JP2005281829A - Al−Si系合金及びこの合金からなる合金部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】高真空下でダイカストを行う場合に、溶接部の板厚の増大やダイカスト履行時のガス含有量の低減を行わずに、溶接性を向上させたAl−Si系合金及びこの合金からなる合金部材を提供する。
【解決手段】Si:7.5〜9.0質量%、Mg:0.2〜0.4質量%、Mn:0.3〜0.5質量%、Cu:0.03〜0.2質量%、Fe:0.1〜0.25質量%、及びSr:0.005〜0.02質量%を含み、残部がAl及び不可避的不純物である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、Al−Si系合金及びこの合金からなる合金部材に係り、特に、高真空下でのダイカストにより得られ、溶接性の高いAl−Si合金の開発技術に関する。
従来、アルミニウムのダイカストによる鋳物の製造には、種々の技術が開示されている。例えば、溶体化処理を行わずに、時効処理だけで機械的性質、特に伸びを向上させることを目的とし、重量基準で7.5〜9.5%のSiと、0.1〜0.3%のCuと、0.1〜0.32%のMgと、0.5〜0.9%のFeと、0.2〜0.6%のMnと、0.03〜0.05%のSrとを含み、残部がAlからなる鋳物用アルミニウム合金を用い、この合金をダイカストにより鋳物品を得る工程と、上記鋳造工程に続いて該鋳物品に塗装を施す工程と、該塗装を施した鋳物品に、塗装の焼き付け処理により時効処理を同時に施す熱処理工程とからなることを特徴とするアルミニウム合金鋳物品の製造方法が提案されている(特許文献1参照)。また、ダイカスト製品の寸法精度と延性とを向上させることを目的とし、Si:5〜13%、Mg:0.5%以下、Mn:0.1〜1.0%及びFe:0.1〜2.0%を含むアルミニウム溶湯をダイカスト鋳造し、得られた鋳造品を400〜550℃に昇温した後、10℃/秒以下の冷却速度で常温まで徐冷し、ダイカスト製品の平均粒径を20μm以下とするアルミニウムダイカスト製品の製造技術が開示されている(特許文献2参照)。
特公平7−91624号公報(特許請求の範囲) 特開平9−3610号公報(特許請求の範囲)
これら特許文献1,2に記載の技術により製造されたダイカスト鋳物品のうち、例えば、AA規格365合金等は、靱性に優れ、しかも、Al−Si亜共晶から共晶領域の合金成分を有することから流動性に優れるものである。しかしながら、これらの合金品は、優れた溶接性を発揮するものではない。
即ち、ダイカストにより得られる従来のAl−Si系合金は、溶接を行った場合に、溶接金属が流出し、十分なのど厚及び脚長等の溶接ビード寸法が得られない。ここで、上記のど厚及び脚長について説明する。図1は、Al−Si系合金からなる合金部材同士の溶接状況を示す側面図である。同図に示すように、のど厚とは、溶接部分に存在する溶着金属1(斜線部分)の盛り上り部分の最高高さ2であり、脚長とは、母材(各Al−Si系合金)と溶着金属1との接触部分の各方向での長さ3,4である。上記のど厚2が十分に確保されていない場合には、溶着金属1の体積が小さく、また脚長3,4が十分に確保されていない場合には、溶着金属1と母材との接触面積が小さいため、上記いずれの場合においても、溶接後の溶接部の強度が十分に得られない。
また、従来のAl−Si系合金の製造時には、真空雰囲気下でダイカストを行い、ガス含有量を削減しても、合金中のSi含有量が多い場合には、溶接ビードについて優れた品質や強度は得られない。これは、ダイカスト部材に含有される水素ガスが溶出し、その後集合成長して、溶接ビード内にブローホールを形成するためである。例えば、真空雰囲気下でダイカストを行い、水素ガス含有量を5.0ccにまで削減した場合であっても、合金中のSi含有量が多い場合には、溶接部の固相の晶出の遅れにより、水素ガスの溶出、集合及び成長に起因するミクロガスの凝集を招き、溶接ビード内にブローホールが形成されるため、合金の優れた強度及び品質等は得られない。このような事情に鑑み、従来、溶接部において十分な強度を得るためには、溶接部の板厚を増大する必要や、ダイカスト履行時のガス含有量をさらに低減する必要があった。
よって、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、高真空下でのダイカストにより得た合金を溶接する場合に、溶接部の板厚の増大やダイカスト履行時のガス含有量の低減を行わずに、溶接性を向上させることがきるAl−Si系合金及びこの合金からなる合金部材を提供することを目的としている。
