JP2005286893A - 通過帯域平坦度補償回路およびフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 低挿入損失で小型低コストな通過帯域平坦度補償回路およびそれを備えたフィルタを得る。
【解決手段】 例えば誘電体共振器R1〜R4とキャパシタC1〜C6とによって、通過帯域で通過特性曲線が全体に凸状をなす特性補償対象フィルタ1の通過帯域での平坦度を補償するために、この特性補償対象フィルタ1の出力側伝送線路に通過帯域平坦度補償回路2を接続する。通過帯域平坦度補償回路2は、第1のリアクタンス回路部(C21)、第2のリアクタンス回路部(L21)の直列回路に対して第3のリアクタンス回路部(L22)を並列接続し、この並列回路に抵抗res1を直列接続して構成する。各素子値は、特性補償対象フィルタ1の通過帯域での通過特性と略相補形状の通過特性となるように定める。
【選択図】 図4
【解決手段】 例えば誘電体共振器R1〜R4とキャパシタC1〜C6とによって、通過帯域で通過特性曲線が全体に凸状をなす特性補償対象フィルタ1の通過帯域での平坦度を補償するために、この特性補償対象フィルタ1の出力側伝送線路に通過帯域平坦度補償回路2を接続する。通過帯域平坦度補償回路2は、第1のリアクタンス回路部(C21)、第2のリアクタンス回路部(L21)の直列回路に対して第3のリアクタンス回路部(L22)を並列接続し、この並列回路に抵抗res1を直列接続して構成する。各素子値は、特性補償対象フィルタ1の通過帯域での通過特性と略相補形状の通過特性となるように定める。
【選択図】 図4
Description
この発明は、高周波帯で用いられるフィルタの通過帯域平坦度補償回路および通過帯域の平坦度を高めたフィルタに関するものである。
従来、帯域通過フィルタ(BPF)の通過帯域でのリップルを小さくして通過帯域の挿入損失の平坦度を向上させるために通過帯域平坦度補償回路が用いられている。例えばある形状の通過特性を有する帯域通過フィルタに対して、その通過帯域で通過特性が略反対形状の帯域通過フィルタを直列に接続したものが特許文献1に示されている。
この特許文献1の通過帯域平坦度補償回路の構成を図16に示す。(A)のように、この通過帯域平坦度補償回路は、2つのLC並列共振回路12a,12bをコンデンサを介して2段に接続したものである。(B)はその通過特性を示している。この通過帯域平坦度補償回路の補償対象であるメインの帯域通過フィルタは、通過帯域の中央ほど挿入損失が小さく、中心周波数から離れるほど挿入損失が大きくなる特性、すなわち通過特性が凸状をなす帯域通過フィルタである。したがってそのメインの帯域通過フィルタと、この図16に示す通過帯域平坦度補償回路を直列に接続することによって、通過帯域の通過特性の平坦度が向上する。
また、高域通過フィルタ(HPF)と低域通過フィルタ(LPF)を組み合わせて通過帯域の平坦度を補償するものが特許文献2に示されている。
図17はその特許文献2の通過帯域平坦度補償回路の例を示している。(A)に示すように、インダクタLh1とキャパシタCh1,Ch2とによりHPF部を構成し、インダクタLl1とキャパシタCl1,Cl2とによってLPF部を構成し、この2つのフィルタを接続している。同図の(B)はこの通過帯域平坦度補償回路の通過特性を示している。このように所定の周波数fo1,fo2で挿入損失が小さくなるようにして、特性補償対象である帯域通過フィルタの通過帯域の平坦度を補償する。
特開2002−158504公報
特開平11−239072号公報
従来の帯域通過フィルタは通過特性が挿入損失が小さくなる方向に凸形状を示すものである。また、帯域通過フィルタや帯域減衰フィルタ(BEF)の通過帯域近傍に急峻な減衰極を設ける場合にも、通過帯域の減衰極側の端で挿入損失が大きくなるため、通過帯域リップルが大きくなる。これらの特性は、例えば移動体通信システムの基地局で上記BPFやBEFが使用される場合には周波数チャンネル間の電力差が生じるため、システムの品質を低下させる要因となる。
