cを、複数の貴金属被覆部11,12の長手方向と直交する方向に沿って、折り曲げ加工またはプレス加工することで、図9に要部を示すセパレータ10cが得られる。即ち、セパレータ10cは、図9に示すように、前記金属基板2と、その表面3および裏面4の一方が凸条8で且つ他方が凹溝9となる組を平行に複数有する凹凸部7を備えている。しかも、複数の貴金属被覆部11,12は、凸条8の頂き面、凹溝9の底面、およびこれらの間の傾斜した側面において、それらの長手方向に沿って等間隔に位置すると共に、凸条8の頂き面、凹溝9の底面、およびこれらの間の傾斜した側面の長手方向と直交する方向に沿って等間隔に位置している。尚、凸条8および凹溝9は、断面台形を呈し、図9に示すように、金属基板2の表面3と裏面4とに裏腹の関係で成形され、且つ隣接する凸条8および凹溝9と互いに平行に位置している。
以上のセパレータ10cによれば、個別の貴金属被覆部11,12とこれに隣接する金属基板2の表面3または裏面4との間で局部電池が形成されるため、表面3および裏面4に当初から形成されているクロム酸化物(CrOOH)からなる不動態膜は、不動態域にシフトする。この結果、燃料ガスまたは酸化剤ガスが凹溝9内を流動しても露出している金属基板2の腐食を抑制することができる。
しかも、凸条8の頂き面には、その10%以上の面積率で複数の貴金属被覆部11,12が占めているため、燃料電池の電極との接触電気抵抗を低減し良好な導通性を確保できる。従って、セパレータ10cによっても、耐食性に優れ且つ接触電気抵抗を低減した安価な固体高分子形燃料電池を提供することができる。
図10は、更に別形態のセパレータ用金属板1dの部分正面図である。係るセパレータ用金属板1dは、前記金属基板2と、その表面3に形成した複数の貴金属被覆部13と、裏面4に形成した複数の貴金属被覆部14とを備えている。貴金属被覆部13,14もAuからなり、四つの出隅部をアールとしたほぼ正方形を呈し、金属基板2の表面3または裏面4において互いに離間し且つ等間隔で位置するように、表面3と裏面4の各辺に平行な複数の四角形からなる格子模様の交点の位置に互い違い(異相)に分布している。
貴金属被覆部13,14は、四つの出隅部が直角の正方形と仮定した際の一辺の長さ(d)が0.05mm以上で、前記同様の厚みと面積率とを備えている。また、表面3と裏面4との間で隣接する貴金属被覆部13,14間の距離(s′)は、上記長さ(d)の0.1〜5倍である。
図11は、別個の形態のセパレータ用金属板1eを示す部分正面図で、前記金属基板2と、その表面3に形成した複数の貴金属被覆部15と、裏面4に形成した複数の貴金属被覆部16とを備えている。貴金属被覆部15,16もAuからなり、正三角形を呈すると共に、金属基板2の表面3または裏面4において互いに離間し且つ等間隔で位置するように分布している。また、貴金属被覆部15,16は、表面3および裏面4において、互い違い(異相)の位置に形成され、且つ前記同様の厚みと面積率とを具備している。
図12は、更に別個の形態のセパレータ用金属板1fを示す部分正面図で、前記金属基板2と、その表面3に形成した複数の貴金属被覆部17と、裏面4に形成した複数の貴金属被覆部18とを備えている。貴金属被覆部17,18もAuからなり、平行四辺形(菱形)を呈すると共に、金属基板2の表面3または裏面4において互いに離間し且つ等間隔で位置するように分布している。また、貴金属被覆部17,18は、表面3および裏面4において、互い違い(異相)の位置に形成され、且つ前記同様の厚みと面積率とを具備している。
以上のようなセパレータ用金属板1d〜1fを折り曲げ加工またはプレス加工して得られる前記凹凸部7を有するセパレータ(図示せず)によっても、前記セパレータ10a〜10cと同様な効果を得ることが可能である。
図13は、前記セパレータ10a〜10cを用いた本発明の固体高分子形燃料電池(以下、単に燃料電池と記する)20の概略断面を示す。係る燃料電池20は、図13で例示するように、複数のセパレータ10cと、これらの間に個別に位置する固体高分子膜23を含むセル本体22とを備えている。セル本体22は、固体高分子膜23の両面に互いに異極で且つガス拡散層と触媒層を含む電極24,26を積層したものである。尚、固体高分子膜23は、例えばスルホン酸基を含むフッ素樹脂からなる。