本発明者等は、上記のように、高真空下でダイカストによって得られ、優れた溶接性を発揮するAl−Si系合金及びこの合金からなる合金部材について、鋭意検討を重ねた。その結果、以下の1)〜4)に示す種々の知見により、Al−Si系合金について、優れた溶接ビードを得ることができ、これにより、良好な溶接強度、即ち、十分な溶接性が得られるとの結論に達した。
1)図2は、Al−Si系合金の各Si含有量に関する溶接時の液相率と温度との関係を示すグラフである。同図に示すように、溶接直後の溶接金属においては、Si含有量が少ないほど、固相の晶出がより高温度領域から始まり、固相の増加に伴い、溶接後の溶接金属の粘度が上昇する。よって、例えば、Al−Si系合金中のSi含有量を7.5〜9.0質量%に限定することで、溶融時の粘度を十分に確保することができるとともに、液相線温度及び固相線温度を上昇させ、溶接ビードの凝固時間を短縮することができる。このため、溶接金属の流出を防止し、のど厚及び脚長を十分に確保するとともに、水素ガスの溶出、集合、及び成長に起因するミクロガスの凝集も、固相の晶出により妨げられ、溶接ビード内でのブローホールの形成を防止することができる。従って、溶接性を向上させることができる。
2)改良処理剤として、Mn、Cr、Ti及びSrを微量含有させると、溶接ビード凝固時のアルミニウムのα相が微細化され、さらにはSiのβ相が微細球状化され、溶接部の強度を向上させることができる。
3)Al−Si系合金中にMn、Cr及びFeを含有させると、ダイカスト履行時の流動性を補償するために溶湯温度、鋳造速度、及び鋳造圧力を増大させた場合にも、合金の金型への溶着や焼き付きを防止することができる。
4)靱性の向上を図るため、Tiは合金の構成元素として含有しないことが好適である。
本発明は、以上の知見に鑑みてなされたものである。
即ち、本発明のAl−Si系合金は、Si:7.5〜9.0質量%、Mg:0.2〜0.4質量%、Mn:0.3〜0.5質量%、Cu:0.03〜0.2質量%、Fe:0.1〜0.25質量%、及びSr:0.005〜0.02質量%を含み、残部がAl及び不可避的不純物であることを特徴としている。
このようなAl−Si系合金においては、Si:7.5〜8.5質量%、Mg:0.2〜0.3質量%、及びMn:0.3〜0.4質量%であることが望ましい。
以上に示すように、本発明によれば、合金中の各構成元素であるSi、Mg、Mn、Cu、Fe、及びSrの含有量の適正化を図ることにより、高真空下でのダイカストによって溶接性に優れるAl−Si系合金を得ることができる。なお、本発明による合金を使用して製造した合金部材同士の溶接では、溶接性の向上により、合金部材の溶接部の板厚低減や溶接ビード長の短縮が可能となり、ダイカストにより得られた合金部材の軽量化を実現することができる。また、本発明の合金部材は、従来の合金部材のように靱性に富むことはもちろんのこと、溶接性にも富むため、各種の加工用部材として好適である。さらに、本発明の合金部材の溶接に際しては、上記板厚の低減等を図ることができるため、溶接工程の合理化を図ることができる。加えて、ダイカスト履行時の含有ガス量の増大が可能となり、ダイカスト工程の合理化を図ることもできる。
以下に、本発明のAl−Si系合金の各構成元素の含有量の限定理由について述べる。
図3(a)〜(c)は、ASTM試験片用金型にて、Mg含有量を一定値に固定し、Si含有量を変動させたAl−Si−Mg合金の溶湯をそれぞれ200tonダイカストマシーンで鋳造したのち、引張り試験片に加工し、熱処理をせずに引張り試験を実施した場合の抗張力、耐力、及び伸び率の関係をそれぞれ示すグラフである。図2の結果及び図3(a)、(b)の結果から、Si含有量は、7.5質量%以上とすることで、ダイカスト履行時の溶湯の湯流れ性を良好なものとすることができ、これにより、抗張力、耐力等の機械的性質を良好なものとすることができる。一方、図2の結果及び図3(c)の結果から、以下の結論が得られる。即ち、Si含有量は、9.0質量%以下とすることで、溶接後の溶融部の固相の晶出が高い温度領域から始まり、固相の増加に伴い、溶接後の溶融部の粘度が上昇し、溶接金属の流出を防止することができる。このため、のど厚、脚長を十分に確保し、ミクロガスの凝集も、固相の晶出により妨げられ、溶接ビード内でのブローホールの形成が防止される。従って、伸び等の靱性を十分に確保することができる。以上により、Si含有量は、7.5〜9.0質量%とした。なお、Si含有量を8.5質量%以下とした場合には、伸びを一層高いレベルで確保することができるため、さらに好適である。
