JP2005293786A - 磁壁移動型光磁気記録媒体のアニール処理方法及び該処理を施された磁壁移動型光磁気記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の目的は、記録前の着磁状態に依存した再生信号への悪影響を排除し、磁壁移動型光磁気記録媒体の繰返し記録耐久性能向上を目指すものである。
【解決手段】 上記の目的は以下の手段によって達成される。
すなわち、磁壁移動型光磁気記録媒体の記録トラック間をアニール処理する方法において、再生信号のパルス幅のデューティーを変化させる記録パワー値が隣接記録トラックをクロスライトする記録パワー値より大きくなるアニールパワーで記録トラック間をアニール処理することによって達成される。
【選択図】 なし
【解決手段】 上記の目的は以下の手段によって達成される。
すなわち、磁壁移動型光磁気記録媒体の記録トラック間をアニール処理する方法において、再生信号のパルス幅のデューティーを変化させる記録パワー値が隣接記録トラックをクロスライトする記録パワー値より大きくなるアニールパワーで記録トラック間をアニール処理することによって達成される。
【選択図】 なし
Description
本発明はレーザー光により記録・再生を行う光磁気記録媒体、更に詳しくは媒体の高密度記録化を可能とする磁壁移動型光磁気記録媒体に関する。
情報の書き換え可能な大容量メモリの一つとして、レーザー光を用いて再生、記録を行う光磁気記録媒体が注目されている。再生光学系のレーザー波長λと対物レンズの開口数NAによりビームウェスト径2Wo(2Wo=K・λ/NA)が決まるので、光磁気記録媒体は信号再生時の空間周波数が2NA/λ程度まで検出可能である。しかしながら、光磁気記録媒体のさらなる大容量化への要求は高まる一方である。この要求を満たす目的で、すなわち、光磁気記録媒体の記録密度を波長λと開口数NAで決まる回折限界を超える密度にまで高めるために、記録媒体の構成や読み取り方法を工夫し、記録密度を改善する技術が開発されている。
光学的な回折限界を超えた微小記録磁区長まで記録密度を上げた光磁気記録媒体として、例えば、特開平3−93058号公報や特開平6−124500号公報には、磁気的に結合される再生層と記録層とを有してなる多層膜の記録層に信号記録を行うとともに、再生層の磁化の向きを揃えた後(特開平6−124500号の磁化方向は面内)、レーザー光を照射して加熱し、再生層の昇温領域に記録層に記録された信号を転写しながら読み取る信号再生方法が提案されている。
この方法によれば、再生用のレーザーのスポット径に対して、このレーザーによって加熱された転写温度に達し信号が検出される領域(アパーチャー)はより小さな領域に限定できるため、再生時の符号間干渉を減少させ、光学的な検出限界λ/2NA以下のピット周期の信号が再生可能となる。以上の再生方法はMSR(a magnetically induced superresolution readout method)再生方式と呼ばれている。
上記、MSR再生方式では、再生用のレーザーのスポット径に対して、有効に使用される信号検出領域が小さくなるため、再生信号振幅が大幅に低下し、十分な再生出力が得られない欠点を有している。
上記MSR再生方式の欠点を補った、光磁気記録媒体の再生方法及び再生装置として、特開平6−290496号公報に、交換結合多層膜からなる光磁気記録媒体により、再生信号振幅を低下させることなく光学的な検出限界以下の周期の信号が高速で再生可能となり、記録密度並びに転送速度を大幅に向上できる光磁気記録媒体、再生方法及び再生装置が提案されている。この再生方法は、付属の加熱装置により再生記録マークに温度分布をもたせ、この温度分布と再生記録マーク中の磁壁エネルギーの温度依存性とにより、図7に示すように、磁壁に再生光スポット(74)内へ移動する圧力が誘発される。第二の磁性層(732)のキュリー温度近傍まで再生記録マークが昇温された場合、第一の磁性層(731)と他の磁性層との交換結合が切断され、記録トラックの両サイドの磁気的結合分断領域の存在により、第一の磁性層(731)の磁壁(72)が瞬間的に再生光スポット(74)内へ移動する。そして、その結果、再生光スポット(74)内の原子スピン(71)の向きが反転して全て一方向にそろい、再生記録マークが拡大される。従って、再生信号振幅は記録されている磁壁の間隔(すなわち記録マーク長)によらず、常に一定かつ最大の振幅になり、光学的な回折限界に起因した波形干渉等の問題から完全に解放される。以上の再生方法はDWDD(domain wall displacement detection)再生方式と呼ばれている。
