JP2005293819A - 情報記録媒体及び情報記録再生装置並びに記録トラックの位相調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 狭トラック化された追記型または書換型の情報記録媒体において、クロストークによるウォブル信号の振幅変動の少ない情報記録媒体を提供する。
【解決手段】 所定のウォブル周期Tで蛇行したスパイラル状の記録トラックを備え、記録トラックが複数のゾーンから構成されており、各ゾーンが所定のウォブル位相で形成されている主たるエリアを有する情報の追記または書換え可能な情報記録媒体おいて、ウォブル周期Tと記録データのチャネルビット長bとの間に、T>80bの関係が成立し、全ての径方向に隣接する記録トラック間で、ゾーン内の主たるエリアにおけるウォブル位相と、当該主たるエリアの内周側または外周側に隣接する記録トラックの領域のウォブル位相との平均位相差dが、d>π/2となるように、記録トラックのウォブル位相を調整する。
【選択図】 図1
【解決手段】 所定のウォブル周期Tで蛇行したスパイラル状の記録トラックを備え、記録トラックが複数のゾーンから構成されており、各ゾーンが所定のウォブル位相で形成されている主たるエリアを有する情報の追記または書換え可能な情報記録媒体おいて、ウォブル周期Tと記録データのチャネルビット長bとの間に、T>80bの関係が成立し、全ての径方向に隣接する記録トラック間で、ゾーン内の主たるエリアにおけるウォブル位相と、当該主たるエリアの内周側または外周側に隣接する記録トラックの領域のウォブル位相との平均位相差dが、d>π/2となるように、記録トラックのウォブル位相を調整する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、情報記録媒体及び情報記録再生装置並びに記録トラックの位相調整方法に関し、特に、ウォブル溝を有する高密度記録可能な情報記録媒体及び情報記録再生装置並びに記録トラックの位相調整方法に関する。
情報記録媒体の一つである光ディスクの分野では、スタンパに予め形成されたプリピットを成型プロセスで転写させるだけで大容量の記録情報が安価で複製できるCDやDVD等のROM媒体が広く普及している。また、ROM媒体と再生互換を有するCD−R,DVD−R等の追記型やCD−RW,DVD−RW等の書き換え型媒体も同様に広く普及している。
しかしながら、情報記録媒体の技術分野では、情報化社会の進展と共に記録密度の向上がますます重要な技術的課題になっている。そこで、情報トラックに沿った線記録密度の改善とトラックピッチの狭小化とにより面記録密度の改善を図るために、記録再生時のレーザ光源に青紫レーザを用い、レーザ波長を短くすることによりレーザ光のスポット径を縮小化して、記録密度の向上を図った光ディスク、例えばHD DVDの媒体規格等が提案されている。
HD DVDのうち書換型媒体では、トラックピッチ340nm(溝間隔680nm)の狭トラック化が実現され、ランドグルーブ構造が採用されている。書換型のHD DVDに対しては、波長405nmのレーザ光源及び対物レンズの開口数0.65の対物レンズを備えた情報記録再生装置で、ランド及びグルーブのそれぞれに情報が記録される。この際、PRML(パーシャルレスポンスと最尤符号の組み合わせ)を採用することにより、最短ビット長130〜140nmの高線密度を実現することができ、CDサイズで記録容量20GBの大容量化が達成されている。
一方、HD DVDのうち再生専用のROM媒体では、情報を凹凸ピットで記録するため、ランドグルーブ構造を採用することが難しい。それゆえ、HD DVDのROM媒体のトラックは、上記書換型のHD DVDよりやや広いトラックピッチ400nmで構成される。また、HD DVDのROM媒体の最短ビット長は、マスタリング作製を容易にするために、上記書換型のHD DVDよりやや長いビット長150nmで構成される。このようなスペックのHD DVDのROM媒体では、CDサイズで記録容量15GBの大容量化が達成されている。なお、上述の通りHD DVDのROM媒体は書換型のHD DVDより線記録密度が低いが、書換型のHD DVDとの信号再生処理を共通化させるためにPRML方式を用いることが望ましい。
上述のHD DVDのROM媒体と互換性を確保しつつ、追記または書換型のHD DVDを実現するためには、未記録でもアドレスを認識する必要がある。従来、予め決められた法則に従い、溝を蛇行させることにより情報記録媒体のアドレスを表現する方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
アドレスを表現するためのウォブルの変調方式は、簡単で且つ検出精度が高い位相変調が望ましい。このような方式は、CDと同一サイズであり、記録容量4.7GBを有するDVD+R、DVD+RWディスク等に採用されている。
ユーザの利便性を考えると、上述したHD DVDのROM媒体と再生互換を有する追記型または書換型のHD DVDの実現は必須である。しかしながら、このような追記型または書換型のHD DVDを実現するためには、仕様上の問題や狭トラック化に伴い発生する問題(クロストーク等の問題)など様々な問題を解決する必要がある。そこで、本発明の目的は、追記型または書換型のHD DVDのような高密度記録可能な(狭トラック化された)情報記録媒体に最適な記録トラックを有する情報記録媒体及びその記録再生装置を提供することである。
本発明の第1の態様に従えば、所定のウォブル周期Tで蛇行した記録トラックがスパイラル状に形成されており、該記録トラックが複数のゾーンから構成されており、各ゾーンが所定のウォブル位相で形成されている主たるエリアを有する情報の追記または書換え可能な情報記録媒体において、上記ウォブル周期Tと記録データのチャネルビット長bとの間に、T>80bの関係が成立し、全ての記録トラックで、上記ゾーン内の主たるエリアにおけるウォブル位相と、当該主たるエリアの内周側または外周側に隣接する記録トラックの領域のウォブル位相との平均位相差dが、d>π/2となるように、所定のゾーンのウォブル位相が調整されていることを特徴とする情報記録媒体が提供される。
本発明の第1の態様に従う情報記録媒体では、上記平均位相差dがd>π/2となるように、所定のゾーンの長さが調整されていることが好ましい。
本発明の第1の態様に従う情報記録媒体では、上記ゾーン内の主たるエリア以外のエリアのウォブル位相が上記主たるエリアのウォブル位相と逆相であり、上記ゾーンの長さがT/2の整数倍であることが好ましい。
本発明の第1の態様に従う情報記録媒体では、周方向に隣接する所定のゾーン間で、主たるエリアに形成されているウォブルの位相が互いに逆相であることが好ましい。
本発明の第1の態様に従う情報記録媒体では、上記ゾーン内の主たるエリア以外の少なくとも一部のエリアのウォブル振幅が、上記主たるエリアのウォブル振幅と異なることが好ましい。
また、本発明の第1の態様に従う情報記録媒体では、上記ゾーン内の周方向の一方の端部に、当該ゾーンの境界を示す識別子が設けられていることが好ましい。
本発明の第2の態様に従えば、所定のウォブル周期Tで蛇行した記録トラックがスパイラル状に形成されており、該記録トラックが複数のゾーンから構成されており、各ゾーンが所定のウォブル位相で形成されている主たるエリアを有する情報の追記または書換え可能な情報記録媒体において、上記ウォブル周期Tと記録データのチャネルビット長bとの間に、T>80bの関係が成立し、全ての記録トラックで、上記ゾーン内の主たるエリアにおけるウォブル位相と、当該主たるエリアの内周側または外周側に隣接する記録トラックの領域のウォブル位相との平均位相差dが、d>π/2となるように、所定のゾーンのウォブル位相が反転していることを特徴とする情報記録媒体が提供される。
本発明の第2の態様に従う情報記録媒体では、上記ゾーン内の周方向の一方の端部に、該端部と隣接するゾーンのウォブル位相に関する情報を表わす識別子が設けられていることが好ましい。
また、本発明の第2の態様に従う情報記録媒体では、上記ゾーンの長さがECCブロック単位の1/n倍(nは整数)であることが好ましい。
HD DVDにおいて、ROM媒体との互換性を確保しつつ、追記型または書換型媒体を実現するためには、上述のように未記録でも情報記録媒体のアドレスを認識する必要があり、そのためには予め決められた法則に従い、トラック溝を蛇行させて、情報記録媒体のアドレスを表現する方式を採用することが好ましい。また、追記型のHD DVDにおけるアドレス検出の簡素化のためには、書換型のHD DVDで採用されている位相変調型のウォブルアドレス表記を採用することが好ましい。さらに、追記型のHD DVDでは、HD DVDのROM媒体との互換性を確保するためにはCLV記録が望ましい。
