JP2005287163A - モータ装置と電動工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータ能力を有効に活用できる技術を提供する。
【解決手段】モータ装置は、電動モータと、電動モータの回転速度を検出する速度検出手段と、電動モータに通電する電流を所定値以下に制限する電流制限手段と、速度検出手段で検出された速度指標に基づいて電流制限手段で用いる所定値を増減する手段を有している。電動モータの回転速度を指示する速度指示手段と、速度指示手段で指示された回転速度に電動モータの回転速度を調節する速度調節手段をさらに有しているときには、速度検出手段が、速度指示手段の指示指標に基づいて回転速度を検出するようにしてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動モータと駆動装置で構成されるモータ装置と、そのモータ装置を備える電動工具に関する。特に電動モータに通電する電流を制限することによって電動モータの過熱を防止する技術に関する。本明細書では、特に明記しない限り、「モータ」は電動モータを意味する。
モータに過大な電流を通電すると、モータ巻線が過熱し、モータ巻線の絶縁低下や焼損等を引き起こす可能性がある。そのために、モータの駆動装置は、モータに通電する電流を所定値以下に制限する電流制限手段を備えていることが多い。
特許文献1に、電流制限手段の一例が開示されている。この電流制限手段では、短時間なら通電してもモータを過熱させない程度の過大電流と、短時間でもモータを過熱させる過大電流に区分し、前者であれば所定時間以上継続して通電する時に通電を遮断し、後者であれば瞬時に通電を遮断する。
特開2001−103788号公報
モータ巻線の発熱量は、通電電流に追従して増大する。従来の技術は、発熱量の面からモータの過熱を防止する技術であるということができる。
本願発明者は、モータが過熱するか否かは発熱量だけでは決まらず、冷却量にも関連することに着目した。例えば、モータに送風してモータを冷却するファンを備えるモータ装置が普及している。このようなモータ装置では、モータの回転速度が速いほどよく冷却される。発熱量が同じであっても、モータが高速回転してよく冷却されていればモータは過熱されないのに対し、モータが低速回転していてあまり冷却されなければモータは過熱してしまう。換言すれば、モータの回転速度が速いときには、より多くの電流をモータに通電しても、モータ巻線が過熱されることはない。
従来技術は、冷却量を加味せずに発熱量のみからモータの過熱を防止する技術であることから、冷却量が小さい場合にも過熱を防止できる電流で制限せざるを得ない。冷却量が大きいためにさらに多くの電流を流して過熱しない状況でも、電流を制限してしまう。このために、モータ能力を活用しきれないという問題を残している。
本発明では、上記の問題を解決し、モータ能力を有効に活用できる技術を提供する。冷却量が大きいために多くの電流を流して過熱しない状況では、冷却量が小さい場合には制限してしまう電流値を超えても制限しないようにして、モータ能力を有効に活用する。
なお、モータの回転速度に依存して冷却能力が変化する現象は、モータで冷却ファンを回転させるモータ装置に限られない。例えば、モータの回転によってモータ自体が移動する場合にも、回転速度に依存して冷却能力が変化する。送風機用のモータも同様である。
本発明が提供するモータ装置は、モータと、モータの回転速度を検出する速度検出手段と、モータに通電する電流を所定値以下に制限する電流制限手段と、速度検出手段で検出された速度指標に基づいて電流制限手段で用いる所定値を増減する手段を備える。
上記のモータ装置では、モータ回転速度に基づいてモータに通電する最大電流値を増減する。通電電流値が同じであっても、回転速度が速いほど冷却量が増大してモータ巻線の到達温度が低くなり、回転速度が遅いほど冷却量が減少してモータ巻線の到達温度が高くなるようなモータに対しては、モータ回転速度が高速であるときには最大電流値を高く設定し、低速であるときには最大電流値を低く設定する。逆に、通電電流値が同じであっても、回転速度が速いほど冷却量が減少してモータ巻線の到達温度が高くなり、回転速度が遅いほど冷却量が増大してモータ巻線の到達温度が低くなるようなモータに対しては、モータ回転速度が高速であるときには最大電流値を低く設定し、低速であるときには最大電流値を高く設定する。前者のモータには、冷却ファンを備えるモータ装置や、自身が移動するモータ装置が例示され、後者のモータには、高速回転するほど摩擦熱を発生する回転体に内蔵されているモータを例示することができる。
