JP2005284598A - 個人情報提供システム、記録装置及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 個人情報を提供する提供者が、個人情報を要求するサービス事業体に対し、個人情報を提供する際の安全性及び利便性に優れた個人情報提供システム、記録装置及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】 家電製品の動作状況等の装置内部の動作状況、個人情報を提供する提供者の脈拍等の生体に関する状況を第1検知装置10又は第2検知装置20にて自動的に検知し、検知した状況を自動的に記録装置50へ送信する。そして記録装置50では、個人情報に機密度を示す複数段階の階級を設定して記録しておき、サービス事業体が管理する要求装置60から個人情報の提供を要求された場合、設定されている階級に応じて個人情報の提供の可否、提供後の報告の要否及び提供の許可の要否を判定する。
【選択図】 図1
【解決手段】 家電製品の動作状況等の装置内部の動作状況、個人情報を提供する提供者の脈拍等の生体に関する状況を第1検知装置10又は第2検知装置20にて自動的に検知し、検知した状況を自動的に記録装置50へ送信する。そして記録装置50では、個人情報に機密度を示す複数段階の階級を設定して記録しておき、サービス事業体が管理する要求装置60から個人情報の提供を要求された場合、設定されている階級に応じて個人情報の提供の可否、提供後の報告の要否及び提供の許可の要否を判定する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、個人情報を記録する記録装置と、該記録装置に記録されている個人情報を要求する要求装置とを備えた個人情報提供システム、該個人情報提供システムにて用いられる記録装置、該記録装置を実現するためのコンピュータプログラムに関し、特に個人情報の機密度に応じて提供の可否を決定する個人情報提供方法、個人情報提供システム、記録装置及びコンピュータプログラムに関する。
医療等のサービスをユーザが受ける場合、サービスを提供するサービス事業体に住所、氏名、生年月日等の個人情報を提供することが要求される。このような個人情報提供システムの一つとして、個人情報を本人確認会社が管理するホストコンピュータに記録しておき、本人確認会社の加盟店に設置された専用端末機からホストコンピュータにアクセスし、ホストコンピュータから提供される個人情報に基づいて、確認対象となる人物が個人情報にて特定される本人であることを証明するシステムがある(例えば特許文献1参照。)。
特開2001−338134号公報
しかしながら従来のシステムでは、個人情報を記録する場合に、個人情報を手作業で入力しなければならないという問題がある。特に医療等のサービスに必要な体温、脈拍、発汗量、血圧等の生体に関する状況を測定し、入力するということは容易ではなく、例えば特許文献1に示されている個人情報ではこれらの身体に関する状況を示す情報は考慮されていない。また個人情報を記録している装置は、要求に応じて個人情報を提供することになるため、個人情報の提供を制限するという安全性と、提供すべき相手に対しては容易に提供させるという利便性との両面が求められるという課題がある。例えば特許文献1に示すシステムでは、指紋による照合を行うため安全性は高いが、本人がいないと個人情報を提供することができないというように利便性に関する問題がある。
本発明は斯かる事情を鑑みてなされたものであり、装置内部の動作状況、生体に関する状況等の状況を自動的に検知し、検知した状況を個人情報として自動的に記録装置に記録させることにより、個人情報の入力時の利便性の向上及び記録される個人情報の種類の拡大が可能な個人情報提供システム、該個人情報提供システムにて用いられる記録装置、該記録装置を実現するためのコンピュータプログラムの提供を主たる目的とする。
また個人情報を、提供を要求する要求装置の属性毎に設定される夫々の機密度を示す階級に対応付けて記録しておき、要求装置の属性に対して設定されている階級に基づいて、個人情報の提供の可否、報告の要否及び許可の要否を判定することにより、安全性及び利便性に優れた個人情報提供システム等の提供を他の目的とする。
第1発明に係る個人情報提供システムは、個人情報を記録する記録装置と、該記録装置に記録されている個人情報を要求する要求装置とを備え、前記記録装置は、前記要求装置からの要求に応じて個人情報を提供する個人情報提供システムにおいて、個人情報を検知する検知装置を更に備え、該検知装置は、装置内部の動作状況及び生体に関する状況の少なくとも一つを検知する手段と、検知した状況に基づく個人情報を前記記録装置へ送信する手段とを備え、前記記録装置は、受信した個人情報を記録するデータベースを備えることを特徴とする。
本発明では、個人情報を自動的に検知し、自動的に記録装置に記録させるので、個人情報の入力時の利便性を向上させることが可能であり、また個人情報として装置内部の動作状況及び生体に関する状況を検知することにより、提供する個人情報の種類を拡大することが可能である。