しかしながら、記録方式にCLV記録を採用した場合、径方向に隣接するトラック間で様々なウォブルの位相関係が存在する。また、追記型のHD DVDの溝間隔を、HD DVDのROM媒体に合わせて、0.4μm程度に狭トラック化すると、隣接トラックからのクロストークの影響が大きくなる。それゆえ、CLV記録を採用した追記型のHD DVDで溝間隔を0.4μm程度にすると、径方向に隣接するトラック間で様々なウォブルの位相関係が存在するので、媒体内の位置によりクロストークの影響の度合いも異なるという問題が生じる。
上記問題を図2を用いて具体的に説明すると、狭トラック化された媒体にCLV記録した場合、例えば、図2(a)に示すようなウォブル溝からウォブル信号を検出すると、理想的なウォブル信号波形は図2(b)に示すような信号波形となる。なお、図2(a)中の領域20のウォブル位相に対してウォブル位相が反転している領域21は、例えばアドレスが記録されているような領域である。しかしながら、上述のようにCLV記録では情報記録媒体内の位置によっては、径方向に隣接するトラック間におけるウォブルの位相関係は異なるので、隣接トラックからのクロストークの影響も異なる。それゆえ、同じウォブルパターンの記録トラックであっても、情報記録媒体内の位置によっては、図2(c)に示すようなウォブル信号が検出されたり、図2(d)に示すようなウォブル信号が検出されたりする。すなわち、例えば図2中の領域20から得られるウォブル信号の振幅が、情報記録媒体内の位置によって大きく変動する。具体的には、ウォブル信号振幅の最小値と最大値の比率が2倍以上となることが分かった。ただし、図2(c)及び(d)では、領域20内と、領域20に対してウォブル位相が反転している領域21内では、それぞれウォブル信号の振幅が一定である例を示したが、一般には、領域20及び21内おいても、径方向に隣接するトラックの領域とのウォブル位相の関係が異なるので、それぞれの領域内でもウォブル信号の振幅が変化する。
また、図2(c)及び(d)に示すように、情報記録媒体内の位置によっては、ウォブル信号の振幅が大きく変動する原因について詳しく解析した結果、所定の記録トラックのウォブル位相と、その径方向の両側に隣接する記録トラックのウォブル位相とが、ほぼ同位相の場合にウォブル信号の振幅が最小になり、ほぼ逆位相の場合にはウォブル信号の振幅が最大になることが分かった。
さらに、所定の記録トラックをトラックnとし、その内周側及び外周側に隣接する記録トラックをそれぞれトラックn−1及びトラックn+1として、幾何解析を行った結果、トラックn−1からトラックnに至るスパイラルトラックのトラック長L0と、トラックnからトラックn+1に至るスパイラルトラックのトラック長L1がウォブル周期Tのほぼ整数倍となる時、所定の記録トラックのウォブル位相とその記録トラックの径方向の両側に隣接する記録トラックのウォブル位相とがほぼ同位相になることが分かった。
上述のような径方向に隣接する記録トラック間のウォブルの位相関係により生ずる問題(クロストークの問題)を解決するためのひとつの方法としては、トラックピッチをPとした場合に、ウォブル周期Tを約4πP程度にする方法が挙げられる。ウォブル周期TとトラックピッチPとの間にこのような条件を満足させることにより、ある任意の記録トラックnにおいて、内周側のトラックn−1からトラックnにいたるスパラル状のトラック長さL0がウォブル周期Tの整数倍になったとしても、幾何学的にはトラックnからトラックn+1に至るスパイラルトラックのトラック長L1はL1=L0+2πP=L0+T/2となるので、トラックnのウォブル位相とトラックn+1のウォブル位相とは逆位相になる。
それゆえ、ウォブル周期TとトラックピッチPとの間に上述のような条件(T≒4πP)を満足させることにより、所定トラックのウォブル位相とその径方向に隣接する両側トラックのウォブル位相とがともにほぼ同位相あるいは逆位相になることが無いので、情報記録媒体全域に渡ってクロストークの影響を均一化することができ、クロストークによるウォブル信号の振幅変動を低減することができる。このウォブルの構成条件をトラックピッチPが0.4μmである追記型のHD DVDに採用すると、ウォブル周期TをT≒4πP=5μmとすることによりウォブル信号の振幅変動を低減することができる。
一方、上述したように追記型のHD DVDでは、書換型との読み取り互換性を確保するために、パーシャルレスポンス方式を採用することが望ましい。しかしながら、この場合、ウォブル周期Tが短くなると、次のような問題が生じる。パーシャルレスポンス方式は、和信号のレベルを多値化して信号記録密度を向上させるものであるので、和信号のレベル変動を低く押さえる必要がある。それゆえ、記録トラックにウォブルが形成されていると、そのウォブル周期で和信号がレベル変動して、誤検出を生じさせるおそれがある。そのような誤検出を防止するためには、ウォブルによる和信号のレベル変動をハイパスフィルターで除去する必要がある。しかしながら、そのためにはデータ信号の周波数に対して、ウォブル信号の周波数を十分低くする必要がある。
HD DVDでは、PR(1,2,2,2,1)を採用し、且つ変調方式はETM変調を採用している。それゆえ、最長のデータ長は11b(bはチャネルビット長)となり、長さ11bのマークと長さ11bのスペースの周期信号、すなわち、最長20b程度のデータの周期信号が発生する。ハイパスフィルターで、データの周期信号を完全に透過させ、且つウォブル信号を完全に遮断するための条件としては、ハイパスフィルターのカットオフ周波数をデータの最長周期の約2倍とし、且つウォブル周期の約1/2にすることが好ましい。それゆえ、ウォブル周期をTとすると、ウォブル周期Tをデータの最長周期(20b)の約4倍以上、すなわち、ウォブル周期T≧80bの関係を満足させることが望ましい。
15GBの記録容量を有する追記型HD DVDでは、ビット長が150nmとなるが、ETM変調を採用しているのでチャネルビット長bはビット長の2/3倍である100nmとなる。それゆえ、上述したパーシャルレスポンス方式を採用した際の問題を解決するためには、ウォブル周期Tを80b=8000nm=8μm以上とする必要がある。しかしながら、上述したようにクロストークによるウォブル信号の振幅変動の低減条件はウォブル周期T≒5μmであるので、両者の条件を同時に満足させることができない。すなわち、追記型HD DVDでは、クロストークによるウォブル信号の振幅変動を低減するためにウォブル周期T≒5μmとすると、データ信号とウォブル信号を完全に帯域分離することができない。逆に、データ信号とウォブル信号を完全に帯域分離するために、ウォブル周期Tを8μm以上とすると、クロストークによるウォブル信号の振幅変動を低減することができない。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、高密度記録可能な(狭トラック化された)追記型または書換型の情報記録媒体において、パーシャルレスポンス方式を採用するためにウォブル周期Tを十分に大きくしても、クロストークによるウォブル信号の振幅変動が低減できる情報記録媒体を提供することである。
本発明の情報記録媒体は、所定のウォブル周期T(μm)で蛇行した記録トラックがスパイラル状に形成された追記または書換え可能な情報記録媒体である。また、本発明の情報記録媒体は、例えば、図3に示すように、記録トラックが複数のゾーンから構成され、各ゾーンには、主に一部のウォブル領域の位相が反転している領域(図4中ではアドレス情報を含む領域31やPA領域33)と、ウォブル位相が反転しない領域、すなわち、所定のウォブル位相でウォブルが形成されている領域(図4中ではユニティ領域32)とから構成される。
本明細書では、ゾーン内の大部分を占める所定のウォブル位相(順相または逆相)で形成されたウォブル領域を主たるエリアと呼ぶ。例えば、図3の例では、ユニティ領域32、アドレス情報を含む領域31中のウォブル領域36及びPA領域33中のウォブル領域38がゾーン内の大部分を占める同相のウォブル領域であるので、これらの領域が主たるエリアとなる。それらの領域とウォブル位相が逆相となるアドレス情報が記録された領域37やゾーンの境界等を示す識別子39の領域は主たるエリアには含まれない。
本発明の情報記録媒体では、パーシャルレスポンス方式を採用するために記録トラックのウォブル周期をT(μm)を追記または書換え可能なデータのチャネルビット長b(μm)に対して十分長くした場合であっても、具体的にはT>80bとした場合であっても、クロストークによるウォブル信号の振幅変動が低減されるように、情報記録媒体のほぼ全域に渡って径方向に隣接するトラック間のウォブル位相の平均位相差dがπ/2より大きくなるように(径方向に隣接するトラック間のウォブル位相がより逆相の関係に近づくように)、適宜所定ゾーンのウォブル位相が調整されている。ただし、本明細書でいう平均位相差dとは、1トラック当たりのウォブル位相差の平均値とするが、本発明はこれに限定されず、例えば、ゾーン単位の平均値としても良い。
