JP2005290351A - 新規なアゾ化合物、着色剤含有硬化性組成物、並びに、カラーフィルタおよびその製造方法 - Google Patents

新規なアゾ化合物、着色剤含有硬化性組成物、並びに、カラーフィルタおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】新規なアゾ化合物、並びに、染料の耐光性、耐熱性、パターン形成性(現像性)および液保存性に優れた着色剤含有硬化性組成物、それを使用したカラーフィルタおよびその製造方法の提供。
【解決手段】着色剤を含む硬化性組成物であって、前記着色剤が一般式(I)で表される新規なアゾ化合物であり、該組成物を支持体上に塗布後露光・現像しカラーフィルターを製造する。これを用いたカラーフィルタおよびその製造方法。
Figure 2005290351

〔R1およびR2は、H、C1〜21のアルキル基、C2〜21のアルケニル基、C6〜21のアリール基等。R1およびR2は、これらと結合している窒素原子と共にヘテロ環を形成してもよい。R3は、ハロゲン原子、トリハロメチル基、C1〜21のアルコキシ基、ニトロ基を表す。nは0〜4の整数を表す。R4は、ハロゲン原子、−SO3M基を表す。Mは金属原子または含窒素化合物からなるカチオンを表す。mは0〜5の整数を表す。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なアゾ色素化合物、並びに、液晶表示素子や固体撮像素子(CCD、CMOS等)に用いられるカラーフィルタの着色画像を形成するのに好適なカラーフィルタ用の着色剤含有硬化性組成物、並びに、カラーフィルタおよびその製造方法に関する。
色素の分野では、耐光性および耐熱性の両方において高い堅牢性を有する化合物の開発が従来から望まれており、鋭意検討がなされてきた。特に、溶剤或いは水に可溶性の染料の分野においては、耐光性および耐熱性の両方が良好な化合物の開発が従来から望まれていた。
耐光性および耐熱性の両方が良好な染料については、フタロシアニン系化合物、アゾ系染料のCr錯体等が知られている。しかし、フタロシアニン系化合物は、400〜500nmの可視吸収に不適なため、YellowやMagenta用染料としては有用でなく、さらにフタロシアニン系化合物はその分子会合性によって高い耐光性を示すものであるため、水または溶剤中での溶解状態では染料が析出する等の保存安定性の問題を有している。
また、アゾ系染料のCr錯体は、Cr原子を含有しているため、人体、生物および環境に対して有害であることが従来から指摘され、この改良が強く望まれていた。一方、アゾ系染料は高い色価を有し、多様な吸収波長を示し得る有用な染料であるが、非金属錯体型では高い耐光性、耐熱性を同時に満足するものはこれまで見出されていなかった。
その中で、比較的耐光性のよいアゾ系染料としては、カップリング成分としてγ酸を有する化合物(例えばAcid Red 57等)や、ピラゾロンを有する化合物(Acid Yellow 29等)が以前から知られているが、耐熱性をも同時に満足し得る化合物は今まで知られていなかった(例えば、特許文献1〜4参照。)。
また更に、使用条件によっては、これら染料の耐熱性や耐光性の低下が顕著となるという問題もあった。例えば、染着する繊維の種類や、他の色素化合物、光重合開始剤、重合性化合物、酸化剤/還元剤等と共存する場合、オゾンが発生する環境下にある場合、一重項酸素が発生する環境下にある場合などでは、耐熱性および耐光性の一方或いはその双方が低下してしまう問題があった。
さらに、高い耐光性或いは耐熱性を示す染料は水や溶剤に対する溶解性が低下する場合が多く、産業利用上問題を生じることが多かった。
一方、液晶表示素子や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタを作製する方法としては、染色法、印刷法、電着法および顔料分散法が知られている。
このうち顔料分散法は、顔料を種々の感光性組成物に分散させた着色感放射線性組成物を用いてフォトリソ法によってカラーフィルタを作製する方法であり、顔料を使用しているために光や熱等に安定であるという利点を有している。またフォトリソ法によってパターニングするため、位置精度が高く、大画面、高精細カラーディスプレイ用カラーフィルタを作製するのに好適な方法として広く利用されてきた。
上記顔料分散法によりカラーフィルタを作製するためには、ガラス基板上に感放射線性組成物をスピンコーターやロールコーター等により塗布し乾燥させ塗膜を形成し、該塗膜をパターン露光し、現像することにより着色した画素を形成し、この操作を各色毎におこないカラーフィルタを作製することができる。
上記顔料分散法として具体的には、アルカリ可溶性樹脂に光重合性モノマーと光重合開始剤とを用いるネガ型感光性組成物が従来から知られている(例えば、特許文献5〜9参照。)。
一方、近年、固体撮像素子等の用途においては、カラーフィルタの更なる高精細化が望まれている。しかし、従来の顔料分散系では更に解像度を向上させるのは困難であり、また、顔料の粗大粒子によって色むらが発生する等の問題もある。このため、上記顔料分散法は、固体撮像素子のように微細パターンが要求される用途には適さなかった。
上述の問題を解決する為、従来から溶剤或いは水に可溶性の染料を使用する例が知られている(例えば、特許文献10参照)。
しかしながら、染料含有の硬化性組成物は下記(1)〜(4)のような新たな問題点を含んでいる。すなわち、
(1)通常、色素はアルカリ水溶液または有機溶剤のいずれかに溶解性が低いため、所望のスペクトルを有する液状の硬化性組成物を得るのが困難である。
(2)染料は、硬化性組成物中の他の成分と相互作用を示す場合が多いため、硬化部、非硬化部の溶解性(現像性)の調節が困難である。
(3)染料のモル吸光係数(ε)が低い場合には、多量の染料を添加しなければならず、この為、硬化性組成物中の重合性化合物(モノマー)やバインダー、光重合開始剤等の他の成分を減らさざるを得なくなり、組成物の硬化性や硬化後の耐熱性や(非)硬化部の現像性が低下する等の問題を生じる。
(4)染料は一般的に顔料に比べ、耐光性、耐熱性に劣る。
等である。
また、半導体作製用途の場合とは異なり、特に固体撮像素子用カラーフィルタ作製用途の場合にはその膜厚が1.5μm以下であることを要求される。従って、硬化性組成物中に多量の色素を添加しなければならず、上述と同様の問題を生じる結果となる。
上述の問題の為、高精細カラーフィルタ用の微細かつ薄膜の着色パターンに関する実用上の要求性能を満足することは困難であった。
このため、上述の問題を解決することのできる染料や硬化性組成物の開発が望まれていた。
ポーランド国特許発明第101484号明細書 西独国特許第2714204号明細書 仏国特許発明第2303839号明細書 特開昭58−152240号公報 特開平2−199403号公報 特開平4−76062号公報 特開平5−273411号公報 特開平6−184482号公報 特開平7−140654号公報 特開2002−278056号公報
本発明の第1の目的は、耐熱性および耐光性に優れ、かつ水や有機溶剤への溶解性に優れたアゾ化合物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、染料のモル吸光係数や色価、耐光性、耐熱性、およびパターン形成性(現像性)に優れた着色剤含有硬化性組成物、並びに、カラーフィルタおよびその製造方法を提供することにある。
本発明によれば、下記アミノピラゾール骨格およびスルホンアミド基を同時に有する特定構造の化合物、および該化合物を含むカラーフィルタ用着色剤含有硬化性組成物が提供されて、本発明の目的が達成される。
<1>下記一般式(I)で表されるアゾ化合物である。
Figure 2005290351
〔式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜21のアルキル基、炭素数2〜21のアルケニル基、炭素数6〜21のアリール基、炭素数7〜21のアラルキル基を表す。R1およびR2は、これらと結合している窒素原子と共にヘテロ環を形成してもよい。R3は、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜21のアルコキシ基、ニトロ基を表す。nは0〜4の整数を表す。R4は、ハロゲン原子、−SO3M基を表す。Mは金属原子または含窒素化合物からなるカチオンを表す。mは0〜5の整数を表す。〕
<2> 着色剤を含んでなる着色剤含有硬化性組成物であって、前記着色剤が下記一般式(I)で表される化合物を含むことを特徴とする着色剤含有硬化性組成物である。
Figure 2005290351
〔式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜21のアルキル基、炭素数2〜21のアルケニル基、炭素数6〜21のアリール基、炭素数7〜21のアラルキル基を表す。R1およびR2は、これらと結合している窒素原子と共にヘテロ環を形成してもよい。R3は、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜21のアルコキシ基、ニトロ基を表す。nは0〜4の整数を表す。R4は、ハロゲン原子、−SO3M基を表す。Mは金属原子または含窒素化合物からなるカチオンを表す。mは0〜5の整数を表す。〕
<3> さらに、モノマーを含むことを特徴とする上記<2>の着色剤含有硬化性組成物である。
<4> 前記モノマーが、(メタ)アクリルエステル系モノマーを含むことを特徴とする上記<3>の着色剤含有硬化性組成物である。
<5> 前記モノマーが、4官能以上の(メタ)アクリルエステル系モノマーを含むことを特徴とする上記<3>または<4>の着色剤含有硬化性組成物である。
<6> さらに、バインダーを含むことを特徴とする上記<2>〜<5>の着色剤含有硬化性組成物である。
<7> 前記バインダーが、アルカリ可溶性の(メタ)アクリル系樹脂を含むことを特徴とする上記<6>の着色剤含有硬化性組成物である。
<8> 前記バインダーが、アルカリ可溶性の重合性側鎖を有する(メタ)アクリル系樹脂を含むことを特徴とする上記<6>の着色剤含有硬化性組成物である。
<9> さらに、光重合開始剤を含むことを特徴とする上記<2>〜<8>の着色剤含有硬化性組成物である。
<10> 前記光重合開始剤が、トリハロメチルトリアジン系化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物、からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含むことを特徴とする上記<9>の着色剤含有硬化性組成物である。
<11> 前記光重合開始剤が、分解によって酸を発生しない化合物を少なくとも一種以上含むことを特徴とする上記<9>または<10>の着色剤含有硬化性組成物である。
<12> 前記光重合開始剤が、α−アミノケトン化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマーからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含むことを特徴とする上記<9>の着色剤含有硬化性組成物である。
<13> さらに、架橋剤を含んでなることを特徴とする上記<2>〜<12>の着色剤含有硬化性組成物である。
<14> 上記一般式(I)で表される化合物、感光剤、溶剤を含むことを特徴とするポジ型の着色剤含有硬化性組成物である。
<15> 前記感光剤が、o−ベンゾキノンジアジドスルホン酸エステルまたはo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルである上記<14>のポジ型の着色剤含有硬化性組成物である。
<16> さらに、硬化剤を含むことを特徴とする上記<15>のポジ型の着色剤含有硬化性組成物である。
<17> 上記一般式(I)で表される化合物、光酸発生剤、硬化剤を含むことを特徴とするポジ型の着色剤含有硬化性組成物である。
<18> 下記一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とするカラーフィルタである。
Figure 2005290351
〔式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜21のアルキル基、炭素数2〜21のアルケニル基、炭素数6〜21のアリール基、炭素数7〜21のアラルキル基を表す。R1およびR2は、これらと結合している窒素原子と共にヘテロ環を形成してもよい。R3は、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜21のアルコキシ基、ニトロ基を表す。nは0〜4の整数を表す。R4は、ハロゲン原子、−SO3M基を表す。Mは金属原子または含窒素化合物からなるカチオンを表す。mは0〜5の整数を表す。〕
<19> 上記<2>〜<17>の着色剤含有硬化性組成物を用いてなることを特徴とするカラーフィルタである。
<20> 上記<1>〜<17>の着色剤含有硬化性組成物を支持体上に塗布後、マスクを通して露光し、現像してパターンを形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
この製造方法は、必要により上記パターンを加熱および/または露光によって硬化する工程を含んでいてもよいし、これらの工程を複数回繰り返すものであってもよい。
本発明によれば、耐熱性および耐光性に優れ、かつ水や有機溶剤への溶解性に優れたアゾ化合物、並びに、着色剤の耐熱性、耐光性、モル吸光係数(色価)、およびパターン形成性に優れた着色剤含有硬化性組成物、カラーフィルタおよび簡便でコストパフォーマンスの高いカラーフィルタの製造方法を提供することができる。
