JP2005285386A - 有機電界発光素子及びそれを用いた表示装置 - Google Patents
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Abstract
高効率な発光を行う有機電界発光素子、さらにはそれを用いた表示装置を提供すること。
【解決手段】
金属反射膜と、フッ素化金属薄膜と、第一の透明導電膜と、発光層と、第二の透明導電膜と、を順次積層した有機発光素子とする。
また、基板と、金属反射膜と、フッ素化金属薄膜と、第一の透明導電膜と、発光層と、第二の透明導電膜と、を順次積層した有機発光素子を用いた表示装置とする。
また、金属反射膜と、フッ素化金属薄膜と、第一の透明導電膜と、発光層と、第二の透明導電膜と、基板と、を順次積層した有機発光素子を用いた表示装置とする。
【選択図】図1
Description
図1は本実施形態に係る有機電界発光素子を示す図である。図1の素子は、金属反射膜101と、フッ素化金属薄膜102と、第一の透明導電膜103と、発光層104と、第二の透明導電膜105と、を順次積層して構成されている。この素子によると、発光層
104の両側に透明導電膜を配置することで、電子とホールとが再結合する発光層と金属電極との距離を大きくとることができるとともに電極に金属を用いる必要がないため、励起子が発光に寄与しないまま消滅し、素子の発光効率を低下させてしまうという課題を解決することができ、発光効率の高い有機電界発光素子を得ることができる。なお図1中の矢印はこの素子から取出される発光の略進行方向を示す(これは他の図においても同様である)。
図2は本実施形態に係る有機電界発光素子を示す図である。図2における有機電界発光素子は、上述した実施形態1で示した有機電界発光素子の構造に加え、第二の透明導電膜105の発光層の反対側にさらに半透明反射層106を形成し、この半透明反射層106と金属反射膜101との間の光学的距離を発光層から発せられる光のピークの半波長の整数倍となるように調整し、光共振器として作用するよう構成されている。本実施形態に係る素子は、実施形態1に記載の素子の効果を有することに加え、さらに、有機発光素子に光共振器の作用を保持させ、発光層が発する広い半値幅を有する光からより半値幅が狭く、ピークの強い光を得ることができる。また本実施形態に係る素子は、半透明反射層106と金属反射膜101との間に二つの透明導電膜を有しており、共振器として作用するための光学的距離の調節がより容易になるという利点も有する。なお、半透明反射層106は、発光層から入射される光の一部を透過し、一部を反射する機能を有する層であって、この機能を有する限り特に構造は限定されることはないが、この層の好適な例としては、屈折率の異なる複数の誘電体膜を積層してなる多層誘電体膜からなる層が挙げられる。
実施形態1における有機電界発光素子は、第一の透明導電膜103と金属反射膜101との間にフッ素化金属薄膜とを有しているが、この膜は絶縁性を示すため、そのままでは素子を駆動する電流は第一の透明導電膜103にのみ流れることとなる。しかし透明導電膜は金属に対して抵抗値が高く、発光効率の観点からはより低抵抗であることが望ましい。従って、本実施形態では第一の透明導電膜と金属反射膜とを金属部材107により電気的に接続させることとしている。図3に本実施形態に係る有機電界発光素子の斜視図を示し、図4(a),(b)は図3中におけるA−A′,B−B′のいずれかを含み膜の積層方向に対して平行な面における部分断面図を示す。なお本実施形態に係る有機電界発光素子は、ほぼ実施形態1と同様の積層構成となっているが、金属反射膜101がフッ素化金属薄膜102及び第一の透明導電膜103よりも広い面積を有し、接続が取れるように工夫されており、またこの積層構造の一部において発光層104及び第二の透明電極膜105の除去された領域を設け、その点で金属部材107を配置し接続を図っている。なおここで接続をとる金属部材107は酸化しにくい材料が望ましく、金などがより好適である。
上記各実施形態における有機電界発光素子を複数基板上に配置することで、表示装置として使用することができる。この実施形態について説明する。
本実施形態は、有機電界発光素子を基板上に複数配置してなる表示装置の他の実施形態を示すものである。
