JP2005288284A - ベル型霧化ヘッド及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベル型霧化ヘッド1は、基端部10から開口端部19にかけて、開口径が次第に大きくなるベル形状を有するものである。ベル型霧化ヘッド1は、少なくとも開口端部19においてベル型霧化ヘッド1の内周側をなす内筒ベル11と、内筒ベル11の外周側に配置され、少なくとも開口端部19においてベル型霧化ヘッド1の外周側をなす外筒ベル12とを組み合わせたものである。内筒ベル11は、電気比抵抗が10−6〜108Ωcmである導電性素材よりなり、外筒ベル12は、電気比抵抗が109Ωcm以上である絶縁性素材よりなる。
【選択図】図1
Description
そして、霧化状態の塗料等に負電荷を付与(帯電)して、高い塗着効率(塗料使用量の削減)を得ることを目的とした上記静電塗装装置では、上記ベル型霧化ヘッド自体が導電性を有することが必要である。
そのため、従来の静電塗装装置を用いた塗装工程では、静電安全上、工程管理を厳しくせざるを得ず、生産効率を向上する上での障害となっていた。
該ベル型霧化ヘッドは、少なくとも上記開口端部において上記ベル型霧化ヘッドの内周側をなす内筒ベルと、該内筒ベルの外周側に配置され、少なくとも上記開口端部において上記ベル型霧化ヘッドの外周側をなす外筒ベルとを組み合わせたものであり、
上記内筒ベルは、電気比抵抗が10−6〜108Ωcmである導電性素材よりなり、上記外筒ベルは、電気比抵抗が109Ωcm以上である絶縁性素材よりなることを特徴とするベル型霧化ヘッドにある(請求項1)。
そして、上記ベル型霧化ヘッドの少なくとも上記開口端部では、上記内筒ベルが内周側をなし、上記外筒ベルが外周側をなしている。
一方、上記外筒ベルは、その電気比抵抗が上記の範囲にあり、塗装対象物あるいは他のアース体への不用意なスパーク放電を防止するのに十分な高い電気抵抗を有している。
それ故、上記ベル型霧化ヘッドでは、上記開口端部から塗装対象物に向けてスパーク放電が発生するおそれを確実性高く抑制できる。
該ベル型霧化ヘッドの上記開口端部及び内周面の所望形状に対応する外周形状を有する成形型の外周側に、電気比抵抗が10−6〜108Ωcmを呈する導電性セラミックスの原料となる第1の原料粉末を配置して外方から予加圧することにより、焼成により上記内筒ベルとなる予加圧成形体を得る第1の成形工程と、
該第1の成形工程に続いて、上記成形型に配置された上記予加圧成形体の外周側に、電気比抵抗が109Ωcm以上を呈する絶縁性セラミックスの原料となる第2の原料粉末を配置して外方から加圧することにより、上記予加圧成形体よりなる第1の加圧成形体を内周側に配置すると共に、上記第2の原料粉末よりなり、焼成により上記外筒ベルとなる第2の加圧成形体を外周側に配置した2重構造の本成形体を得る第2の成形工程と、
上記本成形体を上記成形型から分離した状態で焼成又は脱脂焼成して焼成体を得る焼成工程と、
上記焼成体を加工して上記ベル型霧化ヘッドを得る仕上げ工程とを含むことを特徴とするベル型霧化ヘッドの製造方法にある(請求項5)。
そして、上記仕上げ工程では、例えば、上記焼成体の内外形状を、例えば、研削加工や研磨加工等の機械加工工程を実施して上記ベル型霧化ヘッドを完成することもできる。なお、上記仕上げ工程としては、単に、上記焼成体の成形精度等のチェックを行うものとしても良い。
金属よりなる上記内筒ベルを形成する金属加工工程と、
少なくとも上記ベル型霧化ヘッドの上記開口端部に対応する外周形状を有する成形型に、上記金属加工工程で得た上記内筒ベルを組み合わせる組み付け工程と、
上記成形型と組み合わせた上記内筒ベルの外周側に、電気比抵抗が109Ωcm以上である絶縁性素材の原料となる原料粉末を配置して外方から加圧することにより、上記内筒ベルを内周側に配置すると共に、上記原料粉末よりなり、焼成により上記外筒ベルとなる加圧成形体を外周側に配置してなる本成形体を得る成形工程と、
上記本成形体を上記成形型から分離した状態で焼成して上記ベル型霧化ヘッドを得る焼成工程とを含むことを特徴とするベル型霧化ヘッドの製造方法にある(請求項8)。
