JPH07196923A - リグノセルロース系物質の部分樹脂化組成物及びその製造法 - Google Patents

リグノセルロース系物質の部分樹脂化組成物及びその製造法

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JPH07196923A
JPH07196923A JP35237493A JP35237493A JPH07196923A JP H07196923 A JPH07196923 A JP H07196923A JP 35237493 A JP35237493 A JP 35237493A JP 35237493 A JP35237493 A JP 35237493A JP H07196923 A JPH07196923 A JP H07196923A
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lignocellulosic material
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phenol
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JP35237493A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kono
剛 河野
Kyoji Tominaga
富永恭爾
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KYOTO MOKUZAI SHIGEN KAIHATSU KYODO KUMIAI
Asahi Yukizai Corp
Original Assignee
KYOTO MOKUZAI SHIGEN KAIHATSU KYODO KUMIAI
Asahi Organic Chemicals Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 木質系成型材料として、また木質繊維系物質
の結合剤や接着剤として有用な、リグノセルロース系物
質の部分樹脂化組成物及びその効率のよい製造方法を提
供する。 【構成】 このリグノセルロース系物質の部分樹脂化組
成物は、リグノセルロース系物質とフェノール類とをア
ルカリ触媒の存在下で反応させてなる反応生成物にアル
デヒド類を反応させて、熱硬化性を付与したものであっ
て、10重量%以上の繊維状物質を含有するものであ
り、リグノセルロース系物質とフェノール類とをアルカ
リ触媒の存在下で反応させた後、その反応生成物とアル
デヒド類とを塩基性触媒の存在下で反応させることによ
り製造できる。なお、この際、アルデヒド類の使用量が
フェノール類1モルに対して0.2モル以上とするのがよ
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、木質系成型体、ファイ
バーボード、パーティクルボード等の製造に用いられる
木質系成形材料又は主に木質繊維系物質の結合剤ないし
接着剤として有用な熱硬化性を有するリグノセルロース
系物質の部分樹脂化組成物及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木質系成形材料は、異質の主原料
であるリグノセルロース系物質とフェノール樹脂とを、
硬化剤(例えばヘキサメチレンテトラミン)、離型剤等
の添加物とともに機械的に混練もしくは混合し、均質化
して製造されている。
【0003】一方、木質系資源の有効利用の観点から、
リグノセルロース系物質とフェノール類とを反応させ
て、樹脂状の反応生成物を製造する方法として、例えば
酸触媒常圧法(特公昭61−2697号公報及び特開平
4−63834号公報参照)、無触媒高圧法(特公平5
−37169号公報参照)等が提案されている。
【0004】ところが、前記した製造法では、リグノセ
ルロース系物質を構成している主成分、例えばセルロー
ス、ヘミセルロース及びリグニンの中で、特にセルロー
ス成分がフェノール類との樹脂化反応に関与して分解消
費されるため、得られる樹脂状の反応生成物は、木質繊
維系物質に対する馴染み性やセルロース系繊維が本来持
っている補強機能が損なわれるという問題があった。
【0005】そこで、本発明者等の一部は、上記問題に
鑑み鋭意研究した結果、リグノセルロース系物質のリグ
ニン成分を選択的にフェノール類との樹脂化反応に関与
させてセルロースを良好な状態で温存させうる方法を見
出し、先に特願平5−207189号としてリグノセル
ロース系物質の部分樹脂化組成物及びその製造方法を提
案した。
【0006】しかしながら、上記リグノセルロース系物
質の部分樹脂化組成物は、未反応フェノール類の含有量
が少なくても実用上硬化剤(例えばヘキサメチレンテト
ラミン)を用いる必要があるため、これを加熱加圧成形
した場合には、ヘキサメチレンテトラミンより誘発され
る不快臭ガスによる作業環境の汚染を招くおそれがあ
り、また得られた成形体は、実用上からさらに機械的強
度の改良を必要とし、更に、未反応フェノール類を除去
するため、一製造単位当たりの組成物の収量(生産効
率)の低下を生じるという問題があり、他方、未反応フ
ェノール類の含有量が多い状態では、未反応フェノール
類により作業環境の汚染を招くおそれがあり、また得ら
れた成形体の機械的強度は実用に供されない程度に低下
するなどの問題を有しており、これらを改善する余地が
残されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記特願平
5−207189号の出願に係る発明の問題点に着目し
て開発されたものであり、未反応フェノール類の含有量
が少なく、かつ前記硬化剤を必要としない熱硬化性を有
