JP2005290048A - 光学用樹脂材料および光学用成形体 - Google Patents

光学用樹脂材料および光学用成形体 Download PDF

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道任 堀江
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隆 本田
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Abstract

【課題】
透明性及び低複屈折性等の光学特性に優れ、工業的に有利に製造できる光学用樹脂材料、並びにこの樹脂材料を成形してなる光学成形体を提供する。
【解決手段】
式(1)で表されるスピロ環含有構造単位であって、その3量体単位の結合方向をx軸とした分極率テンソルAの和の平均であるテンソルBの、xx成分bxx、yy成分byy、zz成分bzzが、bxx−(byy+bzz)/2<0の関係を満たす構造単位[I]を有するノルボルネン系開環重合体水素化物からなる光学用樹脂材料、及びこの樹脂材料を成形してなる光学成形体。
【化1】
Figure 2005290048

(式中、Zは、エステル結合及びエーテル結合から選ばれる少なくとも一つを有する二価の有機基を表し、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、又はハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子若しくは窒素原子を含む基を表し、nは0又は1である。)
【選択図】 なし。

Description

本発明は、透明性及び低複屈折性等に優れ、光学レンズや光学フィルムに好適な光学用樹脂材料、並びにこの光学用樹脂材料を成形してなる光学成形体に関する。
ノルボルネン系樹脂は、透明性、耐熱性、機械的強靭性、低吸水性及び低複屈折性等に優れた特性を有し、光学レンズや光学フィルム等の各種光学用途に広範に用いられている。例えば、低複屈折性に優れたノルボルネン系樹脂として、テトラシクロドデセン類や1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンの開環重合体水素化物が提案されている(特許文献1,2等)。
しかしながら、従来知られているノルボルネン系樹脂は、通常、位相差の波長依存性が負の相関を示すため、この樹脂を位相差フィルム等に用いると、可視領域の全体において均一な位相差が得られないという問題があった。また近年においては、光学機器の機能の高度化に伴い、より低複屈折の材料が求められている。
このような問題を解決すべく、一般的に正の固有複屈折値を有するノルボルネン系樹脂を、負の固有複屈折値を示す重合体を与える単量体を用いてグラフト変性することにより、複屈折性を低減させる試みが提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、この方法は、グラフト変性率を高くすると、ミクロ相分離により透明性が低下するおそれがある。また、工程が煩雑で生産性が低いという問題があった。
特公平2−9619号公報 WO96/10596号公報 特開2001−316432号公報
本発明は、かかる従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、透明性及び低複屈折性等の光学特性に優れ、工業的に有利に製造できる、光学レンズや光学フィルムに好適な光学用樹脂材料、並びにこの樹脂材料を成形してなる光学用成形体を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のスピロ環を含有するノルボルネン系単量体の開環重合体水素化物を用いると、透明性及び低複屈折性等に優れる光学用樹脂材料が得られることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに到った。
かくして本発明の第1によれば、式(1)
Figure 2005290048
(式中、Zは、エステル結合及びエーテル結合から選ばれる少なくとも一つを有する二価の有機基を表し、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、又はハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子もしくは窒素原子を含む基を表し、nは0又は1である。)で表されるスピロ環含有構造単位であって、その3量体単位の結合方向をx軸とした分極率テンソルAの和の平均であるテンソルBの、xx成分bxx、yy成分byy、zz成分bzzが、bxx−(byy+bzz)/2<0の関係を満たす構造単位[I]を有するノルボルネン系開環重合体水素化物からなることを特徴とする光学用樹脂材料が提供される。
本発明の光学用樹脂材料においては、前記ノルボルネン系開環重合体水素化物が、式(2)
Figure 2005290048
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、又はハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子もしくは窒素原子を含む基を表し、RとRが結合して環を形成してもよい。mは0又は1である。)で表される構造単位[II]をさらに含有することが好ましい。
本発明の光学用樹脂材料においては、前記ノルボルネン系開環重合体水素化物が、その3量体単位の結合方向をx軸とした分極率テンソルCの和の平均であるテンソルDの、xx成分dxx、yy成分dyy及びzz成分dzzが、式:|dxx−(dyy+dzz)/2|≦7.5×10−25cmの関係を満たすものであることが好ましい。
本発明の第2によれば、本発明の光学用樹脂材料を成形してなる光学用成形体が提供される。
本発明の光学用成形体は、光学レンズ又は光学フィルムであるのが好ましい。
本発明の光学用樹脂材料は、透明性や低複屈折性等の光学特性に優れるので、光ディスク、光学レンズ、光学フィルム、プリズム、光拡散板、光カード、光ファイバー、光学ミラー、液晶表示素子基板、導光板等の各種光学材料として好適に用いることができる。
また、本発明の光学用樹脂材料は、グラフト変性等の複雑な工程を経ることなく、高い生産効率で製造することができるものである。
本発明の光学用成形体は、本発明の光学用樹脂材料を用いるものであるので、透明性や低複屈折性等の光学特性に優れている。
本発明の光学用樹脂材料は、以下の(a)及び(b)に示す特徴を有する構造単位[I]を含有するノルボルネン系開環重合体水素化物からなる。
(a)前記式(1)で表されるスピロ環含有構造単位である。
(b)その3量体単位の結合方向をx軸とした分極率テンソルAの和の平均であるテンソルBの、xx成分bxx、yy成分byy、zz成分bzzが、bxx−(byy+bzz)/2<0の関係を満たす構造単位である。
(a)前記式(1)で表されるスピロ環含有構造単位