以下、本発明のアゾ化合物、着色剤含有硬化性組成物、カラーフィルタおよびその製造方法について詳述する。
《着色剤含有硬化性組成物》
本発明の着色剤含有硬化性組成物(以下、「本発明の組成物」という場合がある。)は、着色剤を含んでなる着色剤含有硬化性組成物であって、前記着色剤が下記一般式(I)で表される化合物(本発明のアゾ化合物)を含むことを特徴とする。
Figure 2005290351
〔式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜21のアルキル基、炭素数2〜21のアルケニル基、炭素数6〜21のアリール基、炭素数7〜21のアラルキル基を表す。R1およびR2は、これらと結合している窒素原子と共にヘテロ環を形成してもよい。R3は、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜21のアルコキシ基、ニトロ基を表す。nは0〜4の整数を表す。R4は、ハロゲン原子、−SO3M基を表す。Mは金属原子または含窒素化合物からなるカチオンを表す。mは0〜5の整数を表す。〕
本発明の組成物は、上記一般式(I)で表される化合物(本発明のアゾ化合物)を含有することで、着色剤の耐熱性、耐光性、モル吸光係数(色価)に優れた性能を示すことができる。
また、本発明の組成物は、特に色価を向上させたことによって、染料の添加量を低減することができる。これにより、他の添加物の含有量を増加させることができ、レジストの諸性能を向上させることができる。さらに、本発明の組成物によれば、露光部または未露光部の現像性および残膜率を向上させることができるため、良好なパターン形成性を発揮することができる。また、本発明の組成物は、製造プロセスにおいて、上記の諸性能の劣化の懸念がない為、生産性が高い。
本発明の組成物は、少なくとも着色剤を含み、通常溶剤とともに用いられる。また、必要に応じて、バインダー、重合性化合物(モノマー)、光重合開始剤、架橋剤、感光剤、光酸発生剤等を含んでいてもよい。
具体的には、本発明の組成物がネガ型の組成物である場合は、上記着色剤に加えて、溶剤、重合性化合物(モノマー)、バインダー(好ましくはアルカリ可溶性バインダー)および光重合開始剤を含み、さらに架橋剤を含んでもよい。
また、本発明の組成物がポジ型の組成物である場合には、上記着色剤に加えて、有機溶剤、または、硬化剤、感光剤若しくは光酸発生剤を含む。
本発明はこれらを組み合わせることで、高感度、高解像力、高耐熱性、広い現像ラチチュードを有し、しかも染料の溶出がなく、パターンの耐溶剤性に優れ、生産性の高い着色剤含有硬化性組成物、並びに、これを使用したカラーフィルタおよびその製造方法を提供することが可能である。
<着色剤>
本発明の組成物は、着色剤として上記一般式(I)で表される化合物(本発明のアゾ化合物)を含む。本発明の組成物は、上記一般式(I)で表される化合物を2種類以上含んでもよい。以下、本発明における着色剤(色素化合物)について詳述する。
−本発明のアゾ化合物−
上記一般式(I)で表されるアゾ化合物は、従来に無い、高い耐光性と高い耐熱性とを同時に満足し、かつ、必要であれば水または溶剤に自由に溶解することが可能な新規な化合物である。
上記一般式(I)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜21のアルキル基、炭素数2〜21のアルケニル基、炭素数6〜21のアリール基、炭素数7〜21のアラルキル基を表す。また、R1およびR2は、これらと結合している窒素原子と共にヘテロ環を形成してもよい。
上記一般式(I)中、R1およびR2で表される炭素数1〜21のアルキル基は無置換でもよく、置換基を有していてもよく、炭素数1〜15のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基が更に好ましい。
また、上記炭素数1〜21のアルキル基は、直鎖または分岐若しくは環状のアルキル基でもよい。該アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコサニル基、i−プロピル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−メチルブチル基、i−アミル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、t−アミル基、1,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−エチル−2−メチルプロピル基、直鎖または分岐のヘプチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、t−オクチル基、分岐したノニル基、分岐したデシル基、分岐したウンデシル基、分岐したドデシル基、分岐したトリデシル基、分岐したテトラデシル基、分岐したペンタデシル基、分岐したヘキサデシル基、分岐したヘプタデシル基、分岐したオクタデシル基、直鎖または分岐のノナデシル基、直鎖または分岐のエイコサニル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘキシルプロピル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基、ボルニル基、シス−ミルタニル基、イソピノカンフェニル基、ノルアダマンチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、1−(1−アダマンチル)エチル基、3,5−ジメチルアダマンチル基、キヌクリジニル基、シクロペンチルエチル基、ビシクロオクチル基が好ましい。
この中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、i−プロピル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−メチルブチル基、i−アミル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、t−アミル基、1,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−エチル−2−メチルプロピル基、直鎖または分岐のヘプチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、t−オクチル基、分岐したノニル基、分岐したデシル基、分岐したウンデシル基、分岐したドデシル基、分岐したトリデシル基、分岐したテトラデシル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘキシルプロピル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基、ボルニル基、シス−ミルタニル基、イソピノカンフェニル基、ノルアダマンチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、1−(1−アダマンチル)エチル基、3,5−ジメチルアダマンチル基、キヌクリジニル基、シクロペンチルエチル基、ビシクロオクチル基がより好ましく、更には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、i−プロピル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−メチルブチル基、i−アミル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、t−アミル基、1,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−エチル−2−メチルプロピル基、直鎖または分岐のヘプチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、t−オクチル基、分岐したノニル基、分岐したデシル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘキシルプロピル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基、ボルニル基、ノルアダマンチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、1−(1−アダマンチル)エチル基、3,5−ジメチルアダマンチル基、シクロペンチルエチル基、ビシクロオクチル基が特に好ましい。
更に上記のアルキル基のうち、耐熱性向上の為には、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、i−プロピル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−メチルブチル基、i−アミル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、t−アミル基、1,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−エチル−2−メチルプロピル基、分岐のヘプチル基、1−メチルヘプチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、t−オクチル基、分岐したノニル基、分岐したデシル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘキシルプロピル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基、ボルニル基、ノルアダマンチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、1−(1−アダマンチル)エチル基、3,5−ジメチルアダマンチル基、シクロペンチルエチル基、ビシクロオクチル基等の分岐したアルキル基や環状のアルキル基が特に好ましい。
一般式(I)中、R1およびR2で表されるアルキル基としては、特にフッ素で置換されたアルキル基を用いることもでき、該アルキル基としては、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、トリデカフルオロヘキシル基、ペンタデカフルオロヘプチル基、ヘプタデカフルオロオクチル基、トリデカフルオロオクチル基、ノナデカフルオロノニル基、ヘプタデカフルオロデシル基、パーフルオロデシル基が好ましく、この中でも、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、トリデカフルオロヘキシル基、ペンタデカフルオロヘプチル基がより好ましく、更には、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、トリデカフルオロヘキシル基が特に好ましい。
一般式(I)中、R1およびR2で表される炭素数2〜21のアルケニル基は無置換でもよく、置換基を有していてもよく、炭素数2〜15のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜10のアルケニル基が更に好ましい。
1およびR2で表される炭素数2〜21のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、イソプロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−プロペニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−ブテニル基、1,1−ジメチル−3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−エチル−1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、2,6−ジメチル−5−ヘプテニル基、9−デセニル基、1−シクロペンテニル基、2−シクロペンテニルメチル基、シクロヘキセニル基、1−メチル−2−シクロヘキセニル基、1,4−ジヒドロ−2−メチルフェニル基、オクテニル基、シトロネリル基、オレイル基、ゲラニル基、ファーネシル基、2−(1−シクロヘキセニル)エチル基が好ましく、この中でも、ビニル基、イソプロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−プロペニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−ブテニル基、1,1−ジメチル−3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−エチル−1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、1−シクロペンテニル基、2−シクロペンテニルメチル基、シクロヘキセニル基、1−メチル−2−シクロヘキセニル基、1,4−ジヒドロ−2−メチルフェニル基がより好ましく、更には、ビニル基、イソプロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−プロペニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−ブテニル基、1,1−ジメチル−3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−エチル−1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−シクロペンテニル基、2−シクロペンテニルメチル基、シクロヘキセニル基、1−メチル−2−シクロヘキセニル基、1,4−ジヒドロ−2−メチルフェニル基が特に好ましい。