上記通過帯域リップルの特性を改善する方法として特許文献1のような通過帯域平坦度補償回路を用いた場合、その回路はBPFで構成されているため、特性補償対象である通過帯域フィルタと2段の通過帯域フィルタが直列に設けられることになり、全体の通過帯域での挿入損失が増大する。また、この2つの帯域通過フィルタ同士のマッチングをとるために減衰回路を直列に接続しなければならず、さらに通過特性の挿入損失が大きくなり、これを補うために増幅回路が必要となる。その結果全体に大型化しコスト上昇を招く結果となる。
また、特許文献2に示されている通過帯域平坦度補償回路では、通過帯域の低域側をLPFで、高域側をHPFでそれぞれ補償するものであるので、通過帯域全域を補償するためにHPFとLPFが最低限1段ずつ必要になる。その結果、全体に大型化しコスト上昇を招く結果となる。さらにこの特許文献2に開示されている回路では集中定数のLCによってHPFとLPFを構成しているのでQが低く、また、集中定数素子による補償回路をIF帯フィルタに適用することは実現可能であるが、RF帯フィルタへ適用することは実現困難である。
そこで、この発明の目的は、上述の問題を解消して低挿入損失で小型低コストな通過帯域平坦度補償回路およびそれを備えたフィルタを提供することにある。
(1)この発明の通過帯域平坦度補償回路は、通過帯域で通過特性曲線が全体に凸状をなす特性補償対象フィルタの通過帯域平坦度を補償する回路であって、第1・第2のリアクタンス回路部を直列に接続した回路に対して第3のリアクタンス回路部を並列接続し、該並列接続した回路に抵抗を直列接続して通過特性が前記通過帯域での通過特性とは相補形状の通過特性を有する特性補償用共振回路を構成し、該特性補償用共振回路を前記特性補償対象フィルタの入力側、出力側またはその両方の伝送線路に接続することによって、特性補償対象フィルタの通過帯域の平坦度を補償することを特徴としている。
(2)また、この発明の通過帯域平坦度補償回路は、前記第2のリアクタンス回路部を並列共振回路で構成したことを特徴としている。
(3)また、この発明の通過帯域平坦度補償回路は、前記並列共振回路を誘電体共振器で構成したことを特徴としている。
(4)また、この発明の通過帯域平坦度補償回路は、前記特性補償用共振回路を前記特性補償対象フィルタの入力部または出力部の伝送線路に2段以上設けて、該2段以上の特性補償用共振回路で帯域減衰フィルタを構成したことを特徴としている。
(5)この発明のフィルタは、(1)〜(4)の通過帯域平坦度補償回路と、それによって補償される特性補償対象フィルタとによって構成したことを特徴としている。
(1)一般にBPFやBEFの通過帯域リップルは数dB程度の微小なものであるので、これを直列共振の減衰で補償しようとしても、直列共振回路の減衰は10dB以上と大きなものであるため、そのままでは適用できない。また、直列共振回路は、直列共振周波数において略短絡状態となるため、伝送線路とのマッチングをとることも難しい。この発明では、第1・第2リアクタンス回路部を直列に接続した回路に対して抵抗を直列接続したので、直列共振回路の減衰量を抵抗によって補償対象のリップルのレベルにまで緩和でき、また特性補償対象フィルタの入力側または出力側の伝送線路との整合を容易にとることができる。さらに、第1・第2のリアクタンス回路部による直列共振回路に対して第3のリアクタンス回路部を並列接続したことにより、直列共振周波数前後の周波数で並列共振周波数を容易に設定でき、補償対象フィルタの通過帯域の通過特性形状と相補形状の通過特性を容易にもたせることができ、通過帯域平坦度の高精度な補償が可能となる。
(2)第2のリアクタンス回路部を並列共振回路で構成したことにより、通過帯域平坦度補償回路の周波数特性を設計する上での自由度が上がり、補償対象フィルタの周波数特性により適した補償ができ、低リップル化が可能となる。
