JP2005293664A - 磁気ディスク及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】100Gbit/inch2以上の高記録密度を達成でき、かつ、高S/N比の磁気ディスクを提供する。
【解決手段】ディスク状ガラス基板1上に、少なくとも、第1の合金層4と六方最密充填構造を含む第2の合金層5とをこの順で有するとともに、該第2の合金層5上に非磁性結合層6を介して磁気記録層7を有する磁気ディスク100であって、上記第1の合金層4は、Cr(クロム)と、Cr(クロム)と全率固溶を示す元素Aと、Cr(クロム)と体心立方構造の化合物を生成する元素Bとを含む合金からなり、この合金に含まれる元素のうちAの含有量は7原子%から25原子%の範囲であり、Bの含有量は1原子%から15原子%の範囲である合金を成膜してなる。
【選択図】 図1
【解決手段】ディスク状ガラス基板1上に、少なくとも、第1の合金層4と六方最密充填構造を含む第2の合金層5とをこの順で有するとともに、該第2の合金層5上に非磁性結合層6を介して磁気記録層7を有する磁気ディスク100であって、上記第1の合金層4は、Cr(クロム)と、Cr(クロム)と全率固溶を示す元素Aと、Cr(クロム)と体心立方構造の化合物を生成する元素Bとを含む合金からなり、この合金に含まれる元素のうちAの含有量は7原子%から25原子%の範囲であり、Bの含有量は1原子%から15原子%の範囲である合金を成膜してなる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、HDD(ハードディスクドライブ)等の情報を記録するための磁気ディスク装置に搭載する磁気ディスク及びその製造方法に関する。
今日、情報記録技術、特に磁気記録技術はIT産業の発達に伴い飛躍的な技術革新が要請されている。たとえば、HDD等の磁気ディスク装置に搭載する磁気ディスクでは、100Gbit/inch2以上の情報記録密度を達成できる技術が求められている。
このような磁気ディスクでは、特に出力と媒体ノイズの比、即ちS/N比が優れていることが求められる。このため、従来ではグレインサイズの微細化や結晶配向の制御等によって媒体ノイズを低下させることによって、磁気特性の向上が図られてきた。
このような磁気ディスクでは、特に出力と媒体ノイズの比、即ちS/N比が優れていることが求められる。このため、従来ではグレインサイズの微細化や結晶配向の制御等によって媒体ノイズを低下させることによって、磁気特性の向上が図られてきた。
しかし、このような高記録密度においては、磁気ディスク上に記録した信号が時間の経過と共に減衰する、所謂熱揺らぎ現象と呼ばれる障害が発生する場合があることが知られている。この熱揺らぎ障害の原因は、このような高記録密度を達成できるように磁性層の磁性グレインを微細化した結果として、記録された磁化を保持するのに十分な保磁力(Hc)を持たなくなり、記録信号の磁化が熱磁気余効(熱揺らぎ磁気余効)を起こし易くなったためであると考えられている。この熱揺らぎ障害を解決するために、例えば下記特許文献1(特開2001−56924号公報)には、磁気記録媒体にAFC(Anti Ferro Coupled Film:反強磁性結合膜)構造を導入することで、書き込まれたビットの熱安定性を向上させようとする技術が開示されている。即ち、基板上に、Ru等からなる非磁性分断層により上下に分断された反強磁性交換結合を誘導する多層構造を有する磁気記録層を形成したものであるが、特に非磁性分断層の下層の磁性層は膜厚が薄いものとなっている。
ところで、本発明者の研究によると、上記AFC構造における非磁性分断層の下層の磁性層を薄くしていくと媒体ノイズが低減し、S/N比を向上させられることが判明した。これは、非磁性分断層の下層の磁性層を薄膜化することにより、非磁性分断層の上層のグレインを微細化するとともに、非磁性分断層によってその上層と下層の磁性層を交換結合させた時の実効的な磁性グレインの体積を減らすことができるためである。しかしながら、本発明者の更なる研究によると、非磁性分断層の下層の磁性層を更に薄くしていった場合、薄膜化に伴って保磁力、飽和磁化、残留磁化の低下が見られ、十分にノイズを低減させられなくなることが判明した。これは、通常、体心立方構造(bcc構造)を含む下地層の上に六方最密充填構造(hcp構造)を含む例えばCoCr系合金磁性層を形成していたが、hcp構造の磁性層の磁化容易軸はディスクの面内配向が困難であり、かつbcc構造の下地層との界面付近でグレインが不揃いになりやすく、磁性層の膜成長の初期段階において十分な結晶組織を形成していない為と考えられる。このようなグレインと配向性が不揃いなhcp構造の初期成長膜はノイズの原因にもなりやすい。
更に、本発明者の検討によれば、上述のAFC構造を備えた磁気記録媒体における非磁性分断層の下層の磁性層の膜厚を薄くした場合は殆どhcp構造の初期成長膜で形成されるため、結果として、磁性層間の良好な交換結合が誘導されず、磁気特性を向上できない、また媒体ノイズの低減も図れないということが判明した。
即ち、本発明者は、従来の改善技術では、高記録密度化に伴って非磁性分断層の下層の磁性層の膜厚を薄くした場合、媒体ノイズを低減させて、磁気特性を向上することは困難であるという新たな課題を見い出した。従って、従来の改善技術では、例えば100Gbit/inch2以上の高記録密度を達成することは事実上困難となっていた。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、例えば100Gbit/inch2以上の高記録密度を達成でき、かつ、高S/N比の磁気ディスク及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、例えば100Gbit/inch2以上の高記録密度を達成でき、かつ、高S/N比の磁気ディスク及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、本発明者が見い出した上記課題を解決すべく鋭意研究を行なったところ、特定のクロム系合金層を磁性層直下の下地として成膜することにより、このクロム系合金層の上に成膜する磁性層において、グレインと配向性が不揃いなhcp構造の初期成長膜の生成を好適に抑制することが出来ることを突き止め、以下の構成を有する本発明を完成するに至った。
(構成1)ディスク状ガラス基板上に、少なくとも、第1の合金層と六方最密充填構造を含む第2の合金層とをこの順で有するとともに、該第2の合金層上に交換結合構造を備える磁性層を有する磁気ディスクであって、前記第1の合金層は、Cr(クロム)と、Cr(クロム)と全率固溶を示す元素Aと、Cr(クロム)と体心立方構造の化合物を生成する元素Bとを含む合金からなることを特徴とする磁気ディスク。
(構成2)前記第1の合金層に含まれる元素のうち元素Aの含有量は7原子%から25原子%の範囲であり、元素Bの含有量は1原子%から15原子%の範囲であることを特徴とする構成1に記載の磁気ディスク。