1およびR2で表される炭素数6〜21のアリール基は、無置換でもよく、置換基を有していてもよく、炭素数6〜15のアリール基が好ましく、炭素数6〜10のアリール基が更に好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数6〜21のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、アントラセニル基、アンスラキノニル基、ピレニル基等が好ましく、この中でも、フェニル基、ナフチル基、ビフェニレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、アントラセニル基等がさらに好ましく、更には、フェニル基、ナフチル基、ビフェニレニル基、フルオレニル基等が特に好ましい。
1およびR2で表される炭素数7〜21のアラルキル基は、無置換でもよく、置換基を有していてもよく、炭素数7〜15のアラルキル基が好ましく、炭素数7〜10のアラルキル基が更に好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数7〜21のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、1,2−ジフェニルエチル基、フェニル−シクロペンチルメチル基、α−メチルベンジル基、フェニルエチル基、α−メチル−フェニルエチル基、β−メチル−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、3,3−ジフェニルプロピル基、4−フェニルブチル基、ナフチルメチル基、スチリル基、シンナミル基、フルオレニル基、1−ベンゾシクロブテニル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル基、インダニル基、ピペロニル基、ピレンメチル基が好ましく、この中でも、ベンジル基、フェニル−シクロペンチルメチル基、α−メチルベンジル基、フェニルエチル基、α−メチル−フェニルエチル基、β−メチル−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、4−フェニルブチル基、スチリル基、シンナミル基、フルオレニル基、1−ベンゾシクロブテニル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル基がより好ましく、更には、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェニルエチル基、α−メチル−フェニルエチル基、β−メチル−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、スチリル基、シンナミル基、フルオレニル基、1−ベンゾシクロブテニル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル基が特に好ましい。
1およびR2が、置換している窒素原子と一緒になって形成するヘテロ環の例としては、例えば、2−メチルアジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環、3−ピロリン環、ピペリジン環、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン環、ヘキサメチレンイミン環、ピペラジン環、1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン環、デカヒドロキノリン環、オキサゾリジン環、モルホリン環、チアゾリジン環、チオモルホリン環、インドリン環、イソインドリン環、1,2,3,4−テトラヒドロカルバゾール環、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン環、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン環、イミノジベンジル環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、フェナジン環等が好ましく、この中でも、ピロリジン環、3−ピロリン環、ピペリジン環、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン環、ヘキサメチレンイミン環、ピペラジン環、デカヒドロキノリン環、オキサゾリジン環、モルホリン環、チアゾリジン環、チオモルホリン環等がより好ましく、更には、ピロリジン環、3−ピロリン環、ピペリジン環、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン環、ピペラジン環、デカヒドロキノリン環、オキサゾリジン環、モルホリン環、チアゾリジン環、チオモルホリン環等が特に好ましい。
1およびR2で表される基は、エーテル基を含んでいてもよく、テトラヒドロフルフリル基、テトラヒドロピラニルメチル基、2,5−ジヒドロ−2,5−ジメトキシフルフリル基なども好ましい。
一般式(I)中、R1およびR2で表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、並びに、R1およびR2が置換している窒素原子と一緒になって形成するヘテロ環の置換基としては、例えば、アシル基(特に、アセチル基)、アシルアミノ基、アシルアミノカルボニルアミノ基、アラルキルアミノカルボニルアミノ基、アリールアミノカルボニルアミノ基、メタクリロイルアミノカルボニルアミノ基、トリフルオロメチル基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、ヒドロキシ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ビニル基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ビニルオキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、フェニル基、−SO3M基(Mは水素原子またはNa,Ca,Mg,K,Sr等の金属原子を表わす。)等が好ましく、この中でも、アシル基(特に、アセチル基)、アシルアミノ基、トリフルオロメチル基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ビニル基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ビニルオキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、フェニル基、−SO3M基(Mは水素原子またはNa,Ca,Mg,K,Sr等の金属原子を表わす。)等がより好ましく、更には、アシル基(特に、アセチル基)、アシルアミノ基、トリフルオロメチル基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、ビニル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ビニルオキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、フェニル基、−SO3M基(Mは水素原子またはNa,Ca,Mg,K,Sr等の金属原子を表わす。)等が特に好ましい。
また、これらの置換基はさらに同様の置換基で置換されていてもよい。
また、特にR1およびR2、並びに、上記へテロ環の置換基がヒドロキシ基、アミノ基等の活性水素を有する基である場合は、各種酸クロライド、酸無水物、ハロゲン化物または各種イソシアネートと反応させ、アセチル基、アシル基、(メタ)アクリロイル基、アルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基(例えば、ブチルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基等)、アルキル基、アラルキル基等の基で置換されるようにしてもよい。
また、R1およびR2で表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、および、上記ヘテロ環は、さらにR1およびR2で表される基で置換されていてもよい。また、一般式(I)で表わされる化合物は、R1およびR2で表わされる基を介して同様の色素構造と結合し、全体としてビスアゾ色素、トリスアゾ色素等を形成していてもよい。
色価の観点では、R1およびR2で表される基の総分子量(R1の分子量とR2の分子量とを併せた分子量)は、500以下が好ましく、400以下が更に好ましく、300以下が特に好ましい。
上記R1およびR2の置換基の数は0〜4が好ましく、0〜3がより好ましく、0〜2が特に好ましい。
一般式(I)中、R3は、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜21のアルコキシ基、ニトロ基を表す。上記R3としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜15のアルコキシ基、ニトロ基が好ましく、中でも、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、ニトロ基がより好ましく、更には、水素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜7のアルコキシ基、ニトロ基が特に好ましい。
炭素数1〜7のアルコキシ基の好ましい例は、上記のR1およびR2で表されるアルキル基の好ましい例として挙げたアルキル基を有する、アルキルオキシ基である。
上記nは、0〜4の整数を表す。上記nとしては、0〜3が好ましく、0〜2より好ましく、0〜1が特に好ましい。
4は、ハロゲン原子、−SO3M基を表す。R4としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、−SO3M基が好ましく、中でも、フッ素原子、塩素原子、−SO3M基がより好ましく、更には、塩素原子、−SO3M基が特に好ましい。上記Mとしては、Li、Na、K、Rb、Cs、Ag、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Al、Ni、Cu、Co、Fe、または含窒素化合物からなるカチオンが好ましく、この中でも、Na、K、Rb、Cs、Ag、Mg、Ca、Ba、Zn、Al、Cu、Fe、または含窒素化合物からなるカチオンがより好ましく、更には、Na、K、Cs、Mg、Ca、Ba、Zn、Al、Cu、Fe、または含窒素化合物からなるカチオンが特に好ましい。
上記mは0〜5の整数である。上記mとしては、0〜4の整数が好ましく、0〜3の整数が特に好ましい。
上記Mで表される含窒素化合物からなるカチオンは、有機溶剤や水に対する溶解性、塩形成性、染料の吸光度・色価、着色剤としての耐熱性および耐光性等の全てを考慮して選択される。また、吸光度・色価の観点のみで選択すると、上記含窒素化合物はできるだけ分子量の低いものが好ましい。具体的には、分子量300以下であることが好ましく、分子量280以下であることがより好ましく、分子量250以下であることが特に好ましい。
以下に上記含窒素化合物からなるカチオンの具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。また、カチオンの形としては、下記の含窒素化合物がプロトネーションされ、カチオンとなった状態を表す。
Figure 2005290351
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Figure 2005290351
Figure 2005290351
Figure 2005290351
上記の一般式(I)で表される化合物は、さらに、耐光性、耐熱性、水または溶媒に対する溶解性、モル吸光係数、合成の容易さ等の観点で、下記一般式(II)、(III)、(IV)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 2005290351
Figure 2005290351
Figure 2005290351
上記一般式(II)、(III)、(IV)中、R1,R2,R3,R4,mは一般式(I)と同様の意味を表し、好ましい範囲も上述の範囲と同様である。また、一般式(II)および(III)中のnは、既述の一般式(I)におけるnと同義であり、その好ましい範囲も同様である。前記一般式(IV)中のpは、0〜3の整数を表し、中でも0〜2の整数がより好ましく、0〜1の整数が特に好ましい。
以下に、前記一般式(I)で表される化合物の具体例(1)〜(34)を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2005290351
Figure 2005290351
Figure 2005290351
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前記一般式(I)で表されるアゾ化合物は、一般には例えば、所望の化合物で置換されたニトロベンゼン誘導体を還元した後にジアゾ化し、これに5−アミノ−1−フェニルピラゾールを加える等の方法により合成することができ、上記の所望の化合物や5−アミノ−1−フェニルピラゾールへの置換基などを適宜変えることで一般式(I)に含まれる種々の化合物を同様に合成することが可能である。
上記一般式(I)で表される着色剤は、同種の一般式(I)で表される化合物と併用してもよいし、他の酸性染料、他の酸性染料と金属や含窒素化合物との塩、他の酸性染料の誘導体等と同時に使用してもよい。
