JP2005289765A - 燃料改質システム - Google Patents
燃料改質システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005289765A JP2005289765A JP2004110080A JP2004110080A JP2005289765A JP 2005289765 A JP2005289765 A JP 2005289765A JP 2004110080 A JP2004110080 A JP 2004110080A JP 2004110080 A JP2004110080 A JP 2004110080A JP 2005289765 A JP2005289765 A JP 2005289765A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- separation membrane
- hydrogen separation
- hydrogen
- gas
- carbon monoxide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
- Industrial Gases (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
【課題】水素分離膜の脆化を抑制できる燃料改質システムを提供する。
【解決手段】改質ガス中の水素を選択的に透過する水素分離膜7を有する水素分離膜ユニット8を備えた燃料改質システムにおいて、停止時に、改質器5の運転温度を変化させることにより改質ガス中の一酸化炭素または炭化水素含有ガス濃度を上昇させる。このような改質ガスを水素分離膜7に供給することで、水素分離膜7に一酸化炭素または炭化水素を吸着させる。
【選択図】 図3
【解決手段】改質ガス中の水素を選択的に透過する水素分離膜7を有する水素分離膜ユニット8を備えた燃料改質システムにおいて、停止時に、改質器5の運転温度を変化させることにより改質ガス中の一酸化炭素または炭化水素含有ガス濃度を上昇させる。このような改質ガスを水素分離膜7に供給することで、水素分離膜7に一酸化炭素または炭化水素を吸着させる。
【選択図】 図3
Description
本発明は燃料改質システムに関する。特に、水素分離膜を用いた燃料改質システムに関する。
従来、水素分離膜を適用した燃料改質システムとして、システム起動時に水素分離膜の温度に応じた起動制御を行うものが知られている。これは、水素分離膜が低温状態にある場合、改質器でリーン燃焼を生じ、水素の生成を抑制しつつ暖機を促進し、水素分離膜が水素脆化を生じない程度の温度に至った時点で改質を開始している。同時に、水素分離膜を透過した水素に酸素を供給して燃焼させ、さらに暖機を促進し、運転温度に至った時点で、パージ側酸素の供給を停止して水素の燃焼を停止し、定常運転に移行している(例えば、特許文献1、参照。)。
特開2003−95608号公報
しかしながら、上記背景技術に示した燃料改質システムの制御方法においては、システム停止後に水素ガスが水素分離膜ユニット内に残存する場合、燃料改質システムの温度の低下に伴って、水素脆化、即ち水素分離膜が水素を吸収して脆くなる現象が発生するという問題があった。
そこで、上記問題を鑑みて、本発明は、水素分離膜の脆化を抑制できる燃料改質システムを提供することを目的とする。
本発明は、改質ガス中の水素を選択的に透過する水素分離膜を有する水素分離膜ユニットを備えた燃料改質システムにおいて、停止時に、一酸化炭素または炭化水素含有ガスを前記水素分離膜に供給する。
一酸化炭素または炭化水素含有ガスを水素分離膜に供給することで、水素分離膜に一酸化炭素または炭化水素が吸着し、水素の吸着を妨げることができるので、水素脆化を抑制することができる。
本実施形態に用いる燃料改質システムの概略構成について図1を用いて説明する。
コントロールユニット1からの信号にて制御される第一燃料噴射弁2aと第一水噴射弁3aと、それらより噴射された液状の炭化水素系燃料と水を蒸発して燃料蒸気を生成する蒸発器4を備える。蒸発器4には、後述するように改質器5と一体に構成された燃焼器6で生成された燃焼ガスが導入され、これと炭化水素系燃料および水との間で熱交換を行うことにより燃料蒸気を生成する。また、蒸発器4で生成された燃料蒸気を改質することにより水素リッチな改質ガスを生成する改質器5を備える。ここでは改質器5を、主に水蒸気改質反応を生じる触媒反応器とする。改質器5には第一温度センサ15aを備え、改質温度をモニタ可能に構成する。
