JP2005285826A - 半導体薄膜の結晶化方法並びに結晶化装置、薄膜トランジスタ、およびこの薄膜トランジスタを使用した表示装置 - Google Patents

半導体薄膜の結晶化方法並びに結晶化装置、薄膜トランジスタ、およびこの薄膜トランジスタを使用した表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶方位を制御した半導体薄膜の結晶化方法、結晶化装置、位相シフタ、薄膜トランジスタおよび表示装置を提供する。
【解決手段】非単結晶半導体薄膜4の膜厚を50nm未満として、基板2上においてレーザ照射を、ライン状の光最小強度領域を有するV型の光強度分布1を形成するような位相シフタ51を用いて、一方向成長に結晶化する。この結果、前記ライン状の極小温度領域に沿う前記結晶核の発生を密にして、温度勾配の方向に主として{110}配向した半導体薄膜が結晶化される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、レーザ光を使用して半導体薄膜を結晶化させる半導体薄膜の結晶化方法並びに結晶化装置、この技術を利用した薄膜トランジスタ並びにその製造方法半導体装置、および、この薄膜トランジスタを使用した、液晶、有機EL等の表示装置に関する。
従来から、ポリシリコン薄膜トランジスタの高移動度化およびしきい電圧のばらつき低減のために、ポリシリコン薄膜(p-シリコン薄膜)の大粒径化、大粒径結晶粒の位置制御性の良いアレイ化、および面方位制御に関する取り組みが、各企業、大学、研究機関等でなされている。その中で、位相シフタを使ったエキシマレーザによる非晶質シリコン薄膜(a−シリコン薄膜)の結晶化については、特開2000-308859(特許文献1)により紹介されている。また、今までに、位相シフタを使ったエキシマレーザによるシリコン薄膜の結晶化に関して、位置制御性良くΔ型あるいは短冊型の大粒径結晶粒アレイを形成できることが、例えば、表面科学21,278(2000)(非特許文献1)により報告されている。
特開2000-308859 表面科学21,278(2000)
しかし上記従来の技術では、a−シリコン薄膜をp−シリコン薄膜にするのに際して、結晶粒を大粒径化させることはできても、大粒径化した結晶粒の面方位を制御することはできないので、しきい電圧のばらつきを低減させることは難しい。
従って本発明の目的は、非結晶半導体薄膜を、大粒径化された結晶粒で、面方位を制御可能に結晶化することの可能な技術を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係わる半導体薄膜の結晶化方法は、基板に成膜された半導体薄膜にレーザ光を照射して結晶化させる半導体薄膜の結晶化方法であって、前記半導体薄膜上に、ライン状の極小温度領域と、この極小温度領域の両側のライン状の極大温度領域とを有する逆ピークパターンの繰り返しの温度分布を前記レーザ光により形成し、前記温度分布に従った温度勾配の方向が半導体薄膜の面内にあり、かつ前記ライン状の極小温度領域に沿って複数の結晶核を発生させ、これら結晶核から温度勾配に従って結晶を成長させる工程を有する方法において、
半導体薄膜の膜厚を50nm未満にして、前記ライン状の極小温度領域に沿う前記結晶核の発生を密にして、温度勾配の方向に主として{110}配向させて半導体薄膜を結晶化させることを特徴とする。
本発明の他の態様に係わる結晶化装置は、基板に形成され、50nm未満の厚さを有する半導体薄膜にレーザ光を照射して結晶化する装置であって、
レーザ光源と、
前記半導体薄膜上に、ライン状の極小温度領域と、この極小温度領域の両側のライン状の極大温度領域とを有する逆ピークパターンの温度分布を形成し、この温度分布に従った温度勾配の方向が半導体薄膜の面内にあり、かつ温度勾配の方向と直交する半導体薄膜の面内の方向に沿って、前記ライン状の極小温度領域に沿う複数の結晶化開始点があるように、前記レーザ光源からのレーザ光を光変調する手段とを具備する。
本発明によれば、1ショットのレーザ照射により位置制御かつ結晶成長方向に面方位制御された、例えば、細長いほぼ矩形(短冊形)の横方向成長結晶粒アレイ組織の高品質な結晶質の半導体薄膜が得られる。本発明で得た結晶化半導体薄膜を用いる薄膜トランジスタは、チャネル領域内において結晶粒の成長面が{110}に優先配向しているので、電流の方向を結晶成長方向に合わせることで、従来のポリシリコン薄膜トランジスタよりも移動度が高く、特にしきい電圧のばらつきが小さくなる。本発明の薄膜トランジスタを液晶ディスプレイ、有機EL等の表示装置に適用すれば、周辺回路に高機能の演算素子等を形成することが可能になり、システム・オン・パネル化に向け、本発明の効果は大きい。また位相シフタを光路中に挿入するだけの方法なので、光学系が複雑にならず調整に時間がかからないので、量産にも適している。
以下、添付の図面を参照して本発明による半導体薄膜の結晶化の原理について、また本発明の好ましい実施の形態について説明する。
光変調素子として、後で説明するドット型もしくはライン型の位相シフタを使用して光変調されたレーザ光は、ライン状の極小光強度領域と、この極小光強度領域の両側のライン状の極大光強度領域とを有する逆ピークパターンの光強度分布を有するようになる。尚、位相シフタのドットもしくはラインが繰り返し形成されている場合には、光強度分布も、逆ピークパターンが繰り返されたようになる。このような逆ピークパターンは、本明細書では、説明を容易にするために、ほぼV字型のパターンで説明し、かつ図示している。従って、好ましい光強度分布は、図1の(d)に符号1で示し、図2の(d)に符号53で示すように、ほぼV字型のパターンの繰り返しとなっている。このV字型のパターンで、谷部(ボトム位置)1a,53aが、極小光強度領域に対応し、山部(トップ位置)1b,53bが、極大光強度領域に対応している。これら谷部と山部とは、紙面に対して垂直に延びたライン(一直線)形状をしている。
半導体薄膜の結晶化開始時に、このような光強度分布を有するレーザ光で半導体薄膜を照射することにより、半導体薄膜上には、この光強度パターンに対応した温度分布が形成され、温度勾配が半導体薄膜内に生じ、結晶成長方向が一方向に限定される。この結果、結晶の成長方向と、この成長方向に垂直な、膜面の法線方向(膜厚方向)と、結晶粒の幅の方向とで、結晶成長速度に異方性がつけられる。
次に、本発明で使用される位相シフタ(位相シフトマスク)の例を説明する。
ここで「位相シフタ」とは、光リソグラフィの解像力を向上させるための手段であり、転写パターンに応じて透過光の光強度を変調するとともに位相を変調する機能を有する空間強度変調光学素子のことをいう。
図1の(a)並びに(b)は、ライン型の位相シフタ6を示す。この位相シフタ6は、透明媒質、例えば、石英基材に厚さの異なる互いに隣合う領域を設け、これら領域間の段差(位相シフト部)の境界で、入射するレーザ光線を回折並びに干渉させて、入射したレーザ光線の強度に周期的な空間分布を付与するものである。この位相シフタ6は、隣接するパターンが逆位相(例えば、180°のずれ)となるように、交互に並べられた位相が、例えば、πの第1のストリップ領域(位相領域)6aと、位相が、例えば、0の第2のストリップ領域(位相領域)6bとを有する。これらストリップ領域(位相シフト線領域)は、10μmの幅を有する。一般にレーザ光の波長をλ、の透明媒質の屈折率をnとすると、領域間に180°の位相差をつけるのに必要な透明媒質の膜厚tは、t=λ/2(n−1)で与えられる。従って、石英基材の屈折率を1.5とすると、レーザ光としてKrFエキシマレーザ光を使用した場合には、これの波長が248nmであるから、180°の位相差を付けるためには248nmの段差をエッチング等の方法で領域間につければよい。このエッチングにより薄く形成された領域が第1のストリップ領域6aとなり、エッチングされない領域が第2のストリップ領域6bとなっている。