〜酸性染料〜
上記酸性染料について説明する。上記酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有するものであれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを勘案して選択される。
以下に上記酸性染料の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。例えば、acid alizarin violet N;
acid black 1,2,24,48;
acid blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40,45,62,70,74,80,83,86,87,90,92,103,112,113,120,129,138,147,158,171,182,192;
acid chrome violet K;
acid Fuchsin;
acid green 1,3,5,9,16,25,27,50;
acid orange 6,7,8,10,12,50,51,52,56,63,74,95;
acid red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,183,198,211,215,216,217,249,252,257,260,266,274;
acid violet 6B,7,9,17,19;
acid yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,42,54,65,72,73,76,79,98,99;111,112,114,116,169,243;
Food Yellow 3;およびこれらの染料の誘導体が挙げられる。
この中でも上記酸性染料としては、
acid black 24;
acid blue 23,25,29,62,86,87,92,138,158;
acid orange 8,51,56,74,63,74;
acid red 1,4,8,34,37,42,52,57,80,97,114,143,145,151,183,217;
acid violet 7;
acid yellow 17,23,25,29,34,42,72,76,99,111,112,114,116,163,243等の染料およびこれらの染料の誘導体が好ましい。
また、上記以外の、アゾ系、キサンテン系、フタロシアニン系の酸性染料も好ましく、例えば、C.I.Solvent Blue 44,38、C.I.Solvent Orange45,Rhodamine B、 Rhodamine 110、2,7−Naphthalenedisulfonic acid、3−[(5−chloro−2−phenoxyphenyl)hydrazono]−3,4−dihydro−4−oxo−5−[(phenylsulfonyl)amino]−,等の酸性染料およびこれらの染料の誘導体も好ましく用いられる。
上記酸性染料の誘導体としては、酸性染料のスルホン酸をスルホン酸アミド、スルホン酸エステルに変換した化合物などが有用に利用できる。
〜酸性染料と塩を形成する原子団について〜
上記酸性染料と塩を形成する原子団については、上記酸性染料のアニオンと塩を形成するカチオン性のものであれば限定はない。このような原子団としては、例えば、Li、Na、K、Rb、Cs、Ag,Mg,Ca,Sr,Ba、Zn、Al、Ni、Cu、Co、Fe、または含窒素化合物からなるカチオン等が挙げられる。
上記酸性染料と対塩を形成する含窒素化合物について説明する。本発明において、酸性染料と塩を形成する含窒素化合物は、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、染料の吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用等の全てを考慮して選択される。吸光度の観点のみで選択すると、できるだけ分子量の低いものが好ましく、そのなかで、分子量245以下であることが好ましく、分子量240以下であることがさらに好ましく、分子量230以下であることが特に好ましい。
また、染料の光褪色防止、耐熱性向上のために、一般に褪色防止剤として知られている含窒素化合物を使用してもよく、この観点では酸化電位がより低い(イオン化ポテンシャルがより小さい)化合物、3級アミン化合物、脂肪族環状アミン化合物、アニリン系化合物、ヒドラジン系化合物等が好ましい。
含窒素化合物の好ましい具体例としては、上記一般式(I)のR4の説明で−SO3MのMとして挙げたものと同様である。
〜(一般式(I)の化合物(または酸性染料)と塩を形成する原子団)/(一般式(I)の化合物(または酸性染料))のモル比(L)について〜
一般式(I)の化合物(または酸性染料)と塩を形成する原子団/(一般式(I)の化合物(または酸性染料)のモル比(以下、「L」という場合がある。)について説明する。上記Lは酸性染料分子と対イオンである原子団とのモル比率を決定する値であり、酸性染料原子団の塩形成条件によって自由に選択することができる。具体的には、酸性染料中の酸の官能基数の0≦L≦10の間の数値であり、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等、必要とする性能の優先順位の全てを勘案して選択される。吸光度のみの観点で選択すると、上記Lは0≦L≦7の間の数値をとることが好ましく、0≦L≦6の間の数値をとることがさらに好ましく、0≦L≦5の間の数値をとることが特に好ましい。
〜使用濃度〜
次に、一般式(I)で表される化合物(酸性染料等の他の染料を併用する場合は他の染料を含む)の使用濃度について説明する。本発明の染料含有硬化性組成物中の全固形成分中における一般式(I)の化合物(上記酸性染料を併用する場合は酸性染料を含む)の濃度は、染料の種類によって異なるが、0.5〜80質量%が好ましく、0.5〜60質量%がより好ましく、0.5〜50質量%が特に好ましい。
<バインダー>
次にバインダーについて説明する。本発明に使用するバインダーはアルカリ可溶性であれば、特に限定されないが、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選ばれることが好ましい。
アルカリ可溶性のバインダーとしては、線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号明細書に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等があり、また同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。この他に水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等やポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリビニールピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、等も有用である。
また、上記アルカリ可溶性のバインダーは、親水性を有するモノマーを共重合したものであってもよく、この例としては、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2級および3級のアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、分岐または直鎖のプロピル(メタ)アクリレート、分岐または直鎖のブチル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他親水性を有するモノマーとしては、テトラヒドロフルフリル基、燐酸、燐酸エステル、4級アンモニウム塩、エチレンオキシ鎖、プロピレンオキシ鎖、スルホン酸およびその塩、モルホリノエチル基等を含んだモノマー等も有用である。
また架橋効率を向上させるために、重合性基を側鎖に有してもよく、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有したポリマー等も有用である。これらの重合性基を含有するポリマーの例を以下に示すが、COOH基、OH基、アンモニウム基等のアルカリ可溶性基と炭素−炭素不飽和結合が含まれていればこれらに限定されない。
OH基を有する例えば2−ヒドロキシエチルアクリレートと、COOH基を含有する例えばメタクリル酸と、およびこれらと共重合可能なアクリル系若しくはビニル系化合物等のモノマーとの共重合体に、OH基と反応性を有するエポキシ環と炭素−炭素不飽和結合基を有する化合物、例えばグリシジルアクリレートのような化合物を反応させて得られる化合物等が使用できる。OH基との反応ではエポキシ環の他に酸無水物、イソシアネート基を有し、アクリロイル基を有する化合物も使用できる。また特開平6−102669号、特開平6−1938号に開示されるエポキシ環を有する化合物にアクリル酸のような不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物に、飽和若しくは不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる反応物も使用できる。
COOH基のようなアルカリ可溶化基と炭素−炭素不飽和基とを併せ持つ化合物として例えばダイヤナ−ルNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製)、Photomer6173(COOH基含有Polyurethane acrylic oligomer、Diamond Shamrock Co.Ltd.,製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ、プラクセル CF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業(株)製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー(株)製)などが挙げられる。
これらの各種バインダーのなかで、本発明に用いるアルカリ可溶性バインダーとしては、耐熱性の観点から、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、アクリル系樹脂、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂が更に好ましい。また、現像性制御の観点でアクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。上記アクリル系樹脂としてはベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体、重合性側鎖を有する(メタ)アクリル系樹脂、例えば、サイクロマーPシリーズ、プラクセル CF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業(株)製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー(株)製)、ダイヤナ−ルNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製)、ビスコートR264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業(株)製)等が好ましい。
また、硬化皮膜の強度をあげるためにアルコール可溶性ナイロンや、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロルヒドリンとのポリエーテル等も有用である。
また、本発明に用いるバインダーとしては、アルカリ可溶性フェノール樹脂を用いることができる。該アルカリ可溶性フェノール樹脂は、本発明の組成物をポジ型の組成物とする場合に好適に用いることができる。アルカリ可溶性フェノール樹脂としては、例えばノボラック樹脂またはビニル重合体等が挙げられる。
上記ノボラック樹脂としては、例えばフェノール類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下に縮合させて得られるものが挙げられる。上記フェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、キシレノール、フェニルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ナフトールまたはビスフェノールA等が挙げられる。上記フェノール類は単独若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。上記アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドまたはベンズアルデヒド等が挙げられる。
上記ノボラック樹脂の具体例としては、例えば、メタクレゾール、パラクレゾールまたはこれらの混合物とホルマリンとの縮合生成物が挙げられる。上記ノボラック樹脂は分別等の手段を用いて分子量分布を調節してもよい。また、ビスフェノールCやビスフェノールA等のフェノール性水酸基を有する低分子量成分を上記ノボラック樹脂に混合してもよい。
上記バインダーは、重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)が1000〜2×105の重合体が好ましく、2000〜1×105の重合体がさらに好ましく、3000〜5×104の重合体が特に好ましい。
