JP2005286772A - マルチプロジェクションディスプレイ - Google Patents
マルチプロジェクションディスプレイ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005286772A JP2005286772A JP2004099223A JP2004099223A JP2005286772A JP 2005286772 A JP2005286772 A JP 2005286772A JP 2004099223 A JP2004099223 A JP 2004099223A JP 2004099223 A JP2004099223 A JP 2004099223A JP 2005286772 A JP2005286772 A JP 2005286772A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- projection
- projection display
- projector
- display
- projected
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Projection Apparatus (AREA)
- Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)
Abstract
【課題】 輝度調整器が挿入・配置されていない通常のプロジェクタをプロジェクタユニットとして用いても「黒浮き模様」の発生を抑制することができるマルチプロジェクションディスプレイを提供する。
【解決手段】 複数のプロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJD,PJX1からの投写画像により透過型スクリーンSCR1上に大画面画像を表示するマルチプロジェクションディスプレイであって、
マルチプロジェクションディスプレイの全投写領域におけるいずれの点においても少なくとも2台のプロジェクタユニットからの投写光が重畳投写されるように構成され、
当該少なくとも2台のマルチプロジェクションディスプレイは、「黒浮き模様」の発生を抑制するように調整された投写光をマルチプロジェクションディスプレイの投写面に投写することを特徴とするマルチプロジェクションディスプレイ。
【選択図】 図1
【解決手段】 複数のプロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJD,PJX1からの投写画像により透過型スクリーンSCR1上に大画面画像を表示するマルチプロジェクションディスプレイであって、
マルチプロジェクションディスプレイの全投写領域におけるいずれの点においても少なくとも2台のプロジェクタユニットからの投写光が重畳投写されるように構成され、
当該少なくとも2台のマルチプロジェクションディスプレイは、「黒浮き模様」の発生を抑制するように調整された投写光をマルチプロジェクションディスプレイの投写面に投写することを特徴とするマルチプロジェクションディスプレイ。
【選択図】 図1
Description
本発明は、複数のプロジェクタユニットからの投写画像により投写面上に大画面画像を表示するマルチプロジェクションディスプレイに関する。
図20は、マルチプロジェクションディスプレイを説明するために示す図である。このマルチプロジェクションディスプレイ900は、図20に示すように、複数のプロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJDを水平方向及び/又は垂直方向に配置し、これらの複数のプロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJDからの単位投写画像をスクリーンSCRに拡大投写することにより1つの大画面画像を表示する。このマルチプロジェクションディスプレイは、通常のプロジェクタに比較して、高精細かつ高輝度の画像を表示することができるため、映画館、美術館、博物館、セミナー会場、集会場、ミニシアター、公共機関、企業などの業務用分野やアミューズメント、ホームシアターなどの家庭用分野において今後広く普及されていくことが期待されている。
ところで、液晶ライトバルブを用いたプロジェクタにおいては、いわゆる「黒浮き」という問題があることが知られている。図21は、液晶ライトバルブを用いたプロジェクタにおける「黒浮き」を説明するために示す図である。
液晶ライトバルブを用いたプロジェクタにおいては、白表示に対応するオン信号Imaxを液晶ライトバルブに与えたときに「白」が表示され、黒表示に対応するオフ信号Iminを液晶ライトバルブに与えたときに「黒」が表示され、白表示と黒表示との間の中間調に対応する中間調信号を液晶ライトバルブに与えたときに「白と黒との中間調」が表示される。
液晶ライトバルブを用いたプロジェクタにおいては、白表示に対応するオン信号Imaxを液晶ライトバルブに与えたときに「白」が表示され、黒表示に対応するオフ信号Iminを液晶ライトバルブに与えたときに「黒」が表示され、白表示と黒表示との間の中間調に対応する中間調信号を液晶ライトバルブに与えたときに「白と黒との中間調」が表示される。
しかしながら、黒表示に対応するオフ信号Iminを液晶ライトバルブに与えた場合であっても、実際には液晶ライトバルブは完全に閉じた状態にはならずに光を多少は透過してしまうのが現状である。このため、スクリーン上で「本当の黒(全く光が出ない黒)」を表示しようとしても、実際には「本当の黒」を表示することはできず、図21に示すように、「本当の黒よりも若干明るい黒」が表示されることになる。これを「黒浮き」という。なお、この「黒浮き」は、液晶ライトバルブを用いたプロジェクタのみならず、他の電気光学変調装置を用いたプロジェクタにおいても起こり得る。
図22は、マルチプロジェクションディスプレイにおける「黒浮き模様」を説明するために示す図である。
マルチプロジェクションディスプレイにおける「黒浮き模様」の問題は、上記したプロジェクタにおける「黒浮き」の問題よりも深刻である。すなわち、マルチプロジェクションディスプレイにおいては、例えば画面全体を黒く表示したい場合であっても、各プロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJDからの投写光が重畳投写される領域RAB,RAC,RABCD,RBD,RCDでは、マルチプロジェクションディスプレイからの「黒」に係る投写光も重畳投写されることになり、その結果、その領域RAB,RAC,RABCD,RBD,RCDが明るい模様となって現れてしまうのである。この出願においては、これを「黒浮き模様」ということにする。
マルチプロジェクションディスプレイにおける「黒浮き模様」の問題は、上記したプロジェクタにおける「黒浮き」の問題よりも深刻である。すなわち、マルチプロジェクションディスプレイにおいては、例えば画面全体を黒く表示したい場合であっても、各プロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJDからの投写光が重畳投写される領域RAB,RAC,RABCD,RBD,RCDでは、マルチプロジェクションディスプレイからの「黒」に係る投写光も重畳投写されることになり、その結果、その領域RAB,RAC,RABCD,RBD,RCDが明るい模様となって現れてしまうのである。この出願においては、これを「黒浮き模様」ということにする。
なお、このようなマルチプロジェクションディスプレイにおいて、各プロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJDからの投写光が重畳投写される領域RAB,RAC,RABCD,RBD,RCDについては、各プロジェクタユニットからの投写光量を落として、これらの領域を目立たないようにする技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、「黒」表示に係る投写光量はこれ以上落とすことができないため、この技術では「黒浮き模様」の発生を抑制することができない。
図23は、このような「黒浮き模様」の発生を抑制することができる従来のマルチプロジェクションディスプレイを説明するために示す図である。図23(a)は従来のマルチプロジェクションディスプレイの構成を示す図であり、図23(b)は輝度調整器の作用を示す図である。