燃料電池20では、セル本体22の一方の電極24に開口するセパレータ10cの凹溝9に燃料ガス(例えば、水素)が流され、他方の電極26に開口するセパレータ10cの凹溝9に酸化剤ガス(例えば、空気)が流される。上記燃料ガスがアノード電極24に接触すると、当該水素が水素イオンと電子とに分解する。係る電子は、図示しない外部回路を経て、カソード電極26に送られる。係る外部回路を流れる電流により、発電が生じる。
一方、上記酸化剤ガスがカソード電極26に接触すると、予め含有している酸素と、固体高分子膜23を貫通した水素イオンと、迂回した電子とが反応して水が形成される。この間において、セパレータ10cは、電極24,26に面接触する凸条8の頂き面の貴金属被覆部11,12が当該電極24,26との接触電気抵抗を低減すると共に、その他の部位の貴金属被覆部11,12を含めて、酸化剤ガスによる腐食から当該セパレータ10cの腐食を防止する。
従って、複数のセル本体22の間およびその最上面および最下面にセパレータ10cを個別に配置した燃料電池20によれば、耐食性に優れ且つ接触電気抵抗が低く良好な導通性が得られるため、耐久性と発電効率とが高められる。
尚、前記セパレータ10a,10bや、前記セパレータ用金属板1d〜1fを加工したセパレータを燃料電池20に適用しても同様の効果が得られる。
以下において、本発明のセパレータ用金属板の具体的な実施例を説明する。
ステンレス鋼(SUS316L)からなり、40mm×50mmで且つ表1に示す厚みの金属基板2を複数枚用意した。このうちの1枚(比較例1)を除き、各金属基板2の表面3および裏面4の少なくとも一方に、Auメッキ(貴金属被覆部)を表1に示す形状、寸法、厚み、配置模様、隣接する最短距離(s,s′)、メッキ面、および同相または異相に分けて形成した。これらを実施例1〜11、または比較例1〜3のセパレータ用金属板とした。
尚、上記同相とは、表面3および裏面4の同じ位置にAuメッキが形成される形態を、上記異相とは、前述した互い違いの配置となる形態を指す。このため、異相における最短距離は、前記図3で示した表・裏面3,4間の距離s′となる。また、Auメッキに覆われていない表面3や裏面4の露出割合も表1に示した。
各例のセパレータ用金属板について、濃度1wt%の沸騰硫酸液中に168時間にわたり浸漬した後、取り出して外観の変色、Auメッキ膜の剥離の有無を観察した。また、浸漬後の腐食液に対し、ICP分析して溶出した金属イオンを測定して、各例の腐食度を得た。それらの結果も表1に示した。
Figure 2005293877
表1によれば、実施例1〜11のセパレータ用金属板は、腐食度(mm/y)が3.17×10−2以下と小さいと共に、外観の変色やAuメッキ膜の剥離も生じていなかった。特に、実施例1などのように、金属基板の表・裏面が88%露出していても、十分な耐食性が得られることが確認できた。
一方、Auメッキが全くない比較例1は、腐食度が0.165と高く、全体的に変色していた。また、Auメッキの厚みが0.5nmと薄い比較例2や、Auメッキの貴金属被覆部の直径(d)が0.01mmと極小で且つ最短距離(s′)が直径(d)の100倍もある比較例3のセパレータ用金属板は、上記厚みや直径の過少さなどに起因して、腐食度が0.180、あるいは0.196と高くなり、それぞれ変色も確認された。
以上のような結果から、本発明のセパレータ用金属板が、十分な耐食性を有することが判明した。
次に、ステンレス鋼(SUS316L)からなり、縦横:40×50mm、厚み:0.1mmの金属基板を7枚用意した。それらの表面および裏面に、表2で示すように、一辺1mm角の正方形で厚み40nmのAuメッキ群からなり且つ表面および裏面で同相である複数の貴金属被覆部を形成して、実施例12〜16のセパレータ用金属板とした。残りの2枚は、表・裏面の全面にAuメッキを施すか、あるいは無メッキのままとして、比較例4,5の金属板とした。
