JP2005285410A - 有機電界発光素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一対の電極間に、少なくとも一種の正孔輸送性ホストを含む正孔輸送性発光層、少なくとも一種の緩衝層材料を含む緩衝層、及び少なくとも一種の電子輸送性ホストを含む電子輸送性発光層が陽極側からこの順に積層された発光層を有する有機電界発光素子であって、緩衝層材料のイオン化ポテンシャルの値が、正孔輸送性ホストのイオン化ポテンシャルの値と電子輸送性ホストのイオン化ポテンシャルの値との中間の値である、および/または、緩衝層材料の電子親和力の値が、前記正孔輸送性ホストの電子親和力の値と前記電子輸送性ホストの電子親和力の値との中間の値である有機電界発光素子。
【選択図】 なし
Description
(1)一対の電極間に、少なくとも一種の正孔輸送性ホストを含む正孔輸送性発光層、少なくとも一種の緩衝層材料を含む緩衝層、及び少なくとも一種の電子輸送性ホストを含む電子輸送性発光層が陽極側からこの順に積層された発光層を有する有機電界発光素子であって、
前記緩衝層材料のイオン化ポテンシャルの値が、前記正孔輸送性ホストのイオン化ポテンシャルと前記電子輸送性ホストのイオン化ポテンシャルとの中間の値である有機電界発光素子。
前記緩衝層材料の電子親和力の値が、前記正孔輸送性ホストの電子親和力の値と前記電子輸送性ホストの電子親和力の値との中間の値である有機電界発光素子。
前記緩衝層材料のイオン化ポテンシャルの値が、前記正孔輸送性ホストのイオン化ポテンシャルの値と前記電子輸送性ホストのイオン化ポテンシャルの値との中間の値であり、かつ前記緩衝層材料の電子親和力の値が、前記正孔輸送性ホストの電子親和力の値と前記電子輸送性ホストの電子親和力の値との中間の値である有機電界発光素子。
(5)正孔輸送性ホストの電子親和力の値が2.6eV以下であって、緩衝層材料の電子親和力の値が2.0eV乃至3.5eVであって、電子輸送性ホストの電子親和力の値が3.1eV以上である上記(2)に記載の有機電界発光素子。
(6)正孔輸送性ホストの、イオン化ポテンシャルの値が5.8eV以下、かつ、電子親和力の値が2.6eV以下であって、緩衝層材料の、イオン化ポテンシャルの値が5.3eV乃至6.9eV、かつ、電子親和力の値が2.0eV乃至3.5eVであって、電子輸送性ホストの、イオン化ポテンシャル値が6.3eV以上、かつ、電子親和力の値が3.1eV以上である上記(3)に記載の有機電界発光素子。
(8)緩衝層が、下記一般式(1)で表される芳香族炭化水素を含有する上記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
本発明者らの検討では、発光層が上記2層構成となる有機電界発光素子において、下記(1)及び(2)の条件を同時に満たす素子の発光効率が特に高いことが判明した。
(2)正孔輸送性ホストと電子輸送性ホストの電子親和力(Ea)の差が大きい。
(4)正孔輸送性ホストのEa<緩衝層材料のEa<電子輸送性ホストのEa
電子輸送性ホストのIpは6.3eV以上が好ましく、6.4eV以上がより好ましく、6.5eV以上が特に好ましい。電子輸送性ホストのEaは3.1eV以上が好ましく、3.2eV以上がより好ましく、3.3eV以上が特に好ましい。
緩衝層材料のIpは5.3eV以上6.9eV以下が好ましく、5.5eV以上6.8eV以下がより好ましく、5.7eV以上6.7eV以下が特に好ましい。緩衝層材料のEaは2.0eV以上3.5eV以下が好ましく、2.1eV以上3.3eV以下がより好ましく、2.2eV以上3.1eV以下が特に好ましい。
本発明において正孔輸送性発光層は、少なくとも一種の、正孔輸送性ホストと発光材料とを含む。正孔輸送性ホストとは、正孔輸送性と電子輸送性との相対比較において正孔輸送性の勝った有機化合物のことである。このような性質を有するのは、イオン化ポテンシャルが6.2eV以下かつ電子親和力が2.8eV以下の化合物である。
具体的には、カルバゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、ジベンゾアゼピン誘導体、トリベンゾアゼピン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、芳香族ジメチリディン誘導体等が挙げられる。これらのうちカルバゾール誘導体、アリールアミン誘導体、ジベンゾアゼピン誘導体、トリベンゾアゼピン誘導体が好ましい。
ホストと発光材料との比は、質量比として、好ましくは2000:1〜5:1であり、より好ましくは1000:1〜10:1であり、さらに好ましくは500:1〜10:1である。
具体的には、単環もしくは縮環した6員の含窒素ヘテロ環を有する非錯体有機化合物が好ましく、例えば、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピリダジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、キナゾリン誘導体、シンノリン誘導体、キノリジン誘導体、フラタジン誘導体、イミダゾピリジン誘導体、プリン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体等が挙げられる。これらのうちピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、イミダゾピリジン誘導体が好ましく、ピリジン誘導体、トリアジン誘導体、イミダゾピリジン誘導体が特に好ましい。
ホストと発光材料との比は、質量比として、好ましくは2000:1〜5:1であり、より好ましくは1000:1〜10:1であり、さらに好ましくは500:1〜10:1である。