前記式(1)において、Zは、エステル結合及びエーテル結合から選ばれる少なくとも一つを有する二価の有機基を表し、エステル結合を有する二価の有機基であるのが好ましい。
またZは、エステル結合及びエーテル結合の他に、置換基を有していてもよいメチレン結合を含有することが好ましい。
置換基を有していてもよいメチレン結合は、式[−C(r)−]で表される結合である。r、rは、炭素原子に結合し、ノルボルネン系単量体の開環重合に対し不活性な基であれば特に制約されない。
、rの具体例としては、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基;クロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基等のハロゲン原子で置換された炭素数1〜6のアルキル基;メトキシメチル基、エトキシメチル基、2−メトキシエチル基、t−ブトキシメチル基等のアルコキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基;メチルチオメチル基、エチルチオメチル基、2−メチルチオエチル基等のアルキルチオ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基;アミノメチル基、、ジメチルアミノメチル基、フェニルアミノメチル基、アセチルアミノメチル基等のアミノ基又は置換アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;フェニル基、4−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基等の置換基を有していてもよいフェニル基;等が挙げられる。
Zとスピロ原子により形成される環において、環を構成する原子の数は通常3〜8、好ましくは4〜6、より好ましくは4又は5である。
、Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、又はハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子もしくは窒素原子を含む基を表す。
前記R、Rの炭素数1〜20の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜20のアルキル基;ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、クロチル基等の炭素数2〜20のアルケニル基;エチニル基、プロパルギル基等の炭素数2〜20のアルキニル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の炭素数6〜20のアリール基;等が挙げられる。
前記R、Rのハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子又は窒素原子を含む基の具体例としては、ハロゲン原子が置換されたアルキル基、ハロゲン原子が置換されたアリール基等のハロゲン原子を含む基;式:Sirで表される基(式中、r〜rはそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。)、前記式:Sirで表される基で置換されたアルキル基等のケイ素原子を含む基;水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基で置換されたアルキル基等の酸素原子を含む基;アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、アミノ基で置換されたアルキル基、モノ置換アミノ基で置換されたアルキル基、ジ置換アミノ基で置換されたアルキル基、カルバモイル基、アシルアミノ基、シアノ基等の窒素原子を含む基;等が挙げられる。
また、nは0又は1であり、0が好ましい。
前記式(1)で表される構造単位は、下記式(3)で表されるノルボルネン系モノマーの少なくとも1種を開環メタセシス重合し、得られた開環重合体を水素化して得ることができる。
Figure 2005290048
(式中、R、R、Z及びnは、前記と同じ意味を表す。)
前記式(3)で表されるノルボルネン系モノマーのうち、nが0である化合物は、例えば、シクロペンタジエン(5)と式(6)で表されるオレフィン化合物とのディールス・アルダー付加反応により得ることができる(下記反応式)。
Figure 2005290048
(式中、R、R、及びZは前記と同じ意味を表す。)
前記式(6)で表されるオレフィン化合物としては、式(6)で表される化合物であれば特に制約されないが、その好ましい具体例としては、次の(6−1)〜(6−9)が挙げられる。
Figure 2005290048
〔式(6−6)中、rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基;フェニル基、4−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の置換基を有していてもよいアリール基を表す。〕
また、nが1である化合物(3−2)は、上記ディールス・アルダー付加反応で得られたノルボルネン系モノマー(3−1)と、シクロペンタジエン(5)とのディールス・アルダー付加反応により得ることができる(下記反応式)。
Figure 2005290048
(式中、R、R及びZは前記と同じ意味を表す。)
いずれの反応においても、反応液を蒸留法、カラムクロマトグラフィー法、再結晶化法等の公知の分離・精製手段により精製して、目的とする式(3−1)及び(3−2)で表されるノルボルネン系モノマーを効率よく単離することができる。
前記式(1)で表される構造単位の具体例としては、下式に示すものが挙げられる。もちろん、前記構造単位は、下記に示すものに限定されるものではない。
Figure 2005290048
(式中、R、R、n及びrは前記と同じ意味を表す。)
メタセシス反応触媒としては、例えば、(i)遷移金属ハロゲン化合物と助触媒として機能するアルキル化剤又はルイス酸との組み合わせによる開環メタセシス重合触媒、(ii)周期表第4〜8族遷移金属−カルベン錯体触媒、(iii)メタラシクロブタン錯体触媒等が挙げられる。これらのメタセシス反応触媒は単独で、あるいは2種類以上を混合して使用することができる。これらの中でも、助触媒を必要とせず、しかも高活性であることから、(ii)の周期表第4〜8族の遷移金属−カルベン錯体触媒を使用するのが好ましく、ルテニウムカルベン錯体触媒の使用が特に好ましい。
前記(i)の遷移金属ハロゲン化合物の具体例としては、MoBr、MoBr、MoBr、MoCl、MoCl、MoF、MoOCl、MoOF、等のモリブデンハロゲン化物;WBr、WCl、WBr、WCl、WCl、WCl、WF、WI、WOBr、WOCl、WOF、WCl(OCCl等のタングステンハロゲン化物;VOCl、VOBr等のバナジウムハロゲン化物;TiCl、TiBr等のチタンハロゲン化物;等が挙げられる。