ここで、改質器5で行われるCnHmの炭化水素系燃料と水の改質反応について説明する。燃料の水蒸気改質反応としては、式(1)で示す反応式で表わされるものが一般的である。ここで、式(2)の反応はシフト反応と呼ばれ、一般的に低温では水素、高温ではCOを生成する方向に進行する。
CnHm+nH2O ⇒ nCO+(n+m/2)H2 (1)
CO+H2O ⇔ CO2+H2 (2)
上述した水蒸気改質反応は全体では吸熱反応となるので、反応に必要な熱を供給するために改質器5に隣接して燃焼器6を設ける。燃焼器6には、後述する燃料電池9からのアノード排ガス、水素分離膜ユニット8において分離されなかった未透過ガス、または、選択的に第二燃料噴射弁2bより可燃燃料が供給される。燃焼器6で燃焼反応を生じることにより熱を生成し、隣接する改質器5と熱交換を行うことにより、改質に必要な熱を供給する。燃焼器6で生成された燃焼ガスは、前述したように蒸発器4に導入されて燃料蒸気を生成するための熱として使用される。
CO+H2O ⇔ CO2+H2 (2)
上述した水蒸気改質反応は全体では吸熱反応となるので、反応に必要な熱を供給するために改質器5に隣接して燃焼器6を設ける。燃焼器6には、後述する燃料電池9からのアノード排ガス、水素分離膜ユニット8において分離されなかった未透過ガス、または、選択的に第二燃料噴射弁2bより可燃燃料が供給される。燃焼器6で燃焼反応を生じることにより熱を生成し、隣接する改質器5と熱交換を行うことにより、改質に必要な熱を供給する。燃焼器6で生成された燃焼ガスは、前述したように蒸発器4に導入されて燃料蒸気を生成するための熱として使用される。
改質器5の下流には、水素分離膜7を備える水素分離膜ユニット8を備える。ここでは、水素分離膜7として、パラジウム(Pd)膜、或いはPdを含む合金膜を適用する。また、改質器5と水素分離膜ユニット8の間に、第一ガス制御バルブ12aを、水素分離膜ユニット8の一次(未透過)側下流に、第二ガス制御バルブ12bを設ける。第一ガス制御バルブ12a、第二ガス制御バルブ12bは、水素分離膜ユニット8の一次側の閉鎖手段となる。第一ガス制御バルブ12aと第二ガス制御バルブ12bに挟まれた水素分離膜ユニット8の一次側には、COもしくは炭化水素の濃度をモニタするガス濃度センサ14を備える。また、水素分離膜ユニット8には第二温度センサ15bを設け、温度状態をモニタ可能に構成する。ここでは、水素分離膜ユニット8内の水素分離膜7またはその近傍の温度をモニタする。
水素分離膜ユニット8によって透過された水素ガスは、燃料電池9のアノードへ供給される。また、空気量を調整する第一空気制御バルブ10aを備え、コントロールユニット1からの信号に応じて燃料電池9のカソードに空気を供給する。これにより、燃料電池9で電気化学反応が生じ、起電力を得ることとなる。ここで、燃料電池9にて発生する電気化学反応式を以下に示す。燃料電池9の全体としては、式(3)に示す反応が進行することとなる。
H2+0.5O2 → H2O (3)
ここでは燃料電池9として、電池反応を促進する白金等の触媒を備えた固体高分子型燃料電池を用いる。燃料電池9に供給された反応ガス中にCOが含まれている場合には、このCOが白金触媒に吸着して触媒としての機能を低下させ、燃料電池9の性能を劣化させてしまう。そのため燃料電池9のような固体高分子型の燃料電池で発電を行う場合には、CO除去器や水素分離膜(7)等のCO除去手段を用いて、供給するガス中のCOを所定値以下に低減し、電池性能の低下を防ぐことが必要となる。なお、このような固体高分子型の燃料電池9では、供給されるガス中のCO濃度の許容値は、通常数十ppm程度である。
ここでは燃料電池9として、電池反応を促進する白金等の触媒を備えた固体高分子型燃料電池を用いる。燃料電池9に供給された反応ガス中にCOが含まれている場合には、このCOが白金触媒に吸着して触媒としての機能を低下させ、燃料電池9の性能を劣化させてしまう。そのため燃料電池9のような固体高分子型の燃料電池で発電を行う場合には、CO除去器や水素分離膜(7)等のCO除去手段を用いて、供給するガス中のCOを所定値以下に低減し、電池性能の低下を防ぐことが必要となる。なお、このような固体高分子型の燃料電池9では、供給されるガス中のCO濃度の許容値は、通常数十ppm程度である。