(3)前記並列共振回路を誘電体共振器で構成したことにより、Qの高い誘電体共振器の作用によって、補償対象フィルタと補償回路を組み合わせたフィルタ全体をさらに低リップル化できる。
(4)前記特性補償用共振回路を2段以上設けて帯域減衰フィルタを構成したことにより、補償対象通過帯域が広い場合にも、その通過帯域平坦度を容易に補償できるようになる。
(5)この発明によれば、前記通過帯域平坦度補償回路と特性補償対象フィルタとを組み合わせたことにより、通過特性が平坦度の高いフィルタとして用いることができる。
第1の実施形態に係る通過帯域平坦度補償回路およびそれを備えたフィルタについて図1〜図3を参照して説明する。
図1はその回路図であり、特性補償対象フィルタ1の出力部の伝送線路に通過帯域平坦度補償回路2を直列接続することによって、特性補償対象フィルタ1の入力部を入力端子IN、通過帯域平坦度補償回路2の出力部を出力端子OUTとするフィルタを構成している。
図1はその回路図であり、特性補償対象フィルタ1の出力部の伝送線路に通過帯域平坦度補償回路2を直列接続することによって、特性補償対象フィルタ1の入力部を入力端子IN、通過帯域平坦度補償回路2の出力部を出力端子OUTとするフィルタを構成している。
ここで特性補償対象フィルタ1は通過帯域で通過特性曲線が全体に凸状をなす帯域通過フィルタまたは帯域減衰フィルタである。通過帯域平坦度補償回路2において第1のリアクタンス回路部X1と第2のリアクタンス回路部X2の直列回路に対して第3のリアクタンス回路部X3を並列接続し、さらにこの並列に接続した回路に抵抗res1を直列接続して特性補償用共振回路20を構成している。この特性補償用共振回路20を特性補償対象フィルタ1の出力側伝送線路と接地との間に接続することによって通過帯域平坦度補償回路2を構成している。
図1において、第1のリアクタンス回路部X1を0.3pFのキャパシタ、第2のリアクタンス回路部X2を25nHのインダクタ、第3のリアクタンス回路部X3を2.5pFのキャパシタとし、抵抗res1を0〜1000Ωまで変化させた時の通過帯域平坦度補償回路2の特性を図2および図3に示す。
図2の(A)は図1に示した通過帯域平坦度補償回路2の入出力間の通過特性S21、(B)は入力側の反射特性S11である。この図からわかるように、抵抗res1の値によって通過帯域平坦度補償回路2の通過特性と反射特性が変化する。
図3の(A)は第3のリアクタンス回路部X3のリアクタンスを変化させた時の通過特性の変化について示している。ここで抵抗res1は100Ωにしている。
(A)は第3のリアクタンス回路部X3をオープンとした場合、(B)はX3を3nHのインダクタとした場合、(C)はX3を2.5pFとした場合、(D)はX3を20nHのインダクタと3.5pFのキャパシタの並列回路とした場合である。図3の(B)〜(D)は上記3つの回路を示している。
ここで第1のリアクタンス回路部X1と第2のリアクタンス回路部X2の直列共振による減衰極の周波数をfp(この例では1850MHz付近)として、fpより高い周波数に反共振点を設定する場合にはX3をキャパシタとすればよい。またfpより低い周波数に反共振点を設定する場合にはX3をインダクタとすればよい。さらにfpの高域と低域の両側に反共振点を設定する場合にはX3をキャパシタとインダクタの並列回路とすればよい。このように第3のリアクタンス回路部X3の素子値を適宜設定することによって反共振周波数を任意に設定することができる。
次に、第2の実施形態に係る通過帯域平坦度補償回路とそれを備えたフィルタについて図4・図5を基に説明する。
