JP2005293706A - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高S/N比で高記録密度を実現する。
【解決手段】垂直磁気記録ディスク10は、基体11上に、密着層12、軟磁性層13、第1下地層14、第2下地層15、垂直磁気記録層16、媒体保護層17、潤滑層18をこの順に備える。第1下地層14はCo含有の非晶質の非磁性層であり、垂直磁気記録層16はCo含有の強磁性層である。下地層14は、更にTa、Ni、Crのいずれかを含有する。第2下地層15は、hcp結晶構造を有する金属非磁性層であり、軟磁性層13はCoを含有する層である。
【選択図】図1

Description

本発明は、垂直磁気記録方式のHDD(ハードディスクドライブ)等の磁気ディスクとして利用される垂直磁気記録媒体に関するものである。
磁気ディスクを垂直磁気記録方式に対応させるためには、現在普及している面内磁気記録方式用磁気ディスクとは大幅に異なる設計思想が要求される。垂直磁気記録方式で用いられる記録媒体として、基体上に軟磁性体からなる下地層(軟磁性下地層)を形成し、その上に直接もしくは非磁性の中間層(非磁性下地層)を介して垂直磁気記録層を形成した二層膜構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
二層膜構造の垂直磁気記録媒体は、磁気記録時に、磁気ヘッド−垂直磁気記録層−軟磁性下地層の間に好適な磁気回路を形成することができる。その際、軟磁性下地層が、垂直磁気記録層への記録を助ける働きをする。
特開2003−77122号公報
ところで、垂直磁気記録媒体のS/N比を向上させ、記録密度を向上させるためには、記録層の磁化遷移領域ノイズを低減することが肝要である。この磁化遷移領域ノイズは、通常、記録層を構成する磁性グレインの配向性や粒径及び磁気的相互作用の大きさなどに起因して発生することが知られている。磁性グレイン間に介在する磁気的相互作用の影響が大きい場合、記録ビット間の磁化反転が阻害される場合があり、特に情報記録密度が高くなるほど、好ましい記録再生が阻害されてしまう。
このような磁気的相互作用を抑制するために、通常の面内磁気記録媒体では、磁性グレイン間に粒界部分を形成して、磁気的相互作用を遮断するようにしている。例えば、磁気記録層を高記録密度化に好適なCo系合金の硬磁性層とする場合では、Co系合金のhcp結晶構造に粒界を形成することが望ましい。しかしながら、垂直磁気記録媒体において、Co系合金を垂直磁気記録層として用いようとした場合には、好ましい粒界が形成され難いという問題があった。
本発明者らの考察によれば、この原因は次のように考えられる。即ち面内磁気記録ディスクにおいては、Co系合金のhcp結晶構造がディスク面内に配向しているため、粒界部を形成する材料が磁気記録層の外へ流出しないよう抑制されていて、粒界が形成されやすく、グレインも小さくなりやすいが、一方、垂直磁気記録媒体においては、hcp結晶構造がディスク面に垂直に配向しているため、粒界部を形成する材料が磁気記録層の垂直方向つまり磁気記録層の下側の層(例えば、軟磁性下地層や非磁性下地層)や上側の層(例えば保護層)内に拡散流出しやすく、好適な粒界が形成され難いからであると考えられる。
このため、現状では、垂直磁気記録媒体を更に高S/N比化することには限界があり、高記録密度化対応が不十分であった。また、そのため、高S/N比が得られる垂直磁気記録ディスクを安定的に量産することは困難であって、出荷製品に高度の品質保証を付与することができなかった。
本発明は、上記事情を考慮し、高S/N比で高記録密度を実現し得る垂直磁気記録媒体を提供することを目的とする。
本発明は以下の構成を有するものである。
構成1の発明は、基体上に下地層と垂直磁気記録層をこの順に備える垂直磁気記録媒体であって、前記下地層は、Coを含有する非晶質の非磁性層であり、前記垂直磁気記録層は、Coを含有する強磁性層であることを特徴とする。
構成2の発明は、構成1に記載の垂直磁気記録媒体であって、前記下地層は、Taを含有することを特徴とする。
構成3の発明は、構成1又は2に記載の垂直磁気記録媒体であって、前記下地層は、NiとCrの少なくとも一方を含有することを特徴とする。
構成4の発明は、構成1〜3のいずれかに記載の垂直磁気記録媒体であって、前記下地層と前記垂直磁気記録層との間に、六方細密充填(hcp)結晶構造を有する金属非磁性層が介挿されていることを特徴とする。