(構成3)前記第2の合金層のC軸は、ディスク面に対して略平行に配向していることを特徴とする構成1又は2に記載の磁気ディスク。
(構成4)前記第2の合金層の残留磁化膜厚積が1.5Gμmから20Gμmの範囲にあることを特徴とする構成1乃至3の何れかに記載の磁気ディスク。
(構成5)前記第1の合金層の基板側に、B2結晶構造のシード層を備えることを特徴とする構成1乃至4の何れかに記載の磁気ディスク。
(構成6)前記ガラス基板の主表面上に、前記第2の合金層のC軸に所望の配向性を付与するためのテクスチャーを形成してあることを特徴とする構成1乃至5の何れかに記載の磁気ディスク。
(構成7)ディスク状ガラス基板上に、少なくとも、第1の合金層と六方最密充填構造を含む第2の合金層とをこの順で有するとともに、該第2の合金層上に交換結合構造を備える磁性層を有する磁気ディスクの製造方法であって、Cr(クロム)と、Cr(クロム)と全率固溶を示す元素Aと、Cr(クロム)と体心立方構造の化合物を生成する元素Bとを含む合金からなるターゲットを用いて反応性スパッタリングにより前記第1の合金層を成膜した後、前記第2の合金層を成膜することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
(構成8)前記合金からなるターゲットに含まれる元素のうち元素Aの含有量は7原子%から25原子%の範囲であり、元素Bの含有量は1原子%から15原子%の範囲であることを特徴とする請求項7に記載の磁気ディスクの製造方法。
(構成9)前記第1の合金層の反応性スパッタリング成膜は、希ガス元素と酸素元素とを含む雰囲気において行うことを特徴とする構成7又は8に記載の磁気ディスクの製造方法。
(構成2)前記第1の合金層に含まれる元素のうち元素Aの含有量は7原子%から25原子%の範囲であり、元素Bの含有量は1原子%から15原子%の範囲であることを特徴とする構成1に記載の磁気ディスク。
(構成3)前記第2の合金層のC軸は、ディスク面に対して略平行に配向していることを特徴とする構成1又は2に記載の磁気ディスク。
(構成4)前記第2の合金層の残留磁化膜厚積が1.5Gμmから20Gμmの範囲にあることを特徴とする構成1乃至3の何れかに記載の磁気ディスク。
(構成5)前記第1の合金層の基板側に、B2結晶構造のシード層を備えることを特徴とする構成1乃至4の何れかに記載の磁気ディスク。
(構成6)前記ガラス基板の主表面上に、前記第2の合金層のC軸に所望の配向性を付与するためのテクスチャーを形成してあることを特徴とする構成1乃至5の何れかに記載の磁気ディスク。
(構成7)ディスク状ガラス基板上に、少なくとも、第1の合金層と六方最密充填構造を含む第2の合金層とをこの順で有するとともに、該第2の合金層上に交換結合構造を備える磁性層を有する磁気ディスクの製造方法であって、Cr(クロム)と、Cr(クロム)と全率固溶を示す元素Aと、Cr(クロム)と体心立方構造の化合物を生成する元素Bとを含む合金からなるターゲットを用いて反応性スパッタリングにより前記第1の合金層を成膜した後、前記第2の合金層を成膜することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
(構成8)前記合金からなるターゲットに含まれる元素のうち元素Aの含有量は7原子%から25原子%の範囲であり、元素Bの含有量は1原子%から15原子%の範囲であることを特徴とする請求項7に記載の磁気ディスクの製造方法。
(構成9)前記第1の合金層の反応性スパッタリング成膜は、希ガス元素と酸素元素とを含む雰囲気において行うことを特徴とする構成7又は8に記載の磁気ディスクの製造方法。
上記第1の合金層によると、該合金層の格子定数を制御しつつ、粒成長を抑制することが出来るため、この上に成膜される第2の合金層(交換結合構造を形成する強磁性層)の結晶成長を極薄膜においても助長し、且つエピタキシャル成長を形成することができる。即ち、グレインが十分に微細化され、且つ第2の合金層の格子定数に整合した第1の合金層上に成膜される第2の合金層は、膜形成の初期段階から結晶成長を損なうことなく、結晶性の高い第2の合金層薄膜を形成することが出来る。従って、hcp構造の第2の合金層におけるグレインや配向性が不揃いな初期成長膜の生成を好適に抑制することができる。
これによって、交換結合構造を備えた磁性層のうち非磁性層で分断された下層の磁性層(第2の合金層)の膜厚を非常に薄くしてもグレインと配向性が好適に制御された磁性層薄膜を形成することができ、また媒体ノイズの低減を図ることができる。
これによって、交換結合構造を備えた磁性層のうち非磁性層で分断された下層の磁性層(第2の合金層)の膜厚を非常に薄くしてもグレインと配向性が好適に制御された磁性層薄膜を形成することができ、また媒体ノイズの低減を図ることができる。
本発明者の考察によれば、上記第1の合金層によると、該合金層の格子定数を制御しつつ、粒成長を抑制することが出来る理由は以下のように考えられる。
即ち、Crと全率固溶を示すCrA合金を用いると、A元素の含有量と共にCrの結晶構造を変化させることなく格子定数を連続的に変化させることが可能である。しかしながら、全率固溶を示すCrA合金はグレインの粒成長が起こりやすく、十分に微細化することが困難である。このCrA合金にCrと化合物を形成する元素Bを添加すると、CrB化合物によってCrAの粒成長を抑制することが出来る。その結果、十分に微細化され、且つ格子定数が第1の合金層上に成膜される第2の合金層の格子定数に整合するよう制御された合金層が得られる。
即ち、Crと全率固溶を示すCrA合金を用いると、A元素の含有量と共にCrの結晶構造を変化させることなく格子定数を連続的に変化させることが可能である。しかしながら、全率固溶を示すCrA合金はグレインの粒成長が起こりやすく、十分に微細化することが困難である。このCrA合金にCrと化合物を形成する元素Bを添加すると、CrB化合物によってCrAの粒成長を抑制することが出来る。その結果、十分に微細化され、且つ格子定数が第1の合金層上に成膜される第2の合金層の格子定数に整合するよう制御された合金層が得られる。
本発明によれば、磁性層直下の第1の合金層によってhcp構造の磁性層におけるグレインや配向性が不揃いな初期成長膜の生成を抑制することができるので、交換結合構造を備えた磁性層のうち非磁性層で分断された下層の磁性層の膜厚を非常に薄くしてもグレインと配向性が好適に制御された磁性層薄膜を形成することができ、また媒体ノイズの低減を図ることができる。従って、例えば100Gbit/inch2以上の高記録密度を達成でき、かつ、高いS/N比を有する磁気ディスクを得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を詳述する。
図1は、本発明に係る磁気ディスクの一実施の形態を示したもので、図1の磁気ディスク100は、アモルファスガラスからなる非金属ガラス基板1上に、微細化促進層2、シード層3、第1の合金層4、第2の合金層5、非磁性結合層6、磁気記録層7、保護層9、及び潤滑層10が順次接して成膜された磁気ディスクである。
