JP2005290006A - シリコーン組成物をベースにした毛髪繊維の処理方法 - Google Patents

Abstract

【課題】毛髪の輝きを改善するための方法の提供。
【解決手段】アリールシリコーン類及びシリコーンガム類から選択される少なくとも一のシリコーンを組成物の全重量に対して少なくとも５重量％含有する組成物を毛髪繊維に適用する適用工程および１５０〜２５０℃の範囲の温度で、加熱用フラットアイロンを用いる毛髪繊維の温度上昇工程からなる毛髪繊維の処理。
【選択図】なし

Description

本発明は、毛髪繊維の輝きを改善するための毛髪繊維の処理方法並びに該方法の使用に関する。

多くの場合、毛髪の処理方法にはシリコーンベースの化合物が使用されている。シリコーンベースの化合物は、確かに毛髪の美容特性を高めることが知られている化粧品用活性剤である。それらは毛髪に対してコンディショニング効果を有し、輝きを付与する。
しかしながら、シリコーン類により付与される輝きの向上性は、時間が経つと急速に弱まる傾向にある。
その他の点では、多くの毛髪繊維の処理方法で、毛髪の乾燥工程が使用されている。しかしながら、毛髪の加熱により、繊維にダメージを与える恐れがある。

国際公開第９９／１７７１９号には、毛髪をパーマネントウエーブ処理しないで、コンディショニングするための毛髪繊維の処理方法が開示されている。この方法は、非揮発性のシリコーン性コンディショニング剤、樹脂及びキャリアベースを含有する、すすがれない組成物を適用し、乾燥させるか又は毛髪のスタイリングを行うための加熱装置を使用することを示すもので、この施術により、少なくとも１％の曲げ率低下が誘発される。非揮発性のシリコーン性コンディショニング剤は、組成物の全重量に対して０．１〜２重量％である。

しかして、本発明の目的は、従来技術の欠点を補う、毛髪繊維の処理方法を提供することにある。
さらに本発明の目的は、毛髪繊維に強い輝きを付与すると同時に、この効果を経時的に長時間保持できる、毛髪繊維の処理方法を提供することである。
またさらに、該方法により、確実に毛髪繊維の剛性が強化され、その滑らかさが高められなければならない。

本出願人は、アリールシリコーン類及びシリコーンガム類から選択される少なくとも一のシリコーンを、組成物の全重量に対して少なくとも５重量％含有する組成物を毛髪繊維に適用する適用工程、次に、加熱用フラットアイロンによる、１５０〜２５０℃の範囲の温度でなされる温度上昇工程を含む、毛髪繊維の処理方法を実施することにより、従来技術の欠点を是正し、上述した目的を達成可能であることを見出した。
よって本発明の目的は、以下の工程：
− アリールシリコーン類及びシリコーンガム類から選択される少なくとも一のシリコーンを組成物の全重量に対して少なくとも５重量％含有する組成物を毛髪繊維に適用する適用工程；
− １５０〜２５０℃の範囲の温度で、加熱用フラットアイロンを用いる毛髪繊維の温度上昇工程；
を含む、毛髪繊維の処理方法を提供することにある。
前記組成物は、好ましくは湿った毛髪繊維に適用される。
好適には、毛髪繊維には前乾燥がなされる。

組成物に含有されるシリコーン(類)は、アリールシリコーン類及びシリコーンガム類から選択される。
ここで使用される場合、本発明の目的において「アリールシリコーン」とは、少なくとも一の繰り返し単位が少なくとも一のアリール基を有しているシリコーンを意味する。
本発明の方法での使用に適したアリールシリコーン類の例は、ポリアルキルアリールシロキサン類及びポリジアリールシロキサン類である。

