JP3416490B2 - 光磁気記録媒体および記録方法 - Google Patents
光磁気記録媒体および記録方法Info
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Description
記録・再生を行う光磁気記録媒体、更に詳しくは媒体の
高密度記録化を可能とする光磁気記録媒体および記録方
法に関する。
つとして、レーザー光を用いて再生、記録を行う光磁気
記録媒体が注目されている。再生光学系のレーザー波長
λと対物ンズの開口数NAによりビームウェストの径が
決まるので、光磁気記録媒体は信号再生時の空間周波数
が2NA/λ程度まで検出可能である。しかしながら、
光磁気記録媒体のさらなる大容量化への要求が高まる一
方である。この要求を満たす目的で、すなわち、光磁気
記録媒体の記録密度を波長λと開口数NAで決まる回折
限界を超える密度にまで高めるために、記録媒体の構成
や読み取り方法を工夫し、記録密度を改善する技術が開
発されている。
録磁区長まで記録密度を上げた光磁気記録媒体の例を示
す。
6−124500号において、磁気的に結合される再生
層と記録保持層とを有してなる多層膜の、記録保持層に
信号記録を行うとともに、レーザー光を照射して加熱
し、再生層の昇温領域に記録保持層に記録された信号を
転写しながら読み取る信号再生方法が提案されている
(図3参照)。
ポット径に対して、このレーザーによって加熱されて転
写温度に達し信号が検出される領域(アパーチャー)
は、より小さな領域に限定できるため、再生時の符号間
干渉を減少させ、光学的な検出限界λ/2NA以下のビ
ット周期の信号が再生可能となる。
記録再生方式の欠点を補った、光磁気記録媒体、再生方
法および再生装置として特開平6−290496号が提
案されている。
気的な交換結合を利用した少なくとも3層から構成する
多層膜からなる光磁気記録媒体により、再生信号振幅を
低下させることなく光学的な検出限界以下の周期の信号
が高速で再生可能となり、記録密度ならびに転送速度を
大幅に向上できる光磁気記録媒体、再生方法および再生
装置が提案されている。
マークに温度分布をもたせ、この温度分布と再生記録マ
ーク中の磁気エネルギーの温度依存性とにより、磁壁に
再生光スポット内へ移動する圧力が誘発される(図4参
照)。この結果、磁壁が瞬間的に再生光スポット内へ移
動し、再生光スポット内の原子スピンの向きが反転して
全て一方向に揃い、再生信号振幅は記録されている磁壁
の間隔(すなわち記録マーク長)によらず、常に一定か
つ最大の振幅になり、光学的な回折限界に起因した波形
干渉等の問題から完全に解放されるのである。以上の再
生方法を磁壁移動磁区拡大再生方式と呼ぶことにする。
拡大再生方式は、光学的な回折限界を超えた再生方式で
あり、この性能を十分に発揮するためには、回折限界を
超えた微小記録磁区が形成されていることが前提になっ
ている。この回折限界を超えた微小磁区の記録は、大き
く分けて、光変調記録方式と磁界変調記録方式の2方式
がある。
ウシアン強度分布の先端を利用する。記録媒体に回折限
界を超えた、微小な記録温度以上の温度分布領域を生じ
させ、印加磁界一定のものとレーザー光の強度を変調す
ることにより記録を行う。
媒体に形成される、レーザー光による温度分布が常に同
一分布になるようにレーザ光を照射し(例えば、記録パ
ワーでのレーザー光の連続照射)、外部磁界を変調する
ことにより記録を行う。このとき、磁界の変調速度を高
速に設定することにより、微小磁区の記録を可能にす
る。
記録方式においては、ガウシアン強度分布を示すレーザ
ー光による温度分布を反映した形状の記録磁区が形成さ
れる。すなわち、光変調記録方式では、円形あるいは長
円形状に記録磁区が形成され、磁界変調記録方式では、
矢羽根状の記録磁区が形成される。
区は、特に、磁壁移動磁区拡大再生方式において、情報
の再生の際に、再生信号品質に悪影響を及ぼす。以下に
図面を参照して、矢羽根形状の記録磁区が再生信号品質
に与える影響を説明する。図5と図6は磁壁移動磁区拡
大再生方式における円弧状の記録磁区の再生信号品質へ
の影響を説明した模式図である。
再生方式においては、記録磁区が円弧状であることによ
り、磁壁の移動、磁区の拡大現象が起こりにくいものと
なり、再生信号の立ち上り、立ち下がりが鈍くなる。こ
の再生方式は、媒体への加熱により、磁壁の移動を可能
とする温度(磁壁移動温度)の等温線が記録磁区形状を
形成する磁壁全体を包括したときに、磁壁が移動し磁区
を拡大して情報を再生する。したがって、図5のような
記録磁区の磁壁の円弧状の形状と磁壁移動温度の等温線
の形状と交わる関係になる場合、等温線が記録磁区に接
し始めた段階(図中実線で示す等温線)では磁壁の移
動、磁区の拡大は、磁壁エネルギーの増加をもたらし、
