JP2005281594A - 熱硬化性接着剤および接着シート - Google Patents

熱硬化性接着剤および接着シート Download PDF

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達弘 諏訪
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Abstract

【課題】 150℃程度の低温でも流動性および反応性を有し、かつ高い接着強度と接着信頼性を有する熱硬化性接着剤および接着シートを提供すること。
【解決手段】 本発明に係る熱硬化性接着剤は、(A)1分子中にグリシジル基とラジカル反応性基とを有するアクリル樹脂、(B)前記ラジカル反応性基と反応可能な官能基を有する反応性希釈剤、(C)ラジカル重合開始剤、および(D)エポキシ樹脂用硬化剤を含有する。また、本発明に係る接着シートは、上記熱硬化性接着剤から形成される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、少なくとも2枚の基材を熱圧着する際に、この2枚の基材間に介装される熱硬化性接着剤および接着シートに関する。
従来、ガラスや金属などの無機材料とエポキシ樹脂やポリイミド樹脂などの有機材料とは、両材料の表面特性が異なるため、強固に接着することは困難であった。特許文献1には、側鎖に(メタ)アクリル酸等が由来の不飽和結合を有するアクリル樹脂、ラジカル重合性エポキシ樹脂オリゴマーを含有する接着剤用組成物が開示されている。この接着剤用組成物は、不飽和二重結合を有する樹脂とアクリロイル基などのラジカル重合性基を有するエポキシ樹脂オリゴマーとを併用することにより、無機材料と有機材料との接着を可能にした。しかしながら、この接着剤用組成物は、アクリル樹脂の不飽和結合を有する基とエポキシ樹脂オリゴマーのラジカル重合性基との架橋反応により硬化するため、低温での接着が可能であるが、十分に架橋するためには長時間の硬化処理が必要であり、短時間の硬化処理では接着強度が不十分であった。
特開2001−11411号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、150℃程度の低温でも流動性および反応性を有し、かつ高い接着強度と接着信頼性を有する熱硬化性接着剤および接着シートを提供することを課題としている。
本発明者は、上記問題点を解決すべく鋭意研究し、1分子中にグリシジル基とラジカル反応性基を有する樹脂と反応性希釈剤とを併用することによって、接着剤が低温で優れた流動性および反応性を示し、かつ高い接着強度および接着信頼性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る熱硬化性接着剤は、(A)1分子中にグリシジル基とラジカル反応性基とを有するアクリル樹脂、(B)前記ラジカル反応性基と反応可能な官能基を有する反応性希釈剤、(C)ラジカル重合開始剤、および(D)エポキシ樹脂用硬化剤を含有することを特徴としている。
前記ラジカル反応性基は(メタ)アクリロイル基であることが好ましく、前記アクリル樹脂(A)は、グリシジル(メタ)アクリレートの単独重合体または共重合体であることが好ましい。
前記反応性希釈剤(B)の分子量が150〜1000の範囲にあることが好ましい。
本発明に係る接着シートは、上記熱硬化性接着剤がシート状に賦形されていることを特徴としている。
本発明に係る熱硬化性接着剤は、150℃程度の低温でも優れた流動性および反応性を有し、かつ高い接着強度および接着信頼性で基材を接着することができる。また、本発明に係る接着シートは、前記熱硬化性接着剤から形成され、上記と同様に基材を接着することができる。
〔熱硬化性接着剤〕
本発明に係る熱硬化性接着剤は、グリシジル基含有ラジカル反応性アクリル樹脂(A)、反応性希釈剤(B)、ラジカル重合開始剤(C)、および(D)エポキシ樹脂用硬化剤を含有しする。このような熱硬化性接着剤は、上記成分を従来公知の方法により混合することにより製造できる。以下、各成分について詳細に説明する。
(A)グリシジル基含有ラジカル反応性アクリル樹脂
グリシジル基含有ラジカル反応性アクリル樹脂(A)(以下、「アクリル樹脂(A)」という)は、1分子中にグリシジル基とラジカル反応性基とを含有する。これらの基が1分子中に存在するアクリル樹脂(A)を用いることによって、熱硬化性接着剤は低温、短時間での熱硬化が可能となり、かつ優れた耐久性および耐湿耐熱性、高接着性を示す。
ラジカル反応性基としては、(メタ)アクリロイル基などの炭素−炭素間不飽和二重結合を有する基が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
このようなアクリル樹脂(A)は、グリシジル基を有するアクリル系樹脂と、グリシジル基と反応可能な官能基とラジカル反応性基とを有する化合物とを、アクリル系樹脂中にグリシジル基が残存するように、反応させることにより得ることができる。すなわち、グリシジル基と反応させる前記化合物は、グリシジル基1モルに対して、グリシジル基と反応可能な官能基換算で1モル未満、好ましくは0.01〜0.8モル、より好ましくは0.1〜0.5モルの量で反応させる。グリシジル基と反応させる前記化合物が上記範囲の量で反応するとアクリル系樹脂中にグリシジル基とラジカル反応性基とが混在し、接着性および硬化性が向上する。