この例では、図4に示すように特性補償対象フィルタ1を、4つの共振器R1〜R4とキャパシタC1〜C6とで構成している。4つの共振器のうち共振器R1〜R3はキャパシタC2,C3で段間結合させている。また、入出力部にキャパシタC1,C4を設けている。これによって3段の共振器からなる帯域通過フィルタを構成している。また、キャパシタC5を介して共振器R2を伝送線路に結合させることにより、通過帯域の低域側に減衰極を生じさせている。さらに、キャパシタC4の出力側伝送線路と接地との間にはキャパシタC6を介して1段の共振器R4を接続している。この伝送線路に接続したキャパシタC6と共振器R4とによって1段のトラップフィルタTFを構成している。このトラップフィルタTFにより通過帯域の高域側に減衰極を生じさせている。
一方、通過帯域平坦度補償回路2において、第1のリアクタンス回路部をキャパシタC21、第2のリアクタンス回路部をインダクタL21、第3のリアクタンス回路部をインダクタL22で構成している。
図5の(A)は図4に示したフィルタ3の通過特性S21と反射特性S11を示している。ここで横軸は1750MHzから2000MHzまでの周波数、縦軸は1目盛り5dBで減衰量および反射量を表している。(B)は同じ周波数帯域について縦軸スケールを10倍に拡大している。また、(B)には通過帯域平坦度補償回路2と特性補償対象フィルタ1の通過特性も同時に表している。
(B)において、(1)はフィルタ1の通過特性、(2)は通過帯域平坦度補償回路2の通過特性、(3)はフィルタ3の通過特性である。
ここで抵抗res1は270Ω、C21は0.07pF、L21は100nHのインダクタ、L22は11.2nHのインダクタである。
このように通過特性の平坦度が要求される1850〜1910MHzの通過帯域において、通過帯域平坦度補償回路2の通過特性は特性補償対象フィルタ1の通過特性とは略相補形状の通過特性であるので、特性補償対象フィルタ1単体ではそのリップルが0.68dBであったものが、通過帯域平坦度補償回路2を組み合わせたことによって0.29dBに改善されている。
一方、通過帯域における挿入損失は、特性補償対象フィルタ1単体で1.23dBであったものが、通過帯域平坦度補償回路2と組み合わせたことにより1.35dBに劣化している(劣化量0.12dB)が、この劣化量は特許文献1に示されているような帯域通過フィルタで通過帯域の平坦度を補償する場合に比べて小さく抑えられる。
次に、第3の実施形態に係る通過帯域平坦度補償回路を備えたフィルタの構成と特性について図6〜図9を基に説明する。
図6に示すように、特性補償対象フィルタ1の構成は図4の該当箇所と同様である。この第3の実施形態では、通過帯域平坦度補償回路2の第2のリアクタンス回路部を誘電体共振器R21で構成している。
図6に示すように、特性補償対象フィルタ1の構成は図4の該当箇所と同様である。この第3の実施形態では、通過帯域平坦度補償回路2の第2のリアクタンス回路部を誘電体共振器R21で構成している。
図7はフィルタ3の構成を示す図であり、(A)はシールドカバーを取り除いた状態での上面図、(B)は正面図、(C)は構成部品である誘電体板の断面図である。
図8はシールドカバー33を含むこのフィルタ3全体の分解斜視図である。共振器R1〜R4,R21は図7・図8に示すように、それぞれ角柱状の誘電体ブロックの中心部に丸孔を設け、その内面に内導体を形成し、誘電体ブロックの一端面を除く五面に外導体を形成した誘電体同軸共振器である。各誘電体同軸共振器の丸孔には端子ピン34を挿入している。誘電体板32には図に示すように、その表裏面に電極を形成していて、図4に示したキャパシタC1〜C6を構成している。
図8に示すように、基板31の上面には各部品と導通する導体パターンを形成するとともに、所定箇所で電気的絶縁を図るレジスト膜36を形成している。(同図ではレジスト膜36を分離して表している。)基板31の上部には、誘電体板32、チップ抵抗res1、誘電体板によるキャパシタC21、コイルからなるインダクタL22、5つの誘電体同軸共振器R1〜R4,R21をそれぞれ実装し、各誘電体同軸共振器の端子ピン34の端部を誘電体板32上面の電極にハンダ付けする。なお、誘電体板32の下面の両端と基板31の上面の導体パターンとは金属スペーサ35で導通させる。なお、キャパシタC21は、誘電体板32と同様に、表裏面に電極を形成していて、図6に示したキャパシタC21を構成している。