このマルチプロジェクションディスプレイ900においては、図23(a)に示すように、それぞれのプロジェクタユニット910A、910B,910Cにおいて、液晶ライトバルブ913A,913B,913Cと投写レンズ914A,914B,914Cとの間に輝度調整器916A,916B,916Cが、挿入・配置されている。そして、この輝度調整器916A,916B,916Cは、それぞれが図23(b)に示すような光透過率分布特性を有している(例えば、特許文献2参照。)。
このマルチプロジェクションディスプレイ900においては、図23(a)に示すように、それぞれのプロジェクタユニット910A、910B,910Cにおいて、液晶ライトバルブ913A,913B,913Cと投写レンズ914A,914B,914Cとの間に輝度調整器916A,916B,916Cが、挿入・配置されている。そして、この輝度調整器916A,916B,916Cは、それぞれが図23(b)に示すような光透過率分布特性を有している(例えば、特許文献2参照。)。
このため、このマルチプロジェクションディスプレイ900によれば、各プロジェクタユニット910A、910B,910Cからの投写光が重畳投写される領域RAB,RBCにおいては、輝度調整器916A,916B,916Cの作用によって、「本当の黒よりも若干明るい黒」を表示する投写光における投写光量が減じられることになるため、これによりこれらの重畳領域RAB,RBCにおける「黒浮き模様」の発生が抑制されるようになる。
しかしながら、このような従来のマルチプロジェクションディスプレイにおいては、プロジェクタユニットとして、液晶ライトバルブと投写レンズとの間に上記したような輝度調整器が挿入・配置された特殊なプロジェクタを用いる必要があるため、そのような輝度調整器が挿入・配置されていない通常のプロジェクタをプロジェクタユニットとして用いることができないという問題点があった。
そこで、本発明は、輝度調整器が挿入・配置されていない通常のプロジェクタをプロジェクタユニットとして用いても「黒浮き模様」の発生を抑制することができるマルチプロジェクションディスプレイを提供することを目的とする。
(1)本発明のマルチプロジェクションディスプレイは、複数のプロジェクタユニットからの投写画像により投写面上に大画面画像を表示するマルチプロジェクションディスプレイであって、マルチプロジェクションディスプレイの全投写領域におけるいずれの点においても少なくとも2台のプロジェクタユニットからの投写光が重畳投写されるように構成され、前記少なくとも2台のプロジェクタユニットのうち少なくとも1台のプロジェクタユニットは、「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値が調整された投写光を投写面に投写することを特徴とする。
このため、本発明のマルチプロジェクションディスプレイによれば、マルチプロジェクションディスプレイの全投写領域におけるいずれの点においても少なくとも2台のプロジェクタユニットからの投写光が重畳投写されるように構成され、これら少なくとも2台のプロジェクタユニットのうち少なくとも1台のプロジェクタユニットは、「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値(輝度値及び/又は色値)が調整された投写光を投写面に投写するため、「黒浮き模様」の発生を抑制することができるようになる。このため、輝度調整器が挿入・配置されていない通常のプロジェクタをプロジェクタユニットとして用いても「黒浮き模様」の発生を抑制することができる。
通常のマルチプロジェクションディスプレイ(全投写領域における大部分の領域については1台のプロジェクタユニットからの投写光のみが投写されるように構成されている。)においても、各プロジェクタユニットが「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値(輝度値及び/又は色値)が調整された投写光を投写面に投写すれば「黒浮き模様」の発生を抑制することができる。しかしながら、この場合には、「黒浮き模様」の発生を抑制するために当該プロジェクタユニットにおける階調資源を消費してしまうため、実効階調数が低下したりダイナミックレンジが低下したりする。
これに対して、本発明のマルチプロジェクションディスプレイによれば、全投写領域におけるいずれの点においても少なくとも2台のプロジェクタユニットからの投写光が重畳投写されるように構成されているため、階調資源における冗長性が確保され、その結果、「黒浮き模様」の発生を抑制するために少なくとも1台のプロジェクタユニットが階調資源を消費したことに起因する実効階調数の低下やダイナミックレンジの低下を抑制することができる。
これに対して、本発明のマルチプロジェクションディスプレイによれば、全投写領域におけるいずれの点においても少なくとも2台のプロジェクタユニットからの投写光が重畳投写されるように構成されているため、階調資源における冗長性が確保され、その結果、「黒浮き模様」の発生を抑制するために少なくとも1台のプロジェクタユニットが階調資源を消費したことに起因する実効階調数の低下やダイナミックレンジの低下を抑制することができる。
画素値(輝度値及び/又は色値)の調整は、少なくとも各プロジェクタユニットからの「黒」表示に係る投写光が投写された投写面のそれぞれを撮像装置を用いて撮影し、その結果に基づいて行うのが好ましい。
(2)上記(1)に記載のマルチプロジェクションディスプレイにおいては、このマルチプロジェクションディスプレイの投写面における最低輝度を、前記複数のプロジェクタユニットからの投写光が最も多数重畳している領域における最低輝度に揃えることが好ましい。
このように構成することにより、マルチプロジェクションディスプレイの投写面におけるいずれの点においても、その最低輝度が複数のプロジェクタユニットからの投写光が最も多く重複している領域における最低輝度に揃うようになるため、マルチプロジェクションディスプレイの投写面における「黒浮き模様」をより効果的に抑制することができるようになる。
この場合においては、「黒」を表示する際には、複数のプロジェクタユニットからの投写光が最も多数重畳している領域以外の領域においては、少なくとも2台のプロジェクタユニットのうち少なくとも1台のプロジェクタユニットにおいて、入力信号のレベルを少し上げて、複数のプロジェクタユニットからの投写光が最も多数重畳している領域における「黒」の明るさに合わせるようにする。
この場合においては、「黒」を表示する際には、複数のプロジェクタユニットからの投写光が最も多数重畳している領域以外の領域においては、少なくとも2台のプロジェクタユニットのうち少なくとも1台のプロジェクタユニットにおいて、入力信号のレベルを少し上げて、複数のプロジェクタユニットからの投写光が最も多数重畳している領域における「黒」の明るさに合わせるようにする。
(3)上記(2)に記載のマルチプロジェクションディスプレイにおいては、このマルチプロジェクションディスプレイの投写面における最高輝度を、前記複数のプロジェクタユニットからの投写光が最も少なく重複している領域における最高輝度に揃えることが好ましい。
このように構成することにより、マルチプロジェクションディスプレイの投写面におけるいずれの点においても、その最高輝度が複数のプロジェクタユニットからの投写光が最も少なく重複している領域における最高輝度に揃うようになるため、マルチプロジェクションディスプレイの投写面における「白」の面内輝度分布特性をより向上させることができるようになる。
この場合、複数のプロジェクタユニットからの投写光が最も少なく重畳している領域は(最も少なく重畳しているとはいえ)少なくとも2台のプロジェクタユニットからの投写光が重複している領域であるため、これら少なくとも2台のプロジェクタユニットが有する階調資源やダイナミックレンジ資源を使用して画素値(輝度値及び/又は色値)を調整することができるようになるため、実効階調数を低下させたりダイナミックレンジを低下させたりすることがなくなる。