困難なものとなる。図中破線で示す位置にまで等温線が
移ったときに、磁壁全体が移動することになる。このよ
うな現象は、磁界変調記録方式で記録される場合だけで
はなく、光変調記録方式で記録された場合にも同様のこ
とが言える。そして、図5に示すような磁界変調記録方
式による記録磁区の再生においては、任意の記録磁区に
よる十分な再生信号が得られる前に、次の記録磁区に再
生スポットあるいは磁壁移動温度の等温線が入り込み、
後者の記録磁区の情報も再生してしまい、再生特性に影
響を及ぼす。
は、特に記録磁区の微小化に伴う記録密度の高密度化を
実現する磁壁移動磁区拡大再生方式の光磁気記録媒体お
よび記録方法において、記録磁区形状の観点から、再生
信号品質の向上を達成するものである。
によって達成される。
の磁性層と、記録磁区を保持する第3の磁性層と、前記
第1の磁性層及び第3の磁性層よりもキュリー温度の低
い、前記第1の磁性層と第3の磁性層間に配された第2
の磁性層とを備え、前記第1の磁性層は前記第3の磁性
層より磁壁抗磁力が小さい光磁気記録媒体において、前
記記録磁区が形成される領域間には該領域間の磁気的結
合を分断する磁気的性質の変質領域が設けられ、前記記
録磁区が形成される領域の幅Lは、その記録領域の幅一
杯に記録磁区を形成した場合において、記録磁区の開始
位置から、前記記録磁区の磁区幅が最大値を示す、ある
いは最大値を示し始める位置までの距離をdとしたと
き、d/L×100<20(%)を満足することを特徴
とする光磁気記録媒体を提案するものであり、さらに本
発明は、この媒体の記録領域にレーザ光を照射しながら
外部磁界を印加することにより記録磁区を形成すること
を特徴とする記録方法を提案するものである。
いを示すd/L×100が、20(%)未満である記録
磁区形状を形成することを特徴とする。このような記録
磁区形状を形成することにより、記録磁区の再生におい
ては、磁壁移動磁区拡大再生方式の場合は、図6に示す
ように、複数の記録磁区による信号再生の影響を抑制で
き、また、再生信号の立ち上り、立ち下がりも従来例に
比べ急峻にすることを可能にし、信号品質を改善でき
る。
ば、図2に示すように、記録領域(例えば、本実施例で
はランド部)の両側に位置する未記録領域(例えば、本
実施例ではグルーブ部)の磁気的性質が失われる方向に
変質させる前処理(本実施例ではレーザー照射による加
熱処理)を施すことにより、実現できる。
ついて説明する。
ート(PC)を用いて射出成形により作製した。トラッ
クピッチ1.1μm、溝深さは0.3μmであり、この
基板状に磁性膜を成膜したとき、溝(グルーブ)により
隣接するトラック間で磁気的結合を分断することを可能
にしている。本実施例では射出成形基板にポリカーボネ
ート(PC)を用いたが、ポリメチルメタクリレート
(PMMA)、アモルファスポリオレフィン(APO)
等を成形材料として用いてもよい。また、紫外線硬化樹
脂による、いわゆる2P成形基板を使用することもでき
る。
6−290496号で提案されているような記録膜をス
パッタ法により成膜した。記録膜としては基板上に第1
の誘電体層(SiN)、第1の磁性層(GdFe)、第
2の磁性層(TbFe)、第3の磁性層(TbFeC
o)、第2の誘電体層(SiN)が順次積層されてい
る。各誘電体層としては、上記誘電体層の他に、例え
ば、AlN,SiO2 ,SiO,ZnS,MgF2 等の
透明誘電材料が使用できる。また、各磁性層としては、
上記磁性材料を含む種々の磁性材料によって構成するこ
とが考えられるが、例えば、Pr,Nd,Sm,Gd,
Tb,Dy,Ho等の希土類金属元素の一種類あるいは
二種類以上が10〜40at%と、Fe,Co,Ni等
の遷移金属の一種類あるいは二種類以上が60〜90a
t%とで構成される希土類−遷移金属非晶質合金によっ
て構成し得る。また、耐食性向上等のために、これにC
r,Mn,Cu,Ti,Al,Si,Pt,In等の元
素を少量添加してもよい。
を、記録測定前の処理として、グルーブ部にレーザース
ポットが位置決めされるようにトラッキング制御をし、
ディスク回転速度2m/sec、レーザーパワー10m
W(λ=680nm、NA=0.55)でDC光を照射
し、グルーブ上の磁性層の磁気的性質を失わせる方向に
変質させる前処理を行った。
記録し、光磁気ディスク記録再生装置の光学系に加熱用
レーザーを付加した測定装置を用いてC/N比(キャリ
アレベル対ノズルの比)を測定した。記録情報は、レー
ザーパワー3.5mW(λ=680nm,NA=0.5
5)のレーザー光を照射しながら外部磁界200Oeを
変調して、ディスク回転速度2m/sec、記録周波数
5MHz、記録マーク長0.2μmでキャリア信号を書
き込んだ。情報の再生は、λ=680nm,NA=0.