さらに、前述したように、水素分離膜ユニット8により透過されなかった未透過ガスおよび燃料電池9のアノードから排出される余剰水素は、改質器5で必要とされる熱量に応じて燃焼器6に供給され、改質器5の加熱に供される。さらに熱量が不足する場合には、第二燃料噴射弁2bにより燃焼器6に燃料が供給される。
また、燃料電池システムの始動時にシステムの加熱を行うために、始動用燃焼器11を備える。さらに、コントロールユニット1からの信号を受けて動作する第二空気制御バルブ10b、第三燃料噴射弁2cを備え、始動用燃焼器11に空気および燃料を供給可能に構成する。始動用燃焼器11で生成された燃焼ガスを、改質器5および水素分離膜ユニット8に供給することで、これらの加熱を行う。
また、改質器5の上流には水素保持装置13と、水素保持装置13からの水素ガスを制御する第三ガス制御バルブ12cを設ける。さらに、燃料電池9の水素供給手前には第四ガス制御バルブ12dを、燃料電池9を迂回して水素分離膜ユニット8で分離されたガスを直接燃焼器6に導入する通路には第五ガス制御バルブ12eを設ける。
このような燃料電池システムにおいて、水素分離膜7に、パラジウム(Pd)膜、或いはPdを含む合金膜を適用する場合、図2に示すように、水素分圧差と温度の関係により水素脆化が発生し、水素透過性能が低下することがある。水素分圧差が大きく、温度が低い状態で水素が存在すると、水素分離膜7に水素が吸収されて水素脆化が発生しやすくなる。
そこで、本実施形態は、燃料改質システムの停止時に、水素分離膜ユニット8へ一酸化炭素あるいは炭化水素含有ガスを供給し、水素分離膜7に吸着させた後、燃料電池システムを停止させる。このように、水素分離膜7を一酸化炭素あるいは炭化水素により保護して、水素ガスが存在する場合にも水素脆化を回避する。
水素脆化の発生を回避するための制御をフロー図に沿って説明する。図3は燃料電池システムの停止時の制御フロー図である。
ステップS301において、停止制御の開始をコントロールユニット1にて判断されたか否かを確認する。ステップS301で停止制御開始が確認された場合、ステップS302において、第四ガス制御バルブ12dを閉弁し、第五ガス制御バルブ12eを開弁して、燃料電池9への水素ガス供給、すなわち発電を停止する。水素分離膜ユニット8にて分離された水素ガスは、燃料電池9を迂回して直接燃焼器6に導入される。
次に、ステップS303において、水素分離膜ユニット8内の水素分離膜7前後差圧を抑制する。例えば、水素分離膜ユニット8内の水素分離膜7前後差圧をゼロまたはその近傍となるように調整する。ここでは、水素分離膜ユニット8の一次側下流の第二ガス制御バルブ12bと、燃料電池9のバイパス流路に設けられた第五ガス制御バルブ12eを調整することにより、差圧を無くす。なお、このときの第二ガス制御バルブ12b、第五ガス制御バルブ12eの開度は予め実験等により設定しておく。これにより、水素ガスが存在する場合においても、水素分離膜7の水素脆化を生じ難くすることができる。
ステップS304において、改質温度を変更して改質ガス中の一酸化炭素濃度または炭化水素濃度を上昇させる。改質温度を上昇させることで一酸化炭素の発生を促進し、改質温度を低下させることで炭化水素の発生を促進する。このような改質温度とガス濃度の関係を、図4に示す。
例えば、メタノールの水蒸気改質では300℃程度の温度で改質を行うが、50℃程度変更することで炭化水素濃度は倍程度変化する。このように、一酸化炭素あるいは炭化水素の濃度を高めた改質ガスを生成し、水素分離膜ユニット8に供給することで、水素分離膜7への一酸化炭素あるいは炭化水素の吸着を効果的に行うことが可能である。
このとき、低温度域(例えば100〜200℃)で行うことにより吸着が促進されるため、水素分離膜ユニット8を低温状態に設定する。なお、改質温度を低下させて炭化水素濃度を増大した場合には、導入される改質ガスの温度が低くなるため、水素分離膜ユニット8の温度を下げることができる。一方、改質温度を上昇させて一酸化炭素濃度を増大した場合には、改質ガス温度が上昇するので、改質器5と水素分離膜ユニット8との間に、改質ガス温度を低下させる図5(a)に示すような熱交換器16を備える、または、水素分離膜ユニット8の温度を低下させる図5(b)に示すような冷却手段17を備える。
次に、ステップS305において、ガス濃度センサ14により水素分離膜ユニット8の一次側の一酸化炭素あるいは炭化水素の濃度をルックアップする。ステップS306において、一酸化炭素あるいは炭化水素の濃度が既定値であるか否か判断する。既定値に達していない場合、ステップS305に戻る。