第2発明に係る個人情報提供システムは、第1発明において、前記記録装置は、個人情報に対応付けて、前記要求装置の属性毎に設定される夫々の機密度を示す階級をデータベースに記録する手段と、前記要求装置の属性を判定する手段と、判定した属性に対して設定されている階級に基づいて、個人情報の提供の可否を判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
本発明では、個人情報に機密度を示す複数段階の階級を設定して、階級に応じて個人情報の提供の可否を判定することにより、一度記録された個人情報を複数の要求装置に夫々提供することを可能としながらも、その機密度に応じて提供の可否を判定するので、個人情報提供時の利便性を高めながらも、制限なく個人情報を提供することを防止することができるので優れた安全性を確保することが可能である。更に要求装置を管理する事業体の業種等の属性毎に階級を設定することにより、その業種に必要な個人情報だけを提供することとなるので、提供先の業種に必要な個人情報を提供することを可能とすると共に、不必要に多くの個人情報を提供することを防止することができるので、利便性を確保しながらも安全性を確保することが可能である。
第3発明に係る個人情報提供システムは、第2発明において、前記記録装置が備える判定手段は、判定した属性に対して設定されている階級に基づいて、提供の報告の要否を判定すべくなしてあり、前記記録装置は、更に、前記判定手段により、提供の報告を要すると判定した個人情報を提供した場合、提供したことを報告する手段を備えることを特徴とする。
本発明では、特定の階級が設定された個人情報については、提供後に提供の報告を行うことにより、個人情報の提供者は、個人情報が、どのような事業体に提供されているかを認識することが可能である。
第4発明に係る個人情報提供システムは、第2発明又は第3発明において、前記記録装置が備える判定手段は、判定した属性に対して設定されている階級に基づいて、提供の許可の要否を判定すべくなしてあり、前記記録装置は、更に、前記判定手段により、提供の許可を要すると判定した個人情報を提供する場合、提供の可否を問い合わせる手段と、問い合わせに対する回答に基づいて、個人情報の提供の可否を判定する手段とを備えることを特徴とする。
本発明では、特定の階級が設定された個人情報については、事前に個人情報の提供者に提供の可否の許可を問い合わせることにより、個人情報が無制限に提供されることを防止し、安全性を高めることが可能である。
第5発明に係る個人情報提供システムは、第2発明乃至第4発明のいずれかにおいて、前記要求装置を識別する手段と、前記要求装置が所定の装置であると識別した場合に、階級に対する判定基準を変更する手段とを更に備えることを特徴とする。
本発明では、特定の事業体が管理する要求装置に対しては、個人情報の提供の可否、報告の要否及び許可の要否の判定基準を変更することができるので、信頼性の高い事業体に対しては、より広範囲の個人情報を、より容易に提供することができるので利便性を向上させることが可能であり、しかも信頼性の低い事業体に対しては個人情報の提供を制限することができるので安全性を高めることが可能である。
第6発明に係る個人情報提供システムは、第1発明乃至第5発明のいずれかにおいて、前記検知装置は、外見上の動作又は移動することが可能なロボットであることを特徴とする。
本発明では、外見上の動作及び移動を行うペットロボットを検知装置とすることにより、個人情報の提供者が親しみを感じることを期待することができるので、提供者に精神的な安らぎを与えることが可能である。
第7発明に係る個人情報提供システムは、第1発明乃至第6発明のいずれかにおいて、個人情報の入力を受け付ける入力装置を更に備え、前記入力装置は、個人情報の入力を受け付ける手段と、受け付けた個人情報を前記記録装置へ送信する手段とを備えることを特徴とする。
本発明では、検知装置が検知する個人情報以外にも、パーソナルコンピュータ等の入力装置に、検知不可能な氏名、住所、生年月日等の個人情報を入力しておくことが可能であるので、多様な個人情報を記録し、提供することが可能である。
第8発明に係る記録装置は、個人情報を要求する要求装置に、記録している個人情報を提供する記録装置において、個人情報を、前記要求装置の属性毎に設定される夫々の機密度を示す階級に対応付けて記録するデータベースと、前記要求装置の属性を判定する手段と、判定した属性に対して設定されている階級に基づいて、個人情報の提供の可否を判定する手段とを備えることを特徴とする。
本発明の記録装置は、個人情報に機密度を示す複数段階の階級を設定して、階級に応じて個人情報の提供の可否を判定することにより、一度記録された個人情報を複数の要求装置に夫々提供することを可能としながらも、その機密度に応じて提供の可否を判定するので、個人情報提供時の利便性を高めながらも、制限なく個人情報を提供することを防止することができるため優れた安全性を確保することが可能である。更に要求装置を管理する事業体の業種等の属性毎に階級を設定することにより、その業種に必要な個人情報だけを提供することとなるので、提供先の業種に必要な個人情報を提供することを可能とするとともとに、不必要に多くの個人情報を提供することを防止することができるため、利便性を確保しながらも安全性を高めることが可能である。
