JP2005288868A - 光回折構造を含む画像の形成方法及び記録物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 可視光線下で一見しただけでは模倣できない高度なセキュリティを提供する光回折構造を有する画像の形成方法等を提供する。
を提供する。
【解決手段】 光回折構造転写シート50から、光回折構造51bを含む光回折構造層51を被転写体100へその被転写体の特定領域32、42を避けて転写する光回折構造転写工程と、可視光下では視認できないインクで構成された不可視インク部を含むインク層36が基材シート34上に積層されたインク転写シート33から、インク層36を特定領域32、42へ転写するインク転写工程と、を有する。
【選択図】 図1
を提供する。
【解決手段】 光回折構造転写シート50から、光回折構造51bを含む光回折構造層51を被転写体100へその被転写体の特定領域32、42を避けて転写する光回折構造転写工程と、可視光下では視認できないインクで構成された不可視インク部を含むインク層36が基材シート34上に積層されたインク転写シート33から、インク層36を特定領域32、42へ転写するインク転写工程と、を有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光回折構造を含む画像の形成方法及び光回折構造を含む画像を有する記録物に関する。
印刷情報と光回折構造とが含まれた画像の形成方法は、情報改ざんのセキュリテイ対策として広く知られている。例えば被転写体に所定の情報を先に印刷しておき、その情報上へ被転写体へ光回折構造転写シートの光回折構造が設けられた層を転写する方法が知られている(例えば特許文献1)。
しかし、上述した方法では、画像が全て可視光線下で視認できるものであるため、一見すると同様な画像を模倣されるおそれがある。
そこで、本発明は、可視光線下で一見しただけでは模倣できない高度なセキュリティを提供する光回折構造を有する画像の形成方法等を提供することを目的とする。
本発明は、以下の方法により上述した課題を解決する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明における光回折構造を有する画像の形成方法は、光回折構造転写シート(50)、光回折構造(51b)を含む光回折構造層(51)を被転写体(100)へその被転写体の特定領域(32、42)を避けて転写する光回折構造転写工程と、可視光下では視認できないインクで構成された不可視インク部を含むインク層(36)が基材シート(34)上に積層されたインク転写シート(33)から、前記インク層を前記特定領域へ転写するインク転写工程と、を有することにより、上記の課題を解決する。
本発明によれば、可視光線下では視認できないインクで構成された不可視インク部を有するインク層によって画像が形成されるため、可視光線下では視認できない情報を付加することができる。更にインク層が転写される特定領域には、光回折構造層は転写されないため、インク層が光回折構造層上に設けられることにより目立つインク層のエッジを目立たなくすることができ、特にインク層全体がほとんど透明の場合、インク層の存在を一見して視認できないようにすることができる。インク転写工程における転写は、インク層のみを転写する場合とインク層と共に他の層を転写する場合とを含み、光回折構造転写工程における転写は、光回折構造層のみを転写する場合と光回折構造層と共に他の層を転写する場合とを含む。
「可視光線下で視認できないインク」とは、可視光線以外の光線下で蛍光や発色等することにより視認できるようになるいわゆるステルスインクをいう。「不可視インク部」は、インク層全体であってよいし、所定の形状でインク層に含まれてもよい。不可視インク部がインク層全体の場合は、可視光線以外の光線下で特定領域全体が例えば蛍光する。
不可視インク部が所定の形状に構成された場合は、可視光線以外の光線下で特定領域内に当該形状が視認できるようになる。光回折構造転写工程とインク転写工程との順序は問わない。「光回折構造」には、一定の凹凸パターンの繰り返しであるいわゆる回折格子と、所定の形状を表現する干渉縞で構成されるいわゆるホログラムとを含む。