グリシジル基含有アクリル系樹脂としては、グリシジル(メタ)アクリレート重合体;グリシジル(メタ)アクリレートと、これと共重合可能な反応性二重結合を有するモノマーとの共重合体が挙げられる。グリシジル(メタ)アクリレートと共重合可能なモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル、不飽和カルボン酸モノマー、スチレン系モノマーおよびビニル系モノマーが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、およびエトキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタアクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、α−メチルクロトン酸、α−エチルクロトン酸、イソクロトン酸、チグリン酸およびウンゲリカ酸などの付加重合性不飽和脂肪族モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸およびジヒドロムコン酸などの付加重合性不飽和脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。
スチレン系モノマーとしては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレンおよびオクチルスチレン等のアルキルスチレン;フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチ
レンおよびヨードスチレンなどのハロゲン化スチレン;ニトロスチレン、アセチルスチレンおよびメトキシスチレンなどが挙げられる。
ビニル系モノマーとしては、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、ジビニルベンゼン、酢酸ビニルおよびアクリロニトリル;ブタジエン、イソプレンおよびクロロプレン等の共役ジエンモノマー;塩化ビニルおよび臭化ビニル等のハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデンなどが挙げられる。
これらのモノマーは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
グリシジル基含有アクリル樹脂が共重合体の場合、原料モノマー合計100重量部に対してグリシジル(メタ)アクリレートを通常5〜80重量部、これ以外のモノマーを20〜95重量部の量で共重合させて製造される。
このようなグリシジル基含有アクリル樹脂は、通常の方法により製造することができる。たとえば上記モノマーを有機溶剤に溶解または分散させ、この溶液または分散液を窒素ガスなどの不活性ガスで置換された反応器中で反応させることにより製造することができる。ここで使用される有機溶媒としては、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチルおよび酢酸ブチル等のエステル類、n−プロピルアルコールおよびi−プロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン類を挙げることができる。上記反応において有機溶媒は原料モノマー合計100重量部に対して通常50〜300重量部の量で使用される。
上記反応は、重合開始剤の存在下で加熱することにより行われる。重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイドおよびクメンハイドロパーオキサイド等を挙げることができる。この重合開始剤は、原料モノマー合計100重量部に対して通常0.01〜10重量部の量で使用される。
上記のような有機溶剤中において、反応温度は通常50〜90℃、反応時間は通常2〜20時間、好ましくは4〜12時間である。このようにして製造されたグリシジル基含有アクリル樹脂は、反応溶剤から分離して使用することもできるが、生成した樹脂を有機溶剤に溶解または分散させた状態で使用することが好ましい。
このようにして得られたグリシジル基含有アクリル樹脂に、グリシジル基と反応可能な官能基とラジカル反応性基とを有する化合物を反応させて、グリシジル基とラジカル反応性基を有するアクリル樹脂を得る。グリシジル基と反応可能な官能基としては、カルボキシル基、アミノ基などが挙げられる。
グリシジル基含有アクリル樹脂と反応させる化合物としては、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
この反応は、上記グリシジル基含有アクリル樹脂の製造に引き続いて、有機溶剤中において、反応温度が通常40〜100℃、反応時間が通常1〜10時間、好ましくは1〜5時間の条件で行なうことが望ましい。
グリシジル基を有するラジカル反応性アクリル樹脂(A)のエポキシ当量は、通常170〜2800、好ましくは240〜1420である。また、分子量は、通常30万以下、好ましくは5万〜20万、より好ましくは8万〜15万である。ガラス転移温度は、通常0℃以上、好ましくは10〜50℃、より好ましくは20〜40℃ある。分子量およびガラス転移温度が上記範囲にあると、アクリル樹脂(A)は熱圧着時に優れた流動性を示し
、かつ基材の端部から接着剤がはみ出すことなく、基材を接着することができる。なお、分子量は、GPC法(カラム:HXL−H、G7000HXL、GMHXL−L、G2500HXL(以上、商品名、東ソー(株)製)、検出器:示差屈折計)により測定された標準ポリスチレン換算の分子量である。また、バインダー樹脂(A)のガラス転移温度は、下記式で表されるFox式により求められる。
W/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn
式中、Wiはモノマーiの質量分率(%)、Tgiはモノマーiのホモポリマーのガラス転移温度(K)、Wは全モノマーの質量分率の合計(=100%)、Tgはバインダー樹脂(A)のガラス転移温度(K)を表す。
分子量およびガラス転移温度は、上記重合条件、たとえば有機溶剤や重合開始剤の種類および使用量、反応温度、反応時間を適宜調整することにより、制御することができる。