このような化合物のうち、酸素原子、窒素原子のいずれも含まない芳香族炭化水素が好ましく、下記一般式(1)で表される芳香族炭化水素が特に好ましい。
このうちR1〜R6としては、アルキル基、アリール基が好ましい。
R1〜R6は互いに同じであっても異なっていてもよい。R1〜R6は互いに結合して環を形成してもよい。R1〜R6はさらにアルキル基やアリール基を有してもよい。
緩衝層の膜厚は50nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、1〜10nmが特に好ましい。
正孔輸送性ホストのIpと電子輸送性ホストのIpの差は0.3eV以上が好ましく、0.5eV以上がより好ましい。正孔輸送性ホストのEaと電子輸送性ホストのEaの差は0.3eV以上が好ましく、0.5eV以上がより好ましい。
本発明の発光層において、下記(5)〜(7)を満たす材料の組み合わせが最も好ましい。
(6)Ipが6.3V以上で、かつEaが3.1eV以上のピリジン誘導体、トリアジン誘導体、イミダゾピリジン誘導体を電子輸送性ホストとする。
(7)IpとEaの値がともに正孔輸送性ホストと電子輸送性ホストとの間にあるような一般式(1)で表される化合物を緩衝層材料とする。
緩衝層と発光層(正孔輸送性発光層+電子輸送性発光層)との膜厚の比率は、1:2〜1:200が好ましく、1:5〜1:100がより好ましく、1:10〜1:50が特に好ましい。正孔輸送性発光層と電子輸送性発光層との膜厚の比率は、10:1〜1:10が好ましく5:1〜1:5がより好ましく、2:1〜1:2が特に好ましい。
本発明の有機電界発光素子は、典型的には、基板上にある一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機化合物層を形成する。有機化合物層は通常、発光層、正孔輸送層、電子輸送層からなる。発光層は発光材料およびホストを、正孔輸送層は正孔輸送材料を、電子輸送層は電子輸送材料を含む。一対の電極とは陽極と陰極であり、通常、基板側が陽極である。また、少なくとも一方の電極は透明であって、通常、陽極が透明である。
本発明で使用する基板は有機化合物層から発せられる光を散乱又は減衰させないことが好ましい。その具体例としては、イットリウム安定化ジルコニア(YSZ)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルやポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。有機材料の場合、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
基板は無色透明であっても有色透明であってもよいが、発光層から発せられる光を散乱あるいは減衰等させることがない点で、無色透明で有ることが好ましい。
透明陽極としては、通常、有機化合物層に正孔を供給する陽極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極の中から適宜選択することができる。
透明陽極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、有機導電性化合物、又はこれらの混合物を好適に挙げられ、仕事関数が4.0eV以上の材料が好ましい。具体例としては、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の半導性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ−ルなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられる。
なお、透明陽極のパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
透明陽極は、該陽極側から発光を取り出すために、その透過率としては、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。この透過率は、分光光度計を用いた公知の方法に従って測定することができる。また、この場合、陽極は無色透明であっても、有色透明であってもよい。
なお、陽極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述があり、これらを本発明に適用することができる。耐熱性の低いプラスティック基材を用いる場合は、ITO又はIZOを使用し、150℃以下の低温で製膜した陽極が好ましい。
陰極としては、通常、前記有機化合物層に電子を注入する陰極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途・目的に応じて、公知の電極の中から適宜選択することができる。
陰極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられ、仕事関数が4.5eV以下のものが好ましい。具体例としてはアルカリ金属(たとえば、Li、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(たとえばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、電子注入性の点で、アルカリ金属やアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に優れる点で、アルミニウムを主体とする材料が好ましい。アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、又はアルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属との合金若しくは混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。なお、陰極の材料については、特開平2−15595号公報、特開平5−121172号公報に詳述されている。
