JP2005281546A - フィルター用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フィルター製造時に、フェノール類やアルデヒド類の飛散量が少なく、且つ硬化する速度が速く硬化工程にかかる時間を短縮化できるフィルター用樹脂組成物に関する。
【解決手段】 未反応フェノールモノマーの含有率が樹脂固形分を基準として1重量%未満であるレゾール型フェノール樹脂、好ましくは、未反応フェノールモノマーの含有率が樹脂固形分を基準として0.005〜0.05重量%であるレゾール型フェノール樹脂とメラミン樹脂と硬化促進剤とを含有することを特徴とするフィルター用樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フィルター製造時に、フェノール類やアルデヒド類の飛散量が少なく、且つ硬化する速度が速くC化工程(硬化工程)にかかる時間を短縮化できるフィルター用樹脂組成物に関する。
従来、レゾール型フェノール樹脂溶液を濾紙等のフィルター用紙に含浸し、硬化させたフィルターは、工作機械等の産業用機械や自動車用に幅広く利用されている。具体的には、エアーフィルター、エンジンオイルフィルター、燃料フィルター、オイルフィルター等に使用されている。これらのフィルターは、例えば、濾紙等の繊維状物質からなる繊維状基材(例えば、フィルター用紙)にレゾール型フェノール樹脂溶液を含浸させる工程、前記レゾール型フェノール樹脂溶液に含まれる溶剤を揮発させてB化(乾燥状態化)してB化含浸紙を製造し、更にこのB化含浸紙にコルゲート付けをして巻き取る工程、前記コルゲート付けをして巻き取ったB化含浸紙を襞状に折るプリーツ加工を行う工程、前記プリーツ加工を行ったB化含浸紙をC化(硬化)してC化含浸紙を製造する工程、前記C化含浸紙にエンドプレートを装着する工程等からなる製造方法により得られる。このようにして得られたフィルターは、耐熱性、耐油性、耐水性に優れ、破裂強度も大きく、強靱であり、通気性、濾過効率が良いという特徴を有する。
前記レゾール型フェノール樹脂溶液は、例えば、フェノール系単量体(フェノールモノマー)とホルムアルデヒド類とを反応させて得られる。このレゾール型フェノール樹脂溶液には通常未反応のフェノールモノマーが例えば、8〜20重量%程度残存しており前記B化工程やC化工程においてこの未反応のフェノールモノマーやメチロールフェノール、フェノール樹脂2核体成分等が飛散し作業環境を悪化させるという問題がある。また、前記レゾール型フェノール樹脂溶液には通常メタノール等の溶剤が含有されており、この溶剤は前記B化工程で揮発させる際に通常回収される。そのため、B化工程を行う場所には溶剤回収装置を設置するが、溶剤と共にフェノールモノマーやモノメチロールフェノールなどが飛散し、回収装置内に溜まり、頻繁なメンテナンスが必要となっているという問題もある。前記未反応のフェノールモノマーは例えば、前記レゾール型フェノール樹脂溶液を180〜230℃にすることで除去できるが、そうすると、レゾール型フェノール樹脂が硬化してしまうので、レゾール型フェノール樹脂溶液が使い物にならなくなってしまう。
前記したようなレゾール型フェノール樹脂溶液中の未反応のフェノールモノマー、メチロールフェノール、フェノール樹脂2核体成分等が飛散せず作業環境を悪化させにくいフィルター用樹脂組成物として、例えば、残留フェノール量が1重量%未満であるレゾール型フェノール樹脂を含有するフィルター用樹脂組成物であって、レゾール型フェノール樹脂が、アルデヒド類とフェノール類とを〔アルデヒド類〕/〔フェノール類〕=0.3〜0.6〔モル比〕となる割合で反応させて得られたノボラック型フェノール樹脂(A)とアルデヒド類(B)とを反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂であるフィルター用樹脂組成物がある(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、前記フィルター用樹脂組成物は150〜180℃で加熱するC化工程にかかる時間が15分程度かかるため、C化工程で完全に硬化させるにあたり未反応のフェノールモノマー、メチロールフェノール及びフェノール樹脂2核体成分等の飛散量が多く、作業環境を汚染する。
特開2004−59841号公報
