JP2005289790A - 結晶化ガラスおよびそれを用いた光通信用デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、曲げ強度が高いとともに、熱膨張ヒステリシスが小さい結晶化ガラス、およびそれを用いた光通信用デバイスを提供することである。
【解決手段】本発明の結晶化ガラスは、主結晶が、β−石英固溶体またはβ−ユークリプタイト固溶体である結晶化ガラスであって、平均結晶粒径が0.2〜10.0μmであり、−40〜100℃における熱膨張ヒステリシスが5ppm以下であることを特徴とする。また、本発明の光通信用デバイスは、主結晶が、β−石英固溶体またはβ−ユークリプタイト固溶体である結晶化ガラスであって、平均結晶粒径が0.2〜10.0μmであり、−40〜100℃における熱膨張ヒステリシスが5ppm以下である結晶化ガラスを温度補償用部材として使用してなることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、β−石英固溶体またはβ−ユークリプタイト固溶体を主結晶として析出した結晶化ガラス、およびそれを用いた光通信用デバイスに関するものである。
近年、光通信技術の発達に伴い、光ファイバを用いたネットワークが急速に整備されつつある。このようなネットワークでは、複数の波長の光を一括して伝送する波長多重技術が用いられ、波長フィルタ、カプラ、導波路等が重要な光通信用デバイスとして使用されている。
このような光通信用デバイスには、温度によって特性が変化し、屋外での使用に支障をきたすものがあるため、このような光通信用デバイスの特性を温度変化によらずに一定に保つ技術、いわゆる温度補償技術が必要とされている。
温度補償技術を必要とする光通信用デバイスの代表的なものとして、ファイバブラッググレーティング(以下、FBGという)がある。FBGは、光ファイバのコア内に格子状に屈折率変化を持たせた部分、いわゆるグレーティング部分を形成した光通信用デバイスであり、特定の波長の光を反射する特性を有している。このため、波長の異なる光信号を1本の光ファイバで多重伝送される波長分割多重伝送方式の光通信システムにおいて、特定の波長だけを分離できる光通信用デバイスとして重要である。
FBGは、温度が変化するとグレーティング部の格子間隔や屈折率が変化するため、反射波長が変動するという問題を有している。このような反射波長の変動を小さくするために、負の熱膨張係数を有する材料からなる基材にFBGを固定し、温度変化に応じた張力をFBGに印加することによって、格子間隔や屈折率の変化を小さくする方法が知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
また、温度補償技術を必要とする光通信用デバイスとして上記したFBGの他に光導波路デバイスがあり、代表的なものにアレイドウエーブガイド(以下、AWGという)や平面光回路(以下、PLCという)がある。AWGやPLCは、平面基板上に導波層を有し、その導波層中にコアとクラッドが形成され、光の分岐、合波、分波等の処理を行なうことができるデバイスである。
しかし、このような光導波路デバイスは温度が変化すると導波路の光路長が変化するため、光が通過に要する時間が変動するという問題を有している。このような光の通過時間の変動を小さくするために、基板に負の熱膨張係数を有する材料を用いると、導波路の光路長の変化を小さくできることが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
また、上記した負の熱膨張係数を有する材料としてβ−石英固溶体またはβ−ユークリプタイト固溶体を主結晶として析出した結晶化ガラスが知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
特表2000−503967号公報 特開2003−20254号公報