このような構成の位相シフタにおいては、厚い第2の位相領域6bを通過したレーザ光は、薄い第1の位相領域6aを通過したレーザ光に比較して位相が180°遅れる。この結果、レーザ光間で、干渉と回折とが生じ、図1の(d)に示すような、V字形の連続した光強度分布1が得られる。このような光強度分布のレーザ光で、半導体薄膜を照射すると、結晶化開始時に、前記半導体薄膜上に、ライン状の極小温度領域(ボトム部もしくは谷部)と、この極小温度領域の両側のライン状の極大温度領域(トップ部もしくは山部)とを有する逆ピークパターンの温度分布を形成することができる。
次に上記位相シフタの製造方法の他の例を説明する。
先ず遮光膜パターンを形成し、この上に所定膜厚の透明膜を形成する。透明膜材料としてはSOG(Spin on glass)を用いる。成膜方法としてはスピンコーティング法を用いる。塗布した透明膜を所定温度で焼成する。次いで、透明膜上にレジストを塗布し、レジスト膜を露光して所定のラインとスペース段差とのパターンあるいはドットパターン潜像を形成し、レジスト膜を現像して所定のラインとスペース段差パターンあるいはドットパターンを形成する。ここで所定のパターンは、所定の間隔ごとに周期的に繰り返される。
次いで、プラズマエッチングなどのドライエッチング法を用いてレジスト膜の開口部分に露出する透明膜を選択的に除去する。さらにアッシング処理等によりレジスト膜および遮光膜を透明膜から除去すると、所定のパターンを有する位相シフタが得られる。
このようにして作製した位相シフタは、段差のところで分割光線群にそれぞれ独立にフレネル回折を起こさせる。これらの回折パターンは基板表面で多重反射により重畳されるので、基板表面の光強度分布は位相シフタのパラメータ(ギャップdと位相差θ)に依存する度合いが強いが、光強度分布に影響を与える他のパラメータとして位相シフタに入射する光線群の広がり量(ε)や光線間の干渉性が複雑に関係してくる。尚、位相差は必ずしも180°である必要はなく、レーザ光に強弱を実現できる位相差であればよい。このような位相シフタを透過したレーザ光は、図1の(c)に示すV型の繰り返しとなる光強度分布となる。
図1の(c)には、このようなレーザ光で照射される半導体薄膜の一例が示されている。この図で、半導体薄膜は、符号4で示され、ガラス等の絶縁基板2上の下層絶縁膜3と上層絶縁膜5との間に形成されている。
図2の(a)並びに(b)に示すドット型の位相シフタ51は、透明媒質に、大きさが段々小さくなる、例えば矩形の、ドット段差(凹所)52を周期的に形成したものである。このような位相シフトによって、図2の(d)に示すように、レーザ光を光変調して、最大凹所52に対応して谷部53aが、また、最小凹所52に対応して山部53bが生じるV型の繰り返しの光強度分布53を形成することができる。尚、図2の(c)は、前記図1の(c)と実質的に同一なので説明は省略する。
本発明者達は、上記のような位相シフタ6,51を使用して、前記非特許文献1に記載のレーザアニール技術によって、膜厚の異なる非結晶シリコン薄膜を、結晶化した。この結果、成長される結晶粒およびこれら結晶粒の集合からなる結晶組織が、膜厚に応じて、変化することを見出した。このことを膜厚が200nmの場合と、30nmの場合とについて図2を参照して以下に説明する。
具体的には、レーザ光として、波長248nmのKrFエキシマレーザ光を使用し、1ショットのパルス継続時間を20ないし200nsとした。上記条件で、位相シフタ6を、レーザ光源とガラス等の絶縁基板2上の下層絶縁膜3、非晶質半導体薄膜(シリコン薄膜)4、上層絶縁膜5からなる試料との間に挿入し、パルスレーザ光を照射した。この結果、位相シフタ6を通過したレーザ光は段差部で回折と干渉を起こし周期的に強弱がつき、レーザ光が強い部位では半導体薄膜4は完全に溶融し、レーザ光が弱い部位との間で温度勾配が生じた。そして、レーザ光が最も弱い部位に結晶核が生成し、時間の経過とともに温度勾配に沿って溶融シリコンが凝固し、1次元の横方向の結晶成長が進んでいる。
上記のような結晶化においては、シリコン薄膜4bが30nmの場合(b)は、シリコン薄膜4aが200nmの場合(a)と比較して、Si層の熱容量が小さく、結晶化の際の冷却速度が大きい。どちらの場合もV型光強度分布(温度分布)に従って、強度分布の谷部(極小温度領域)の位置に対応するライン状(破線で示す)に成長性の結晶核12a,12bが最初に発生する。しかし、200nmの場合には、熱容量が大きく冷却速度が小さいために結晶核発生時の潜熱が逃げにくく、結果として成長性の核の発生間隔が広くなる。このため粒幅W方向への成長も、成長性結晶核の間隔の範囲で可能であり、(a)に示すように、ほぼ三角形の横方向成長粒13aが生成する。一方、30nmの場合には、潜熱が逃げやすいので成長性結晶核の発生間隔が狭くなる。このために、(b)に示すように、粒幅方向の成長が制限されて、横方向成長粒13bの幅Wは細くなる(細長い矩形状になる)。そして、結晶の配向も異なるので、30nmの場合につき以下に説明する。
この場合には、膜面の法線方向(膜厚方向)は、{111}{001}に、粒幅W方向は{111}{101}に、成長方向は{101}に配向する。これは下記の理由による。
各方向について単独で考えると、法線方向は膜厚による成長の制限、および膜厚減少に伴うSi/SiO界面の影響の増大から、最も遅い成長端の{111}および最もSi/SiO界面エネルギーが小さくなる{001}に配向しやすい。また、粒幅方向も隣接して発生する成長性の結晶核が同時に横方向成長するために成長が制限され、最も遅い成長端の{111}に配向しやすい。横方向成長方向は超急冷凝固系の温度勾配の方向であり、速度の大きな成長端の{001}{101}に配向しやすい。
ここで幾何学的条件を考えると、法線方向と粒幅方向とが{111}に配向する場合、成長方向は{001}にはなり得ない。これは、これら配向方向が直交しないからである。また同じ理由で、法線方向と粒幅方向が同時に{111}に配向することもあり得ない。このために、法線方向と粒幅方向のどちらか、あるいは両方が{111}から傾くことになるが、法線方向は{101}になりにくい性質から、粒幅方向は{001}にはなりにくく、{111}{101}に配向しやすい。
レーザ結晶化Si膜の法線方向の面方位に関しては、(100)がSi/SiO界面エネルギーを最小にするという特徴がある。また一方で薄い膜ではSi結晶のようなダイヤモンド構造の最密面である(111)に配向するという特徴がある。
上記を考慮すると、法線方向は、薄い膜の効果とSi/SiO界面エネルギーの効果で膜厚方向が{111}{001}に配向する。また結果として、粒幅方向は{111}{101}に配向する。