上記バインダーの本発明の組成物中の使用量は、本発明の組成物中の全固形分に対して10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がさらに好ましく、30〜70質量%が特に好ましい。
(架橋剤)
次に架橋剤について説明する。本発明は上記一般式(I)で表される染料を使用し、従来に比較して膜の硬化反応をより高度に進行させ、硬化性の良好な膜が得られることが発明の主旨であるが、補足的に、架橋剤を用いて更に高度に硬化させた膜を得ることも可能である。本発明に使用する架橋剤は、架橋反応によって膜硬化を行えるものであれば特に限定されないが、例えば(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基およびアシロキシメチル基から選ばれた少なくとも一つの置換基で置換されたメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物またはウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基およびアシロキシメチル基から選ばれた少なくとも一つの置換基で置換されたフェノール化合物、ナフトール化合物またはヒドロキシアントラセン化合物が挙げられ、特に多官能エポキシ樹脂が好ましい。
(a)成分のエポキシ樹脂としては、エポキシ基を有し、かつ架橋性を有するものであれば特に限定はなく用いることができる。これらの化合物の例としては、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、へキサンジオールジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン等の2価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールフェノールトリグリシジルエーテル、TrisP−PAトリグリシジルエーテル等に代表される3価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、テトラメチロールビスフェノール−A−テトラグリシジルエーテル等に代表される4価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、ジペンタエリスリトールペンタグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル等の多価グリシジル基含有低分子化合物、ポリグリシジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等に代表されるグリシジル基含有高分子化合物等が挙げられる。
上記(b)成分に含まれるメチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基が置換している数は、メラミン化合物の場合2〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、ウレア化合物の場合は2〜4であるが、好ましくはメラミン化合物の場合5〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、ウレア化合物の場合は3〜4である。
これらのメチロール基含有化合物は、上記アルコキシメチル基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒存在下、加熱することにより得られる。アシロキシメチル基含有化合物はメチロール基含有化合物を塩基性触媒存在下、アシルクロリドと混合攪拌することにより得られる。
以下、上記(b)成分に含まれる置換基を有する化合物の具体例を挙げる。
上記メラミン化合物として、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がメトキシメチル化した化合物またはその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がアシロキシメチル化した化合物またはその混合物などが挙げられる。
上記グアナミン化合物として、例えば、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物またはその混合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜3個のメチロール基をアシロキシメチル化した化合物またはその混合物などが挙げられる。
上記グリコールウリル化合物としては、例えば、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜3個をメトキシメチル化した化合物またはその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜3個をアシロキシメチル化した化合物またはその混合物などが挙げられる。
上記ウレア化合物としては、例えば、テトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメチロールウレアの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物またはその混合物、テトラメトキシエチルウレアなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
上記(c)成分として含有されるメチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基から選ばれた少なくとも一つの基で置換されたフェノール化合物、ナフトール化合物またはヒドロキシアントラセン化合物は、(b)成分の場合と同様、熱架橋により上塗りフォトレジストとのインターミキシングを抑制するとともに、膜強度を更に高めるものである。
(c)成分に含まれるメチロール基、アシロキシメチル基またはアルコキシメチル基の数としては、一分子あたり最低2個必要であり、熱架橋性および保存安定性の観点からフェノール性化合物の2位,4位が全て置換されている化合物が好ましい。
また、骨格となるナフトール化合物、ヒドロキシアントラセン化合物も、OH基のオルト位、パラ位が全て置換されている化合物が好ましい。
骨格となるフェノール化合物の3位または5位は未置換であってもよいし、置換基を有していてもよい。骨格となるナフトール化合物においても、OH基のオルト位以外は未置換であってもよいし、置換基を有していてもよい。
これらのメチロール基含有化合物は、フェノール性OH基のオルト位またはパラ位(2位または4位)が水素原子である化合物を原料に用い、これを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド等の、塩基性触媒の存在下でホルマリンと反応させることにより得られる。
また、アルコキシメチル基含有化合物は、上記メチロール基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒の存在下で加熱する事により得られる。
アシロキシメチル基含有化合物は、上記メチロール基含有化合物を塩基性触媒の存在下アシルクロリドと反応させることにより得られる。
骨格化合物としては、フェノール性OH基のオルト位またはパラ位が未置換のフェノール化合物、ナフトール、ヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられ、例えば、フェノール、クレゾールの各異性体、2,3−キシレノ−ル、2,5−キシレノ−ル、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、ビスフェノール−Aなどのビスフェノール類、4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシアントラセン等が使用される。
上記(c)成分の具体例としては、例えば、トリメチロールフェノール、トリ(メトキシメチル)フェノール、トリメチロールフェノールの1〜2個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、トリメチロール−3−クレゾール、トリ(メトキシメチル)−3−クレゾール、トリメチロール−3−クレゾールの1〜2個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、2,6−ジメチロール−4−クレゾール等のジメチロールクレゾール、テトラメチロールビスフェノール−A、テトラメトキシメチルビスフェノール−A、テトラメチロールビスフェノール−Aの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、テトラメチロール−4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、テトラメトキシメチル−4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、TrisP−PAのヘキサメチロール体、Tris−PAのヘキサメトキシメチル体、TrisP−PAのヘキサメチロール体の1〜5個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、ビスヒドロキシメチルナフタレンジオール等がある。
ヒドロキシアントラセン化合物としては、例えば、1,6−ジヒドロキシメチル−2,7−ジヒドロキシアントラセン等が挙げられる。
アシロキシメチル基含有化合物としては、例えば、上記メチロール基含有化合物のメチロール基を、一部または全部アシロキシメチル化した化合物が挙げられる。
これらの化合物の中で好ましいものは、トリメチロールフェノール、ビスヒドロキシメチル−p−クレゾール、テトラメチロールビスフェノールA、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)のヘキサメチロール体またはそれらのメチロール基がアルコキシメチル基およびメチロール基とアルコキシメチル基の両方で置換されたフェノール化合物である。
これらは単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
本発明の染料含有硬化性組成物中における(a)〜(c)成分の含有量は素材により異なるが、固形分に対して1〜70質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、7〜30質量%が特に好ましい。
(モノマー)
次に本発明の組成物がネガ型の組成物である場合に含まれる重合性化合物(以下、「モノマー」と称する。)について説明する。上記モノマーとしては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有し、且つ、常圧下で100℃以上の沸点を持つ化合物が好ましく、その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートおよびこれらの混合物をあげることができる。更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものが挙げられる。
上記モノマーとしては、(メタ)アクリルエステル系モノマーが好ましく、4官能以上の(メタ)アクリルエステル系モノマーが特に好ましい。
上記モノマーの本発明の組成物中における含有量は、固形分に対して0.1〜90質量が好ましく、1.0〜80質量%がさらに好ましく、2.0〜70質量%が特に好ましい。
(光重合開始剤)
次に本発明の組成物がネガ型の組成物である場合に含まれる光重合開始剤について説明する。光重合開始剤は上述の重合性を有するモノマーを重合させられるものであれば特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれることが好ましい。
上記光重合開始剤としては、トリハロメチルトリアジン系化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物、等が挙げられ、α−アミノケトン化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマーからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含むことが好ましい。
また上記光重合開始剤としては、分解によって酸を発生しない化合物であることが好ましい。
上記ハロメチルオキサジアゾール化合物等の活性ハロゲン化合物としては、特公昭57−6096号公報に記載の2−ハロメチル−5−ビニル−1,3,4−オキサジアゾール化合物等や、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール等が挙げられる。
トリハロメチル−s−トリアジン系化合物の光重合開始剤としては、特公昭59−1281号公報に記載のビニル−ハロメチル−s−トリアジン化合物、特開昭53−133428号公報に記載の2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−ハロメチル−s−トリアジン化合物および4−(p−アミノフェニル)−2,6−ジ−ハロメチル−s−トリアジン化合物が挙げられる。
その他の例としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−s−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−メトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−ブトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−5−メチル−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチ−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(5−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、