また、助触媒として機能するアルキル化剤又はルイス酸の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリへキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジ−n−ブチルアルミニウムモノクロリド、ジエチルアルミニウムモノアイオダイド、ジエチルアルミニウムモノヒドリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、メチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン等の有機アルミニウム化合物;
テトラメチルスズ、ジエチルジメチルスズ、テトラエチルスズ、ジブチルジエチルスズ、テトラブチルスズ、テトラオクチルスズ、トリオクチルスズフロリド、トリオクチルスズクロリド、トリオクチルスズブロミド、トリオクチルスズアイオダイド、ジブチルスズジフロリド、ジブチルスズジクロリド、ジブチルスズジブロミド、ジブチルスズジアイオダイド、ブチルスズトリフロリド、ブチルスズトリクロリド、ブチルスズトリブロミド、ジブチルスズトリアイオダイド等の有機スズ化合物;
メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、フェニルリチウム等の有機リチウム化合物;n−ペンチルナトリウム等の有機ナトリウム化合物;メチルマグネシウムアイオダイド、エチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムブロミド、n−プロピルマグネシウムブロミド、t−ブチルマグネシウムクロリド、アリールマグネシウムクロリド等の有機マグネシウム化合物;ジエチル亜鉛等の有機亜鉛化合物;ジエチルカドミウム等の有機カドミウム化合物;トリメチルホウ素、トリエチルホウ素、トリ−n−ブチルホウ素、トリフェニルホウ素、トリス(パーフルオロフェニル)ホウ素、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(パーフルオロフェニル)ボレート等の有機ホウ素化合物;等が挙げら
れる。
前記(ii)の周期表第4〜8族遷移金属−カルベン錯体触媒としては、例えば、タングステンアルキリデン錯体触媒、モリブデンアルキリデン錯体触媒、レニウムアルキリデン錯体触媒、ルテニウムカルベン錯体触媒等が挙げられる。
前記タングステンアルキリデン錯体触媒の具体例としては、W(N−2,6−Pr )(CHBu)(OBu、W(N−2,6−Pr )(CHBu)(OCMeCF、W(N−2,6−Pr )(CHBu)(OCMe(CF、W(N−2,6−Pr )(CHCMePh)(OBu、W(N−2,6−Pr )(CHCMePh)(OCMeCF、W(N−2,6−Pr )(CHCMePh)(OCMe(CF等が挙げられる。
モリブデンアルキリデン錯体触媒の具体例としては、Mo(N−2,6−Pr )(CHBu)(OBu、Mo(N−2,6−Pr )(CHBu)(OCMeCF、Mo(N−2,6−Pr )(CHBu)(OCMe(CF、Mo(N−2,6−Pr )(CHCMePh)(OBu、Mo(N−2,6−Pr )(CHCMePh)(OCMeCF、Mo(N−2,6−Pr )(CHCMePh)(OCMe(CF、Mo(N−2,6−Pr )(CHCMePh)(BIPHEN)、Mo(N−2,6−Pr )(CHCMePh)(BINO)(THF)等が挙げられる。
レニウムアルキリデン錯体触媒の具体例としては、Re(CBu)(CHBu)(O−2,6−Pr 、Re(CBu)(CHBu)(O−2−Bu、Re(CBu)(CHBu)(OCMeCF、Re(CBu)(CHBu)(OCMe(CF、Re(CBu)(CHBu)(O−2,6−Me等が挙げられる。
上記式中、Prはイソプロピル基を、Buはtert−ブチル基を、Meはメチル基を、Phはフェニル基を、BIPHENは、5,5’,6,6’−テトラメチル−3,3'−ジ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2'−ジオキシ基を、BINOは、1,1'−ジナフチル−2,2’−ジオキシ基を、THFはテトラヒドロフランをそれぞれ表す。
また、ルテニウムカルベン錯体触媒の具体例としては、下記の式(A)又は式(B)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2005290048
上記式(A)及び(B)中、=CR及び=C=CRは、反応中心のカルベン炭素を含むカルベン化合物である。R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、又はハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、これらのカルベン化合物はヘテロ原子を含有していてもいなくてもよい。Lはヘテロ原子含有カルベン化合物を表し、Lはヘテロ原子含有カルベン化合物又は任意の中性の電子供与性化合物を表す。
ここで、ヘテロ原子含有カルベン化合物とは、カルベン炭素及びヘテロ原子とを含有する化合物をいう。L及びLの両方又はLは、ヘテロ原子含有カルベン化合物であり、これらに含まれるカルベン炭素にはルテニウム金属原子が直接に結合しており、ヘテロ原子を含む基が結合している。
及びLは、それぞれ独立して任意のアニオン性配位子を示す。また、R、R、L、L、L及びLの2個、3個、4個、5個又は6個は、互いに結合して多座キレート化配位子を形成してもよい。また、ヘテロ原子の具体例としては、N、O、P、S、As、Se原子等を挙げることができる。これらの中でも、安定なカルベン化合物が得られる観点から、N、O、P、S原子等が好ましく、N原子が特に好ましい。
前記式(A)及び式(B)において、アニオン(陰イオン)性配位子L、Lは、中心金属から引き離されたときに負の電荷を持つ配位子であり、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ジケトネート基、アルコキシ基、アリールオキシ基やカルボキシル基等の酸素を含む炭化水素基;塩化シクロペンタジエニル基等のハロゲン原子で置換された脂環式炭化水素基等を挙げることができる。これらの中でもハロゲン原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
が中性の電子供与性化合物の場合は、Lは中心金属から引き離されたときに中性の電荷を持つ配位子であればいかなるものでもよい。その具体例としては、カルボニル類、アミン類、ピリジン類、エーテル類、ニトリル類、エステル類、ホスフィン類、チオエーテル類、芳香族化合物、オレフィン類、イソシアニド類、チオシアネート類等が挙げられる。これらの中でも、ホスフィン類やピリジン類が好ましく、トリアルキルホスフィンがより好ましい。