上記説明では、シリコン薄膜の厚さが30nmの場合について説明したが、膜厚の薄さによる上記配向特性は、50nm未満の膜厚の場合に得られる。しかし、薄すぎると、横方向の成長に支障を生じる恐れがあるので、20nm以上が好ましい。尚、20ないし50nmの膜厚では、トランジスタの半導体薄膜(ソース領域、ドレイン領域、チャネル領域)として好ましくない場合には、成膜工程を繰り返して、複数の半導体薄膜の積層による膜を形成すれば良い。即ち、結晶化した第1の半導体薄膜の上に、非結晶半導体薄膜を堆積し、これを第1の半導体薄膜と同様にして結晶化して第2の半導体薄膜を(必要に応じては、さらに、第3、第4、…の半導体薄膜を)形成すれば良い。
本発明においては、以上説明したように半導体薄膜の厚さを50nm未満にして、好ましくは、50ないし20μmにして、ライン状の極小温度領域と、この極小温度領域の両側のライン状の極大温度領域とを有する逆ピークパターンの繰り返しの温度分布を前記レーザ光により形成して、ライン状の極小温度領域に沿う前記結晶核の発生を密にして、温度勾配の方向に主として{110}配向させている。ここで、“ライン状の極小温度領域に沿う前記結晶核の発生を密にする”という表現は、図2の(a)に示すように結晶核12a相互がかなりの間隔を有して離間しているのに比較して、図2の(b)に示すように結晶核12b相互の間隔が狭いか、ほとんど接触している状態を意味している。
尚、図3において、試料並びにレーザ光の温度分布は、図1並びに図2に示すものと同じなので、シリコン薄膜が4a,4bで示されている以外は、同一符号を付して説明は省略している。
本発明において結晶化の対象となる非単結晶半導体層は、所定膜厚の非晶質シリコン(a-Si)膜を用いることが一般的であるが、非晶質シリコン中に若干量の微結晶シリコンを含む混合組織であってもよく、また多結晶シリコン(poly-Si)膜であってもよい。また、シリコンに限られず、他の半導体薄膜にも適用可能である。
本発明では、絶縁性のキャップ膜を介して非単結晶半導体層に光強度分布を有するレーザ光を照射することが好ましい。キャップ膜には所定膜厚のSiO膜またはSiON膜を用いることが好ましい。キャップ膜の膜厚は50ないし500nmの範囲とすることができる。この膜厚が50nmを下回るとキャップ膜としての機能を失うからであり、一方膜厚が500nmを上回るとレーザ光強度の減衰が過大になるからである。
図1の光強度分布のV字の間隔は6ないし20μm(山部と谷部との間の距離は、3ないし10μm)の範囲、好ましくは8ないし14μmが望ましい。6μm未満にすると、横方向成長粒の粒長が短くなり、大結晶粒を形成するという本発明の目的に反することになるからであり、一方20μmを超えると、横方向成長が途中で止まってしまうため、結晶粒で膜を充填することができなくなる。繰り返しV型光強度分布の間隔は、最終的に形成したい組織の粒長と密接な関係があり、隣接する横方向成長粒がちょうど出会うことができる距離とするか、又はそれより少し短めの距離とすることが最も望ましい。従って、本発明では、V字の間隔を6ないし20μmとすると、3ないし10μmの成長長さの結晶粒を得ることができる。
また、光強度分布を有するレーザ光のトップ位置のフルエンスを700ないし1300、好ましくは1000mJ/cmの範囲とすることが好ましい。ここで「フルエンス」とは、レーザのエネルギー密度を表わす尺度であり、単位面積当たりのエネルギー量を時間積分したものをいう。平均フルエンスが700mJ/cmを下回ると、結晶化されない未結晶部分が残りやすくなるからであり、一方、平均フルエンスが1300mJ/cmを上回ると半導体薄膜が蒸散してしまうからである。
本発明の光変調素子としては、光透過性の材料からなり、光透過面側に所定のパターンの段差が周期的に繰り返し配置されている位相シフタが好ましい。そのパターンはV型光強度分布を形成するものであればよい。例えばプロキシミティ方式の位相変調光学系の結晶化装置を用いて、ラインとスペース段差との繰り返しからなるライン型の位相シフタを用いる場合は、ラインとスペース段差との間隔を6μm以上で20μm、好ましくは14μm未満とすることが好ましい。この数値限定理由は、上述したV型光強度分布の間隔の数値限定理由と同じである。
尚、プロキシミティ方式の光学系で位相シフタを用いる場合、位相シフタの光透過面から基板の入射面までの距離dを種々変えることができるが、50ないし500μmの範囲に調整することが最も望ましい。距離dを50μm未満にすると、位相シフタと基板との間での多重反射が強くなりすぎて、基板面上でフルエンスに大きなばらつきがある光強度分布となってしまうからである。一方、距離dが500μmを超えると、プロキシミティ方式で位相シフタを用いる場合の利点である鮮明なビームプロファイルが得られ難くなるからである。
本発明において、例えばプロジェクション方式の光学系(投影法)で位相シフタを用いて、ライン型の位相シフタを用いる場合は、ラインとスペース段差との間隔と縮小レンズの縮小倍率とを掛けた値を6μm以上、以上20μm未満、好ましくは、8ないし14μmとすることが好ましい。縮小レンズの縮小倍率は、1/1から1/20までの範囲で種々変えることができるが、1/4から1/8までの範囲とすることが好ましく、1/5程度とすることが最も好ましい。投影法に用いる光学系は、位相シフタの他に、エキシマレーザ光を発生させるためのエキシマレーザ発生装置、発生したレーザ光を分割し均一にするためのホモジナイザ、分割したレーザ光をマスク面の中心領域に集めるための凸レンズ、照射領域を定めるためのマスク、マスク面の照射領域を基板面で縮小した領域にするためのテレセントリック縮小レンズ、位相シフタ、XYZ基板ステージを含むものである。なお、投影法では位相シフタをマスク面のところに位置させる。
以下、添付の図面を参照して本発明の種々の好ましい実施の形態について説明する。
第1の実施の形態
図4に示すように、レーザアニール装置、即ち、結晶化装置20は、プロキシミティ方式の光学系31を備えている。この光学系31は、レーザ光軸24に沿って、KrFエキシマレーザ発振器(発生装置)21と、ホモジナイザ22と、第1のコンデンサレンズ23と、第2のコンデンサレンズ26と、マスク27と、テレセントリック型の縮小レンズ28と、位相シフタ6とが順次設けられた構成である。そして、前記テレセントリック縮小レンズ28の結像位置には、被処理体32が位置合わせされるように、XYZθステージ29が配置されている。
前記KrFエキシマレーザ発振器21としては、被処理体32の後述する非晶質シリコン薄膜4の照射領域を溶融するのに十分なエネルギー、例えば被処理体32上における値で700ないし1300(好ましくは1000)mj/cmとなるレーザ光を出力するように設定されている。
前記ホモジナイザ22は、上記レーザ発振器21から射出されたレーザ光の面内光強度を均一化するためのものであり、例えば、集光レンズと2つの魚の目レンズとからなり、入射したレーザ光を分割し光強度を均一にするように構成されている。
前記第1のコンデンサレンズ(凸レンズ)23は、ホモジナイザ22からのレーザ光を集光するものであり、第2のコンデンサレンズ26(凸レンズ)と共役関係に配置されている。この第2のコンデンサレンズ26の射出側光路に配置された前記マスク27は、このレンズ26を通ったレーザ光のうち、非有効レーザ光を遮断して、有効レーザ光のみを照射するものであり、照射領域を定めるように設定された照射領域を有する。
前記縮小レンズ28は、1/1ないし1/20、例えば1/5倍に縮小するレンズであり、被処理体32の表面と共役関係に配置されている。この縮小レンズ28は、マスク27の照射領域を通ったレーザ光を基板面に縮小した領域で入射させるためのテレセントリック縮小レンズにより構成されている。
