JP2004067404A - アモルファスガラス組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】光導波路用基板材に適した各種特性(屈折率,機械的強度等)を有し、且つ光導波路の作成において、特に良好なイオン交換性を有した光導波路用のガラス組成物を提供することにある。
【解決手段】酸化物基準の質量%でSiO=50〜60%,B=19〜27%,Al=7〜15%,NaO=6〜13%,Sbおよび/またはAs=0.1〜1.0%,および上記金属酸化物の一部または全部を置換した弗化物のF(弗素)としての合計量として0.5〜6%を含有し、[SiO+B]/Al=5.5〜9.0(質量%比),NaO/F=2.0〜4.0(質量%比)であることを特徴とするガラス組成物。
【選択図】     なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なガラス組成物に関するものであり、特に光通信産業分野において、同一波長光を複数本に分割する光分岐回路、光を波長によって分ける光分波回路、その他光スイッチや光変調機器等に利用されるような、光導波路を作成するための基板に適した、ガラス組成物に関するものである。尚、本明細書に於いて、ガラス組成物とは何らの析出結晶を含まない、アモルファス状態のガラスを指しているものである。
【0002】
【従来の技術】
各種の光通信用伝送素子,光集積回路等では、ガラス状物質からなる基板上に光導波路を形成する技術が用いられており、従来この種の光導波路の形成にはイオン交換法が採用されている。
現在、各種の光通信用伝送素子、光集積回路、あるいは光センサ用素子などの実現のためには、ガラス系光導波路を形成する技術が必要となる。この種の光導波路の形成法の一つにイオン交換法がある。イオン交換法による光導波回路の形成に関しては、Journal of Non crystalline Solids 47:191−200(1982)に一般的な総説が記載されているように、LiO含有ガラス,NaO含有ガラス,KO含有ガラス等をイオン交換した基板から製造することができる。
平面構造の光導波回路においても同様に、屈折率を増加させるイオンであるAgイオン,Tlイオン等によりNaイオン,Kイオンを交換し、ガラスに屈折率変化をもたせることによって、製造することができる。その基材ガラス材料としては、アルカリ含有アルミノケイ酸ガラス,アルカリ含有アルミノホウケイ酸ガラスやソーダライムガラスに代表されるような一般的に広く用いられているガラスが流用されている。
【0003】
特に最近では、基板表面の散乱による伝播損失を低減するし、更に光ファイバとの低損失結合を目的として、最近では基板内部に光導波路を埋め込むという方法が広く検討されている。これは光導波路を基板表面に形成するという従来の方法では、基板表面の表面あれや基板表面上の材料などにより、導波光の散乱や吸収が発生し、導波光のエネルギーのしみ出しが基板表面上までも起こっているため、この影響を回避すべく、光導波路を基板内部に埋め込むというものである。この方法は、ガラス基板表面に平面(2次元)的な所望の導波路パターンに対応する高屈折率領域を作成し、基板中に埋め込むというものであり、この技術は、特に線幅の異なる埋め込み型光導波路を有する光集積回路の製造に好適な方法である。
【0004】
特にイオン交換法で光導波路を形成する場合、基板表面の散乱による基板損失を低減することを目的として、基板内部に所望の光導波路を埋め込む2段階イオン交換法(例えば特開2001−221926号公報等)を用いるのが有用である。2段階イオン交換法は、熱イオン交換により所望の屈折率増加領域を形成する第1のイオン交換工程と、電界印加電圧により該屈折率増加領域を基板深さ方向に埋め込む第2のイオン交換工程を組み合わせる方法である。第1のイオン交換工程では、アルカリを含むガラス基板上に、Ti膜等で形成した所望の光導波路パターンを有するイオン交換制御膜を形成し、屈折率を増加させる1価イオン(AgあるいはTl等)を含む硝酸塩や硫酸塩の溶融塩に適当な時間浸漬してイオン交換を行なうことにより、基板表面に所望の光導波路領域となるための屈折率増加領域を形成する。そして、この第1のイオン交換工程後、前記イオン交換制御膜をエッチング等により除去する。次いで第2のイオン交換工程では、ガラス基板をNaまたはKイオンのいずれか一方を含む溶融塩中に浸漬し、電界を印加しながらイオン交換することによって、AgあるいはTlイオンによる屈折率増加領域をガラス基板の深さ方向に埋め込む。尚、第1のイオン交換工程でAgイオンと交換を行なわせる場合には第2のイオン交換における溶融塩としてNaイオンのみを含む硝酸塩や硫酸塩を用い、第1のイオン交換工程でTlイオン交換を行なわせる場合には第2のイオン交換における溶融塩としてKイオンのみを含む硝酸塩や硫酸塩を用いる場合が多い。