陰極のパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等によって行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
電極と有機層とを積層して得られる発光積層体における陰極の形成位置としては特に制限はなく、有機化合物層上の全体に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1〜10nmの厚みに薄く成膜し、更にITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
−−有機化合物層の形成−−
本発明の素子における有機化合物層の各層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、ディッピング、スピンコート法、ディップコート法、キャスト法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法等の湿式製膜法、転写法、印刷法等いずれによっても好適に成膜することができる。
発光層は、電界印加時に正孔輸送層から正孔を受け取り、電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。前述のように本発明の発光層は少なくとも正孔輸送性発光層、緩衝層、電子輸送性発光層を含む。
蛍光発光材料の例としては、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、縮合芳香族化合物、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジン誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体やピロメテン誘導体の金属錯体、希土類錯体、遷移金属錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体などの化合物等が挙げられる。
本発明に用いるリン光発光材料として特に好ましい金属錯体はフェニルピリジン類を配位子とするイリジウムもしくは白金の錯体である。
正孔輸送層は、陽極から正孔を受け取り発光層に輸送する機能を有する。正孔輸送材料は単一であっても複数種の混合であってもよい。正孔輸送材料の例としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物等が挙げられる。
正孔輸送層の総膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜200nmの範囲が好ましく、より好ましくは5nm〜100nmであり、更に好ましくは10nm〜50nmである。
電子輸送層は陰極から電子を受け取り発光層に輸送する機能を有する。具体的には、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、等の電子輸送材料を含有する。
保護層の形成方法についても特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。
本発明の発光素子の駆動については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号、米国特許5828429号、同6023308号、日本特許第2784615号、等に記載の方法を利用することができる。
(1)比較用素子(TC−1)の作成
0.5mm厚み、2.5cm角のITO膜を有するガラス基板(ジオマテック社製、表面抵抗10Ω/□)を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。この透明陽極(ITO膜)上に真空蒸着法にて以下の層を順次蒸着した。
本発明の実施例における蒸着速度は特に断りのない場合は0.2nm/秒である。蒸着速度は水晶振動子を用いて測定した。以下に記載の膜厚も水晶振動子を用いて測定したものである。
銅フタロシアニン:膜厚20nm
(正孔輸送層)
NPD:膜厚20nm
(正孔輸送性発光層)
HTH−4=95質量%、Ir(ppy)3=5質量%の混合層:膜厚20nm
(電子輸送性発光層)
ETH−10=95質量%、Ir(ppy)3=5質量%の混合層:膜厚20nm
(電子輸送層)
電子輸送材料Alq:膜厚40nm
このものを、アルゴンガスで置換したグローブボックス内に入れ、ステンレス製の封止缶及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ製)を用いて封止し、比較用素子(TC−1)を得た。
なお、比較用素子(TC−1)においてNPDは正孔輸送材料、HTH−4は正孔輸送性ホスト、Ir(ppy)3はリン光発光材料、Alqは電子輸送材料である。
正孔輸送性ホストをHTH−4からHTH−7に替える以外は、TC−1と同様の方法にて、比較用素子(TC−2)を作成した。
層構成を下記のように変更する以外は試験素子(TC−1)と同様の方法で本発明の試験素子(TC−3)を作成した。
銅フタロシアニン:膜厚20nm
(正孔輸送層)
NPD:膜厚20nm
(正孔輸送性発光層)
HTH−4=95質量%、Ir(ppy)3=5質量%の混合層:膜厚20nm
(緩衝層)
BLM−2:膜厚4nm
(電子輸送性発光層)
ETH−10=95質量%、Ir(ppy)3=5質量%の混合層:膜厚20nm
(電子輸送層)
電子輸送材料Alq:膜厚40nm
層構成を下記のように変更する以外は試験素子(TC−2)と同様の方法で本発明の試験素子(TC−4)を作成した。
銅フタロシアニン:膜厚20nm
(正孔輸送層)
NPD:膜厚20nm