前記位相シフタ6は、縮小レンズ28とXYZθステージ29との間に配置され、XYZθステージ29上に載置された被処理体32の上面に近接して設けられている。本実施形態のプロキシミティ方式では、位相シフタ6と被処理体32の上面との近接間隔dは、例えば、300μmに設定されている。この実施形態では、位相シフタ6としては、図1の(a),(b)に示す位相シフタ6が使用されているが、他の形態の位相シフタ、例えば、図2の(a),(b)に示す位相シフタ51でも良い。本実施形態の位相シフタ6では10μm間隔のラインとスペース段差(L&S段差)が配列されており、この段差は、248nmに加工され、180°の位相差が付けられている。
前記XYZθステージ29は、XYZの各軸方向およびZ軸を中心軸としたθ方向に回転可能に位置調整され得る。また、このXYZθステージ29は、ヒータ30を内蔵し、被処理体32を所定の温度に加熱可能である。
前記被処理体32は、基板2と、この上に順次積層されたバッファ層3と、非晶質シリコン薄膜4と、絶縁性キャップ膜5との積層構造となっている。
基板2としては、表示装置を形成する場合には、ガラス基板やプラスチック基板などの透過性絶縁基板が使用され得る。バッファ層3は、例えば、SiO層とSiN層の2層構造となっており、基板2からの不純物の拡散を防止する機能と、結晶化プロセス時に基板2を熱から保護する機能とを有している。非晶質シリコン薄膜4は、多結晶もしくは単結晶化して薄膜トランジスタなど機能素子を形成する半導体層である。そして、絶縁性キャップ膜5は、例えば、SiO膜により形成されており、非晶質シリコン薄膜4を、照射により発生する熱を数十n秒間のパルスレーザ光を所定期間蓄熱して大きな結晶粒を成長させるための結晶化のための保温効果を持たせる絶縁層である。
次に、上記の装置を用いて非単結晶半導体薄膜としての非晶質シリコン薄膜を結晶化する方法を説明する。
KrFエキシマレーザ発振器21から出射された波長248nmで、断面が長方形のレーザ光15は、ホモジナイザ22によって発散ビームに分割される。なお、1ショットのパルス継続時間は30ナノ秒である。分割されたビームの各中軸光線は、第1のコンデンサレンズ23によって マスク27の中心(照射領域)に集光されるが、それぞれのレーザビームは、僅かに発散型になっているために、マスク27全面を照明する。分割された微小出射領域を出た全ての光線群25は、それぞれマスク27上の全ての点を照射するので、レーザ出射面上の光強度に面内揺らぎがあっても、マスク27での光強度は均一になる。そして、マスク27の各領域を通過した光線群の中心光線、すなわちホモジナイザ22の中心部分のレンズ対を通ってきた発散光線群は、マスク27の近くに配置された第2のコンデンサレンズ26に入射し、光強度が均一な平行光線として射出される。この平行光線は、テレセントリック型の縮小レンズ28を通って、XYZθステージ29上に位置合わせされて載置された被処理体32に垂直に入射する。そして、レーザ発振器21からのパルスレーザ光の出射タイミングに応じて、XYZθステージ29は、所定ピッチ距離ずつX方向並びにY方向にステップ移動されて、被処理体32の照射領域がシフトされる。このようにして、アニールが繰り返されて、基板2上の非晶質シリコン薄膜4の照射領域が順次結晶化されて、所定の大きさもしくはシリコン薄膜全体に渡って結晶化領域が形成される。このようにして、例えば一辺が1mを超えるような大面積LCD基板上の非晶質シリコン薄膜の非晶質シリコンを、多結晶シリコンへと結晶化することが可能である。前記照射領域をシフトさせるためには、被処理体32とこれに入射するレーザ光とが、被処理体32の面に沿う方向(X,Y方向)に相対的に移動させることができれば、どのような方法および手段を採用しても良い。
上記構成の装置では、前記マスク27の同一箇所を通過した光線群は被処理体(詳しくは非晶質シリコン薄膜4)の面一点に集められる。即ち、マスク27の縮小像が、均一な光強度で非晶質シリコン薄膜4の上面に投影される。このときの非晶質シリコン薄膜4の上面の任意の点を照射する光線群は、中心光線を含めて分割された光線から作られている。或る光線と中心光線のなす角度は、ホモジナイザ22の幾何学的形状で決まる角度、すなわちマスク27での当該光線と中心光線とが作る角の角度に、テレセントリック型レンズ28の倍率を掛けた値になる。被処理体32に近接配置された位相シフタ6は、分割された光線群にそれぞれ独立にフレネル回折を起こさせる。これら回折パターンは、非晶質シリコン薄膜4の上面で重畳されるので、非晶質シリコン薄膜4の上面の光強度分布には、位相シフタ6のパラメータ(被処理体32と位相シフタ6との間隔d、位相差θ)だけではなく、位相シフタ6に入射する光線群の広がり量(ε)や、光線間の干渉性が複雑に関係する。
プロキシミティ法によるレーザアニールの場合にも、位相シフタのL&S間隔(ライン方の位相シフタ)あるいはドット配列の周期(ドット型の位相シフタ)は、前に説明した理由により、6ないし20μmの範囲に設定してある。
プロジェクション法によるレーザアニールの場合には、位相シフタのL&S間隔あるいはドット配列の周期と縮小レンズ28の倍率とを掛けた値が、6ないし20μmの範囲であることが望ましい。プロジェクション法を用いると、XYZθステージ29により被処理体32をステップ移動させるのが比較的簡単であり大量生産のプロセスとしては有効である。位相差は必ずしも180°である必要はなく、また位相シフトパターンも必ずしもL&Sである必要はなく、V型の繰り返しとなるレーザ光強度分布を実現できる位相差、位相シフトパターンであればよい。またレーザアニールの際の膜構造は、シリコン薄膜がレーザ光を吸収して溶融するときに、シリコン薄膜中に熱を保持するため、およびシリコン薄膜からの熱拡散により急激に基板を熱することのないように、上面と下面とを絶縁性の膜で被覆しておくのが好ましく、この例では、このために、非晶質半導体薄膜4の上面にキャップ層5が、また下面にバッファ層3が夫々形成されている。
第2の実施の形態
図5に示すレーザアニール装置40は、図4に示すプロキシミティ型の装置とは異なり、位相シフタ51をマスク27の付近に配置し、位相シフタ51の像を被処理体32に結像させるようにした光学系を使用している。即ち、この光学系は、位相シフタ6を被処理体32の表面に投影した光学系で共役関係にある。また、位相シフタは、図2に示すドットパターン段差を配置しドット型の位相シフタ51を用いた。その他は図4の装置と実質的に同じであので、図4と同一部分は同一符号を付し、その詳細な説明は重複するので省略する。
実施例1
本実施例1においては、図5に示す装置を使用し、また、図2で示したドット型の位相シフタ51を用いた。この位相シフタ51は、V字形の光強度分布のV字間隔が10μmで、位相差が60°のものを使用した。テレセントリック縮小レンズ28は、1/5倍のものを使用し、位相シフタによる光強度分布パターンを非処理体32上に1/5のパターンに変換するようにした。
また、結晶化の条件として、試料としての被処理体32の膜構造(キャップ層5/非晶質半導体薄膜(シリコン薄膜)4/バッファ層3/基板2)は、SiO(300nm)/a-Si/SiO(1000nm)/ガラス基板とした。そして、シリコン薄膜4としては、膜厚が30,50,100並びに200nmの4種類を使用した。照射するレーザ光のレーザフルエンスは、膜厚が30nmの場合には、820mJ/cm2、、50nmの場合には、920mJ/cm、100nmの場合には、1040mJ/cm、そして200nmの場合には、1280mJ/cmとした。基板上面と位相シフタ6との間隔dは300μmとした。レーザ光は、波長248nmのKrFエキシマレーザ光で、1ショットのパルス継続時間は30ナノ秒とした。