【0005】
尚、2段階イオン交換法で形成される光導波路において、ガラス基板中に第2のイオン交換が行われた領域のガラス組成は、第2のイオン交換工程で使用する溶融塩の種類,その組成,処理温度や時間の影響を大きく受ける。もし、第2のイオン交換によりイオン交換された光導波路近傍のガラス組成と元々のガラス基板のガラス組成とが異なってしまと、ガラス基板の表面と内部との間に応力を生じ、ガラス基板が反るように変形する等の問題が生じる。ガラス基板が反ると、光分岐回路のように多数の光導波路を並べて埋設する場合、多芯の光ファイバーケーブルや他の光導波路素子と結合において位置ずれが生じ、結合損失が大きくなる。また、上記のように第2のイオン交換によりイオン交換された領域のガラス組成と元々のガラス基板のガラス組成とが異なると、光導波路領域の周囲にあるガラスの屈折率が一定でなくなってしまうため、光伝播損失も大きくなる。
【0006】
光導波路を作成する上で、前記のようなアルミノホウケイ酸ガラスやソーダライムガラスに代表されるような一般目的用に製造されたガラスを用いるのは決して得策とは言い難い。それはこれらのガラスにおいて、アルカリ成分を単独で用いる(すなわちKのみを含むガラスやNaのみを含むというガラス)ということは、ほとんど行われていない。これは、耐候性や強度をより高めるという目的を達成するためである。しかし第2のイオン交換(電界印加イオン交換)における溶融塩は、単に元々のガラス組成のアルカリの比率に合わせればよいというものではなく、その他の諸条件によりそのアルカリの比率を調整しなければならず、これには十分な経験の蓄積が必要となる。このため電界印加イオン交換領域(第2のイオン交換領域)と元々のガラス内部ではそのアルカリ成分の組成を同一にすることが難しく、前述のような問題が生じてしまう。例えば、特開2001−33645号公報「光導波路素子及びその製造方法」では、電界印加イオン交換(第2のイオン交換)時の溶融塩の組成において、K成分およびNa成分の比率を元々の基板用ガラスの組成に応じて調整し、光導波路周辺のガラスと元々の基板用ガラスの組成をほぼ等しくさせる技術について開示している。しかし、この調整については前述のように十分な経験を必要とするものであり、光導波路周辺のガラスと元々の基板用ガラスの組成をほぼ等しくさせるということを容易に実現できるものではない。更に、NaおよびKを含むガラス基板にTlイオン交換を行なった光導波路では、等価屈折率差(複屈折)は5.8×10−4程度であるのに対し、Naイオンのみを含むガラス基板にTlイオン交換した光導波路では、その等価屈折率差(複屈折)は2桁以上も小さくなる。
【0007】
特開平8−86927号公報には光導波路デバイスが、また特開2001−21745公報には埋め込み型光導波路の製造方法について開示がなされている。この方法はアルミノホウケイ酸塩系ガラスにイオン交換を施し、光導波路を形成する製造方法に関するものであるが、光導波路を形成するガラス材料として、複数種類のアルカリ成分を含有しているため、前述のような理由により好適なものとは言えず、またその詳細なガラス組成については何ら言及されていない。
【0008】
特開平3−54132号公報には、重量%でSiO:48〜55%,B:23〜28%,Al:7〜12%,NaO:7〜9%,KO:0〜2.5%および分析による4〜8%のFから実質的に成る組成範囲を有し、約1.465以下の屈折率と80×10−7/℃以下の熱膨張率を有するフルオロホウケイ酸塩ガラスおよびクラッド品を開示しているが、このガラスは特にクラッドガラス繊維用ガラスとして、ファイバーオプティックバンドルに適しているものであるが、開示されているガラスはFに対するNaOの質量%の比が適切ではないため、イオン交換の際に十分なイオン拡散速度を得ることが困難である。したがって、光導波路の作成に適したイオン交換特性を有した光導波路用基板ガラスとは言い難い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