本発明の課題は、作業環境を汚染しにくいフィルター用樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、未反応のフェノールモノマーの含有率が樹脂固形分を基準として1重量%未満であるレゾール型フェノール樹脂とメラミン樹脂を含有する樹脂組成物は硬化速度が速くC化工程の時間を短縮化できること、このC化工程が短縮化できたことにより未反応のフェノールモノマー、メチロールフェノール及びフェノール樹脂2核体成分等の飛散量を少なくすることができ、作業環境を汚染しにくいこと等を見出し本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、未反応フェノールモノマーの含有率が樹脂固形分を基準として1重量%未満であるレゾール型フェノール樹脂とメラミン樹脂と硬化促進剤とを含有することを特徴とするフィルター用樹脂組成物を提供するものである。
本発明によれば、フィルター製造時に未反応フェノールモノマー、メチロールフェノール、フェノール樹脂2核体成分等の飛散が少なく製造環境の汚染が少ないフィルター用樹脂組成物を提供することができる。また、本発明のフィルター用樹脂組成物は硬化工程(C化工程)の時間が短く、作業効率化に大きく寄与する。
本発明で用いるレゾール型フェノール樹脂は、未反応フェノールモノマーの含有率が樹脂固形分を基準として1重量%未満である必要がある。未反応フェノールモノマーの含有率が樹脂固形分を基準として1重量%以上であるとフィルター製造時に未反応フェノールモノマーの飛散量が大きくなり作業環境を汚染するので好ましくない。前記レゾール型フェノール樹脂中の未反応フェノールモノマーの含有率小さいほど好ましく、樹脂固形分を基準として0重量%であることが最も好ましいが、現実的なことから0.1重量%未満が好ましく、0.005〜0.1重量%がより好ましく、0.005〜0.05重量%が得に好ましい。
本発明で用いるレゾール型フェノール樹脂は製造方法には特に制限はない。例えば、ノボラック型フェノール樹脂とアルデヒド類とを反応させる方法等の製造方法により好ましく得ることができる。
前記ノボラック型フェノール樹脂は、例えば、攪拌機、温度計、コンデンサー及び減圧蒸留装置を有する反応装置にフェノール類、アルデヒド類及び触媒とを仕込み、80〜120℃で1〜5時間反応させる等の製造方法により得られる。反応後は減圧下で、加熱することにより未反応のフェノールモノマーが除去できるので好ましい。減圧するときの減圧度は−0.0800〜−0.100MPaが好ましい。加熱するときの温度は180〜230℃が好ましい。
前記ノボラック型フェノール樹脂中の未反応フェノールモノマーの含有率は、未反応フェノールモノマーの含有率が樹脂固形分を基準として1重量%未満のレゾール型フェノール樹脂を製造しやすいので、ノボラック型フェノール樹脂固形分を基準として1重量%未満が好ましく、0重量%であるのが最も好ましいが、実質的には0.1〜1重量%がより好ましく、0.1〜0.5重量%が更に好ましい。
前記ノボラック型フェノール樹脂を製造するのに用いるフェノール類としては、例えば、フェノール;クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール等のアルキルフェノール類;レゾルシン、カテコールなどの多価フェノール類;ハロゲン化フェノール、フェニルフェノール、アミノフェノール等が挙げられる。フェノール類は単独で使用しても良いし2種以上の併用も可能である。フェノール類としては、水溶性のレゾール型フェノール樹脂が得られることからレゾルシン、フェノールが好ましく、安価なレゾール型フェノール樹脂が得られることからフェノールが好ましい。
前記ノボラック型フェノール樹脂を製造するのに用いるアルデヒド類としては例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒド;アセトアルデヒド等が挙げられる。
前記ノボラック型フェノール樹脂を製造するのに用いる触媒としては、例えば、蓚酸、塩酸、燐酸、硫酸等の鉱酸類;パラトルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸、蟻酸、マレイン酸などの有機酸類;ハイオルソノボラック型フェノール樹脂の触媒である酢酸亜鉛、オクチル酸亜鉛等が挙げられる。