(B)反応性希釈剤
反応性希釈剤(B)は、熱圧着によりアクリル樹脂(A)中のラジカル反応性基と反応可能な官能基を有する化合物であって、熱圧着処理までは溶剤の役割を果たす化合物である。このような反応性希釈剤(B)としては、単官能および多官能のいずれの希釈剤を用いることができる。また、単官能および多官能の希釈剤を混合して使用することもできる。
このような反応性希釈剤(B)は、分子量が150〜1000の範囲にあるものが好ましく用いられる。なお、分子量は、GPC法(カラム:HXL−H、G7000HXL、GMHXL−L、G2500HXL(以上、商品名、東ソー(株)製)、検出器:示差屈折計)により測定された標準ポリスチレン換算の分子量である。
単官能反応性希釈剤としては、2−メタクリロキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有(メタ)アクリレートとt−ブチルアルコールや乳酸メチル、フェニルグリコールなどの水酸基含有単官能化合物との反応生成物、2−ヒドロキシエチル(メタ)クリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレートとプロピルイソシアネートやブチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有単官能化合物との反応生成物、グリシジル(メタ)クリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリレートとn−プロピルアミンやn−ブチルアミンなどのアミノ基含有単官能化合物との反応生成物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリレートとグリシジルメチルエーテルなどのエポキシ基含有単官能化合物との反応生成物などが挙げられる。
また、ε−カプロラクトンが開環付加反応した水酸基含有(メタ)アクリレート、シラン基含有(メタ)アクリレートなども単官能反応性希釈剤として用いることができる。ε−カプロラクトンが開環付加反応した水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、プラクセルFシリーズ(商品名、ダイセル化学工業(株)製)などのヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン1〜10モル付加物が挙げられる。シラン基含有(メタ)アクリレートとしては、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
また、上記例示した単官能反応性希釈剤以外に、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールオリゴアクリレート、エチルカルビトールオリゴアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、テトラヒドロフ
ルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタアクリレート、および下記式
Figure 2005281594
で表されるオリゴマーも単官能反応性希釈剤として使用することができる。
多官能反応性希釈剤としては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等のトリ(メタ)アクリレート類;
ペンタエリスルトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート類などが挙げられる。
これらの反応性希釈剤(B)は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
反応性希釈剤(B)は、アクリル樹脂(A)の固形分100重量部に対して通常1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部の量で含有される。反応性希釈剤(B)を上記量で含有することにより、上述した作用を十分に発現させることができる。
(C)ラジカル重合開始剤
ラジカル重合開始剤(C)としては、有機過酸化物、無機過酸化物およびアゾ系熱重合開始剤などの熱重合開始剤;アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、チオキサンソン類、ホスフィン酸化物、ケタール類、キノン類などの光重合開始剤を挙げることができる。
有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オク
タノイルパーオキサイドおよび3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドを挙げることができる。また、無機過酸化物としては、過硫酸カリウムおよび過硫酸アンモニウムを挙げることができる。さらに、アゾ系熱重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル吉草酸ニトリル)および4,4−アゾビス−4−シアノバレリックアシッドを挙げることができる。これらの熱重合開始剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができ、また、熱圧着時の加熱温度に依存して適宜選定することにより、短時間硬化が可能になる。
アセトフェノン類としては、アセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、P−ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、α−ヒドロキシ−α、α’−ジメチルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1などを挙げることができる。