本発明のモータ装置によると、モータ巻線の到達しうる温度がほぼ同一レベルになるように、モータに通電する電流が制限される。モータ能力が無用に制限されることがなく、モータの過熱を防止することができる。
本発明のモータ装置は、モータを様々な回転速度で駆動する場合に特に有効であり、高速回転時には高速回転状態で過熱しない能力の限界内でモータを活用することができ、低速回転時には低速回転状態で過熱しない能力の限界内でモータを活用することができる。
モータの回転速度は、例えばパルスセンサ等をモータの近傍に配置し、その出力信号からモータの実際の回転速度を検出することができる。
あるいは、モータの回転速度を指示する速度指示手段と、速度指示手段で指示された回転速度にモータの回転速度を調節する速度調節手段を有しているモータ装置の場合には、速度指示手段の指示指標を速度検出手段で検出した速度指標としてもよい。
速度調節手段で指示速度と実際速度が一致するように調節されることから、指示速度から実際速度を知るようにしてもよい。この場合、モータ装置の構成を簡単化することができる。
本発明は、電動工具に特に適している。本発明を適用した電動工具は、工具を運動させる工具駆動機構と、工具駆動機構にトルクを加えるモータと、モータによって駆動されてモータに送風するファンと、モータの回転速度を検出する速度検出手段と、モータに通電する電流を所定値以下に制限する電流制限手段と、速度検出手段で検出された速度指標が高速時には電流制限手段で用いる所定値を増大させるとともに低速時には減少させる手段を備えている。
電動工具は、その作業内容によって工具の運動速度を様々に変化させて使用する。また工具にかかる負荷も様々に変化する。高負荷状態では大電流を通電し、低負荷では低電流を通電する。様々な通電状態が存在し、同じ電流であって同じレベルの発熱量であっても、低速回転しているために過熱する場合もあれば、高速回転しているために過熱しない場合もある。
本発明の電動工具によると、モータが過熱しない能力の限界内で電動工具を活用することができる。
本発明により、モータの通電電流を制限することによってモータの過熱を防止することができ、同時に過度に制限することによってモータ能力を不必要に減殺することを防止できる。
最初に、以下に説明する実施例の主要な特徴を列記する。
(形態1)モータの駆動回路は、電源とモータの間を導通/遮断する半導体素子を備えている。
(形態2)モータの駆動回路は、半導体素子の動作を制御する集積回路を備えている。
(形態3)モータの駆動回路は、電源とモータの間を導通する時間と遮断する時間の割合を変化させて、モータの回転速度を変化させる。
(形態4)モータの駆動回路は、モータに指示する指示速度と、モータの実際の回転速度を比較して、電源とモータの間を導通する時間と遮断する時間の割合を変化させる。
(実施例1) 以下、本発明を具現化した実施例1のモータの駆動回路について、図面を参照して説明する。図1は、電動工具に搭載されるモータの駆動回路50の構成を模式的に示している。駆動回路50は、同じ電動工具に搭載されるモータMを駆動する。モータMは単相交流用のモータであり、本実施例の駆動回路50は、単相交流モータを駆動する回路に本発明の技術を利用したものである。図1に示すように、駆動回路50は、単相交流電源40に接続されて用いられる。
図1に示すように、駆動回路50は、メインスイッチS1と、電源40から供給される交流電力の導通を制御する半導体素子(トライアックQ2)と、トライアックQ2の点弧タイミングを制御する集積回路(IC)60と、モータMの通電電流を検出するためのシャント抵抗R11と、モータMの回転速度に対応する周波数の信号を出力するタコジェネレータTGと、モータMの指示速度に対応する電圧を出力する速度指示回路100と、モータMに通電する電流の最大値をモータMの指示速度に基づいて増減するための速度/電流制限回路110を主体に構成されている。