フェノール類とホルムアルデヒド類の反応割合(〔ホルムアルデヒド〕/〔フェノール類〕)としては、得られるノボラック型フェノール樹脂の収率が良く経済的に好ましいことからモル比で0.3以上が好ましく、また、ノボラック型フェノール樹脂を用いて得られるレゾール型フェノール樹脂組成物が高粘度とならず、フィルター用樹脂組成物が繊維状基材に含浸しやすいのでモル比で0.8以下が好ましい。以上の知見からフェノール類とホルムアルデヒド類の反応割合(〔ホルムアルデヒド〕/〔フェノール類〕)はモル比で0.3〜0.8が好ましい。このようにして得られるノボラック型フェノール樹脂は、未反応のフェノール類を除くとホルムアルデヒドとフェノール類の結合モル比(〔ホルムアルデヒド〕/〔フェノール類〕)としては0.6〜0.9となる。
また、前記ノボラック型フェノール樹脂として、ノボラック型フェノール樹脂の合成過程でフェノールと例えばエポキシ樹脂、トリアジン類等を任意の割合で反応させたいわゆる変性ノボラック型フェノール樹脂も用いることが出来る。これらで変性されたノボラック型フェノール樹脂をレゾール型フェノール樹脂製造の際の原料として用いると、本発明の手法で製造されたレゾール型フェノール樹脂に耐水性や、耐熱性を付与することも可能である。
前記したノボラック型フェノール樹脂とアルデヒド類とを反応させて本発明で用いるレゾール型フェノール樹脂を製造する。前記レゾール型フェノール樹脂は、例えば、前記したノボラック型フェノール樹脂とアルデヒド類とアルカリ性触媒とを混合し、50〜80℃で、1〜5時間攪拌を行う等の製造方法によりえることができる。ここで用いるアルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒド;アセトアルデヒド等が用いることができる。アルカリ性触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。
本発明で用いるレゾール型フェノール樹脂を製造する際の、前記ノボラック型フェノール樹脂中のフェノール類と、ノボラック型フェノール樹脂中のアルデヒド類とレゾール化反応時に反応させるアルデヒド類の和との比率(〔アルデヒド類〕/〔フェノール類〕)はC−13NMRで測定される樹脂の結合のモル比としては、未反応のノボラック型フェノール樹脂成分が残留せずに、硬化性など物性が好ましくなる点から1以上が好ましく、また、未反応ホルムアルデヒドが残留せずに、環境対策上好ましい点から4.0以下が好ましい。以上の知見からレゾール型フェノール樹脂を製造する際にはノボラック型フェノール樹脂中のアルデヒド類とレゾール化反応時に反応させるアルデヒド類とを、結合のモル比(〔アルデヒド類〕/〔フェノール類〕)が1.0〜4.0となるように反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂が好ましく、1.0〜3.0となるように反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂がより好ましく、1.0〜2.5となるように反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂が更に好ましく、1.0〜1.5となるように反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂が最も好ましい。
また、本発明で用いるレゾール型フェノール樹脂は、前記ノボラック型フェノール樹脂とアルデヒド類とを反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂に限らず、フェノール類(A)とアルデヒド類(B)とを、結合のモル比〔(B)/(A)〕が1.0〜4.0となるように反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂が好ましく、1.0〜3.0となるように反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂がより好ましく、1.0〜2.5となるように反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂が更に好ましく、1.0〜1.5となるように反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂が最も好ましい。
アルカリ性触媒の使用量は、反応が円滑に進む点から、原料として用いるノボラック型フェノール樹脂、或いはノボラック型フェノール樹脂のフェノールの合計モル数に対し触媒0.01倍モル以上が好ましく、また、反応の制御が容易で、触媒による製品の貯蔵安定性の悪化が無い点、或いは、得られた樹脂が脆くならない点から1.0倍モル以下が好ましい。