この場合、複数のプロジェクタユニットからの投写光が最も少なく重畳している領域は(最も少なく重畳しているとはいえ)少なくとも2台のプロジェクタユニットからの投写光が重複している領域であるため、これら少なくとも2台のプロジェクタユニットが有する階調資源やダイナミックレンジ資源を使用して画素値(輝度値及び/又は色値)を調整することができるようになるため、実効階調数を低下させたりダイナミックレンジを低下させたりすることがなくなる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のマルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記少なくとも2台のプロジェクタユニットのうち少なくとも1台のプロジェクタユニットは、マルチプロジェクションディスプレイにおける「黒浮き模様」と反対のパターンを有する静止画像を投写することが好ましい。
マルチプロジェクションディスプレイにおける「黒浮き模様」が発生する領域は時間とともに変化しないのが通常であるため、上記したように、この「黒浮き模様」と反対のパターンを有する静止画像を投写するだけで「黒浮き模様」の発生を効果的に抑制することができる。従って、必ずしも動画表示を必要としなくてよいため、当該少なくとも1台のプロジェクタユニットとして安価なプロジェクタユニットを用いることができる。
この場合、静止画像としてモロクロ画像を用いることがより好ましい。
マルチプロジェクションディスプレイにおける「黒浮き模様」は通常モノクロの模様として現われることが多いため、上記したように、この「黒浮き模様」と反対のパターンを有するモノクロ画像を投写することにより、「黒浮き模様」の発生を効果的に抑制することができる。従って、必ずしもカラー表示を必要としないため、当該少なくとも1台のプロジェクタユニットとして安価なプロジェクタユニットを用いることができる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のマルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記少なくとも2台のプロジェクタユニットのうち少なくとも1台のプロジェクタユニットが投写する投写画像の空間解像度は、前記少なくとも2台のプロジェクタユニットのうち他のプロジェクタユニットが投写する投写画像の空間解像度よりも低くてもよい。
本発明のマルチプロジェクションディスプレイにおいて、「黒浮き模様」のパターンは比較的単純な形状をしていることが通常であるため、少なくとも1台のプロジェクタユニットが専ら「黒浮き模様」の発生を抑制するためのものである場合には、当該少なくとも1台のプロジェクタユニットが投写する投写画像の空間解像度を、当該少なくとも2台のプロジェクタユニットのうち他のプロジェクタユニットが投写する投写画像の空間解像度よりも低くすることによって、当該少なくとも1台のプロジェクタユニットとして安価なものを用いることができる。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載のマルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記少なくとも2台のプロジェクタユニットのうち少なくとも1台のプロジェクタユニットは、投写面全面に投写光を投写する1台のプロジェクタユニットであってもよい。
当該少なくとも1台のプロジェクタユニットの空間解像度は低くてよいため、全投写領域を1台のプロジェクタユニットで投写した場合であっても、十分に「黒浮き模様」の発生を抑制することができる。
(7)上記(1)〜(5)のいずれかに記載のマルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記少なくとも2台のプロジェクタユニットのうち少なくとも1台のプロジェクタユニットは、単位投写画像を投写する複数のプロジェクタユニットのうち少なくとも1台のプロジェクタユニットであってもよい。
当該少なくとも1台のプロジェクタユニットの空間解像度は低くてよいのではあるが、単位投写画像を投写するプロジェクタユニットのように比較的狭い投写範囲を受け持つために空間解像度が比較的高いプロジェクタユニットを用いてももちろん、十分に「黒浮き模様」の発生を抑制することができる。
(8)上記(1)〜(5)のいずれかに記載のマルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記少なくとも2台のプロジェクタユニットのうち少なくとも1台のプロジェクタユニットは、単位投写画像を投写する複数のプロジェクタユニットのうち少なくとも1台のプロジェクタユニット及び投写面全面に投写光を投写する1台のプロジェクタユニットであってもよい。
当該少なくとも1台のプロジェクタユニットの空間解像度は低くてよいのではあるが、上記のように、単位投写画像を投写する複数のプロジェクタユニットのうち少なくとも1台のプロジェクタユニット及び投写面全面に投写光を投写する1台のプロジェクタユニットの両方を用いてももちろん、十分に「黒浮き模様」の発生を抑制することができる。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載のマルチプロジェクションディスプレイにおいては、このマルチプロジェクションディスプレイがリア型のマルチプロジェクションディスプレイであることもできる。
リア型のマルチプロジェクションディスプレイの場合には、各プロジェクタユニット及び透過型スクリーンの位置関係が固定しているため、「黒浮き模様」が発生する領域も固定している。このため、「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値(輝度値及び/又は色値)が正確に調整された投写光を投写面に投写するすることができる。
(10)上記(1)〜(8)のいずれかに記載のマルチプロジェクションディスプレイにおいては、このマルチプロジェクションディスプレイがフロント型のマルチプロジェクションディスプレイであり、投写面に投写された画像を撮影するための撮像装置をさらに備えることが好ましい。
フロント型のマルチプロジェクションディスプレイの場合には、各プロジェクタユニット及び透過型スクリーンの位置関係が使用状況によって変動するため、これに応じて「黒浮き模様」が発生する領域も変動する。しかしながら、上記のように構成することにより、撮像装置による撮影結果に基づいて「黒浮き模様」が発生する領域を特定することができる。このため、「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値(輝度値及び/又は色値)が正確に調整された投写光を投写面に投写することができる。
(11)本発明のマルチプロジェクションディスプレイは、複数のプロジェクタユニットからの投写画像により投写面上に大画面画像を表示するマルチプロジェクションディスプレイであって、マルチプロジェクションディスプレイの全投写領域におけるいずれの点においても、専ら輝度信号に係る投写画像を投写するY用プロジェクタユニットからの投写光と、専ら色信号に係る投写画像を投写するUV用プロジェクタユニットからの投写光とが重畳投写されるように構成され、前記Y用プロジェクタユニット及び前記UV用プロジェクタユニットのうち少なくとも一方のプロジェクタユニットは、「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値(輝度値及び/又は色値)が調整された投写光を投写面に投写することを特徴とする。
専ら輝度信号に係る投写画像を投写するY用プロジェクタユニットからの投写画像と、専ら色信号に係る投写画像を投写するUV用プロジェクタユニットからの投写画像を投写面に重畳投写することによっても、フルカラーディスプレイを構成することができる。この場合、輝度信号と色信号とは完全には独立していないため、一つの画素値(輝度値及び/又は色値)を表現するために輝度信号と色信号とをどのように選択するかについてある程度の自由度が残されている。このため、Y用プロジェクタユニット又はUV用プロジェクタユニットのうちいずれか一方のプロジェクタユニットの重畳投写により「黒浮き模様」が起こったとしても、他方のプロジェクタユニットによりこの「黒浮き模様」の発生を抑制することができる。
以下、本発明のマルチプロジェクションディスプレイについて、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係るマルチプロジェクションディスプレイを説明するために示す斜視図である。図1(a)は比較例に係るマルチプロジェクションディスプレイを示す図であり、図1(b)は実施形態1に係るマルチプロジェクションディスプレイを示す図である。図2は、本発明の実施形態1に係るマルチプロジェクションディスプレイを説明するために示すブロック図である。