本発明の情報記録媒体の記録トラックのウォブル構成について、図1を用いて簡単に説明する。図1には、n番目のトラック(以下では、トラックnという)内の所定ゾーンの主たるエリアの一部の領域11と、その領域11の内周側及び外周側にそれぞれ隣接するn−1番目及びn+1番目のトラックの領域10及び12とのウォブル位相の関係を示した図である。また、図1(a)〜(c)には、破線位置Aにおけるトラックnとトラックn−1とのウォブル位相差、並びに、トラックnとトラックn+1とのウォブル位相差も示した。
上述のように、CLV記録方式では、情報記録媒体内の位置によっては、図1(a)に示すように、トラックn内の領域11のウォブル位相と、その領域11の外周側及び内周側にそれぞれ隣接するトラックn+1の領域12及びトラックn−1の領域10のウォブル位相とがほぼ同位相(図1(a)の例は、共に位相差を0.05πとした)となる場合がある。図1(a)に示すようなウォブルの位相関係が存在するトラックnの領域11からウォブル信号を検出すると、隣接トラックからのクロストークの影響によりウォブル信号の振幅が小さくなる。しかしながら、本発明の情報記録媒体では、情報記録媒体の記録トラック全域に渡って、図1(b)または(c)のように、トラックnの領域11とトラックn−1の領域10とのウォブル位相差、並びに、トラックnの領域11とトラックn+1の領域12とのウォブル位相差がともにπ/2より大きくなるように、記録トラックのウォブル位相が調整されている。図1(b)及び(c)の例では、破線位置Aにおける位相差が共に1.05π(ほぼ逆相)となるように調整されている。
径方向に隣接する記録トラック間のウォブル位相の位相差を調整方法の手順は次の通りである。まず、径方向に隣接する記録トラック間のウォブル位相差dを求める。次いで、ウォブル位相差dがd≦π/2となる径方向に隣接する記録トラック間では、ウォブル位相差dがd>π/2となるように、径方向に隣接する記録トラックの少なくとも一方の記録トラック内の所定ゾーンのウォブル位相に所定の位相を付加する。次いで、上記手順を情報記録媒体の全記録トラックに対して行う。記録トラック内の所定のゾーンのウォブル位相に所定の位相を付加する具体的な方法としては、所定のゾーンの長さを調整する方法や、所定のゾーンのウォブル位相をゾーン単位で反転させる方法が考えられる。
図1(b)は、ゾーン長を調整することにより隣接する記録トラック間のウォブル位相差を調整する方法を示した図である。図1(b)の例では、トラックn−1の領域10を含むゾーンの最後尾に半周期分(T/2)のウォブル(不図示)を追加し、さらに、トラックnの領域11を含むゾーンの最後尾に半周期分のウォブル(不図示)を追加した場合である。トラックn−1の領域10を含むゾーンの最後尾に半周期分のウォブルを追加すると、トラックnの領域11のウォブル位相がトラックn−1の領域10に対して相対的に半周期分の位相(π(rad))だけずれる。その結果、図1(b)に示すように、破線位置Aにおけるトラックnとトラックn−1とのウォブル位相差dはd=0.05π+π=1.05πとなり、ほぼ逆相の関係になる。同様に、トラックnの領域11を含むゾーンの最後尾に半周期分のウォブルを追加すると、トラックn+1の領域12のウォブル位相がトラックnの領域11に対して相対的に半周期分の位相(π(rad))だけずれる。その結果、図1(b)に示すように、破線位置Aにおけるトラックnとトラックn+1とのウォブル位相差dはd=0.05π+π=1.05πとなり、ほぼ逆相の関係になる。
また、図1(c)は、所定のゾーンをゾーン単位でウォブル位相を反転することにより、記録トラックのウォブル位相を調整する方法を示した図である。図1(c)の例では、トラックnの領域11’を含むゾーンのウォブル位相を反転した場合を示した。図1(c)のようにトラックnの領域11’を含むゾーンのウォブル位相を反転させると、図1(c)に示すように、破線位置Aにおけるトラックnとトラックn−1とのウォブル位相差dはd=0.05π+π=1.05πとなり、ほぼ逆相の関係になる。同様に、破線位置Aにおけるトラックnとトラックn+1とのウォブル位相差dもd=0.05π+π=1.05πとなり、ほぼ逆相の関係になる。
図1(b)または(c)に示すようなウォブル位相の調整を、記録トラックの形成時に、情報記録媒体の全記録トラックに対して行うことにより、全ての記録トラックで、ゾーン内の主たるエリアにおけるウォブル位相と、当該主たるエリアの内周側または外周側に隣接する記録トラックの領域のウォブル位相との平均位相差dが、d>π/2となるようなウォブル構造を有する情報記録媒体を作製することができる。なお、所定のゾーンの長さを調整する方法(図1(b)の方法)と、所定のゾーンの位相をゾーン単位で反転させる方法(図1(c)の方法)とを、適宜組み合わせて径方向に隣接するトラック間のウォブル位相差を調整しても良い。
上述のように、本発明の情報記録媒体では、全ての記録トラックで、ゾーン内の主たるエリアにおけるウォブル位相と、当該主たるエリアの内周側または外周側に隣接する記録トラックの領域のウォブル位相との平均位相差dが、d>π/2となるようなウォブル構造を有するので、主たるエリアから得られるウォブル信号の振幅が大きくなるとともに、情報記録媒体の全域に渡って、主たるエリアからのウォブル信号の振幅もほぼ同じ大きさとなり、ウォブル信号の振幅変動を抑制することができる。具体的には、本発明の情報記録媒体では、情報記録媒体の全記録トラックにおいて、例えば、図2(d)のようなウォブル信号が安定して得られる。
また、本発明の報記録媒体では、上述のように情報記録媒体の全記録トラックで、主たるエリアのウォブル位相と、主たるエリアと径方向に隣接する領域のウォブル位相との平均位相差dがd>π/2(rad)となるように調整されているが、主たるエリア以外の領域(主たるエリアのウォブル位相と逆相となる領域)、例えば、アドレス領域の一部の領域では、その領域のウォブル位相と、その領域と径方向に隣接する領域のウォブル位相との平均位相差d’はd’<π/2(rad)となる。そのため、主たるエリアと、主たるエリア以外の領域とでは隣接するトラックからのクロストークの影響の度合いが異なるため、これらの領域から得られるウォブル信号の振幅もそれぞれ異なる。
それゆえ、情報記録媒体の全領域に渡ってほぼ同じ振幅のウォブル信号を得るためには、各ゾーンの主たるエリアのウォブル振幅に対して、主たるエリア以外の領域(主たるエリアのウォブル位相と逆相となる領域)の少なくとも一部のウォブル振幅を異なる大きさにすることが好ましい。このように、主たるエリアのウォブル位相と逆相となる領域のウォブル振幅を適宜調整することにより、例えば、図2(e)の破線に示すように、ほぼ均一の振幅を有するウォブル信号を得ることができる。すなわち、情報記録媒体再生装置で再生されるウォブル信号の振幅の均一性が改善される。
本発明の第3の態様に従えば、所定のウォブル周期で蛇行した記録トラックがスパイラル状に形成されており、該記録トラックが複数のゾーンから構成されており、各ゾーンが所定のウォブル位相で形成されている主たるエリアを有し、周方向に隣接する所定のゾーン間で主たるエリアに形成されているウォブルの位相が互いに逆相である情報の追記または書換え可能な情報記録媒体に対して情報の記録または再生するための情報記録再生装置であって、スピンドルと、上記情報記録媒体からウォブル信号を検出する検出器と、上記検出されたウォブル信号に基いて、上記スピンドルの回転数を制御する制御装置とを備える情報記録再生装置が提供される。
本発明の第3の態様に従う情報記録再生装置では、上記制御装置が、上記検出されたウォブル信号の周波数を偶数倍する回路を含むことが好ましい。
本発明の第3の態様に従う情報記録再生装置では、上記制御装置が、上記検出されたウォブル信号を2値化する回路を含むことが好ましい。
本発明の情報記録媒体の記録トラックでは、上述のように、ゾーン内の主たるエリアとそれ以外の領域とではウォブル位相が反転している。そのため、本発明の情報記録媒体では、ゾーン内の主たるエリアとそれ以外の領域からのウォブル信号の位相が反転する。また、特に、本発明の第2の態様に従う情報記録媒体では、径方向に隣接するトラック間のウォブル位相の関係を調整するために、適宜ゾーン単位でウォブル位相が反転しており、周方向に隣接するゾーン間で主たるエリアのウォブル位相が逆相となる領域が存在する。そのため、第2の態様に従う情報記録媒体では、ゾーン内の主たるエリアとそれ以外の領域からのウォブル信号の位相が反転するだけでなく、主たるエリアからのウォブル信号の位相もゾーン間で反転する。すなわち、本発明の情報記録媒体から検出されるウォブル信号は場所によって順相または逆相となるので、このようなウォブル信号を用いてスピンドルの回転数を制御(CLV制御)する際には、何らかの工夫が必要となる。その一例を図7に示す。