ステップS306で濃度が既定値に達したら、ステップS307において、第一ガス制御バルブ12aおよび第二ガス制御バルブ12bを閉弁し、水素分離膜ユニット8の一次側通路を閉鎖する。こうして一酸化炭素あるいは炭化水素含有ガスを封入し、一酸化炭素あるいは炭化水素を水素分離膜7に吸着させ、水素脆化を回避する。
なお、ステップS302とステップS303の間で、水素分離膜7前後の差圧を保持した状態で、始動用燃焼器11で生成するリーン燃焼ガスなどの不活性ガスを供給するように制御してもよい。これにより、水素分離膜7内に存在する水素ガスが除去されるので、水素脆化をより確実に回避することが可能となる。
以上のように、水素分離膜7に一酸化炭素あるいは炭化水素を吸着させ、燃料電池システムを停止した場合には、次回の起動時に水素分離膜7の酸化還元を行い、吸着した一酸化炭素あるいは炭化水素を除去して水素分離膜7の透過性能を回復させる必要がある。
そこで、燃料改質システムの始動時の制御を図6のフロー図に示すように行う。
ステップS601において、始動用燃焼器11の第二空気制御バルブ10bおよび第三燃料噴射弁2cを開弁し、空気および燃料を供給して燃焼ガスを発生する。ここでは燃料リーンとし、酸素を含む希薄燃焼ガスを発生する。ステップS602で、第一ガス制御バルブ12aおよび第二ガス制御バルブ12bを開弁して、停止時に閉鎖した水素分離膜ユニット8の一次側を連通させる。同時に、第四ガス制御バルブ12dを閉弁、第五ガス制御バルブ12eを開弁し、希薄燃焼ガスを直接改質器5および水素分離膜ユニット8に供給し、加熱および酸化を行う。水素分離膜ユニット8の水素分離膜7にリーン燃焼ガスが供給されることで、吸着されていた一酸化炭素または炭化水素が除去される。その際、水素分離膜7を二次(透過)側に透過したガスは、燃料電池9をバイパスして燃焼器6に直接導入される。
ステップS603において、第一温度センサ15a、第二温度センサ15bを用いて、改質器5および水素分離膜ユニット8等の温度が既定値に達したか否か判断する。既定値に達していない場合には、ステップS601、S602の制御を継続する。ここでは、改質器5の既定値を、通常の改質反応を生じることができる温度とする。また、水素分離膜ユニット8の既定値を、水素脆化を避けることができる温度とする。
ステップS603で改質器5および水素分離膜ユニット8等の温度が既定値に達したと判断されたら、ステップS604に進み、第二空気制御バルブ10bおよび第三燃料噴射弁2cを閉弁し、始動用燃焼器11への空気および燃料の供給を停止する。ステップS605において、第三ガス制御バルブ12cを開弁し、水素保持装置13より水素ガスを改質器5および水素分離膜ユニット8に供給して、水素分離膜7の水素還元を行う。このとき、水素分離膜7の温度は燃焼ガスを用いた暖機により上昇しているため、水素脆化を避けることができる。図示しないタイマーにより所定時間水素ガスの供給を継続したら、ステップS606に進み、第三ガス制御バルブ12cを閉弁して水素ガスの供給を停止する。
次に、ステップS607において、第一燃料噴射弁2a、第一水噴射弁3aを開弁し、改質用の燃料と水を改質器5に供給し、改質反応を開始する。生成された改質ガス中の水素は、水素分離膜ユニット8の水素分離膜7によって選択透過される。次に、ステップS608において、第四ガス制御バルブ12dを開弁し、第五ガス制御バルブ12eを閉弁することで、燃料電池9に水素ガスを供給する。同時に第一空気制御バルブ10aを開弁して、燃料電池9に空気を供給する。このようにして燃料電池9で発電を開始して、通常運転状態に移行する。
なお、図7に、水素分離膜7に酸化、還元処理を施す場合に起こる反応と、酸素および水素濃度の経時変化を示す。
水素分離膜7に吸着した一酸化炭素あるいは炭化水素は、所定の温度で酸素を供給することでCO2およびH2Oとして除去することが可能である。図6に示したフローにおいては、ステップS601で生成したリーン燃焼ガスを水素分離膜ユニット8に導入することで、一酸化炭素あるいは炭化水素を酸化、除去している。しかし、同時にPdが酸化されてしまい、本来の水素透過性能が低下してしまう。そこで、酸化されたPdOを水素還元によりPdに戻す必要がある。本フローでは、ステップS605において、温度が高い状態で水素分離膜ユニット8に水素ガスを導入するで水素還元を行っている。
以上のように、改質器5および水素分離膜ユニット8に酸化および水素還元処理を施す際には、水素分離膜ユニット8下流の酸素および水素濃度が終了の目安となる。そこで、酸化では、酸素濃度が既定値に達する、あるいは既定値をある程度の時間維持した後、酸化を終了することとしてもよい。また、その後の水素還元も、水素濃度により、酸化と同様な制御を行うこと可能である。