前記式(A)で表されるルテニウムカルベン錯体触媒としては、例えば、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(3−メチル−2−ブテン−1−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−オクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン[1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジ
クロリド、ベンジリデン(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジイソプロピルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン)(エトキシメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)ピリジンルテニウムジクロリド等のヘテロ原子含有カルベン化合物と中性の電子供与性化合物が結合したルテニウムカルベン錯体;
ベンジリデンビス(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデンビス(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)ルテニウムジクロリド等の2つのヘテロ原子含有カルベン化合物が結合したルテニウムカルベン錯体;等が挙げられる。
前記式(B)で表されるルテニウムカルベン錯体触媒としては、例えば、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(フェニルビニリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(t−ブチルビニリデン)(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリド等が挙げられる。
また、(iii)のメタラシクロブタン錯体触媒の具体例としては、チタナシクロブタン類等が挙げられる。
メタセシス反応触媒の使用量は、触媒に対するノルボルネン系モノマーのモル比で、触媒:単量体=1:100〜1:2,000,000、好ましくは1:500〜1:1,000,000、より好ましくは1:1,000〜1:500,000である。触媒量が前記モル比よりも多すぎると触媒除去が困難となることがあり、少なすぎると十分な重合活性が得られないことがある。
メタセシス反応触媒を用いるノルボルネン系モノマーの開環重合は、溶媒中又は無溶媒で行なうことができる。重合反応終了後、生成した重合体を単離することなく、そのまま水素化反応を行う場合は、溶媒中で重合するのが好ましい。
用いる溶媒は生成する重合体を溶解し、かつ重合反応を阻害しない溶媒であれば特に限定されない。
用いる溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデン、シクロオクタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等の含窒素系炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトン、エチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、安息香酸メチル等のエステル類;クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;等が挙げられる。これらの中でも、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素、エーテル類、ケトン類又はエステル類の使用が好ましい。
溶媒中のノルボルネン系モノマーの濃度は、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは2〜45重量%、さらに好ましくは5〜40重量%である。ノルボルネン系モノマーの濃度が1重量%未満では重合体の生産性が悪くなることがあり、50重量%を超えると重合後の粘度が高すぎて、その後の水素化等が困難となることがある。
メタセシス反応触媒は溶媒に溶解して反応系に添加してもよいし、溶解させることなくそのまま添加してもよい。触媒溶液を調製する溶媒としては、前記重合反応に用いる溶媒と同様の溶媒が挙げられる。
また、重合反応においては、重合体の分子量を調整するために分子量調整剤を反応系に添加することができる。分子量調整剤としては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィン;スチレン、ビニルトルエン等のスチレン類;エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のエーテル類;アリルクロライド等のハロゲン含有ビニル化合物;酢酸アリル、アリルアルコール、グリシジルメタクリレート等酸素含有ビニル化合物;アクリロニトリル、アクリルアミド等の窒素含有ビニル化合物等を用いることができる。前記式(3)で表されるノルボルネン系モノマーに対して、分子量調整剤を0.1〜100モル%使用することにより、所望の分子量を有する重合体を得ることができる。
重合温度は特に制限はないが、通常、−100℃〜+200℃、好ましくは−50℃〜+180℃、より好ましくは−30℃〜+160℃、さらに好ましくは0℃〜+140℃である。重合時間は、通常1分から100時間であり、反応の進行状況に応じて適宜調節することができる。
以上のようにして得られるノルボルネン系開環重合体の炭素−炭素二重結合を水素化することにより、本発明の光学用樹脂材料を構成するノルボルネン系開環重合体水素化物を得ることができる。
前記ノルボルネン系開環重合体水素化物において、炭素−炭素二重結合の水素化された割合(水素化率)は、通常50%以上であり、耐熱性の観点から、70%以上であるのが好ましく、80%以上であるのがより好ましく、90%以上であるのがさらに好ましい。
ノルボルネン系開環重合体水素化物の水素化率は、例えば、ノルボルネン系開環重合体のH−NMRスペクトルにおける炭素−炭素二重結合に由来するピーク強度と、水素化物のH−NMRスペクトルにおける炭素−炭素二重結合に由来するピーク強度とを比較することにより求めることができる。
ノルボルネン系開環重合体の水素化反応は、例えば、水素化触媒の存在下に水素ガスを用いて、ノルボルネン系開環重合体の主鎖中の炭素−炭素二重結合を飽和単結合に変換することにより行なうことができる。
用いる水素化触媒は、均一系触媒、不均一系触媒等、特に限定されず、オレフィン化合物の水素化に際して一般的に用いられているものを適宜使用することができる。