なお、上記成形型としては、金型や、ゴム型等を用いることができる。また、上記金属加工工程としては、例えば、金属粉末冶金法等の加工方法で上記内筒ベルを得るものや、切削加工等の機械加工等を利用して上記内筒ベルを得るもの等さまざまなものがある。
なお、上記焼成工程の後工程として、例えば、上記ベル型霧化ヘッドについて、研削加工や研磨加工等の機械加工工程を実施して、最終製品としての上記ベル型霧化ヘッドを完成することもできる。
金属よりなる上記内筒ベルを形成する金属加工工程と
上記ベル型霧化ヘッドの上記開口端部に対応する形状及び、上記内筒ベルの外周形状に略一致した外周形状を有する成形型の外周側に、電気比抵抗が109Ωcm以上である絶縁性素材の原料となる原料粉末を配置して外方から加圧することにより、焼成により上記外筒ベルとなる加圧成形体を得る成形工程と、
上記加圧成形体を上記成形型から分離した状態で焼成して上記外筒ベルを得る焼成工程と、
上記内筒ベルの外周側に、上記外筒ベルを接合して上記ベル型霧化ヘッドを得る接合工程とを含むことを特徴とするベル型霧化ヘッドの製造方法にある(請求項10)。
そしてその後、上記接合工程では、上記内筒ベルの外周側に上記外筒ベルを接合して、上記ベル型霧化ヘッドを作製する。
なお、例えば、上記内筒ベルの外周面と、上記外筒ベルの内周面とをすり合わせ加工しておくと、両者の接合性を一層、向上することができる。
金属よりなる上記内筒ベルを形成する金属加工工程と、
少なくとも上記ベル型霧化ヘッドの上記開口端部に対応する外周形状を有する射出成形用の金型に、上記金属加工工程で得た上記内筒ベルを組み合わせる組み付け工程と、
上記金型に組み合わせた上記内筒ベルの外周側に射出成形用の樹脂材料を射出し、上記内筒ベルと一体的に上記外筒ベルを成形することにより上記ベル型霧化ヘッドを得る射出成形工程とを含むことを特徴とするベル型霧化ヘッドの製造方法にある(請求項14)。
上記内筒ベルを作製する内筒ベル形成工程と、
上記内筒ベルの外周側に、上記外筒ベルとして、絶縁材料よりなる絶縁層を配設する絶縁層配設工程とを実施することを特徴とするベル型霧化ヘッドの製造方法にある(請求項16)。
この場合には、上記導電性素材よりなる上記内筒ベルに高電圧を印加することにより、該内筒ベルの内周面において塗料等を効率良く帯電させることができると共に、上記絶縁性素材よりなる上記外筒ベルによりスパーク放電を確実性高く抑制することができる。
さらに、上記導電性素材としては、窒化ケイ素、サイアロン、アルミナ、ジルコニア等に、カーボン、炭化物、ホウ化物、ケイ化物、窒化物、セラミックス、ペロズスカイト型酸化物等の導電性粒子を添加した複合材料を用いることもできる。
あるいは、セラミックス材料よりなる上記内筒ベルと、樹脂材料よりなる上記外筒ベルとの組み合わせの場合には、高弾性を呈する上記外筒ベルにより、上記内筒ベルを保護することができる。
この場合には、上記ベル型霧化ヘッドの全体を、2重構造を呈するように構成することで、該ベル型霧化ヘッド全体の機械的強度を向上させることができる。
上記霧化溝は、上記内筒ベルの外表面に形成した内筒溝部と、上記外筒ベルの外表面に形成した外筒溝部とを組み合わせてなることが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記第1の成形工程における上記予加圧成形体のスプリングバック量を小さくでき、上記第2の成形工程中に上記予加圧成形体が破損するおそれを抑制できる。そして、上記内筒ベルと上記外筒ベルとの接合性を向上できると共に、成形時の収縮の均一性を高めることができる。
この場合には、効率良く上記第1の成形工程或いは上記第2の成形工程を実施して、精度の良い成形が可能である。
この場合には、上記成形工程において形成した上記加圧成形体は、その後の焼成により、適切な電気的な特性を有する上記外筒ベルとなる。
そして、上記接合工程を実施すれば、内周側の金属よりなる上記内筒ベルと、外周側の電気的な絶縁性を有する上記外筒ベルとを組み合わせて、高い塗着効率と静電安全性とを両立した上記ベル型霧化ヘッドを作製することができる。