DWDD再生方式において、第一の磁性層上に形成された第三の磁性層からの転写磁区の磁壁を再生光スポット内へ移動させ、磁区の面積を拡大させるには、記録トラックの両サイドに磁気的結合分断領域を形成することが好ましい。この磁気的結合分断領域は少なくとも、第一の磁性層上に形成されていなければならない。また、この磁気的結合分断領域は、磁性を示さない、あるいは、面内磁化膜であることが好ましい。このようにすることにより磁区の拡大に際し、磁気的結合分断領域には磁壁が存在しない、あるいは、存在してもエネルギーの小さい磁壁が形成されるだけなので、スムーズな磁壁の移動を可能にし、記録再生信号の品位が向上する。
磁気的結合分断領域を形成する方法として、記録トラックの両サイドの磁性膜を高いパワーでレーザー光を照射して、その磁性膜の磁気的性質を変質させて行う方法、いわゆる、レーザーアニール処理法がある。
レーザーアニール処理法では、再生信号品位が最良となるようにアニール条件を求め、その条件によりディスク前面にわたってアニール処理を行って磁気的結合分断領域の形成を行う。ここでのアニール条件は、アニール時のレーザーパワー、線速度、トラッキングのオフセット量、フォーカスのオフセット量、チルト量などが挙げられる。
特開平3−93058号公報
特開平6−124500号公報
特開平6−290496号公報
DWDD再生方式は、原理的に、再生信号振幅は記録されている磁壁の間隔(すなわち記録マーク長)によらず、常に一定かつ最大の振幅になり、光学的な回折限界に起因した波形干渉等の問題から完全に解放されると考えられている。
しかしながら、再生信号品位が最良となるようにアニール条件を求め、その条件によりディスク前面にわたってアニール処理を行って磁気的結合分断領域の形成を行った磁壁移動型光磁気記録媒体(以下、DWDDメディアと略す場合もある)でもディスクによっては隣のトラックにはみ出して記録してしまうクロスライトする記録パワー以下のパワーでドライブを動作させる実使用環境化において、記録再生信号特性が劣化する媒体が生じるという問題が発生する。
これらのディスクの中で特性の悪かったディスクを詳細に調査した結果、図5のような現象を示すことで特性が劣化することが確認された。
図5は、トーン信号を記録再生したときの再生信号波形におけるパルス幅PW、及び、ジッターσの記録パワー依存性を示した模式説明図である。
ここでのパルス幅、及び、ジッターは、再生波形の立ち上がりから次の立下りまでの間隔(パルス幅)を複数波形について測定し、統計的に処理して求められた平均パルス幅、及び、パルス幅ジッターのことをさしている。また、これらの特性は、記録前の初期状態として記録トラックとその両側の隣接トラックを同一極性に一方向に着磁した状態にしてから、記録・再生して求めた時の特性を示している。
尚、ここで、再生される再生信号波形の立ち上がりから立ち上がり(または、立下りから立下り)までの間隔(いわゆる1周期分の間隔)に変化は観測されないので、1周期分の間隔に対するパルス幅の割合、すなわち、デューティーが変化したといえる。
図5によれば、パルス幅は、記録パワーが低いP3では、パルス幅PW1を示し、記録パワーが高いP4ではパルス幅PW2を示す。
記録パワーP1では、平均パルス幅PW1の再生信号波形とPW2の再生信号波形が混在しており、その結果、平均パルス幅としておよそ(PW1+PW2)/2を示し、ジッターは悪化してしまう。
また、このようなDWDDメディアは、記録パワーP4で記録した後に、記録パワーP3でオーバーライトした場合、パルス幅はPW1ではなく、PW2を示し、記録パワーがP1以下のP3で記録した後に、再度記録パワーP3でオーバーライトした場合のパルス幅は、PW1を示す。
同じ記録パワーP3でオーバーライトして、異なるパルス幅が形成されるということは、最初にP3の記録パワーで記録してオーバーライトした状態と最初にP4の記録パワーで記録してオーバーライトした状態とでは、磁気的結合分断領域を含む記録トラックの着磁状態が異なるということを示している。この結果、同じ記録パワーP3でオーバーライトしたとしても、この2状態では異なるパルス幅を示すということである。また、図5では、PW1<PW2となっているが、記録前の着磁方向を逆極性にすればPW1>PW2の関係となる。