55、レーザーパワー2mWで行った場合、51dBの
C/N比が得られた。
記録媒体を、MFM(磁気力顕微鏡)により記録磁区形
状を観察した。このときのMFM観察像が図7であっ
た。このとき、d/L×100=0(%)であった。
性質を失わせる方向に変質させる前処理工程をレーザー
パワー9mWで行ったこと以外は、実施例1と同じよう
にして、作製、測定を行った。このとき、49dBのC
/N比、および、d/L×100=6(%)であった。
性質を失わせる方向に変質させる前処理工程をレーザー
パワー8mWで行ったこと以外は、実施例1と同じよう
にして、作製、測定を行った。このとき、47dBのC
/N比、および、d/L×100=13(%)であっ
た。
性質を失わせる方向に変質させる前処理工程をレーザー
パワー7mWで行ったこと以外は、実施例1と同じよう
にして、作製、測定を行った。このとき、45dBのC
/N比、および、d/L×100=20(%)であっ
た。
させる前処理工程を省いたこと以外は、実施例1と同じ
ようにして、作製、測定を行った。このとき、42dB
のC/N比、および、図8で示されるようなMFM観察
像が得られた。d/L×100=31(%)であった。
質を失わせる方向に変質させる前処理工程をレーザーパ
ワー6mWで行ったこと以外は、実施例1と同じように
して、作製、測定を行った。このとき、44dBのC/
N比、および、d/L×100=25(%)であった。
であるポリカーボネート基板を使用した以外は、比較例
2と同じようにして、作製、測定を行った。このとき、
46dBのC/N比、およびd/L×100=18
(%)であった。
2の結果から、(d/L×100)に対すするC/N比
の依存性をグラフにした場合、図9のような結果が得ら
れる。図9から、d/L×100≦20(%)であると
き、少なくとも45dB以上のC/N比が得られてい
る。
ポリカーボネート(PC)を用いて射出成形により作製
した。トラックピッチは1.1μmである。本実施例で
は射出成形基板にポリカーボネート(PC)を用いた
が、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アモルフ
ァスポリオレフィン(APO)等を成形材料として用い
てもよい。また、紫外線硬化樹脂による、いわゆる2P
成形基板を使用することもできる。
6−124500号で提案されているような記録膜をス
パッタ法により成膜した。記録膜としては基板上に第1
の誘電体層(SiN)、第1の磁性層(GdFeC
o)、第2の磁性層(TbFeCo)、第2の誘電体層
(SiN)が順次積層されている。各誘電体層として
は、上記誘電体層の他に、例えば、AlN,SiO2 ,
SiO,ZnS,MgF2 等の透明誘電材料が使用でき
る。また、各磁性層としては、上記磁性材料を含む種々
の磁性材料によって構成することが考えられるが、例え
ば、Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho等の希
土類金属元素の一種類あるいは二種類以上が10〜40
at%と、Fe,Co,Ni等の遷移金属の一種類ある
いは二種類以上が90〜60at%とで構成される希土
類−遷移金属非晶質合金によって構成し得る。また、耐
食性向上等のために、これに、Cr,Mn,Cu,T
i,Al,Si,Pt,In等の元素を少量添加しても
よい。
を、記録測定前の処理として、グルーブ部にレーザース
ポットが位置決めされるようにトラッキング制御をし、
ディスク回転速度2m/sec、レーザーパワー10m
W(λ=680nm、NA=0.55)でグルーブ上の
磁性層の磁気的性質を失わせる方向に変質させる前処理
を行った。
を記録し、C/N比(キャリアレベル対ノズルの比)を
測定した。記録情報は、レーザーパワー3.5mW(λ
=680nm,NA=0.55)のレーザー光を照射し
ながら外部磁界200Oeを変調して、ディスク回転速
度2m/sec、記録周波数2.5MHz、記録マーク
長0.4μmでキャリア信号を書き込んだ。情報の再生
は、λ=680nm,NA=0.55、レーザーパワー
2mWで行った場合、49dBのC/N比が得られた。
記録媒体を、MFMにより記録磁区形状を観察した。こ
のとき、d/L×100=0(%)であった。