かくして、エキシマレーザ発信器21から射出されたレーザ光は、ホモジナイザ22と2つのレンズ23,26とにより強度が均一となり、位相シフタ51により変調されて、図2の(d)に示すように、V型の繰り返しの光強度分布を有して被処理体32を照射する。
図6は、本実施例1で得られた各Si膜厚における結晶組織を、Electron Back Scattering Pattern(以下、EBSPという)により解析して、結果を逆極点図で示して配向性がわかるように簡略化した図である。この図において、三角形の領域が配向性を示し、この領域の中のハッチングの領域の位置によって配向性が決定される。
この図6から、Si膜厚が30nmの場合には、ハッチングで示す領域が{101}の方に偏っており、従って、結晶粒の成長方向は{101}に配向していることが判る。また膜面の法線方向は{101}にはなりにくく、成長方向と垂直な粒幅方向は{001}になりにくいことがわかる。これは、図3で説明した結晶化過程を経ることによる。
実施例2
図4に示すプロキシミティ方式の光学系を用いた実施の形態の装置を使用して結晶化の試験を以下のようにして行った。また、ライン位相シフタ6としては、L&S間隔が6μmで、段差深さが248nm(位相差は、180°)のものを使用した。基板上面と位相シフタ6との間隔dは300μmとした。テレセントリック縮小レンズ28は、1/5倍のものを使用した。レーザ光は波長248nmのKrFエキシマレーザ光で、1ショットのパルス継続時間は30ナノ秒とした。平均のレーザフルエンスは820mJ/cmとした。
この実証試験の結晶化の条件として、試料としての被処理体32の膜構造(キャップ層5/非晶質半導体薄膜4/バッファ層3/基板2)は、SiO(300nm)/a-Si(30nm)/SiO(1000nm)/ガラス基板とした。
図7に示すように、本実施例2で得られた結晶組織のEBSPマップを前述したのと同様に、作成した結果、結晶成長方向が{101}に配向していることがわかった。また膜面の法線方向は{101}にはなりにくく、{001}から{111}への回転軸を回転する際に得られる結晶方位に配向していた。成長方向と垂直な粒幅方向は{001}にはなりにくく、{111}から{101}への回転軸を回転する際に得られる結晶方位に配向、特に{111}に配向していた。
実施例3
本実施例3においては、図5のプロジェクション方式の光学系を用い実施の形態の装置を使用して結晶化の試験を以下のようにして行った。ドット形の位相シフタ51は、ドット配列の周期が50μm、段差深さtが83nm(位相差は60°)のものを使用した。テレセントリック縮小レンズ28は、1/5倍のものを使用した。レーザ光は波長248nmのKrFエキシマレーザ光で、1ショットのパルス継続時間は30ナノ秒とした。そして、平均のレーザフルエンスは820mJ/cmとした。
結晶化の条件として、試料の膜構造は、SiO(300nm)/a-Si(30nm)/SiO(1000nm)/ガラス基板とした。
図8は、本実施例3で得られた結晶組織の配向性を示す逆極点図を示している。EBSPの解析は配向性がわかるように、粒幅方向に長く領域指定して、多くの結晶粒が入るようにした。各方向の逆極点図からは、結晶成長方向が{101}に配向していることがわかる。また膜面の法線方向は{101}にはなりにくく、{001}から{111}への回転軸を回転する際に得られる結晶方位に配向していることが判る。しかし、成長方向と垂直な粒幅方向は、{001}にはなりにくく、{111}から{101}への回転軸を回転する際に得られる結晶方位に配向していることが判る。
第3の実施の形態
次に、図9の(a)ないし(d)を参照して、ボトムゲート構造の薄膜トランジスタをその製造方法と共に説明する。なお、本実施の形態では、便宜上Nチャネル型の薄膜トランジスタの製造方法について説明するが、Pチャネル型でも不純物種(ドーパント種)を変えるだけで他は実質的に同じである。尚、図では、1つのトランジスタを形成するように示されているが、実際には、多数のトランジスタが一度に同一の絶縁基板上に形成されるのが一般的である。
図9の(a)に示すように、XYZθステージ29(図4並びに5)の上に支持されたガラスなどの透明材料からなる絶縁基板2の上に、Al,Ta,Mo,W,Cr,Cu又はこれらの合金からなる金属膜を100ないし300nmの厚みで形成し、パターニングしてゲート電極101に加工する。
次いで、図9の(b)に示すように、ゲート電極101の上を含む絶縁基板2の上に、ゲート絶縁膜102,103を順次形成する。本実施形態のゲート絶縁膜102,103は、ゲート窒化膜(SiNx )/ゲート酸化膜(SiO )の二層構造としている。下層のゲート窒化膜102は、SiH ガスとNH ガスの混合物を原料気体として用い、プラズマCVD法(PE-CVD法)で50nmの厚みに成膜する。なお、プラズマCVDに代えて常圧CVDあるいは減圧CVD等他の方法を用いてもよい。
前記ゲート窒化膜102の成膜に引き続き、連続して、上層のゲート酸化膜103を約200nmの厚みで成膜する。さらに、ゲート酸化膜103の上に、成膜工程として、連続的に非晶質シリコン薄膜4を30nmの厚みで成膜する。この成膜後に、必要に応じて、550℃の温度で窒素雰囲気中での2時間程度の加熱処理により脱水素アニールし、非晶質半導体薄膜4に含まれる水素を放出させる。そして、この非晶質シリコン薄膜4の上に、SiOからなるキャップ膜5を300nmの厚みで成膜する。
尚、前記二層構造のゲート絶縁膜102,103と、非晶質シリコン薄膜4と、キャップ膜5とは、成膜チャンバの真空系を破らず同一のチャンバで、処理ガスを代えて連続して成膜することが好ましい。
次に、図9の(b)に示すように、結晶化工程として、例えば、前記実施の形態1並びに2で説明した結晶化装置を使用して、レーザ光25を非晶質半導体薄膜4に照射して、非晶質半導体薄膜4を以下のようにして結晶化する。このときのレーザ光25としては例えば、波長が248nmのKrFエキシマレーザビームを用いることが好ましいが、これに限定されることはない。そして、レーザ光25の非晶質半導体薄膜4への照射領域を調整した後に、照射領域に位相シフタの周期的なパターンを転写可能なようにレーザ光25の焦点を合わせて照射し、さらに重複しないように、XYZθステージをX方向とY方向とに間欠的に移動させることにより、照射領域をずらして繰り返し照射して、所定の大きさの領域を結晶化する。次いで、キャップ絶縁膜5をエッチング法により剥離する。
上記成膜工程並びに結晶化工程において、半導体薄膜4の膜厚が、トランジスタを形成するのに不足している場合には、この結晶化された半導体薄膜4の上に、さらに、前記成膜工程と結晶化工程とを行って全体の膜厚を厚くする。この場合の成膜工程では、非晶質半導体薄膜4の厚さは、50nm未満であれば、最初の成膜工程での膜厚と必ずしも同じにする必要はない。
前記結晶化された半導体薄膜4(以後、多結晶半導体薄膜105と称する)を、図9の(c)に示すように、パターンニングする。そして、薄膜トランジスタのVthを制御する目的で、Vthイオンインプランテーションを行なう。この実施の形態では、Bをドーズ量が5×1011ないし4×1012/cm 程度となるように、多結晶半導体薄膜105中にイオン注入(矢印104で示されている)する。このVthイオンインプランテーションでは、例えば、10KeVで加速されたイオンビームを用いる。