さらに、上記内筒ベルは、金属粉末冶金法や、金属射出成形法等により作製することもできる。
また、上記絶縁性素材は、セラミックス材料又は樹脂材料であることが好ましい(請求項11)。
この場合には、上記成形工程において形成した上記加圧成形体は、その後の焼成により、適切な電気的な特性を有する上記外筒ベルとなる。
この場合には、成形する上記加圧成形体の形状精度を、さらに向上することができる。
この場合には、上記内筒ベル及び上記外筒ベルを、類似した組成のセラミックス材料により形成することにより、上記内筒ベルと上記外筒ベルとの物理的な特性を近くして、例えば、温度歪み等を抑制できる。
この場合には、上記内筒ベル形成工程により、導電性セラミックスよりなる上記内筒ベルを精度良く形成することができる。
この場合には、上記内筒ベル形成工程により、金属よりなる上記内筒ベルを得ることができる。なお、上記内筒ベルを作製する金属加工方法としては、例えば、金属粉末冶金法等の加工方法で上記内筒ベルを得る方法や、切削加工等の機械加工等を利用して上記内筒ベルを得る方法等、さまざまな方法がある。
この場合には、上記外筒ベルにより、放電スパークが発生するおそれを効果的に抑制することができる。
なお、上記SiO2層又はアルミナ層は、例えば、上記内筒ベルの外周にSiO2又はアルミナを溶射することにより形成することができる。また、例えば、上記ガラス層は、上記内筒ベルを軸回りに回転させながら、その外周面に溶液状の低融点ガラスを塗布することで形成することができる。
本例は、内筒ベル11と外筒ベル12とよりなる2重構造を呈するベル型霧化ヘッド1に関する例である。本例の内容について、図1〜図12を用いて説明する。
本例のベル型霧化ヘッド1は、図1に示すごとく、基端部10から開口端部19にかけて、開口径が次第に大きくなるベル形状を有するものである。
このベル型霧化ヘッド1は、少なくとも開口端部19においてベル型霧化ヘッド1の内周側をなす内筒ベル11と、該内筒ベル11の外周側に配置され、少なくとも開口端部19においてベル型霧化ヘッド1の外周側をなす外筒ベル12とを組み合わせたものである。
ここで、内筒ベル11は、電気比抵抗が10−6〜108Ωcmである導電性素材よりなり、外筒ベル12は、電気比抵抗が109Ωcm以上である絶縁性素材よりなる。
以下に、この内容について詳しく説明する。
本例の内筒ベル11は、電気比抵抗が10−6〜108Ωcmである導電性セラミックスにより形成してある。また、本例の外筒ベル12は、電気比抵抗が109〜1013Ωcmの絶縁性セラミックスにより形成してある。
本例のベル型霧化ヘッド1の製造方法では、ベル型霧化ヘッド1の開口端部19及び内周面の所望形状に対応する外周形状を有する金型5(図3)の外周側に、電気比抵抗が10−6〜108Ωcmを呈する導電性セラミックスの原料となる第1の原料粉末を配置して外方から加圧することにより、焼成により内筒ベル11となる第1の加圧成形体110を得る第1の成形工程(図4参照。)と、該第1の成形工程に続いて、金型5に配置された加圧成形体110の外周側に、電気比抵抗が1011Ωcm以上を呈する絶縁性セラミックスの原料となる第2の原料粉末を配置して外方から加圧することにより、上記第1の加圧成形体を内周側に配置すると共に、上記第2の原料粉末よりなり、焼成により上記外筒ベルとなる第2の加圧成形体120を外周側に配置してなる2重構造の本成形体127を得る第2の成形工程(図6参照。)と、この本成形体127を金型5から分離した状態で焼成して焼成体(図示略。)を得る焼成工程と、この焼成体を加工してベル型霧化ヘッド1(図1)を得る仕上げ工程とを実施する。
金型5は、図3に示すごとく、円盤状の底部50と、その上面に形成された略円錐状あるいは円柱形状を複数段組み合わせた胴部53と、該胴部53の上方に配設された円柱状の端軸部54とを有している。さらに、金型5は、底部50の外周部に平坦な表面状態を有する平坦部51と、その内周側において上記胴部53との間に環状に存在する溝形成部52とを有してなる。