第9発明に係るコンピュータプログラムは、個人情報を要求する要求装置と通信する通信手段を備えるコンピュータに、記録している個人情報を提供させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、個人情報を、前記要求装置の属性毎に設定される夫々の機密度を示す階級に対応付けて記録させる手順と、コンピュータに、前記要求装置の属性を判定させる手順と、コンピュータに、判定した属性に対して設定されている階級に基づいて、個人情報の提供の可否を判定させる手順とを実行させることを特徴とする。
本発明では、サーバコンピュータ等のコンピュータにて実行することで、コンピュータが記録装置として動作し、個人情報に機密度を示す複数段階の階級を設定して、階級に応じて個人情報の提供の可否を判定することにより、一度記録された個人情報を複数の要求装置に夫々提供することを可能としながらも、その機密度に応じて提供の可否を判定するので、個人情報提供時の利便性を高めながらも、制限なく個人情報を提供することを防止することができるため優れた安全性を確保することが可能である。更に要求装置を管理する事業体の業種等の属性毎に階級を設定することにより、その業種に必要な個人情報だけを提供することとなるので、提供先の業種に必要な個人情報を提供することを可能とするとともとに、不必要に多くの個人情報を提供することを防止することができるため、利便性を確保しながらも安全性を高めることが可能である。
本発明に係る個人情報提供システム、記録装置及びコンピュータプログラムでは、家電製品の動作状況等の装置内部の動作状況、個人情報を提供する提供者の脈拍等の生体に関する状況を自動的に検知し、検知した状況を自動的に記録装置に記録させることにより、個人情報の入力時の利便性の向上及び記録される個人情報の種類の拡大が可能であり、このため提供者は、生活状況、生活環境、趣味、体調等の様々な個人情報に基づく様々なサービスを容易に受けることが可能となる等、優れた効果を奏する。
本発明では、記録装置にて個人情報に機密度を示す複数段階の階級を設定して記録しておき、要求装置から個人情報の提供を要求された場合、設定されている階級に応じて個人情報の提供の可否、提供後の報告の要否及び提供の許可の要否を判定することにより、一度記録された個人情報を複数の要求装置に夫々提供することを可能として個人情報提供時の利便性を高めながらも、その機密度に応じて提供の可否、報告の要否及び提供の許可の要否が判定されるため制限無く個人情報を提供することを防止して優れた安全性を確保することが可能である等、優れた効果を奏する。
本発明では、要求装置を管理する事業体の業種等の属性毎に階級を設定することで、その業種に必要な個人情報を提供することとなるので、提供先の業種に必要な個人情報を提供することを可能とするとともとに、不必要に多くの個人情報を提供することを防止することができるため、利便性を確保しながらも安全性を確保することが可能である等、優れた効果を奏する。
本発明では、特定の事業体が管理する要求装置に対しては、個人情報の提供の可否、報告の要否及び許可の要否の判定基準を変更することができるので、信頼性の高い事業体に対しては、より広範囲の個人情報を、より容易に提供することができるため利便性を向上させることが可能であり、しかも信頼性の低い事業体に対しては個人情報の提供を制限することができるので安全性を高めることが可能である等、優れた効果を奏する。
外見上の動作及び移動を行うペットロボットを検知装置とすることにより、個人情報の提供者が親しみを感じることを期待することができるので、提供者に精神的な安らぎを与えることが可能である等、優れた効果を奏する。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本発明の個人情報提供システムを概念的に示す説明図である。図1中1は、個人情報を提供する提供者が居住する家屋等の建造物であり、建造物1内には、電気炊飯器、電子レンジ、冷蔵庫、エアーコンディショナー等の家電製品を用いた第1検知装置10、及びペットロボット等の第2検知装置20が配置されている。これらの家電製品を用いた第1検知装置10及びペットロボットを用いた第2検知装置20は、装置内部の動作状況、外部環境の状況及び提供者の生体に関する状況を検知する。なおここでいう建造物1内の配置とは、建造物1が建造されている敷地内に一部又は全部が配置されていることを言い、例えば装置の一部が屋外に配置される浴槽用給湯器も含まれる。第1検知装置10及び第2検知装置20は、有線又は無線の家庭内通信ネットワーク等の内部通信網101に接続されている。内部通信網101には、個人情報の入力を受け付けるパーソナルコンピュータ等の入力装置30及びルータ等の接続装置40が接続されており、接続装置40は、内部通信網101と、インターネット等の外部通信網102とを接続し、通信網を超えて送受信される情報の中継を行う。外部通信網102には、提供者の個人情報を記録するサーバコンピュータを用いた記録装置50及び個人情報の提供を要求する汎用型コンピュータを用いた要求装置60が接続されている。記録装置50は、提供者の個人情報を管理する管理事業体に管理され、要求装置60は、提供された個人情報に基づきサービスを提供するサービス事業体に管理されている。