続いて、多結晶半導体薄膜105の上に、プラズマCVD法でSiO 層を約100nmないし300nmの厚みで形成する。本例では、この層は、シランガスSH と酸素ガスとをプラズマ分解してSiO を堆積させることにより形成している。このようにして成膜されたSiO 層を所定の形状にパターニングして、図9の(c)に示されるように、ストッパ膜106に加工する。この場合、裏面露光技術を用いて後で形成されるゲート電極101(図9の(d))と整合する様にストッパ膜106をパターニングしている。この結果、多結晶半導体薄膜105は、ストッパ膜106の直下に位置する部分が、チャネル領域Chとして保護され、他の部分の上面は露出している。前述した様に、チャネル領域Chには予めVthイオンインプランテーションによりBイオンが比較的低ドーズ量で注入されている。続いて、ストッパ膜106をマスクとして、イオンドーピングにより不純物(ここではPイオン)を半導体薄膜105に注入し、ストッパ膜106の両側にLDD領域を形成する。この時のドーズ量は、例えば、5×1012ないし1×1013/cm とし、加速電圧は、例えば10KeVとしている。
さらに、ストッパ膜106及びその両側のLDD領域を被覆するようにパターンニングされたフォトレジストを形成した後、これをマスクとして、不純物(ここではPイオン)を高濃度で半導体薄膜105注入して、ソース領域S及びドレイン領域Dを形成する。この不純物注入は、種々の方法が適用できるが、ここではイオンドーピング(イオンシャワー)を用いている。この方法は、質量分離を掛けることなく電界加速で不純物を注入するものであり、本実施例では1×1015/cm 程度のドーズ量で不純物を、10KeVの加速電圧を使用して、注入し、ソース領域S及びドレイン領域Dを形成している。尚、図示しないが、Pチャネルの薄膜トランジスタを形成する場合には、Nチャネル型薄膜トランジスタの領域をフォトレジストで被覆した後、不純物をPイオンからBイオンに切り換えドーズ量1×1015/cm 程度でイオンドーピングすればよい。尚、ここでは質量分離型のイオンインプランテーション装置を用いて不純物を注入してもよい。
この後、紫外線ランプ(図示せず)からの紫外線104により熱を加えるRTA(急速熱アニール)により、多結晶半導体薄膜105に注入された不純物を活性化する。これに代えて、エキシマレーザを用いたレーザ活性化アニール(ELA)を行なっても良い。この後、半導体薄膜105とストッパ膜106の不要な部分を同時にパターニングし、素子領域毎に薄膜トランジスタを分離する。
最後に、図9の(d)に示すように、層間絶縁膜107として、SiO膜 を約100ないし200nmの厚みで成膜する。この層間絶縁膜107の上に、パシベーション膜108として、SiNx をプラズマCVD法で約200ないし400nm成膜する。次に、真空雰囲気(窒素ガス又はフォーミングガス中でも良い)下で350ないし400℃程度の温度で1時間加熱処理し、層間絶縁膜107に含まれる水素原子を半導体薄膜105中に拡散させる。この後、コンタクトホールを、層間絶縁膜107並びにパシベーション膜108に開口させ、さらに、Mo,Alなどを100ないし200nmの厚みでスパッタした後、所定の形状にパターニングして配線電極109を形成して、薄膜トランジスタ112を完成させる。さらに、アクリル樹脂からなる平坦化層110を、配線電極109を含むパシベーション膜108上に1μm程度の厚みで塗布し、これら層間絶縁膜107、パシベーション膜108並びに平坦化層110に連続したコンタクトホールを形成する。
次に、平坦化層110の上にITOなどからなる透明導電膜をスパッタした後、所定の形状にパターニングして画素電極111に加工する。
以上のような方法で、絶縁基板2上に形成されたゲート電極101と、このゲート電極の上に設けられたゲート絶縁膜102,103と、ソース領域S、ドレイン領域D、並びにチャネル領域Chを含み、前記ゲート絶縁膜を介して、前記ゲート電極を覆うように設けられた結晶化半導体薄膜とを具備するボトムゲート型の薄膜トランジスタが形成される。このようなトランジスタでは、前記結晶化半導体薄膜の結晶組織は、結晶成長方向に{110}配向した結晶成長方向に長いほぼ矩形の結晶粒の長手方向と幅方向との周期的な配列からなり、かつ{110}の結晶成長方向が電流の方向となるように前記チャネル領域と、ソース領域と、ドレイン領域とが配置されている。
第4の実施の形態
次に、トップゲート構造の薄膜トランジスタをその製造方法と共に図10の(a)ないし(c)を参照して説明する。
先ず図10の(a)に示すように、透明の絶縁基板2の上にバッファ層となる二層構造の下地膜121,122をプラズマCVD法により順次成膜する。このときの一層目の下地膜121は、SiNx からなり、その膜厚は100ないし500nmである。また、二層目の下地膜122は、SiO からなり、その膜厚は同じく100nmないし500nmである。この下地膜122の上に、非晶質シリコンからなる半導体薄膜4を30nmの厚みでプラズマCVD法もしくはLPCVD法により成膜する。さらに、この半導体薄膜4の上に、SiOからなるキャップ膜5を、300nmの厚みで成膜する。前記半導体薄膜4の成膜にプラズマCVD法を用いた場合には、膜中の水素を脱離させるために、窒素雰囲気中で400ないし450℃の条件で1時間程度アニールする。
次に、前記第3の実施の形態で使用した結晶化方法を利用して、非晶質半導体薄膜4を結晶化する。このときには、レーザ光25の照射領域を調整した後、照射領域に位相シフタの周期的なパターンの配列を転写可能なようにレーザ光25の焦点を合わせて照射し、さらに重複しないように領域をずらして繰り返し照射して、所定の面積を結晶化する(この結晶化された非晶質半導体薄膜4は、以下では、多結晶半導薄膜105(図10の(b)に示されている)として説明する)。
続いて、キャップ膜5をエッチング等の方法で非晶質半導体薄膜4上から剥離する(半導体薄膜4を厚くしたい場合には、前記実施の形態で説明したように成膜工程と結晶化工程とを繰り返す)。
ここで必要ならば、前記実施の形態と同様に、Vthイオンインプランテーションを行ない、Bイオンを、例えば、ドーズ量5×1011ないし4×1012/cm 程度で多結晶半導薄膜105中に注入する。この場合の加速電圧は10KeV程度である。
続いて、図10の(b)に示すように、多結晶半導薄膜105をアイランド状にパターニングする。次に、この多結晶半導薄膜105を含む下地膜122の上に、プラズマCVD法、常圧CVD法、減圧CVD法、ECR−CVD法、スパッタ法などでSiO を100ないし400nm成長させて、ゲート絶縁膜103を形成する。この実施の形態では、ゲート絶縁膜103の厚みを100nmにしている。
次いで、ゲート絶縁膜103の上にAl,Ti,Mo,W,Ta,不純物がドープされた多結晶シリコンなど、あるいはこれらの合金もしくは複合層を200ないし800nmの厚みで成膜し、所定の形状にパターニングしてゲート電極101に加工する。
次いで、Pイオンを質量分離を用いたイオン注入法で、多結晶半導薄膜105中に注入し、LDD領域を形成する。このイオン注入は、ゲート電極101をマスクとして絶縁基板2の全面に対して行なっている。このときのドーズ量は、6×1012ないし5×1013/cm、加速電圧は、例えば90KeVである。なお、ゲート電極101の直下に位置するチャネル領域Chは、このゲート電極101で保護されており、Vthイオンインプランテーションで予め注入されたBイオンがそのまま保持されている。