前記インク転写工程にて前記インク層が転写された後に、前記光回折構造転写工程にて、前記光回折構造層を転写してもよい。この場合、前記基材シート上には前記インク層を含む転写層(37)が積層され、前記インク転写工程にて、前記転写層の表面に離型剤が含有されている層が残るように、前記転写層を前記被転写体へ転写してもよい。これにより、転写層の表面には離型剤が含有されているため、当該表面には光回折構造層が接着しない。従って、転写層が既に転写されている領域を避けて光回折構造層を容易に転写することができる。
一方、前記光回折構造転写工程にて前記光回折構造層が転写された後、前記インク転写工程にて前記インク層を転写してもよい。これにより、光回折構造が転写されていない特定領域を埋めるようにインク層を転写すればよい。また、前記特定領域は線状の形状を有してもよい。これにより、特定領域は幅が狭く隙間のような形状であるため、インク層が可視光線下で透明であれば、その存在の確認が更に困難となる。更に、特定領域を文字の形状にすれば、ステルスインクの存在に加えて文字情報を付加することができるので、更に高度なセキュリティ性を提供することができる。
また、本発明は、可視光線下では視認できないインクで構成された不可視インク部を含むインク層(36)が特定領域に設けられ、かつ光回折構造を含む光回折構造層(51)が前記特定領域を避けるように設けられている画像を有する記録物(A)として具現化されてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、被転写体の特定領域を避けて光回折構造層を転写し、当該特定領域へ可視光線下では視認できないインクで構成された不可視インク部を有するインク層を転写することにより、可視光線下で一見しただけでは模倣できない高度なセキュリティを提供する光回折構造を有する画像の形成方法等を提供することができる。
図1は、本形態における画像形成方法によって最終的に得る光回折構造を有する最終画像1を有する記録物Aである。記録物Aの形態としては、シール、カード、紙幣等種類を問わない。本形態における記録物Aは、最終画像1が被転写体の表面一面、更には両面に設けられている。
最終画像1は、ホログラム転写部10、第1回折格子転写部20、第2回折格子転写部30、及び第3回折格子転写部40とで構成される。ホログラム転写部10には「A」の形状に計算機ホログラムが施されている。第1回折格子転写部20は熱転写で文字が印刷された熱転写情報部21と回折格子が横縞状に転写された横縞転写部22aと文字状に転写された文字転写部22bとを含んでいる。第2回折格子転写部30は、回折格子が転写された転写部31と回折格子が文字状に転写されていない部分である非転写部32とを含む。第3回折格子転写部40も第2回折格子転写部30と同様に転写部41と非転写部42とを含む。第3回折格子転写部40の構成及び形成方法は第2回折格子転写部30と同様であるため、第3回折格子転写部30について説明は省略する。
本形態では図2(a)〜(c)に示す各熱転写シートを熱転写プリンターのサーマルヘッドで後述するように加熱することにより、最終画像1を形成する。以下、実施形態の説明では、熱転写で印字されたパターン上に更にホログラムが転写可能なシートを可視転写シート、転写不可能なシートを不可視転写シートと例示するが、どこに可視、不可視でもよい。図2(a)に示す熱転写シート23は、基材シート24上に転写層27が積層され、転写層27は剥離層25と可視インク層26とで構成される。熱転写シート23は、熱転写情報部21を形成するために使用される。剥離層25と基材シート24とが分離され、転写層27が被転写体へ熱転写される。可視インク層26は可視光線で視認できるインクで構成されている。剥離層25は基材シート24と可視インク層26の剥離性を高めるために設けられているが、離型剤は含まれていない。このため、可視インク層26は被転写体に対して十分な接着性を有している。以下、この熱転写シート23を可視転写シート23という。
図2(b)に示す熱転写シート33は、基材シート34上に転写層37が積層され、転写層37は剥離層35と不可視インク層36とで構成される。熱転写シート33は、非転写部32、42を形成するために使用される。不可視インク層36は可視光線では視認できないいわゆるステルスインクで構成されている。剥離層35は可視光下で透明であり、離型剤が含まれている。以下、この熱転写シート33を不可視転写シート33という。不可視転写シート33を構成する各層34、35、36について更に詳細に説明する。