図2は本発明の個人情報提供システムの内部通信網101に接続する各種装置の構成を示すブロック図である。家電製品を用いた第1検知装置10は、装置全体を制御する制御手段11、炊飯、冷暖房、冷却等の家電製品としての動作を行う動作手段12、動作手段12の動作状況を検知する検知手段13、及び内部通信網101に有線又は無線にて接続する通信手段14を備えている。
ペットロボットを用いた第2検知装置20は制御手段21と、第2検知装置20を動作させるコンピュータプログラム及びデータ等の情報を記録するROM、ハードディスク等の記録手段22と、記録手段22に記録されているコンピュータプログラムを実行する場合に一時的に発生するデータを記録するRAM等の記憶手段23と、外部環境の状況及び人物の生体に関する状況を検知する各種の検知手段24と、音声、画像及び光を出力する各種の出力手段25と、移動及び各種動作を行うための機械的な機構である動作手段26と、通信手段27とを備えている。
検知手段24としては、室温を検知する温度センサ、外部の状況を映像として検知するCCDカメラ、提供者の存否を検知する人検知センサ、生体の状況を検知する生体センサ等の各種手段を例示列挙することができる。温度センサを用いることにより、第2検知装置20は、冷暖房器具の動作状況、天候、季節等の外部環境の状況を検知することができる。CCDカメラを用いることにより、第2検知装置20は、提供者の顔等の外部の状況及び行動を検知することができる。第2検知装置20は、人検知センサを用いることにより、提供者の存否等の人物の存否に関する状況を検知することができる。第2検知装置20は、生体センサを用いることにより、提供者の体温、脈拍、発汗量、血圧等の生体に関する状況を検知することができる。生体センサとは、例えばペットロボットの手に相当する箇所に取り付けることにより、提供者がペットロボットの手を握った時、自動的に提供者の体温、脈拍、発汗量、血圧等の状況を検知する。このとき接触強度を検知する触覚センサを併用することにより、提供者がペットロボットを握る握力に応じて、検知した生体に関する状況を示す値を補正し、より高精度の値を検知することが可能となる。
出力手段25としては、音声を出力するスピーカ、画像を出力するモニタ、光を出力する発光ダイオード等の各種手段を例示列挙することができる。
また第1検知装置10及び第2検知装置20が夫々検知する提案者に関する状況から、起床、就寝、食事、入浴等の生活に関する状況を検知することが可能となる。
入力装置30は、CPU等の制御手段31、ハードディスク等の記録手段32、RAM等の記憶手段33、通信手段34、マウス、キーボード等の入力手段35、並びにモニタ、プリンタ等の出力手段36を備えている。
接続装置40は、制御手段41、記録手段42、記憶手段43、内部通信網101に接続する内部通信手段44、外部通信網102に接続する外部通信手段45を備えている。
図3は本発明の個人情報提供システムの外部通信網102に接続する各種装置の構成を示すブロック図である。記録装置50は、制御手段51、本発明のコンピュータプログラム200及びデータ等の各種情報を記録しているCD−ROM等の記録媒体201から各種情報を読み取るCD−ROMドライブ等の補助記憶手段52、記録手段53、記憶手段54、外部通信網102に接続する通信手段55、並びに時計回路56を備えている。そして補助記憶手段52により読み取った各種情報を記録手段53に記録し、記録手段53に記録している各種情報を記憶手段54に記憶し、制御手段51にて実行することにより、サーバコンピュータは、本発明の記録装置50として動作する。なお記録手段53の記録領域の一部は、第1個人情報を記録する個人情報データベース(個人情報DB)53a、要求装置60の属性毎に設定される夫々の機密度を示す階級及び第2個人情報を記録する階級データベース(階級DB)53b、要求装置50を管理する各サービス事業体に付される属性を記録する属性データベース(属性DB)53c等の各種データベースとして用いられている。なお記録手段53の記録領域の一部を各種データベースとして用いるのではなく、記録手段を備える他の装置を記録装置50に接続し、他の装置の記録手段に各種データベースとして用いる領域を確保するようにしても良い。
要求装置60は、制御手段61、記録手段62、記憶手段63、通信手段64、入力手段65及び出力手段66を備えている。
次に本発明の個人情報提供システムにて用いられる記録装置50が備える各種データベースについて説明する。図4は本発明の記録装置50が備える個人情報データベース53aの記録内容を概念的に示す説明図である。個人情報データベース53aは、提供者を特定する提供者IDに対応付けて、提供者に関する基本的な第1個人情報を記録するデータベースであり、具体的には、提供者IDと、提供者の住所、性別、年齢、身長、体重、年収、趣味等の第1個人情報とが記録されている。なお第1個人情報は入力装置30を用いて入力される。