前記LDD領域に対するイオン注入後、ゲート電極101とその周囲を被覆するようにレジストパタンを形成し、Pイオンを質量非分離型のイオンシャワードーピング法で高濃度に注入して、ソース領域S及びドレイン領域Dを形成する。この場合のドーズ量は、例えば、1×1015/cm 程度、また、加速電圧は、例えば90KeVとしている。また、ドーピングガスとしては、水素希釈の20%PH ガスを用いることができる。そして、CMOS回路を形成する場合には、Pチャネル薄膜トランジスタ用のレジストパタンを形成後、ドーピングガスを5ないし20%のB/H ガス系に切り換え、ドーズ量を1×1015ないし3×1015/cm 程度、加速電圧を例えば90KeVとしてイオン注入すればよい。なお、前記ソース領域S及びドレイン領域Dの形成は、質量分離型のイオン注入装置を用いてもよい。この後、多結晶半導薄膜105に注入されたドーパントの活性化処理を行う。この活性化処理としては、上記実施の形態と同様に、紫外線104によるRTAを用いることができる。
最後に、図10の(c)に示すように、ゲート電極101を被覆するようにPSGなどからなる層間絶縁膜107をゲート絶縁膜103上に成膜する。この後、SiNx をプラズマCVD法で層間絶縁膜107上に約200ないし400nm堆積して、パシベーション膜108を形成する。この段階で、窒素ガス中350℃の温度で1時間程度アニールし、層間絶縁膜107に含有された水素を多結晶半導体薄膜105中に拡散させる。この後、層間絶縁膜107並びにパシベーション膜108に、ソース領域Sを露出するように、コンタクトホールを形成する。さらに、パシベーション膜108の上にAl−Siなどの金属膜をスパッタリングで成膜した後、これを所定の形状にパターニングして配線電極109に加工して、薄膜トランジスタ123を完成させる。さらに、アクリル樹脂からなる平坦化層110を、配線電極109を含むパシベーション膜108上に1μm程度の厚みで塗布し、これら層間絶縁膜107、パシベーション膜108並びに平坦化層110に連続したコンタクトホールを形成する。次に、平坦化層110の上にITOなどからなる透明導電膜をスパッタした後、所定の形状にパターニングして画素電極111に加工する。
このようにして形成されたトップゲート型の薄膜トランジスタは、絶縁基板2上に形成され、ソース領域S、ドレイン領域D、並びにチャネル領域Chを含む結晶化半導体薄膜105と、この結晶化半導体薄膜の上に設けられたゲート絶縁膜103と、このゲート絶縁膜を介して前記結晶化半導体薄膜の上に設けられたゲート電極101とを有する。このトランジスタでは、前記結晶化半導体薄膜の結晶組織は、結晶成長方向に{110}配向した結晶成長方向に長いほぼ矩形の結晶粒の長手方向と幅方向との周期的な配列からなり、かつ{110}の結晶成長方向が電流の方向となるように前記チャネル領域と、ソース領域と、ドレイン領域とが配置されている。
図10を参照して説明した製造方法では、図9を参照して説明した製造方法と同様にして、非晶質半導体薄膜4を結晶化させている。但し、トップゲート構造の薄膜トランジスタの製造方法に関する本実施の形態では、ボトムゲート構造の薄膜トランジスタの製造方法に係わる前の実施の形態と異なり、ゲート電極101のパターンが形成される前の工程で結晶化を行なうために、ガラスなどからなる絶縁基板の収縮についてはボトムゲート構造の半導体装置よりも許容度が大きい。このため、より大出力のレーザ照射装置を用いて結晶化処理を行なえる効果がある。
第5の実施の形態
図11は、第3並びに第4の実施の形態に係わる方法により製造された薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリクス型表示装置の一例を示す。この表示装置130は、1対の透明の絶縁基板131,132(下側の絶縁基板131は、前記絶縁基板2に対応している)と、両者の間に保持された電気光学物質133とを備えたパネル構造を有している。この電気光学物質133としては、有機EL材料や液晶材料が広く用いられている。下側の絶縁基板131には、画素アレイ部134と駆動回路部とが集積形成されている。この駆動回路部は、垂直駆動回路135と水平駆動回路136とに分かれている。
また、下側の絶縁基板131の周辺部上端には、外部接続用の端子部137が形成されている。これら端子部137は、配線138を介して垂直駆動回路135及び水平駆動回路136に接続されている。前記画素アレイ部134には、行状のゲート配線139と列状の信号配線140が形成されている。これら両配線の各交差部には、画素電極111と、これを駆動する薄膜トランジスタ112(または123)が形成されている。薄膜トランジスタ112(または123)のゲート電極は対応するゲート配線139に接続され、ドレイン領域Dは対応する画素電極111に接続され、また、ソース領域Sは、対応する信号配線140に接続されている。そして、前記ゲート配線139は、垂直駆動回路135に接続され、信号配線140は、水平駆動回路136に接続されている。
前記画素電極111をスイッチング駆動する薄膜トランジスタ112(または123)以外にも、垂直駆動回路135と水平駆動回路136に含まれる薄膜トランジスタも、本発明に従って薄膜トランジスタの製造方法で製造され得る。従って、これら薄膜トランジスタは、晶成長方向、即ち、温度勾配の方向に主として{110}配向させて結晶化された半導体薄膜を使用しているので、従来に比較して移動度が高くなっている。従って、駆動回路ばかりでなく更に高性能な処理回路を集積形成することも可能である。
本発明の薄膜トランジスタを液晶ディスプレイ、有機EL等の表示装置に適用すれば、周辺回路に高機能の演算素子等を形成することが可能になり、システム・オン・パネル化に向け、本発明の効果は大きい。また、本発明は位相シフタを光路中に挿入するだけの方法なので、光学系が複雑にならずその調整に時間がかからないので、量産にも適している。
(a)はライン型の位相シフタの平面図、(b)はライン型の位相シフタの側面図、(c)は、被照射体を示す側面図、そして、(d)は被照射体の入射面上におけるレーザ光強度分布図(ビームプロファイル図)である。 (a)はドット型の位相シフタの平面図、(b)はドット型の位相シフタの側面図、(c)は、被照射体を示す側面図、そして、(d)は被照射体の入射面上におけるレーザ光強度分布図(ビームプロファイル図)である。 シリコン薄膜の厚さが厚い場合と薄い場合の結晶形態の違いを説明する模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係わり、プロキシミティ方式の光学系を有する結晶化装置の概略構成図である。 本発明の第2の実施の形態に係わり、プロジェクション方式の光学系を有する結晶化装置の概略構成図である。 各シリコン薄膜厚および各V型光強度分布の傾きにおける横方向成長方向の配向性を示す逆極点図である。 実施例2における膜厚が30nmの結晶化されたSi膜の法線方向と、成長方向と、粒幅方向との配向性を示す逆極点図である。 実施例2における膜厚が30nmの結晶化されたSi膜の法線方向と、成長方向と、粒幅方向との配向性を示す逆極点図である。 (a)ないし(d)は、本発明の第3の実施の形態に係るボトムゲート型薄膜トランジスタの製造プロセスを示す工程図である。 (a)ないし(c)は、本発明の第4の実施形態に係るトップゲート型薄膜トランジスタの製造プロセスを示す工程図である。 本発明の第5の実施形態に係る表示装置の概要を示す斜視図である。