ベンゾイン類としては、ベンゾイン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルブチルエーテル等のベンゾインエーテル類などを挙げることができる。
ベンゾフェノン類としては、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p、p’−ジクロロベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトンなどを挙げることができる。
チオキサンソン類としては、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソンなどを挙げることができる。
ホスフィン酸化物としては、ビスアシルホスフィンオキサイド、ベンゾイルホスフィンオキサイドなどを挙げることができる。
ケタール類としては、ベンジルジメチルケタールなどを挙げることができる。
キノン類としては、カンファン−2,3−ジオン、フェナントレンキノンなどを挙げることができる。
これらの光重合開始剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ラジカル重合開始剤(C)は、アクリル樹脂(A)の固形分100重量部に対して通常0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の量で含有される。ラジカル重合開始剤(C)を上記量で含有することにより、接着剤が熱圧着時に適度な流動性を保ちながら反応するため、基材の端部から接着剤がはみ出すことなく、優れた接着力で基材を接着できる。ここで「適度な流動性」とは、熱圧着時において基材の接合面の隅々にまで接着剤成分が十分に広がるが、基材の端から接着剤がはみ出さない程度の流動性をいう。
(D)エポキシ樹脂用硬化剤
エポキシ樹脂用硬化剤(D)としては、ポリアミン、ポリカルボン酸、酸無水物などが挙げられる。ポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ビス−(ヘキサメチレン)トリアミン、ジシアンジアミド、ジアセトンアクリルアミド、ポリオキシプロピレンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3−
アミノ−1−シクロへキシルアミノプロパン、4,4’−ジアミノジシクロへキシルメタン、イソホロンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−ジメチルシクロへキシルアミノプロパンと4,4’−ジアミノジシクロへキシルアミノプロパンの混合物、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(メチレンジアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、2,4−トルイレンジアミン、2,6−トルイレンジアミン、2,3−トルイレンジアミン、3,4−トルイレンジアミン、メタキシリレンジアミン、キシリレンジアミンなどが挙げられる。
ポリカルボン酸としては、フタル酸、ヒドロキシイソフタル酸、コハク酸、セバシン酸、マレイン酸、ドデセニルコハク酸、クロレンデック酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルナジック酸などが挙げられる。
酸無水物としては、無水マレイン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水クロレンデック酸、無水セバシン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、シクロペンタン・テトラカルボン酸二水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラメチレン無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロキシフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、無水メチルナジック酸などが挙げられる。
エポキシ樹脂用硬化剤(D)は、アクリル樹脂(A)の固形分100重量部に対して通常0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の量で含有される。エポキシ樹脂用硬化剤(D)を上記量で含有することにより、接着剤が熱圧着時に適度な流動性を保ちながら反応するため、基材の端部から接着剤がはみ出すことなく、優れた接着力で基材を接着できる。
(E)充填剤
本発明に係る熱硬化性接着剤は、必要に応じて無機粒子および/または樹脂粒子を含有してもよい。無機粒子としては、シリカ、酸化チタン、二酸化珪素、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化アルミニウムおよび三酸化アンチモンを挙げることができる。樹脂粒子としては、シリコーン樹脂粒子を挙げることができる。これらの粒子は単独であるいは組み合わせて使用することができる。また、これらの粒子は平均粒子径が通常0.01
〜5μmである。
この充填剤(E)は、アクリル樹脂(A)100重量部に対して、通常1.0〜50.0重量部の量で使用される。充填剤(E)を上記の量で配合することにより、接着剤の流動性をさらに適度に調整することができ、接着の際に基材の端部からの接着剤のはみ出しを防止することができる。
〔接着シート〕