一方、実際にDWDDメディアを使用する時には、隣接トラックには情報ビットを担う複数種類の長さからなる記録マークが形成されている場合が多い。このとき、記録トラックと隣接トラックとの間の着磁の関係は、図6に示すようにパターン1〜8までの8種類となる。この8種類の関係が、複数種類の長さの記録マークにより、さまざまな位置関係で配置されている。
このような磁化状態の中でも、上述したような特性を示すDWDDメディアは、図5の記録パワーP3で用いる場合は、複数回の記録を繰り返しても一定の特性が得られる。しかし、図5の記録パワーP4で記録を行った場合、その後、記録パワーP3で記録しなおしても、記録パワーP3で記録した時の特性が得られない。これは、図6のパターン1〜8に応じてPW2の幅が変化するということが起因していることが分かった。
このような再生信号の特性変化は信号処理では補償しきれず、DWDDメディアの信頼性を著しく低下させるものであった。
本発明の目的は、上記のような問題点に鑑み、記録前の着磁状態に依存した再生信号への悪影響を排除し、磁壁移動型光磁気記録媒体の繰返し記録耐久性能向上を目指すものである。
前記の目的は以下の手段によって達成される。
すなわち、磁壁移動型光磁気記録媒体の記録トラック間をアニール処理する方法において、再生信号のパルス幅のデューティーを変化させる記録パワー値が隣接記録トラックをクロスライトする記録パワー値より大きくなるアニールパワーで記録トラック間をアニール処理することによって達成される。また、その様なアニール処理を施された磁壁移動型光磁気記録媒体によって達成される。
本発明の磁壁移動型光磁気記録媒体を用いることにより、少なくともクロスライトする記録パワー以下のパワーでドライブを動作させる実使用環境化においては、良好な書換え記録耐久性が実現できる。
本発明は、図1に示すように、再生信号のパルス幅のデューティーが変化する記録パワーをP1、クロスライトする記録パワーをP2としたときに、P2<P1となる磁壁移動型光磁気記録媒体を提案するものである。
ドライブ側で用いるパワーは、実使用上、隣接トラックにクロスライトしてデータを破壊してしまう記録パワーP2よりも小さいパワー範囲内で動作させている。従って、図1に示すように、記録パワーP1においてパルス幅が急激に変化する現象が確認されたとしても、実使用ではP2以下の記録パワーで用いるので、繰返し記録を行っても初期の特性が維持される。
本発明の具体的な手段としては、磁気的結合分断領域の形成を行うレーザーアニール処理を、ハイパワーで行うことが挙げられる。つまり、記録パワーP1及びP2はアニールパワーに依存性があり、アニールパワーの適切な設定により上述のP2<P1を示す磁壁移動型光磁気記録媒体を比較的容易に得ることができる。
より具体的な説明を以下に記す。
図9は、再生信号のパルス幅のデューティーが変化する記録パワーP1、及び、クロスライトする記録パワーP2のレーザーアニール処理におけるアニールパワー依存性を示す。
なお、記録パワーP1は、隣接する記録トラックを含め記録トラックが初期化された状態で、記録パワーを変えながらトーン信号を記録し、その後、そのトーン信号を再生し、再生されたトーン信号のパルス幅の変化を検知することにより求める。このとき、パルス幅が変化する記録パワーが再生信号のパルス幅のデューティーが変化する記録パワーP1である。次に、記録パワーP2の求め方は、所定の記録トラックの両脇の記録トラックに一定記録パワーで信号を記録し、次に、中央の記録トラックに記録パワーを変えながら信号を記録する。次に、両脇の記録トラックのどちらか一方の記録トラックの記録信号を再生し、再生信号特性(ジッタ、エラーレートなど)が所定レベルに対し悪化する記録パワーをクロスライトする記録パワーP2として求める。
以上のようにして記録パワーP1、P2が各アニールパワーに対して求められ、図9が得られる。図9において、アニールパワーの増加にともないP1もP2も増加し、アニールパワーがおよそ6.5mWよりも小さい領域ではP2>P1、アニールパワーがおよそ6.5mWよりも大きい領域ではP2<P1となっていることが分かる。また、アニールパワー7.0mWではP1のプロットが示されていないが、これは、このアニールパワーのときに再生信号のパルス幅のデューティーが変化する現象が現れていないことを示す。本発明では、図9のようなアニールパワー依存性を有する磁壁移動型光磁気記録媒体において、P2<P1となるアニールパワー(図9においては、およそ6.6mW以上のアニールパワー)を選択し、磁壁移動型光磁気記録媒体の記録トラック間をレーザーアニール処理している。これにより、良好な書換え記録耐久性が実現できるのである。