図7に示した情報記録再生装置70では、スピンドル71の回転を制御するための制御装置76に、ウォブル信号の周波数を偶数倍にするマルチプライヤー77が含まれる。ローパスフィルタ75を通過した後のウォブル信号S1(図7(b)上段の信号)をマルチプライヤー77に入力すると、ウォブル信号S1は偶数倍化(図7の例では2倍化)され、図7(b)に示すように、主たるエリア101からのウォブル信号も、主たるエリア以外の領域102(ウォブル位相が反転している領域)からのウォブル信号も同相のウォブル信号S2(位相反転のないウォブル信号)に変換される(図7(b)中段の信号)。すなわち、順相及び逆相のいずれのウォブル信号S1が検出されても、マルチプライヤー77により、同相のウォブル信号S2に変換される。このウォブル信号S2を2値化回路78で2値化した信号S3(図7(b)下段の信号)をPLL回路79に入力すると、その入力信号に基いてPLL回路79から所定のクロック信号が生成され、モータドライバー72を介してスピンドル71の回転数を制御(CLV制御)することができる。
また、本発明の第3の態様に従う情報記録再生装置の別の例を図8に示す。図8に示した情報記録再生装置80では、スピンドル71の回転を制御するための制御装置86に、ウォブル信号S1を2値化する2値化回路87が含まれる。ローパスフィルタ75を通過した後のウォブル信号S1(図8(b)上段の信号)が2値化回路87に入力されると、ウォブル信号S1は、図8(b)の中段に示すような2値化信号S2’に変換される。次いで、この2値化信号S2’のエッジ検出を行うと、図8(b)の下段に示すような2値化信号S3’が得られる。図8(b)の下段に示すような2値化信号S3’は、図7(b)の下段に示した2値化信号S3と同じ周期の2値化信号となる。それゆえ、図8(b)の下段に示すような2値化信号S3’をPLL回路89に入力することにより、図7の情報記録再生装置と同様に、PLL回路89でスピンドル71の回転数をモータドライバー72を介して制御することができる。
図7及び8に示すような制御装置を備える情報記録再生装置を用いると、径方向に隣接するトラック間のウォブル位相関係を調整するために、本発明の第2の態様に従う情報記録媒体のように、適宜ゾーン単位でウォブル位相を反転させた情報記録媒体に対しても、主たるエリアからのウォブル信号に基いてCLV制御をすることが可能になる。
本発明の第4の態様に従えば、所定のウォブル周期で蛇行した情報トラックが形成された情報記録媒体に対して情報を記録または再生するための情報記録再生装置において、光ピックアップと、上記情報記録媒体からウォブル信号を検出する装置と、上記情報記録媒体内の所定の情報トラックのウォブル位相と、該所定の情報トラックの径方向の両側に隣接する情報トラックのウォブル位相とがほぼ逆相となる領域、または、該所定の情報トラックの径方向の両側に隣接する情報トラックにウォブルが形成されていない領域を検出する装置と、上記領域からのウォブル信号に基いて、上記光ピックアップの上記情報記録媒体に対する相対的な傾きを補正する収差補正装置とを備える情報記録再生装置が提供される。
本発明の第4の態様に従う情報記録再生装置では、上記収差補正装置が、上記ウォブル信号のピーク値を用いて演算することにより、上記光ピックアップの上記情報記録再生装置に対する相対的な傾きの補正量を決定することが好ましい。
本発明の第4の態様に従う情報記録再生装置における光ピックアップの情報記録媒体に対する相対的な傾きの補正原理は次の通りである。光ピックアップが情報記録媒体に対して相対的に傾いている場合、記録トラックから得られるウォブル信号の2つのピーク値(最大値P1及び最小値P2)を加算すると、その値が0からオフセットする。それゆえ、収差補正装置でウォブル信号のピーク値の加算値(P1+P2)が0になるように光ピックアップまたは情報記録媒体の傾きを制御することにより、光ピックアップの情報記録媒体に対する相対的な傾きを補正することができる。
特に、本発明の情報記録媒体では、上述のように情報記録媒体の全記録トラックにおいて、ゾーン内の主たるエリアにおけるウォブル位相と、その主たるエリアの内周側または外周側に隣接する記録トラックの領域のウォブル位相との平均位相差d(rad)が、d>π/2となるように調整されている。それゆえ、本発明の情報記録媒体では、図1(b)及び(c)に示すように、径方向に隣接するトラック間で、ウォブルの位相関係がほぼ逆相となる領域が多くなる。そのような領域では、上述のように大きな振幅のウォブル信号が得られるので、上述のウォブル信号のピーク値を用いた補正方法で、容易に光ピックアップの情報記録媒体に対する相対的な傾きを補正することが可能になる。なお、本発明の情報記録再生装置では、ウォブルが形成された所定のトラックの径方向の両側に隣接するトラックにウォブルが形成されていない領域を検出し、その領域からウォブル信号に基いて光ピックアップの情報記録媒体に対する相対的な傾きを補正しても良い。
本発明の第5の態様に従えば、所定のウォブル周期Tで蛇行した記録トラックがスパイラル状に形成されており、該記録トラックが複数のゾーンから構成されている情報の追記または書換え可能な情報記録媒体の記録トラックの位相調整方法であって、径方向に隣接する記録トラック間のウォブル位相差dを求めることと、上記ウォブル位相差dがd≦π/2となる径方向に隣接する記録トラック間で、上記ウォブル位相差dがd>π/2となるように、当該径方向に隣接する記録トラックの少なくとも一方の記録トラック内の所定ゾーンのウォブル位相に所定の位相を付加することとを含む記録トラックの位相調整方法が提供される。
本発明の情報記録媒体によれば、ウォブル周期Tと記録データのチャネルビット長bとの間に、T>80bの関係が満たされているので、パーシャルレスポンス方式を採用し且つETM変調を用いた場合であっても、ウォブル信号と情報記録信号とを完全に帯域分離でき、品質の良いウォブル信号及び再生信号を得ることができる。また、それと同時に、本発明の情報記録媒体によれば、全ての記録トラックで、ゾーン内の主たるエリアにおけるウォブル位相と、その主たるエリアの内周側または外周側に隣接する記録トラックの領域のウォブル位相との平均位相差d(rad)が、d>π/2となるように、所定ゾーンのウォブル位相が調整されているので、情報記録媒体のほぼ全域に渡って、クロストークより生じるウォブル信号の振幅変動を抑制することができ、ウォブル検出特性が安定する。例えば、情報記録媒体の全記録トラックにおいて、ウォブル信号波形として図3(c)に示すような波形を維持することでき、ウォブル検出特性が安定する。
また、本発明の情報記録媒体において、ゾーン内の主たる領域以外の領域のウォブル位相を主たるエリアのウォブル位相と逆相にすると、ウォブル信号の発生パターンは同一の周波数で、順相と逆相の二つのみになりウォブル信号の検出が容易になる。また、各ゾーンの長さをT/2(T:ウォブル周期)の整数倍にすることにより、ゾーンの切り換え部におけるウォブル信号波形のあまりが生じない。
また、本発明の情報記録媒体において、周方向に隣接する所定のゾーン間で主たるエリアのウォブル位相が互いに逆相になるように記録トラックを構成することにより、主たるエリアからのウォブル信号は順相及び逆相のいずれかになるので、すべてのゾーンにおいてウォブル信号の検出が容易になる。
さらに、本発明の情報記録媒体において、ゾーン内の主たるエリアのウォブル位相と逆相となる領域のウォブル振幅を、主たるエリアのウォブル振幅と異なる大きさにすることにより、隣接するトラックからのクロストークの影響の度合いを均一化することができ、主たるエリアからのウォブル信号の振幅と主たるエリア以外の領域からのウォブル信号の振幅とを同じ大きさにすることができる。それゆえ、そのような構成の情報記録媒体では、情報記録媒体全域に渡ってほぼ同じ振幅のウォブル信号波形を得られる。例えば、ゾーン内の主たるエリアのウォブル位相と逆相となる領域のウォブル振幅を適宜調整することにより、図2(e)の破線に示すように、ほぼ均一の振幅を有するウォブル信号波形を得ることができる。
本発明の情報記録再生装置によれば、ウォブル信号に基いてスピンドルの回転を制御する制御装置を備えるので、本発明の情報記録媒体のように、ウォブル位相の異なる領域を有する媒体に対しても容易にCLV制御することができる。
また、本発明の情報記録再生装置の制御装置内にウォブル信号の周波数を偶数倍する回路を設けた場合には、順相及び逆相のいずれのウォブル信号が検出されても、ウォブル信号の周波数を偶数倍する回路により同相のウォブル信号に変換されるので、スピンドルの回転数を容易に制御(CLV制御)することができる。それゆえ、このような構成にした情報記録再生装置では、例えば、図1(c)に示すように、所定のゾーンのウォブル位相を反転させた情報記録媒体に対しても容易にCLV制御が可能となる。
また、本発明の情報記録再生装置の制御装置内にウォブル信号を2値化する回路を設けた場合には、ゾーン間で主たるエリアのウォブル位相が反転していても、全て2値化信号に変換されるので、その2値化された信号に基いて容易にスピンドルの回転数を制御(CLV制御)することができる。それゆえ、このような構成にした情報記録再生装置では、例えば、図1(c)に示すように、所定のゾーンのウォブル位相を反転させた情報記録媒体に対しても容易にCLV制御が可能となる。