性質を失わせる方向に変質させる前処理工程をレーザー
パワー9mWで行ったこと以外は、実施例5と同じよう
にして、作製、測定を行った。このとき、48dBのC
/N比、および、d/L×100=7(%)であった。
性質を失わせる方向に変質させる前処理工程をレーザー
パワー8mWで行ったこと以外は、実施例5と同じよう
にして、作製、測定を行った。このとき、47dBのC
/N比、および、d/L×100=13(%)であっ
た。
性質を失わせる方向に変質させる前処理工程をレーザー
パワー7mWで行ったこと以外は、実施例5と同じよう
にして、作製、測定を行った。このとき、46dBのC
/N比、および、d/L×100=20(%)であっ
た。
性質を失わせる方向に変質させる前処理工程を省いたこ
と以外は、実施例5と同じようにして、作製、測定を行
った。このとき、43dBのC/N比、および、d/L
×100=29(%)であった。
性質を失わせる方向に変質させる前処理工程をレーザー
パワー6mWで行ったこと以外は、実施例5と同じよう
にして、作製、測定を行った。このとき、44dBのC
/N比、および、d/L×100=25(%)であっ
た。
mであるポリカーボネート基板を使用したこと以外は、
比較例4と同じようにして、作製、測定を行った。この
とき、46dBのC/N比、および、d/L×100=
18(%)であった。
3,4の結果から、(d/L×100)に対するC/N
比の依存性をグラフにした場合、図12のような結果が
得られる。図12から、d/L×100≦20(%)で
あるとき、少なくとも45dB以上のC/N比が得られ
ている。
の記録磁区による信号再生の影響を抑制でき、また、再
生信号の立ち上がり、立ち下がりも従来例に比べ急峻に
することを可能にし、信号品質の改善を可能にする。
ある。
である。
式の原理図である。
現象の説明図である。
現象の説明図である。
区のMFM像である。
区のMFM像である。
依存性(磁壁移動磁区拡大再生方式)を示すグラフであ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 磁壁が移動可能な第1の磁性層と、記録
磁区を保持する第3の磁性層と、前記第1の磁性層及び
第3の磁性層よりもキュリー温度の低い、前記第1の磁
性層と第3の磁性層間に配された第2の磁性層とを備
え、前記第1の磁性層は前記第3の磁性層より磁壁抗磁
力が小さい光磁気記録媒体において、前記記録磁区が形
成される領域間には該領域間の磁気的結合を分断する磁
気的性質の変質領域が設けられ、前記記録磁区が形成さ
れる領域の幅Lは、その記録領域の幅一杯に記録磁区を
形成した場合において、記録磁区の開始位置から、前記
記録磁区の磁区幅が最大値を示す、あるいは最大値を示
し始める位置までの距離をdとしたとき、d/L×10
0<20(%)を満足することを特徴とする光磁気記録
媒体。 - 【請求項2】 請求項1記載の媒体の前記記録磁区が形
成される領域にレーザ光を照射しながら外部磁界を印加
することにより記録磁区を形成することを特徴とする記
録方法。
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JP28848597A JP3416490B2 (ja) | 1997-10-21 | 1997-10-21 | 光磁気記録媒体および記録方法 |
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JP28848597A JP3416490B2 (ja) | 1997-10-21 | 1997-10-21 | 光磁気記録媒体および記録方法 |
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JPH11126381A JPH11126381A (ja) | 1999-05-11 |
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1997
- 1997-10-21 JP JP28848597A patent/JP3416490B2/ja not_active Expired - Fee Related
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