尚、各例の金属基板の表面または裏面の露出割合についても、表2に示した。また、接触電気抵抗を測定する前に、各例の金属板を30%硝酸液(60℃)中に1時間浸漬して、これらの露出した表面・裏面に不動態化処理を施した。
各例の金属板の両面に、それぞれカーボンクロスおよび電極を接触させ且つ2種類の荷重(98N/cm、245N/cm)を順次かけた。係る状態で、各荷重時ごとに上記電極間に電流(0.1A/cm)を印加して、その際の電圧を測定することにより、各例の金属板とカーボンクロスとの接触電気抵抗を測定した。それらの結果を、表2および図14のグラフに示した。
Figure 2005293877
表2および図14のグラフによれば、実施例12〜16のセパレータ用金属板は、98N/cmの荷重で11.5〜23.8mΩ・cm、245N/cmの荷重で7.5〜13.6mΩ・cmの比較的低い接触電気抵抗であった。
一方、表面および裏面の全面にAuメッキを施した比較例4の金属板は、98N/cmの荷重で10.5mΩ・cm、245N/cmの荷重で7.0mΩ・cmであり、実施例11とほぼ同レベルの接触電気抵抗であった。
更に、無メッキの比較例5の金属板は、98N/cmの荷重で117mΩ・cm、245N/cmの荷重で56.1mΩ・cmであり、実施例16の約4倍もある高い接触電気抵抗であった。
以上の実施例12〜16の結果から、厚みが数10nmのAuメッキで且つ被覆面積割合が10%以上の貴金属被覆部を表面および裏面に形成したセパレータ用金属板は、隣接する電極やカーボンクロスなどとの間で低い接触電気抵抗となり、導電性に支障がないことが判明すると共に、本発明の効果が裏付けられた。
図15は、更に別個のセパレータ用金属板1gの断面を示す。係る金属板1gは、図15に示すように、前記同様の金属基板2と、その表面3および裏面4に同相にして形成したAuメッキからなる複数の貴金属被覆部5,6と、これらを含む表面3および裏面4の全面に被覆したカーボンの薄膜28,29とを備えている。カーボンの薄膜28,29は、厚みが約30μmのカーボン塗膜または約200μmの膨張黒鉛からなる。
上記セパレータ用金属板1gを折り曲げ加工またはプレス加工すると、図16の断面図で示すように、燃料電池用セパレータ10dが得られる。
図16に示すように、金属基板2の表面3および裏面4の一方が凸条8で且つ他方が凹溝9となる凹凸部7が形成され、これらは複数の貴金属被覆部5,6を含めて、カーボンの薄膜28,29に覆われている。このため、各凸条8の頂き面に位置する貴金属被覆部5,6およびこれらの間の薄膜28,29は、隣接する電極などとの間における接触電気抵抗を低減できる。しかも、各凹溝9の底面に位置する貴金属被覆部5,6は、金属基板2の耐食性を高めるため、カーボン材(28,29)との間に発生し易い隙間腐食を防止することにより、セパレータ10dの腐食を防止する。従って、凹溝9に燃料ガスや酸化剤ガスが流れても腐食せず、接触電気抵抗の低い優れたセパレータとなり、前記燃料電池20に好適である。
尚、複数の貴金属被覆部5,6は、前記セパレータ用金属板1,1a,1bのように、表・裏面3,4に異相で配置しても良い。また、前記金属板1c〜1fの表・裏面3,4にカーボンの薄膜28,29を被覆した形態としても良い。
図17は、本発明の第2の燃料電池用セパレータ10eを示す斜視図である。係るセパレータ10eは、前記セパレータ用金属板1cの表面3に、複数の貴金属被覆部11と直交する方向に沿って、カーボンからなる複数の棒材30をほぼ平行に形成している。棒材30は、断面が四角形で且つ平坦な頂き面32と一対の側面34,34とを備え、カーボン塗膜、カーボン不織布、または膨張黒鉛などから形成したものである。
複数の平行な棒材30を配置することにより、図17に示すように、表面3には、棒材30の凸条37と棒材30,30間の凹溝38とからなる凹凸部36が形成される。係るセパレータ10eによれば、カーボンからなる各棒材30の頂き面32により、隣接する電極などとの間における接触電気抵抗を低減できる。しかも、各凹溝38の底面に位置する貴金属被覆部11は、金属基板2の耐食性を高めるため、カーボン材(30)との間に発生し易い隙間腐食を防止することで、セパレータ10eの腐食を防止できる。