不可視インク層36はバインダー樹脂と蛍光剤とで構成され、蛍光剤は無機蛍光色素でも有機蛍光色素であってもよい。不可視インク層36は、蛍光剤、バインダー樹脂、その他の添加剤等を添加したインクをグラビアコート等の公知の塗工手段を用いて塗布形成するこことができる。
本発明において使用する有機蛍光色素としては、バインダー樹脂に溶解して、常態では無色であることが望ましい。ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体、イミダゾール誘導体、クマリン誘導体、トリアゾール、カルバゾール、ピリジン、ナフタル酸、イミダゾロン等の誘導体、フルオレセイン、エオシン等の色素、アントラセン等のベンゼン環を持つ化合物などが挙げられる。具体的には可視光で無色の蛍光染料としては、EB−501(三井化学(株)製、発光色:青色)、EG−302(三井化学(株)製、発光色:黄緑色)、EG−307(三井化学(株)製、発光色:緑色)、ER−120(三井化学(株)製、発光色:赤色)、ER−122(三井化学(株)製、発光色:赤色)、蛍光増白剤と呼ばれるユビテックスOB(チバガイギー社製、発光色:青色)、ユーロピウム−テノイルトリフルオロアセトンキレート(シンロイヒ(株)、赤橙色)等を挙げることができる。
有機蛍光色素の不可視インク層36への添加量は、性能上の要求に応じて任意に決定すればよく、特に制約はないが、有機蛍光色素とバインダー樹脂との相溶性が高くない場合は、あまり有機蛍光色素の配合比を大きくすると、層中で蛍光色素が析出したりする弊害が生じる。そのため蛍光色素の配合割合は、不可視インク層全体の0.01〜50重量%程度が好ましく、さらには0.1〜20重量%程度が好ましい。
また無機蛍光色素としては、Ca、Ba、Mg、Zn、Cdなどの酸化物、硫化物、ケイ酸塩、リン酸塩、タングステン酸塩などの結晶を主成分とし、Mn、Zn、Ag、Cu、Sb、Pbなどの金属元素もしくはランタノイド類などの希土類元素を活性剤として添加して焼成して得られる顔料を用いることができる。具体的には、ZnO:Zn、Br(PO)Cl:Eu、ZnGcO:Mn、YO:Eu、Y(P、V)O:Bu、YOSi:Eu、ZnGcO:Mn等、および主に赤外線を吸収し、アップコンバージョン発光する希土類元素含有微粒子を例示できる。
バインダー樹脂と前記の無機蛍光色素の使用割合は、採用する無機蛍光色素の種類によって変化するが、一般的には樹脂/無機蛍光色素の重量比が1/0.5〜1/20、好ましくは1/5〜1/10である。蛍光材料の使用量が少なすぎると形成される層の発光性が充分ではなく、又、サーマルヘッド等での転写時における箔切れが良くない。一方、蛍光材料の使用量が多すぎると被膜形成性が劣る。
バインダー樹脂は、エチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル系樹脂、これらの樹脂の混合物等が挙げられる。バインダー樹脂としては、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタールが、蛍光色素の移行性及び転写フィルムとした場合の保存安定性が良好であることから好ましい。不可視インク層36の厚さは0.1〜5.0g/m2 に形成するのが好ましい。
剥離層35は、不可視インク層36の基材シート34からの剥離を容易にするために儲けられ、使用される樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、もしくはそれらの混合物などが挙げられる。これらの樹脂を溶剤に溶解して塗工液を作製し、該塗工液を塗布および乾燥して剥離層35が形成される。剥離層35の厚みは約0.1〜5.0μm程度である。
基材シート34は、転写の際の熱に対する耐熱性と、ある程度の強度を有し寸法安定性のあるものであればよく、例えば、紙、各種加工紙、プラスチックフィルム等が用いられる。プラスチックフィルムの材質としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチルテレフタレート、アラミド、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セロファン等が挙げられる。耐熱性基材フィルム2の厚さは、0.5〜50μmが好ましく、より好ましくは3〜10μmである。また好ましい材質は、ポリエチレンテレフタレートフィルムである。