2−(6−エトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,5−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(フェニル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルカルボニルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N−(p−メトキシフェニル)カルボニルアミノフェニル〕2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
その他、みどり化学社製TAZシリーズ、TAZ−107、TAZ−110、TAZ−104、TAZ−109、TAZ−140、TAZ−204、TAZ−113、TAZ−123、TAZ−104、PANCHIM社製Tシリーズ、T−OMS、T−BMP、T−R、T−B、チバガイギー社製イルガキュアシリーズ、イルガキュア651、イルガキュア184、イルガキュア500、イルガキュア1000、イルガキュア149、イルガキュア819、イルガキュア261、ダロキュアシリーズ、ダロキュア11734,4’−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−(o−クロルフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、ベンゾインイソプロピルエーテル等も有用に用いられる。
また、上記α−アミノケトン系化合物としては、チバガイギー社製イルガキュアシリーズ(イルガキュア907、イルガキュア369)、2−メチル−1−フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(ヘキシル)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−エチル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等が挙げられる。
上記オキシム系化合物としては、特に限定されないが、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、1−(4−メチルスルファニル−フェニル)−ブタン−1,2−ブタン−2−オキシム−O−アセタート、1−(4−メチルスルファニル−フェニル)−ブタン−1−オンオキシム−O−アセタート、ヒドロキシイミノ−(4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸エチルエステル−O−アセタート、ヒドロキシイミノ−(4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸エチルエステル−O−ベンゾアート等が挙げられる。
また、他の開始剤に関しては、入手性および安定性の観点から、ベンジルジメチルケタール化合物としてはイルガキュア651等が、α−ヒドロキシケトン化合物としてはイルガキュア184、1173、500、1000、2959等が、α−アミノケトン化合物としてはイルガキュア907、369等が、フォスフィンオキサイド系化合物(ブレンド)としてはイルガキュア1700、149、1850、819、184等が、メタロセン化合物としてはイルガキュア784、261等が(何れもチバ・スペシャリティーケミカルズ社製)好ましく、また、これらの類縁体/周辺化合物等も同様に好ましい。
上述の通り、染料の耐光性、耐熱性の点で、分解によって酸を発生しない化合物を用いるのが望ましい。すなわち、上記のうち分解によって酸を発生しない化合物として、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩から選ばれる少なくとも一種の化合物が好ましい。更には、α−アミノケトン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマーからなる群より選択される少なくとも一種の化合物が好ましい。
これら光重合開始剤には増感剤や光安定剤を併用することができる。
その具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−メトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(またはミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や特公昭51−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物等や、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
本発明の組成物には、以上の光重合開始剤の他に他の公知の光重合開始剤を使用することができる。
具体的には、米国特許第2,367,660号明細書に開示されているビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号および第2,367,670号明細書に開示されているα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に開示されているアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に開示されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号および第2,951,758号明細書に開示されている多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に開示されているトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に開示されているベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物等を挙げることができる。
上記光重合開始剤の使用量は、モノマー固形分に対し、0.01質量%〜50質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、1質量%〜20質量%が特に好ましい。光重合開始剤の使用量が0.01質量%〜50質量%の範囲内にあると、分子量が低くなりすぎて膜強度が弱くなるのを防止することができる。
本発明の組成物には以上の他に、更に、熱重合防止剤を加えておくことが好ましい。上記熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
<溶剤>
本発明に使用される溶剤は組成物の溶解性、塗布性を満足すれば基本的に特に限定されないが、特に染料、バインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
本発明の組成物を調製する際に使用する溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、
3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等の3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、
ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン等が好ましい。
これらのうち、本発明に用いられる溶剤としては、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等がより好ましい。
本発明の組成物には、必要に応じて各種添加物、例えば充填剤、上記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することかできる。
これらの添加物の具体例としては、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレート等の結着樹脂以外の高分子化合物;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤:2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;およびポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤を挙げることができる。
また、放射線未照射部のアルカリ溶解性を促進し、本発明の組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、本発明の組成物に有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加をおこなうことができる。具体的には、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
(ポジ型の組成物)
ポジ型画像を得る為、即ち本発明の組成物がポジ型の組成物の場合、本発明の組成物には、溶剤とともに感光剤が含まれる。該感光剤としては、ナフトキノンジアジド化合物が好ましい。また、ポジ型着色剤含有硬化性組成物は硬化剤を含んでいてもよい。
上記ナフトキノンジアジド化合物としては、例えば、o−ベンゾキノンジアジドスルホン酸エステルまたはo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルが挙げられる。具体的には、例えば、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸アミド、o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸アミド等が挙げられる。これらのエステルやアミド化合物は、例えば特開平2−84650号公報、特開平3−49437号公報に一般式(I)で記載されているフェノール化合物等を用いて公知の方法により製造することができる。
本発明の組成物がポジ型の組成物の場合、上記アルカリ可溶性フェノール樹脂並びに上記硬化剤は、通常、有機溶剤中にそれぞれ2〜50質量%および2〜30質量%程度の割合で溶解させるのが好ましい。上記ナフトキノンジアジド化合物および上記有機溶媒可溶性染料の使用量は通常、上記アルカリ可溶性樹脂並びに硬化剤を溶解した溶液に対して、各々2〜30質量%および2〜50質量%程度の割合で添加するのが好ましい。
上記硬化剤としては、上記で架橋剤として挙げたメラミン系化合物、メチロール基含有化合物等が好ましく用いられる。
ポジ型組成物の場合、アルカリ可溶性樹脂を混合して用いてもよく、その例としてはノボラック樹脂、ビニルフェノール樹脂などが挙げられる。
また、本発明の着色剤含有硬化性組成物をポジ型に構成する場合、上記一般式(I)で表される化合物と光酸発生剤と硬化剤とを含んで構成することができる。
上記光酸発生剤としては、露光により酸を発生する化合物であれば特に限定されないが、α−(4−トルエンスルフォニルオキシイミノ)フェニルアセテートニトリル(α−(4−toluenesulfonyloxyimino)phenylacetonitrile)等の各種オキシム系化合物、各種ヨードニウム化合物、各種スルフォニウム化合物、各種トリハロメチルトリアジン化合物等が挙げられる。
《カラーフィルタ》
本発明のカラーフィルタは、少なくとも着色剤として上記一般式(I)で表される化合物(本発明のアゾ化合物)を含む。また、本発明の組成物を用いて製造されるのが好ましい。
本発明のカラーフィルタは、本発明の組成物を支持体上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して感放射線性組成物層を形成し、所定のマスクパターンを介して露光し、現像液で現像し、着色されたパターンを形成することで製造することができる。また、本発明のカラーフィルタの製造方法は、必要により上記レジストパターンを加熱および/または露光により硬化する工程を含んでいてもよい。
この際に使用される放射線としては、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。
上記支持体としては、例えば液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラスおよびこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。これらの支持体は、各画素を光学的に隔離するブラックストライプが形成されている場合もある。
また、これらの支持体上に必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化の為に、下塗り層を設けてもよい。
上記本発明のカラーフィルタの製造方法に用いる現像液としては、本発明の組成物を溶解し、一方、放射線照射部を溶解しない組成物であればいかなるものも用いることができる。具体的には種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
上記有機溶剤としては、本発明の組成物を調整する際に使用される前述の溶剤が挙げられる。
アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−〔5.4.0〕−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が使用される。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に、現像後、水で洗浄する。
また、本発明のカラーフィルタは、液晶表示素子やCCD等の固体撮像素子に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS素子等に好適である。本発明のカラーフィルタは、例えば、CCDを構成する各画素の受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置されるカラーフィルタとして用いることができる。
本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
<本発明のアゾ化合物の合成>
以下に、本発明のアゾ化合物の実施の例として合成例を示す。
[合成例1]:具体例(1)の合成
下記スキームにしたがって本発明のアゾ化合物の合成を行なった。なお、下記の各反応段階に示す(1)〜(5)の数字は化合物(1)〜(5)を示す。
Figure 2005290351
p−アミノアセトアニリド〔上記の化合物(1)〕7.00g、シクロヘキシルメチルブロマイド8.54g、ジメチルフォルムアミド(DMF)20g、およびトリエチルアミン4.72gを混合し、50℃で6時間攪拌した。撹拌終了後、反応混合物を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル相を数回水洗した。この酢酸エチル相に硫酸マグネシウムおよび活性炭を加えて乾燥および脱色を行ない、セライト濾過した。酢酸エチル相を濃縮し、ヘキサン/酢酸エチルから再結晶して上記の化合物(2)6.83gを得た(収率59.5%)。
次に、上記のようにして得た化合物(2)10.00g、4−メトキシ−2−ニトロベンゼンスルホニルクロライド9.73g、およびオルトジクロロベンゼン20gを混合し、室温で1時間攪拌した。50℃に加温した後、炭酸ナトリウム4.13gを加え、更に70℃で1時間攪拌した。そして、反応混合物を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル相を4%硫酸水溶液で洗浄した。その後、酢酸エチル相に硫酸マグネシウムおよび活性炭を加えて乾燥および脱色を行ない、セライト濾過した。この酢酸エチル相を濃縮し、上記の化合物(3)16.82gを得た(収率100%)。
次に、還元鉄6.5g、酢酸5.0g、および水30.0gを混合して80℃で攪拌し、これに上記より得た化合物(3)16.82gを徐々に添加し、80℃で2時間攪拌した。これに更に炭酸ナトリウム1.5gを加え、80℃で30分攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、酢酸エチル50mlとセライトと活性炭とを更に加え、セライトろ過した。そして、有機層を水蒸気蒸留して上記の化合物(4)12.07gを得た(収率72%)。
次に、化合物(4)3.00g、テトラエチルアンモニウムクロライド0.09g、酢酸6.1ml、および36%塩酸3.9mlを混合し、0℃に冷却した。これに亜硝酸ナトリウム水溶液(NaNO2:0.52g、水:1.7g)を内温5℃以下を維持して滴下し、滴下後5〜10℃を維持して3時間攪拌した(ジアゾ溶液)。
このジアゾ溶液を、別途調製した5−アミノ−3−メチル−1−フェニルピラゾールのスラリー液(5−アミノ−3−メチル−1−フェニルピラゾール13.33g、水10.0g、および36%塩酸2.0ml)に0℃下で30分かけて滴下した。次いで、40%酢酸ナトリウム水溶液30mlを1時間かけて滴下した後、0℃で2時間攪拌した。その後更に、10%炭酸ナトリウム水溶液20mlを滴下し、一夜攪拌した。続いて、50%NaOH水溶液7.0gを滴下し、65℃に加温して1時間攪拌した後、室温まで冷却した。得られた混合物を濾過し、アルカリ性の食塩水で洗浄して、目的とする本発明のアゾ化合物である上記化合物(5)〔既述の具体例(1)〕3.49gを得た(収率79.3%)。
上記より得られたアゾ化合物について、NMRによる構造確認を行なったところ、1H−NMR(300MHz、溶媒:ジメチル−d6スルホキシド、標準物質:テトラメチルシラン)δ9.90ppm(1H,s)、7.80(2H,br.s)、7.60(2H,d)、7.55〜7.40(6H,m)、7.22(1H,s)、6.95(1H,d)、6.85(2H,d)、3.85(3H,s)、3.25(2H,d)、2.40(3H,s)、1.98(3H,s)、1.70〜1.40(5H、m)、1.20〜0.90(4H、m)、0.90〜0.70(2H、m)であった。
また、アゾ化合物をメタノールに溶解して濃度約1.0×10-5mol/lの溶液を調製し、分光光度計UV−2500PC(島津製作所社製)を用いて極大吸収波長(λmax)およびモル吸光係数(ε)の測定、並びに波形から半値幅の測定を行なった結果、メタノール中でのλmax=403nmであり、ε=10200[l・mol-1cm-1]であった(なお、半値幅は波形から測定不可)。
[合成例2]:具体例(2)の合成
合成例1において、化合物(2)をシクロヘキシルアミンに、4−メトキシ−2−ニトロベンゼンスルホニルクロライドを2−ニトロベンゼンスルホニルクロライドに、それぞれ代えたこと以外、合成例1と同様に合成を行なって本発明のアゾ化合物〔既述の具体例(2)〕を得ると共に、同様にNMRによる構造確認、λmax、ε、半値幅の測定を行なった。
1H−NMR(300MHz、溶媒:ジメチル−d6スルホキシド、標準物質:テトラメチルシラン)δ8.00ppm(2H,s)、7.91(1H,d)、7.79(1H,d)、7.67(1H,t)、7.60〜7.50(4H,m)、7.50〜7.35(2H,m)、7.18(1H,d)、3.20(1H,m)、2.43(3H,s)、1.55(4H,m)、1.45(1H,m)、1.25〜0.90(5H,m)。メタノール中でのλmax=392nm、ε=17000[l・mol-1cm-1]、半値幅=128nm。
[合成例3]:具体例(3)の合成
合成例1において、化合物(2)をシクロヘキシルアミンに代えたこと以外、合成例1と同様に合成を行なって本発明のアゾ化合物〔既述の具体例(3)〕を得ると共に、同様にNMRによる構造確認、λmax、ε、半値幅の測定を行なった。
1H−NMR(300MHz、溶媒:ジメチル−d6スルホキシド、標準物質:テトラメチルシラン)δ8.02ppm(2H,s)、7.85(1H,d)、7.60〜7.45(4H,m)、7.40(1H,m)、7.25(1H,s)、7.02〜6.85(2H,m)、3.85(3H,s)、3.10(1H,m)、2.43(3H,s)、1.55(4H,m)、1.42(1H,m)、1.20〜0.85(5H,m)。メタノール中でのλmax=394nm、ε=17000[l・mol-1cm-1]、半値幅=135nm。
[合成例4]:具体例(4)の合成
合成例1において、化合物(2)をN−エチルアニリンに代えたこと以外、合成例1と同様に合成を行なって本発明のアゾ化合物〔既述の具体例(4)〕を得ると共に、同様にNMRによる構造確認、λmax、ε、半値幅の測定を行なった。
1H−NMR(300MHz、溶媒:ジメチル−d6スルホキシド、標準物質:テトラメチルシラン)δ7.80ppm(2H,s)、7.63(1H,d)、7.60〜7.45(4H,m)、7.40(1H,m)、7.30〜7.10(4H,m)、7.02〜6.85(3H,m)、3.85(3H,s)、3.55(2H,q)、2.43(3H,s)、0.90(3H,t)。メタノール中でのλmax=401nm、ε=15800[l・mol-1cm-1]、半値幅=141nm。
[合成例5]:具体例(5)の合成
合成例1において、化合物(2)をN−エチルアニリンに、4−メトキシ−2−ニトロベンゼンスルホニルクロライドを2−ニトロベンゼンスルホニルクロライドに、それぞれ代えたこと以外、合成例1と同様に合成を行なって本発明のアゾ化合物〔既述の具体例(5)〕を得ると共に、同様にNMRによる構造確認、λmax、ε、半値幅の測定を行なった。
1H−NMR(300MHz、溶媒:ジメチル−d6スルホキシド、標準物質:テトラメチルシラン)δ7.82〜7.62ppm(5H,m)、7.60〜7.45(4H,m)、7.45(1H,m)、7.30(2H,m)、7.30〜7.10(3H,m)、7.00(2H,d)、3.59(2H,q)、2.40(3H,s)、0.93(3H,t)。メタノール中でのλmax=399nm、ε=15500[l・mol-1cm-1]、半値幅=139nm。
[合成例6]:具体例(26)の合成
合成例1において、化合物(2)を3−ヒドロキシメチルアニリンに、4−メトキシ−2−ニトロベンゼンスルホニルクロライドを2−ニトロベンゼンスルホニルクロライドに、それぞれ代えたこと以外、合成例1と同様に合成を行なって本発明のアゾ化合物〔既述の具体例(26)〕を得ると共に、同様にNMRによる構造確認、λmax、ε、半値幅の測定を行なった。
1H−NMR(300MHz、溶媒:ジメチル−d6スルホキシド、標準物質:テトラメチルシラン)δ10.00ppm(1H,s)、8.00(2H,s)、7.78(2H,d)、7.45〜7.65(5H,m)、7.30〜7.50(2H,m)、7.05〜7.20(2H,m)、6.95(2H,d)、5.18(1H,t)、4.35(2H,d)、2.40(3H,s)。メタノール中でのλmax=395nm、ε=16600[l・mol-1cm-1]、半値幅=135nm。
[合成例7]:具体例(6)の合成
合成例1において、化合物(2)をp−クロロ−N−メチルアニリンに、4−メトキシ−2−ニトロベンゼンスルホニルクロライドを2−ニトロベンゼンスルホニルクロライドに、それぞれ代えたこと以外、合成例1と同様に合成を行なって本発明のアゾ化合物〔既述の具体例(6)〕を得ると共に、同様にNMRによる構造確認、λmax、ε、半値幅の測定を行なった。
1H−NMR(300MHz、溶媒:ジメチル−d6スルホキシド、標準物質:テトラメチルシラン)δ7.85〜7.65ppm(5H,m)、7.60〜7.45(4H,m)、7.30〜7.50(2H,m)、7.20(2H,d)、7.05(2H,d)、3.05(3H,s)、2.40(3H,s)。メタノール中でのλmax=402nm、ε=14400[l・mol-1cm-1]、半値幅=142.5nm。
[合成例8]:具体例(28)の合成
合成例1において、化合物(2)を3,4−ジメトキシアニリンに、4−メトキシ−2−ニトロベンゼンスルホニルクロライドを2−ニトロベンゼンスルホニルクロライドに、それぞれ代えたこと以外、合成例1と同様に合成を行なって本発明のアゾ化合物〔既述の具体例(28)〕を得ると共に、同様にNMRによる構造確認、λmax、ε、半値幅の測定を行なった。
1H−NMR(300MHz、溶媒:ジメチル−d6スルホキシド、標準物質:テトラメチルシラン)δ9.45ppm(1H,s)、7.94(2H,s)、7.79(1H,d)、7.71(1H,d)、7.65(2H,d)、7.56(5H,m)、7.40(2H,m)、6.71(1H,d)、6.53(2H,m)、3.61(3H,s)、3.56(3H,s)、2.40(3H,s)。メタノール中でのλmax=397nm、ε=14100[l・mol-1cm-1]、半値幅=150.5nm。
[合成例9]:具体例(25)の合成
合成例1において、化合物(2)を4’−(N−エチルアミノ)−アセトフェノンに、4−メトキシ−2−ニトロベンゼンスルホニルクロライドを4−ニトロベンゼンスルホニルクロライドに、それぞれ代えたこと以外、合成例1と同様に合成を行なって本発明のアゾ化合物〔既述の具体例(25)〕を得ると共に、同様にNMRによる構造確認、λmax、ε、半値幅の測定を行なった。
1H−NMR(300MHz、溶媒:ジメチル−d6スルホキシド、標準物質:テトラメチルシラン)δ7.95ppm(2H,d)、7.88(2H,d)、7.70(2H,br.s)、7.65(2H,d)、7.60〜7.50(4H,m)、7.41(1H,m)、7.30(2H,d)、3.70(2H,q)、2.56(3H,s)、2.40(3H,s)、1.00(3H,t)。メタノール中でのλmax=392.5nm、ε=23900[l・mol-1cm-1]、半値幅=118.0nm。
[合成例10]:具体例(29)の合成
合成例1において、化合物(2)を4’− (N−エチルアミノ)−アセトアニリドに、4−メトキシ−2−ニトロベンゼンスルホニルクロライドを4−ニトロベンゼンスルホニルクロライドに、それぞれ代えたこと以外、合成例1と同様に合成を行なって本発明のアゾ化合物〔既述の具体例(29)〕を得ると共に、同様にNMRによる構造確認、λmax、ε、半値幅の測定を行なった。
1H−NMR(300MHz、溶媒:ジメチル−d6スルホキシド、標準物質:テトラメチルシラン)δ10.05ppm(1H,s)、7.88(2H,d)、7.70(2H,br.s)、7.65〜7.50(8H,m)、7.43(1H,m)、7.00(2H,d)、3.58(2H,q)、2.40(3H,s)、2.05(3H,s)、0.99(3H,t)。メタノール中でのλmax=392.0nm、ε=23700[l・mol-1cm-1]、半値幅=114.0nm。
[合成例11]:具体例(31)の合成
合成例1において、化合物(2)を4,4’−ジアミノ−2,2’−ビフェニルジスルホン酸に、4−メトキシ−2−ニトロベンゼンスルホニルクロライドを4−ニトロベンゼンスルホニルクロライドに、それぞれ代えたこと以外、合成例1と同様に合成を行なって本発明のアゾ化合物〔既述の具体例(31);ビスアゾ体〕を得ると共に、同様にNMRによる構造確認、λmax、ε、半値幅の測定を行なった。