ポリアルキルアリールシロキサン類には、特に次の一般式：

[上式中：
ｎは０〜１００の整数であり；
ｍは１〜４００の整数である]
のポリフェニルトリメチルシロキサン(フェニルトリメチコーン類とも称される)が含まれる。

いくつかの代替例は、ｎがゼロであり、ｍが１〜３の整数である、式(Ｉ)の化合物を使用することからなる。
本発明での使用に適しており、ｎがゼロである式(Ｉ)のポリフェニルトリメチルシロキサン類には、例えばＤＣ５５６フルイド(FLUID)の商品名でダウ・コーニング社(DOW CORNING)から市販されている製品が含まれる。
本発明での使用に適しており、ｎがゼロとは異なる式(Ｉ)のポリフェニルトリメチルシロキサン類には、例えばアビル(ABIL)ＡＶ２００及びアビルＡＶ１０００の商品名で、ゴールドシュミット社(GOLDSCHMIDT)から市販されている製品が含まれる。

本発明での使用に適したシリコーンガムは、次のもの：
− 次の一般式：

[上式中、ｐは２０００を超える整数である]
であり、特にビスカシル(VISCASIL)６０Ｍの商品名でジェネラル・エレクトリック社(GENERAL ELECTRIC)から市販されている製品を含む、高分子量のポリジメチルシロキサン類(ジメチコーンとも称される)、及び
− 次の一般式：

[上式中、ｑは２０００を超える整数である]
であり、特にＤＣ ＳＧＭ-３、Ｑ２-１４０３、ＤＣ Ｆ２-１６７１及びＤＣ２-９０７１の商品名でダウ・コーニング社から市販されている製品を含む、ポリジメチルシロキサン-αω-シラノール類(ジメチコノールとも称される)；
からなる群から選択され得る。

本発明の方法に使用される組成物は、水、Ｃ_１-Ｃ_６アルコール類、好ましくはアルカノール類、例えばエタノール、プロパノール、及びイソプロパノール、アルカンジオール類、例えばプロピレングリコール、グリセロール、及びペンタンジオール、ベンジルアルコール、ポリオールエーテル、Ｃ_２-Ｃ_６エステル、Ｎ-メチルピロリドン(ＮＭＰ)、Ｃ_３-Ｃ_６セトン類及びシリコーン油からなる群から好ましく選択される、一又は複数の化粧品的に許容可能な溶媒(類)を典型的には含有している。

溶媒としての使用に適したシリコーン油は、例えば次の一般式：

[上式中、ｙは３〜８の範囲の整数である]
のシクロメチコーン類から選択され得る。
特に好ましいシクロメチコーン類には、シクロテトラジメチルシロキサン(ｙ＝４)、シクロペンタジメチルシロキサン(ｎ＝５)、及びシクロヘキサジメチルシロキサン(ｎ＝６)が含まれる。
ＤＣフルイド２４４、ＤＣフルイド２４５、ＤＣフルイド３４４及びＤＣフルイド３４５の商品名でダウ・コーニング社から市販されている製品が特に使用され得る。

本発明の方法で適用される組成物は、好ましくは無水である。
また、使用される溶媒は、好ましくはエタノール又はシリコーン油である。

毛髪繊維の美容特性を改善するため、又はダメージを受けることを防止し、又はダメージを低減させるために、本発明で使用される組成物は、一又は複数の付加的な化粧品用活性剤(類)をさらに含有していてよい。
これ又はこれらの活性剤(類)は、典型的には有機変性されたシリコーン類、例えばアミン基含有シリコーン類、カチオン性、アニオン性、両性又は非イオン性のポリマー、ペプチド類及びその誘導体、タンパク質加水分解物、ロウ、膨張剤、及び浸透剤、例えばジメチルイソソルビトール、尿素及びその誘導体、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又は双性イオン性の界面活性剤、抜毛に抗する活性剤、抗フケ剤、天然又は合成で会合性又は非会合性の増粘剤、懸濁剤、金属イオン封鎖剤、不透明化剤、染料、サンスクリーン剤、ビタミン類、及びプロビタミン類、脂肪酸、脂肪アルコール、鉱物性、植物性又は合成油、並びに香料及び防腐剤、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
前記付加的な活性剤(類)は、組成物の全重量に対して、典型的には０．０１〜３０重量％、好ましくは０．１〜１０重量％である。