非金属ガラス基板1は、アモルファスガラス1aの主表面上にテクスチャー1bが形成されており、順次成膜される六方最密充填構造(hcp構造)を含む第2の合金層5のC軸(磁化容易軸)をディスクの円周方向に優先配向させる機能を備える。このような優先配向を付与することにより、磁気ディスクのディスク円周方向の保磁力がディスク半径方向の保磁力よりも大きい、磁気特性の異方性を備えた磁気ディスクが得られる。
なお、ガラスとしては、アモルファスガラスの他、結晶化ガラス等があるが、特にアモルファスガラスは非晶質で表面平滑性が高いので本発明には好適である。ガラス基板1の材質としては、例えば、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス、チェーンシリケートガラス等が挙げられる。中でも、アルミノシリケートガラスは、高精度に平滑な表面を得ることが出来、また化学強化により高い剛性を得ることが出来るので、本発明に好適である。ガラス基板1の厚さは、特に制約は無いが、0.1mm〜1.5mm程度が好ましい。
図1は、本発明に係る磁気ディスクの一実施の形態を示したもので、図1の磁気ディスク100は、アモルファスガラスからなる非金属ガラス基板1上に、微細化促進層2、シード層3、第1の合金層4、第2の合金層5、非磁性結合層6、磁気記録層7、保護層9、及び潤滑層10が順次接して成膜された磁気ディスクである。
非金属ガラス基板1は、アモルファスガラス1aの主表面上にテクスチャー1bが形成されており、順次成膜される六方最密充填構造(hcp構造)を含む第2の合金層5のC軸(磁化容易軸)をディスクの円周方向に優先配向させる機能を備える。このような優先配向を付与することにより、磁気ディスクのディスク円周方向の保磁力がディスク半径方向の保磁力よりも大きい、磁気特性の異方性を備えた磁気ディスクが得られる。
なお、ガラスとしては、アモルファスガラスの他、結晶化ガラス等があるが、特にアモルファスガラスは非晶質で表面平滑性が高いので本発明には好適である。ガラス基板1の材質としては、例えば、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス、チェーンシリケートガラス等が挙げられる。中でも、アルミノシリケートガラスは、高精度に平滑な表面を得ることが出来、また化学強化により高い剛性を得ることが出来るので、本発明に好適である。ガラス基板1の厚さは、特に制約は無いが、0.1mm〜1.5mm程度が好ましい。
また、上記テクスチャー1bは、磁性層に磁気異方性を誘導する形状であれば特に限定されない。例えば、円周状テクスチャー、らせん状テクスチャー、クロステクスチャーなどを挙げることが出来る。特に円周状テクスチャーであれば、テクスチャーの方向が磁気ディスク上を浮上飛行する磁気ヘッドの走行方向に類似するので、本発明の作用を好ましく得ることができる。テクスチャーの表面粗さに関しては、Rmaxで6nm以下、Raで0.6nm以下であることが好ましい。このような平滑な表面粗さの場合、磁気ディスクの高記録密度化に資することができる。なお、ここで表面粗さRmaxとは、日本工業規格(JIS)B0601に定める最大高さ、Raとは、同じく日本工業規格(JIS)B0601に定める算術平均粗さのことである。
また、このようなテクスチャー1bを形成する方法としては、ガラス基板主表面に樹脂テープを押し付けた状態でガラス基板とテープとを相対的に移動させることにより該ガラス基板の主表面上にライン状をなすテクスチャーを形成するテープ式テクスチャー研磨方法が好ましく挙げられる。
また、このようなテクスチャー1bを形成する方法としては、ガラス基板主表面に樹脂テープを押し付けた状態でガラス基板とテープとを相対的に移動させることにより該ガラス基板の主表面上にライン状をなすテクスチャーを形成するテープ式テクスチャー研磨方法が好ましく挙げられる。
上記微細化促進層2は、この上に成膜される各層の結晶グレインを微細化させる機能を有し、上記シード層3は上層の結晶グレインを均一に微細化させる機能を有する。微細化促進層2は、ガラス基板1がアモルファスガラスからなる場合、そのアモルファスガラス表面に対応させる為にアモルファスの合金膜とすることが好ましい。例えばCrTi系合金膜、CrTa系合金膜等が挙げられる。中でも、CrTi系合金膜は、微結晶を含むアモルファス金属膜を形成するので特に好ましい。また、シード層3は、上層のグレインを均一に微細化するように、B2結晶構造の合金膜を用いることが好ましい。例えば、AlRu系合金、AlRuB系合金、AlCo系合金等が挙げられる。特に、AlRu系合金膜は微細化作用に優れているので好ましい。
上記第1の合金層4は、主に、この上に成膜される第2の合金層5に含まれるhcp構造の磁化容易軸(C軸)をディスクの面内に略平行に配向させる機能を備えるが、本発明では、特定のCr系合金からなる第1の合金層4によってhcp構造の第2の合金層5におけるグレインや配向性が不揃いな初期成長膜の生成を抑制することができ、第2の合金層5の膜厚を非常に薄くしてもグレインと配向性が好適に制御された強磁性層薄膜を形成することができる。本実施の形態では、第1の合金層4は非磁性層である。
本発明における第1の合金層4は、Cr(クロム)と、Cr(クロム)と全率固溶を示す元素Aと、Cr(クロム)と体心立方構造の化合物を生成する元素Bとを含む合金からなり、例えばCrzAxByで示される組成の合金を成膜してなる。ここで、この合金に含まれる元素のうちAの含有量(x)は7原子%から25原子%の範囲であり、Bの含有量(y)は1原子%から15原子%の範囲であり、上記CrzAxByで示される組成の合金の場合、Crはその残部、即ちz=100−x−yである。
本発明における第1の合金層4は、Cr(クロム)と、Cr(クロム)と全率固溶を示す元素Aと、Cr(クロム)と体心立方構造の化合物を生成する元素Bとを含む合金からなり、例えばCrzAxByで示される組成の合金を成膜してなる。ここで、この合金に含まれる元素のうちAの含有量(x)は7原子%から25原子%の範囲であり、Bの含有量(y)は1原子%から15原子%の範囲であり、上記CrzAxByで示される組成の合金の場合、Crはその残部、即ちz=100−x−yである。
Crと全率固溶を示す元素Aとしては、例えば、Mo,W,V等の元素が挙げられる。これらの元素はCr元素と均一に混ざって合金(固溶体)を形成する。また、Crと体心立方構造の化合物を生成する元素Bとしては、例えば、Ti,B,Nb,Ta等の元素が挙げられる。尚、元素Aと元素Bは、それぞれ1種類の元素でもよいが、元素Aと元素Bの少なくとも一方が2種類以上の元素であってもよい。元素Aと元素Bの少なくとも一方が2種類以上の元素である場合、その2種類以上の元素の各組成は同一でも異なってもよい。