本発明の情報記録再生装置よれば、ウォブル信号に基いて光ピックアップの情報記録媒体に対する相対的な傾きを補正するための収差補正装置を備えるので、光ピックアップが情報記録媒体に対して相対的に傾いていても、その傾きを容易に補正しつつ、情報の記録再生を行うことができる。
なお、ウォブルによりアドレスを表記する方式そのものは、本発明の本質では無いので、その詳細な説明は省略するが、本発明の情報記録媒体では、ゾーン内で主たるエリアのウォブルが同位相で構成されているのが必須要件であり、例えば、ECMA−349で紹介されているような、ADIP方式が有効である。
以下に、本発明の情報記録媒体及び情報記録再生装置について、図面を参照しながら具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
実施例1では、図1(b)に示すように、記録トラックを構成する複数のゾーンのうち、所定のゾーンの長さを調整することにより、情報記録媒体のほぼ全域に渡って径方向に隣接するトラック間のウォブル位相差がπ/2より大きくなるように記録トラックのウォブル位相が調整された情報記録媒体を作製した。
実施例1の情報記録媒体におけるi番目の記録トラック(以下、単にトラックiという)のデータフォーマット及びウォブルの概略構成図を図3及び4に示した。図3には、トラックiのデータフォーマット及びトラックiを構成するゾーンのウォブル構成を示した。図4は、ゾーン切り換え部の拡大図である。また、図3(d)には、比較のためにウォブル位相を調整する前のゾーンのウォブル構成を示し、図3(e)には、この例のゾーンのウォブル構成(ウォブル位相を調整した後のウォブル構成)を示した。なお、ここでは、トラックiを図3(d)に示したウォブル構成で形成した場合(ウォブル位相を調整しなかった場合)には、トラックiの主たるエリアのウォブル位相と、そのエリアの外周側または内周側に隣接するトラックi+1及びi−1(不図示)の領域のウォブル位相との平均位相差dがd≒0または2π(ほぼ同位相)となるものとする。
この例の情報記録媒体30では、図4に示すように、ウォブル周期T=9μmで蛇行した記録トラックをスパイラル状に形成した。なお、この例では、図4に示した記録データ42(記録マーク)のチャネルビット長bをb=0.1μmとした。すなわち、この例の情報記録媒体30では、ウォブル周期T=90bとなる情報記録媒体30を作製した。
この例の情報記録媒体30における記録トラックは、図3(a)に示すように、複数のデータセグメントから構成され、この例では、各データセグメントを1つのECCブロック単位長さで形成した。また、この例では、各データセグメントを、図3(b)に示すように、8つのゾーン(ゾーン0〜7)で構成した。なお、1ゾーンの長さがT/2(T:ウォブル周期)の整数倍となるように設定した。さらに、この例では、例えば、図3(b)中のゾーン7は、図3(c)に示すように、主にアドレス情報を含む領域31(SYNC領域も含む)、ユニティ領域32及びPA領域33で構成した。なお、図3(d)及び(e)中の実線部40’及び40はゾーン切り換え部である。
ユニティ領域32では、ゾーン7の大部分を占める所定のウォブル位相で形成されたウォブルが形成されており、このユニティ領域32内ではウォブル位相の反転はなく、同相のウォブルが形成されている。
アドレス情報を含む領域31には、図3(e)に示すように、ウォブル位相がユニティ領域32と同相のウォブル領域36と、逆相のウォブル領域35及び37とが形成されている。領域31中のウォブル領域37にはアドレス情報が記録されており、ウォブルの位相をウォブル領域36に対して反転させることによりアドレス情報が記録されている。この例のアドレス表記方式は、例えば、ECMA−349に記載されているアドレス表記に準じている。具体的には、ユニティ領域32のウォブルと同一周期で同相のウォブルと逆相のウォブルとの組み合わせによりアドレス情報が記録されている。
また、PA領域33内のデータセグメントN+1のゾーン41側の境界領域付近には、図3(e)に示すように、ゾーン7の境界を示す識別子39を設けた。この識別子39は、図3(e)に示すように、ウォブル位相を、PA領域33内のユニティ領域32と同相の領域38に対して反転させることにより記録した。
なお、この例の情報記録媒体30では、ユニティ領域32、アドレス情報を含む領域31内の領域36及びPA領域33内のウォブル領域38のウォブル位相が同相であり、これらの領域のウォブル位相がゾーン7の大部分を占めるウォブル位相となるので、これらの領域がこの例の情報記録媒体30のゾーン内の主たるエリアとなる。主たるエリアのウォブル位相と逆相の関係にあるアドレス情報、識別子等を示すウォブル領域35、37及び39は、主たるエリアには含まれない。
そして、この例の情報記録媒体30では、図3(e)に示すように、PA領域33のデータセグメントN+1のゾーン41側の端部に半周期分(長さT/2)のウォブル領域34を追加した。位相の観点で見ると、これはゾーン7にπ(rad)の位相をウォブル位相に付加したことになる。なお、この追加されたウォブル領域34のウォブル位相は、主たるエリアのウォブル位相と同相であっても逆相であっても良い。この例では、図3(e)に示すように、PA領域33の最後端部(領域34側)に位置するウォブル領域39のウォブル位相に合わせて、ウォブル領域34のウォブル位相を主たるエリアと逆相にした。
図3(e)に示すように、ゾーン7のゾーン長をウォブル周期Tの半周期分(T/2)だけ長くすることにより、トラックiの外周側のトラックi+1のウォブル位相が、トラックiに対して相対的に半周期分T/2(位相ではπ)だけずれる。それゆえ、ゾーン7の主たるエリアのウォブル位相とその外周側に隣接するトラックi+1の領域のウォブル位相とがほぼ逆位相になる。
この例では、径方向に隣接する記録トラック間でのウォブルの平均位相差dを求め、平均位相差dがd<π/2となるような記録トラック間では、上記方法でウォブル位相を調整した。そして、上記位相調整を情報記録媒体30の全記録トラックに対して行った。その結果、この例の情報記録媒体30では、情報記録媒体の全域に渡って、径方向に隣接する記録トラック間の主たるエリアのウォブルの平均位相差dがπ/2より大きくなった。それゆえ、この例の情報記録媒体では、主たるエリアから得られるウォブル信号の振幅が大きくなるとともに、主たるエリアからのウォブル信号の振幅が情報記録媒体の全域に渡ってほぼ同じ大きさとなるので、ウォブル信号の振幅変動を抑制することもできる。
なお、最内周の記録トラックには、一周に渡り主たるエリアと同位相のウォブルを形成しても良い。
実施例2の情報記録媒体におけるトラックiの所定ゾーンのウォブル構成を図5に示した。この例の情報記録媒体50のゾーンは、図5に示すように、実施例1の情報記録媒体のゾーンと同じウォブル構成であり、アドレス情報を含む領域31と、ユニティ領域32と、PA領域33とから構成される。なお、この例の情報記録媒体では、領域31中のウォブル領域36、ユニティ領域32及びPA領域33のウォブル位相が同相で形成され、ゾーンの大部分を占める所定のウォブル位相で形成されたウォブル領域であるので、これらの領域が主たるエリアとなる。
この例の情報記録媒体50では、図5に示すように、主たるエリアのウォブル位相と逆相となる領域31内のウォブル領域35’及びウォブル領域37’(アドレス情報が記録された領域)のウォブル振幅を、主たるエリアのウォブル振幅より大きくした。主たるエリア以外の領域(主たるエリアとウォブル位相が逆相となる領域)のウォブル振幅の大きさを変化させたこと以外は実施例1と同様のウォブル構成とした。
本発明の情報記録媒体では、上述のように、ゾーン内の主たるエリアと、その領域と径方向に隣接する領域とのウォブルの平均位相差dはd>π/2(rad)となるように調整されているが、主たるエリア以外の領域では、ウォブル位相が主たるエリアのウォブル位相と逆相となるので、主たるエリア以外の領域と、その領域の径方向に隣接する領域とのウォブルの平均位相差d’はd’<π/2(rad)となる。そのため、主たるエリアと、主たるエリア以外の領域とでは隣接トラックからのクロストークの影響の度合いが異なり、それらの領域から検出されるウォブル信号の振幅も異なる。具体的には、図2(e)の実線の信号波形に示すように、主たるエリア以外の領域(図2では領域21)からのウォブル信号の振幅は、主たるエリア(図2では領域20)からのウォブル信号の振幅より小さくなる。
それゆえ、情報記録媒体全領域に渡ってほぼ同じ振幅のウォブル信号波形を得るためには、各ゾーンにおける主たるエリアのウォブル振幅に対して、主たるエリア以外の領域のウォブル振幅を変化させることが好ましい。この例では、図5に示すように、主たるエリア以外の領域、例えば、ウォブル領域37’のウォブル振幅を、主たるエリア、例えば、ウォブル領域36やユニティ領域32のウォブル振幅より大きくした。このように、主たるエリア以外の領域のウォブル振幅を適宜調整することにより、例えば、図2(e)中の破線に示すように、ほぼ均一の振幅を有するウォブル信号波形が得られる。この場合、情報記録媒体再生装置で再生されるウォブル信号波形の振幅の均一性が改善される。