1H−NMR(300MHz、溶媒:ジメチル−d6スルホキシド、標準物質:テトラメチルシラン)δ10.18ppm(2H,br.s)、8.40〜6.40(28H,br.m)、2.40(6H,s)。メタノール中でのλmax=395.0nm、ε=26700[l・mol-1cm-1]、半値幅=138.0nm。
<本発明の着色剤含有硬化性組成物>
以下、本発明の着色剤含有硬化性組成物についての実施例により具体的に説明する。
[実施例1]
1)レジスト溶液の調製
下記組成を混合して溶解し、レジスト溶液を調製した。
〔レジスト溶液用組成〕
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 19.00部
(PGMEA)
・エチルラクテート 36.00部
・シクロヘキサノン 0.87部
・バインダー 30.51部
(アリルメタクリレート/メタクリル酸)共重合体(モル比=65:35)41%PGMEA溶液
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 12.20部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) 0.0075部
・フッ素系界面活性剤 0.95部
(商品名:F−475、大日本インキ化学工業(株)製)
・2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン(光重合開始剤) 0.600部
2)下塗り層付ガラス基板の作製
ガラス基板(コーニング1737)を1%NaOH水で超音波洗浄した後、水洗、脱水ベーク(200℃/30分)を行った。
ついで上記1)のレジスト溶液を洗浄したガラス基板上に膜厚2μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、220℃で1時間加熱乾燥し、硬化膜を形成し、下塗り層付ガラス基板を得た。
3)着色剤含有レジスト溶液の調製
上記1)で得られたレジスト溶液9.4gと上記一般式(I)で表される化合物の具体例(22)0.6gとを混合して溶解し、着色剤含有レジスト溶液を得た。
4)着色剤含有レジストの露光・現像(画像形成)
上記3)で得られた染料レジスト溶液を上記2)で得られた下塗り層付ガラス基板の下塗り層の上に膜厚が1.0μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、120℃で120秒間プリベークした。
次いで、露光装置を使用して、塗布膜に365nmの波長で厚み20μmのマスクを通して800mJ/cm2の露光量で照射した。露光後、現像液(商品名:CD−2000、60%、富士フイルム・アーチ(株)製)を使用して、26℃・60秒間の条件で現像した。その後、流水で20秒間リンスした後、スプレー乾燥し、画像を形成した。
本実施例において、画像形成は光学顕微鏡およびSEM写真観察により通常の方法で確認した。
また、「未露光部現像性」、「露光部残膜率」は色度計(商品名:MCPD−1000、大塚電子(株)製)で測定した。
また、「未露光部現像性」とは、現像前後の膜の吸光度値の変化率を示し、ネガ型感光性組成物の場合には値が大きいほうがよい。さらに、「露光部残膜率」とは、現像前後の膜の吸光度値の維持率を示し、ネガ型感光性組成物の場合には値が大きいほうがよい。
上記未露光部現像性および上記露光部残膜率が共に高い値であるということは、パターン形成性がよいということを意味する。
本実施例において、「耐熱性」は、染料レジスト溶液を塗布したガラス基板を、ホットプレートにより200℃で1時間加熱した後、色度計(商品名:MCPD−1000、大塚電子(株)製)にて、色度変化すなわちΔEab値を測定した。ΔEab値の小さいほうが耐熱性がよい。
また「耐光性」は、染料レジスト溶液を塗布したガラス基板に対し、キセノンランプを20万luxで10時間照射(200万lux・h相当)したのち、色度変化すなわちΔEab値を測定した。ΔEab値の小さいほうが耐光性がよい。
モル吸光係数(ε)は、メタノール中での吸光度から算出した。色価はモル吸光係数(ε)を染料のMwで除した値:ε/Mwを用いた。
これらの結果を表1に示す。
[実施例2〜7]
実施例1の3)着色剤含有レジスト溶液の調製において、着色剤を下記表1に示される化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして画像を形成し、同様の評価をおこなった。結果を下記表1に示す。
[実施例8〜14]
実施例1〜7のガラス基板をシリコンウエハー基板に変更した以外は、実施例1と同様にして、画像を形成した。未露光部現像性、露光部の残膜率は実施例1〜7と同じ結果が得られた。
実施例8〜14においては、シリコンウエハー基板を用いており、実施例1〜7と基板が異なるが、着色剤レジスト溶液は実施例1〜14を通してすべて下塗り層上に塗布されているため、実質的に違いが生じることはなく、同じ諸性能が得られた。
[実施例15]
実施例1の1)レジスト溶液の調製において、光重合開始剤をTAZ−107(みどり化学(株)製)に変更した以外は実施例1と同様にして画像を形成し、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例16]
実施例1の1)レジスト溶液の調製において、光重合開始剤を、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノンに変更した以外は実施例1と同様にして画像を形成し、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例1〜2]
実施例1の3)着色剤含有レジスト溶液の調製において、着色剤を下記のイエロー染料(比較用化合物1〜2)にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にして画像を形成し、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2005290351
(アシッド イエロー 42のジトリルグアニジン塩:染料/ジトリルグアニジン=1/2(モル比))
Figure 2005290351
表1に示すように、比較例のように、表1の諸性能を同時に満足することは困難であった。しかし、本発明における一般式(I)で表される化合物を含む着色剤含有硬化性組成物を使用することによって、着色剤の耐熱性、耐光性、色価に優れた性能を示す硬化性組成物を得ることができた。また、同時に、未露光部現像性および露光部の残膜率も向上させることができ、パターン形成性に優れることがわかった。
特に色価を向上させたことにより、染料の添加量を低減することができ、レジストの諸性能を向上させることができる。
また、表1の結果から明白であるように、従来の染料を用いた比較例1だと、露光部の残膜率、耐熱性、耐光性、色価が劣る性能を示すことが明白となった。
また、従来のピラゾロン−アゾ系染料を使用した比較例2だと、未露光部現像性、露光部の残膜率、耐熱性、耐光性が著しく劣る性能を示し、本発明のアゾ化合物(アミノピラゾール染料)の優位性が明白となった。
[実施例17]
実施例1の3)着色剤含有レジスト溶液の調製において、着色剤含有レジスト溶液の代わりに下記により調製されたポジ型着色感光性樹脂組成物Aを用い、更に、露光において低圧水銀ランプを使用し、塗布膜に245nmおよび185nmの波長で厚み20μmのマスクを通して800mJ/cm2の露光量で照射した以外は実施例1と同様にして画像を形成し、同様の評価をおこなった。結果を下記表2に示す。
〔ポジ型着色感光性樹脂組成物Aの調製〕
下記組成を混合して溶解し、ポジ型着色感光性樹脂組成物Aを得た。
〔組成〕
・エチルラクテート 75.0部
・下記バインダー(P−1) 14.0部
・上記一般式(I)で表される化合物の具体例(22) 6.0部
・光酸発生剤(下記PAG−1) 4.0部
・フッ素系界面活性剤 0.4部
(商品名:F−475、大日本インキ化学工業(株)製)
Figure 2005290351
[実施例18]
実施例1の3)着色剤含有レジスト溶液の調製において、着色剤含有レジスト溶液の代わりに下記により調製されたポジ型着色感光性樹脂組成物Bを用いた以外は実施例1と同様にして画像を形成し、同様の評価をおこなった。結果を下記表2に示す。
〔ポジ型着色感光性樹脂組成物Bの調製〕
・エチルラクテート 210.0部
・p−クレゾールとホルムアルデヒドとを縮合したノボラック樹脂(ポリスチレン換算分子量5500) 20.0部
・ヘキサメトキシメチロールメラミン 15.0部
・上記一般式(I)で表される化合物の具体例(22) 35.0部
・2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンとo−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリドとのエステル化物(エステル化率:80mol%;キノンジアジド化合物) 15.0部
[4−(7,8−ジヒドロキシ−2,4,4−トリメチル−2−クロマニル)ピロガロール]とo−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステル
15.0部
Figure 2005290351
表2からもわかるように、実施例17および18においても、着色剤の耐熱性、耐光性、色価に優れた性能を示すポジ型の硬化性組成物を得ることができた。尚、実施例17および18は、ポジ型感光性組成物であるので、未露光部現像性および露光部残膜率の値は小さい方が好ましい。また、同時に、未露光部現像性および露光部の残膜率も向上させることができ、パターン形成性に優れることがわかった。
[実施例19〜26]
実施例1の3)着色剤含有レジスト溶液の調製において、着色剤を下記表3に示される化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして画像を形成し、同様の評価をおこなった。結果を下記表3に示す。
Figure 2005290351
表3からわかるように実施例19〜26は、本発明における一般式(I)で表される化合物を含む着色剤含有硬化性組成物を使用することによって、着色剤の耐熱性、耐光性、色価に優れた性能を示す硬化性組成物を得ることができた。また、同時に、未露光部現像性および露光部の残膜率も向上させることができ、パターン形成性に優れることがわかった。
特に色価を向上させたことによって、染料の添加量を低減させることができることから、レジストの諸性能を向上させることができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表されるアゾ化合物。
    Figure 2005290351
    〔式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜21のアルキル基、炭素数2〜21のアルケニル基、炭素数6〜21のアリール基、炭素数7〜21のアラルキル基を表す。R1およびR2は、これらと結合している窒素原子と共にヘテロ環を形成してもよい。R3は、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜21のアルコキシ基、ニトロ基を表す。nは0〜4の整数を表す。R4は、ハロゲン原子、−SO3M基を表す。Mは金属原子または含窒素化合物からなるカチオンを表す。mは0〜5の整数を表す。〕
  2. 着色剤を含んでなる着色剤含有硬化性組成物であって、前記着色剤が下記一般式(I)で表される化合物を含むことを特徴とする着色剤含有硬化性組成物。
    Figure 2005290351
    〔式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜21のアルキル基、炭素数2〜21のアルケニル基、炭素数6〜21のアリール基、炭素数7〜21のアラルキル基を表す。R1およびR2は、これらと結合している窒素原子と共にヘテロ環を形成してもよい。R3は、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜21のアルコキシ基、ニトロ基を表す。nは0〜4の整数を表す。R4は、ハロゲン原子、−SO3M基を表す。Mは金属原子または含窒素化合物からなるカチオンを表す。mは0〜5の整数を表す。〕
  3. 下記一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とするカラーフィルタ。
    Figure 2005290351
    〔式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜21のアルキル基、炭素数2〜21のアルケニル基、炭素数6〜21のアリール基、炭素数7〜21のアラルキル基を表す。R1およびR2は、これらと結合している窒素原子と共にヘテロ環を形成してもよい。R3は、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜21のアルコキシ基、ニトロ基を表す。nは0〜4の整数を表す。R4は、ハロゲン原子、−SO3M基を表す。Mは金属原子または含窒素化合物からなるカチオンを表す。mは0〜5の整数を表す。〕
  4. 請求項2に記載の着色剤含有硬化性組成物を支持体上に塗布後、マスクを通して露光し、現像してパターンを形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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