また、第1の合金層4は、上述のように、Cr(クロム)と、Cr(クロム)と全率固溶を示す元素Aと、Cr(クロム)と体心立方構造の化合物を生成する元素Bとを含む合金からなり、この合金に含まれる元素のうちAの含有量は7原子%から25原子%の範囲であり、Bの含有量は1原子%から15原子%の範囲である。Crと全率固溶を示す元素Aの比率が高いと、Cr合金のグレインの粒成長が起こりやすく、十分に微細化することが困難である。また、Crと化合物を形成する元素Bの比率が高いと、粒成長は起こりにくいが、Cr合金の格子定数を制御しずらく、強磁性層とのエピタキシャル成長が十分ではなく配向性が悪くなる。従って、上記組成による第1の合金層4によれば、格子定数を制御しつつ、粒成長を抑制することが出来るため、この上に成膜される第2の合金層5(交換結合構造を形成する強磁性層)はエピタキシャル成長を形成することができ、膜形成の初期段階から結晶成長を損なうことなく、グレインと配向性が好適に制御された結晶性の高い第2の合金層薄膜を形成することが出来、また媒体ノイズの低減を図ることができるので、結果、磁気特性を向上できる。
第1の合金層4は、例えば、希ガス元素と酸素元素とを含む雰囲気において、CrとA元素とB元素を含む、例えばCrzAxByで示される組成の合金ターゲットを用いて成膜することができる。第1の合金層4の成膜方法としては、反応性スパッタリング成膜が好適である。反応性スパッタリング成膜を希ガス元素と酸素元素とを含む雰囲気において行なう場合、添加ガスとしては、Ar(アルゴン)等の希ガスと、例えばCO2、NO2、O2等の酸素元素を含むガスとの混合ガスを用いることができる。希ガスと混合する酸素元素を含むガスとしては特にCO2、O2が取扱い易く好ましい。
このような反応性スパッタリング成膜に用いる混合ガス中の希ガスと酸素元素を含むガスとの混合比は特に制約されないが、通常は希ガスに対する酸素元素を含むガスの混合比を0.3%〜3.0体積%の範囲内とするのが適当である。
このような反応性スパッタリング成膜に用いる混合ガス中の希ガスと酸素元素を含むガスとの混合比は特に制約されないが、通常は希ガスに対する酸素元素を含むガスの混合比を0.3%〜3.0体積%の範囲内とするのが適当である。
また、第1の合金層4の成膜時の温度、成膜速度、及び成膜時の真空度については、本発明では特に制約される必要はないが、成膜時の温度領域は、例えば200℃〜350℃の範囲が好適である。また、成膜速度としては、例えば40Å/秒〜100Å/秒の範囲が好適である。さらに、成膜時の真空度は、例えば4μバール〜12μバールの範囲内に調整することが好適である。
上述の非金属ガラス基板の主表面上にテクスチャーを形成しても、所望の配向性(即ち、基板上に順次成膜される六方最密充填構造(hcp構造)を含む第2の合金層のC軸(磁化容易軸)がディスク面に対して略平行となる配向性、及び/又は、ディスクの円周方向にC軸が優先配向する配向性)や、所望の磁気異方性が得られない場合があるが、本発明では上記第1の合金層を選択することにより、ガラス基板の場合にあっても、配向性に優れ、さらに磁気異方性の卓越した磁気ディスクが得られるようになる。
なお、第1の合金層4は、その上に成膜される第2の合金層5との間でヘテロエピタキシャルな関係となるように成膜されていることが好ましい。
また、第1の合金層4の膜厚は適宜設定することができ特に制約はないが、通常は50Å〜200Å程度の範囲内とするのが適当である。
上述の非金属ガラス基板の主表面上にテクスチャーを形成しても、所望の配向性(即ち、基板上に順次成膜される六方最密充填構造(hcp構造)を含む第2の合金層のC軸(磁化容易軸)がディスク面に対して略平行となる配向性、及び/又は、ディスクの円周方向にC軸が優先配向する配向性)や、所望の磁気異方性が得られない場合があるが、本発明では上記第1の合金層を選択することにより、ガラス基板の場合にあっても、配向性に優れ、さらに磁気異方性の卓越した磁気ディスクが得られるようになる。
なお、第1の合金層4は、その上に成膜される第2の合金層5との間でヘテロエピタキシャルな関係となるように成膜されていることが好ましい。
また、第1の合金層4の膜厚は適宜設定することができ特に制約はないが、通常は50Å〜200Å程度の範囲内とするのが適当である。
上記第2の合金層5は、六方最密充填構造(hcp構造)の合金層からなる。本実施の形態では、第2の合金層5は強磁性層である。本発明では、特定のCr系合金からなる第1の合金層4を形成することにより、第2の合金層5におけるグレインや配向性が不揃いな初期成長膜の生成を抑制することができ、第2の合金層5の膜厚を非常に薄くしてもグレインと配向性が好適に制御されたhcp構造の強磁性層薄膜を形成することができる。
第2の合金層5は、Ar(アルゴン)等の希ガスを添加ガスとして用いた例えばスパッタリング成膜により好適に形成することができる。
第2の合金層5は、Ar(アルゴン)等の希ガスを添加ガスとして用いた例えばスパッタリング成膜により好適に形成することができる。
第2の合金層5の材料としては、具体的には例えばCoCr合金が好ましく挙げられ、更にグレインサイズの微細化を図る観点から、CoCr合金に、Ta,Nb等のVa族金属元素又はBから選ばれる元素を含むことが好ましい。これにより、グレインサイズを微細化することができ、低い媒体ノイズを得ることができる。第2の合金層5中に含まれる上記Ta,Nb又はBから選ばれる元素の含有量は、該合金層のグレインサイズを微細化して媒体ノイズの低減を図る観点から、3原子%〜10原子%の範囲が適当である。
第2の合金層5の膜厚は適宜設定することができるが、薄膜化の観点からは10Å〜50Å程度の範囲内とするのが好ましい。また、媒体ノイズの更なる低減を図る観点からは、10Å〜30Åの範囲であることがより好ましい。
なお、第2の合金層5の残留磁化膜厚積(Mrt)(残留磁化Mrと第2の合金層膜厚tとの積)は、1.5Gμm〜20Gμmの範囲であることが好ましい。この範囲は交換結合構造の磁性層による効果を有効に出現させることができるからである。また、媒体ノイズの更なる低減を図る観点からは、1.5Gμm〜10Gμmの範囲であることがより好ましい。
第2の合金層5の膜厚は適宜設定することができるが、薄膜化の観点からは10Å〜50Å程度の範囲内とするのが好ましい。また、媒体ノイズの更なる低減を図る観点からは、10Å〜30Åの範囲であることがより好ましい。
なお、第2の合金層5の残留磁化膜厚積(Mrt)(残留磁化Mrと第2の合金層膜厚tとの積)は、1.5Gμm〜20Gμmの範囲であることが好ましい。この範囲は交換結合構造の磁性層による効果を有効に出現させることができるからである。また、媒体ノイズの更なる低減を図る観点からは、1.5Gμm〜10Gμmの範囲であることがより好ましい。
また、上記非磁性結合層6は、六方最密充填構造(hcp構造)の金属層からなり、上記第2の合金層5、磁気記録層7と協働して、交換結合層8を構成している。この非磁性結合層6により、上記第2の合金層5の磁化と磁気記録層7の磁化とが、互いに反平行となる結合(交換結合)が誘導される。
また、上記磁気記録層7は、六方最密充填構造(hcp構造)の合金層からなる強磁性層である。本実施の形態の磁気ディスクでは、情報記録は主としてこの磁気記録層7の磁化反転パターンとして記録される。