光導波路と接合される光ファイバは、一般的にGeを添加した石英ガラスが用いられており、伝播損失を低減させるためには光ファイバと光導波路とを接合したとき、光ファイバのコア部分と光導波路の導波路部分の屈折率が同一であることが望まれ、更に、伝播損失を低減させるための技術も必要となってくる。したがって本発明の目的は、このような光導波路用基板材に適した各種特性を有し、且つ光導波路の作成において、特に良好なイオン交換性を有した光導波路用のガラス組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者による試験研究の結果、光導波路用基板材に適した諸特性を有し、且つ光導波路の作成に特に適したイオン交換性を有する、光導波路用に好適なアモルファスガラス組成物を見出した。すなわち請求項1に記載の発明は、酸化物基準の質量%で
SiO              50〜60%、
               19〜27%、
Al               7〜15%、
NaO               6〜13%、
Sbおよび/またはAs 0.1〜1.0%、
および上記金属酸化物の一部または全部を置換した弗化物のF(弗素)としての合計量として0.5〜6%を含有し、
[SiO+B]/Al=5.5〜9.0(質量%比)、
NaO/F=2.0〜4.0(質量%比)であることを特徴とするガラス組成物であり、請求項2に記載の発明は、屈折率(nd)が1.45〜1.49、アッベ数が60〜67であることを特徴とする請求項1に記載のガラス組成物であり、請求項3に記載の発明は、Naイオンより大きなイオン半径を有する一価の金属イオンで置換されたことを特徴とする、請求項1または2に記載のイオン交換されたガラス組成物であり、請求項4に記載の発明は、Agイオン,Tlイオン,Csイオンの中から選ばれる少なくとも1種以上の金属イオンで置換されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のイオン交換されたガラス組成物であり、請求項5に記載の発明は、Agイオンでイオン交換されたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のガラス組成物であり、請求項6に記載の発明は、Agイオンで部分的にイオン交換されたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のガラス組成物であり、請求項7に記載の発明は、Si成分,B成分,Al成分,Na成分,F成分を含有し、これら組成物(酸化物基準の質量%)において、[SiO+B]/Al=5.5〜9.0(質量%比)、NaO/F=2.0〜4.0(質量%比)であることを特徴とする光導波路用ガラスであり、請求項8に記載の発明は、酸化物基準の質量%で、SiO=50〜60%、および含有する金属酸化物の一部または全部を置換した弗化物のF(弗素)としての合計量として0.5〜6%を含有し、[SiO+B]/Al=5.5〜9.0(質量%比)、NaO/F=2.0〜4.0(質量%比)であることを特徴とする光導波路用ガラスであり、請求項9に記載の発明は、酸化物基準の質量%で、B=19〜27%、および含有する金属酸化物の一部または全部を置換した弗化物のF(弗素)としての合計量として0.5〜6%を含有し、[SiO+B]/Al=5.5〜9.0(質量%比)、NaO/F=2.0〜4.0(質量%比)であることを特徴とする光導波路用ガラスであり、請求項10に記載の発明は、酸化物基準の質量%で、Al=7〜15%、および含有する金属酸化物の一部または全部を置換した弗化物のF(弗素)としての合計量として0.5〜6%を含有し、[SiO+B]/Al=5.5〜9.0(質量%比)、NaO/F=2.0〜4.0(質量%比)であることを特徴とする光導波路用ガラスであり、請求項11に記載の発明は、酸化物基準の質量%で、NaO=6〜13%、および含有する金属酸化物の一部または全部を置換した弗化物のF(弗素)としての合計量として0.5〜6%を含有し、[SiO+B]/Al=5.5〜9.0(質量%比)、NaO/F=2.0〜4.0(質量%比)であることを特徴とする光導波路用ガラスである。