特許文献1に開示されている結晶化ガラスは、熱膨張に異方性を有する結晶が析出しており、結晶粒界に多数の空隙や亀裂が存在する。そのため、結晶の正の熱膨張成分は空隙や亀裂によって緩和されて、負の熱膨張成分の寄与が大きくなり、この結晶化ガラスは全体として負の熱膨張係数を有する。しかし、この結晶化ガラスは、結晶粒界に空隙や亀裂が多数存在するため、曲げ強度が低いとともに、熱膨張ヒステリシスが大きいという問題を有していた。
また、特許文献2に開示されている結晶化ガラスは、結晶粒界に空隙や亀裂はないが、ガラスマトリックス中に負の熱膨張係数を有するβ−石英固溶体またはβ−ユークリプタイト固溶体の結晶を多量に析出させることで、結晶の熱膨張挙動を反映されて負の熱膨張係数を有するようになる。しかし、この結晶化ガラスは、結晶粒界に空隙や亀裂が存在しないものの結晶粒径が小さいため高い曲げ強度が得られないという問題を有していた。
本発明の目的は、曲げ強度が高いとともに、熱膨張ヒステリシスが小さい結晶化ガラス、およびそれを用いた光通信用デバイスを提供することである。
本発明者等は、種々の検討を重ねた結果、核形成剤を適量含有させることによって、結晶化ガラスの強度が高くなるとともに、結晶粒界に空隙や亀裂が実質的に発生しないことを見いだし、本発明を提案するに至った。
すなわち、本発明の結晶化ガラスは、主結晶が、β−石英固溶体またはβ−ユークリプタイト固溶体である結晶化ガラスであって、平均結晶粒径が0.2〜10.0μmであり、−40〜100℃における熱膨張ヒステリシスが5ppm以下であることを特徴とする。
また、本発明の光通信用デバイスは、主結晶が、β−石英固溶体またはβ−ユークリプタイト固溶体である結晶化ガラスであって、平均結晶粒径が0.2〜10.0μmであり、−40〜100℃における熱膨張ヒステリシスが5ppm以下である結晶化ガラスを温度補償用部材として使用してなることを特徴とする。
本発明の結晶化ガラスは、主結晶が、β−石英固溶体またはβ−ユークリプタイト固溶体である結晶化ガラスであって、平均結晶粒径が0.2〜10.0μmであり、−40〜100℃における熱膨張ヒステリシスが5ppm以下であるため、曲げ強度が高いとともに、熱膨張ヒステリシスが小さい。
すなわち、平均結晶粒径が0.2μmよりも小さいと、結晶化ガラスに負荷が加わってクラックが発生した際、クラックの伝播を結晶粒によって阻止することができないため、曲げ強度が向上しない。また、10.0μmよりも大きいと、結晶化ガラスに加熱や冷却が繰り返される場合、結晶粒界に空隙や亀裂が生じやすく、熱膨張ヒステリシスを5ppm以内に抑制することが難しいとともに、曲げ強度が低くなる。
また、−40〜100℃における熱膨張ヒステリシスが5ppmよりも大きいと、結晶化ガラスの寸法安定性が低いため、光通信用デバイスに使用すると、光通信用デバイスが正常に機能しない場合がある。
熱膨張ヒステリシスは、図1に示すように−40℃から100℃への昇温過程と、100℃から−40℃への降温過程における寸法の差(L2−L1)を寸法Lで除したものであり、−40〜100℃の間を1℃/分で昇温および降温させて測定する。
なお、主結晶とは、析出量が比較的大きい結晶種を指す。すなわち、X線回折において、最も析出割合の多い結晶種のメインピークの強度を100とした時、析出した結晶種のうちでメインピークの強度比が5以上のもの全てを主結晶とする。
本発明の結晶化ガラスは、−40℃〜100℃における平均熱膨張係数が−16〜−45×10-7/℃であると、光通信用デバイスの温度補償部材に使用した場合、温度補償を行ないやすいため好ましい。このことから、本発明の結晶化ガラスは、光通信用デバイスに用いる温度補償部材として使用できる。
本発明の結晶化ガラスは、質量%で、結晶化度が70%以上であると、主結晶であるβ−石英固溶体またはβ−ユークリプタイト固溶体の熱膨張係数が大きく反映されて負に大きくなり、−40℃〜100℃における平均熱膨張係数が−16〜−45×10-7/℃となりやすいため好ましい。好ましい結晶化度の範囲は、80%以上である。