IC60は、一つの入力端子P10からモータMの指示速度に対応する電圧を入力し、一つの入力端子P11からモータMの回転速度に対応する電圧を入力し、出力端子P4からトライアックQ2にオン信号(ゲートオン信号)を出力して、モータMの回転速度を指示速度にフィードバック制御する集積回路である。IC60には、例えばドイツのATMEL社製のU211B2を用いることができる。
モータMの指示速度に対応する電圧を入力するIC60の入力端子P10には、速度指示回路100が接続されている。詳しくは後述するが、速度指示回路100は、モータMの指示速度に対応する電圧を生成する。その様子を図3に示す。図3のグラフは、横軸に時刻を示しており、縦軸に入力端子P10に入力される電圧U10を示している。図中の直線1は、モータMの指示速度が高速である場合を示している。図中の直線2は、モータMの指示速度が低速である場合を示している。モータMの指示速度を上記の高速から低速まで変化させると、入力端子P10に入力される電圧U10も対応して連続的に変化する。図3に示すように、モータMの指示速度が高速であるほど、入力端子P10に入力される電圧U10は高くなる。
IC60の回転速度に対応する電圧を入力する端子P11には、周波数を電圧に変換する周波数/電圧変換器62を介して、タコジェネレータTGが接続されており、モータMの回転速度に対応する電圧が、IC60の入力端子P11に入力される。その様子を図4に示す。図4のグラフは、横軸に時刻を示しており、縦軸に入力端子P11に入力される電圧U11を示している。図中の直線5は、モータMの回転速度が高速である場合を示している。図中の直線6は、モータMの回転速度が低速である場合を示している。モータMの回転速度が上記の高速から低速まで変化すると、入力端子P11に入力される電圧U11も対応して連続的に変化する。図4に示すように、モータMの回転速度が高速であるほど、入力端子P11に入力される電圧U11は高くなる。
図1に示すように、IC60には、電源回路64と、基準電圧発生回路66と、電圧監視回路68が内蔵されている。メインスイッチS1がオンされると、交流電源40から供給される交流電流は、ダイオードD1により半波整流され、抵抗R1とコンデンサC1で平滑化される。この半波整流されて平滑化された電流が、入力端子P2、P3から電源回路64に供給される。その電力を受けて、基準電圧発生回路66は端子P16に安定した基準電圧を供給出力する。この基準電圧はマイナスの電圧であり、詳しくは略マイナス8.9ボルトである。電圧監視回路68は、電源回路64の動作状態を監視すると共に、電源回路64からIC60の各部に動作電力を供給する。
IC60には、電圧比較回路OP1と、電圧/電流検出回路72と、パルス出力回路74と、位相制御回路76と、周波数/電圧変換器62と、ソフトスタート回路78と、自動再トリガ回路80と、負荷制限回路82と、電流制限回路84と、パルスブロック回路86等が内蔵されている。
電圧比較回路OP1は、IC60の入力端子P10の電圧U10と、IC60の入力端子P11の電圧U11を比較し、その比較結果に基づく電圧を位相制御回路76に出力する回路である。この電圧比較回路OP1の出力する電圧を電圧U12とする。電圧比較回路OP1の出力には、コンデンサC4とコンデンサC3を介して入力端子P10が接続されており、電圧比較回路OP1が出力する電圧U12は、基本的には入力端子P10に入力される電圧U10と連動して増減する。その様子を図5に示す。図5は、横軸に時刻を示し、縦軸に電圧比較回路OP1の出力する電圧U12を示す。図5に示すように、モータMの指示速度が高速のときには高い電圧が出力され(図中の直線12)、モータMの指示速度が低速のときには低い電圧が出力される(図中の直線17)。ただし、入力端子P10の電圧U10よりもIC60の入力端子P11の電圧U11の方が小さいとき、即ち、指示速度に比して回転速度が遅いときには出力電圧を高く修正する(図中の直線13、18)。一方、入力端子P10の電圧U10よりもIC60の入力端子P11の電圧U11の方が大きいとき、即ち、指示速度に比して回転速度が速いときには出力電圧を低く修正する(図中の直線11、16)。