図3は、本発明の実施形態1に係るマルチプロジェクションディスプレイにおける照明状態を説明するために示す図である。図3(a)はプロジェクタユニットからの投写光による照明状態を示す図であり、図3(b)は第2のプロジェクタユニットからの照明光による照明状態を示す図であり、図3(c)はこれらプロジェクタユニットからの投写光及び第2のプロジェクタユニットからの投写光による照明状態を示す図である。
なお、図1〜図3は背面から見た図である。
図1は、本発明の実施形態1に係るマルチプロジェクションディスプレイを説明するために示す斜視図である。図1(a)は比較例に係るマルチプロジェクションディスプレイを示す図であり、図1(b)は実施形態1に係るマルチプロジェクションディスプレイを示す図である。図2は、本発明の実施形態1に係るマルチプロジェクションディスプレイを説明するために示すブロック図である。
図3は、本発明の実施形態1に係るマルチプロジェクションディスプレイにおける照明状態を説明するために示す図である。図3(a)はプロジェクタユニットからの投写光による照明状態を示す図であり、図3(b)は第2のプロジェクタユニットからの照明光による照明状態を示す図であり、図3(c)はこれらプロジェクタユニットからの投写光及び第2のプロジェクタユニットからの投写光による照明状態を示す図である。
なお、図1〜図3は背面から見た図である。
実施形態1に係るマルチプロジェクションディスプレイ100は、図1〜図3に示すように、筐体(図示せず)内に4台のプロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJD及び1台の第2のプロジェクタユニットPJX1並びに筐体前面に投写面としての透過型スクリーンSCR1を備え、これら4台のプロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJD及び第2のプロジェクタユニットPJX1からの投写画像により透過型スクリーンSCR1上に大画面画像を表示するリア型のマルチプロジェクションディスプレイである。なお、実施形態1に係るマルチプロジェクションディスプレイ100は、図1(a)に示す比較例に係るマルチプロジェクションディスプレイ100aとは異なり、マルチプロジェクションディスプレイの全投写領域(全有効投写領域)におけるいずれの点においても少なくとも2台のプロジェクタユニットからの投写光が重畳投写されている。
実施形態1に係るマルチプロジェクションディスプレイ100は、図2に示すように、投写表示したいコンテンツを入力するための画像入力部10、画像入力部10に入力されたコンテンツに係る画像情報を加工する画像加工部20、画像加工部20で加工された画像情報を各プロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJD及び第2のプロジェクタユニットPJX1に出力する画像出力部30を備えている。
第2のプロジェクタユニットPJX1は、「黒浮き模様」に関する情報を含む輝度分布情報(図2参照。)に基づいて、「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値(輝度値及び/又は色値)が調整された投写光、すなわち、マルチプロジェクションディスプレイにおける「黒浮き模様」と反対のパターン(図3(b)参照。)になるような投写光をマルチプロジェクションディスプレイの投写面全面に投写する。
このため、実施形態1に係るマルチプロジェクションディスプレイ100によれば、第2のプロジェクタユニットPJX1が「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値(輝度値及び/又は色値)が調整された投写光をマルチプロジェクションディスプレイの投写面に投写することにより、「黒浮き模様」の発生を効果的に抑制することができるようになる。このため、輝度調整器が挿入・配置されていない通常のプロジェクタをプロジェクタユニットとして用いても「黒浮き模様」の発生を抑制することができるようになる。
図4は、実施形態1に係るマルチプロジェクションディスプレイ100において「黒浮き模様」の発生が抑制される原理を説明するために示す図である。実施形態1に係るマルチプロジェクションディスプレイ100においては、図3(a)及び図3(b)に示すように、領域RABCDでは、プロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJD及び第2のプロジェクタユニットPJX1の合計5台のプロジェクタユニットからの投写光が重畳されているのに対して、領域RAでは、プロジェクタユニットPJA及び第2のプロジェクタユニットPJX1の合計2台のプロジェクタユニットからの投写光しか重畳されていない。
このため、実施形態1に係るマルチプロジェクションディスプレイ100においては、図4に示すように、第2のプロジェクタユニットPJX1からの投写光を、領域RABCDよりも領域RAで、プロジェクタユニットPJB,PJC,PJDの3台の「黒浮き」に相当する分だけ強くしている。これにより、領域RABCDと領域RAとで「黒」表示の場合における輝度を正確に揃えることができる。
なお、通常のマルチプロジェクションディスプレイにおいても、各プロジェクタユニットが「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値(輝度値及び/又は色値)が調整された投写光を投写面に投写すれば、「黒浮き模様」の発生を抑制することができる。しかしながら、この場合には、「黒浮き模様」の発生を抑制するために当該プロジェクタユニットにおける階調資源を消費してしまうため、実効階調数が低下したりダイナミックレンジが低下したりする。
これに対して、実施形態1に係るマルチプロジェクションディスプレイ100によれば、「黒浮き模様」の発生を抑制するための階調情報として第2のプロジェクタユニットPJX1ニットの階調資源を用いており、各プロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJDの階調資源を消費することはない。このため、実効階調数の低下やダイナミックレンジの低下を抑制することができる。
これに対して、実施形態1に係るマルチプロジェクションディスプレイ100によれば、「黒浮き模様」の発生を抑制するための階調情報として第2のプロジェクタユニットPJX1ニットの階調資源を用いており、各プロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJDの階調資源を消費することはない。このため、実効階調数の低下やダイナミックレンジの低下を抑制することができる。
実施形態1に係るマルチプロジェクションディスプレイ100は、リア型のマルチプロジェクションディスプレイである。このため、各プロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJD及び透過型スクリーンSCR1の位置関係が固定しており、「黒浮き模様」が発生する領域も固定している。その結果、第2のプロジェクタユニットPJX1が「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値(輝度値及び/又は色値)が正確に調整された投写光を投写面に投写することができるようになり、「黒浮き模様」の発生を効果的に抑制することができるようになる。
実施形態1に係るマルチプロジェクションディスプレイ100においては、上記したように、「黒浮き模様」が発生する領域が固定しており、しかも、通常モノクロの模様として現われることが多いため、第2のプロジェクタユニットPJX1として、「黒浮き模様」と反対のパターンを有するモノクロの静止画像を投写するものを用いている。このため、カラーの動画表示が不要となるため、第2のプロジェクタユニットとして安価なプロジェクタユニットを用いることができる。
図5は、実施形態1の変形例1に係るマルチプロジェクションディスプレイにおける照明状態を説明するために示す図である。図5(a)はプロジェクタユニットからの投写光による照明状態を示す図であり、図5(b)は第2のプロジェクタユニットからの照明光による照明状態を示す図であり、図5(c)はこれらプロジェクタユニットからの投写光及び第2のプロジェクタユニットからの投写光による照明状態を示す図である。