次に、本実施形態の効果について説明する。
改質ガス中の水素を選択的に透過する水素分離膜7を有する水素分離膜ユニット8を備えた燃料改質システムにおいて、停止時に、一酸化炭素または炭化水素含有ガスを水素分離膜7に供給する。このように、水素分離膜7に一酸化炭素または炭化水素を吸着させることで、燃料改質システム停止中の低温状態において、水素分離膜7に水素が吸着するのを妨げることができる。そのため、停止中に水素分離膜7の温度が低下しても水素脆化の発生を抑制することが可能となる。
また、一酸化炭素または炭化水素含有ガスの供給時に、水素分離膜ユニット8を低温状態に設定する。これにより、水素分離膜7への一酸化炭素または炭化水素の吸着が促進されるため、水素脆化の発生をより抑制することができる。水素分離膜ユニット8を低温状態に設定する方法としては、例えば、低温環境下で生成したガスを一酸化炭素または炭化水素含有ガスとして供給する。または、一酸化炭素または炭化水素含有ガスの温度調整手段として例えば熱交換器16を備える。または、水素分離膜ユニット8と熱交換可能な冷却系16(冷却手段17)を備える。
また、水素分離膜7の一次(未透過)側の圧力と二次(透過)側の圧力との差を調整する圧力差調整手段を備える。ここでは、一次側の下流に設けた第二ガス制御バルブ12bと、二次側の下流に設けた第五ガス制御バルブ12eの開度を調整することにより、圧力差を調整する。一酸化炭素または炭化水素含有ガスの供給時に、水素分離膜7の面圧差を抑制する。ここでは、水素分離膜7の面圧差を無くすように制御する。このように水素分離膜7の面圧差を抑制することにより、一酸化炭素または炭化水素含有ガス中に水素が含まれる場合にも、水素脆化を生じ難くすることができる。なお、通常運転時には、二次側の圧力は第四ガス制御バルブ12dにより調整する。
また、水素分離膜7の一次(未透過)側を閉塞する閉塞手段を備える。ここでは、一次側上流に設けた第一ガス制御バルブ12aと、下流に設けた第二ガス制御バルブ12bにより、一次側を選択的に閉塞可能に構成する。一酸化炭素または炭化水素含有ガスを供給し、水素分離膜7の一次側の一酸化炭素または炭化水素の濃度を規定以上とした後、水素分離膜7の一次側を閉塞する。水素分離膜ユニット8の一次側を閉鎖して一酸化炭素または炭化水素含有ガスを封入することで、水素分離膜7への吸着をより確実に行うことができる。
水素分離膜7の一次側の圧力と二次側の圧力との差を調整する圧力差調整手段とを備える。ここでは、一次側の下流に設けた第二ガス制御バルブ12bと、二次側の下流に設けた第五ガス制御バルブ12eの開度を調整することにより、圧力差を調整する。また、水素分離膜7に不活性ガスを導入する不活性ガス導入手段を備える。ここでは不活性ガス導入手段として起動用燃焼器11を備え、リーン燃焼により生成した燃焼ガスを不活性ガスとして用いる。一酸化炭素または炭化水素含有ガス供給前に、水素分離膜7の面圧差を保持した状態で不活性ガスを供給する。このように差圧を維持した状態で不活性ガスを供給することで、水素分離膜7内に水素が残存するのを抑制し、水素脆化の発生を低減することができる。なお、通常運転時には、二次側の圧力は第四ガス制御バルブ12dにより調整する。
水素分離膜7に酸化剤ガスを導入する酸化剤ガス導入手段と、水素含有ガスを導入する水素含有ガス導入手段と、を備える。ここでは、酸化剤ガス導入手段として、起動用燃焼機11を備え、リーン燃焼により生成した燃焼ガスを酸化剤ガスとして用いる。また、水素含有ガス導入手段として、水素を貯蔵する水素保持装置13を備える。始動時に、水素分離膜7の酸化還元を行う。これにより、水素分離膜7に付着した一酸化炭素または炭化水素を除去し、水素分離膜7の性能を得ることができる。その結果、効率よく水素分離を行うことができる。ここでは、始動時に、起動用燃焼器11から燃焼リーンガスを供給することにより酸化を行い、その後、水素保持装置13から水素を供給することにより還元を行う。
改質反応により改質ガスを生成する改質器5を備え、停止時に、通常運転時よりも一酸化炭素または炭化水素濃度を高めた改質ガスを、水素分離膜7に供給する。このように、一酸化炭素または炭化水素濃度を高めることで、水素分離膜7への吸着をより確実に行うことができる。