電圧/電流検出回路72は、入力端子P1、P17から入力される電圧から、モータMに印加される正弦波電圧等を検出する回路である。
パルス出力回路74は、トライアックQ2へ入力するゲートオン信号を生成し、出力端子P4から出力する回路である。
位相制御回路76は、電圧比較回路OP1の出力信号に基づいて、パルス出力回路9がゲートオン信号を出力するタイミングを制御する回路である。
周波数/電圧変換器62は、タコジェネレータTGの出力信号を入力端子P8から入力し、タコジェネレータTGの出力信号の周波数に対応する電圧を出力端子P9に出力する回路である。先に図4で示したように、周波数/電圧変換器62からは、モータMの回転速度が高速であるほど高い電圧が出力される。入力端子P8は、抵抗R8やコンデンサC8を介してタコジェネレータTGが接続されている。
負荷制限回路82は、シャント抵抗R11の両端に発生する電圧を、抵抗R13を介して端子P14から入力し、入力した電圧に比例する電流を端子P15から出力すると共に、端子P15の電圧を監視する回路である。端子P15には抵抗R12とコンデンサC12からなる並列回路が接続されており、端子P15には負荷制限回路82が出力した電流に比例した電圧が発生する。シャント抵抗11の両端に発生する電圧はモータMに通電している電流と対応するので、端子P15には、モータMに通電する電流に対応する電圧が発生する。端子P15の電圧を電圧U15とし、その様子を図6に示す。図6のグラフは、横軸にモータMの通電電流をとり、縦軸に端子P15の電圧U15をとったグラフであり、図中の線25がモータMの通電電流と端子P15の電圧U15の関係を示している。図6に示すように、モータMの通電電流が大きくなるほど、端子P15の電圧U15は高くなる。負荷制限回路82は端子P15に発生する電圧を監視し、端子P15の電圧が所定値を超えた時に電流制限部84へ指令を与える。
電流制限回路84は、負荷制限回路82の指令を受けて、モータMの通電電流を制限するように動作する回路である。電流制限回路84は、負荷制限回路82から指令を受けると、端子P12から電流を引き込んで電圧U12を低下させる。それにより、位相制御回路76に入力される電圧U12は、急激に低下する。
ソフトスタート回路78は、周波数/電圧変換器62の出力電圧を入力し、端子P13に接続されたコンデンサC5を充電する回路である。この充電回路によって、メインスイッチS1をオン操作した際に、モータMが急速に回転することが防止される。自動再トリガ回路80は、ミストリガを補うための回路である。
図1に示すように、速度指示回路100は、抵抗R15と可変抵抗R5と抵抗R16が直列に接続された直列回路を備えている。抵抗R15の上端はIC60の端子P2と接続されており、略ゼロボルトの電圧が印加されている。抵抗R16の下端はIC60の端子P16と接続されて、基準電圧発生回路66が出力する基準電圧(略マイナス8.9ボルト)が印加されている。
速度指示回路100は、可変抵抗R5の抵抗値と抵抗R16の抵抗値を加算した加算抵抗値と、抵抗R15の抵抗値の比によって基準電圧を分圧し、その分圧した電圧を抵抗R17を介して出力する。その出力電圧はIC60の入力端子P10に入力される。なお、コンデンサC2は、入力端子P10の電圧U10の変化に時定数を与えるものである。
可変抵抗R5の抵抗値は、電動工具に設けられた指示速度調節部材S2の調節位置に連動して変化する。指示速度調節部材S2の調節位置が高速側であるときには抵抗値R5は高く、指示速度調節部材S2の調節位置が低速側であるときには抵抗値R5は低くなる。電動工具の利用者が指示速度調節部材S2を調節することにより、可変抵抗R5の抵抗値が変化して、入力端子P10に入力される電圧U10が変化する。先に図3に示したように、指示速度調節部材S2を高速側に調節したときには入力端子P10に入力される電圧U10は高くなり、指示速度調節部材S2を低速側に調節したときには入力端子P10に入力される電圧U10は低くなる。