図4(a)〜(c)は、ASTM試験片用金型にて、Si含有量を一定値に固定し、Mg含有量を変動させたAl−Si−Mg合金の溶湯をそれぞれ200tonダイカストマシーンで鋳造したのち、引張り試験片に加工し、熱処理をせずに引張り試験を実施した場合の抗張力、耐力、及び伸び率をそれぞれ示すグラフである。Mgは、Siと同様に、抗張力及び耐力等の機械的性質を向上させるために含有させるものである。図4(a)〜(c)から明らかなように、Mg含有量が0.2質量%未満の場合には、上記機械的諸性質向上の効果に乏しい。一方、0.4質量%を超える場合には、伸び等の靱性の低下を招く。従って、Mg含有量は、0.2〜0.4質量%とした。なお、Mg含有量を0.3質量%以下とした場合には、伸びを一層高いレベルで確保することができるため、さらに好適である。
ここで、上記したSi含有量及びMg含有量による、引張試験時の抗張力、耐力、及び伸びについて、さらに詳細に述べる。即ち、抗張力については、図3(a)、図4(a)から、Si含有量よりもMg含有量の影響を受け易いことが判る。Si含有量が9.0質量%、10.0質量%では、抗張力はMg含有量に比例して増大するものの、Si含有量が7.5質量%を下回ると、抗張力は急激に低下する。抗張力を維持するには、Si含有量を7.5質量%以上とし、且つMg含有量を0.2質量%以上とすることが好ましい。また、耐力についても、図3(b)、図4(b)から、Si含有量よりもMg含有量の影響を受け易いことが判る。Si含有量が9.0質量%、10.0質量%では、優れた耐力を示すが、これらの含有量間では耐力は抗張力ほどの差はなく、Si含有量が7.5質量%以上であれば、殆ど差は見られない。さらに、伸びについては、図3(c)、図4(c)から、Si含有量に影響され易いだけでなく、Mg含有量の影響も大きい。即ち、伸びは、Si含有量に対して反比例する傾向にあり、Si含有量が少ないほど大きく、Mg含有量が0.2〜0.4質量%の範囲で好適な値を示す。
次に、Mnは、ダイカスト履行時に析出する針状粗大晶のFe化合物によって伸び等の靱性が低下するため、これを抑制するために含有させるものである。Mn含有量が0.3質量%未満では、上記靱性低下の抑制効果に乏しい。一方、0.5質量%を超える場合には、上記抑制効果が飽和状態となり、それ以上の効果を得ることが困難である。従って、Mn含有量は、0.3〜0.5質量%とした。なお、Mg含有量を0.4質量%以下とした場合には、金属間化合物の生成を防止して伸びを十分に確保することができるため、さらに好適である。
また、Cuは、抗張力や耐力を向上させるために含有させるものである。Cu含有量が0.03質量%未満では、ダイカスト履行時に高純度のAl母合金を用いなければならず、また溶解炉や保持炉の清浄度を従来に比して精密に管理する必要があり、コストが割高となる。一方、0.2質量%を超えると、Si含有量との関係で、伸び等の靱性が低下してしまうのみならず、耐食性を悪化させる。従って、Cu含有量は、0.03〜0.2質量%とした。
さらに、Fe含有量が0.1質量%未満では、ダイカスト履行時に高純度のAl母合金を用いなければならず、また溶解炉や保持炉の清浄度を従来に比して精密に管理する必要があり、コストが割高となる。一方、Fe含有量が0.25質量%を超えると、ダイカスト履行時にFe系金属間化合物が針状粗大晶として析出し、伸び等の靱性を低下させる。従って、Fe含有量は、0.1〜0.25質量%とした。
加えて、Srは、ダイカスト履行時に析出するSi粒子を微細化するために含有させるものである。Si含有量が9.0質量%以下であるため、Sr含有量が0.005質量%未満であると、上記微細化の効果が得られない。一方、0.02質量%を超えると、上記微細化の効果が飽和状態となり、それ以上の効果を得ることが困難であり、ひいては歩留まりを劣化させる。従って、Sr含有量は、0.005〜0.02質量%とした。
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明する。
表1に示す各組成の合金のそれぞれを、720℃で溶解した後、Arガスとフラックスを用いた溶湯処理によって、脱酸、脱ガスを行った。次いで、溶湯温度700℃、且つ金型内気圧5kPaの真空下において、寸法100×300×5の平板ダイカスト用の金型を用いて鋳造し、表1に示す各組成の平板状ダイカスト品(本発明例1〜5及び比較例6〜12)を得た。なお、金型温度は150℃とした。その後、上記の各ダイカスト品に対し、表1に併記する条件の下で、それぞれに最適な熱処理を施した。
Figure 2005281829
次いで、各平板状ダイカスト品(本発明例1〜5及び比較例6〜12)の各々について、製品の中央から図5に示す寸法の引張試験片を切り出すとともに、JIS Z2242に示すシャルピー衝撃試験片(Uノッチ付き、板厚2.5mm)を切り出し、5トンのオートグラフによる常温引張試験と、5kg-mのシャルピー衝撃試験機によるシャルピー衝撃試験とを実施した。これらの結果を表2に示す。