本発明では、本実施の形態のように、交換結合構造を備える磁性層とすることが好ましい。磁性層が交換結合構造を備えることで、熱磁気余効による熱揺らぎ障害を抑制することが出来るので、高記録密度化に好適である。本発明では、上記交換結合層8を構成している第2の合金層5の磁化容易軸がディスク面に対して略平行となるように第2の合金層5の配向性を好適に制御することが出来るため、結果として上記第2の合金層5の磁化と磁気記録層7の磁化とが互いに反平行となる好ましい交換結合を誘導することができ、磁気特性も向上できる。
また、上記磁気記録層7は、六方最密充填構造(hcp構造)の合金層からなる強磁性層である。本実施の形態の磁気ディスクでは、情報記録は主としてこの磁気記録層7の磁化反転パターンとして記録される。
本発明では、本実施の形態のように、交換結合構造を備える磁性層とすることが好ましい。磁性層が交換結合構造を備えることで、熱磁気余効による熱揺らぎ障害を抑制することが出来るので、高記録密度化に好適である。本発明では、上記交換結合層8を構成している第2の合金層5の磁化容易軸がディスク面に対して略平行となるように第2の合金層5の配向性を好適に制御することが出来るため、結果として上記第2の合金層5の磁化と磁気記録層7の磁化とが互いに反平行となる好ましい交換結合を誘導することができ、磁気特性も向上できる。
本実施の形態では、上記第2の合金層5及び磁気記録層7の材料は共に強磁性材料であり、また上記結合層6の材料は非磁性材料である。このような材料を用いることで、第2の合金層5と磁気記録層7間の交換結合を好適に制御することが出来る。この観点からは、第2の合金層5の材料は前述のようにCoCr系合金強磁性材料であり、磁気記録層7の材料が例えばCo系合金強磁性材料の場合は、結合層6の材料は例えばRu又はRu系合金非磁性材料とするのが好適である。
Co系合金強磁性材料として具体的には、CoPt系合金、CoCr系合金、CoCrPt系合金等が挙げられる。これらの材料は高い磁気異方性定数が得られるので磁気異方性の観点から好ましい。また、必要に応じてこれらのCo系合金にBを含有させることでS/N比を更に向上させることが出来、高記録密度化に特に好適である。
Co系合金強磁性材料として具体的には、CoPt系合金、CoCr系合金、CoCrPt系合金等が挙げられる。これらの材料は高い磁気異方性定数が得られるので磁気異方性の観点から好ましい。また、必要に応じてこれらのCo系合金にBを含有させることでS/N比を更に向上させることが出来、高記録密度化に特に好適である。
上記非磁性結合層6の膜厚は適宜設定することができるが、好ましい交換結合を誘導する観点から、例えば5Å〜10Åの範囲とするのが好ましい。また、上記磁気記録層7の膜厚についても適宜設定することができるが、例えば50Å〜300Åの範囲とするのが好ましい。
また、前記第2の合金層5と磁気記録層7は、非磁性結合層6とエピタキシャルな関係で形成されることが好ましい。よって、磁性層材料の結晶構造と非磁性結合層の結晶構造とは、同一であることが好ましい。この観点から、磁気記録層7及び非磁性結合層6は共に第2の合金層5と同じhcp結晶構造からなる材料を用いることが好ましい。
また、前記第2の合金層5と磁気記録層7は、非磁性結合層6とエピタキシャルな関係で形成されることが好ましい。よって、磁性層材料の結晶構造と非磁性結合層の結晶構造とは、同一であることが好ましい。この観点から、磁気記録層7及び非磁性結合層6は共に第2の合金層5と同じhcp結晶構造からなる材料を用いることが好ましい。
本発明において、交換結合層8は、反強磁性型の結合をしていることが好ましい。ここでいう反強磁性型の結合とは、前記第2の合金層5の磁化方向と磁気記録層7の磁化方向とが互いに反平行となる結合のことである。このように反強磁性型の結合をした交換結合層を用いると、実効的に磁気記録を担う層の膜厚を低減することが出来るので、媒体ノイズNを抑制することが出来、高いS/N比を得ることが出来るため、本発明には好ましい。
また、前記第2の合金層5と非磁性結合層6と磁気記録層7とをこの順で互いに接して形成することが好ましい。このように構成することで、非磁性結合層6を介して前記第2の合金層5と磁気記録層7とが好適に交換結合できる。勿論、非磁性結合層6と第2の合金層5との間、非磁性結合層6と磁気記録層7との間に、それぞれ他の層を含めてもよい。また、前記第2の合金層5と磁気記録層7をそれぞれ複数の磁性層で構成してもよい。
また、前記第2の合金層5と非磁性結合層6と磁気記録層7とをこの順で互いに接して形成することが好ましい。このように構成することで、非磁性結合層6を介して前記第2の合金層5と磁気記録層7とが好適に交換結合できる。勿論、非磁性結合層6と第2の合金層5との間、非磁性結合層6と磁気記録層7との間に、それぞれ他の層を含めてもよい。また、前記第2の合金層5と磁気記録層7をそれぞれ複数の磁性層で構成してもよい。
本実施の形態においては、前記磁気記録層7を情報記録層として用いることが出来るが、この磁気記録層7の上に、更に第3の磁性層を形成することもできる。この場合、第2の合金層5と非磁性結合層6と磁気記録層7とを含む交換結合層8の上に、第3の磁性層が形成されることになる。このように構成すると、第2の合金層5は交換結合を制御する層、磁気記録層7は交換結合を制御するとともに、第3の磁性層の結晶配向性を制御する層、第3の磁性層は磁気記録層として用いることが出来る。これにより、第3の磁性層の結晶配向性が向上するので、高記録密度化に資することが出来る。なお、必要に応じて、磁気記録層7と第3の磁性層との間に、結晶配向性を更に促進する層を設けてもよい。
本発明の磁気ディスクは、本実施の形態に示すように、前記磁気記録層7上に、保護層9及び潤滑層10を設けることが好ましい。保護層9としては、炭素系保護層が好適であり、特にアモルファス炭素からなるダイヤモンドライク保護層が好ましい。また、潤滑層10としては、例えばパーフルオロポリエーテル化合物が好適である。
本発明において、上記各層を成膜する方法については、公知の技術を用いることができ、微細化促進層2から磁気記録層7までは、たとえばスパッタリング法、プラズマCVD法等を採用できる。保護層9は、特にプラズマCVD法により成膜するのが好ましい。また、潤滑層10の形成は、ディップ法、スプレイ法、スピンコート法等、公知の方法を用いることが出来る。
以下に実施例を挙げて、本発明の実施の形態についてさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本発明において、上記各層を成膜する方法については、公知の技術を用いることができ、微細化促進層2から磁気記録層7までは、たとえばスパッタリング法、プラズマCVD法等を採用できる。保護層9は、特にプラズマCVD法により成膜するのが好ましい。また、潤滑層10の形成は、ディップ法、スプレイ法、スピンコート法等、公知の方法を用いることが出来る。