従って、凹溝38に燃料ガスや酸化剤ガスが流れても腐食せず、接触電気抵抗の低い優れたセパレータとなり、前記燃料電池20に好適である。
尚、カーボンからなる複数の棒材30は、金属基板2の裏面4にも、前記複数の貴金属被覆部12と直交するように配置することも可能である。また、セパレータ用金属板1cに替えて、前記セパレータ用金属板1,1a,1b,1d〜1fの表面3および裏面4の少なくとも一方に複数の棒材30を配置した形態としても良い。
本発明は、前記各実施の形態および実施例に限定されるものではない。
金属基板は、前記ステンレス鋼以外のステンレス鋼やFe基合金、Ni基合金、Fe−Ni系合金、あるいはTi基合金などの表・裏面に不動態皮膜を形成可能な金属や合金を適用することも可能である。
また、貴金属被覆部には、Ag、Pt、Pd、Ir、Rh、Ru、Osや、Au−Pt系、Au−Pd系、Au−Co系合金などを適用しても良く、且つその形成方法には、スパッタリングやイオンプレーティグなどを用いることも可能である。
更に、貴金属被覆部は、長円形、楕円形、正五角形以上の正多角形、変形多角形、台形、ほぼY字形、ほぼ十字形、ほぼ星形、または異形形状などを呈しても良い。
尚、前記セパレータ10aなどは、矩形(長方形または正方形)を呈する金属基板2の中央部に前記凸条8および凹溝9の複数組からなる凹凸部7を形成し、上記金属基板2の周辺部には、ガスケットと接触可能な平坦面または波形断面の凹凸面とした形態として用いられる。また、凹凸部7は、燃料ガスなどがセパレータの一辺寄りから他辺寄りに1つの凹溝9内を流れる形態の他、単数または複数のUターン部を含む複数の凹溝9内を流れる形態(所謂マルチ)としても良い。
本発明のセパレータ用金属板の一形態を示す正面図。 図1のセパレータ用金属板の断面図。 図2の部分拡大図。 異なる形態のセパレータ用金属板を示す正面図。 更に異なる形態のセパレータ用金属板を示す部分正面図。 図1のセパレータ用金属板を用いたセパレータの要部を示す斜視図。 図4のセパレータ用金属板を用いたセパレータの要部を示す斜視図。 別形態のセパレータ用金属板を示す正面図。 図8のセパレータ用金属板を用いたセパレータの要部を示す斜視図。 更に別形態のセパレータ用金属板を示す部分正面図。 別個形態のセパレータ用金属板を示す部分正面図。 別異形態のセパレータ用金属板を示す部分正面図。 上記セパレータを用いた本発明の燃料電池を示す概略断面図。 実施例および比較例のセパレータ用金属板の接触電気抵抗と基板の露出割合との関係を示すグラフ。 更に別異形態のセパレータ用金属板を示す部分断面図。 上記セパレータ用金属板を用いたセパレータの要部を示す断面図。 図8の前記金属板を用いた別形態のセパレータの要部を示す斜視図。
符号の説明
1,1a〜1g……………燃料電池用金属板(セパレータ用金属板)
2……………………………金属基板
3……………………………表面
4……………………………裏面
5,11,13,15,17…表面の貴金属被覆部
6,12,14,16,18…裏面の貴金属被覆部
7……………………………凹凸部
8……………………………凸条
9……………………………凹溝
10a〜10e……………燃料電池用セパレータ
20…………………………固体高分子形燃料電池
23…………………………固体高分子膜
28,29…………………カーボンの薄膜
30…………………………カーボンの棒材
38…………………………凹溝
d……………………………直径/一辺の長さ
s,s′……………………距離

Claims (12)

  1. 金属基板と、係る金属基板の表面および裏面の少なくとも一方に形成され且つ上記金属基板よりも貴な金属からなる複数の貴金属被覆部と、を備え、
    上記複数の貴金属被覆部は、上記金属基板の表面および裏面の少なくとも一方において、互いに離間し且つほぼ等間隔で位置している、
    ことを特徴とする燃料電池用金属板。
  2. 前記複数の貴金属被覆部は、前記金属基板の表面および裏面の双方に形成されていると共に、