【0011】
以下、本発明の光導波路用ガラス組成物において、ガラス組成を上記のように限定した理由を示す。尚、組成は酸化物に換算した時の質量%により表されたものである。また、Fについては上記金属酸化物の一部または全部を置換した弗化物のF(弗素)としての合計量を質量%で表したものである。SiOはガラスを形成する上で主要な成分であるとともに、光導波路基板用として所望の屈折率を得るために重要な成分であるが、50%未満では所望とする屈折率を得ることが困難となり、また耐水性や耐酸性も低下する。また60%を超えると溶解が困難になると共に、均質なガラスを得難くなる。尚、上記効果をより高めるためには、下限が51%、上限が59%とすると好ましく、更に下限が52%、上限が58%とするのがより好ましい。
【0012】
もガラスを形成する上で主要な成分であるとともに、光導波路基板用として好適な屈折率を得るために重要な成分であるが、Bが19%未満では所望とする屈折率を得難く、また溶解性が悪化し、均質なガラスを得難くなる。また27%を超えると耐水性が劣化する傾向となる。尚、上記効果をより高めるためには、下限が20%、上限が26%とすると好ましく、更に下限が21%、上限が26%とするのがより好ましい。
【0013】
AlはFを安定化させ、溶融中ガラス内に維持させるという効果を有するため、本願に於いて重要な役割を担う成分であるが、7%未満では化学的耐久性が劣化する傾向となり、また15%を超えると溶解性が低下する傾向となって、均質なガラスを得難くなる。尚、上記効果をより高めるためには、下限が8%、上限が14%とすると好ましく、更に下限が9%、上限が13%とするのがより好ましい。
【0014】
尚、所望の屈折率と化学的耐久性を両立させるためには、[SiO+B]/Alの下限を5.5、上限を9.0(質量%比)とすることが好ましい。尚、より好ましくは下限が6.0、上限が8.5であり、最も好ましくは下限が6.2、上限が8.2である。
【0015】
NaOは光導波路を形成する際のイオン交換に必要な成分で、特にAgとのイオン交換に於いて良好なイオン交換を可能とする重要な成分であるが、6%未満では光導波路を形成する際のイオン交換が困難となり易く、また溶解性が低下する傾向となる。また13%を超えると屈折率が必要以上に増加する傾向となり、また耐水性や耐酸性といった化学的耐久性も低下する傾向となる。尚、上記効果をより高めるためには、下限が7%、上限が12%とすると好ましく、更に下限が8%、上限が11%とするのがより好ましい。
【0016】
Fは1.45〜1.50の屈折率を維持するために必要な成分であり、0.5%未満では光導波路基板用として好適な屈折率を得難く、また溶解性が低下する傾向となる。更にイオン交換する際の拡散速度も低下する傾向が認められることから、拡散作用に全体にも悪影響を及ぼすものと思われる。また6%を超えると均質なガラスを得難くなる。尚、上記効果をより高めるためには、下限が1.5%、上限が5.0%とすると好ましく、更に下限が2.0%、上限が4.0%とするのがより好ましい。
【0017】
イオン交換において十分なイオン拡散速度を維持するためには上記組成範囲の他に、Fに対するNaOの質量%の比が2.0〜4.0であることが好ましい。尚、より好ましくは下限が2.2、上限が3.7であり、最も好ましくは下限が2.5、上限が3.5である。
【0018】
また、Sbおよび/またはAsはガラスの清澄剤として加えられるが、Sbおよび/またはAsのは0.1%ではその効果が得られず、また1.0%を超えると屈折率を必要以上に増大させる傾向がある。尚、上記効果をより高めるためには、上限が0.7%とするのが好ましい。
【0019】
得られるガラス組成物の屈折率(nd)およびアッベ数(νd)については、光導波路のイオン交換後におけるイオン交換部分の屈折率が、接合される光ファイバのコア部分と同一または近似していることが望ましい。通常、光通信に於いて用いられる光ファイバのコア部分は屈折率(nd)が1.49〜1.50の範囲内であるため、本願の光導波路基板用に好適なガラス組成物の屈折率(nd)は導波路部のイオン交換による屈折率上昇を鑑みて、1.45〜1.49の範囲内とすることが好ましい。またアッベ数については、光導波路の設計上の観点から60〜67であることが好ましい。尚、光ファイバとの接合について、より高度な最適化を実現すべく、本願の光導波路基板用に好適なガラス組成物の屈折率(nd)は1.46〜1.485、アッベ数(νd)が61〜66の範囲にあるものがより好ましく、更に、屈折率(nd)が1.47〜1.485、アッベ数(νd)が62〜66の範囲にあるものが最も好ましい。