実施形態1に係るマルチプロジェクションディスプレイ100は、4台のプロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJD及び第2のプロジェクタユニットPJX1の合計5台のプロジェクタユニットを備えているが、本発明はこれに限られない。例えば、変形例1に係るマルチプロジェクションディスプレイ(図5参照。)のように、9台のプロジェクタユニットPJA,〜PJI及び第2のプロジェクタユニットPJX1の合計10台のプロジェクタユニットを備えていてもよく、同様の効果が得られる。
[実施形態2]
図6は、本発明の実施形態2に係るマルチプロジェクションディスプレイを説明するために示すブロック図である。図7は、実施形態2に係るマルチプロジェクションディスプレイにおいて「黒浮き模様」の発生が抑制される原理を説明するために示す図である。
図6は、本発明の実施形態2に係るマルチプロジェクションディスプレイを説明するために示すブロック図である。図7は、実施形態2に係るマルチプロジェクションディスプレイにおいて「黒浮き模様」の発生が抑制される原理を説明するために示す図である。
実施形態2に係るマルチプロジェクションディスプレイ200においては、各プロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJDが、図7に示すように、「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値(輝度値及び/又は色値)が調整された投写光をマルチプロジェクションディスプレイの投写面に投写している。
このように、実施形態2に係るマルチプロジェクションディスプレイ200においては、実施形態1に係るプロジェクタユニット100の場合とは、「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値(輝度値及び/又は色値)が調整された投写光を投写するプロジェクタユニットの種類が異なるが、各プロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJDが「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値(輝度値及び/又は色値)が調整された投写光をマルチプロジェクションディスプレイの投写面に投写することとしているため、実施形態1に係るマルチプロジェクションディスプレイ100の場合と同様に、「黒浮き模様」の発生を効果的に抑制することができる。このため、輝度調整器が挿入・配置されていない通常のプロジェクタをプロジェクタユニットとして用いても「黒浮き模様」の発生を抑制することができる。
また、実施形態2に係るマルチプロジェクションディスプレイ200においては、「黒浮き模様」の発生を抑制するため各プロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJDの階調資源が消費されているが、図7に示すように、第2のプロジェクタユニットPJX2の階調資源が新たに使用可能となっているため、階調資源における冗長性が確保され、その結果、実効階調数の低下やダイナミックレンジの低下を抑制することができる。
[実施形態3]
図8は、実施形態3に係るマルチプロジェクションディスプレイを説明するために示すブロック図である。図9は、実施形態3に係るマルチプロジェクションディスプレイを説明するために示す模式図である。図10は、実施形態3に係るマルチプロジェクションディスプレイの投写面における照明状態を示す図である。図11は、実施形態3に係るマルチプロジェクションディスプレイにおいて「黒浮き模様」の発生が抑制される原理を説明するために示す図である。図12は、各領域における重畳状態と輝度との関係を示す図である。図13は、各領域における入力信号と輝度との関係を示す図である。
図8は、実施形態3に係るマルチプロジェクションディスプレイを説明するために示すブロック図である。図9は、実施形態3に係るマルチプロジェクションディスプレイを説明するために示す模式図である。図10は、実施形態3に係るマルチプロジェクションディスプレイの投写面における照明状態を示す図である。図11は、実施形態3に係るマルチプロジェクションディスプレイにおいて「黒浮き模様」の発生が抑制される原理を説明するために示す図である。図12は、各領域における重畳状態と輝度との関係を示す図である。図13は、各領域における入力信号と輝度との関係を示す図である。
実施形態3に係るマルチプロジェクションディスプレイ300においては、図8〜図13に示すように、実施形態1又は2に係るマルチプロジェクションディスプレイ100,200と同様に、マルチプロジェクションディスプレイの全投写領域におけるいずれの点においても少なくとも2台のプロジェクタユニットからの投写光が重畳投写されるように構成されている。
実施形態3に係るマルチプロジェクションディスプレイ300においては、図11〜図13に示すように、各プロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJD及び第2のプロジェクタユニットPJX3が「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値(輝度値及び/又は色値)が調整された投写光をマルチプロジェクションディスプレイの投写面に投写している。
このため、実施形態3に係るマルチプロジェクションディスプレイ300によれば、各プロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJD及び第2のプロジェクタユニットPJX3が「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値(輝度値及び/又は色値)が調整された投写光をマルチプロジェクションディスプレイの投写面に投写することとしているため、「黒浮き模様」の発生を抑制することができるようになる。このため、輝度調整器が挿入・配置されていない通常のプロジェクタをプロジェクタユニットとして用いても「黒浮き模様」の発生を抑制することができるようになる。
また、実施形態3に係るマルチプロジェクションディスプレイ300によれば、全投写領域におけるいずれの点においても各プロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJD及び第2のプロジェクタユニットPJX3からの投写光が重畳投写されるように構成されているため、階調資源における冗長性が確保され、その結果、実効階調数の低下やダイナミックレンジの低下を抑制することができる。
実施形態3に係るマルチプロジェクションディスプレイ300においては、図11〜図13に示すように、このマルチプロジェクションディスプレイの投写面における最低輝度を、複数のプロジェクタユニットからの投写光が最も多数重畳している領域RABCDにおける最低輝度に揃えている。
このため、実施形態3に係るマルチプロジェクションディスプレイ300によれば、マルチプロジェクションディスプレイの投写面におけるいずれの点においても、その最低輝度が複数のプロジェクタユニットからの投写光が最も多く重複している領域RABCDにおける最低輝度に揃うようになるため、マルチプロジェクションディスプレイの投写面における「黒浮き模様」をより効果的に抑制することができるようになる。
実施形態3に係るマルチプロジェクションディスプレイ300においては、図11〜図13に示すように、このマルチプロジェクションディスプレイの投写面における最高輝度を、複数のプロジェクタユニットからの投写光が最も少なく重複している領域RA,RB,RC,RDにおける最高輝度に揃えている。
このため、実施形態3に係るマルチプロジェクションディスプレイ300によれば、マルチプロジェクションディスプレイの投写面におけるいずれの点においても、その最高輝度が複数のプロジェクタユニットからの投写光が最も少なく重複している領域RA,RB,RC,RDにおける最高輝度に揃うようになるため、マルチプロジェクションディスプレイの投写面における「白」の面内輝度分布特性をより向上させることができるようになる。