    係る表面に形成された複数の貴金属被覆部と裏面に形成された複数の貴金属被覆部とは、上記金属基板の表面と裏面とにおいてほぼ同じ位置に分布しているか、あるいは、上記金属基板の表面と裏面とにおいて互いに異なるように互い違いの位置に分布している、
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用金属板。
  3. 前記金属基板の厚みは、1mm以下であると共に、前記貴金属被覆部の厚みは、1nm〜100nmの範囲にある、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池用金属板。
  4. 前記複数の貴金属被覆部は、前記金属基板の表面および裏面の少なくとも一方において、上記金属基板の厚み方向の視覚でそれぞれ直径0.05mm以上の円形、または少なくとも1辺の長さが0.05mm以上の四角形を呈すると共に、当該複数の貴金属被覆部の面積は、上記表面または裏面の面積の少なくとも10%を占めている、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の燃料電池用金属板。
  5. 前記金属基板の表面および裏面の少なくとも一方において、前記円形または四角形を呈すると共に、互いに隣接する最短距離にある一対の貴金属被覆部間の距離(s,s′)は、個々の貴金属被覆部の直径または一辺の長さ(d)の0.1〜5倍の範囲である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池用金属板。
  6. 前記金属被覆部は、前記金属基板の厚み方向の視覚で、円形、長円形、楕円形、正三角形以上の正多角形、変形多角形、長方形、台形、平行四辺形、ほぼY字形、ほぼ十字形、ほぼ星形、または異形形状を呈する、
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の燃料電池用金属板。
  7. 前記複数の貴金属被覆部は、前記金属基板の表面および裏面の少なくとも一方において、上記金属基板の厚み方向の視覚で、複数の直線部からなる縞模様を呈するか、あるいは、それぞれが交点または交互に位置する格子模様または千鳥模様を呈する、
    ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の燃料電池用金属板。
  8. 請求項1乃至7の何れかにおける複数の貴金属被覆部を形成した前記金属基板の表面および裏面の少なくとも一方に、カーボンの薄膜が更に被覆されている、 ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の燃料電池用金属板。
  9. 請求項1乃至8の何れか一項に記載の燃料電池用金属板からなるセパレータ用金属板と、
    上記セパレータ用金属板に設けられ、表面および裏面の一方が凸条で且つ他方が凹溝となる複数の平行な凹凸部とを備え、
    少なくとも上記凹凸部の凸条の頂き面および凹溝の底面に前記複数の貴金属被覆が位置している、
    ことを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  10. 請求項1乃至8の何れか一項に記載の燃料電池用金属板からなるセパレータ用金属板と、
    上記セパレータ用金属板の表面および裏面の少なくとも一方に形成したカーボンからなる複数の棒材と、
    上記複数の棒材間の凹溝の底面に前記複数の貴金属被覆部が位置している、
    ことを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  11. 前記複数の貴金属被覆の全面積は、前記セパレータ用金属板の表面または裏面の面積の少なくとも10%を占めている、
    ことを特徴とする請求項9または10に記載の燃料電池用セパレータ。
  12. 請求項9乃至11の何れか一項に記載の複数の燃料電池用セパレータと、
    上記複数の燃料電池用セパレータの間に位置する固体高分子膜と、を含む、
    ことを特徴とする固体高分子形燃料電池。
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