このCIP処理を行うことによって、図5に示すごとく、ゴム型6からの圧力により、第1の原料粉末が金型5に押しつけられ、その溝形成部52では、その溝形状が第1の加圧成形体110の内側開口端部119に転写される。
本例では、同図に示すごとく、ゴム型7の外方から圧力を加えるCIP処理により第2の成形工程を実施した。
次に、本例では、ベル型霧化ヘッド1の内部に塗料拡散板81(図7参照。)を配設するために、内部寸法を整える研削仕上げを行った。これにより、本例のベル型霧化ヘッド1が完成する。
それ故、本例のベル型霧化ヘッド1は、静電安全性と塗着効率とを両立することができる。 さらに、本例では、内筒ベル11は、その全体が導電性セラミックスにより形成してある。そのため、従来の金属材料や樹脂材料を素材にしている場合に比べて、摩耗しにくく、優れた耐久性を発揮する。
図9に示すごとく、内筒ベル11の先端を凸形状とした場合には、内筒ベル11の先端内周側に電界密度の高いコロナ放電を形成させることができる。
図12に示すごとく、内筒ベル11の先端全体を突出形状とした場合には、内筒ベル11の先端の内外周側にコロナ放電を発生させることができる。
本例は、実施例1のベル型霧化ヘッドを基にして、内筒ベル11の材質を、金属に変更した例である。この内容について、図1、図13及び図14を用いて説明する。
本例の内筒ベル11は、材質Moよりなり、電気比抵抗が6×10−8Ωcmを呈するものである。この内筒ベル11の形状的な仕様は、実施例1の上記内筒ベルと同一の設計仕様としてある。また、この内筒ベル11を利用して構成した本例のベル型霧化ヘッド1全体の形状的な仕様についても、実施例1の上記ベル型霧化ヘッドと同一の設計仕様としてある。
この製造方法では、金属よりなる内筒ベル11を形成する金属加工工程と、得ようとするベル型霧化ヘッド1の開口端部19に対応する外周形状を有する金型5に、内筒ベル11を組み合わせる組み付け工程と、金型5と組み合わせた内筒ベル11の外周に、電気比抵抗が1012Ωcm〜1013Ωcmを呈する絶縁性材料の原料となる原料粉末を配置して外方から加圧して、内筒ベル11の外周側に、焼成により上記外筒ベルとなる加圧成形体120を配置してなる本成形体127を得る成形工程と、この本成形体127を金型5から分離した状態で焼成してベル型霧化ヘッド1(図1)を得る焼成工程とを実施する。
ここで、この金型5は、得ようとするベル型霧化ヘッド1の開口端部19に対応した形状を呈する溝形成部52を有している。そのため、組み付け工程では、この金型5の溝形成部52と内筒ベル11の内側開口端部119の内筒溝部121とを一致させることで、この内筒ベル11を精度良く位置決めできる。それ故、この金型5を利用して作製した上記本成形体127では、その開口端部の溝形状を精度良く形成でき、内筒ベル11と、その外周側の加圧成形体120との間で溝がずれるおそれが少ない。
そして、モリブデンよりなる金属製の内筒ベル11と、絶縁性セラミックスよりなる外筒ベル12とを組み合わせた2重構造を呈する本例のベル型霧化ヘッド1によれば、実施例1の上記ベル型霧化ヘッドと同様、導電性を呈する内筒ベル11の内周面で、塗料粒子等を効率良く帯電させることができると共に、開口端部19の外周側をなす電気的絶縁性を呈する外筒ベルにより放電スパークを、確実性高く防止することができる。
さらになお、本例の金型5に代えて射出成形用の金型を用いると共に、上記粉末材料に代えて射出成形用の樹脂材料を利用して、内筒ベル11の外周側で、射出成形により樹脂製の外筒ベルを形成し、全体として本例と略同形状を呈するベル型霧化ヘッドを作成することもできる。
本例は、実施例2のベル型霧化ヘッドを、ジェラルミンよりなる金属製の内筒ベル11と、上記絶縁性セラミックスよりなる外筒ベルとを接着材を用いて接合した例である。この内容について、図1、図13及び図15を用いて説明する。