【0020】
また、本願の光導波路基板用に好適なガラス組成物においては、▲1▼ガラスを着色させる効果を有する成分(特にCr成分,Cu成分,Fe成分,Co成分,Ni成分,Cd成分,Mn成分,Sn成分)、▲2▼ガラスの失透傾向を増加させる効果のある成分(特にZr成分,Ti成分)、▲3▼ガラスの化学的耐久性を低下させ易くする効果を有する成分(特にMg成分,Ca成分,Sr成分,Ba成分等のアルカリ土類成分、またはZn成分,P成分)、▲4▼イオン交換に於いて悪影響を及ぼしやすい成分(特にLi成分、更にAgとのイオン交換においてはK成分,Cs成分)、▲5▼揮発性が高いのために組成変動を生じさせ易くする効果を有するN成分、▲6▼所望の屈折率を得難くする傾向のあるTe成分,Ta成分,Mo成分,Nb成分,W成分,Bi成分、または希土類元素成分(特にCe成分,Pr成分,Nd成分,Sm成分,Eu成分,Gd成分,Tb成分,Dy成分,Ho成分,Er成分,Tm成分,Yb成分,Lu成分)、▲7▼環境上好ましくないPb成分を実質的に含まないことが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
表のガラス組成に示したそれぞれの酸化物原料の所定量を十分混合して調合物を得た。この調合物を白金ルツボに入れ、1250℃〜1480℃の電気炉中で6〜9時間溶解した。十分攪拌してガラスを均質化した後、金型枠に流し込み、徐冷して表1に示したガラスを得た。イオン交換については、第1のイオン交換では300℃の硝酸銀の溶融塩中にガラスを1時間浸漬し、第2のイオン交換では電圧100Vを印加した300℃の硝酸ナトリウムの溶融塩中にガラスを1時間浸漬して行なった。表1には、本願発明のガラス組成物の組成と得られたガラス組成物の特性を示し、表2は本発明の範囲外となる組成のガラス組成物について、表1の実施例と同様な方法で作成しテストを行った結果を示した。尚、特性としては、屈折率(nd)およびアッベ数、ならびにAgイオンによるイオン交換後の屈折率、光導波路形成の容易性を示した。屈折率測定はCarl Zeiss Jena屈折計 PR−2型により測定した。
【実施例】
【表1】
Figure 2004067404
【表2】
Figure 2004067404
【0022】
いずれの実施例においても、屈折率(nd)は1.47〜1.485およびアッベ数は62〜65の範囲を満足するガラス組成物が得られた。また、このガラス組成物は、失透,脈理,スジの発生が少なく、高均質であり、溶解性および成形性も優れていた。更にKOを含有していないために、第2のイオン交換(電界印加イオン交換)時の溶融塩調整に於いて、KとNaの比率を元々のガラスの組成に応じて調整する必要がないため、光導波路を形成するのが容易であるとともに、ガラス内部に不必要な圧縮応力を生じることがないので、従来のガラスを用いるよりも導波路の形成に好適であった。また光透過率については、一般的に使用される通信帯の波長(1550nm付近)において90%以上を示しており、この点も導波路基板用として好適なものであることがいえる。
【0023】
また、実施例1および実施例2のガラス組成物のイオン交換後の屈折率(nd)は実施例1では1.492、実施例2では1.491であった。
一方、本発明に含まれない4種の比較例のガラス組成およびガラスの特性を表2に示す。比較例aからcはイオン交換に使用されているような一般的に市販されているガラスである。比較例aはソーダライムガラス、比較例bはアルミノホウケイ酸塩ガラス、比較例cはアルミノケイ酸塩ガラスである。比較例dは特開平3−54132の実施例1に記載された組成である。比較例a、比較例bはいずれもNaO成分の他にKO成分を含んでおり、電解印加イオン交換(第2のイオン交換)領域は元々のガラスに比べて、アルカリ成分の組成が異なるため、好適な光導波路を形成するのが困難であった。また、NaO成分とKO成分の両方を含む溶融塩を調整してイオン交換を行ってみたものの、元々のガラスの組成とほぼ同一となるようにするのは困難であった。実施例cに至っては、イオン交換されるべきアルカリイオン量が少なく、十分なイオン交換ができない。実施例dはF含有量が多過ぎるため、ガラスの溶解、成形時にF成分の揮発が影響し、ガラス内部に脈理が生じやすくなる。そのため均質なガラスが得難く、またイオン交換後に光導波路として使用する際、この脈理部分の影響で光の散乱等が起こってしまい、光導波路用のガラスとして適切ではない。