実施例3では、図1(c)に示すように、記録トラックを構成する少なくとも1つのゾーンをゾーン単位で位相反転させることにより、情報記録媒体のほぼ全域に渡って径方向に隣接するトラック間のウォブル位相差がπ/2より大きくなるように記録トラックのウォブル位相が調整された情報記録媒体を作製した。また、この例の情報記録媒体では、1ゾーンの長さがT/2(T:ウォブル周期)の整数倍となるように設定した。
実施例3の情報記録媒体におけるi番目の記録トラック(以下、単にトラックiという)のゾーンk及びk+1のデータフォーマット及びウォブルの概略構成図を図6に示した。図6(b)には、比較のためにウォブル位相を調整する前のゾーンのウォブル構成を示し、図6(c)には、この例のゾーンのウォブル構成(ウォブル位相を調整した後のウォブル構成)を示した。図6(b)及び(c)の上段のウォブル構成図は、ゾーンkのウォブル構成を表わした図であり、下段の図はゾーンkの周方向に隣接するゾーンk+1のウォブル構成を表わした図である。なお、ここでは、トラックiを図6(b)に示したウォブル構成で形成した場合(ウォブル位相を調整しなかった場合)には、トラックiのゾーンk+1の主たるエリア(領域65、ユニティ領域62及びPA領域63)のウォブル位相と、そのエリアの外周側または内周側に隣接するトラックi+1及びi−1(不図示)の領域のウォブル位相との平均位相差dがd≒0または2π(ほぼ同位相)となるものとする。
上述のように記録トラックの位相調整を行わない場合にはゾーンk+1の主たるエリアのウォブル位相と、そのエリアの外周側または内周側に隣接するトラックi+1及びi−1(不図示)の領域のウォブル位相とがほぼ同位相となる。それゆえ、この例の情報記録媒体60では、図6(c)に示すように、ゾーンk+1のウォブル位相をゾーン単位で反転させて、ゾーンk+1の主たるエリアのウォブル位相と、そのエリアの外周側または内周側に隣接するトラックi+1及びi−1(不図示)の領域のウォブル位相とがほぼ逆位相になるように記録トラックのウォブル位相を調整した。位相の観点で見ると、この例では、ゾーンk+1にウォブル位相にπ(rad)の位相を付加したことになる。それゆえ、位相反転後のゾーンk+1の主たるエリア(領域65’、ユニティ領域62’及びPA領域63’)のウォブル位相は、ゾーンkの主たるエリア(領域65、ユニティ領域62及び領域67)のウォブル位相とは逆相の関係になる。
また、この例では、図6(c)に示すように、ゾーンk+1の位相がゾーン単位で位相反転していることを示す識別子68をゾーンkのPA領域63内のゾーンk+1側の境界付近に設けた。識別子68はウォブル位相を反転させることにより形成した。
なお、この例の情報記録媒体60では、所定のゾーンのウォブル位相を反転させることにより、主たるエリアのウォブル位相と、そのエリアの外周側または内周側に隣接するトラックの領域のウォブル位相とをほぼ逆位相の関係になるように調整したこと以外は実施例1と同様の構成とした。
この例では、径方向に隣接する記録トラック間でのウォブルの平均位相差dを求め、平均位相差dがd<π/2となるような記録トラック間では、上記方法でウォブル位相を調整した。そして、上記位相調整を情報記録媒体60の全記録トラックに対して行った。その結果、この例の情報記録媒体60では、情報記録媒体の全域に渡って、径方向に隣接する記録トラック間の主たるエリアのウォブルの平均位相差dがπ/2より大きくなった。それゆえ、この例の情報記録媒体では、主たるエリアから得られるウォブル信号の振幅が大きくなるとともに、主たるエリアからのウォブル信号の振幅が情報記録媒体の全域に渡ってほぼ同じ大きさとなるので、ウォブル信号の振幅変動を抑制することもできる。
なお、実施例1では、所定のゾーンの長さを調整する方法について説明し、実施例3では、所定のゾーンの位相をゾーン単位で反転させる方法ついて説明したが、本発明はこれに限定されない。所定のゾーンの長さを調整する方法(実施例1の方法)と、所定のゾーンの位相をゾーン単位で反転させる方法(実施例3の方法)とを、適宜組み合わせて径方向に隣接するトラック間のウォブル位相差を調整しても良い。
実施例4では、上記実施例1〜3の情報記録媒体に対して情報の記録または再生を行うための情報記録再生装置について説明する。本発明の情報記録媒体では、上述のように、情報記録媒体内の位置によってはウォブル位相が反転しているので、検出されるウォブル信号も場位置によって順相または逆相となる。それゆえ、このようなウォブル信号を用いてスピンドルの回転数を制御(CLV制御)する場合には、何らかの工夫が必要となる。この例の情報記録再生装置の概略構成を図7に示した。
この例の情報記録再生装置70は、図7(a)に示すように、実施例1〜3のいずれかの情報記録媒体100を回転させるためのスピンドル71と、スピンドル71を制御するモータドライバー72と、情報記録媒体100に光を照射する光ヘッド73と、ウォブル信号検出回路74と、ローパスフィルタ75と、スピンドル71の回転数を制御する制御装置76とを備える。ただし、図7では、ウォブル信号に基いて、スピンドル71を制御する部分の構成のみ図示したが、それ以外の構成は従来の情報記録再生装置と同様に構成である。
また、この例の情報記録再生装置70の制御装置76には、図7(a)に示すように、マルチプライヤー77と、2値化回路78と、PLL回路79とから構成される。
この例の情報記録再生装置70では、情報の記録または再生する際の情報記録媒体100の線速度を5m/secとした。記録トラックのウォブル周期T=9μm(チャネルビット長b=0.1μmの80倍以上)であるので、ウォブル信号は約560kHzの信号となる。一方、記録データの最長マークの繰り返し周期は約20b=20×0.1μm=2μmであるので、ETM変調された情報の再生信号は周波数2.5MHz以上の信号となる。それゆえ、この例の情報記録再生装置70では、ローパスフィルタ75でウォブル信号と情報再生信号とを完全に帯域分離するために、ローパスフィルタ75のカットオフ周波数を約1.2MHzに設定した。ローパスフィルタ75のカットオフ周波数を約1.2MHzに設定すると、そのカットオフ周波数の半分以下となる周波数560kHzのウォブル信号と、ウォブル信号の周波数の2倍以上の周波数となるETM変調された情報再生信号とを完全に分離することができ、ウォブル信号の品質を落とすことなく検出することができる。
次に、この例の情報記録再生装置の動作について説明する。まず、光ヘッド73から光ビームを情報記録媒体100の所定領域に照射する。次いで、光ヘッド73を介して得られる情報記録媒体100からの反射光からウォブル信号をウォブル検出回路74で検出する。なお、このウォブル検出回路74で検出されたウォブル信号には情報再生信号等のノイズも含まれている。
次いで、検出されたウォブル信号をローパスフィルタ75に通すと、ウォブル信号と情報再生信号とが完全に分離され、高品質のウォブル信号S1が得られる。この際、図7(b)の上段に示すようなウォブル信号波形が得られる。なお、図7(b)の上段の信号波形において、領域101の信号は主たるエリアから得られるウォブル信号であり、領域102の信号は主たるエリア以外の領域、例えば、アドレス領域の一部のようにウォブル位相が逆相となっている領域から得られるウォブル信号である。
次いで、ローパスフィルタ75を通過した後のウォブル信号S1をマルチプライヤー77に入力する。マルチプライヤー77で、ウォブル信号S1は2倍化され、図7(b)の中段に示すように、ウォブル位相が反転している領域102(逆相)から検出されたウォブル信号も、反転していない領域101(順相)から検出されたウォブル信号も、同相のウォブル信号S2に変換される。すなわち、この例の情報記録再生装置70では、順相及び逆相のいずれのウォブル信号S1が検出されても、マルチプライヤー77により、同相のウォブル信号S2に変換される。
次いで、このウォブル信号S2を2値化回路78で2値化して、図7(b)の下段に示すような2値化信号S3を生成する。次いで、その2値化信号S3と基準信号とがPLL回路79に入力され、これらの入力信号に基いて、所定のクロック信号がPLL回路79で生成される。そして、PLL回路79で生成された所定のクロック信号により、スピンドル71の回転数をモータドライバー72を介して制御する。
上述のように、この例の情報記録再生装置70では、マルチプライヤー77により、順相及び逆相のいずれのウォブル信号S1に対しても、同相のウォブル信号S2に変換することができる。それゆえ、この同相のウォブル信号S2を用いることにより、容易にCLV制御が可能となる。なお、この例では、ウォブル信号の周波数を2倍化するマルチプライヤーを用いた例を説明したが、本発明はこれに限定されず、周波数を偶数倍させるマルチプライヤーであれば、上記効果と同様の効果が得られる。