本発明で用いるレゾール型フェノール樹脂の形態としては次のものが使用可能である。1.レゾール型フェノール樹脂水溶液:例えば、前記の製造方法等により得られるもの等が挙げられる。
2.レゾール型フェノール樹脂溶液:例えば、前記の製造方法等により得られたレゾール型フェノール樹脂から、水を除いた後、メタノール等のアルコール類、メチルエチルケトン等のケトン類エーテル等の溶剤で溶解したレゾール型フェノール樹脂溶液等が挙げられる。
3.水分散型樹脂:例えば、前記の製造方法等により得られたノボラック型フェノール樹脂とアルデヒド類とを、触媒存在下で反応させる際に、例えば、ポリビニルアルコールの様なフェノール樹脂の分散に適した分散剤を用いて製造した水分散型レゾール型フェノール樹脂等が挙げられる。
本発明で用いるメラミン樹脂としては、例えば、メラミン系化合物とアルデヒド類とをアルカリ性触媒の存在下で付加反応させ、次いで酸とアルコールとを添加して弱酸性或いは酸性化して、エーテル化反応を進めて高分子化を行うと共に、生成したメチロール基等のアルコキシ基の一部又は全部を前記アルコールでエーテル化して得られるメラミン樹脂等が挙げられる。また、本発明で用いるメラミン樹脂としては、メタノール、メチルエチルケトン等の溶剤に溶解するものを好ましく使用できるが、中でも、メタノールに溶解するメラミン樹脂をより好ましく用いることができる。メラミン樹脂としては、前記メラミン樹脂がメラミン系化合物(C)とホルムアルデヒド類(D)とを結合のモル比〔(D)/(C)〕が2.0〜5.0となるように反応させて得られるメラミン樹脂が前記レゾール型フェノール樹脂との反応性に優れ、得られるレゾール型フェノール樹脂のメタノールへの溶解性が優れることから好ましい。
前記メラミン系化合物としては、例えば、下記一般式(1)にて示される化合物や、前記一般式(1)にて示される化合物を尿素、ジシアンジアミド、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン等の化合物で変性した化合物等が挙げられる。
Figure 2005281546
(式中、RからRは同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子、CHOH、CHOCH、CHOC、CHOC、CHOCを表す。)
前記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒド;アセトアルデヒド等が挙げられる。アルデヒド類は前記レゾール型フェノール樹脂を製造する際に用いるものと同一のものを使用しても良いし、異なっていても良い。
前記アルカリ性触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。アルカリ性触媒は前記レゾール型フェノール樹脂を製造する際に用いるものと同一のものを使用しても良いし、異なっていても良い。
前記酸としては、例えば、前記ノボラック型フェノール樹脂を得るのに用いた酸、例えば、蓚酸、塩酸、燐酸、硫酸等の鉱酸類;パラトルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸、蟻酸、マレイン酸などの有機酸類;酢酸亜鉛、オクチル酸亜鉛等が挙げられる。酸はノボラック型フェノール樹脂を得るのに用いた酸と同じものを使用しても良いし、異なるものを使用しても良い。酸は、前記アルカリ性触媒との中和塩がメタノールに可溶な塩となるように選択して使用することが好ましい。また、得られるメラミン樹脂の、残留する塩による吸湿を少なくするためアルカリ性触媒や酸の使用量は極力少なくすることが好ましい。
前記アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の脂肪族アルコール等が挙げられる。なかでも乾燥温度が低く、安価な点でメタノールが好ましい。
本発明で用いるメラミン樹脂は必要に応じて溶剤で希釈し粘度を調整しても良い。溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の脂肪族アルコール等のアルコール類、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられる。
本発明のフィルター用樹脂組成物をフィルター製造に好ましいように樹脂固形分換算で10〜30重量%の濃度にメタノール等の溶剤で希釈したときに不溶解物が発生しにくいこと、C化工程においても硬化速度が速く、また、得られるB化紙の剛性が高く、へたりが生じず折り加工がしやすいことから、本発明で用いるレゾール型フェノール樹脂とメラミン樹脂との配合比率(レゾール型フェノール樹脂/メラミン樹脂)は、樹脂固形分重量比で95/5〜30/70の範囲が好ましく、中でも90/10〜60/40がより好ましい。