本例のベル型霧化ヘッド1の製造方法では、金属よりなる内筒ベル11を形成する金属加工工程と、ベル型霧化ヘッド1の開口端部19及び内筒ベル11の外周形状に略一致した外周形状を有する金型5の外周に、電気比抵抗が1012Ωcm〜1013Ωcmを呈する絶縁性材料の原料となる原料粉末を配置して外方から加圧し、これにより、その後の焼成により外筒ベル12となる加圧成形体120を得る成形工程と、加圧成形体120を金型5から分離した状態で焼成して外筒ベル12を得る焼成工程と、内筒ベル11の外周側に、外筒ベル12を接合してベル型霧化ヘッド1を得る接合工程とを実施する。
一方、上記成形工程は、ベル型霧化ヘッド1の開口端部19及び、内筒ベル11の外周形状に略一致した外周形状を有する金型5を用いるステップである。この工程では、組み合わせた金型5とゴム型7との間隙に、上記絶縁性セラミックスの原料となる原料粉末を配置し、該原料粉末を加圧することにより、金型5の外周形状を転写した加圧成形体120を得る。本例では、同図に示すごとく、ゴム型7によって金型5及び原料粉末を覆い、ゴム型7の外方から圧力を加えるCIP処理により加圧成形体120を作成した。
その後、上記接合工程では、個別に形成した内筒ベル11と外筒ベル12とを接着して接合する。本例では、内筒ベル11と外筒ベル12との接触面となる部分に、アラルダイト(登録商標)よりなる接着剤を塗布し、プレスすることにより両者を強固に接合して、図1に示すごとく、ベル型霧化ヘッド1を得た。
なお、その他の構成及び作用効果については、実施例2と同様である。
本例は、内筒ベルの外周側に、厚膜状の絶縁層としての外筒ベルを組み合わせたベル型霧化ヘッドの例である。この内容について、図16を用いて説明する。
本例のベル型霧化ヘッド1は、基端部10側から開口端部19にかけて、開口径が次第に大きくなるベル形状を有する内筒ベル11と、該内筒ベル11の外周側に配置され、基端部10側から開口端部19にかけて、開口径が次第に大きくなるベル形状を有する外筒ベル12とを組み合わせた2重構造を呈するものである。
このベル型霧化ヘッド1の製造方法では、該ベル型霧化ヘッド1の開口端部10及び内周面の所望形状に対応する外周形状を有する金型の外周側に、電気比抵抗が10−6〜108Ωcmを呈する導電性セラミックスの原料となる原料粉末を配置して外方から加圧することにより、焼成により内筒ベル11となる本成形体を得る成形工程と、該本成形体を成形型から分離した状態で焼成又は脱脂焼成して内筒ベル11を得る焼成工程と、内筒ベル11の外周側に、外筒ベル12として、絶縁材料よりなる絶縁層を配設する絶縁層配設工程とを行う。
この内容について、以下に説明する。
そして、上記絶縁層配設工程では、上記のごとく得られた内筒ベル11の外周側に、SiO2よりなる絶縁層12aを配設する。
なお、本例のSiO2層に代えて、絶縁層12aとしてアルミナ層を形成することもできる。また、絶縁層12aとして、ガラス層を配設することもできる。このガラス層の形成方法としては、例えば、内筒ベル11を回転させながら、その外周面に溶融した低融点ガラスを塗布等するものがある。このとき、メタルよりなるスキージーを用い、塗布する低融点ガラスの厚みを調整しながらガラス層を形成すれば、その形成精度を向上することができる。
10 基端部
11 内筒ベル
12 外筒ベル
19 開口端部
110、120 加圧成形体
127 本成形体
2 溝形成領域
21 霧化溝
5 金型
6、7 ゴム型
8 静電塗装装置
Claims (19)
- 基端部から開口端部にかけて、開口径が次第に大きくなるベル形状を有するベル型霧化ヘッドにおいて、
該ベル型霧化ヘッドは、少なくとも上記開口端部において上記ベル型霧化ヘッドの内周側をなす内筒ベルと、該内筒ベルの外周側に配置され、少なくとも上記開口端部において上記ベル型霧化ヘッドの外周側をなす外筒ベルとを組み合わせたものであり、
上記内筒ベルは、電気比抵抗が10−6〜108Ωcmである導電性素材よりなり、上記外筒ベルは、電気比抵抗が109Ωcm以上である絶縁性素材よりなることを特徴とするベル型霧化ヘッド。 - 請求項1において、上記導電性素材は、金属又は導電性セラミックス又は半導体セラミックス又は導電性樹脂であり、上記絶縁性素材は、絶縁性セラミックス又絶縁性樹脂であることを特徴とするベル型霧化ヘッド。