(実施例1)
本実施例における光磁気記録媒体の基本構成図を図8に示す。
本実施例における光磁気記録媒体の基本構成図を図8に示す。
本実施例で使用した基板(81)は、ポリカーボネート(PC)を用いて射出成形により作製した。基板(81)は、トラックピッチ0.55μm、グルーブ幅0.42μm、溝深さ0.03μmのグルーブ記録用基板である。グルーブ幅は溝深さの半値幅で規定している。また、本実施例では、溝を形成しているランド上にサーボ用のピットが形成されており、このサーボピットを利用してサンプルサーボによりトラッキング動作を行っている。
本実施例では射出成形基板にポリカーボネート(PC)を用いたが、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アモルファスポリオレフィン(APO)等を成形材料として用いてもよい。また、紫外線硬化樹脂による、いわゆる2P成形基板を使用することもできる。また、本実施例では、グルーブ記録用基板を用いたが、当然、ランド記録用基板でも、ランド・グルーブ記録用基板でも使用可能である。
以上のようにして作製した基板上に記録膜をスパッタ法により成膜した。以下に具体的な各記録膜の例を示すが、本発明はその主旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
記録膜としては、基板上に第一の誘電体層(82)(SiN)、第一の磁性層(831)(磁壁移動層、GdFeCo、膜厚20nm)、第二の磁性層(832)(磁壁移動補助層、GdFe、膜厚20nm)、第三の磁性層(833)(制御層、TbFeCo、膜厚10nm)、第四の磁性層(834)(スイッチング層、TbFe、膜厚15nm)、第五の磁性層(835)(記録層、TbFeCo、膜厚60nm)、第二の誘電体層(84)(SiN)が順次積層されている。各誘電体層としては、SiNの他に、例えば、AlN、SiO2、SiO、ZnS、MgF2などの透明誘電材料が使用できる。また、第一の磁性層(831)、第二の磁性層(832)、第三の磁性層(833)、第四の磁性層(834)、第五の磁性層(835)としては、上記磁性材料を含む種々の磁性材料によって構成することが考えられるが、例えば、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Hoなどの希土類金属元素の一種類あるいは二種類以上が10〜40原子%と、Fe、Co、Niなどの遷移金属の一種類あるいは二種類以上が60〜90原子%で構成される希土類・遷移金属非晶質合金によって構成し得る。
また、耐食性向上などのために、Cr、Mn、Cu、Ti、Al、Si、Pt、Inなどの元素を少量添加してもよい。
また、各磁性層の詳細な説明を以下に記す。磁壁移動型光磁気記録媒体の基本的な層構成は、第一の磁性層(831)、第四の磁性層(834)、第五の磁性層(835)であり、この三つの磁性層により、磁壁移動・磁区拡大再生動作が実現できる光磁気記録媒体を作製することが可能となる。このとき、第一の磁性層(831)は少なくとも再生ビームスポット内の記録情報検出領域内では第五の磁性層(835)に比べ相対的に磁壁抗磁力が小さく磁壁移動度が大きな垂直磁化膜からなっている。また、第四の磁性層(834)は、全磁性層の中で最もキュリー温度の低い磁性層からなり、垂直磁気異方性、磁壁抗磁力が大きく、安定に磁化状態を転写できるものが望ましい。第五の磁性層(835)は垂直磁化膜からなっており、垂直磁気異方性、磁壁抗磁力が大きく、安定に記録磁区が保持できるものが望ましい。
さらに、他の磁性層について説明すると、第二の磁性層(832)は再生特性を向上させるために設けており、第一の磁性層(831)のキュリー温度よりは低く、また、少なくとも再生ビームスポット内の記録情報検出領域内では第五の磁性層(835)に比べ相対的に磁壁抗磁力が小さく磁壁移動度が大きな垂直磁化膜からなっている。第三の磁性層(833)は、再生ビームスポット後方端部での第五の磁性層(835)から第一の磁性層(831)へ再転写された磁区の磁壁の移動により引き起こされる、再生信号への重畳信号、いわゆるゴースト信号を抑制するための磁性層である。この第三の磁性層(833)は、垂直磁気異方性が大きく、第一の磁性層(831)よりも磁壁抗磁力が大きい磁性層を用いるのが望ましい。