以下に実施例を挙げて、本発明の実施の形態についてさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例の磁気ディスクは、化学強化されたアモルファスのアルミノシリケートガラスからなるガラス基板の主表面に、テープ研磨によりテクスチャーを形成し、その上に磁性層等を成膜することにより得られる磁気ディスクである。具体的には、以下の(1)ガラス基板製造工程、(2)テクスチャー加工工程、及び(3)成膜工程を経て本実施例の磁気ディスク100(図1)を製造した。
(1)ガラス基板製造工程
アモルファスのアルミノシリケートガラスからなるガラスディスクの表面を鏡面研磨加工し、Rmaxで4.5nm、Raで0.44nmの鏡面状態のガラスディスクを得た。このガラスディスクに化学強化を施して、磁気ディスク用ガラス基板1を得た。得られたガラス基板1は、外径は65mm、内径は20mm、板厚は0.635mmの2.5インチ型磁気ディスク用基板である。
(1)ガラス基板製造工程
アモルファスのアルミノシリケートガラスからなるガラスディスクの表面を鏡面研磨加工し、Rmaxで4.5nm、Raで0.44nmの鏡面状態のガラスディスクを得た。このガラスディスクに化学強化を施して、磁気ディスク用ガラス基板1を得た。得られたガラス基板1は、外径は65mm、内径は20mm、板厚は0.635mmの2.5インチ型磁気ディスク用基板である。
(2)テクスチャー加工工程
(1)で得られたガラス基板1主表面に樹脂テープを押し付けた状態でガラス基板とテープとを相対的に移動させることにより該ガラス基板1の主表面上にテクスチャーを形成するテープ式テクスチャー研磨方法を用いて、テクスチャー加工を行なった。具体的には、枚葉の回転式テープテクスチャー装置を用いて、テープにはポリエステル繊維布のテープを使用し、多結晶ダイヤモンドが分散剤に溶かしてあるダイヤモンドスラリーを供給しながら行なった。
このときのテクスチャー加工条件は以下のとおりである。
加工圧力:10g/mm2
基板回転速度:150rpm
テープの送り速度:3mm/秒
テクスチャー加工時間:50秒
以上のようにして、ディスクの略円周方向に沿って配列した複数のライン状をなすテクスチャー1bを形成した。
(1)で得られたガラス基板1主表面に樹脂テープを押し付けた状態でガラス基板とテープとを相対的に移動させることにより該ガラス基板1の主表面上にテクスチャーを形成するテープ式テクスチャー研磨方法を用いて、テクスチャー加工を行なった。具体的には、枚葉の回転式テープテクスチャー装置を用いて、テープにはポリエステル繊維布のテープを使用し、多結晶ダイヤモンドが分散剤に溶かしてあるダイヤモンドスラリーを供給しながら行なった。
このときのテクスチャー加工条件は以下のとおりである。
加工圧力:10g/mm2
基板回転速度:150rpm
テープの送り速度:3mm/秒
テクスチャー加工時間:50秒
以上のようにして、ディスクの略円周方向に沿って配列した複数のライン状をなすテクスチャー1bを形成した。
得られたガラス基板1の主表面を原子間力顕微鏡(AFM)にて観察したところ、所定の微細なテクスチャーが形成されていることが確認された。またこのとき原子間力顕微鏡で表面粗さを精密に計測したところ、Rmaxで4.8nm、Raで0.42nmの鏡面状態であることを確認した。Ra及びRmaxは、JISのB0601の規定に従って求めた。
以上のようにして、非磁性非金属の磁気ディスク用ガラス基板1を製造した。
以上のようにして、非磁性非金属の磁気ディスク用ガラス基板1を製造した。
(3)成膜工程
次に、静止対向型成膜装置を用いて、DCマグネトロンスパッタリング方式により、上記ガラス基板1上に、順次、微細化促進層2から磁気記録層7までの成膜を行った。
即ち、まず非磁性のCrTi(Cr:45at%、Ti:55at%)合金からなるスパッタリングターゲット(以下、単にターゲットと呼ぶ)を用いて、アルゴンガス雰囲気中で、ガラス基板1上にCrTi合金の微細化促進層2を100Åの厚さに成膜した。
次に、ターゲットとして非磁性のAlRu(Al:50at%、Ru:50at%)合金を用いて、アルゴンガス雰囲気中で、微細化促進層2上に膜厚300ÅのAlRu合金からなるシード層3を成膜した。
次に、第1の合金層4の成膜を行なった。ターゲットとして非磁性のCrMoTi(Cr:80at%、Mo:15at%、Ti:5at%)合金を用いた。スパッタリング雰囲気は、アルゴンガスに二酸化炭素(CO2)ガスを混合した雰囲気とし、アルゴンガスに対する二酸化炭素ガスの混合比は1.0体積%とした。このとき、成膜されるディスクの温度は275℃とし、成膜速度は70Å/秒、成膜時の真空度は8μバール〜10μバールとなるように調整した。こうして、シード層3上に、膜厚100ÅのCrMoTi合金からなる第1の合金層4を成膜した。
次に、静止対向型成膜装置を用いて、DCマグネトロンスパッタリング方式により、上記ガラス基板1上に、順次、微細化促進層2から磁気記録層7までの成膜を行った。
即ち、まず非磁性のCrTi(Cr:45at%、Ti:55at%)合金からなるスパッタリングターゲット(以下、単にターゲットと呼ぶ)を用いて、アルゴンガス雰囲気中で、ガラス基板1上にCrTi合金の微細化促進層2を100Åの厚さに成膜した。
次に、ターゲットとして非磁性のAlRu(Al:50at%、Ru:50at%)合金を用いて、アルゴンガス雰囲気中で、微細化促進層2上に膜厚300ÅのAlRu合金からなるシード層3を成膜した。
次に、第1の合金層4の成膜を行なった。ターゲットとして非磁性のCrMoTi(Cr:80at%、Mo:15at%、Ti:5at%)合金を用いた。スパッタリング雰囲気は、アルゴンガスに二酸化炭素(CO2)ガスを混合した雰囲気とし、アルゴンガスに対する二酸化炭素ガスの混合比は1.0体積%とした。このとき、成膜されるディスクの温度は275℃とし、成膜速度は70Å/秒、成膜時の真空度は8μバール〜10μバールとなるように調整した。こうして、シード層3上に、膜厚100ÅのCrMoTi合金からなる第1の合金層4を成膜した。
次に、hcp結晶構造の強磁性CoCrTa(Co:85at%、Cr:10at%、Ta:5at%)合金からなるターゲットを用いて、アルゴンガス雰囲気中で、第1の合金層4上にCoCrTa合金からなるhcp結晶構造の第2の合金層5を30Åの厚さに成膜した。次いで、hcp結晶構造の非磁性Ru金属からなるターゲットを用いて、アルゴンガス雰囲気中で、第2の合金層5上にRu金属からなるhcp結晶構造の非磁性結合層6を7Åの厚さに成膜した。
次に、hcp結晶構造の強磁性CoCrPtB(Co:61at%、Cr:16at%、Pt:13at%、B:10at%)合金からなるターゲットを用いて、アルゴンガス雰囲気中で、非磁性結合層6上に、CoCrPtB合金からなるhcp結晶構造の磁気記録層7を200Åの厚さに成膜した。交換結合膜8としての膜厚は237Åである。
次に、hcp結晶構造の強磁性CoCrPtB(Co:61at%、Cr:16at%、Pt:13at%、B:10at%)合金からなるターゲットを用いて、アルゴンガス雰囲気中で、非磁性結合層6上に、CoCrPtB合金からなるhcp結晶構造の磁気記録層7を200Åの厚さに成膜した。交換結合膜8としての膜厚は237Åである。