均一系触媒としては、例えば、酢酸コバルトとトリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナートとトリイソブチルアルミニウム、チタノセンジクロリドとn−ブチルリチウムの組み合わせ、ジルコノセンジクロリドとsec−ブチルリチウム、テトラブトキシチタネートとジメチルマグネシウム等の遷移金属化合物とアルカリ金属化合物の組み合わせからなるチーグラー系触媒;前記開環メタセシス反応触媒の項で記述したルテニウムカルベン錯体触媒、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、特開平7−2929号公報、特開平7−149823号公報、特開平11−109460号公報、特開平11−158256号公報、特開平11−193323号公報、特開平11−109460号公報等に記載されているルテニウム化合物からなる貴金属錯体触媒;等が挙げられる。
不均一系触媒としては、例えば、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム等の金属を、カーボン、シリカ、ケイソウ土、アルミナ、酸化チタン等の担体に担持させた水素化触媒が挙げられる。より具体的には、例えば、ニッケル/シリカ、ニッケル/ケイソウ土、ニッケル/アルミナ、パラジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、パラジウム/ケイソウ土、パラジウム/アルミナ等を用いることができる。これらの水素化触媒は単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、ノルボルネン系開環重合体に含まれる官能基の変性等の副反応を起こすことなく、該重合体中の炭素−炭素二重結合を選択的に水素化できる点から、ロジウム、ルテニウム等の貴金属錯体触媒及びパラジウム/カーボン等のパラジウム担持触媒の使用が好ましく、ルテニウムカルベン錯体触媒又はパラジウム担持触媒の使用がより好ましい。
前述したルテニウムカルベン錯体触媒は、開環メタセシス反応触媒及び水素化触媒として使用することができる。この場合には、開環メタセシス反応と水素化反応を連続的に行なうことができる。
また、ルテニウムカルベン錯体触媒を使用して開環メタセシス反応と水素化反応を連続的に行う場合、エチルビニルエーテル等のビニル化合物やα−オレフィン等の触媒改質剤を添加して該触媒を活性化させてから、水素化反応を開始する方法も好ましく採用される。さらに、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアセトアミド等の塩基を添加して活性を向上させる方法を採用するのも好ましい。
水素化反応は、通常、有機溶媒中で行なわれる。有機溶媒としては、生成する水素化物の溶解性により適宜選択することができ、前記重合溶媒と同様の有機溶媒を使用することができる。したがって、重合反応後、溶媒を入れ替えることなく、反応液又は該反応液からメタセシス反応触媒をろ別して得られるろ液に水素化触媒を添加して反応させることもできる。
水素化反応の条件は、使用する水素化触媒の種類に応じて適宜選択すればよい。水素化触媒の使用量は、開環重合体100重量部に対して,通常0.01〜50重量部、好ましくは0.05〜20重量部、より好ましくは0.1〜10重量部である。反応温度は、通常−10℃〜+250℃、好ましくは−10℃〜+210℃、より好ましくは0℃〜+200℃である。−10℃未満では反応速度が遅くなり、逆に250℃を超えると副反応が起こりやすくなる。水素の圧力は、通常0.01〜10.0MPa、好ましくは0.05〜8.0MPa、より好ましくは0.1〜5.0MPaである。水素圧力が0.01MPa未満では水素化速度が遅くなり、10.0MPaを超えると高耐圧反応装置が必要となる。
水素化反応の時間は、水素化率を制御するために適宜選択される。反応時間は、通常0.1〜50時間の範囲であり、重合体中の主鎖の炭素−炭素二重結合のうち50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上を水素化することができる。
本発明の光学用樹脂材料を構成するノルボルネン系開環重合体水素化物は、構造単位[I]の他に、式(2)
Figure 2005290048
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、又はハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子もしくは窒素原子を含む基を表し、RとRが結合して環を形成してもよい。mは0又は1である。)で表される構造単位[II]をさらに含有するものであるのが好ましい。構造単位[I]のほかに構造単位[II]を有する共重合体とすることで、より低複屈折性の光学用樹脂材料を得ることができる。
前記R〜Rの炭素数1〜20の炭化水素基、又はハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子もしくは窒素原子を含む基としては、前記R、Rの炭素数1〜20の炭化水素基、又はハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子もしくは窒素原子を含む基として列記したものと同様のものが挙げられる。
また、RとRが結合して形成する環としては、通常3〜8員の環、好ましくは5〜8員の環が挙げられ、環内に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでいてもよい。
前記式(1)で表される構造単位[I]、及び前記式(2)で表される構造単位[II]を含有するノルボルネン系開環共重合体水素化物は、前記式(3)で表されるノルボルネン系モノマーと、下記式(4)で表されるノルボルネン系モノマーとを開環メタセシス共重合し、得られた開環共重合体を水素化して得ることができる。
前記式(3)で表されるノルボルネン系モノマーと、式(4)で表されるノルボルネン系モノマーとを開環メタセシス共重合する方法、及び得られた開環共重合体を水素化する方法は、前記式(3)で表されるノルボルネン系モノマーを開環重合する方法、及び得られた開環重合体を水素化する方法と同様にして行うことができる。
Figure 2005290048
上記式(4)で表されるノルボルネン系モノマーとしては、例えば、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−シクロへキシル−2−ノルボルネン、5−シクロへキセニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチリデンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン等の置換基を有しない、あるいは置換基として炭化水素基を有するノルボルネン系モノマー;5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、2−ノルボルネン−5,6−ジカルボン酸無水物、2−ノルボルネン−5,6−ジカルボン酸イミド、9−メトキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチル−9−メトキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン等の官能基を有するノルボルネン系モノマー;等が挙げられる。なかでも、置換基を有しない、又は置換基として炭化水素基を有するノルボルネン系モノマーが、所望の組成比と分子量を持つ共重合体を容易に得ることができ、かつ、吸湿性が低いので好ましく、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンが、低複屈折性の開環重合体水素化物を得られるので特に好ましい。