この場合、領域RA,RB,RC,RDは2台のプロジェクタユニットからの投写光が重畳している領域であるため、これら2台のプロジェクタユニットが有する階調資源やダイナミックレンジ資源を使用して画素値(輝度値及び/又は色値)を調整することができるようになる。
この場合、領域RA,RB,RC,RDは2台のプロジェクタユニットからの投写光が重畳している領域であるため、これら2台のプロジェクタユニットが有する階調資源やダイナミックレンジ資源を使用して画素値(輝度値及び/又は色値)を調整することができるようになる。
実施形態3に係るマルチプロジェクションディスプレイ300においては、第2のプロジェクタユニットPJX3が投写する投写画像の空間解像度は、各プロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJDが投写する投写画像の空間解像度よりも低く設定されている。
図14は、実施形態3に係るマルチプロジェクションディスプレイの、領域RAにおける輝度特性を三次元グラフで示す図である。図15は、実施形態3に係るマルチプロジェクションディスプレイの、領域RAにおける輝度特性を等高線で示す図である。
領域RAにおいては、プロジェクタユニットPJAからの投写光及び第2のプロジェクタユニットPJX3からの投写光が重畳投写される。このため、図14及び図15に示すように、この領域RAにおける画素値(例えば輝度)を表現するために用いることのできる、プロジェクタユニットPJAへの入力信号及び第2のプロジェクタユニットPJX3への入力信号の組は複数存在する。実際には、これらの複数の組から所定のルールに従って適当な組を選択する。
図16は、実施形態3の変形例1に係るマルチプロジェクションディスプレイにおいて「黒浮き模様」の発生が抑制される原理を説明するために示す図である。図17は、実施形態3の変形例2に係るマルチプロジェクションディスプレイにおいて「黒浮き模様」の発生が抑制される原理を説明するために示す図である。
実施形態3に係るマルチプロジェクションディスプレイ300においては、図11に示すように、低い輝度から高い輝度に至るまで、プロジェクタユニットPJAの投写光と第2のプロジェクタユニットPJX3の投写光とをバランスよく使用しているが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、実施形態3の変形例1のように、輝度が低いときはまずプロジェクタユニットPJAの投写光を主として使用して、その後輝度が高くなってプロジェクタユニットPJAの投写光が上限に達したら、PJX3の投写光を使用するようなことも可能である(図16参照。)。また、実施形態3の変形例2のように、輝度が低いときはまずプロジェクタユニットPJX3の投写光を使用して、その後輝度が高くなってプロジェクタユニットPJX3の投写光が上限に達したら、PJAの投写光を使用するようなことも可能である(図17参照。)。
[実施形態4]
図18は、本発明の実施形態4に係るマルチプロジェクションディスプレイを説明するために示す図である。
実施形態4に係るマルチプロジェクションディスプレイ400は、4台のプロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJDからの投写画像及び1台の第2のプロジェクタユニットPJX4からの投写画像により反射型スクリーンSCR2上に大画面画像を表示するフロント型のマルチプロジェクションディスプレイである。
図18は、本発明の実施形態4に係るマルチプロジェクションディスプレイを説明するために示す図である。
実施形態4に係るマルチプロジェクションディスプレイ400は、4台のプロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJDからの投写画像及び1台の第2のプロジェクタユニットPJX4からの投写画像により反射型スクリーンSCR2上に大画面画像を表示するフロント型のマルチプロジェクションディスプレイである。
実施形態4に係るマルチプロジェクションディスプレイ400は、図18に示すように、マルチプロジェクションディスプレイにおける「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値が調整された投写光を投写面に投写する第2のプロジェクタユニットPJX4を備えている。
実施形態4に係るマルチプロジェクションディスプレイ400は、反射型スクリーンSCR2に投写された画像を撮影するための撮像装置としてのカメラCをさらに備えている。
実施形態4に係るマルチプロジェクションディスプレイ400は、反射型スクリーンSCR2に投写された画像を撮影するための撮像装置としてのカメラCをさらに備えている。
このため、実施形態4に係るマルチプロジェクションディスプレイ400においては、第2のプロジェクタユニットPJX4が「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値(輝度値及び/又は色値)が調整された投写光を投写面に投写することとしているため、上記した各実施形態1〜3に係るマルチプロジェクションディスプレイ100,200,300の場合と同様に、「黒浮き模様」の発生を抑制することができるようになる。このため、輝度調整器が挿入・配置されていない通常のプロジェクタをプロジェクタユニットとして用いても「黒浮き模様」の発生を抑制することができるようになる。
また、実施形態4に係るマルチプロジェクションディスプレイ400においては、全投写領域におけるいずれの点においても少なくとも2台のプロジェクタユニットからの投写光が重畳投写されるように構成されているため、階調資源における冗長性が確保され、その結果、「黒浮き模様」の発生を抑制するために少なくとも1台のプロジェクタユニットが階調資源を使用したことに起因する実効階調数の低下やダイナミックレンジの低下を抑制することができる。
また、実施形態4に係るマルチプロジェクションディスプレイ400によれば、カメラCによる撮影結果(輝度分布情報)に基づいて「黒浮き模様」が発生する領域を特定することができるため、各プロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJDや反射型スクリーンSCR2の設置状況(設置位置や設置姿勢)に応じて「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値(輝度値及び/又は色値)が正確に調整された投写光を投写面に投写することができ、「黒浮き模様」の発生を効果的に抑制することができるようになる。
また、実施形態4に係るマルチプロジェクションディスプレイ400においては、カメラCによる撮影結果(輝度分布情報)に基づいて、各プロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJDにおける各画素ごとに画素値(輝度値及び/又は色値)を補正する画素値補正装置(図示せず。)をさらに備えている。
また、実施形態4に係るマルチプロジェクションディスプレイ400においては、画素値補正装置は、輝度分布情報に基づいて画素値(輝度値及び/又は色値)の補正を行なうこととしているが、これに代えて、輝度分布情報に基づいて算出した画素値補正式又は画素値補正テーブルを記憶部(図示せず。)に記憶しておき、この記憶部に記憶された画素値補正式又は画素値補正テーブルを用いて画素値の補正を行うこととしてもよい。
この場合において、画素値補正式を用いて画素値の補正を行うこととした場合には記憶部の容量を小さくすることができるという利益があり、画素値補正テーブルを用いて画素値の補正を行うこととした場合には画素値の補正を行う際の計算量を減らすことができるという利益がある。
この場合において、画素値補正式を用いて画素値の補正を行うこととした場合には記憶部の容量を小さくすることができるという利益があり、画素値補正テーブルを用いて画素値の補正を行うこととした場合には画素値の補正を行う際の計算量を減らすことができるという利益がある。
なお、実施形態4に係るマルチプロジェクションディスプレイ400においては、反射型スクリーンSCR2に投写された画像を撮影するための撮像装置としてのカメラCは、「黒浮き模様」を抑制するために必要な撮影を行うのに加えて、各プロジェクタユニットPJA,PJB,PJC,PJDからの単位投写画像を滑らかに接続するために必要な撮影をも行う。