- 請求項1又は2において、上記ベル型霧化ヘッドは、上記基端部側から上記開口端部にかけて、開口径が次第に大きくなるベル形状を有する上記内筒ベルと、上記基端部側から上記開口端部にかけて、開口径が次第に大きくなるベル形状を有する上記外筒ベルとからなる2重構造を呈することを特徴とするベル型霧化ヘッド。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、上記開口端部には、上記ベル型霧化ヘッドの中心から外周に向けて放射状に形成された霧化溝を所定のピッチで多数配設してなる環状の溝形成領域を形成してあり、
上記霧化溝は、上記内筒ベルの外表面に形成した内筒溝部と、上記外筒ベルの外表面に形成した外筒溝部とを組み合わせてなることを特徴とするベル型霧化ヘッド。 - 基端部側から開口端部にかけて、開口径が次第に大きくなるベル形状を有する内筒ベルと、該内筒ベルの外周側に配置され、上記基端部側から上記開口端部にかけて、開口径が次第に大きくなるベル形状を有する外筒ベルとを組み合わせた2重構造を呈するベル型霧化ヘッドの製造方法において、
該ベル型霧化ヘッドの上記開口端部及び内周面の所望形状に対応する外周形状を有する成形型の外周側に、電気比抵抗が10−6〜108Ωcmを呈する導電性セラミックスの原料となる第1の原料粉末を配置して外方から予加圧することにより、焼成により上記内筒ベルとなる予加圧成形体を得る第1の成形工程と、
該第1の成形工程に続いて、上記成形型に配置された上記予加圧成形体の外周側に、電気比抵抗が109Ωcm以上を呈する絶縁性セラミックスの原料となる第2の原料粉末を配置して外方から加圧することにより、上記予加圧成形体よりなる第1の加圧成形体を内周側に配置すると共に、上記第2の原料粉末よりなり、焼成により上記外筒ベルとなる第2の加圧成形体を外周側に配置した2重構造の本成形体を得る第2の成形工程と、
上記本成形体を上記成形型から分離した状態で焼成又は脱脂焼成して焼成体を得る焼成工程と、
上記焼成体を加工して上記ベル型霧化ヘッドを得る仕上げ工程とを含むことを特徴とするベル型霧化ヘッドの製造方法。 - 請求項5において、上記第1の成形工程において上記第1の原料粉末に作用する加圧力は、上記第2の成形工程において上記第2の原料粉末に作用する加圧力よりも低く設定することを特徴とするベル型霧化ヘッドの製造方法。
- 請求項5又は6において、上記第1の成形工程及び上記第2の成形工程のうち、少なくともいずれか一方の工程は、CIP又はWIP又はプレス成形又はスリップキャスト法又は低圧射出法を用いた工程であることを特徴とするベル型霧化ヘッドの製造方法。
- 基端部側から開口端部にかけて、開口径が次第に大きくなるベル形状を有する内筒ベルと、該内筒ベルの外周側に配置され、上記基端部側から上記開口端部にかけて、開口径が次第に大きくなるベル形状を有する外筒ベルとを組み合わせた2重構造を呈するベル型霧化ヘッドの製造方法において、
金属よりなる上記内筒ベルを形成する金属加工工程と、
少なくとも上記ベル型霧化ヘッドの上記開口端部に対応する外周形状を有する成形型に、上記金属加工工程で得た上記内筒ベルを組み合わせる組み付け工程と、
上記成形型と組み合わせた上記内筒ベルの外周側に、電気比抵抗が109Ωcm以上である絶縁性素材の原料となる原料粉末を配置して外方から加圧することにより、上記内筒ベルを内周側に配置すると共に、上記原料粉末よりなり、焼成により上記外筒ベルとなる加圧成形体を外周側に配置してなる本成形体を得る成形工程と、
上記本成形体を上記成形型から分離した状態で焼成して上記ベル型霧化ヘッドを得る焼成工程とを含むことを特徴とするベル型霧化ヘッドの製造方法。 - 請求項8において、上記絶縁性素材は、セラミックス材料であることを特徴とするベル型霧化ヘッドの製造方法。
- 基端部側から開口端部にかけて、開口径が次第に大きくなるベル形状を有する内筒ベルと、該内筒ベルの外周側に配置され、上記基端部側から上記開口端部にかけて、開口径が次第に大きくなるベル形状を有する外筒ベルとを組み合わせた2重構造を呈するベル型霧化ヘッドの製造方法において、