本発明の光学用樹脂材料を構成するノルボルネン系開環重合体水素化物が、構造単位[I]及び構造単位[II]を含む共重合体である場合、この共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよいが、ランダム共重合体が好ましい。
前記構造単位[I]の全繰り返し単位に対する割合は、重合体の製造目的によって任意に選択することができるが、耐熱性、電気特性、低吸水性と密着性、相溶性のバランスを考慮すると、1〜90重量%が好ましく、1〜80重量%がより好ましい。ノルボルネン系開環重合体水素化物に含まれる前記構造単位[I]の全繰り返し単位に対する割合は、例えば、得られた開環重合体水素化物のH−NMRスペクトルを測定することにより求めることができる。
ノルボルネン系開環重合体水素化物の重量平均分子量は特に制限されないが、通常、1,000〜1,000,000、好ましくは3,000〜500,000、より好ましくは5,000〜50,000である。前記開環重合体水素化物の重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算値として求められる値である。
(b)その3量体単位の結合方向をx軸とした分極率テンソルAの和の平均であるテンソルBの、xx成分bxx、yy成分byy、zz成分bzzが、bxx−(byy+bzz)/2<0の関係を満たす構造単位
この場合における3量体単位の結合方向(分子鎖の方向)とは、単独重合体を仮定したときの、その重合体主鎖の末端原子からもう一方の末端原子へのベクトル方向のことである。例えば、下記の場合では、C→Cの方向である。
Figure 2005290048
(式中、R、R、Z及びnは前記と同じ意味を表し、C、Cはメチレン基を表す。)
3量体単位の結合方向をx軸とした分極率テンソルAは、以下により計算することができる。
(α)シミュレーションによりポリマーの安定構造を求める。
シミュレーション法としては、統計的に安定なポリマー構造を計算により求めることができる方法であれば特に制約されない。例えば、RIS−モンテカルロ法を用いることができる。計算は、例えば、Accerlys社の商品名Insight II等のソフトウェアによって行うことができる。
(β)全ての3量体単位について、その結合方向をx軸とした分極率テンソルAを計算する。
上記(α)で求めた統計的に安定なポリマー構造の各結合に、実測の分極率主値を割り当て、各結合の分極率テンソルの和として3量体単位の分極率テンソルが算出される。実測の分極率主値は公知であり、例えば、文献(C.W.Bunn著,“CHEMICAL CRYSTALLOGRAPHY−An Introduction to Optical and X−ray Methods”Oxford University Press,1960)に記載の波長589nmでの値を用いることができる。
この方法を、図1に示すような8量体を例にとって、詳細に説明する。
図1の(a)〜(f)に示すように、先ずポリマーの左端から、3量体単位(図中、斜線部)を順番に取り出す。
3量体単位の分極率テンソルは、ポリマーの重合度をp(3以上の整数)とすると、分子鎖の方向をx軸においたテンソルA(i=1,2,,,p−3,p−2)とする。例えば、図1に示すポリマーは8量体(p=8)であるので、テンソルの数は6である。
本発明において、テンソルBは分極率テンソルAの和の平均として表され、具体的には、下式により計算される。
Figure 2005290048
ここで、上記安定構造において、各3量体単位毎にx軸の方向は異なるが、ここではその方向を補正せず、Aの単純和の平均を表す。
本発明の光学用樹脂材料を構成するノルボルネン系開環重合体水素化物の構造単位[I]は、上記テンソルBにおいて、Bのxx成分bxx、yy成分byy、zz成分bzzが、bxx−(byy+bzz)/2<0の関係を満たす。
テンソルBがこの関係を満たす構造単位を有するノルボルネン系開環重合体水素化物を用いることにより、位相差の波長依存性が正の相関を示す光学用樹脂材料を容易に得ることができる。
位相差の波長依存性は、本発明の光学樹脂材料の有機溶媒溶液を用いてキャストフィルムを作製し、得られたキャストフィルムを温度110℃、延伸倍率1.3倍で自由収縮の一軸延伸して配向フィルムを作製し、得られた配向フィルムについて、測定波長450nm及び550nmでレターデーション値の測定を行うことで確認することができる。測定したそれぞれのレターデーション値をR(450)、R(550)としたとき、R(550)−R(450)が正(+)であれば位相差の波長依存性が正の相関を示し、負(−)であれば位相差の波長依存性が負の相関を示すことを表す。
本発明の光学用樹脂材料を構成するノルボルネン系開環重合体水素化物を、光学レンズなどの低複屈折性が求められる用途に用いる場合、その3量体単位の結合方向をx軸とした分極率テンソルCの和の平均であるテンソルDのxx成分dxx、yy成分dyy、zz成分dzzが、|dxx−(dyy+dzz)/2|≦7.5×10−25cmの関係を満たすことが好ましく、|dxx−(dyy+dzz)/2|が、6.5×10−25cm以下であるのがより好ましく、5.0×10−25cm以下であるのがさらに好ましい。|dxx−(dyy+dzz)/2|がこの範囲であると、低複屈折性に優れる。
テンソルC及びテンソルDは、単独重合体の場合には、テンソルA及びテンソルBと同一であり、共重合体の場合には、シミュレーションによりポリマーの安定構造を求め、テンソルA及びテンソルBと同様にして求めることができる。
本発明の光学用樹脂材料は、上述したノルボルネン系開環(共)重合体水素化物の1種又は2種以上からなる。
本発明の光学用樹脂材料は、所望により、各種の添加剤、例えば改質剤、酸化防止剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、レベリング剤等を含有させることができる。これら改質剤、酸化防止剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、レベリング剤等は、特に制限されず、公知のものを使用することができる。これらの添加剤の使用量は、ノルボルネン系開環重合体水素化物100重量部に対して、通常0.001〜100重量部である。
本発明の光学用樹脂材料を構成する開環(共)重合体水素化物の光弾性係数(C値)の絶対値は、特に制限されないが、好ましくは1.5×10−9Pa−1未満、より好ましくは1.0×10−9Pa−1未満である。光弾性係数の絶対値がこの範囲である光学用樹脂材料は、外部応力により光学歪みが生じにくく、微小な応力変化により位相差が発現したり変化することが少ない。開環(共)重合体水素化物の光弾性係数(C値)は、例えば、上記と同様にして得たキャストフィルムを用い、文献(Polymer Journal,1995年,第27巻,943頁)記載の方法に従い求めることができる。