図1に示すように、速度/電流制限回路110は、IC60の端子P15に接続されている。図2に、速度/電流制限回路110の構成を示す。図2に示すように、速度/電流制限回路110には、オペアンプOP2と、オペアンプの出力端子がベース端子に接続されたトランジスタTR1が内蔵されている。オペアンプOP2の反転端子(図中−)にはIC60の端子P15が接続されており、モータMの通電電流に対応する電圧U15が入力される。オペアンプOP2の非反転端子(図中+)にはIC60の入力端子P10が接続されており、モータMの指示速度に対応する電圧U10が入力される。モータMの指示速度に対応する電圧U10の方が、モータMの通電電流に対応する電圧U15よりも高いときは、オペアンプOP2はハイレベル(略ゼロボルト)を出力する。モータMの通電電流に対応する電圧U15の方が、モータMの指示速度に対応する電圧U10よりも高いときは、オペアンプOP2はロウレベル(略マイナス8.9ボルト)を出力する。オペアンプOP2の出力がロウレベルとなると、トランジスタTR1はオン状態となり、端子P15の電圧U15を略ゼロボルトまで上昇させる。即ち、端子P15の電圧U15は、モータMに無限大の電流が通電したときに対応する電圧に上昇する。
先に示した図6には、モータMの通電電流に対応する電圧U15(図中の符号25)と共に、図3に示したモータMの指示速度に対応する電圧U10(図中の符号1、2)が併せて示されている。図6に示すように、モータMの指示速度が高速であるときは、モータMに通電する電流が電流値CR2を超えた時に、モータMの通電電流に対応する電圧U15の方が、モータMの指示速度に対応する電圧U10よりも高くなる。このとき、オペアンプOP2の出力がロウレベルとなり、トランジスタTR1がオン状態となって、端子P15の電圧U15が略ゼロボルトまで上昇する。一方、モータMの指示速度が低速であるときは、モータMに通電する電流が電流値CR1を超えた時に、モータMの通電電流に対応する電圧U15の方が、モータMの指示速度に対応する電圧U10よりも高くなる。このとき、オペアンプOP2の出力がロウレベルとなり、トランジスタTR1がオン状態となって、端子P15の電圧U15が略ゼロボルトまで上昇する。図6から明らかなように、電流値CR1よりも電流値CR2は大きく、指示速度調節部材S2で指示されたモータMの指示速度が高速であるほど、モータMに通電している電流がより大きなときに、速度/電流制限回路110は端子P15の電圧U15を略ゼロボルトまで上昇させる。
端子P15の電圧U15が上昇することにより、負荷制限回路82は電流制限回路84へ指令を与え、電流制限回路84はモータMの通電電流を制限するように動作する。
図1に示すように、IC60の端子P1、P17、P14には、それぞれ抵抗R2、R3、R13が接続されており、端子P9にはコンデンサC9が接続されている。端子P12には、コンデンサC4、抵抗R7とコンデンサC7の直列回路、抵抗R14に抵抗R6とコンデンサC6の並列回路が直列に接続された回路等が並列に接続されている。
次に、本実施例の駆動回路50が駆動するモータMについて説明する。モータMは、その駆動軸にファンFを備えている。モータMが回転駆動するとファンFも回転し、ファンFはモータMに向けて送風する。モータMの回転速度が高速であるほど、モータMに向けて送風される風量は多くなり、モータMはよりよく冷却される。
図7は、モータMに通電する電流を一定とし、モータMの回転速度とモータMの巻線近傍で測定した温度の関係を示す。図7に示すように、モータMに通電している電流が一定であっても、モータMの回転速度が高速であると、モータMの巻線近傍の温度は低くなる。
上記構成の駆動回路50の動作について説明する。電動工具の利用者が指示速度調節部材S2を操作して位置を調節し、次にメインスイッチS1をオンすると、交流電源40から供給される交流電流は、ダイオードD1により半波整流され、抵抗R1とコンデンサC1で平滑化され、この半波整流されて平滑化された電流が電源回路64に供給され、基準電圧発生回路66が端子P16に安定した基準電圧(略マイナス8.9ボルト)を発生する。
位相制御回路76は電源回路64から動作電源の供給を受けて、電圧/電流検出回路72で検出される交流電源40に同期する鋸波電圧を生成する。その様子を図8に示す。図8(A)は、横軸に時刻をとり、縦軸に電圧(基準電圧のスケール)をとって、位相制御回路76が生成する鋸波電圧21を示している。図8(B)は、横軸に時刻をとり、縦軸に電圧(電源電圧のスケール)をとって、交流電源40の正弦波電圧23を示している。図8(A)、(B)に示すように、鋸波電圧21と交流電源40の正弦波電圧23は、周期Tで同期している。また、図8(A)には、電圧比較回路OP1から出力される電圧U12を併せて示している。図中の直線11、12、13、17は、先に図5を用いて説明した直線11、12、13、17で示される電圧U12に対応する。