組成物のｐＨは、一般的に２〜１３、好ましくは４〜１０である。
組成物のｐＨは、アルカリ性剤、例えばアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、１,３-プロパンジアミン、アルカリ又はアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩、有機炭酸塩、例えば炭酸グアニジン、アルカリ性の水酸化物、又は酸性化剤、例えば塩酸、酢酸、乳酸、シュウ酸、又はホウ酸により調節することができる。

本発明の方法に使用される組成物は、増粘した又はしていないローション、クリーム、ゲル又はフォームであってよい。
組成物は、好ましくはエアゾールの形態をしていない。

組成物は、乾燥した毛髪繊維１グラム当たり、一般的には０．０５〜０．３ｇ、好ましくは０．１〜０．２ｇの範囲の量で、毛髪繊維に適用される。
組成物を適用した後、加熱用フラットアイロンによる毛髪繊維の温度上昇工程の前に、該組成物を一般的には３０秒〜６０分、好ましくは５〜４５分の期間放置してよい。
上述にて説明したように、本発明の方法は、組成物の適用工程後に、１５０℃〜２５０℃の範囲の温度での加熱用フラットアイロンによる毛髪繊維の温度上昇工程を含む。
ここで使用される場合、本発明の目的において「アイロン」とは、加熱装置を毛髪繊維に接触させることで機能する、毛髪繊維の加熱装置を称する。

毛髪と接触するアイロンの端部は２つの平面を有している。これら２つの平面は金属製でありうる。それらは滑らかであるか、又は切り込み部(ノッチ)があってもよい。
あらゆる種類のフラットアイロンが、本発明の方法での使用に適したアイロンであり得、特に、限定するものではないが、米国特許第５９５７１４０号及び同５０４６５１６号に記載されているものである。
アイロンは、約数秒間、断続的に接触させ、あるいは徐々に動かすか、又は毛髪部分に沿ってスライドさせることにより、進ませて適用できる。
好ましくは、本発明の方法におけるアイロンの適用は、毛髪の根本から先端に向かって、一回から数回、連続して滑るように動かすことによりなされる。

本発明の方法は、美容師の手又は使用者の頭皮をやけどさせるおそれのある蒸気の発生を実質的に防止するために、温度上昇工程の前に、毛髪繊維を部分的に前乾燥させることからなる付加的な工程を含んでよい。この前乾燥工程は、例えばヘアドライヤー、フードを使用してなされてもよく、又は毛髪を放置して自然乾燥させることもできる。
上に説明したように、本発明の方法により、輝きの強さを改善すると同時に、この効果を経時的に長時間保持することができる。
よって、また、輝きの強さを改善すると同時に、この効果を経時的に長時間保持するために上記方法を使用することが本発明の目的である。
本発明は、次の実施例により例証される。

実施例
本発明の毛髪繊維の処理方法は、シリコーン化合物を含有する組成物を使用して実施される。
試験された還元組成物は以下のものである：
組成物１

ＡＭ：活性物質
組成物２

毛髪の処理は以下のようにして実施される：
− 乾燥した毛髪１グラム当たり約０．１５ｇの量の組成物を、湿った毛髪に適用し；
− 毛髪がほとんど乾燥(８０％まで前乾燥)するまで、ヘアドライヤーを用いて毛髪を前乾燥させ；
− 毛髪の根本から末端に向かって、一回から数回、連続して滑るように動かすことにより、フラットアイロン(ベレクタ社(VELECTA)からテクニリス(Techniliss)・アイロン・セラミック＃ＰＮＣ２２８の商品名で市販されているアイロン)をかける；ここでアイロンの温度は約２１０℃である。
結果として、毛髪は、強くて長時間保持される輝きを示す。

Claims (15)