本発明に係る接着シートは、上記熱硬化性接着剤を支持フィルムに塗工して乾燥することにより製造される。通常、形成された接着シートの上にさらに支持フィルムを貼り合わせて保存される。このようにして形成された塗膜(接着シート)は、厚さが通常10〜100μm、好ましくは10〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。
上記2枚の支持フィルムはともに、接着シートを使用する際に、容易に剥離できるものであれば特に限定されないが、たとえば、ポリエステル製剥離フィルムが挙げられる。なお、この支持フィルムは接着シートを使用する際には剥離フィルムとなる。また、上記接着剤はナイフコーター、リバースロールコーターまたはグラビアコーター等を使用して支
持フィルムに塗工される。得られた塗膜は、通常100℃以下、好ましくは80℃以下の温度で乾燥させる。
〔接着シートの使用方法〕
上記方法により製造された接着シートは、剥離フィルム/接着シート/剥離フィルムからなり、まず、これを所望の大きさに裁断する。次いで、一方の剥離フィルムを剥がして基材表面に貼り付け、基材と接着シートとを仮接合する。
ラジカル重合開始剤(C)として熱重合開始剤を使用した場合には熱圧着により仮接合する。仮接合時の熱圧着温度は、通常20〜100℃、好ましくは40〜80℃であり、圧力は、通常0.1〜5MPa、好ましくは0.1〜3MPa、より好ましくは0.1〜1MPaであり、時間は、通常10秒未満である。その後、残りの剥離フィルムを剥がして別の基材表面に貼り付け、熱圧着して接合する。この接合時の熱圧着温度は、樹脂温度として通常180℃以下、好ましくは120〜140℃であり、圧力は、通常3MPa以下、好ましくは1MPa以下であり、時間は、通常20秒以下、好ましくは5〜10秒である。
このようにして、2枚の基材は、それらの間に接着シートを介装して強固に接合される。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。なお、本実施例において、「部」および「%」は特に断りのない限り「重量部」および「重量%」を示す。
〔合成例1〕
(グリシジル基含有ラジカル反応性アクリル樹脂の合成)
窒素置換可能な四つ口フラスコに、メチルアクリレート50部、イソブチルメタクリレート30部、グリシジルメタクリレート20部およびトルエン70部を仕込み、窒素雰囲気下で80℃まで昇温した。この混合液に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1部をトルエン5部に溶解した溶液を5分間かけて滴下した。この滴下開始時を反応開始時とし、反応開始から300分の時点で反応を終了させた。このようにして得た反応溶液に、ジメチルアミノエチルメタクリレート2部を添加した後、85℃で120分間加熱し、グリシジル基含有ラジカル反応性アクリル樹脂(A1)のトルエン溶液を得た。
このグリシジル基含有アクリル樹脂(A1)は、GPC法(カラム:HXL−H、G7000HXL、GMHXL−L、G2500HXL(以上、商品名、東ソー(株)製)、検出器:示差屈折計)により測定された重量平均分子量が標準ポリスチレン換算で90,000、Tgは29℃であった。
(グリシジル基含有アクリル樹脂の反応性評価)
上記グリシジル基含有アクリル樹脂(A1)のトルエン溶液の樹脂固形分100部に対して、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル吉草酸ニトリル)(和光純薬工業(株)製、商品名:V−65)0.2部をラジカル重合開始剤として混合した。この混合物をポリエステル製剥離フィルムMRX38(商品名、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)上に塗布して乾燥し、膜厚15μmのアクリル樹脂塗膜を形成した。その後、この塗膜の表面にポリエステル製剥離フィルムMRF25(商品名、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)を貼り付け、MRF25/アクリル樹脂膜/MRX38の3層からなる試験片を得た。この試験片を温度130℃、圧力0.2MPaで5秒間加熱し、アクリル樹脂(A1)を硬化させた。
硬化後の試験片から2枚の剥離フィルムを剥がしてアクリル樹脂硬化物0.1gをサンプル瓶に採取し、酢酸エチル30cm3を加えて24時間振とうした。次いで、このサン
プル瓶の内容物を目開き74μmのステンレス製金網でろ過し、金網上の残留物を100℃で2時間乾燥して乾燥重量を測定した。次式によりアクリル樹脂(A1)のゲル分率を求めたところ、80%であった。
ゲル分率(%)=(乾燥重量/硬化物採取重量)×100
〔合成例2〕
(グリシジル基含有ラジカル反応性アクリル樹脂の合成と反応性評価)
トルエン70部の代わりにトルエン55部と酢酸エチル15部を用いた以外は合成例1と同様にしてグリシジル基含有ラジカル反応性アクリル樹脂(A2)のトルエン溶液を得た。このグリシジル基含有アクリル樹脂(A2)のGPC法により測定された重量平均分子量は標準ポリスチレン換算で230,000、Tgは29℃であった。また、合成例1と同様にしてゲル分率を求めたところ、85%であった。
〔合成例3〕
(グリシジル基含有ラジカル反応性アクリル樹脂の合成と反応性評価)
イソブチルメタクリレート30部とグリシジルメタクリレート20部の代わりに、グリシジルメタクリレート50部を用いた以外は合成例1と同様にしてグリシジル基含有ラジカル反応性アクリル樹脂(A3)のトルエン溶液を得た。このグリシジル基含有アクリル樹脂(A3)のGPC法により測定された重量平均分子量は標準ポリスチレン換算で100,000、Tgは27℃であった。また、合成例1と同様にしてゲル分率を求めたところ、81%であった。
〔合成例4〕
(グリシジル基含有ラジカル反応性アクリル樹脂の合成と反応性評価)