本発明の結晶化ガラスは、質量%で、SiO2 49〜70%、Al23 21〜34%、Li2O 3.8〜10.0%、ZnO 0〜9%、ZrO2 0.5〜2.5%、TiO2 0〜1.0%、P25 0〜2.0%を含有し、Li2OとZnOの合量が5〜18%であり、TiO2とZrO2とP25の合量が0.5〜3.0%であると、主結晶が、β−石英固溶体またはβ−ユークリプタイト固溶体であって、平均結晶粒径が0.2〜10.0μm、−40〜100℃における熱膨張ヒステリシスが5ppm以下になりやすい。
以下、本発明の結晶化ガラスの組成を限定した理由を説明する。
SiO2は、ガラスの網目を構成する主成分であるとともに、析出する結晶を構成する成分でもある。SiO2が49%より少ないと、ガラス化しにくくなるとともに、所望の結晶粒径のβ−石英固溶体またはβ−ユークリプタイト固溶体を主結晶として析出させることが困難となる。また、結晶粒界における空隙や亀裂の発生を抑制することが困難になる。一方、70%より多いと、ガラスの溶融温度が高くなる。SiO2の好ましい範囲は、50〜69%、より好ましい範囲は、52〜68%である。
Al23も、ガラスの網目を構成する成分であるとともに、結晶を構成する成分でもある。Al23が21%より少ないと、所望の結晶を析出させることが困難となる。一方、34%より多いと、ガラスが失透しやすくなる。Al23の好ましい範囲は、22.5〜33%、より好ましい範囲は、23〜32%である。
Li2Oは、β−石英固溶体結晶またはβ−ユークリプタイト固溶体結晶の構成成分である。Li2Oが3.8%より少ないと、結晶化度を70%以上にすることが困難となる。一方、10.0%より多くなると、ガラスが失透しやすくなるとともに、全てのLi原子を結晶に取り込ませることが難しい。また、取り込まれなかったLi原子は、ガラスマトリックスを構成する成分となり、熱膨張係数を正に大きくする作用を有するため、大きな負の熱膨張係数を得ることが困難となる。Li2Oの好ましい範囲は、4.2〜9.8%、より好ましい範囲は、4.4〜9.6%である。
ZnOは、Li2O同様にβ−石英固溶体結晶またはβ−ユークリプタイト固溶体結晶を構成する成分であり、結晶化度を高める働きを有する。ZnOが9%より多くなると、ガラスが失透しやすくなるとともに、全てのZnを結晶に取り込ませることが難しく、結晶に取り込まれなかったZnは、ガラスマトリックスを構成する成分となり、熱膨張係数を正に大きくする作用を有するため、大きな負の熱膨張係数を得ることが困難となりやすい。ZnOの好ましい範囲は、0〜8%、より好ましい範囲は、0〜7%である。
ZrO2は、ガラス中に結晶核を形成する作用を有する成分である。ZrO2が0.5%より少ないと、核形成作用が不十分となり、所望の粒径を有する結晶を均一に析出させることができなくなる。一方、2.5%より多くなると、失透が発生しやすくなるためガラスの成形が困難となり好ましくない。また、結晶核とならなかったZr原子は、ガラスマトリックスを構成する成分となり、熱膨張係数を正に大きくする作用を有するため、大きな負の熱膨張係数を得ることが困難となる。また、結晶粒径が小さくなるため結晶化ガラスの曲げ強度が低くなりやすい。ZrO2の好ましい範囲は、0.7〜2.5%、より好ましい範囲は、1〜2.5%である。
TiO2は、結晶核を形成する作用を有する成分である。TiO2が1%より多いと、β−スポジュメン固溶体が析出しやすくなり、負に大きな熱膨張係数を得ることが困難となる。また、結晶粒径が小さくなるため結晶化ガラスの曲げ強度が低くなりやすい。
25は、結晶核の成長を促進する成分である。2.0%より多いと、結晶に取り込まれなかったP原子は、ガラスマトリックスを構成する成分となり、熱膨張係数を正に大きくする作用を有するため、大きな負の熱膨張係数を得ることが困難となる。また、結晶粒径が小さくなるため結晶化ガラスの曲げ強度が低くなりやすい。P25の好ましい範囲は、0〜1.8%、より好ましい範囲は、0〜1.5%である。