(正孔輸送性発光層)
HTH−7=95質量%、Ir(ppy)3=5質量%の混合層:膜厚20nm
(緩衝層)
BLM−2:膜厚4nm
(電子輸送性発光層)
ETH−10=95質量%、Ir(ppy)3=5質量%の混合層:膜厚20nm
(電子輸送層)
電子輸送材料Alq:膜厚40nm
有機電界発光素子(TC−1〜4)を以下の方法で評価した。
東洋テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流電圧を素子に印加し発光させて、輝度、発光スペクトル及び電流値を測定した。輝度が200Cd/m2時の発光スペクトル及び電流値から、発光の量子効率(発光効率)を算出した。
次に、この発光素子を初期輝度300Cd/m2の条件で定電流パルス駆動試験を行い、輝度が150Cd/m2になった時間を輝度半減時間(T1/2)と定義し、駆動耐久性の尺度とした。なお、パルス幅は50ミリ秒、デューティー比は1/2、レスト時には発光時と絶対値が同じで逆極性の電圧(逆バイアス)を10ミリ秒間印加した。これらの結果を表1に示した。
(1)イオン化ポテンシャル
ガラス基板上に測定しようとする有機物を50nmの厚みになるように蒸着した。この膜を常温常圧下、理研計器製紫外線光電子分析装置AC−1によりイオン化ポテンシャルを測定した。ETH−10、BLM−2のイオン化ポテンシャルは金基板上に50nm厚みに蒸着した膜を用いて、UPS法で測定した。
イオン化ポテンシャル測定に用いた膜の紫外可視吸収スペクトルを測定し、吸収スペクトルの長波長端のエネルギーから励起エネルギーを求めた。励起エネルギーと前記イオン化ポテンシャルの値から電子親和力を算出した。
ΔEa=Ea(ETH)−Ea(HTH)。
Ip(ETH):電子輸送性ホストのイオン化ポテンシャル、
Ip(HTH):正孔輸送性ホストのイオン化ポテンシャル、
Ea(ETH):電子輸送性ホストの電子親和力、
Ea(HTH):正孔輸送性ホストの電子親和力、
Ip(BLM):緩衝層材料のイオン化ポテンシャル、
Ea(BLM):緩衝層材料の電子親和力。
比較用素子に関して、TC−2はTC−1に対してΔIp、ΔEaがともに大きい。その結果として発光の量子収率が向上しているが、耐久性は悪化していることが分かる。
一方、本発明の有機電界発光素子であるTC−3は、対応する比較用素子TC−1に対して、発光の量子効率が同等のまま、駆動耐久性(T1/2)が向上している。ここに本発明の効果が確認された。TC−3では、緩衝層材料であるBLM−2はイオン化ポテンシャルの値が正孔輸送性ホストと電子輸送性ホストの中間の値であり、本発明の緩衝層としての役割を果たしていると推定している。
Claims (9)
- 一対の電極間に、少なくとも一種の正孔輸送性ホストを含む正孔輸送性発光層、少なくとも一種の緩衝層材料を含む緩衝層、及び少なくとも一種の電子輸送性ホストを含む電子輸送性発光層が陽極側からこの順に積層された発光層を有する有機電界発光素子であって、
前記緩衝層材料のイオン化ポテンシャルの値が、前記正孔輸送性ホストのイオン化ポテンシャルと前記電子輸送性ホストのイオン化ポテンシャルとの中間の値である有機電界発光素子。 - 一対の電極間に、少なくとも一種の正孔輸送性ホストを含む正孔輸送性発光層、少なくとも一種の緩衝層材料を含む緩衝層、及び少なくとも一種の電子輸送性ホストを含む電子輸送性発光層が陽極側からこの順に積層された発光層を有する有機電界発光素子であって、
前記緩衝層材料の電子親和力の値が、前記正孔輸送性ホストの電子親和力の値と前記電子輸送性ホストの電子親和力の値との中間の値である有機電界発光素子。 - 一対の電極間に、少なくとも一種の正孔輸送性ホストを含む正孔輸送性発光層、少なくとも一種の緩衝層材料を含む緩衝層、及び少なくとも一種の電子輸送性ホストを含む電子輸送性発光層が陽極側からこの順に積層された発光層を有する有機電界発光素子であって、
前記緩衝層材料のイオン化ポテンシャルの値が、前記正孔輸送性ホストのイオン化ポテンシャルの値と前記電子輸送性ホストのイオン化ポテンシャルの値との中間の値であり、かつ前記緩衝層材料の電子親和力の値が、前記正孔輸送性ホストの電子親和力の値と前記電子輸送性ホストの電子親和力の値との中間の値である有機電界発光素子。 - 正孔輸送性ホストのイオン化ポテンシャルの値が5.8eV以下であって、緩衝層材料のイオン化ポテンシャルの値が5.3eV乃至6.9eVであって、電子輸送性ホストのイオン化ポテンシャル値が6.3eV以上である請求項1に記載の有機電界発光素子。
- 正孔輸送性ホストの電子親和力の値が2.6eV以下であって、緩衝層材料の電子親和力の値が2.0eV乃至3.5eVであって、電子輸送性ホストの電子親和力の値が3.1eV以上である請求項2に記載の有機電界発光素子。
- 正孔輸送性ホストの、イオン化ポテンシャルの値が5.8eV以下、かつ、電子親和力の値が2.6eV以下であって、緩衝層材料の、イオン化ポテンシャルの値が5.3eV乃至6.9eV、かつ、電子親和力の値が2.0eV乃至3.5eVであって、電子輸送性ホストの、イオン化ポテンシャル値が6.3eV以上、かつ、電子親和力の値が3.1eV以上である請求項3に記載の有機電界発光素子。
- 緩衝層が、酸素原子及び窒素原子を含まない芳香族炭化水素を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の有機電界発光素子。
- 正孔輸送性ホストのイオン化ポテンシャルの値と電子輸送性ホストのイオン化ポテンシャルの値との差が0.5eV以上であり、かつ正孔輸送性ホストの電子親和力の値と電子輸送性ホストの電子親和力の値との差が0.5eV以上である請求項1〜8のいずれかに記載の有機電界発光素子。
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