イソブチルメタクリレートを30部から43部に変更し、グリシジルメタクリレートを20部から7部に変更した以外は合成例1と同様にしてグリシジル基含有ラジカル反応性アクリル樹脂(A4)のトルエン溶液を得た。このグリシジル基含有アクリル樹脂(A4)のGPC法により測定された重量平均分子量は標準ポリスチレン換算で90,000、Tgは30℃であった。また、合成例1と同様にしてゲル分率を求めたところ、80%であった。
〔合成例5〕
(アクリル樹脂の合成)
窒素置換可能な四つ口フラスコに、メチルアクリレート80部、イソブチルメタクリレート20部、トルエン35部、および酢酸エチル35部を仕込み、窒素雰囲気下で80℃まで昇温した。この混合液に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5部をトルエン5部に溶解した溶液を5分間かけて滴下した。この滴下開始時を反応開始時とし、反応開始から300分の時点で反応を終了させ、アクリル樹脂(a1)のトルエン溶液を得た。
このアクリル樹脂(a1)のGPC法により測定された重量平均分子量は標準ポリスチレン換算で300,000、Tgは18℃であった。
〔調製例1〕
(1)単官能反応性希釈剤の合成
窒素置換可能な四つ口フラスコに、t−ブチルアルコール32.5部と2−メタクリロキシエチルイソシアネート67.5部とトルエン100部とを仕込み、窒素雰囲気下で80℃まで昇温し、12時間反応させて単官能反応性希釈剤(B1)のトルエン溶液を得た
。この単官能反応性希釈剤(B1)はGPC法(カラム:HXL−H、G7000HXL、GMHXL−L、G2500HXL(以上、商品名、東ソー(株)製)、検出器:示差屈折計)により測定された重量平均分子量が標準ポリスチレン換算で230であった。
〔調製例2〕
t−ブチルアルコールの代わりにフェニルグリコール45.5部を用い、2−メタクリロキシエチルイソシアネートを67.5部から55.5部に変更した以外は調製例1と同様にして単官能反応性希釈剤(B2)のトルエン溶液を得た。この単官能反応性希釈剤(B2)のGPC法により測定された重量平均分子量は標準ポリスチレン換算で293であった。
グリシジル基含有アクリル樹脂(A1)のトルエン溶液の樹脂固形分100部に対して、単官能反応性希釈剤(B1)を固形分で20部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル吉草酸ニトリル)(和光純薬工業(株)製、商品名:V−65)を0.2部、エポキシ樹脂用硬化剤(変性脂肪族アミン、住友化学工業(株)製、商品名:スミキュアAF)を3部、およびシリコーン樹脂粒子(トスパール120、粒子径2.0μm、東芝シリコーン(株)製)を40部混合し、熱硬化性接着剤を調製した。この接着剤をポリエステル製剥離フィルムMRX38(商品名、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)上に塗布して乾燥し、膜厚15μmの接着シート(1)を形成した。その後、接着シート(1)の表面にポリエステル製剥離フィルムMRF25(商品名、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)を貼り付け、MRF25/接着シート(1)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを1.5mm×30mmに裁断した後、MRF25フィルムを剥離して、厚さ25μmのポリイミドフィルムに貼り付け、温度80℃、圧力0.1MPaで2秒間加熱して接着シート(1)とポリイミドフィルムとを仮接合した。次いで、MRX38フィルムを剥離して、接着シート(1)とITO蒸着ガラスの蒸着面とを貼り合わせ、温度130℃、圧力0.2MPaで5秒間加熱し、ポリイミドフィルム/接着シート(1)/ITO蒸着ガラスからなる試験片(以下、「試験片(1)」という)を得た。
試験片(1)からポリイミドフィルムを剥離し、接着シート(1)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度を長手方向の90度剥離試験(引張速度:50mm/分)により測定したところ、1200N/mであった。また、試験片(1)を80℃、90%RHの雰囲気下で500時間保管した後、上記と同様にして接着強度を測定したところ、1800N/mであった。
エポキシ樹脂用硬化剤としてスミキュアAFの代わりにMIBPA(商品名、広栄化学工業(株)製、メチルイミノビスプロピルアミン)3部を用いた以外は実施例1と同様にしてMRF25/接着シート(2)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム/接着シート(2)/ITO蒸着ガラスからなる試験片(2)を作製した。ポリイミドフィルム剥離により測定した接着シート(2)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度(引張速度:50mm/分)は1150N/mであった。また、試験片(2)を80℃、90%RHの雰囲気下で500時間保管した後、上記と同様にして接着強度を測定したところ、1500N/mであった。
エポキシ樹脂用硬化剤としてスミキュアAFの代わりにスミキュアM(商品名、住友化学工業(株)製、芳香族アミン)3部を用いた以外は実施例1と同様にしてMRF25/接着シート(3)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム/接着シート(3)/ITO蒸着ガラスからなる試験片(3)を作製した。ポリイミドフィルム剥離により測定した接着シート(3)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度(引張速度:50mm/分)は1300N/mであった。また、試験片(2)を80℃、90%RHの雰囲気下で500時間保管した後、上記と同様にして接着強度を測定したところ、1950N/mであった。