本実施例では、各磁性層のキュリー温度として、第一の磁性層(831)は300℃程度、第二の磁性層(832)は220℃程度、第三の磁性層(833)は190℃程度、第四の磁性層(834)は170℃程度、第五の磁性層(835)は330℃程度であった。
以上のようにして作製した光磁気記録媒体のランドに、ディスク回転速度4.5m/s、図9に基づくアニールパワー6.6mWでλ=405nm、NA=0.85の光学系を用いたレーザー光を照射するレーザーアニール処理を施した。このときのアニ−ル処理は、レーザー光を膜面側から照射して行っている。この処理により、各ランドでランド中心に向かって垂直磁気異方性から膜面内磁気異方性へと磁気異方性が変質しており、アニールパワーが高いほどランド上の磁性は膜面内磁気異方性を強める。また、本実施例では、上述したように、膜面側からレーザー光を照射してアニール処理を行ったが、基板側からレーザー光を照射してアニール処理を施しても、膜面側、及び、基板側の両面からレーザー光を照射してアニール処理を施しても、同様に本発明の効果を得ることができる。
以上のようにして作製したアニールによる磁壁移動型光磁気記録媒体に対し着磁装置を用いて、全周にわたって一方向に磁化する処理を行った。このときの着磁は、外部磁界Hd=1KOeを垂直方向にDC的に印加した上で、波長λ780nm、スポット径50μm(90トラック分に相当)のレーザー光を照射して行った。このとき、着磁パワー10mW、ディスク回転速度LV=6m/sであった。当然、1トラックずつ光スポットを走査して、外部磁界により一方向に着磁しても本発明の効果は得られる。
以上のようにして作製した磁壁移動型光磁気記録媒体を用いて、data−to−dataのトーンジッターσ、及び、再生信号波形のパルス幅PWの記録パワー依存性の測定を行った。パルス幅PWは、80nm/bit、(1,7)−RLLにおける最短マーク長のトーン記録再生信号の波形の立ち上がりから次の立ち下りまでの間隔を、最短マーク長の2倍の長さを100%とした場合の割合として求めた。ディスク回転速度2.4m/s、磁界強度300Oe、記録周波数11.25MHz、光学系λ=650nm、NA=0.6で、マーク長0.107μm(80nm/bit、(1,7)−RLLの最短マーク長に相当する)のトーン信号を記録した。情報の再生は、記録と同一の光学系で、ディスク回転速度2.4m/s、レーザーパワー2.4mWで行った。
以上のようにして得られた記録パワー依存性が図2であり、クロスライトする記録パワー(7.4mW)以下ではパルス幅のデューティーの急激な変化は観測されず、ジッターもこのパワー範囲内では局所的な悪化は見られなかった。このとき、クロスライトが生じる記録パワー7.4mWは、デューティー変化をもたらす記録パワー(7.6mW)以下のパワーである。
以上の光磁気記録媒体において、記録しようとするNトラックの隣接トラック((N±1)トラック)に80nm/bit、(1,7)−RLLのランダムパターンの記録マークを形成し、その後、Nトラックに80nm/bitのランダムパターンを記録しbERの測定を行った。記録パワーは、bERが最も良好な値を示すときの記録パワー6.6mWである。このとき、bER=3.0×10-5であった。次に、Nトラックにクロスライトが生じる記録パワー7.4mWで10万回オーバーライトし、その後、記録パワー6.6mWでオーバーライトしてbERを測定した。オーバーライト後ではbER=3.3×10-5で、オーバーライト前後で特性は変わらなかった。すなわち、クロスライトするような記録パワーで記録しても、記録パワー6.6mWで記録し直せば元の特性が得られ、実使用上、繰り返し記録耐久的に問題はなかった。
(実施例2)
アニールパワー6.8mWでアニール処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にして媒体の作製、及び、測定を行った。
(実施例2)
アニールパワー6.8mWでアニール処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にして媒体の作製、及び、測定を行った。
以上の磁壁移動型光磁気記録媒体の記録パワー依存性が図3であり、記録パワーによるパルス幅デューティーィーの急激な変化は観測されなかった。