停止時に、改質器5の運転温度を通常運転時より高く設定することにより、一酸化炭素濃度の高い改質ガスを、水素分離膜7に供給する。このように、既存する改質器5で生成した一酸化炭素濃度を上昇させた改質ガスを供給することで、水素分離膜7への一酸化炭素の吸着をより促進することができる。
停止時に、改質器5の運転温度を通常運転時より低く設定することにより、炭化水素濃度の高い改質ガスを、水素分離膜7に供給する。このように、既存する改質器5で生成した炭化水素濃度を上昇させた改質ガスを供給することで、水素分離膜7への炭化水素への吸着をより促進することができる。
なお、本実施形態では、改質器5内で生じる改質反応を水蒸気改質反応としたが、この限りではなく、ATR反応、部分酸化反応を用いた場合にも、本発明を適用することができる。
また、ここでは改質器5と水素分離膜ユニット8を別々に構成しているが、改質器5内に水素分離膜ユニット8を構成した場合にも適用することができる。例えば、改質反応場に接して水素分離膜7が配置される場合にも、停止時に、一酸化炭素または炭化水素の吸着を生じることで、水素脆化を抑制することができる。
このように、本発明は、上記発明を実施するための最良の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で、様々な変更を為し得ることはいうまでもない。
本発明は、水素分離膜を用いた燃料改質システムに適用することができる。例えば、起動と停止が頻繁に繰り返される移動体等に用いる燃料改質システムに適用することができる。
5 改質器(改質反応器)
7 水素分離膜
8 水素分離膜ユニット
12a 第一ガス制御バルブ
12b 第二ガス制御バルブ
7 水素分離膜
8 水素分離膜ユニット
12a 第一ガス制御バルブ
12b 第二ガス制御バルブ
Claims (9)
- 改質ガス中の水素を選択的に透過する水素分離膜を有する水素分離膜ユニットを備えた燃料改質システムにおいて、
停止時に、一酸化炭素または炭化水素含有ガスを前記水素分離膜に供給することを特徴とする燃料改質システム。 - 一酸化炭素または炭化水素含有ガスの供給時に、前記水素分離膜ユニットを低温状態に設定する請求項1に記載の燃料改質システム。
- 前記水素分離膜の未透過側の圧力と透過側の圧力との差を調整する圧力差調整手段を備え、
一酸化炭素または炭化水素含有ガスの供給時に、前記水素分離膜の面圧差を抑制する請求項1に記載の燃料改質システム。 - 前記水素分離膜の未透過側を閉塞する閉塞手段を備え、
一酸化炭素または炭化水素含有ガスを供給し、前記水素分離膜の未透過側の一酸化炭素または炭化水素の濃度を規定以上とした後、前記水素分離膜の未透過側を閉塞する請求項1に記載の燃料改質システム。 - 前記水素分離膜の未透過側の圧力と透過側の圧力との差を調整する圧力差調整手段と、
前記水素分離膜に不活性ガスを導入する不活性ガス導入手段と、を備え、
一酸化炭素または炭化水素含有ガス供給前に、前記水素分離膜の面圧差を保持した状態で不活性ガスを供給する請求項1に記載の燃料改質システム。 - 前記水素分離膜に酸化剤ガスを導入する酸化剤ガス導入手段と、
前記水素分離膜に水素含有ガスを導入する水素含有ガス導入手段と、を備え、
始動時に、前記水素分離膜の酸化還元を行う請求項1に記載の燃料改質システム。 - 改質反応により改質ガスを生成する改質反応器を備え、
停止時に、通常運転時よりも一酸化炭素または炭化水素濃度を高めた改質ガスを、前記水素分離膜に供給する請求項1に記載の燃料改質システム。 - 停止時に、前記改質反応器の運転温度を通常運転時より高く設定することにより、一酸化炭素濃度の高い改質ガスを、前記水素分離膜に供給する請求項7に記載の燃料改質システム。
- 停止時に、前記改質反応器の運転温度を通常運転時より低く設定することにより、炭化水素濃度の高い改質ガスを、前記水素分離膜に供給する請求項7に記載の燃料改質システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004110080A JP2005289765A (ja) | 2004-04-02 | 2004-04-02 | 燃料改質システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004110080A JP2005289765A (ja) | 2004-04-02 | 2004-04-02 | 燃料改質システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005289765A true JP2005289765A (ja) | 2005-10-20 |