1. 毛髪繊維の処理方法において、
   − アリールシリコーン類及びシリコーンガム類から選択される少なくとも一のシリコーンを組成物の全重量に対して少なくとも５重量％含有する組成物を毛髪繊維に適用する適用工程と、
   − １５０〜２５０℃の範囲の温度で、加熱用フラットアイロンを用いる毛髪繊維の温度上昇工程と、
   を含むことを特徴とする方法。
2. 組成物が湿った毛髪繊維に適用されることを特徴とする、請求項１に記載の方法。
3. アリールシリコーン類が、ポリアルキルアリールシロキサン類及びポリジアリールシロキサン類から選択されることを特徴とする、請求項１又は２に記載の方法。
4. ポリアルキルアリールシロキサン類が、次の一般式：
   

   

   [上式中：
   ｎは０〜１００の整数であり；
   ｍは１〜４００の整数である]
   のポリフェニルトリメチルシロキサンから選択されることを特徴とする、請求項３に記載の方法。
5. 式(Ｉ)において、ｎがゼロであり、ｍが１〜３の整数であることを特徴とする、請求項４に記載の方法。
6. シリコーンガム類が、次のもの：
   − 次の一般式：
   

   

   [上式中、ｐは２０００を超える整数である]
   のポリジメチルシロキサン類；及び
   − 次の一般式：
   

   

   [上式中、ｑは２０００を超える整数である]
   のポリジメチルシロキサン-αω-シラノール類；
   から選択されることを特徴とする、請求項１ないし５のいずれか１項に記載の方法。
7. 組成物が、水、Ｃ_１-Ｃ_６アルコール類、好ましくはアルカノール類、特にエタノール、プロパノール、及びイソプロパノール、アルカンジオール類、特にプロピレングリコール、グリセロール、及びペンタンジオール、ベンジルアルコール、ポリオールエーテル、Ｃ_２-Ｃ_６エステル、Ｎ-メチルピロリドン(ＮＭＰ)、Ｃ_３-Ｃ_６セトン類及びシリコーン油からなる群から選択される、一又は複数の化粧品的に許容可能な溶媒を含有していることを特徴とする、請求項１ないし６のいずれか１項に記載の方法。
8. 組成物が無水であることを特徴とする、請求項１ないし７のいずれか１項に記載の方法。
9. 組成物が、有機変性シリコーン類、カチオン性、アニオン性、両性又は非イオン性のポリマー、ペプチド類及びその誘導体、タンパク質加水分解物、ロウ、膨張剤、及び浸透剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又は双性イオン性の界面活性剤、抜毛に抗する活性剤、抗フケ剤、天然又は合成で会合性又は非会合性の増粘剤、懸濁剤、金属イオン封鎖剤、不透明化剤、染料、サンスクリーン剤、ビタミン類、及びプロビタミン類、脂肪酸、脂肪アルコール、鉱物性、植物性又は合成油、並びに香料及び防腐剤、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、一又は複数の付加的な化粧品用活性剤をさらに含有していることを特徴とする、請求項１ないし８のいずれか１項に記載の方法。
10. 前記一又は複数の付加的な化粧品用活性剤が、組成物の全重量に対して、０．０１〜３０重量％、好ましくは０．１〜１０重量％であることを特徴とする、請求項９に記載の方法。
11. 組成物のｐＨが２〜１３、好ましくは４〜１０であることを特徴とする、請求項１ないし１０のいずれか１項に記載の方法。
12. 組成物が、増粘又は非増粘ローション、クリーム、ゲル又はフォームであって、エアゾールではないことを特徴とする、請求項１ないし１１のいずれか１項に記載の方法。
13. 組成物を適用した後、加熱用フラットアイロンによる毛髪繊維の温度上昇工程の前に、該組成物を、一般的には３０秒〜６０分の間放置しておくことを特徴とする、請求項１ないし１２のいずれか１項に記載の方法。
14. 組成物の毛髪繊維における適用工程と、毛髪繊維の温度上昇工程との間に、毛髪繊維の部分的な前乾燥工程を含むことを特徴とする、請求項１ないし１３のいずれか１項に記載の方法。
15. 毛髪繊維の輝きの強さを改善すると同時に、この効果を経時的に長時間保持するための、請求項１ないし１４のいずれか１項に記載の方法の使用。