図2(c)に示す熱転写シート50は、ホログラム転写部10、横縞転写部22a、文字転写部22b及び転写部31、41を形成するために使用され、光回折構造層としてのホログラム層51、剥離層52、及び基材シート53が順に積層されている。以下、この熱転写シート50を光回折構造転写シート50という。
ホログラム層51は、図3に示すように、計算機ホログラムで形成された「A」の字を含むホログラム部51aが一定間隔で設けられ、その周囲一面には回折格子で構成される回折格子部51bが設けられている。ホログラム部51aは熱転写されることによりホログラム転写部10を形成し、回折格子部51bは熱転写されることにより、横縞転写部22a、文字転写部22b及び転写部31、41を形成する。点線51cで示す範囲は、最終画像1の大きさを示している。尚、点線51cは説明のために示されたものであり、実際にホログラム層51に施す必要はない。
ホログラム層51に設けられたホログラム部51a及び回折格子部51bの干渉縞は、表面に凹凸パターンを有するレリーフとして記録されているもの、厚み方向に立体的に記録されているもの、又は透過率の変化による光の振幅の変化で回折が起こるように記録されているもののいずれであってもよい。具体的には、フレネルホログラム、イメージホログラム等のレーザー再生ホログラム、リップマンホログラム、レインボーホログラム等の白色光再生ホログラム、これらの原理を利用したホログラフィックスステレオグラム、カラーホログラム等がある。
これらのホログラムは従来既知の方法によって、図3に示すホログラム層51を形成するように製造すればよい。尚、ホログラム層51を構成する材料は被転写体へ転写される際に、下に位置する情報が完全に隠蔽されないような大きさ(ドット)、網かけされたドットパターン、あるいはその組み合わせで印字することにより当該情報を完全に隠蔽することがないので、透明である必要はない。
剥離層52は、ホログラム層51と基材シート53との剥離性を高めるために設けられている。構成する材料は基材シート53に応じて適宜決めればよい。上述した各熱転写シート23、50の基材シート24、53は、ある程度の剛性と耐熱性を有するものであればよい。各熱転写シート23、33、50全体の厚みは、サーマルヘッドからの熱伝導が阻害されない程度の厚みであればよい。
以下、上述した熱転写シート23、33、50を用いて、最終画像1を形成する方法を順を追って説明する。まず、最初に被転写体100上に可視転写シート23を使用して図4(a)に示すような特定の形状としての日付情報「2004/12/30」で示される熱転写情報部21を形成する。可視転写シート23の可視インク層26と被転写体100とが重ね合わさるように、可視転写シート23を被転写体100の表面に対向させ、基材シート24側からサーマルヘッドを当て、当該日付情報が被転写体100上に形成されるように加熱位置を移動させる。被転写体100は、最終的に得る記録物に応じて適宜決めればよい。
これにより、転写層27である剥離層25及び可視インク層26が基材シート24から分離されて、日付情報を形成するように被転写体100の表面に転写される。可視転写シート23は加熱されると剥離層25から分離されるため、転写先の被転写体100上では図4(b)に示すように、離型剤を含まない剥離層25が最表面となる。以上の方法によって、熱転写情報部21が形成される。
次に、被転写体100に対して、不可視転写シート33を使用することにより、図5(a)に示す「DNP」の文字情報で示される非転写部32を形成する。不可視転写シート33の不可視インク層36と被転写体100の表面とが重ね合わさるように不可視転写シート33を被転写体100に対向させる。基材シート34側からサーマルヘッドを当て、当該文字情報が被転写体100上に形成されるように加熱位置を移動させる。これにより、転写層37としての剥離層35及び不可視インク層36が基材シート34から剥離されて被転写体100へ文字情報を形成するように転写される。