核形成剤であるTiO2とZrO2とP25の合量が、0.5%よりも少ないとガラスマトリックス中に均一に結晶が析出しない。3.0%よりも多いとガラスが失透するため成形が困難となり、また、全ての核形成剤が結晶核にはならず、結晶核とならなかった核形成剤は、ガラスマトリックスを構成する成分となり、熱膨張係数を正に大きくする作用を有するため、大きな負の熱膨張係数を得ることが困難となる。好ましい範囲は0.5〜2.5%である。
また、Li2OとZnOの合量が5.0%よりも少ないと、結晶化度が低くなるため熱膨張係数を負になりにくく、18%よりも多いと、結晶に取り込まれなかった成分は、ガラスマトリックスを構成する成分となり、熱膨張係数を正に大きくする作用を有するため、負の熱膨張係数を得ることが困難となりやすい。
なお、本発明では、必要に応じて他の成分、例えば清澄剤としてAs23、Sb23、SnO2をそれぞれ0〜2%添加しても良い。また、液相温度を低くする等の目的でそれぞれNa2O、K2O、MgO、CaO、SrO、BaOを物性に影響を与えない範囲で添加しても良い。さらに、屈折率の調整としてWO3、La23、CeO2、GeO2、Ta25、Nb25、Gd23等の希土類を合量で0〜5%添加しても良い。
本発明の結晶化ガラスは、結晶性ガラスを850〜950℃で熱処理することが望ましい。すなわち結晶化温度が850℃未満では、主結晶であるβ−石英固溶体またはβ−ユークリプタイト固溶体の結晶化度を70質量%以上にしにくく、950℃より高いと、β−スポジュメン固溶体が析出し、熱膨張係数が正の方向にシフトしやすいからである。
本発明の結晶化ガラスは、結晶粒径が大きいため、結晶に散乱されて可視光線や赤外線の透過率が低くなりやすいが、高い曲げ強度を有し、薄くすることが可能であるため、可視光線や赤外線を十分に透過することができる。
熱伝導率は、大きいほど、温度変化に対する補償用部材の反応が鋭敏になるため好ましく、具体的には1.5W/K以上であると好ましい。
本発明の結晶化ガラスは、光通信用デバイス以外にも、赤外線(例えば、波長1500nm)の透過率が高いため赤外線透過フィルタや温度変化によって変形する部材の支持材として使用できる。また、サブミクロンの厚みに加工ができるとともに、光学研磨することができるため、精密機器の部品、例えば光学研磨面に反射膜を形成した反射板や、凹凸膜を形成した吸収板として使用可能である。また、粉末にして、PDPのバリアリブ、グリーンシートまたは多層基板のフィラーに、もしくは、封着材料等に用いられる接着剤のフィラーやエレクトロミックミラー等にも使用できる。
以下、本発明の結晶化ガラスを実施例に基づいて詳細に説明する。
表1〜2は、実施例1〜7と、比較例1〜5を示す。
Figure 2005289790
Figure 2005289790
実施例1〜7および比較例1〜5は、次のようにして調製した。
まず表中の各組成が得られるように原料を調合した後、白金坩堝に入れ、1580℃で20時間溶融した。次いで、カーボン板上に5mmの厚さのスペーサーを2本設置、このスペーサーの間に溶融ガラスを流し出し、ローラーで表面をならすことによって、厚さ5mmのガラス板を成形し、室温まで冷却した。
次にガラス板に対し、780℃、2時間の核形成処理を施した後、表中の結晶化温度で1時間の結晶化処理し、室温まで冷却して、結晶化ガラスを作製した。なお、主結晶はすべてβ−ユークリプタイト固溶体であった。
液相温度は、短冊状に切断加工した上記ガラス板を白金ボートに乗せて温度傾斜炉に入れ、18時間保持した後、白金ボートを取り出し失透が発生した最高の温度を測定して、その温度を液相温度とした。
β−スポジュメン固溶体の有無および結晶化度は、X線回折法(リガク製 X線回折装置)を用いて測定した。
平均結晶粒径及び結晶粒界の空隙や亀裂の有無は、走査型電子顕微鏡(日本電子製 JSM−5400)で測定した。なお、平均結晶粒径は、無作為に選んだ100個の結晶の粒径を測定した平均値である。