また、この例の情報記録再生装置は、例えば、実施例3で示した情報記録媒体のように、所定のゾーンがゾーン単位で位相反転している情報記録媒体に対して特に有効である。
実施例5では、上記実施例1〜3の情報記録媒体に対して情報の記録または再生を行うための情報記録再生装置の別の例について説明する。この例の情報記録再生装置の概略構成を図8に示した。
この例の情報記録再生装置80は、図8(a)に示すように、実施例1〜3のいずれかの情報記録媒体100を回転させるためのスピンドル71と、スピンドル71を制御するモータドライバー72と、情報記録媒体100に光を照射する光ヘッド73と、ウォブル信号検出回路74と、ローパスフィルタ75と、スピンドル71の回転数を制御する制御装置86とを備える。ただし、図8では、ウォブル信号に基いて、スピンドル71を制御する部分の構成のみ図示したが、それ以外の構成は従来の情報記録再生装置と同様に構成である。
また、この例の情報記録再生装置80の制御装置86は、図8(a)に示すように、2値化回路87と、エッジ検出回路88と、PLL回路89とから構成される。この例では、制御装置86の構成を変えたこと以外は、実施例4の情報記録再生装置と同様の構成にした。
次に、この例の情報記録再生装置の動作について説明する。まず、光ヘッド73から光ビームを情報記録媒体100の所定領域に照射する。次いで、光ヘッド73を介して得られる情報記録媒体100からの反射光からウォブル信号をウォブル検出回路74で検出する。なお、このウォブル検出回路74で検出されたウォブル信号には情報再生信号等のノイズも含まれる。
次いで、検出されたウォブル信号をローパスフィルタ75に通すと、ウォブル信号と情報再生信号とが完全に分離され、高品質のウォブル信号S1が得られる。この際、図8(b)の上段に示すようなウォブル信号波形S1が得られる。なお、図8(b)の上段の信号波形において、領域101の信号は主たるエリアから得られるウォブル信号であり、領域102の信号は主たるエリア以外の領域、例えば、アドレス領域の一部のようにウォブル位相が逆相となっている領域からのウォブル信号である。
次いで、ローパスフィルタ75を通過した後のウォブル信号S1を2値化回路87に入力する。2値化回路87で、ウォブル信号S1は2値化され、図8(b)の中段に示すような2値化信号S2’に変換される。次いで、2値化信号S2’をエッジ検出回路88に入力してエッジ検出を行うと、図8(b)の下段に示すような2値化信号S3’が生成される。この2値化信号S3’は、実施例4で説明した図7(b)下段の2値化信号S3と同一周期の信号となるので、この2値化信号S3’と基準信号とをPLL回路89に入力すると、実施例4と同様に所定のクロック信号がPLL回路89で生成される。そして、PLL回路89で生成されたクロック信号に基いて、実施例4と同様にして、スピンドル71の回転数をモータドライバー72を介してPLL制御することができる。それゆえ、図8に示すような構成の制御装置86を備える情報記録再生装置80では、実施例4と同様に、順相及び逆相のいずれのウォブル信号に対しても容易にCLV制御が可能となる。
また、この例の情報記録再生装置は、例えば、実施例3で示した情報記録媒体のように、所定のゾーンがゾーン単位で位相反転している情報記録媒体に対して特に有効である。
実施例6では、上記実施例1〜3の情報記録媒体と光ヘッドとの相対的な傾きを補正しながら、情報の記録または再生を行うための情報記録再生装置の例について説明する。この例の情報記録再生装置の概略構成を図9に示した。
この例の情報記録再生装置90は、図9(a)に示すように、実施例1〜3のいずれかの情報記録媒体100を回転させるためのスピンドル71と、スピンドル71を制御するモータドライバー72と、情報記録媒体100に光を照射する光ヘッド73と、ウォブル信号検出回路74と、ローパスフィルタ75と、スピンドル71の回転数を制御する制御装置76と、ウォブル信号のピーク値(最大値P1及び最小値P2)を検出するピーク検出回路91と、検出されたウォブル信号のピーク値に基いて、光ヘッド73の傾きを補正する収差補正回路92とを備える。ただし、図8では、ウォブル信号に基いて、スピンドル71を制御する部分の構成及び光ヘッド73の収差補正を行う部分の構成を図示したが、それ以外の構成は従来の情報記録再生装置と同様に構成である。すなわち、この例の情報記録再生装置90は、実施例3の情報記録再生装置に、情報記録媒体100と光ヘッド73との相対的な傾きを補正するためのピーク検出回路91及び収差補正回路92を追加した装置である。それゆえ、ここでは、ピーク検出回路91及び収差補正回路92以外の構成回路の説明は省略する。
ピーク検出回路91では、後述するように、ローパスフィルタ73を通過した高品質のウォブル信号S1のピーク値(最大値P1及び最小値P2)を検出するだけでなく、主たるエリアのウォブル振幅とそれ以外のウォブル振幅の比率を比較して、ウォブル信号S1を検出した記録トラックの領域のウォブル位相が、その領域の径方向の両側に隣接する領域のウォブル位相に対してほぼ逆相となる領域であるかどうかを判別する。なお、本発明の情報記録媒体では、ウォブル位相の調整次第では、全ての隣接トラック間でウォブル位相がほぼ逆相となる場合もあるので、そのような場合には、上述のようにウォブル信号S1を検出したトラックの領域を判別しなくても良い。また、収差補正回路92では、検出されたウォブル信号S1のピーク値P1及びP2加算して、その加算値P1+P2に基いて光ヘッド73の収差補正量を決定する。
この例の情報記録再生装置90における光ヘッド73の情報記録媒体100に対する相対的な傾きを補正する方法の原理は次の通りである。光ヘッド73が情報記録媒体100に対して相対的に傾いている場合、記録トラックから得られるウォブル信号の2つのピーク値(最大値P1及び最小値P2)の加算値(P1+P2)は、その値が0からオフセットする。その様子を示したのが図9(b)である。図9(b)の特性は、情報記録媒体100と光ヘッド73とが相対的に半径方向に傾いた場合(ラジアルチルトが発生した場合)における、その傾き量に対するウォブル信号のピーク値P1及びP2、並びにピーク値の加算値P1+P2の変化を表わした図である。なお、図9(b)の特性のウォブル信号は、径方向に隣接するトラック間でウォブルの位相関係がほぼ逆相となる領域から検出した信号である。
図9(b)から明らかなように、情報記録媒体100と光ヘッド73との間にラジアルチルトが発生した場合には、ウォブル信号のピーク値の加算値P1+P2がその傾き量に応じて所定の量だけ0からオフセットする。それゆえ、ウォブル信号の加算値P1+P2が0になるように、光ヘッド73の傾きを調整することにより、光ヘッド73と情報記録媒体100との相対的な傾きを補正することができる。
次に、この例の情報記録再生装置90の動作について説明するが、スピンドル71の回転数の制御方法は実施例4と同じであるので、ここでは、光ヘッド73の収差補正の動作について説明する。
まず、ローパスフィルタ73を通過した高品質のウォブル信号S1がピーク検出回路91に入力される。次いで、ピーク検出回路91で、ウォブル信号S1を検出したトラックの領域のウォブル位相が、その径方向の両側に隣接する領域のウォブル位相に対してほぼ逆相となる領域であるかどうか判定する。ウォブル信号S1を検出したトラックの領域が上述のような領域である場合には、ウォブル信号S1のピーク値(最大値P1及び最小値P2)を検出する。次いで、検出したウォブル信号S1のピーク値(最大値P1及び最小値P2)を収差補正回路92に入力する。収差補正回路92では、検出されたウォブル信号S1のピーク値(最大値P1及び最小値P2)を加算して、光ヘッド73の収差補正量を決定する。次いで、収差補正回路92で決定された収差補正量に関する信号がヘッド73に入力され、光ヘッド73と情報記録媒体100との相対的な傾きが調整される。
この例の情報記録再生装置90を用いることにより、実施例1〜3に示した本発明の情報記録媒体に対して、光ヘッドと情報記録媒体との相対的な傾きを補正しながら、CLV制御が可能となり、実施例1〜3に示した本発明の情報記録媒体に対してより一層正確な情報の記録再生が可能となる。
なお、実施例6の情報記録再生装置では、径方向に隣接するトラック間でウォブルの位相関係がほぼ逆相となる領域から検出したウォブル信号を用いて、収差補正を行う例について説明したが、本発明はこれに限定されない。ウォブルが形成された所定のトラックの径方向の両側に隣接するトラックがウォブルが形成されていないトラックであるような領域からウォブル信号を検出して、そのウォブル信号に基いて光ヘッドの情報記録媒体に対する相対的な傾きを補正しても良い。