構成5の発明は、構成1〜4のいずれかに記載の垂直磁気記録媒体であって、前記基体と下地層との間に、Coを含有する軟磁性層が介挿されていることを特徴とする。
本発明によれば、下地層をCo含有の非晶質の非磁性層で構成し、垂直磁気記録層をCo含有の強磁性層で構成したので、高S/N比と高記録密度を実現し得る垂直磁気記録ディスクを安定品質で提供することができる。
図1は実施形態の垂直磁気記録ディスク(垂直磁気記録媒体)10の縦断面の膜構成を示す模式図である。
この垂直磁気記録ディスク10は、化学強化されたアモルファスのアルミノシリケートガラスよりなるディスク基体11の上に、密着層12を介して軟磁性層13を積層し、その上に第1下地層14及び必要に応じて第2下地層15を積層し、その上に垂直磁気記録層16を設け、更にその上に媒体保護層17と潤滑層18を積層したものである。
密着層12は、軟磁性層13のディスク基体11に対する付着力を補強する役目を果たす層である。軟磁性層13は、軟磁性特性を備える軟磁性体からなるCo含有の層である。第1下地層14は、垂直磁気記録層16の垂直配向を促進する作用と垂直磁気記録層16の結晶粒の微細化を促進する作用を果たす層であり、Coを含有する非晶質の非磁性層よりなる。Ta、Ni、Crを含有するものでもよい。必要に応じて設けられる第2下地層15は、hcp結晶構造を有する金属非磁性層よりなる。
また、垂直磁気記録層16は、Coを含有する強磁性層であり、hcp結晶構造の合金硬磁性磁気記録層である。磁化容易軸(c軸)はディスク面に対して垂直に配向されている。媒体保護層17は、磁気ヘッドの衝撃から垂直磁気記録ディスク10を防護するための層である。潤滑層18は、磁気ヘッドの衝撃を緩和するための層である。
実施例1では、まず、アモルファスのアルミノシリケートガラスをダイレクトプレスで円盤状に成型してガラスディスクを作成した。このガラスディスクに研削、研磨、化学強化を順次施し、化学強化ガラスディスクからなる平滑な非磁性ディスク基体11を得た。
このディスク基体11の主表面の表面粗さをAFM(原子間力顕微鏡)で測定したところ、最大高さRmaxが4.8nm、算術平均粗さRaが0.42nmという平滑な表面形状であった。なお、Rmax及びRaは、日本工業規格(JIS)に従う。
得られたガラスディスク基体11上に、真空引きを行なった枚葉・静止対向型成膜装置を用いて、DCマグネトロンスパッタリング法にて、Ar雰囲気中で、密着層12、軟磁性層13を順次成膜し、その後、同
成膜装置内で加熱し、第1下地層14、垂直磁気記録層16、媒体保護層17を順次成膜した。
上記の加熱は、真空中で275℃、9秒間、ディスク基体を保持することにより行った。
まず、密着層12は、膜厚20nmのTi層となるように、Tiターゲットを用いて成膜した。
また、軟磁性層13は、膜厚200nmの非晶質のCoTaZr(Co:88at%、Ta:7at%、C:5at%)層となるように、CoTaZrターゲットを用いて成膜した。
軟磁性層13までの成膜を終えて得られた膜の表面粗さを、上記と同様にAFMで測定したところ、Rmaxが5.1nm、Raが0.48nmという平滑な表面形状であった。
また、VSM(振動試料型磁化測定装置)を用いて磁気特性を測定したところ、保磁力(Hc)は2エルステッド(Oe)、飽和磁束密度は900emu/ccであり、好適な軟磁性特性を示していた。
続いて、軟磁性層13の上に、ディスク基体11の加熱後に、膜厚5nmの非晶質のCoCrTa(Co:55at%、Cr:33at%、Ta:12at%)からなる第1下地層14が形成されるように、CoCrTaターゲットを用いて成膜した。
第1の下地層14の微細構造を調べるために、XRD(X線回折測定)法で分析した。なお、CuのKα線によりゴニオメーター法でX線回折測定を行った。分析の結果、結晶質に由来する鋭利なピークは観察されず、第1下地層14のCoCrTa膜は非晶質であることが確認された。
次に、CoCrPt合金からなる硬磁性体のターゲットを用いて、膜厚15nmのhcp結晶構造からなる垂直磁気記録層16が形成されるように成膜した。該垂直磁気記録層の組成は、Co:62.5at%、Cr:20at%、Pt:17.5at%である。
次に、Arに水素を20%含有させた混合ガスを用いて、カーボンターゲットをスパッタリングすることにより、膜厚5nmの水素化炭素からなる媒体保護層17を形成した。水素化炭素とすることで、膜硬度が向上するので、磁気ヘッドからの衝撃に対して垂直磁気記録層16を防護することができる。
この後、PFPE(パーフロロポリエーテル)からなる潤滑層18をディップコート法により形成した。潤滑層18の膜厚は1.2nmである。