Family
ID=35323150
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004110080A Pending JP2005289765A (ja) | 2004-04-02 | 2004-04-02 | 燃料改質システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005289765A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009001453A (ja) * | 2007-06-21 | 2009-01-08 | Sekiyu Combinat Kodo Togo Unei Gijutsu Kenkyu Kumiai | 水素含有ガスの分離方法 |
JP2009001454A (ja) * | 2007-06-21 | 2009-01-08 | Sekiyu Combinat Kodo Togo Unei Gijutsu Kenkyu Kumiai | 水素含有ガスの分離方法 |
-
2004
- 2004-04-02 JP JP2004110080A patent/JP2005289765A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009001453A (ja) * | 2007-06-21 | 2009-01-08 | Sekiyu Combinat Kodo Togo Unei Gijutsu Kenkyu Kumiai | 水素含有ガスの分離方法 |
JP2009001454A (ja) * | 2007-06-21 | 2009-01-08 | Sekiyu Combinat Kodo Togo Unei Gijutsu Kenkyu Kumiai | 水素含有ガスの分離方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5011673B2 (ja) | 燃料電池発電システム | |
JP4130603B2 (ja) | 水素製造システムの運転方法 | |
JP2007292010A (ja) | 内燃機関から排気される窒素酸化物を含む排気ガスの浄化 | |
JP4274754B2 (ja) | 水素含有ガス生成装置の運転方法 | |
JP2020105024A (ja) | 水素生成システム及びその運転方法 | |
JP4923371B2 (ja) | 水素分離膜を備える水素生成装置の起動方法 | |
JP2001189165A (ja) | 燃料電池システム、該燃料電池システムの停止方法及び立ち上げ方法 | |
US7666537B2 (en) | Fuel cell system for preventing hydrogen permeable metal layer degradation | |
JP2005289765A (ja) | 燃料改質システム | |
JP2006076839A (ja) | 水素精製装置およびそれを用いた燃料電池システム | |
JP4519225B2 (ja) | 燃料電池システム及びその制御方法 | |
JP2005154220A (ja) | 燃料改質システム | |
JP2002128505A (ja) | 水素抽出装置 | |
JP2008105892A (ja) | 燃料改質装置の停止方法 | |
JP2006306665A (ja) | 水素製造装置の運転方法。 | |
JP4506429B2 (ja) | 一酸化炭素除去触媒の活性回復方法、燃料電池発電装置の運転方法、及び水素発生装置の運転方法 | |
JP4909339B2 (ja) | 水素含有ガス生成装置の運転方法 | |
JP2003165705A (ja) | 燃料改質装置及び燃料電池システム | |
JP2008230867A (ja) | 燃料改質装置 | |
JP2010118204A (ja) | 燃料電池発電システムおよびその運転方法 | |
JP4741568B2 (ja) | 水素製造発電システムの水素製造方法 | |
JP2001102077A (ja) | 燃料電池発電装置 | |
JP2006156088A (ja) | 水素分離膜モジュールシステム | |
JP4072725B2 (ja) | 燃料電池発電装置の運転方法 | |
JP2006169013A (ja) | 水素生成装置及び燃料電池システム並びにそれらの運転方法 |