また、実施例6では、光ヘッドの傾きを調整して、光ヘッドの情報記録媒体に対する相対的な傾きを補正する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、情報記録媒体を収差補正板で保持し、その収差補正板の傾き、すなわち、情報記録媒体の傾きを、ウォブル信号の加算値P1+P2に基いて調整しても良い。
上述のように本発明の情報記録媒体では、ウォブル周期Tを記録データのチャネルビット長bより十分長くし、具体的には、T>80bのなるようなウォブル(パーシャルレスポンス方式を採用し且つETM変調を用いる場合のウォブル)を記録トラックに形成し、且つ径方向に隣接するトラック間で、ウォブルの平均位相差がπ/2より大きくなるように形成している。それゆえ、ウォブル信号と情報記録信号とを完全に帯域分離することができ、品質の良いウォブル信号及び再生信号を得ることができるとともに、情報記録媒体全体に渡ってクロストークによるウォブル信号の振幅変動が低減できる。従って、本発明の情報記録媒体は追記型または書換え型のHD DVDに最適である。また、本発明の情報記録再生装置もまた、追記型または書換え型のHD DVDの記録再生装置として最適である。
10,11,12 記録トラック
30,50,60 情報記録媒体
32,36,38,62,65,67 主たるエリア
70,80,90 情報記録再生装置
30,50,60 情報記録媒体
32,36,38,62,65,67 主たるエリア
70,80,90 情報記録再生装置
Claims (15)
- 所定のウォブル周期Tで蛇行した記録トラックがスパイラル状に形成されており、該記録トラックが複数のゾーンから構成されており、各ゾーンが所定のウォブル位相で形成されている主たるエリアを有する情報の追記または書換え可能な情報記録媒体において、
上記ウォブル周期Tと記録データのチャネルビット長bとの間に、
T>80b
の関係が成立し、
全ての記録トラックで、上記ゾーン内の主たるエリアにおけるウォブル位相と、当該主たるエリアの内周側または外周側に隣接する記録トラックの領域のウォブル位相との平均位相差dが、
d>π/2
となるように、所定のゾーンのウォブル位相が調整されていることを特徴とする情報記録媒体。 - 上記平均位相差dがd>π/2となるように、所定のゾーンの長さが調整されていることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
- 上記ゾーン内の主たるエリア以外のエリアのウォブル位相が上記主たるエリアのウォブル位相と逆相であり、上記ゾーンの長さがT/2の整数倍であることを特徴とする請求項2に記載の情報記録媒体。
- 周方向に隣接する所定のゾーン間で、主たるエリアに形成されているウォブルの位相が互いに逆相であることを特徴とする請求項2に記載の情報記録媒体。
- 上記ゾーン内の主たるエリア以外の少なくとも一部のエリアのウォブル振幅が、上記主たるエリアのウォブル振幅と異なることを特徴とする請求項2に記載の情報記録媒体。
- 上記ゾーン内の周方向の一方の端部に、当該ゾーンの境界を示す識別子が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の情報記録媒体。
- 所定のウォブル周期Tで蛇行した記録トラックがスパイラル状に形成されており、該記録トラックが複数のゾーンから構成されており、各ゾーンが所定のウォブル位相で形成されている主たるエリアを有する情報の追記または書換え可能な情報記録媒体において、
上記ウォブル周期Tと記録データのチャネルビット長bとの間に、
T>80b
の関係が成立し、
全ての記録トラックで、上記ゾーン内の主たるエリアにおけるウォブル位相と、当該主たるエリアの内周側または外周側に隣接する記録トラックの領域のウォブル位相との平均位相差dが、
d>π/2
となるように、所定のゾーンのウォブル位相が反転していることを特徴とする情報記録媒体。 - 上記ゾーン内の周方向の一方の端部に、該端部と隣接するゾーンのウォブル位相に関する情報を表わす識別子が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の情報記録媒体。
- 上記ゾーンの長さがECCブロック単位の1/n倍(nは整数)であることを特徴とする請求項7に記載の情報記録媒体。
- 所定のウォブル周期で蛇行した記録トラックがスパイラル状に形成されており、該記録トラックが複数のゾーンから構成されており、各ゾーンが所定のウォブル位相で形成されている主たるエリアを有し、周方向に隣接する所定のゾーン間で主たるエリアに形成されているウォブルの位相が互いに逆相である情報の追記または書換え可能な情報記録媒体に対して情報の記録または再生するための情報記録再生装置であって、
スピンドルと、
上記情報記録媒体からウォブル信号を検出する検出器と、
上記検出されたウォブル信号に基いて、上記スピンドルの回転数を制御する制御装置とを備える情報記録再生装置。 - 上記制御装置が、上記検出されたウォブル信号の周波数を偶数倍する回路を含むことを特徴とする請求項10に記載の情報記録再生装置。
- 上記制御装置が、上記検出されたウォブル信号を2値化する回路を含むことを特徴とする請求項10に記載の情報記録再生装置。
- 所定のウォブル周期で蛇行した情報トラックが形成された情報記録媒体に対して情報を記録または再生するための情報記録再生装置において、
光ピックアップと、
上記情報記録媒体からウォブル信号を検出する装置と、
上記情報記録媒体内の所定の情報トラックのウォブル位相と、該所定の情報トラックの径方向の両側に隣接する情報トラックのウォブル位相とがほぼ逆相となる領域、または、該所定の情報トラックの径方向の両側に隣接する情報トラックにウォブルが形成されていない領域を検出する装置と、
上記領域からのウォブル信号に基いて、上記光ピックアップの上記情報記録媒体に対する相対的な傾きを補正する収差補正装置とを備える情報記録再生装置。 - 上記収差補正装置が、上記ウォブル信号のピーク値を用いて演算することにより、上記光ピックアップの上記情報記録再生装置に対する相対的な傾きの補正量を決定することを特徴とする請求項13に記載の情報記録再生装置。
- 所定のウォブル周期Tで蛇行した記録トラックがスパイラル状に形成されており、該記録トラックが複数のゾーンから構成されている情報の追記または書換え可能な情報記録媒体の記録トラックの位相調整方法であって、
径方向に隣接する記録トラック間のウォブル位相差dを求めることと、
上記ウォブル位相差dがd≦π/2となる径方向に隣接する記録トラック間で、上記ウォブル位相差dがd>π/2となるように、当該径方向に隣接する記録トラックの少なくとも一方の記録トラック内の所定ゾーンのウォブル位相に所定の位相を付加することとを含む記録トラックの位相調整方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005032045A JP2005293819A (ja) | 2004-02-10 | 2005-02-08 | 情報記録媒体及び情報記録再生装置並びに記録トラックの位相調整方法 |
Applications Claiming Priority (3)
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JP2004033431 | 2004-02-10 | ||
JP2004069773 | 2004-03-11 | ||
JP2005032045A JP2005293819A (ja) | 2004-02-10 | 2005-02-08 | 情報記録媒体及び情報記録再生装置並びに記録トラックの位相調整方法 |
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JP2005032045A Withdrawn JP2005293819A (ja) | 2004-02-10 | 2005-02-08 | 情報記録媒体及び情報記録再生装置並びに記録トラックの位相調整方法 |
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JP (1) | JP2005293819A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014136272A1 (ja) * | 2013-03-08 | 2014-09-12 | 株式会社 東芝 | 情報記録媒体、記録再生装置及び製造装置 |
-
2005
- 2005-02-08 JP JP2005032045A patent/JP2005293819A/ja not_active Withdrawn
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WO2014136272A1 (ja) * | 2013-03-08 | 2014-09-12 | 株式会社 東芝 | 情報記録媒体、記録再生装置及び製造装置 |
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