位相制御回路76は、この鋸波電圧21と電圧比較回路OP1から出力される電圧U12を比較し、後者が前者を上回るタイミングにおいてパルス出力回路74にタイミング信号を送る。パルス出力回路74は、そのタイミング信号を受けたときにトライアックQ2のゲートにゲートオン信号を送ってトライアックQ2を点弧させる。例えば図8(A)に示すように、電圧比較回路OP1から出力される電圧U12が、直線12で示される場合(指示速度が高速の場合)、時刻t2においてトライアックQ2が点弧される。そのとき、図8(B)に示すように、時刻t2〜時刻t4の間、モータMに電源電力が供給される。電圧比較回路OP1から出力される電圧U12が、直線17で示される場合(指示速度が低速の場合)、時刻t3においてトライアックQ2が点弧される。図8(B)に示すように、時刻t3〜時刻t4の間、モータMに電源電力が供給される。図8(B)に示すように、モータMの指示速度が高速であるほど、モータMに通電される時間は長くなり、モータMはより高速で運転する。
図8(A)に示すように、電圧比較回路OP1から出力される電圧U12は、基本的には、指示速度が高速なときには高く(図中直線12)、指示速度が低速なときには低い(図中直線17)。ただし、指示速度に比して回転速度が遅いときは出力電圧U12が高く修正される(図中の直線11)。一方、指示速度に比して回転速度が速いときは出力電圧U12が低く修正される(図中の直線13参照)。それにより、図8(B)に示すように、モータMの回転速度が指示速度よりも遅いときは、トライアックQ2の点弧タイミングが早められ、モータMの回転速度が増大する。一方、モータMの回転速度が指示速度よりも速いときは、トライアックQ2の点弧タイミングを遅らせて、モータMの回転速度を減少させる。このフィードバック制御によって、モータMの回転速度は指示速度に調節される。
なお、図1に示すように、トライアックQ2には、動作安定用コンデンサC10および抵抗R10からなる直列回路が並列に接続されている。
上記のように、指示速度調節部材S2で設定された速度を目標値として、モータMの回転速度はフィードバック制御される。このフィードバック制御により、モータMに掛かる負荷が増大すると、モータMに通電する電流値が増大する。先に説明したように、モータMに通電している電流値は、端子P15の電圧U15に変換され、端子P15の電圧U15は負荷制限回路82によって監視されている。
また、端子P15の電圧U15は、速度/電流制限回路110によっても監視されている。モータMの通電電流が増大し、端子P15の電圧U15がモータMの指示速度に対応する電圧U10を超えると、速度/電流制限回路110は端子P15の電圧U15を急激に上昇させる。端子P15の電圧U15が所定値を超えると、負荷制限回路82が電流制限回路84に指令し、その指令を受けて電流制限回路84は位相制御回路76に入力される電圧U12を急激に低下させる。図8(A)中の直線27は、そのときの電圧U12を示している。図8(A)に示すように、電圧U12が低下することにより、トライアックQ2の点弧タイミングが遅くなって、モータMへの通電電流が制限される。
このように、駆動回路50によると、モータMの巻線に過大な電流が通電することが禁止され、巻線が過熱して絶縁不良や焼損等が発生することが防止される。
図7に示したように、モータMの巻線近傍で測定される温度は、通電電流が一定であっても回転速度によって変化する。モータMの回転速度が高速であるほど、モータMの巻線近傍で測定される温度は低くなり、モータMの回転速度が低速であるほど、モータMの巻線近傍で測定される温度は高くなる。モータMに通電する電流の制限値を、モータMの回転速度によらず画一的に規定してしまうと、モータMの巻線の到達しうる温度がモータMの回転速度によって差が生じてしまう。モータMの回転速度が高速であるときには、モータMの巻線の到達温度は低く、モータMの巻線が許容する温度に対して過大な余裕が生じ、モータMの能力を無用に制限してしまうことになる。一方、モータMの回転速度が低速であるときには、モータMの巻線の到達温度は高くなり、モータMの巻線が許容する温度に対して余裕が生じず、モータMの巻線を損傷する可能性が高くなる。