以上の製造工程により、垂直磁気記録ディスク10が得られた。
得られた垂直磁気記録ディスク10の垂直磁気記録層16の配向性をX線回折法にて分析したところ、hcp結晶構造のc軸がディスク面に対して垂直方向に配向していた。
また、得られた垂直磁気ディスク10を透過型電子顕微鏡(TEM)で分析したところ、軟磁性層13は、長距離秩序が観察されない非晶質であることが確認された。また、軟磁性層13には加熱に伴う変質などは観測されなかった。
また、垂直磁気記録ディスク10の磁気特性をVSMで評価したところ、保磁力(Hc)は4200エルステッド(Oe)、角型比〔残留磁束密度(Br)/飽和磁束密度(Bs)〕は1.0、磁化反転核生成磁界(Hn)は0エルステッドという、好適な磁気特性を示した。
なお、垂直磁気記録ディスク10の保磁力、角型比は数値が高ければ高いほど好ましく、磁化反転核生成磁界は0未満のなるべく小さい値であるほど好ましい。
垂直磁気記録ディスク10の電磁変換特性を測定したところ、S/N比は21.1dB、分解能50%であり、100Gbit/inch以上の垂直磁気記録ディスクにとって好適な結果が得られた。
また、電磁変換特性は以下のようにして測定した。
R/Wアナライザー(GUZIK)と、記録側がSPT素子、再生側がGMR素子を備える垂直磁気記録方式用磁気ヘッドとを用いて、S/N比の信号Sは65kfciの記録密度で測定し、ノイズNは0から780kfci間の記録密度で測定した波形面積を積分したものである。
また、分解能は390kfciで測定した信号と65kfciで測定した信号との強度比である。このとき、磁気ヘッドの浮上量は12nmであった。
また、熱揺らぎ測定についても行ったが、障害は確認されなかった。なお、上記磁気特性等の結果については、後記表1にも示した。
実施例2では、膜厚5nmの非晶質CoNiTa(Co:55at%、Ni:15at%、Ta:30at%)からなる第1下地層14を、CoNiTaターゲットを用いて成膜した以外は、実施例1と同様に垂直磁気記録ディスク10の作製を行った。
なお、実施例1と同様に第1下地層14をX線回折測定により分析したところ、上記第1下地層14のCoNiTa膜は非晶質であることが確認された。
得られた垂直磁気記録ディスク10を実施例と同様に測定したところ、保磁力(Hc)は4000エルステッド、角型比〔残留磁束密度(Br)/飽和磁束密度(Bs)〕は0.97、磁化反転核生成磁界(Hn)は200エルステッドであった。また、電磁変換特性を実施例1と同様に測定したところ、S/N比は20.5dB、分解能50%であった。
実施例3では、基体加熱を行わず、軟磁性層13の上に、膜厚5nmの非晶質CoCrTa(Co:55at%、Cr:33at%、Ta:12at%)からなる第1下地層14をCoCrTaターゲットを用いて成膜し、次に、膜厚20nmのhcp結晶構造を有するRuからなる金属非磁性層である第2下地層15をRuターゲットを用いて、成膜ガス圧6Pa、成膜速度:4nm/秒の成膜条件で形成し、さらに、CoCrPt−SiO2の焼結体からなる強磁性体である硬磁性体ターゲットを用いて、成膜ガス6Pa、膜厚15nmのhcp結晶構造を含む垂直磁気記録層16が形成されるように成膜した。それ以外は、実施例1と同様に垂直磁気記録ディスク10の作製を行った。
また、実施例1と同様に第1下地層14をX線回折測定により分析したところ、上記第1下地層14のCoCrTa膜は非晶質であることが確認された。
また、第2下地層15の微細構造を調べるために、XRD(X線回折測定)法で分析した。なお、CuのKα線によりゴニオメータ法でX線回折測定を行った。分析の結果、六方細密充填(hcp)結晶構造に由来する鋭利なピークが観察され、第2下地層15のRu膜は六方細密充填(hcp)結晶構造であることが確認された。
さらに、この垂直磁気記録層16を透過型電子顕微鏡(TEM)で分析したところ、グラニュラー構造を備えていた。具体的にはCoを含有する六方細密充填(hcp)結晶構造の結晶粒子の間に、非磁性の酸化物体からなる粒界部分が形成されていることを確認した。
この場合の垂直磁気記録層16の組成は、[Co:73.5at%、Cr:9.5at%、Pt:17at%]−SiO:8mol%である。
得られた垂直磁気記録ディスク10を、実施例1と同様に測定したところ、保磁力(Hc)は4400エルステッド、角型比(残留磁束密度(Br)/飽和磁束密度(Bs))は1.0、磁化反転核生成磁界(Hn)は−900エルステッドであった。また、電磁変換特性を実施例1と同様に測定したところ、S/N比は22.5dB、分解能53%であった。