金属よりなる上記内筒ベルを形成する金属加工工程と
上記ベル型霧化ヘッドの上記開口端部に対応する形状及び、上記内筒ベルの外周形状に略一致した外周形状を有する成形型の外周側に、電気比抵抗が109Ωcm以上である絶縁性素材の原料となる原料粉末を配置して外方から加圧することにより、焼成により上記外筒ベルとなる加圧成形体を得る成形工程と、
上記加圧成形体を上記成形型から分離した状態で焼成して上記外筒ベルを得る焼成工程と、
上記内筒ベルの外周側に、上記外筒ベルを接合して上記ベル型霧化ヘッドを得る接合工程とを含むことを特徴とするベル型霧化ヘッドの製造方法。 - 請求項10において、上記絶縁性素材は、セラミックス材料又は樹脂材料であることを特徴とするベル型霧化ヘッドの製造方法。
- 請求項10又は11において、上記成形工程では、少なくとも上記ベル型霧化ヘッドの上記開口端部に対応する外周形状を有する金型又はゴム型と、上記内筒ベルと略同一形状の芯金とを組み合わせてなる上記成形型を用い、上記原料粉末を、軸方向に一軸加圧又は外方より等方加圧し、上記接合工程では、その前工程として、上記焼成工程で得た上記外筒ベルの内周面を、上記内筒ベルに嵌合可能な形状に加工する機械加工工程を実施することを特徴とするベル型霧化ヘッドの製造方法。
- 請求項12において、上記芯金は、上記外筒ベルの成形過程及び焼成過程で生じる寸法変形を考慮した形状であることを特徴とするベル型霧化ヘッドの製造方法。
- 基端部側から開口端部にかけて、開口径が次第に大きくなるベル形状を有する内筒ベルと、該内筒ベルの外周側に配置され、上記基端部側から上記開口端部にかけて、開口径が次第に大きくなるベル形状を有する外筒ベルとを組み合わせた2重構造を呈するベル型霧化ヘッドの製造方法において、
金属よりなる上記内筒ベルを形成する金属加工工程と、
少なくとも上記ベル型霧化ヘッドの上記開口端部に対応する外周形状を有する射出成形用の金型に、上記金属加工工程で得た上記内筒ベルを組み合わせる組み付け工程と、
上記金型に組み合わせた上記内筒ベルの外周側に射出成形用の樹脂材料を射出し、上記内筒ベルと一体的に上記外筒ベルを成形することにより上記ベル型霧化ヘッドを得る射出成形工程とを含むことを特徴とするベル型霧化ヘッドの製造方法。 - 請求項14において、上記内筒ベルは、半導体セラミックスよりなり、上記外筒ベルは、絶縁性セラミックスよりなることを特徴とするベル型霧化ヘッドの製造方法。
- 基端部側から開口端部にかけて、開口径が次第に大きくなるベル形状を有する内筒ベルと、該内筒ベルの外周側に配置され、上記基端部側から上記開口端部にかけて、開口径が次第に大きくなるベル形状を有する外筒ベルとを組み合わせた2重構造を呈するベル型霧化ヘッドの製造方法において、
上記内筒ベルを作製する内筒ベル形成工程と、
上記内筒ベルの外周側に、上記外筒ベルとして、絶縁材料よりなる絶縁層を配設する絶縁層配設工程とを実施することを特徴とするベル型霧化ヘッドの製造方法。 - 請求項16において、上記内筒ベル形成工程では、上記該ベル型霧化ヘッドの上記開口端部及び内周面の所望形状に対応する外周形状を有する成形型の外周側に、電気比抵抗が10−6〜108Ωcmを呈する導電性セラミックスの原料となる原料粉末を配置して外方から加圧することにより、焼成により上記内筒ベルとなる本成形体を得て、その後、該本成形体を上記成形型から分離した状態で焼成又は脱脂焼成して上記内筒ベルを得ることを特徴とするベル型霧化ヘッドの製造方法。
- 請求項16において、上記内筒ベル形成工程では、金属加工により金属よりなる上記内筒ベルを作製することを特徴とする小型霧化ヘッドの製造方法。
- 請求項16〜18のいずれか1項において、上記絶縁層は、SiO2層又はアルミナ層又はZrO2層又はTiO2層又はガラス層であることを特徴とするベル型霧化ヘッドの製造方法。
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