本発明で用いる硬化促進剤としては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸、酢酸、蟻酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、マレイン酸、燐酸エステル化合物などの無機の酸性化合物や有機の酸性化合物、塩酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、塩酸アミン塩類、硫酸アミン塩類などのいわゆる潜在性触媒と称される酸;アミン化合物の塩等が挙げられる。中でも燐酸、燐酸エステル化合物が本発明のフィルター用樹脂組成物を希釈する際に好ましく用いるメタノールに対する溶解性が高く、小量で効果促進効果が大きく、かつ腐食性も少なくい為好ましい。
硬化促進剤の添加量は、その種類により大幅に異なり、特に限定されるものではないが、例えば、レゾール型フェノール樹脂とメラミン樹脂の合計重量(固形分)の濃度が10重量%になるようにメタノールで希釈して本発明のフィルター用樹脂組成物を製造する場合において、硬化促進剤として前記酸性化合物を用いる場合、フィルター用樹脂組成物のpHが7以下になるように添加するのが硬化速度が速いフィルター用樹脂組成物が得られるので好ましく、pH1〜5になるように添加するのがより好ましい。
本発明のフィルター用樹脂組成物を用いてフィルターを製造する際に用いるフィルター用紙としては、各種のフィルター用紙が何れも用いられる。例えば、リンターパルプのファイバーを主体として必要に応じてレイヨン、ポリエステル等の化学繊維を加え、抄紙して通気度、坪量、厚み等を調整したフィルター用紙等が挙げられる。
前記フィルター用紙に本発明のフィルター用樹脂組成物を含浸させる。このときのフィルター用樹脂組成物中の樹脂濃度(レゾール型フェノール樹脂とメラミン樹脂組成物との合計濃度)は固形分換算で通常5〜40重量%のものを用いると含浸を良好に行うことができる。含浸は、浸積操作及び絞り操作を行うことによりなすことができる。具体的にはディップスクイーズ(Dip-squeeze)方式や、キスロール(Kiss-coat)方式を用いて行うことができる。含浸はフィルター用紙100重量部に対し樹脂固形分が15〜40重量部付着するように実施されるのが一般的である。
本発明のフィルター用樹脂組成物を含浸させた後、加熱によりB化(乾燥状態化)してB化含浸紙を製造する。B化する際の条件としては、乾燥温度は通常80〜180℃である。加熱の時間は通常1〜15分である。このB化含浸紙は次にコルゲート付けされて、その後、巻き取られる。このコルゲート付けして巻き取られたB化含浸紙を襞状に折るプリーツ加工等を行う。このようにして加工したB化含浸紙を加熱により硬化させてフィルター用樹脂含浸紙を製造する。C化する際の条件としては、乾燥温度は通常100〜200℃である。加熱の時間は通常1〜30分である。
こうして得られたフィルター用樹脂含浸紙は、適当な長さに裁断され、フィルターエレメントとして組み立てられる。
以下に実施例、比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。例中「部」「%」と表示しているものはそれぞれ重量部、重量%を表す。残留フェノールの測定はガスクロマトグラフィーでの測定に依った。
参考例1(レゾール型フェノール樹脂の製造)
攪拌機、温度計、コンデンサー及び減圧蒸留装置を有する反応装置にフェノール941gと37%ホルマリン40.3gを仕込んだ。更に、蓚酸2水和物8.82gを添加し、還流温度を100℃に昇温した。更に37%ホルマリン202.7gを1時間かけて滴下した。還流温度100℃にて5時間反応した後、蒸留を開始し180℃迄昇温した。180℃で減圧度−0.0910MPaで減圧蒸留を3時間維持し、更に220℃まで昇温し、減圧蒸留を1時間行い、環球法(B&R法)の軟化点45℃、ガスクロマトグラフィーで測定した残留フェノール量0.1%、13C−NMRで求めたフェノールとホルムアルデヒドとの結合モル比(アルデヒド/フェノール)が0.75であるノボラック型フェノール樹脂(1)を得た。前記ノボラック型フェノール樹脂(I)をメタノールで樹脂固形分の濃度が80%となるように希釈し、ノボラック型フェノール樹脂(I)のメタノール溶液を得た。