駆動回路50では、モータMの通電電流の制限値が、モータMの指示速度に基づいて変化する。モータMの指示速度が高速のときには、大きな電流が流れることを許容し、モータMの指示速度が低速のときには、通電を許容する電流を小さくする。それにより、モータMの回転速度が高速のときには、大きな電流が流れることが許容され、モータMの回転速度が低速のときには、通電が許容される電流は小さくなる。
駆動回路50によってモータMを駆動することにより、モータMの回転速度を変化させても、モータMの巻線が到達しうる温度の差は小さくなる。駆動回路50は、モータへ通電する電流を適切に制限することにより、モータMをより確かに保護すると共に、モータMの能力を無用に制限することもない。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本実施例では、単相交流モータを駆動する回路に本発明の技術を適用した例を説明しがが、本発明の技術はモータを駆動する電源の形態には限定されない。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
実施例のモータの駆動回路の構成を示す図。 速度/電流制限回路を示す回路図。 集積回路に入力される指示速度に対応する電圧を示す図。 集積回路に入力される回転速度に対応する電圧を示す図。 電圧比較回路から出力される電圧を示す図。 モータに通電している電流に対応して端子P15に発生する電圧を示す図。 モータの回転速度とモータの巻線近傍の温度の関係を示す図。 位相制御回路の動作を説明する図。
符号の説明
F・・冷却ファン
M・・モータ
OP1・・電圧比較回路
Q2・・トライアック
S1・・メインスイッチ
S2・・指示速度調節部材
TG・・タコジェネレータ
40・・単相交流電源
50・・駆動回路
60・・集積回路
62・・周波数電圧変換回路
64・・電源回路
66・・基準電圧回路
68・・電圧監視回路
72・・電圧/電流検出回路
74・・パルス出力回路
76・・移相制御回路
78・・ソフトスタート回路
80・・自動再トリガ回路
82・・負荷制限回路
84・・電流制限回路
100・・速度指示部
110・・速度/電流制限回路

Claims (3)

  1. 電動モータと、
    電動モータの回転速度を検出する速度検出手段と、
    電動モータに通電する電流を所定値以下に制限する電流制限手段と、
    速度検出手段で検出された速度指標に基づいて電流制限手段で用いる所定値を増減する手段と、
    を有するモータ装置。
  2. 電動モータの回転速度を指示する速度指示手段と、
    速度指示手段で指示された回転速度に電動モータの回転速度を調節する速度調節手段をさらに有し、
    速度検出手段は、速度指示手段の指示指標に基づいて回転速度を検出することを特徴とする請求項1に記載のモータ装置。
  3. 工具を運動させる工具駆動機構と、
    工具駆動機構にトルクを加える電動モータと、
    電動モータによって駆動されて電動モータに送風するファンと、
    電動モータの回転速度を検出する速度検出手段と、
    電動モータに通電する電流を所定値以下に制限する電流制限手段と、
    速度検出手段で検出された速度指標が高速時には電流制限手段で用いる所定値を増大させ、低速時には減少させる手段と、
    を有する電動工具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016111793A (ja) * 2014-12-05 2016-06-20 株式会社日立産機システム ポンプ装置及びインバータ駆動電動機組立体
JP2017099112A (ja) * 2015-11-20 2017-06-01 株式会社日本計器製作所 ファンモータ用スロースタート回路、及びそれを用いたファンモータ

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