エポキシ樹脂用硬化剤としてスミキュアAFの代わりにノバキュアHX−3088(商品名、旭化成(株)製、アミン−エポキシアダクト系)3部を用いた以外は実施例1と同様にしてMRF25/接着シート(4)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム/接着シート(4)/ITO蒸着ガラスからなる試験片(4)を作製した。ポリイミドフィルム剥離により測定した接着シート(4)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度(引張速度:50mm/分)は1400N/mであった。また、試験片(4)を80℃、90%RHの雰囲気下で500時間保管した後、上記と同様にして接着強度を測定したところ、2100N/mであった。
グリシジル基含有アクリル樹脂(A1)のトルエン溶液の代わりにグリシジル基含有アクリル樹脂(A2)のトルエン溶液を樹脂固形分で100部用いた以外は実施例1と同様にしてMRF25/接着シート(5)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム/接着シート(5)/ITO蒸着ガラスからなる試験片(5)を作製した。ポリイミドフィルム剥離により測定した接着シート(5)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度(引張速度:50mm/分)は1400N/mであった。また、試験片(5)を80℃、90%RHの雰囲気下で500時間保管した後、上記と同様にして接着強度を測定したところ、1500N/mであった。
グリシジル基含有アクリル樹脂(A1)のトルエン溶液の代わりにグリシジル基含有アクリル樹脂(A3)のトルエン溶液を樹脂固形分で100部用いた以外は実施例1と同様にしてMRF25/接着シート(6)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム/接着シート(6)/ITO蒸着ガラスからなる試験片(6)を作製した。ポリイミドフィルム剥離により測定した接着シート(6)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度(引張速度:50mm/分)は1000N/mであった。また、試験片(6)を80℃、90%RHの雰囲気下で500時間保管した後、上記と同様にして接着強度を測定したところ、1800N/mであった。
グリシジル基含有アクリル樹脂(A1)のトルエン溶液の代わりにグリシジル基含有アクリル樹脂(A4)のトルエン溶液を樹脂固形分で100部用いた以外は実施例1と同様
にしてMRF25/接着シート(7)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム/接着シート(7)/ITO蒸着ガラスからなる試験片(7)を作製した。ポリイミドフィルム剥離により測定した接着シート(7)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度(引張速度:50mm/分)は1100N/mであった。また、試験片(7)を80℃、90%RHの雰囲気下で500時間保管した後、上記と同様にして接着強度を測定したところ、1500N/mであった。
単官能反応性希釈剤(B1)の代わりに単官能反応性希釈剤(B2)を固形分で20部用いた以外は実施例1と同様にしてMRF25/接着シート(8)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム/接着シート(8)/ITO蒸着ガラスからなる試験片(8)を作製した。ポリイミドフィルム剥離により測定した接着シート(8)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度(引張速度:50mm/分)は1050N/mであった。また、試験片(8)を80℃、90%RHの雰囲気下で500時間保管した後、上記と同様にして接着強度を測定したところ、1400N/mであった。
単官能反応性希釈剤(B1)の代わりにプラクセルFA5(商品名、ダイセル化学工業(株)製、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン5モル付加物、分子量686)を固形分で20部用いた以外は実施例1と同様にしてMRF25/接着シート(9)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム/接着シート(9)/ITO蒸着ガラスからなる試験片(9)を作製した。ポリイミドフィルム剥離により測定した接着シート(9)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度(引張速度:50mm/分)は950N/mであった。また、試験片(9)を80℃、90%RHの雰囲気下で500時間保管した後、上記と同様にして接着強度を測定したところ、1300N/mであった。
〔比較例1〕