以上のようにして得られるノルボルネン系開環重合体及び水素化物は、透明性、低複屈折性、耐熱性、電気特性等に優れる。従って、本発明の光学用樹脂材料は、光ディスク、光学レンズ、光学フィルム、プリズム、光拡散板、光カード、光ファイバー、光学ミラー、液晶表示素子基板、導光板等の各種光学材料として好適に用いることができる。また、本発明の光学用樹脂材料は、グラフト変性等の複雑な工程を経ることなく、高い生産効率で製造することができる。
2)光学用成形体
本発明の光学用成形体は、本発明の光学用樹脂材料を成形してなることを特徴とする。本発明の光学用成形体の形状としては特に制限されず、各種目的に応じた形状、大きさとすればよい。成形方法も特に制限されず、公知の成形方法を採用することができる。例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、プレス成形法、押出成形法、ブロー成形法、真空成形法等が挙げられる。フィルム状に成形する場合は、Tダイを用いた押出成形法、カレンダー成形法、インフレーション成形法、また溶液キャスト法を用いることもできる。
本発明の光学用成形体は、光路長1mmでの全光線透過率が好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上である。全光線透過率は、JIS K7361に準拠して測定され、厚さ1mmの平板状試験片への入射光束に対する全透過光の割合で表される。また、フィルム状に成形したときの全光線透過率が90%以上であると、光学フィルムとして好適である。
本発明の光学用成形体は、本発明の光学用樹脂材料を用いるものであるので、透明性や低複屈折性等の光学特性に優れている。従って、本発明の光学用成形体は、光ディスク、光学レンズ、光学フィルム、プリズム、光拡散板、光カード、光ファイバー、光学ミラー、液晶表示素子基板、導光板等の各種光学材料として好適に用いることができる。なかでも、レーザービームプリンター用Fθレンズ、カメラレンズ、ビデオカメラレンズ、ファインダーレンズ、ピックアップレンズ、コリメートレンズ、プロジェクションテレビ用投影レンズ、OHP用投影レンズ等の光学レンズ;偏光フィルム、位相差フィルム、光拡散シート、プリズムシート、集光シート等の光学フィルム;に特に好適に用いられる。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中の部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。
実施例及び比較例中の試験及び評価は以下の方法で行った。
(1)単量体組成比
開環共重合体水素化物の単量体組成比は、H−NMRスペクトル測定により求めた。
(2)水素化率
開環(共)重合体水素化物の水素化率(%)は、H−NMRスペクトル測定により求めた。
(3)重量平均分子量
重量平均分子量(Mw)は、開環(共)重合体水素化物をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定して、ポリスチレン換算して求めた。
(4)実施例及び比較例で得られた開環(共)重合体のテンソルDは、前述の方法で計算により求めた。なお、シミュレーション法としてはRIS−モンテカルロ法を用い、計算用ソフトウエアとしては、Insight II(Accerlys社製)を用いた。
計算に用いた分極率主値は、公知の波長589nmの値であり、具体的には第1表に示す値を用いた。
Figure 2005290048
(表中、bは結合方向の分極率主値を表し、bは結合に対し垂直方向の分極率主値を表す。)
(5)位相差の波長依存性
実施例及び比較例で得られた開環(共)重合体水素化物20部をテトラヒドロフラン80部に溶解させた溶液から厚さ100μmのキャストフィルムを作製する。キャストフィルムを温度110℃、延伸倍率1.3倍で自由収縮の一軸延伸して配向フィルムを得る。得られた配向フィルムについて、王子計測社製KOBRA−21ADHを用いて測定波長450nm及び550nmでレターデーション値の測定を行い、それぞれのレターデーション値をR(450)、R(550)とする。R(550)−R(450)が正(+)であれば位相差の波長依存性が正の相関を示し、負(−)であれば位相差の波長依存性が負の相関を示すことを表す。
(6)光弾性係数(C値)
(5)と同様にして得たキャストフィルムを用い、文献(Polymer Journal,1995年,第27巻,943頁)記載の方法に従い求めた。すなわち、キャストフィルムに150℃で数種類の一定荷重をかけ、次いで、数パーセント伸びた状態でゆっくりと冷やして室温まで戻した後に発生した位相差を測定し、加えた応力とから計算した。
製造例1:シクロペンタジエン/ジケテン付加体の製造
ジケテン50部をテトラヒドロフラン90部に溶解した溶液を攪拌機付きオートクレーブに仕込み、シクロペンタジエン35部を少量ずつ添加しながら50℃で2時間攪拌した。得られた反応溶液の溶媒を減圧除去し、残渣にトルエン90部を加え、よく攪拌した。析出した固体成分を濾過により取り除き、濾液にn−ヘキサン70部を加え、−30℃で一晩放置した。析出物をn−ヘキサンで洗浄、乾燥して白色結晶を得た。H−NMR測定により、この結晶がシクロペンタジエン/ジケテン付加体(以下、単に「モノマーA」ともいう。)であることを確認した。
製造例2:シクロペンタジエン/2−メチル−5−メチレン−1,3−ジオキソラン−4−オン付加体の製造
2−メチル−5−メチレン−1,3−ジオキソラン−4−オンは、文献(Tetrahedron Letters,1991年,第32巻,1441頁)記載の方法に従い製造した。2−メチル−5−メチレン−1,3−ジオキソラン−4−オン50部をテトラヒドロフラン90部に溶解した溶液を撹拌機付きオートクレーブに仕込み、シクロペンタジエン35部を少量ずつ添加しながら30℃で3時間攪拌した。反応溶液の溶媒を減圧除去し、残渣にトルエン90部を加え、よく攪拌した。析出した固体成分を濾過により取り除き、濾液にn−ヘキサン70部を加え、−30℃で一晩放置した。析出物をn−ヘキサンで洗浄、乾燥して白色結晶を得た。H−NMR測定により、この結晶がシクロペンタジエン/2−メチル−5−メチレン−1,3−ジオキソラン−4−オン付加体(以下、単に「モノマーB」ともいう。)であることを確認した。
実施例1:シクロペンタジエン/ジケテン付加体の開環重合体水素化物の製造
窒素置換したガラス反応器内にテトラヒドロフラン(THF)300部、製造例1で得たモノマーA30部、及び連鎖移動剤として1−ヘキセンを0.7部加えた後、80℃に加熱した。これに、重合触媒であるベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリドの0.16%THF溶液4.5部を加え、60℃で4時間加熱撹拌して重合体溶液を得た。