図5は本発明の記録装置50が備える階級データベース53bの記録内容を概念的に示す説明図である。階級データベース53bには、提供者IDに対応付けて、第2個人情報と、要求装置60の属性毎に設定される夫々の機密度を示す階級とを記録するデータベースである。第2個人情報は、提供者の生活に則して日々更新又は蓄積される情報であり、主に第1検知装置10及び第2検知装置20により検知される。図5に示す例では、第2個人情報として、体温、脈拍、発汗量、血圧、起床・就寝時刻、食事時刻、入浴時刻、購入食料品及び食料品在庫が示されている。体温、脈拍、発汗量及び血圧は、第2検知装置20にて検知される生体に関する状況を示す情報である。起床・就寝時刻及び食事時刻は、第1検知装置10にて検知される照明器具、浴槽用給湯器等の家電製品の動作状況、及び第2検知装置20にて検知される提供者の存否等の状況から判断される情報である。他にも天候等の外部環境の状況及び家電製品である洗濯機の動作状況から洗濯回数等の個人情報を検知することが可能である。購入食料品及び食料品在庫は、家電製品である冷蔵庫の内部センサによる検知、パーソナルコンピュータを用いた発注装置の発注履歴、手作業による入力にて、その情報を得ることができる。要求装置60には、管理するサービス事業体に応じて、標準となる第1属性、スーパーマーケット等の小売店舗を示す第2属性、病院等の医療機関を示す第3属性、介護サービス業者を示す第4属性等の属性が設定されている。そして各第2個人情報に対して、属性毎に機密度を示す階級が設定されている。図5に示す例ではレベル1〜5の5段階の階級が設定されており、第2属性から第4属性までの属性は、第1属性との相対的な差を示すことで階級を示している。具体的には、体温を示す第2個人情報は、第1属性では、レベル3であり、第3属性は「−2」となっているためレベル1となり、第4属性は、「−1」となっているためレベル2となる。また第2属性は「指定無し」となっており、提供の対象とはならないことを示している。なお相対的な差を示すのではなく、絶対的な階級を示すようにしても良い。また業種ではなく、個々の事業体毎に属性を設定するようにしても良い。
ここでレベルについて説明する。図6は本発明の個人情報提供システムにて用いられるレベルと機密度との関係を示す図表である。レベル1は提供可能な階級を示している。レベル2は提供可能であるが、提供後、提供したことを提供者に報告することを要する階級であることを示している。レベル3は提供前に提供者の許可を要する階級であることを示している。レベル4及びレベル5は提供不可能な階級を示している。なおレベルとして示される階級は、後述する様に、予め登録されている所定の装置に対しては判定基準が変更される場合がある。基準が1段階変更されたものとして判定される場合、例えばレベル3である階級の個人情報は、レベル2である階級の個人情報として扱われるので、提供者の許可無しに提供される。但しレベル4の階級の個人情報は、レベル3の階級として扱われるため許可がある場合に限り提供されることになるが、レベル5の階級の個人情報は、レベル4の階級として扱われるため提供が認められないという違いがある。
なお図4に示す個人情報データベース53aに記録されている第1個人情報に対しても、属性及び階級を対応付けて記録するようにしても良く、また個人情報を記録するデータベースと、属性及び階級を記録するデータベースとを分離して管理し、必要に応じて互いの情報を対応付けて情報を記録又は抽出する形態にしてもよい。
図7は本発明の属性データベース53cの記録内容を概念的に示す説明図である。属性データベース53cは、要求装置60を識別する要求装置IDと、属性とが対応付けて記録されている。また特定の要求装置60に対しては階級の判定基準を変更する変更値が示されている。具体的には要求装置IDが10001である要求装置60は、第2属性に属しているが、階級データベース53bに示されている第2属性の階級から1を減じた階級が判定の基準となる。例えば第2属性に対してレベル2の階級が付された食事時刻についての情報は、要求装置IDが10001である要求装置60から提供の要求が有った場合、レベル1の階級として判定される。
次に本発明の個人情報提供システムが備える各種装置の処理について説明する。図8は本発明の個人情報提供システムが備える入力装置30及び記録装置50の第1個人情報登録処理を示すフローチャートである。提供者は入力装置30を操作して記録装置50にアクセスし、第1個人情報の登録をすべく、提供者の住所、性別、年齢、身長、体重、年収、趣味等の第1個人情報を、入力手段35を用いて入力操作を行う。入力装置30では、制御手段31の制御により、入力手段35から第1個人情報の入力を受け付け(S101)、受け付けた第1個人情報を通信手段34から、接続装置40を介して、記録装置50へ送信する(S102)。