次に、プラズマCVD法で上記磁気記録層7上に保護層9の成膜を行なった。低級直鎖飽和炭化水素ガスのプラズマを利用して、水素化アモルファスカーボンからなる保護層を45Åの厚さに成膜した。この保護層9は、浮上飛行する磁気ヘッドの撃力から磁性層を防護するためのものである。次に、ディップ法でPFPE(パーフルオロポリエーテル)化合物を含む潤滑層10を10Åの厚さで成膜した。この潤滑層10は、浮上飛行する磁気ヘッドとの接触を緩和するためのものである。
以上のようにして本実施例の磁気ディスク100を製造した。
以上のようにして本実施例の磁気ディスク100を製造した。
得られた本実施例の磁気ディスク100の第2の合金層5と磁気記録層7の結晶配向性をXRD(X線回折法)を用いて調べたところ、C軸がディスク面に略平行に配向していることを確認した。六方最密充填構造の(110)面がディスク面に略平行に配向していた。六方最密充填構造のコバルト合金強磁性体の磁化容易軸はC軸に平行であるので、磁気ディスク全体としての磁化容易軸はディスク面に略平行となっている。さらにシード層3についてXRD(X線回折法)を用いて調べたところ、B2結晶構造に由来するピークが観測され、AlRu合金からなるシード層3はB2結晶構造であることが確認された。
また、磁気ディスク100の磁気特性をVSM(振動試料型磁化測定装置)を用いて評価したところ、磁化曲線は反強磁性型の交換結合を示しており、第2の合金層5の磁化と磁気記録層7の磁化とが反平行に結合する交換磁場が磁気ディスク内部に生起していることが判った。また、磁気ディスク100の保磁力Hcは4300Oe、残留磁化膜厚積Mrtは37Gμm、保磁力角型比S*は0.8であり、良好な結果となった。なお、第2の合金層5の残留磁化膜厚積Mrtは4Gμmであった。
また、磁気ディスク100の磁気特性をVSM(振動試料型磁化測定装置)を用いて評価したところ、磁化曲線は反強磁性型の交換結合を示しており、第2の合金層5の磁化と磁気記録層7の磁化とが反平行に結合する交換磁場が磁気ディスク内部に生起していることが判った。また、磁気ディスク100の保磁力Hcは4300Oe、残留磁化膜厚積Mrtは37Gμm、保磁力角型比S*は0.8であり、良好な結果となった。なお、第2の合金層5の残留磁化膜厚積Mrtは4Gμmであった。
次に、磁気ディスク100の電磁変換特性(R/W特性)評価を行った。即ち、磁気ディスクの媒体ノイズNは、記録密度(1F)900kfciでキャリア信号を記録した後、DC〜1Fの1.2倍周波数までの媒体積分ノイズとして求めた。再生出力Sは12F記録密度の信号の再生出力を用いた。記録再生に用いた磁気ヘッドの浮上量は12nm、再生素子はGMR型素子である。本実施例の磁気ディスク100の評価を行ったところ、そのS/N比は、23.5dBであった。このS/N比は、100Gbit/inch2以上の高記録密度を得る磁気ディスクの所要値として十分満足する結果であった。また、磁化遷移幅PWは9.5nsecと小さい値であった。磁化遷移幅PWは、上記電磁変換特性評価において、孤立再生信号を抽出し、グランド(ゼロ)に対する出力信号のピーク値の50%における孤立波形の幅とした。
なお、本実施例の第1の合金層(Cr80Mo15Ti5)に対して、S/N比の磁性層膜厚依存性を調べるために、上記第2の合金層5の膜厚を10Å〜110Åの範囲で種々変更した以外は上記と全く同様にして数種類の磁気ディスクを製造し、各磁気ディスクについてS/N比を求めた結果を図2に示した。この結果によると、全体的に高いS/N比を示すと同時に、薄い膜厚領域まで高いS/N比を維持できることが分かる。
なお、本実施例の第1の合金層(Cr80Mo15Ti5)に対して、S/N比の磁性層膜厚依存性を調べるために、上記第2の合金層5の膜厚を10Å〜110Åの範囲で種々変更した以外は上記と全く同様にして数種類の磁気ディスクを製造し、各磁気ディスクについてS/N比を求めた結果を図2に示した。この結果によると、全体的に高いS/N比を示すと同時に、薄い膜厚領域まで高いS/N比を維持できることが分かる。
(実施例2〜6)
実施例1の第1の合金層4の成膜に用いるターゲットの種類を変更して、第1の合金層材料をそれぞれ、Cr83W12Ti5(実施例2)、Cr77V18Ti5(実施例3)、Cr81Mo15B4(実施例4)、Cr80Mo15Nb5(実施例5)、Cr80Mo15Ta5(実施例6)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして磁気ディスクを製造した。
得られた各実施例の磁気ディスクについて、第2の合金層5と磁気記録層7の結晶配向性をXRDを用いて調べたところ、C軸がディスク面に略平行に配向していることを確認した。また、各実施例の磁気ディスクについて、VSM評価結果は実施例1と同様の結果が得られた。
また、各実施例の磁気ディスクのS/N比は、23.3dB(実施例2)、23.2dB(実施例3)、23.6dB(実施例4)、23.5dB(実施例5)、23.7dB(実施例6)といずれも良好な結果が得られた。また、各実施例の磁気ディスクのPWは、9.5nsec(実施例2)、9.5nsec(実施例3)、9.4nsec(実施例4)、9.5nsec(実施例5)、9.6nsec(実施例6)といずれも良好な結果であった。
実施例1の第1の合金層4の成膜に用いるターゲットの種類を変更して、第1の合金層材料をそれぞれ、Cr83W12Ti5(実施例2)、Cr77V18Ti5(実施例3)、Cr81Mo15B4(実施例4)、Cr80Mo15Nb5(実施例5)、Cr80Mo15Ta5(実施例6)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして磁気ディスクを製造した。
得られた各実施例の磁気ディスクについて、第2の合金層5と磁気記録層7の結晶配向性をXRDを用いて調べたところ、C軸がディスク面に略平行に配向していることを確認した。また、各実施例の磁気ディスクについて、VSM評価結果は実施例1と同様の結果が得られた。
また、各実施例の磁気ディスクのS/N比は、23.3dB(実施例2)、23.2dB(実施例3)、23.6dB(実施例4)、23.5dB(実施例5)、23.7dB(実施例6)といずれも良好な結果が得られた。また、各実施例の磁気ディスクのPWは、9.5nsec(実施例2)、9.5nsec(実施例3)、9.4nsec(実施例4)、9.5nsec(実施例5)、9.6nsec(実施例6)といずれも良好な結果であった。
(実施例7〜9)
実施例1の第1の合金層4の成膜に用いるターゲットの種類を変更して、第1の合金層材料をそれぞれ、Cr90Mo5Ti5(実施例7)、Cr65Mo30Ti5(実施例8)、Cr65Mo15Ti20(実施例9)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして磁気ディスクを製造した。