このような光磁気記録媒体に対し、記録しようとするNトラックの隣接トラック((N±1)トラック)に80nm/bit((1,7)−RLL)のランダムパターンの記録マークを形成し、その後、Nトラックに80nm/bitのランダムパターンを記録しbERの測定を行った。記録パワーは、bERが最も良好な値を示すときの記録パワー6.6mWで、bER=7.2×10-5であった。次に、Nトラックにクロスライトが生じる記録パワー7.6mWで10万回オーバーライトし、その後、記録パワー6.6mWでオーバーライトしてbERを測定した。オーバーライト後ではbER=6.8×10-5で、オーバーライト前後で特性は変わらなかった。すなわち、クロスライトするような記録パワーで記録しても、記録パワー6.6mWで記録し直せば元の特性が得られ、実使用上、繰り返し記録耐久的に問題はなかった。さらに、本実施例のアニールパワー6.8mWでは、ディスク全面を着磁しないで記録再生して、上記の繰返し記録耐久テストを行った場合でも、10万回のオーバーライトに対し耐久前後で特性が変化しないことが確認されている。
(比較例)
アニールパワー6.4mWでアニール処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にして媒体の作製、及び、測定を行った。
(比較例)
アニールパワー6.4mWでアニール処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にして媒体の作製、及び、測定を行った。
以上の磁壁移動型光磁気記録媒体の記録パワー依存性が図4であり、クロスライトする記録パワー(7.2mW)以下の記録パワーでパルス幅のデューティーの急激な変化が観測されており、ジッターの局所的な悪化が確認された。このとき、クロスライトが生じる記録パワー7.2mWは、デューティー変化をもたらす記録パワー(6.8〜7.0mW)以上のパワーである。
このような光磁気記録媒体に対し、記録しようとするNトラックの隣接トラック((N±1)トラック)に80nm/bit((1,7)−RLL)のランダムパターンの記録マークを形成し、その後、Nトラックに80nm/bitのランダムパターンを記録しbERの測定を行った。記録パワーは、bERが最も良好な値を示すときの記録パワー6.6mWである。このとき、bER=1.5×10-5であった。次に、Nトラックにクロスライトが生じる記録パワー7.2mWで1回だけオーバーライトし、その後、記録パワー6.6mWでオーバーライトしてbERを測定した。オーバーライト後ではbER=3.4×10-4で、特性が悪化してしまった。すなわち、一旦、クロスライトするような記録パワーで記録することにより、特性が悪化しており、書換え記録媒体として、実使用上、問題であることが分かった。
71 原子スピン
72 磁壁
731 第一の磁性層
732 第二の磁性層
733 第三の磁性層
74 光スポット
81 基板
82 第一の誘電体層
831 第一の磁性層
832 第二の磁性層
833 第三の磁性層
834 第四の磁性層
835 第五の磁性層
84 第二の誘電体層
72 磁壁
731 第一の磁性層
732 第二の磁性層
733 第三の磁性層
74 光スポット
81 基板
82 第一の誘電体層
831 第一の磁性層
832 第二の磁性層
833 第三の磁性層
834 第四の磁性層
835 第五の磁性層
84 第二の誘電体層
Claims (2)
- 磁壁移動型光磁気記録媒体の記録トラック間をアニール処理する方法において、再生信号のパルス幅のデューティーを変化させる記録パワー値が隣接記録トラックをクロスライトする記録パワー値より大きくなるアニールパワーで記録トラック間をアニール処理することを特徴とするアニール処理方法。
- 請求項1のアニール処理を施された磁壁移動型光磁気記録媒体。
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060512 |
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| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060524 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060927 |