さらに基板31の上部にシールドカバー33をハンダ付けし、さらにシールドカバー33を各誘電体同軸共振器R1〜R4,R21の外導体にハンダ付けする。このように、メインのフィルタである特性補償対象フィルタ1で用いる誘電体同軸共振器R1〜R4とともに通過帯域平坦度補償回路2で用いる誘電体同軸共振器R21を同じ基板31上に配置することによって、全体に大型化することなく通過帯域の平坦度に優れたフィルタが構成できる。
図9の(A)は図6〜図8に示したフィルタ3の通過特性S21と反射特性S11を示している。ここで横軸は1750MHzから2000MHzまでの周波数、縦軸は1目盛り5dBで減衰量および反射量を表している。(B)は同じ周波数帯域について縦軸スケールを10倍に拡大している。また、(B)には通過帯域平坦度補償回路2と特性補償対象フィルタ1の通過特性も同時に表している。
(B)において、(1)はフィルタ1の通過特性、(2)は通過帯域平坦度補償回路2の通過特性、(3)はフィルタ3の通過特性である。
ここで、抵抗res1は330Ω、C21は0.27pF、R21は特性インピーダンス16.7Ωの誘電体同軸共振器、L22は9.94nHのインダクタである。
このように通過特性の平坦度が要求される1850〜1910MHzの通過帯域において、通過帯域平坦度補償回路2の通過特性は特性補償対象フィルタ1の通過特性とは略相補形状の通過特性であるので、特性補償対象フィルタ1単体ではそのリップルが0.68dBであったものが、通過帯域平坦度補償回路2を組み合わせたことによって0.14dBにまで改善されている。
また、通過帯域における挿入損失は、特性補償対象フィルタ1単体で1.23dBであったものが、通過帯域平坦度補償回路2と組み合わせたことにより1.32dBの劣化となり、その劣化量(0.09dB)は第2の実施形態の場合より改善されている。
次に、第4の実施形態に係る通過帯域平坦度補償回路と、それを備えたフィルタについて図10・図11を基に説明する。
第1〜第3の実施形態では特性補償対象フィルタ1として帯域通過フィルタを例にしたが、この図10に示す特性補償対象フィルタ1は帯域減衰フィルタである。すなわち3つ誘電体共振器R1〜R3をキャパシタC1〜C3を介して伝送線路に接続するとともに、伝送線路をインダクタL1,L2およびキャパシタC4,C5,C6で構成している。このようにして誘電体共振器とキャパシタの直列共振回路を伝送線路と接地との間に設け、その共振回路間の位相をインダンタL1,L2およびキャパシタC4,C5,C6で調整することによって3段の共振器による帯域減衰特性を得ている。また、このキャパシタC4,C5,C6とインダクタL1,L2とによって低域通過フィルタ(LPF)特性を得ている。
通過帯域平坦度補償回路2は図6に示したものと同様の構成である。ここで、抵抗res1は390Ω、C21は0.88pF、R21は特性インピーダンス16.7Ωの誘電体同軸共振器、L22は3.1nHのインダクタである。
図11の(A)は図10に示したフィルタ3の通過特性S21と反射特性S11を示している。第2・第3の実施形態の場合と同様に、横軸は1750MHzから2000MHzまでの周波数、縦軸は1目盛り5dBで減衰量および反射量を表している。(B)は同じ周波数帯域について縦軸スケールを10倍に拡大している。また、(B)には通過帯域平坦度補償回路2と特性補償対象フィルタ1の通過特性も同時に表している。
(B)において、(1)はフィルタ1の通過特性、(2)は通過帯域平坦度補償回路2の通過特性、(3)はフィルタ3の通過特性である。