−40〜+100℃における熱膨張ヒステリシスおよび熱膨張係数は、ディラトメーター(マックサイエンス製 TD−5000S)を使用して測定した。なお、熱膨張ヒステリシスの測定では、−40〜100℃の間を1℃/分で昇温および降温させた。
曲げ強度は、3×4×36mmの試験片を作製し、曲げ試験機(島津製作所製 EZTest−500N)を用いてJIS R 1601に準じ、支点間距離30mm、クロスヘッド速度0.5mm/minで3点曲げ試験を行なった。
熱伝導率は、直径9.5mm、厚さ2mmに加工した各試料をレーザーフラッシュ法(真空理工製 TC−7000)を用いて測定した。
誘電損失は、25℃において1MHzでの誘電率(ε)と損失tanδを測定し、その積である誘電損失(ε・tanδ)を算出した。尚、装置は、インピーダンスアナライザ(横河ヒューレットパッカード製 4192A)を用いて測定した。
透過率は、試料の厚さを3mmとして両面を光学研磨し、波長が500nm、780nm、1500nmの光における透過率を分光光度計(島津製作所製 UV3100PC)を使用して測定した。
表1、2から明らかなように、実施例1〜7は、平均結晶粒径は0.2〜1.5μm、熱膨張ヒステリシスが1ppm以下であり、曲げ強度は160MPa以上、熱伝導率は、1.7W/mであった。また、β−スポジュメン固溶体および粒界空隙や亀裂は認められなかった。また、結晶化度は87%以上であり、熱膨張係数は、−22〜−30×10-7/℃であった。
一方、表2から明らかなように、結晶粒界に空隙や亀裂のない比較例1〜3は、いずれも平均結晶粒径が0.15μm以下、熱膨張ヒステリシスは3ppm以下あり、曲げ強度は155MPa以下であった。また、結晶粒界に空隙や亀裂のある比較例4の熱膨張ヒステリシスは60ppmであり、曲げ強度は27MPaであり、熱伝導率は、0.9W/mであった。熱伝導率は、温度補償において熱伝導率が低いと温度変化に対して試料全体温度が追随できず、反射波長の変化量が大きくなる傾向があるため熱伝導率は、高い方が好ましい。この点においても実施例1、2は、良好な結果を示した。
以上のように、本発明の結晶化ガラスは、負に大きな熱膨張係数を有するとともに曲げ強度が高く、失透しにくく成形が容易であるため、FBGや光導波路デバイスのような光通信用デバイスの温度補償用部材に好適である。
−40〜100℃の範囲における熱膨張ヒステリシスを示すグラフである。

Claims (6)

  1. 主結晶が、β−石英固溶体またはβ−ユークリプタイト固溶体である結晶化ガラスであって、平均結晶粒径が0.2〜10.0μmであり、−40〜100℃における熱膨張ヒステリシスが5ppm以下であることを特徴とする結晶化ガラス。
  2. −40〜100℃における熱膨張係数が−16〜−45×10-7/℃であることを特徴とする請求項1に記載の結晶化ガラス。
  3. 結晶化度が、質量%で70%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の結晶化ガラス。
  4. 質量%で、SiO2 49〜70%、Al23 21〜34%、Li2O 3.8〜10.0%、ZnO 0〜9%、ZrO2 0.5〜2.5%、TiO2 0〜1.0%、P25 0〜2.0%を含有し、Li2OとZnOの合量が5〜18%であり、TiO2とZrO2とP25の合量が0.5〜3.0%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の結晶化ガラス。
  5. 結晶粒界に空隙や亀裂が実質的に存在しないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の結晶化ガラス。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の結晶化ガラスを温度補償用部材として使用してなることを特徴とする光通信用デバイス。
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