ノボラック型フェノール樹脂(I)のメタノール溶液131.3gと37%ホルマリン31.8gを良く混合し、これに48%濃度の水酸化ナトリウム2.1gを添加し、70℃迄昇温した。70℃で4時間反応した後、減圧にて水分を除去し、メタノールを加え樹脂固形分濃度を50%に調整し、レゾール型フェノール樹脂の溶液(R−1)を得た。レゾール型フェノール樹脂の溶液(R−1)は、粘度150mPa・s、150℃のゲルタイム80秒、未反応のフェノールモノマーの含有率は樹脂固形分を基準として0.01%であった。13C−NMRで測定したレゾール型フェノール樹脂の溶液(R−1)のホルムアルデヒドとフェノールとの結合モル比(ホルムアルデヒド/フェノール)は1.1であった。
参考例2(同上)
参考例1で得られたノボラック型フェノール樹脂(I)のメタノール溶液131.3gと92%パラホルムアルデヒド23.8gを良く混合し、これに48%濃度の水酸化ナトリウム2.1gを添加し、70℃迄昇温した。70℃で5時間反応した後、メタノールを加え樹脂濃度を50%に調整し、レゾール型フェノール樹脂の溶液(R−2)を得た。レゾール型フェノール樹脂の溶液(R−2)は、粘度180mPa・s、未反応のフェノールモノマーの含有率は樹脂分を基準として0.01%であった。13C−NMRで測定したレゾール型フェノール樹脂の溶液(R−2)のホルムアルデヒドとフェノールとの結合モル比(ホルムアルデヒド/フェノール)は1.2であった。
参考例3(同上)
92%パラホルムアルデヒド16.4gを用いた以外は、参考例2と同様にしてレゾール型フェノール樹脂の溶液(R−3)を得た。レゾール型フェノール樹脂の溶液(R−3)は、樹脂固形分濃度50%、粘度210mPa・sであり、未反応のフェノールモノマーの含有率は樹脂分を基準として0.01%であった。13C−NMRで測定したレゾール型フェノール樹脂の溶液(R−3)のホルムアルデヒドとフェノールとの結合モル比(ホルムアルデヒド/フェノール)は1.4であった。
参考例4(比較対照用レゾール型フェノール樹脂の製造)
攪拌機、温度計、コンデンサー及び減圧蒸留装置を有する反応装置にフェノール850g、37%ホルマリン776g、48%水酸化ナトリウム4.1gを仕込み、80℃にて3時間反応させた後、減圧脱水を行った。脱水後、90℃まで昇温し、メタノール200gを加え、環流温度で5時間反応させた。次いでメタノールを加え樹脂固形分濃度50%に調整し、レゾール型フェノール樹脂の溶液(R−4)を得た。レゾール樹脂の溶液(R−4)は粘度95mPa・s、未反応のフェノールモノマーの含有率は樹脂分を基準として11%であった。13C−NMRで測定したレゾール型フェノール樹脂の溶液(R−4)のホルムアルデヒドとフェノールとの結合モル比(ホルムアルデヒド/フェノール)は1.1であった。
製造例5(メラミン樹脂の製造)
攪拌機、温度計、コンデンサー及び減圧蒸留装置を有する反応装置にメラミン384g、37%ホルマリン590g、48%水酸化カリウム4gを仕込み、60℃に昇温しメチロール化反応を行い、結晶物が析出するまで反応を続けた。結晶の析出が確認できたら50℃に降温し、50℃にて減圧蒸留を攪拌が困難になるまで実施した。その後メタノール1170g、85%蟻酸2.6gを加え、50℃で30分間エーテル化反応を行った。その後、48%水酸化カリウム1.6gを添加し中和を行い、過剰のメタノールを減圧蒸留で除去し、樹脂固形分濃度が80%のメラミン樹脂の溶液(M−1)を得た。13C−NMRで測定したメラミン樹脂の溶液(R−4)のホルムアルデヒドとメラミンとの結合モル比(ホルムアルデヒド/メラミン)は3.2であった。
製造例6(同上)
37%ホルマリンを465g用いる以外は製造例5と同様にしてメラミン樹脂の溶液(M−2)の溶液を得た。メラミン樹脂の溶液(M−2)の樹脂固形分濃度は80%であり、のホルムアルデヒドとメラミンとの結合モル比(ホルムアルデヒド/メラミン)は、2.5であった。
製造例6(同上)
37%ホルマリンを787g用いる以外は、製造5と同様にしてメラミン樹脂の溶液(M−3)を得た。メラミン樹脂の溶液(M−3)の樹脂固形分濃度は80%であり、のホルムアルデヒドとメラミンとの結合モル比(ホルムアルデヒド/メラミン)は、4.3であった。
実施例1