このように通過特性の平坦度が要求される1850〜1910MHzの通過帯域において、通過帯域平坦度補償回路2の通過特性は特性補償対象フィルタ1の通過特性とは略相補形状の通過特性であるので、特性補償対象フィルタ1に通過帯域平坦度補償回路2を組み合わせたことによって通過帯域リップルが0.12dBに改善されている。
次に、第5の実施形態に係る通過帯域平坦度補償回路と、それを含むフィルタについて図12・図13を基に説明する。
図6に示した例では特性補償対象フィルタ1に1段のトラップフィルタTFを設けたが、この図12に示す例では、特性補償対象フィルタ1の入力側と出力側にそれぞれトラップフィルタTF1,TF2を設けている。またそれに併せて図6に示した通過帯域平坦度補償回路2に2段分の特性補償用共振回路20を設けている。
図12において誘電体共振器(誘電体同軸共振器)R2〜R5とキャパシタC1〜C5とによって4段の共振器による帯域通過フィルタを構成している。また、誘電体共振器R1,キャパシタC6,インダクタL1によってトラップフィルタTF1を構成している。同様に、誘電体共振器R6,キャパシタC8,インダクタL2によってもう1つのトラップフィルタTF2を構成している。この2つのトラップフィルタTF1,TF2によって上記通過帯域の高域側に隣接する減衰域に減衰極を生じさせている。また、キャパシタC7を介して共振器R3を伝送路と結合させることにより、通過帯域の低域側に減衰極を生じさせている。これにより通過域から減衰域にかけての減衰特性を急峻なものとしている。
通過帯域平坦度補償回路2においてC21は1段目の特性補償用共振回路の第1のリアクタンス回路部としてのキャパシタ、誘電体共振器R21は同特性補償用共振回路の第2のリアクタンス回路部を構成している。キャパシタC22は同特性補償用共振回路の第3のリアクタンス回路部を構成している。このC21,R21,C22,res1によって第1の特性補償用共振回路20を構成している。同様に、C24,R22,C25,res2によって第2の特性補償用共振回路21を構成している。そしてこの2つの特性補償用共振回路20,21を伝送線路と接地との間に設けるとともに、段間の伝送線路をインダクタL23で形成して帯域減衰特性を得ている。また、伝送線路に対する2つの特性補償用共振回路20,21の接続点と接地との間にキャパシタC23,C26を接続している。このキャパシタC23,C26およびインダクタL23部分によって特性補償用共振回路20と21の位相調整を行うとともに、低域通過特性を得ている。
図13の(A)は図12に示したフィルタ3の通過特性S21と反射特性S11を示している。第2〜第4の実施形態の場合と同様に、横軸は1750MHzから2000MHzまでの周波数、縦軸は1目盛り5dBで減衰量および反射量を表している。(B)は同じ周波数帯域について縦軸スケールを10倍に拡大している。また、(B)には通過帯域平坦度補償回路2と特性補償対象フィルタ1の通過特性も同時に表している。(B)において、(1)はフィルタ1の通過特性、(2)は通過帯域平坦度補償回路2の通過特性、(3)はフィルタ3の通過特性である。
このように通過特性の平坦度が要求される1850〜1910MHzの通過帯域において、通過帯域平坦度補償回路2の通過特性は特性補償対象フィルタ1の通過特性とは略相補形状の通過特性であるので、特性補償対象フィルタ1に通過帯域平坦度補償回路2を組み合わせたことによって通過帯域リップルが0.08dBに改善されている。
このように2段の特性補償用共振回路20,21で通過帯域平坦度補償回路2を構成したことにより、図13(B)の(2)で示すように下側に凸形状を有し、且つその中央部で再び平坦であるか上方向に僅かに凸形状をなす通過特性を得ることができる。このような通過特性を有する通過帯域平坦度補償回路を用いることによって、上側に比較的強く凸形状をなす通過特性を有する特性補償対象フィルタ1の通過特性を高精度に補償できる。
次に、第6の実施形態に係る通過帯域平坦度補償回路と、それを含むフィルタについて図14・図15を基に説明する。