Figure 2005281829
表2から明らかなように、本発明例1〜5の各ダイカスト品は、比較例6〜12の各ダイカスト品に比して、抗張力、耐力、及び伸びについて、優れた結果を示すのみならず、衝撃値についても優れた結果を示すことが判る。
さらに、各ダイカスト品について、溶接性に関する評価を行った。溶接は図6に示すモデル図に従って行った。図6中、符号Bは全のど厚(溶接肉盛り部の最小厚さ)を示し、符号Bbはブローホール厚を示す。また、同図に示すように、上板には、本発明例1〜5及び比較例6〜12の各ダイカスト品を用い、その厚さT1は4mmとした。一方、下板には、A5052P-Oの製品を使用し、その厚さT2は3mmとした。このような条件の下、重ねすみ肉の板組みにて、接触面圧を3トン、電流を230A、及び電圧を23Vとし、A5356の溶加剤を用いてミグ溶接を実施し、溶接ビード中央部より25mm幅の短冊状試験片を切り出し、5トンのオートグラフによる常温引張試験を実施し、その際の溶接強度を測定した。その結果を表3に示す。なお、比較例10〜12については、AA規格365合金相当品である。以下に、各ダイカスト品について、ダイカスト含有ガスを2ccとした場合と、8ccとした場合の双方についての結果をそれぞれ示す。
Figure 2005281829
表3によれば、本発明例1〜5のダイカスト品を用いた場合には、比較例6〜12のダイカスト品を用いた場合に比して、概して、優れた結果を示す。これは、ダイカスト含有ガス量を2ccとした場合に限らず、8ccとした場合にも当てはまる。なお、ダイカスト含有ガス量を2ccとした場合には、8ccとした場合に比して、概して、優れた結果を示す。
さらに、重ねすみ肉溶接試験片と隣接していた溶接残材のビード部断面を、研磨紙によって水研磨し、その後ダイアモンド研磨を行って溶接ビードの断面を観察した。具体的には、異なるガス含有量(2cc、8cc)について、のど厚B(mm)、ブローホール厚Bb(mm)を図6に示す箇所で測定した。その結果を表3に併記する。
表3から明らかなように、本発明例1〜5のダイカスト品を用いた場合の溶接ビードでは、比較例6〜12のダイカスト品を用いた場合に比して、のど厚が大きく、またブローホール厚も小さいことから、優れた溶接性を示すことが判る。また、含有ガス量を2ccとした場合には、本発明例1〜5のダイカスト品を使用すれば、ブローホールが生じず、安定した溶接性が得られることが判る。
本発明のSi−Al合金は、高真空下でダイカストを行う場合に、溶接部の板厚の増大やダイカスト履行時のガス含有量の低減を行わずに、溶接性を向上させることができる。よって、本発明は、今後さらに優れた溶接性が必要とされる、各種部材として使用することが好適である。
Al−Si系合金からなる合金部材同士の溶接状況を示す側面図である。 Al−Si系合金の各Si含有量に関する溶接時の液相率と温度との関係を示すグラフである。 ASTM試験片用金型にて、Mg含有量を各一定値に固定し、Si含有量を変動させたAl−Si−Mg合金の溶湯をそれぞれ200tonダイカストマシーンで鋳造したのち、引張試験片に加工し、熱処理をせずに引張試験を実施した場合の機械的性質を示すグラフであり、(a)は抗張力、(b)は耐力、及び(c)は伸び率をそれぞれ示す。 ASTM試験片用金型にて、Si含有量を各一定値に固定し、Mg含有量を変動させたAl−Si−Mg合金の溶湯をそれぞれ200tonダイカストマシーンで鋳造したのち、引張試験片に加工し、熱処理をせずに引張試験を実施した場合の場合の機械的性質を示すグラフであり、(a)は抗張力、(b)は耐力、及び(c)は伸び率をそれぞれ示す。 各平板状ダイカスト品(本発明例1〜5及び比較例6〜12)の各々から切り出した引張試験片を示す平面図である。 実施例での溶接の要領、及びその後ののど厚及びブローホールの測定要領を示す側面図である。

Claims (3)

  1. Si:7.5〜9.0質量%、Mg:0.2〜0.4質量%、Mn:0.3〜0.5質量%、Cu:0.03〜0.2質量%、Fe:0.1〜0.25質量%、及びSr:0.005〜0.02質量%を含み、残部がAl及び不可避的不純物であることを特徴とするAl−Si系合金。
  2. Si:7.5〜8.5質量%、Mg:0.2〜0.3質量%、及びMn:0.3〜0.4質量%であることを特徴とする請求項1に記載のAl−Si系合金。
  3. 請求項1又は2に記載のAl−Si系合金からなる合金部材。
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