レゾール型フェノール樹脂の溶液(R−1)80部、メラミン樹脂の溶液(M−1)20部を混合し、更にメタノールを加え樹脂の濃度を固形分換算で20%となるように調整し、樹脂溶液を得た。この樹脂溶液に硬化促進剤(ベッカミンP198:大日本インキ化学工業株式会社製の燐酸エステル系硬化促進剤)1.7部加え、本発明のフィルター用樹脂組成物を調製した。ここで、ベッカミンP198の添加量は樹脂固形分100部に対して3部である。この樹脂組成物をデッピングにて濾紙(135g/m)に含浸し、風乾させた。風乾後100℃にて5分間加熱させてB化し、B化含浸紙を得た。このB化含浸紙樹脂分は35g/mの量で含浸していた。得られたB化含浸紙の一部を用いて破裂強度の測定を行った。測定は以下に示す方法で行い、その結果を第1表に示す。
<破裂強度の測定方法>
破裂強度の測定は、JIS−P−8112に準拠しミューレン破裂試験機を用いて測定した。測定値の単位はkPaであり、この値が高いほど破裂強度が強く良好であることを表す。
前記B化含浸紙の残りに対して150℃、3分間の条件で硬化(C化)処理を行い、フィルター用樹脂含浸紙(以下、C化含浸紙と略記する。)を製造した。得られたC化含浸紙の破裂強度の測定をB化含浸紙のと同様にして行い、その結果を第1表に示す。また、C化処理する際に発生するガスを水に採取してこの水に含まれる未反応フェノール類量を測定し、その結果を第1表に示す。このフェノール量が少ないほど作業環境中に飛散していないことを表す。未反応フェノール類の測定は4−アミノアンチピリン吸光度法により行った。この未反応フェノール類の量はB化B化含浸紙に対する量(質量ppm)であり、この値が小さいほど未反応フェノール類の飛散量が小さく良好であることを表す。
実施例2〜7
第1表に示す配合でレゾール型フェノール樹脂、メラミン樹脂及びベッカミンP198を用いた以外は実施例1と同様にして本発明のフィルター用樹脂組成物を得た。実施例1と同様にしてB化含浸紙の破裂強度の測定、C化含浸紙の破裂強度の測定及びC化処理する際に発生するフェノール類量を測定した。結果を第1表に示す。
比較例1〜3
第2表に示す配合でレゾール型フェノール樹脂、メラミン樹脂及びベッカミンP198を用いた以外は実施例1と同様にして比較対照用フィルター用樹脂組成物を得た。実施例1と同様にしてB化含浸紙の破裂強度の測定、C化含浸紙の破裂強度の測定及びC化処理する際に発生するフェノール量を測定した。但し、比較例1と比較例2についてはC化含浸紙を得る工程において、実施例1の条件(150℃、3分)では満足できる強度のC化含浸紙が得られなかったので、C化含浸紙を得る工程を150℃、15分の条件で行った。比較例3については実施例1と同じ150℃、3分の条件で行った。比較例3の結果を第2表に、比較例1、2の結果を第3表に示す。
Figure 2005281546
Figure 2005281546
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Claims (6)

  1. 未反応フェノールモノマーの含有率が樹脂固形分を基準として1重量%未満であるレゾール型フェノール樹脂とメラミン樹脂と硬化促進剤とを含有することを特徴とするフィルター用樹脂組成物。
  2. 前記レゾール型フェノール樹脂中の未反応フェノールモノマーの含有率が樹脂固形分を基準として0.005〜0.1重量%である請求項1記載のフィルター用樹脂組成物。
  3. 前記レゾール型フェノール樹脂が、未反応フェノールモノマーの含有率が樹脂固形分を基準として0.1〜1.0重量%であるノボラック型フェノール樹脂とアルデヒド類とを反応させて得られるものである請求項1記載のフィルター用樹脂組成物。
  4. 前記レゾール型フェノール樹脂がフェノール類(A)とアルデヒド類(B)とを、結合のモル比〔(A)〕/〔(B)〕が1.0〜1.5となるように反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂である請求項2記載のフィルター用樹脂組成物。
  5. 前記メラミン樹脂がメラミン系化合物(C)とホルムアルデヒド類(D)とを結合のモル比〔(D)/(C)〕が2.0〜5.0となるように反応させて得られるメラミン樹脂である請求項1〜4のいずれか1項記載のフィルター用樹脂組成物。
  6. 前記レゾール型フェノール樹脂とメラミン樹脂との混合比率(レゾール型フェノール樹脂/メラミン樹脂)が、樹脂固形分の重量比で90/10〜60/40である請求項1〜4のいずれか1項記載のフィルター用樹脂組成物。
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