記録装置50では、記憶手段54に記憶させた本発明のコンピュータプログラム200を実行する制御手段51の制御により、通信手段55にて、第1個人情報を受信し(S103)、受信した第1個人情報を、提供者IDに対応付けて個人情報データベース53aに記録する(S104)。このようにして第1個人情報登録処理が行われる。なお提供者自らが入力装置30を操作して第1個人情報の入力操作を行うのではなく、管理事業体の担当者が代行する様にしても良い。
図9は本発明の個人情報提供システムが備える第1検知装置10及び記録装置50の第2個人情報記録処理を示すフローチャートである。第1検知装置10は、制御手段11の制御により、検知手段13にて動作手段12の動作状況を検知し(S201)、検知した装置内部の動作状況に基づく第2個人情報を、通信手段14から、接続装置40を介して、記録装置50へ送信する(S202)。
記録装置50では、記録手段54に記憶させた本発明のコンピュータプログラム200を実行する制御手段51の制御により、通信手段55にて、第2個人情報を受信し(S203)、受信した時刻を時計回路56により検知し(S204)、第2個人情報に、要求装置60の属性毎に設定される夫々の機密度を示す階級に対応付けて階級データベース53bに記録する(S205)。例えば電気炊飯器である第1検知装置10の動作状況を示す第2個人情報を受信した場合には、第2個人情報は、食事時刻として階級データベース53bに記録される。なお食事時刻としてステップS204にて検知した時刻を用いても、第1検知装置10にて時刻を検知し、第2個人情報に動作を検知した時刻を付与して送信するようにしても良い。また室内照明器具、テレビ受像機等の複数の第1検知装置10,10,…の動作が停止した時刻を就寝時刻とする様に、複数の第1検知装置10,10,…、更には第2検知装置20が夫々検知した状況を統合して第2個人情報として記録するようにしても良い。
図10は本発明の個人情報提供システムが備える第2検知装置20及び記録装置50の第2個人情報記録処理を示すフローチャートである。第2検知装置20は、制御手段21の制御により、検知手段24にて生体に関する状況、例えば提供者の体温、脈拍、発汗量及び血圧を検知し(S301)、検知した生体に関する状況に基づく第2個人情報を、通信手段27から、接続装置40を介して、記録装置50へ送信する(S302)。
記録装置50では、記録手段54に記憶させた本発明のコンピュータプログラム200を実行する制御手段51の制御により、通信手段55にて、第2個人情報を受信し(S303)、受信した時刻を時計回路56により検知し(S304)、第2個人情報に、要求装置60の属性毎に設定される夫々の機密度を示す階級に対応付けて階級データベース53bに記録する(S305)。なお第2検知装置20にて検知した状況に基づく第2個人情報についても時刻と関連付けて記録する様にしてもよい。
図9及び図10を用いて説明した様にして第2個人情報を記録する処理が行われる。なお入力装置30を用いて入力された第2個人情報を記録装置50へ送信するようにしても良い。
図11は本発明の個人情報提供システムが備える要求装置60の個人情報要求処理を示すフローチャートである。サービス事業体の担当者は、記録装置50に記録されている個人情報を要求する場合、要求装置60を操作して記録装置50にアクセスし、個人情報の提供を要求する操作を行う。操作を受け付けた要求装置60では、制御手段61の制御により、個人情報の提供を要求する要求情報を、通信手段64から記録装置50へ送信する(S401)。要求情報とは、要求装置60を識別する要求装置ID、個人情報の提供を要求する提供者を識別する提供者ID、要求する個人情報の種類を示す情報等の情報を含んでいる。
図12は本発明の個人情報提供システムにて用いられる記録装置50の個人情報提供処理を示すフローチャートである。個人情報提供処理は、図11を用いて示した個人情報要求処理により、要求装置60から送信された要求情報を記録装置50が受信した場合に行われる処理である。記録装置50は、記録手段54に記憶させた本発明のコンピュータプログラム200を実行する制御手段51の制御により、通信手段55にて、要求情報を受信し(S501)、受信した要求情報に含まれる要求装置IDに基づき、属性データベース53cを参照して、サービス事業体の業種等の要求装置60の属性を判定し(S502)、更に要求情報に基づいて要求装置60が予め登録されている所定の装置であるか否かを識別する(S503)。ステップS503における所定の装置とは、階級の判定基準を変更する変更値が属性データベース53cに記録されている装置である。ステップS503において、所定の装置であると識別した場合(S503:YES)、記録装置50では、階級に対する判定基準を変更し(S504)、以降の処理を行う。ステップS503において、所定の装置ではないと識別した場合(S503:NO)、ステップS504における判定基準変更処理は行わずに、以降の処理を行う。
記録装置50では、階級データベース53bを参照し、属性に対して設定されている階級に基づいて、要求されている個人情報の提供の可否を判定し(S505)、提供が可能であると判定した場合(S505:YES)、提供の報告の要否を判定し(S506)、提供の報告を要すると判定したとき(S506:YES)、提供の許可の要否を判定する(S507)。