符号の説明
1,53…ほぼV字型のパターン、1a,53a…谷部(ボトム位置、極小光強度領域)、1b,53b…山部(トップ位置、極大光強度領域)2…基板、3…バッファ層(下地保護膜)、4…非晶質半導体層(シリコン薄膜)、5…キャップ膜、6…位相シフタ(空間強度変調光学素子)、

Claims (14)

  1. 基板に成膜された半導体薄膜にレーザ光を照射して結晶化させる半導体薄膜の結晶化方法であって、前記半導体薄膜上に、ライン状の極小温度領域と、この極小温度領域の両側のライン状の極大温度領域とを有する逆ピークパターンの繰り返しの温度分布を前記レーザ光により形成し、前記温度分布に従った温度勾配の方向が半導体薄膜の面内にあり、かつ前記ライン状の極小温度領域に沿って複数の結晶核を発生させ、これら結晶核から温度勾配に従って結晶を成長させる工程を有する方法において、
    半導体薄膜の膜厚を50nm未満にして、前記ライン状の極小温度領域に沿う前記結晶核の発生を密にして、温度勾配の方向に主として{110}配向させて半導体薄膜を結晶化させることを特徴とする半導体薄膜の結晶化方法。
  2. 基板に成膜され、膜厚が50nm以下の半導体薄膜にレーザ光を照射して結晶化させる半導体薄膜の結晶化方法であって、前記レーザ光が前記半導体薄膜上において結晶化開始時に、ライン状の極小温度領域とのライン状の極大温度領域とを交互に形成し、前記極小温度領域と極大温度領域との間の距離が3ないし10μmとするレーザ光を使い結晶化させることで、結晶成長方向に{110}配向させて半導体薄膜を結晶化させることを特徴とする半導体薄膜の結晶化方法。
  3. 前記極小温度領域と極大温度領域とは、レーザ光の光強度分布に応じて形成され、この光強度分布は、レーザ光の照射光路に設けられた光変調素子により、光源からのレーザ光を変調して形成することを特徴とする請求項1もしくは2の半導体薄膜の結晶化方法。
  4. 前記光変調素子は、周期的なドット段差を有するドット型の位相シフタ、またはラインとスペース段差とが配列してあるライン型の位相シフタであることを特徴とする請求項3の半導体薄膜の結晶化方法。
  5. 前記光強度分布を有するレーザ光の強度分布の極大温度領域における照射フルエンスを700ないし1300mJ/cmの範囲とすることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1に記載の半導体薄膜の結晶化方法。
  6. エキシマレーザ光を射出するためのエキシマレーザ発生装置と、射出されたレーザ光の光強度を均一にするためのホモジナイザと、半導体薄膜への照射領域を定める照射領域を有するマスクと、前記光強度が均一にされたレーザ光をマスクに集光させるための光学要素と、マスクの照射領域を通ったレーザ光を半導体薄膜面に縮小した領域で入射させるためのテレセントリック縮小レンズと、半導体薄膜を照射するレーザ光の光強度分布を変調する位相シフタとを具備する装置を用い、
    前記位相シフタを前記マスクのマスク面の位置に挿入する投影法を使用し、かつ前記位相シフタのドット配置の周期またはラインとスペースとの間隔と、縮小レンズの縮小倍率とを掛けた値を6μm以上20μm以下とすることを特徴とする請求項4に記載の半導体薄膜の結晶化方法。
  7. 前記工程を複数回繰り返して、各工程により結晶化された半導体薄膜を積層させて、厚い結晶化半導体薄膜とすることを特徴とする請求項1ない6のいずれか1に記載の半導体薄膜の結晶化方法。
  8. 基板に形成され、50nm未満の厚さを有する半導体薄膜にレーザ光を照射して結晶化する装置であって、
    レーザ光源と、
    前記半導体薄膜上に、ライン状の極小温度領域と、この極小温度領域の両側のライン状の極大温度領域とを有する逆ピークパターンの温度分布を形成し、この温度分布に従った温度勾配の方向が半導体薄膜の面内にあり、かつ温度勾配の方向と直交する半導体薄膜の面内の方向に沿って、前記ライン状の極小温度領域に沿う複数の結晶化開始点があるように、前記レーザ光源からのレーザ光を光変調する手段とを具備することを特徴とする半導体薄膜の結晶化装置。
  9. 前記光変調する手段は、レーザ光を、ライン状の極小光強度領域と、この極小光強度領域の両側のライン状の極大光強度領域とを有する逆ピークパターンの光強度分布を有するように光変調する位相シフタを有し、この位相シフタは、半導体薄膜に近接するように配置されていることを特徴とする請求項8に記載の装置。
  10. さらに、レーザ光源からのレーザ光の光強度を均一にするためのホモジナイザと、照射領域を定めるためのマスクと、前記ホモジナイザで光強度が均一にされたレーザ光を前記マスクの照射領域に集めるための凸レンズと、前記マスクの照射領域を前記半導体薄膜の結像面上で縮小した領域にするためのテレセントリック縮小レンズと、を含む光学系を具備し、
    前記位相シフタは、周期的なドット段差を有するドット型の位相シフタ、またはラインとスペース段差とが配列してあるライン型の位相シフタであり、前記マスクのマスク面の位置に配置され、この位相シフタのドット段差の周期またはラインとスペース段差との間隔と、前記縮小レンズの縮小倍率とを掛けた値が6μmないし20μmに設定されていることを特徴とする請求項8に記載の装置。
  11. デバイスを作製するための基板上の結晶化半導体薄膜であり、この結晶化半導体薄膜の結晶組織は、結晶成長方向が{110}に、結晶成長方向と直交する粒幅方向が{110}または{111}に、そして、膜厚方向が{100}または{111}に配向していることを特徴とする結晶化半導体薄膜。
  12. ゲート電極と、ゲート絶縁膜と、ソース、ドレイン、チャネル領域を有する結晶化半導体薄膜とを具備し、ゲート絶縁膜は、ゲート電極と結晶化半導体薄膜との間に設けられている薄膜トランジスタであって、
    前記結晶化半導体薄膜の結晶組織は、結晶成長方向に{110}配向した結晶成長方向に長いほぼ矩形の結晶粒の長手方向と幅方向との周期的な配列からなり、かつ{110}の結晶成長方向が電流の方向となるように前記チャネル領域と、ソース領域と、ドレイン領域とが配置されていることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  13. 前記結晶粒の長手方向の長さが3ないし10μmであることを特徴とする請求項13に記載の薄膜トランジスタ。
  14. 所定の間隙を介して互いに接合した1対の基板と、該間隙に保持された電気光学物質とを有し、一方の基板には対向電極を形成し、他方の基板には画素電極及びこれを駆動する薄膜トランジスタを形成し、この薄膜トランジスタは、ソース、ドレイン、チャネル領域を含む結晶化半導体薄膜と、ゲート絶縁膜とゲート電極とを具備する表示装置であって、
    前記結晶化半導体薄膜の結晶組織は、結晶成長方向に{110}配向した結晶成長方向に長いほぼ矩形の結晶粒の長手方向と幅方向との周期的な配列からなり、かつ{110}の結晶成長方向が電流の方向となるように前記チャネル領域と、ソース領域と、ドレイン領域とが配置されていることをことを特徴とする表示装置。
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