[実施形態5]
図19は、本発明の実施形態5に係るマルチプロジェクションディスプレイを説明するために示す図である。
実施形態5に係るマルチプロジェクションディスプレイ500は、マルチプロジェクションディスプレイの全投写領域におけるいずれの点においても、専ら輝度信号に係る投写画像を投写するY用プロジェクタユニットPJYA,PJYB,PJYC,PJYDからの投写光と、専ら色信号に係る投写画像を投写するUV用プロジェクタユニットPJUVからの投写光とが重畳投写されるように構成され、Y用プロジェクタユニットPJYA,PJYB,PJYC,PJYD及び前記UV用プロジェクタユニットPJUVのうち少なくとも一方のプロジェクタユニットは、「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値が調整された投写光を投写面に投写する。
図19は、本発明の実施形態5に係るマルチプロジェクションディスプレイを説明するために示す図である。
実施形態5に係るマルチプロジェクションディスプレイ500は、マルチプロジェクションディスプレイの全投写領域におけるいずれの点においても、専ら輝度信号に係る投写画像を投写するY用プロジェクタユニットPJYA,PJYB,PJYC,PJYDからの投写光と、専ら色信号に係る投写画像を投写するUV用プロジェクタユニットPJUVからの投写光とが重畳投写されるように構成され、Y用プロジェクタユニットPJYA,PJYB,PJYC,PJYD及び前記UV用プロジェクタユニットPJUVのうち少なくとも一方のプロジェクタユニットは、「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値が調整された投写光を投写面に投写する。
このように、輝度信号に係る投写画像を投写するY用プロジェクタユニットPJYA,PJYB,PJYC,PJYDからの投写光と、専ら色信号に係る投写画像を投写するUV用プロジェクタユニットPJUVからの投写画像を投写面に重畳投写することによっても、フルカラーディスプレイを構成することができる。
この場合、輝度信号と色信号とは完全には独立していないため、一つの画素値を表現するために輝度信号と色信号とをどのように選択するかについてはある程度の自由度が残されている。このため、Y用プロジェクタユニットPJYA,PJYB,PJYC,PJYD及びUV用プロジェクタユニットPJUVのうちいずれか一方のプロジェクタユニットの重畳投写により「黒浮き模様」が起こったとしても、他方のプロジェクタユニットによりこの「黒浮き模様」の発生を抑制することができる。
この場合、輝度信号と色信号とは完全には独立していないため、一つの画素値を表現するために輝度信号と色信号とをどのように選択するかについてはある程度の自由度が残されている。このため、Y用プロジェクタユニットPJYA,PJYB,PJYC,PJYD及びUV用プロジェクタユニットPJUVのうちいずれか一方のプロジェクタユニットの重畳投写により「黒浮き模様」が起こったとしても、他方のプロジェクタユニットによりこの「黒浮き模様」の発生を抑制することができる。
以上、本発明のマルチプロジェクションディスプレイを上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
10…画像入力部、20,22,24,26…画像加工部、30,32…画像出力部、100,100a,200,300,400,500,900…マルチプロジェクションディスプレイ、C…カメラ、PJA,PJB,PJC,PJD,PJX1,PJX2,PJX3,PJX4,PJYA,PJYB,PJYC,PJYD,PJUV…プロジェクタユニット、SCR…スクリーン、SCR1…透過型スクリーン、SCR2…反射型スクリーン
Claims (11)
- 複数のプロジェクタユニットからの投写画像により投写面上に大画面画像を表示するマルチプロジェクションディスプレイであって、
マルチプロジェクションディスプレイの全投写領域におけるいずれの点においても少なくとも2台のプロジェクタユニットからの投写光が重畳投写されるように構成され、
前記少なくとも2台のプロジェクタユニットのうち少なくとも1台のプロジェクタユニットは、「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値が調整された投写光を投写面に投写することを特徴とするマルチプロジェクションディスプレイ。 - 請求項1に記載のマルチプロジェクションディスプレイにおいて、
このマルチプロジェクションディスプレイの投写面における最低輝度を、前記複数のプロジェクタユニットからの投写光が最も多数重畳している領域における最低輝度に揃えることを特徴とするマルチプロジェクションディスプレイ。 - 請求項2に記載のマルチプロジェクションディスプレイにおいて、
このマルチプロジェクションディスプレイの投写面における最高輝度を、前記複数のプロジェクタユニットからの投写光が最も少なく重複している領域における最高輝度に揃えることを特徴とするマルチプロジェクションディスプレイ。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のマルチプロジェクションディスプレイにおいて、
前記少なくとも2台のプロジェクタユニットのうち少なくとも1台のプロジェクタユニットは、マルチプロジェクションディスプレイにおける「黒浮き模様」と反対のパターンを有する静止画像を投写することを特徴とするマルチプロジェクションディスプレイ。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のマルチプロジェクションディスプレイにおいて、
前記少なくとも2台のプロジェクタユニットのうち少なくとも1台のプロジェクタユニットが投写する投写画像の空間解像度は、前記少なくとも2台のプロジェクタユニットのうち他のプロジェクタユニットが投写する投写画像の空間解像度よりも低いことを特徴とするマルチプロジェクションディスプレイ。 - 請求項1〜5のいずれかに記載のマルチプロジェクションディスプレイにおいて、
前記少なくとも2台のプロジェクタユニットのうち少なくとも1台のプロジェクタユニットは、投写面全面に投写光を投写する1台のプロジェクタユニットであることを特徴とするマルチプロジェクションディスプレイ。 - 請求項1〜6のいずれかに記載のマルチプロジェクションディスプレイにおいて、
前記少なくとも2台のプロジェクタユニットのうち少なくとも1台のプロジェクタユニットは、単位投写画像を投写する複数のプロジェクタユニットのうち少なくとも1台のプロジェクタユニットであることを特徴とするマルチプロジェクションディスプレイ。 - 請求項1〜7のいずれかに記載のマルチプロジェクションディスプレイにおいて、
前記少なくとも2台のプロジェクタユニットのうち少なくとも1台のプロジェクタユニットは、単位投写画像を投写する複数のプロジェクタユニットのうち少なくとも1台のプロジェクタユニット及び投写面全面に投写光を投写する1台のプロジェクタユニットであることをであることを特徴とするマルチプロジェクションディスプレイ。 - 請求項1〜8のいずれかに記載のマルチプロジェクションディスプレイにおいて、
このマルチプロジェクションディスプレイがリア型のマルチプロジェクションディスプレイであることを特徴とするマルチプロジェクションディスプレイ。 - 請求項1〜8のいずれかに記載のマルチプロジェクションディスプレイにおいて、
このマルチプロジェクションディスプレイがフロント型のマルチプロジェクションディスプレイであり、
投写面に投写された画像を撮影するための撮像装置をさらに備えたことを特徴とするマルチプロジェクションディスプレイ。 - 複数のプロジェクタユニットからの投写画像により投写面上に大画面画像を表示するマルチプロジェクションディスプレイであって、
マルチプロジェクションディスプレイの全投写領域におけるいずれの点においても、専ら輝度信号に係る投写画像を投写するY用プロジェクタユニットからの投写光と、専ら色信号に係る投写画像を投写するUV用プロジェクタユニットからの投写光とが重畳投写されるように構成され、