ステップS505にて、個人情報の提供が不可であると判定した場合(S505:NO)、即ち階級がレベル4又はレベル5であると判定した場合、記録装置50では、提供が不可であることを通知する不可通知情報を、通信手段55から要求装置60へ送信し(S508)、個人情報提供処理を終了する。要求装置60を操作する担当者は、受信した不可通知情報により要求した個人情報の提供が不可であることを認識する。
ステップS506にて、提供の報告を要しないと判定した場合(S506:NO)、即ち階級がレベル1であると判定した場合、記録装置50では、要求情報に基づいて、個人情報データベース53a及び/又は階級データベース53bに記録されている(第1及び/又は第2)個人情報を抽出し(S509)、抽出した個人情報を、通信手段55から要求装置60へ提供(送信)し(S510)、個人情報提供処理を終了する。要求装置60を操作する担当者は、受信した個人情報を確認し、サービス事業体として、提供された個人情報に基づくサービスを提供者に提供する。
ステップS507にて、提供の許可を要しないと判定した場合(S507:NO)、即ち階級がレベル2であり、許可は要しないが報告を要すると判定した場合、記録装置50では、要求情報に基づいて、個人情報データベース53a及び/又は階級データベース53bに記録されている(第1及び/又は第2)個人情報を抽出し(S511)、抽出した個人情報を、通信手段55から要求装置60へ提供(送信)し(S512)、個人情報を提供したことを報告する報告情報を、通信手段55から入力装置30へ報告(送信)し(S513)、個人情報提供処理を終了する。要求装置60を操作する担当者は、受信した個人情報を確認し、サービス事業体として、提供された個人情報に基づくサービスを提供者に提供する。提供者は、入力装置30が受信した報告情報を確認し、個人情報がサービス事業体に報告されたこを認識する。なお報告情報の送信先は自由に設定することが可能であり、例えばペットロボットである第2検知装置20へ送信し、ペットロボットが「あなたの○○が、○○会社に提供されました。」という音声を発するようにしても良い。
ステップS507にて、提供の許可を要すると判定した場合(S507:YES)、即ち階級がレベル3であると判定した場合、記録装置50では、提供の可否を問い合わせる可否問い合わせ情報を、通信手段55から入力装置30へ送信する(S514)。入力装置30では、受信した問い合わせ情報を出力し、提供者に、個人情報の提供の可否について問い合わせる。提供者は、問い合わせに対する提供の許可又は不許可を示す回答を入力する。回答を受け付けた入力装置30は、受け付けた回答を示す回答情報を記録装置50へ送信する。記録装置50では、通信手段55にて、回答情報を受信し(S515)、受信した回答情報が示す回答に基づいて、個人情報の提供の可否を判定する(S516)。
ステップS516において、回答情報が示す回答が提供許可であり、提供を要すると判定した場合(S516:YES)、記録装置50では、要求情報に基づいて、個人情報データベース53a及び/又は階級データベース53bに記録されている(第1及び/又は第2)個人情報を抽出し(S517)、抽出した個人情報を、通信手段55から要求装置60へ提供(送信)し(S518)、個人情報を提供したことを報告する報告情報を、通信手段55から入力装置30へ報告(送信)し(S519)、個人情報提供処理を終了する。なお個人情報の提供可否を問い合わせているので、報告情報の報告処理は省略するようにしてもよい。
ステップS516において、回答情報が示す回答が提供不許可であり、提供を要しないと判定した場合(S516:NO)、記録装置50では、提供が不可であることを通知する不可通知情報を、通信手段55から要求装置60へ送信し(S520)、個人情報提供処理を終了する。このようにして個人情報提供処理が行われる。
以上詳述した様に本発明の個人情報提供システムを利用することにより、提供者は、サービス事業体に対して、記録装置50に個人情報が記録されていることを連絡するだけで、サービス事業体は提供者の個人情報の提供を受けることができ、しかもサービス事業体の属性に応じて必要な個人情報だけを提供することができる。従って医療機関への個人情報の提供による医療サービスの享受、会員サービスを提供するサービス事業体へ入会に要する個人情報の提供等の様々な状況に適用することができる。そしてサービス事業体及び/又は提供者が管理事業体にシステム利用料を支払うことにより、またサービス事業体が提供者に個人情報の提供料を支払うことにより、新たなビジネスモデルを確立することができる。
さらにサービス事業体の信頼性に応じて階級に対する判定基準を変更することができるので、提供する個人情報の種類を容易に拡大又は縮小することが可能である。そして階級に対する判定基準を変更した場合には、サービス事業体から管理事業体に支払われるシステム利用料も変更される。また判定基準の変更が頻繁に行われる場合、提供者の煩わしさを軽減するために、判定基準の変更が必要となった状況と、その場合の変更内容とを対応付けて変更履歴として記録しておき、同様の状況が発生した場合に、変更履歴に従って自動的に変更するようにしても良い。