アクリル樹脂(a1)のトルエン溶液の樹脂固形分100部に対して、多官能反応性オリゴマーTMP−A(商品名、共栄社化学(株)製、3官能アクリレート)を20部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル吉草酸ニトリル)(和光純薬工業(株)製、商品名:V−65)を0.2部、およびシリコーン樹脂粒子(トスパール120、粒子径2.0μm、東芝シリコーン(株)製)を40部混合し、熱硬化性接着剤を調製した。この接着剤を使用した以外は、実施例1と同様にしてMRF25/接着シート(a)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム/接着シート(a)/ITO蒸着ガラスからなる試験片(a)を作製した。ポリイミドフィルム剥離により測定した接着シート(a)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度(引張速度:50mm/分)は200N/mであった。また、試験片(a)を80℃、90%RHの雰囲気下で500時間保管した後、上記と同様にして接着強度を測定したところ、150N/mであった。
〔比較例2〕
グリシジル基含有アクリル樹脂(A1)のトルエン溶液の樹脂固形分100部に対して、単官能反応性希釈剤(B1)を固形分で20部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル吉草酸ニトリル)(和光純薬工業(株)製、商品名:V−65)を0.2部、およびシリコーン樹脂粒子(トスパール120、粒子径2.0μm、東芝シリコーン(株)製)を40部混合し、熱硬化性接着剤を調製した。この接着剤を使用した以外は、実施例1と同様にしてMRF25/接着シート(b)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム/接着シート(b)/ITO蒸着ガラスからなる試験片(b)を作製した。ポリイミドフィルム剥離により測定した接着シート(b)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度(引張速度:50mm/分)は800N/mであった。また、試験片(a)を80℃、90%RHの雰囲気下で500時間保管した後、上記と同様にして接着強度を測定したところ、810N/mであった。
〔比較例3〕
グリシジル基含有アクリル樹脂(A1)のトルエン溶液の樹脂固形分100部に対して、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル吉草酸ニトリル)(和光純薬工業(株)製、商品名:V−65)を0.2部、エポキシ樹脂用硬化剤(変性脂肪族アミン、住友化学工業(株)製、商品名:スミキュアAF)を3部、およびシリコーン樹脂粒子(トスパール120、粒子径2.0μm、東芝シリコーン(株)製)を40部混合し、熱硬化性接着剤を調製した。この接着剤を使用した以外は、実施例1と同様にしてMRF25/接着シート(c)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム/接着シート(c)/ITO蒸着ガラスからなる試験片(c)を作製した。ポリイミドフィルム剥離により測定した接着シート(c)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度(引張速度:50mm/分)は500N/mであった。また、試験片(c)を80℃、90%RHの雰囲気下で500時間保管した後、上記と同様にして接着強度を測定したところ、600N/mであった。
〔比較例4〕
グリシジル基含有アクリル樹脂(A1)のトルエン溶液の代わりにアクリル樹脂(a1)のトルエン溶液を樹脂固形分で100部用い、反応性希釈剤として単官能反応性希釈剤(B1)を固形分で20部と多官能反応性オリゴマーTMP−Aを20部とを用いた以外は実施例1と同様にしてMRF25/接着シート(d)/MRX38からなるシートを得た。
このシートを用いて実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム/接着シート(d)/ITO蒸着ガラスからなる試験片(d)を作製した。ポリイミドフィルム剥離により測定した接着シート(d)とITO蒸着ガラスの蒸着面との接着強度(引張速度:50mm/分)は200N/mであった。また、試験片(d)を80℃、90%RHの雰囲気下で500時間保管した後、上記と同様にして接着強度を測定したところ、50N/mであった。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2005281594
本発明によると、低温かつ短時間で2枚の基材を高い接着力で接着でき、得られた積層体の接着信頼性も高い。本発明に係る接着シートは、材質の異なる基材の接着、たとえば
、プリント配線板とチップ部品の固定、DVD等の光ディスク板の貼り合わせ、ICカードのフィルム積層、スピーカー等の音響部材の接着、磁気ヘッドや光ヘッド等の光学部剤と筐体との接着などに使用することができる。

Claims (5)

  1. (A)1分子中にグリシジル基とラジカル反応性基とを有するアクリル樹脂、(B)前記ラジカル反応性基と反応可能な官能基を有する反応性希釈剤、(C)ラジカル重合開始剤、および(D)エポキシ樹脂用硬化剤を含有する熱硬化性接着剤。
  2. 前記ラジカル反応性基が(メタ)アクリロイル基であることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性接着剤。
  3. 前記アクリル樹脂(A)が、グリシジル(メタ)アクリレートの単独重合体または共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性接着剤。
  4. 前記反応性希釈剤(B)の分子量が150〜1000の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性接着剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の熱硬化性接着剤がシート状に賦形されていることを特徴とする接着シート。
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