【0024】
【発明の効果】
以上のように本発明の光導波路用ガラス組成物によれば、高品質なガラスの製造が容易であり、さらに光導波路用基板材に適した諸特性を有する光導波路基板用に好適なガラス組成物が得られ、これにAgイオン等によるイオン交換処理を行って作成した光導波路は、光導波路として良好な性能を示したる

Claims (11)

  1. 酸化物基準の質量%で
    SiO              50〜60%、
                   19〜27%、
    Al               7〜15%、
    NaO               6〜13%、
    Sbおよび/またはAs 0.1〜1.0%、
    および上記金属酸化物の一部または全部を置換した弗化物のF(弗素)としての合計量として0.5〜6%を含有し、
    [SiO+B]/Al=5.5〜9.0(質量%比)、
    NaO/F=2.0〜4.0(質量%比)であることを特徴とするガラス組成物。
  2. 屈折率(nd)が1.45〜1.49、アッベ数が60〜67であることを特徴とする請求項1に記載のガラス組成物。
  3. Naイオンより大きなイオン半径を有する一価の金属イオンで置換されたことを特徴とする、請求項1または2に記載のイオン交換されたガラス組成物。
  4. Agイオン,Tlイオン,Csイオンの中から選ばれる少なくとも1種以上の金属イオンで置換されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のイオン交換されたガラス組成物。
  5. Agイオンでイオン交換されたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のガラス組成物。
  6. Agイオンで部分的にイオン交換されたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のガラス組成物。
  7. Si成分,B成分,Al成分,Na成分,F成分を含有し、これら組成物(酸化物基準の質量%)において
    [SiO+B]/Al=5.5〜9.0(質量%比)、
    NaO/F=2.0〜4.0(質量%比)であることを特徴とする光導波路用ガラス。
  8. 酸化物基準の質量%で、SiO=50〜60%、および含有する金属酸化物の一部または全部を置換した弗化物のF(弗素)としての合計量として0.5〜6%を含有し、
    [SiO+B]/Al=5.5〜9.0(質量%比)、
    NaO/F=2.0〜4.0(質量%比)であることを特徴とする光導波路用ガラス。
  9. 酸化物基準の質量%で、B=19〜27%、および含有する金属酸化物の一部または全部を置換した弗化物のF(弗素)としての合計量として0.5〜6%を含有し、
    [SiO+B]/Al=5.5〜9.0(質量%比)、
    NaO/F=2.0〜4.0(質量%比)であることを特徴とする光導波路用ガラス。
  10. 酸化物基準の質量%で、Al=7〜15%、および含有する金属酸化物の一部または全部を置換した弗化物のF(弗素)としての合計量として0.5〜6%を含有し、
    [SiO+B]/Al=5.5〜9.0(質量%比)、
    NaO/F=2.0〜4.0(質量%比)であることを特徴とする光導波路用ガラス。
  11. 酸化物基準の質量%で、NaO=6〜13%、および含有する金属酸化物の一部または全部を置換した弗化物のF(弗素)としての合計量として0.5〜6%を含有し、
    [SiO+B]/Al=5.5〜9.0(質量%比)、
    NaO/F=2.0〜4.0(質量%比)であることを特徴とする光導波路用ガラス。
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