実施例4は、膜厚5nmの非晶質のCoNiTa(Co:55at%、Ni:15at%、Ta:30at%)からなる第1下地層14を、CoNiTaターゲットを用いて成膜した。それ以外は、実施例3と同様に垂直磁気記録ディスク10の作製を行った。
なお、実施例1と同様に第1下地層14をX線回折測定により分析したところ、第1下地層14のCoNiTa膜は非晶質であることが確認された。
得られた垂直磁気記録ディスク10を、実施例1と同様に測定したところ、保磁力(Hc)は4200エルステッド、角型比〔残留磁束密度(Br)/飽和磁束密度(Bs)〕は1.0、磁化反転核生成磁界(Hn)は−700エルステッドであった。また、電磁変換特性を実施例1と同様に測定したところ、S/N比は22.1dB、分解能52%であった。
〔比較例1〕
比較例1では、膜厚5nmの非晶質のCoCrTa(Co:56at%、Cr:40at%、Ta:4at%)からなる第1下地層14を、CoCrTaターゲットを用いて成膜した。それ以外は、実施例1と同様に垂直磁気記録ディスクの作製を行った。
なお、実施例1と同様に第1下地層14をX線回折測定により分析したところ、六方細密充填(hcp)結晶構造に由来する鋭利なピークが観察され、上記第1下地層14のCoCrTa膜は結晶質であることが確認された。
得られた垂直磁気記録ディスクを実施例1と同様に測定したところ、保磁力(Hc)は3400エルステッド、角型比(残留磁束密度(Br)/飽和磁束密度(Bs))は0.94、磁化反転核生成磁界(Hn)は200エルステッドであった。また、電磁変換特性を実施例1と同様に測定したところ、S/N比は18.0dB、分解能43%であった。
この結果は、実施例と比較して、第1下地層14を結晶質にすることにより、S/N比と分解能が低下することを示している。
〔比較例2〕
比較例2では、軟磁性層13の上に、第1下地層を形成せず、直接垂直磁気記録層17を軟磁性層13の直上に形成した以外は、実施例1と同様に垂直磁気記録ディスクの作製を行った。
得られた垂直磁気記録ディスクを実施例1と同様に測定したところ、保磁力(Hc)は3700エルステッド、角型比(残留磁束密度(Br)/飽和磁束密度(Bs))は0.90、磁化反転核生成磁界(Hn)は700エルステッドであった。また、電磁変換特性を実施例1と同様に測定したところ、S/N比は19.1dB、分解能45%であった。
この結果は実施例と比較して、第1地下層14を垂直磁気記録層17の直下に形成しないことによりS/N比と分解能が低下することを示している。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2005293706
本発明の実施形態の垂直磁気記録ディスクの膜構成を示す模式図である。
符号の説明
10 垂直磁気記録ディスク(垂直磁気記録媒体)
11 ディスク基体
13 軟磁性層
14 第1下地層
15 第2下地層
16 垂直磁気記録層
17 媒体保護層
18 潤滑層

Claims (5)

  1. 基体上に下地層と垂直磁気記録層をこの順に備える垂直磁気記録媒体であって、
    前記下地層は、Coを含有する非晶質の非磁性層であり、
    前記垂直磁気記録層は、Coを含有する強磁性層であることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 請求項1に記載の垂直磁気記録媒体であって、
    前記下地層は、Taを含有することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  3. 請求項1又は2に記載の垂直磁気記録媒体であって、
    前記下地層は、NiとCrの少なくとも一方を含有することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の垂直磁気記録媒体であって、
    前記下地層と前記垂直磁気記録層との間に、六方細密充填(hcp)結晶構造を有する金属非磁性層が介挿されていることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の垂直磁気記録媒体であって、
    前記基体と下地層との間に、Coを含有する軟磁性層が介挿されていることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
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