不可視転写シート33は加熱されると転写層37が剥離層35から分離されるため、転写先の被転写体100上では図5(b)に示すように、離型剤を含む剥離層35が最表面となる。以上の方法によって、非転写部32が形成される。尚、図5(a)における非転写部32の文字情報「DNP」は説明の便宜上可視状態で示してあるが、剥離層35は可視光線下で透明であり、不可視インク層はステルスインクで構成されるため、実際は可視光線下では視認できない。非転写部42も非転写部32と同様の方法によって形成する。
次に、熱転写情報部21と非転写部32、42が形成された被転写体100に対して、光回折構造転写シート50を使用することにより、ホログラム転写部10、横縞転写部22a、文字転写部22b及び転写部31、41を形成する。光回折構造転写シート50のホログラム層51を被転写体100の表面に重ねる。光回折構造転写シート50の位置は、転写するホログラム部51aの位置が被転写体100上でホログラム転写部10が形成されるべき位置になるように設定する。
このように光回折構造転写シート50を位置させることにより、光回折構造転写シート50の点線51cで示した範囲と、被転写体100上に形成されるべき最終画像1の範囲とが一致する。従って、被転写体100の横縞転写部22a、文字転写部22b及び転写部31、41が形成されるべき範囲には、光回折構造転写シート50の回折格子部51bが重なる。サーマルヘッドを基材シート53側から当て、ホログラム部51aが転写されるように加熱位置を移動させる。ホログラム部51aが転写された被転写体100を図6に示す。
続いて、横縞転写部22a及び文字転写部22bを形成する。上述したように、光回折構造転写シート50の回折格子部51bが、被転写体100の横縞転写部22a及び文字転写部22bが形成されるべき範囲に重なっている状態なので、光回折構造転写シート50の位置は移動させなくてよい。横縞転写部22aが形成されるべき範囲では、回折格子部51bの回折格子が横縞状に転写されるようにサーマルヘッドの加熱位置を移動させ、かつ文字転写部22bが形成されるべき範囲では、回折格子が文字情報「HOLO」を形成するように移動させる。横縞転写部22a及び文字転写部22bが被転写体100上に形成された状態を図7に示す。
熱転写情報部21では、上述したように、最表面の剥離層25に離型剤が含まれていないため、図8(a)に示すように、転写された回折格子部51bが熱転写情報部21の剥離層25の上に転写される。従って、回折格子部51bは被転写体100上に既に形成されている熱転写情報部21上にも横縞状に形成される。以上により、第1回折格子転写部20が形成される。尚、回折格子部51bは熱転写情報部21上に横縞状に形成されるので、回折格子部51bは透明でないが熱転写情報部21を全て隠蔽することはない。
続いて、転写部31を形成する。横縞転写部22a及び文字転写部22bと同様の理由により、光回折構造転写シート50の位置は移動させなくてよい。転写部31が形成されるべき範囲に、回折格子部51bの回折格子が転写されるようにサーマルヘッドの加熱位置を移動させる。この際、非転写部32へは転写を避けなくてもよい。非転写部32では、上述したように最表面にある剥離層35に離型剤が含まれているため、非転写部32上には回折格子が転写されないからである。
これにより、図8(b)に示すように、非転写部32を避けた状態で回折格子部51bが転写される。従って、被転写部32である文字情報「DNP」の部分へは回折格子部51bは転写されない。上述したように、非転写部32の文字情報「DNP」は可視光線下で透明であるため、「DNP」の文字部分には何もなく隙間があいているような状態になる。これにより、第2回折格子転写部30が形成される。第3回折格子転写部40の形成方法は上述した第2回折格子転写部30の形成方法と同様である。以上の手順によって、最終画像1を被転写体100上に形成することができる。被転写体100全面に可視転写シート23で印字後、通常の3色プリントをする工程で、不可視転写シート33若しくは光回折構造体転写シート50でこの順若しくはこの逆の順で印字することによって、最終画像1を被転写体100上に形成してもよい。
本発明は、上述した形態に限らず種々の形態で実施してよい。例えば、本形態では最終画像1は記録物Aの全体に形成されたが、記録物Aの一部でもよい。また、熱転写のための加熱方法は、サーマルヘッドに限らず網点転写ができるものであればよく、例えばレーザー光でもよい。その場合は、各熱転写シートに光熱変換機能を持たせた層を設ける必要がある。本形態では全ての転写を熱転写方式で行ったが、非転写部32、42及び光回折構造に関する画像22a、22b、31、41の形成は熱転写方式でなくてもよい。