この例では、それぞれ1段の特性補償用共振回路を備えた通過帯域平坦度補償回路2a,2bを特性補償対象フィルタ1の入力側と出力側の伝送線路に接続している。特性補償対象フィルタ1の構成は図12に示したものと同様である。また、この例では、通過帯域平坦度補償回路2aに設けた第3のリアクタンス回路部をキャパシタC22とインダクタL22との並列回路で構成している。同様に通過帯域平坦度補償回路2bに設けた第3のリアクタンス回路部をキャパシタC25とインダクタL24との並列回路で構成している。
図15の(A)は図14に示したフィルタ3の通過特性S21と反射特性S11を示している。第2〜第5の実施形態の場合と同様に、横軸は1750MHzから2000MHzまでの周波数、縦軸は1目盛り5dBで減衰量および反射量を表している。(B)は同じ周波数帯域について縦軸を10倍に拡大している。また、(B)には通過帯域平坦度補償回路2と特性補償対象フィルタ1の通過特性も同時に表している。(B)において、(1)はフィルタ1の通過特性、(3)はフィルタ3の通過特性である。また、(2a)は通過帯域平坦度補償回路2aの通過特性、(2b)はもう1つの通過帯域平坦度補償回路2bの通過特性である。この2つの通過帯域平坦度補償回路2a,2bの合成特性は図13の(B)において(2)で示したものと同様に、通過帯域1850〜1910MHzにおいて特性補償対象フィルタ1の通過特性の相補形状の通過特性となるので、フィルタ3全体の通過特性は(3)のようになって通過帯域での平坦度が向上する。
なお、以上に示した各実施形態では、特性補償用共振回路20の第2のリアクタンス回路部としてキャパシタ、インダクタ、誘電体共振器等を用いる例を示したが、その部分をSAW共振器(表面弾性波共振器)や多層基板の所定層に電極パターンを形成してなるLC並列共振回路で構成してもよい。
1−特性補償対象フィルタ
2−通過帯域平坦度補償回路
3−フィルタ
20−特性補償用共振回路
31−基板
32−誘電体板
33−シールドカバー
34−端子ピン
35−金属スペーサ
36−レジスト膜
R−共振器
TF−トラップフィルタ
2−通過帯域平坦度補償回路
3−フィルタ
20−特性補償用共振回路
31−基板
32−誘電体板
33−シールドカバー
34−端子ピン
35−金属スペーサ
36−レジスト膜
R−共振器
TF−トラップフィルタ
Claims (5)
- 通過帯域で通過特性曲線が全体に凸状をなす特性補償対象フィルタの通過帯域平坦度を補償する回路であって、
第1・第2のリアクタンス回路部を直列に接続した回路に対して第3のリアクタンス回路部を並列接続し、該並列接続した回路に抵抗を直列接続して通過特性が前記通過帯域での通過特性とは相補形状の通過特性を有する特性補償用共振回路を構成し、
該特性補償用共振回路を前記特性補償対象フィルタの入力側、出力側またはその両方の伝送線路に接続することによって、前記特性補償対象フィルタの通過帯域平坦度を補償することを特徴とする通過帯域平坦度補償回路。 - 前記第2のリアクタンス回路部を並列共振回路で構成したことを特徴とする請求項1に記載の通過帯域平坦度補償回路。
- 前記並列共振回路を誘電体共振器で構成したことを特徴とする請求項2に記載の通過帯域平坦度補償回路。
- 前記特性補償用共振回路を前記特性補償対象フィルタの入力部または出力部の伝送線路に2段以上設けて、該2段以上の特性補償用共振回路で帯域減衰フィルタを構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の通過帯域平坦度補償回路。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の通過帯域平坦度補償回路と、当該通過帯域平坦度補償回路により通過帯域の平坦度が補償される前記特性補償対象フィルタとからなるフィルタ。
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