1 建造物
10 第1検知装置
20 第2検知装置
30 入力装置
40 接続装置
50 記録装置
60 要求装置
101 内部通信網
102 外部通信網
200 コンピュータプログラム
201 記録媒体
10 第1検知装置
20 第2検知装置
30 入力装置
40 接続装置
50 記録装置
60 要求装置
101 内部通信網
102 外部通信網
200 コンピュータプログラム
201 記録媒体
Claims (9)
- 個人情報を記録する記録装置と、該記録装置に記録されている個人情報を要求する要求装置とを備え、前記記録装置は、前記要求装置からの要求に応じて個人情報を提供する個人情報提供システムにおいて、
個人情報を検知する検知装置を更に備え、
該検知装置は、
装置内部の動作状況及び生体に関する状況の少なくとも一つを検知する手段と、
検知した状況に基づく個人情報を前記記録装置へ送信する手段と
を備え、
前記記録装置は、
受信した個人情報を記録するデータベースを備える
ことを特徴とする個人情報提供システム。 - 前記記録装置は、
個人情報に対応付けて、前記要求装置の属性毎に設定される夫々の機密度を示す階級をデータベースに記録する手段と、
前記要求装置の属性を判定する手段と、
判定した属性に対して設定されている階級に基づいて、個人情報の提供の可否を判定する判定手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の個人情報提供システム。 - 前記記録装置が備える判定手段は、
判定した属性に対して設定されている階級に基づいて、提供の報告の要否を判定すべくなしてあり、
前記記録装置は、更に、
前記判定手段により、提供の報告を要すると判定した個人情報を提供した場合、提供したことを報告する手段を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の個人情報提供システム。 - 前記記録装置が備える判定手段は、
判定した属性に対して設定されている階級に基づいて、提供の許可の要否を判定すべくなしてあり、
前記記録装置は、更に、
前記判定手段により、提供の許可を要すると判定した個人情報を提供する場合、提供の可否を問い合わせる手段と、
問い合わせに対する回答に基づいて、個人情報の提供の可否を判定する手段と
を備えることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の個人情報提供システム。 - 前記要求装置を識別する手段と、
前記要求装置が所定の装置であると識別した場合に、階級に対する判定基準を変更する手段と
を更に備えることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の個人情報提供システム。 - 前記検知装置は、外見上の動作又は移動することが可能なロボットであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の個人情報提供システム。
- 個人情報の入力を受け付ける入力装置を更に備え、
前記入力装置は、
個人情報の入力を受け付ける手段と、
受け付けた個人情報を前記記録装置へ送信する手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の個人情報提供システム。 - 個人情報を要求する要求装置に、記録している個人情報を提供する記録装置において、
個人情報を、前記要求装置の属性毎に設定される夫々の機密度を示す階級に対応付けて記録するデータベースと、
前記要求装置の属性を判定する手段と、
判定した属性に対して設定されている階級に基づいて、個人情報の提供の可否を判定する手段と
を備えることを特徴とする記録装置。 - 個人情報を要求する要求装置と通信する通信手段を備えるコンピュータに、記録している個人情報を提供させるコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、個人情報を、前記要求装置の属性毎に設定される夫々の機密度を示す階級に対応付けて記録させる手順と、
コンピュータに、前記要求装置の属性を判定させる手順と、
コンピュータに、判定した属性に対して設定されている階級に基づいて、個人情報の提供の可否を判定させる手順と
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
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JP2004096186A JP2005284598A (ja) | 2004-03-29 | 2004-03-29 | 個人情報提供システム、記録装置及びコンピュータプログラム |
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