得られた各実施例の磁気ディスクについて、第2の合金層5と磁気記録層7の結晶配向性をXRDを用いて調べたところ、C軸のディスク面内への配向を確認できた。また、各実施例の磁気ディスクについて、VSM評価結果は実施例1と同様の結果が得られた。
また、各実施例の磁気ディスクのS/N比は、22.2dB(実施例7)、22.4dB(実施例8)、22.5dB(実施例9)であり、実施例1〜6と比べると低かった。また、各実施例の磁気ディスクのPWは、9.5nsec(実施例7)、10.5nsec(実施例8)、9.8nsec(実施例9)であった。
実施例1の第1の合金層4の成膜に用いるターゲットの種類を変更して、第1の合金層材料をそれぞれ、Cr90Mo5Ti5(実施例7)、Cr65Mo30Ti5(実施例8)、Cr65Mo15Ti20(実施例9)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして磁気ディスクを製造した。
得られた各実施例の磁気ディスクについて、第2の合金層5と磁気記録層7の結晶配向性をXRDを用いて調べたところ、C軸のディスク面内への配向を確認できた。また、各実施例の磁気ディスクについて、VSM評価結果は実施例1と同様の結果が得られた。
また、各実施例の磁気ディスクのS/N比は、22.2dB(実施例7)、22.4dB(実施例8)、22.5dB(実施例9)であり、実施例1〜6と比べると低かった。また、各実施例の磁気ディスクのPWは、9.5nsec(実施例7)、10.5nsec(実施例8)、9.8nsec(実施例9)であった。
(比較例1、2)
実施例1の第1の合金層4の成膜に用いるターゲットの種類を変更して、第1の合金層材料をそれぞれ、Cr80Mo20(比較例1)、Cr80Ti20(比較例2)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして磁気ディスクを製造した。
得られた各比較例の磁気ディスクについて、第2の合金層5と磁気記録層7の結晶配向性をXRDを用いて調べたところ、特に第2の合金層5については、hcp結晶構造のC軸のディスク面内への配向を確認できなかった。また、各比較例の磁気ディスクについて、VSM評価した結果、その磁化曲線からは反平行の交換結合の生起を確認できなかった。
さらに、各比較例の磁気ディスクのS/N比は、21.8dB(比較例1)、21.5dB(比較例2)といずれも低かった。なお、比較例1の第1の合金層(Cr80Mo20)に対して、S/N比の磁性層膜厚依存性を調べた結果を前述の実施例1の場合と一緒に図2に示した。この結果によると、第2の合金層の特に薄い膜厚領域ではS/N比が大きく低下してしまうことが分かる。
また、各比較例の磁気ディスクのPWは、10.1nsec(比較例1)、9.4nsec(比較例2)であった。
これらの結果は、各比較例の第1の合金層を成膜しても、その上に強磁性合金層を成膜すると、グレインと配向性が不揃いな初期成長膜の生成を抑制できなかったことによるものと考えられる。
実施例1の第1の合金層4の成膜に用いるターゲットの種類を変更して、第1の合金層材料をそれぞれ、Cr80Mo20(比較例1)、Cr80Ti20(比較例2)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして磁気ディスクを製造した。
得られた各比較例の磁気ディスクについて、第2の合金層5と磁気記録層7の結晶配向性をXRDを用いて調べたところ、特に第2の合金層5については、hcp結晶構造のC軸のディスク面内への配向を確認できなかった。また、各比較例の磁気ディスクについて、VSM評価した結果、その磁化曲線からは反平行の交換結合の生起を確認できなかった。
さらに、各比較例の磁気ディスクのS/N比は、21.8dB(比較例1)、21.5dB(比較例2)といずれも低かった。なお、比較例1の第1の合金層(Cr80Mo20)に対して、S/N比の磁性層膜厚依存性を調べた結果を前述の実施例1の場合と一緒に図2に示した。この結果によると、第2の合金層の特に薄い膜厚領域ではS/N比が大きく低下してしまうことが分かる。
また、各比較例の磁気ディスクのPWは、10.1nsec(比較例1)、9.4nsec(比較例2)であった。
これらの結果は、各比較例の第1の合金層を成膜しても、その上に強磁性合金層を成膜すると、グレインと配向性が不揃いな初期成長膜の生成を抑制できなかったことによるものと考えられる。
1 ガラス基板
2 微細化促進層
3 シード層
4 第1の合金層
5 第2の合金層
6 非磁性結合層
7 磁気記録層
8 交換結合層
9 保護層
10 潤滑層
100 磁気ディスク
2 微細化促進層
3 シード層
4 第1の合金層
5 第2の合金層
6 非磁性結合層
7 磁気記録層
8 交換結合層
9 保護層
10 潤滑層
100 磁気ディスク
Claims (7)
- ディスク状ガラス基板上に、少なくとも、第1の合金層と六方最密充填構造を含む第2の合金層とをこの順で有するとともに、該第2の合金層上に交換結合構造を備える磁性層を有する磁気ディスクであって、
前記第1の合金層は、Cr(クロム)と、Cr(クロム)と全率固溶を示す元素Aと、Cr(クロム)と体心立方構造の化合物を生成する元素Bとを含む合金からなることを特徴とする磁気ディスク。 - 前記第1の合金層に含まれる元素のうち元素Aの含有量は7原子%から25原子%の範囲であり、元素Bの含有量は1原子%から15原子%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク。
- 前記第2の合金層のC軸は、ディスク面に対して略平行に配向していることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ディスク。
- 前記第2の合金層の残留磁化膜厚積が1.5Gμmから20Gμmの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の磁気ディスク。
- ディスク状ガラス基板上に、少なくとも、第1の合金層と六方最密充填構造を含む第2の合金層とをこの順で有するとともに、該第2の合金層上に交換結合構造を備える磁性層を有する磁気ディスクの製造方法であって、
Cr(クロム)と、Cr(クロム)と全率固溶を示す元素Aと、Cr(クロム)と体心立方構造の化合物を生成する元素Bとを含む合金からなるターゲットを用いて反応性スパッタリングにより前記第1の合金層を成膜した後、前記第2の合金層を成膜することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。 - 前記合金からなるターゲットに含まれる元素のうち元素Aの含有量は7原子%から25原子%の範囲であり、元素Bの含有量は1原子%から15原子%の範囲であることを特徴とする請求項5に記載の磁気ディスクの製造方法。
- 前記第1の合金層の反応性スパッタリング成膜は、希ガス元素と酸素元素とを含む雰囲気において行うことを特徴とする請求項5又は6に記載の磁気ディスクの製造方法。
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