200,第二の透明導電膜205,発光層204,第一の透明導電膜203,フッ素化金属薄膜202,金属反射膜201を順次積層して構成されている。なお本説明では第二の透明導電膜205の次に第一の透明導電膜203を説明しているが、他の実施形態との関係から配置との関係を分かりやすくするために区別したものである。この構造はいわゆるボトムエミッション方式と呼ばれる表示方式であって、発光層から発せられた光は基板
200を通過して観測者に到達することとなる。
本発明に係る有機電界発光素子は金属反射膜を有し、この膜に入射される光は発光層側へと反射される。この場合において、金属反射膜は発光層からの光を最大限活用することが有用であるため、発光層部分と同じかそれ以上の面積を有し、発光層をカバーする事が望ましい。この構造の形態について図7(a),(b)を例示して説明する。なお、この場合において金属反射膜と透明導電膜との反応を抑えるべく、適宜フッ素化金属薄膜も発光層部分と同じかそれ以上の面積とさせてカバーすることが望ましい。なお例えば図7
(a)では、金属反射膜201及びフッ素化金属薄膜202が発光層よりも十分に広く形成された構成となっている。この場合特に、これら膜を複数の有機発光素子に共通に用いることも有用である。また、図7(b)はフッ素化金属薄膜202を発光層204よりも十分に広く形成した場合の構成例を示している。
本実施形態は実施形態6と同様にした場合であって、ボトムエミッション方式とした場合における構成の他の形態を示すものである。図8(a),(b)に示す。図8(a)におけるフッ素化金属薄膜202は第二の透明導電膜205,発光層204,第一の透明導電膜203を覆って構成されており、図8(b)におけるフッ素化金属薄膜202及び金属反射膜201は第二の透明導電膜205,発光層204,第一の透明導電膜203を覆って構成されている。なおもちろんこの場合において半透明反射膜を第二の透明導電膜
205と基板200との間に設けた場合においても同様に覆うことが望ましい。
40nmのα−NPDからなるホール注入層304,膜厚20nmであってCBPに
PtOEPを6体積%混入させてなる発光材料層305,膜厚50nmのALQ(アルミキノリン)からなる電子輸送層306,膜厚1nmのLiFからなる電子注入層307の4層からなる発光層308と、膜厚140nmのITOからなる第二の透明導電膜309と、膜厚89nmの酸化シリコン310,膜厚56nmの酸化チタン311,膜厚89
nmの酸化シリコン312,膜厚56nmの酸化チタン313を4層重ねた多層誘電体膜からなる半透明反射層314と、を有して構成されている。この構成により本実施例に係る表示装置は第一及び第二の透明電極の間に直流電圧を印加して発光を生じさせる。なお、上記発光層における材料を図10に示す。
150nmであり、フォトルミネッセンス測定において金属膜の有無に関わらず発光寿命がほぼ同一となったことが確かめられた。
Claims (10)
- 金属反射膜と、フッ素化金属薄膜と、第一の透明導電膜と、発光層と、第二の透明導電膜と、を順次積層した有機発光素子。
- 前記第二の透明導電膜に更に半透明反射層を積層した請求項1記載の有機発光素子。
- 前記第一の透明導電膜と前記金属反射膜とを金属部材により接続した請求項1記載の有機発光素子。
- 基板と、金属反射膜と、フッ素化金属薄膜と、第一の透明導電膜と、発光層と、第二の透明導電膜と、を順次積層した有機発光素子を用いた表示装置。
- 前記第二の透明導電膜に更に半透明反射層を積層した請求項4記載の表示装置。
- 前記第一の透明導電膜と前記金属反射膜とを金属部材により接続した請求項4記載の表示装置。
- 金属反射膜と、フッ素化金属薄膜と、第一の透明導電膜と、発光層と、第二の透明導電膜と、基板と、を順次積層した有機発光素子を用いた表示装置。
- 前記第二の透明導電膜と前記基板との間に半透明反射層を有する請求項5記載の表示装置。
- 前記第一の透明導電膜と前記金属反射膜とを金属部材により接続した請求項5記載の表示装置。
- 透明導電膜,フッ素化金属薄膜,金属膜の積層構造を有する基板。
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2004
- 2004-03-29 JP JP2004094009A patent/JP2005285386A/ja active Pending
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