前記Y用プロジェクタユニット及び前記UV用プロジェクタユニットのうち少なくとも一方のプロジェクタユニットは、「黒浮き模様」の発生を抑制するように画素値が調整された投写光を投写面に投写することを特徴とするマルチプロジェクションディスプレイ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004099223A JP2005286772A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | マルチプロジェクションディスプレイ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004099223A JP2005286772A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | マルチプロジェクションディスプレイ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005286772A true JP2005286772A (ja) | 2005-10-13 |
Family
ID=35184685
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004099223A Withdrawn JP2005286772A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | マルチプロジェクションディスプレイ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005286772A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100786572B1 (ko) * | 2006-04-25 | 2007-12-21 | 주식회사 유니텍 | 다중 영상신호를 이음매 없이 대형화면에 표출하는신호처리장치 |
US8552923B2 (en) | 2007-09-18 | 2013-10-08 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Projector and projection control method of the projector |
US9229678B2 (en) | 2010-07-21 | 2016-01-05 | Canon Kabushiki Kaisha | Image display system, image processing apparatus and control method thereof |
US11695906B2 (en) | 2019-03-27 | 2023-07-04 | Fujifilm Corporation | Image processing device, projection system, image processing method, and image processing program |
US11895446B2 (en) | 2019-09-27 | 2024-02-06 | Fujifilm Corporation | Control device, control method, control program, and projection system |
-
2004
- 2004-03-30 JP JP2004099223A patent/JP2005286772A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100786572B1 (ko) * | 2006-04-25 | 2007-12-21 | 주식회사 유니텍 | 다중 영상신호를 이음매 없이 대형화면에 표출하는신호처리장치 |
US8552923B2 (en) | 2007-09-18 | 2013-10-08 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Projector and projection control method of the projector |
US9229678B2 (en) | 2010-07-21 | 2016-01-05 | Canon Kabushiki Kaisha | Image display system, image processing apparatus and control method thereof |
US11695906B2 (en) | 2019-03-27 | 2023-07-04 | Fujifilm Corporation | Image processing device, projection system, image processing method, and image processing program |
US11956573B2 (en) | 2019-03-27 | 2024-04-09 | Fujifilm Corporation | Image processing device, projection system, image processing method, and image processing program |
US11895446B2 (en) | 2019-09-27 | 2024-02-06 | Fujifilm Corporation | Control device, control method, control program, and projection system |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8102332B2 (en) | Intensity scaling for multi-projector displays | |
US7396135B2 (en) | Display apparatus and image information generating method adapted to display apparatus | |
US20120007986A1 (en) | Multiprojection display system and screen forming method | |
JP2006235157A (ja) | 画像表示装置、画像表示方法、およびプログラム | |
JP6794983B2 (ja) | 情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び画像表示装置 | |
JP2008026879A (ja) | 表示システムおよび表示方法 | |
JP2009156898A (ja) | 表示装置 | |
JP2009036884A (ja) | 投射型表示装置及び表示方法 | |
JP6119155B2 (ja) | 調光制御装置、画像表示装置、調光制御方法及びプログラム | |
JP2005286772A (ja) | マルチプロジェクションディスプレイ | |
JP2009058662A (ja) | 画像表示システムおよび画像表示方法 | |
JP2009085977A (ja) | プロジェクタ | |
JP4165312B2 (ja) | 照明装置、投射型表示装置 | |
JP4923383B2 (ja) | 光学表示装置、光学表示装置制御プログラム | |
JP5409192B2 (ja) | 投射型表示装置 | |
JP2008242208A (ja) | 画像表示装置およびプロジェクタ | |
JP2007163674A (ja) | 表示装置 | |
JP2005275077A (ja) | マルチプロジェクションディスプレイ | |
JP2973594B2 (ja) | 投写型画像表示装置 | |
JP2008311898A (ja) | マルチプロジェクションシステム | |
JP2015118336A (ja) | 映像表示装置、その制御方法、及びシステム。 | |
JPS6160636B2 (ja) | ||
JP2005167680A (ja) | プロジェクタシステム | |
WO2000075724A1 (fr) | Plaque pare-lumiere pour appareil video de projection | |
CN220526172U (zh) | 光学系统和投影设备 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070605 |