得られた重合体溶液を撹拌機付きオートクレーブに入れ、オートクレーブ内を窒素置換した後、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウム(IV)ジクロリド2部、及びエチルビニルエーテル1.9部をトルエン13部に溶解した水素化触媒溶液を添加し、水素圧4.7MPa、160℃で6時間水素化反応を行った。オートクレーブを室温まで冷却した後、活性炭素粉末1部をTHF20部に分散させた懸濁液をオートクレーブ内に添加し、水素圧4.0MPa、150℃で3時間攪拌した。次いで、溶液を取り出し孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルタにてろ過し活性炭素粉末を除去し、水素化反応液を得た。水素化反応液を多量のメタノールに注いで固形分を完全に析出させた。固形分をろ取し、洗浄後、60℃で24時間減圧乾燥し、開環重合体水素化物を得た。H−NMR及び13C−NMR測定により、得られた開環重合体水素化物はジケテン由来のエステル基が保存され、前記式(1−1)で表される構造を有することを確認した。該開環重合体水素化物について各種物性を測定した結果を第2表に示す。
実施例2:シクロペンタジエン/2−メチル−5−メチレン−1,3−ジオキソラン−4−オン付加体の開環重合体水素化物の製造
モノマーA30部に代えて、製造例2で得たモノマーB 30部を用いた他は実施例1と同様にして、開環重合体水素化物を得た。
H−NMR及び13C−NMR測定により、得られた開環重合体水素化物は、2−メチル−5−メチレン−1,3−ジオキソラン−4−オン由来のエステル基及びエーテル基が保存され、前記式(1−6)で表される構造(r=メチル基)を有することを確認した。該開環重合体水素化物について各種特性を測定した結果を第2表に示す。
実施例3
MTFとシクロペンタジエン/ジケテン付加体との開環共重合体水素化物の製造
モノマーA30部に代えて、1,4−メタノ−1,4,4a,3a−テトラヒドロフルオレン(MTF)22.3部とモノマーA 7.7部との混合物を用いた他は実施例1と同様にして開環共重合体水素化物を得た。
H−NMR及び13C−NMR測定により、得られた開環共重合体水素化物は、MTFとモノマーAとの開環共重合体水素化物であること、並びにジケテン由来のエステル基が保存され、前記式(1−1)で表される構造を有することを確認した。該開環共重合体水素化物について各種特性を測定した結果を第2表に示す。
実施例4
DCPとシクロペンタジエン/2−メチル−5−メチレン−1,3−ジオキソラン−4−オン付加体との開環共重合体水素化物の製造
モノマーA 30部に代えて、ジシクロペンタジエン(DCP)12.8部とモノマーB 17.2部との混合物を用いた他は実施例1と同様にして開環共重合体水素化物を得た。
H−NMR及び13C−NMR測定により、得られた開環共重合体水素化物は、DCPとモノマーBとの開環共重合体水素化物であること、並びに2−メチル−5−メチレン−1,3−ジオキソラン−4−オン由来のエステル基およびエーテル基が保存され、前記式(1−6)で表される構造(r=メチル基)を有することを確認した。該開環共重合体水素化物について各種特性を測定した結果を第2表に示す。
比較例1
MTFとDCPとの開環共重合体水素化物の製造
モノマーA 30部に代えて、MTF20.3部とDCP9.7部との混合物を用いた他は実施例1と同様にして開環共重合体水素化物を得た。該開環共重合体水素化物について各種特性を測定した結果を第2表に示す。
比較例2
MTDとDCPとの開環共重合体水素化物の製造
モノマーA 30部に代えて、9−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン(MTD)16.9部とDCP13.1部との混合物を用いた他は実施例1と同様にして開環共重合体水素化物を得た。該開環共重合体水素化物について各種特性を測定した結果を第2表に示す。
Figure 2005290048
第2表より、実施例1、2の開環重合体水素化物は、位相差の波長依存性が正の相関を示し、位相差フィルム用途等に好適である。
実施例3、4の開環共重合体水素化物は、光弾性係数の絶対値が小さく、複屈折が小さいものである。
一方、比較例1、2の開環共重合体水素化物は、位相差の波長依存性が負の相関であり、光弾性係数が大きいものであった。
図1は、8量体であるポリマーに含まれる全ての3量体単位について、その結合方向をx軸とした分極率テンソルAを計算する場合において、ポリマーの左端から、3量体単位を順番に取り出すことを説明する図である。

Claims (6)

  1. 式(1)
    Figure 2005290048
    (式中、Zは、エステル結合およびエーテル結合から選ばれる少なくとも一つを有する二価の有機基を表し、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、またはハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子もしくは窒素原子を含む基を表し、nは0または1である。)
    で表されるスピロ環含有構造単位であって、その3量体単位の結合方向をx軸とした分極率テンソルAの和の平均であるテンソルBにおいて、Bのxx成分bxx、yy成分byy、zz成分bzzが、bxx−(byy+bzz)/2<0の関係を満たす構造単位[I]を有するノルボルネン系開環重合体水素化物からなることを特徴とする光学用樹脂材料。
  2. 前記ノルボルネン系開環重合体水素化物が、式(2)
    Figure 2005290048

    (式中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、またはハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子もしくは窒素原子を含む基を表し、RとRが結合して環を形成してもよい。mは0または1である。)
    で表される構造単位[II]をさらに含有するものであることを特徴とする請求項1記載の光学用樹脂材料。
  3. 前記ノルボルネン系開環重合体水素化物が、その3量体単位の結合方向をx軸とした分極率テンソルCの和の平均であるテンソルDの、xx成分dxx、yy成分dyyおよびzz成分dzzが、式:|dxx−(dyy+dzz)/2|≦7.5×10−25cmの関係を満たすものであることを特徴とする請求項1または2に記載の光学用樹脂材料。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光学用樹脂材料を成形してなる光学用成形体。
  5. 光学レンズである請求項4記載の光学用成形体。
  6. 光学フィルムである請求項4記載の光学用成形体。

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