各熱転写シート23、33、50には、サーマルヘッド等の加熱素子との融着を防止したり、給紙性を改良するために基材シート24、34、53の外側に背面層を設けても良い。また、背面層により転写フィルムをロール状に巻とったり、シート状物を積み重ねたりした際に、背面が蛍光インク層等の表面層に接着するのを防止することができる。背面層は、耐熱滑性、離型性を有することが好ましい。背面層の材質として、硬化性シリコーンオイル、硬化性シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等の剥離性を有する材料が挙げられる。背面層の厚さは通常0.1〜3.0μmに形成される。
更に、本発明が実施可能な限りにおいて、上述した層の他に更に層が積層されてもよい。例えば、各熱転写シート23、33、50の最上部に被転写体100に対応した接着層を設けても良い。
文字転写部22bは文字情報に限らず、記号や模様等の所定の形状でもよい。また、回折格子51bが転写されて所定の形状を形成する箇所は、1箇所に限らない。熱転写情報部21に加えて可変情報を増やすことができ、使用目的が拡張すると共にセキュリティ性も高くなる。また、ホログラム転写部10、第1回折格子転写部20、第2回折格子転写部30及び第3回折格子転写部40に示される各模様や文字は、上述した態様に限らない。
また、第2回折格子転写部30及び第3回折格子転写部40の形成は、先に非転写部32、42の形状を避けるように回折格子部51bを転写してもよい。この場合は、非転写部32、42の形状に隙間が形成されるので、その隙間にステルスインクを入れればよい。後からステルスインクを入れる場合は非転写部32、42の最表面に離型剤が含まれていなくてもよい。勿論、ステルスインクでなく、通常の可視インクを用いて印字しても良い。
1 最終画像
32、42 特定領域
33 インク転写シート
36 インク層
50 光回折構造転写シート
51d 光回折構造
51 光回折構造層
100 被転写体
A 記録物
32、42 特定領域
33 インク転写シート
36 インク層
50 光回折構造転写シート
51d 光回折構造
51 光回折構造層
100 被転写体
A 記録物
Claims (6)
- 光回折構造転写シートから、光回折構造を含む光回折構造層を被転写体へその被転写体の特定領域を避けて転写する光回折構造転写工程と、
可視光下では視認できないインクで構成された不可視インク部を含むインク層が基材シート上に積層されたインク転写シートから、前記インク層を前記特定領域へ転写するインク転写工程と、
を有することを特徴とする光回折構造を有する画像の形成方法。 - 前記インク転写工程にて前記インク層が転写された後に、前記光回折構造転写工程にて、前記光回折構造層を転写する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記基材シート上には前記インク層を含む転写層が積層され、前記インク転写工程にて、前記転写層の表面に離型剤が含有されている層が残るように、前記転写層を前記被転写体へ転写する、ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
- 前記光回折構造転写工程にて前記光回折構造層が転写された後、前記インク転写工程にて前記インク層を転写すること、を特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記特定領域は線状の形状を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 可視光線下では視認できないインクで構成された不可視インク部を含むインク層が特定領域に設けられ、かつ光回折構造を含む光回折構造層が前記特定領域を避けるように設けられている画像を有する記録物。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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