し、しかも機械的強度の改善機能と結合剤機能とを備
え、かつ作業環境の汚染を伴うおそれのないリグノセル
ロース系物質の部分樹脂化組成物を提供することを目的
とする。また、このような組成物を高収量で製造できる
効率のよい生産方法を提供することをも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記目的
を達成するべく鋭意研究した結果、特願平5−2071
89号に基づくリグノセルロース系物質の部分樹脂化組
成物を、更に塩基性触媒の存在下でアルデヒド類と反応
させると、前記課題の解決に極めて有効であることを見
いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明の組成物は、リグノセルロー
ス系物質とフェノール類とをアルカリ触媒の存在下で反
応させてなる反応生成物にアルデヒド類を反応させて付
与された熱硬化性を有し、かつ10重量%以上の繊維状
物質を含有することを特徴とするリグノセルロース系物
質の部分樹脂化組成物である。また、本発明における該
組成物の製造方法は、リグノセルロース系物質とフェノ
ール類とをアルカリ触媒の存在下で反応させる工程と、
該工程で得られる反応生成物とアルデヒド類とを塩基性
触媒の存在下で反応させる工程を含み、アルデヒド類の
使用量をフェノール類1モルに対して0.2モル以上とす
ることに特徴を有する。
【0010】本発明において用いられるリグノセルロー
ス系物質は、主にリグニン、ヘミセルロース及びセルロ
ースを主成分とする繊維構造を有する物質であり、この
ようなリグノセルロース系物質の例としては、例えば、
木材、樹皮、稲藁、籾殻、故紙、パルプ等が挙げられる
が、勿論これらに限定されるものではない。これらは、
単独で用いても、二種以上組み合わせて用いてもよい。
また、その使用形態についても特に限定はなく、例えば
塊状、細片状、粉末状など任意の形態で用いても差し支
えない。
【0011】また、本発明に使用されるフェノール類と
しては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノー
ル、パラターシャリーブチルフェノール等の1価のフェ
ノール類、カテコール、レゾルシン、フロログルシン、
ビスフェノールF、ビスフェノールA等の多価フェノー
ル類が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。中でもフェノール、クレゾール、レゾルシン及びビ
スフェノールAの使用が好ましく、特にフェノールの使
用が好適である。これらは、単独で使用されても、二種
以上組み合わせて使用されてもよい。また、フェノール
類の配合量は、リグノセルロース系物質100重量部に
対して10重量部以上、好ましくは10〜1000重量
部、より好ましくは50〜500重量部である。配合量
が10重量部未満では、フェノール類によるリグノセル
ロース系物質の改質効果が十分でないので好ましくな
い。
【0012】本発明において用いられるアルデヒド類と
しては、例えば、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、
ポリオキシメチレン等のホルムアルデヒド類、並びにグ
リオキザール、フルフラール等が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。また、これらは、単独で使
用されても、二種以上組み合わせて使用されてもよい
が、反応性及びコストの点から、ホルムアルデヒド類を
使用するのが好ましい。アルデヒド類の配合量は、リグ
ノセルロース系物質との反応で消費されるフェノール類
の量がリグノセルロース系物質の種類や反応条件等によ
り変動するため、一概に限定できないが、少なくともリ
グノセルロース系物質の部分硬化組成物に熱硬化性を付
与するに足る量を用いる必要があり、一般には仕込フェ
ノール類1モルに対して0.2モル以上、好ましくは0.4
モル以上、より好ましくは0.6〜1.5モル使用される。
配合量が0.2モル未満では、未反応フェノール類の低減
効果が小さくかつ十分な熱硬化性を付与できないので好
ましくない。
【0013】なお、例えば、アルデヒド類としてホルム
アルデヒド類を使用した場合、本発明の組成物に含まれ
るフェノール類の2量体以上の重合体のメチロール化物
及びリグノセルロース系物質とフェノール類との反応物
のメチロール化物も、フェノール類単量体のメチロール
化物と同様に熱硬化性に寄与し、熱硬化後の製品の機械
的強度に大きく影響を及ぼすが、本発明の組成物は、少
なくとも、該組成物中のテトラヒドロフラン可溶分中の
フェノール類単量体メチロール化物の含有量が、ゲル濾
過クロマトグラフィーに基づく面積百分率法で10%以
上、特に20%以上含むのが、熱硬化性及び熱硬化後の
製品の機械的強度の改善の点において好ましい。また、
組成物中の未反応単量体フェノール類の含有率は、作業
環境及び物性の面から10重量%以下、特に5重量%以
下であるのが好ましい。
【0014】次に、本発明において、リグノセルロース
系物質とフェノール類の一次反応系に存在させるアルカ
リ触媒としては、アルカリ金属の水酸化物、酸化物又は
燐酸塩や、アルカリ土類金属の水酸化物又は酸化物等を
使用するのが好ましく、特に、水酸化ナトリウム及び水
酸化カリウムを使用するのが好ましい。アルカリ触媒の
使用量は、特に限定されないが、リグノセルロース系物
質100重量部に対して、1〜30重量部、特に1〜2
0重量部であるのが好ましい。また、得られた反応生成
物とアルデヒド類との二次反応系に存在させる塩基性触
媒としては、前記アルカリ触媒の他、アンモニヤ、ヘキ
サメチレンテトラミン等が挙げられるが、これらに限ら
れるものではない。これら塩基性触媒の使用量は、特に
限定されないが、仕込みフェノール類100重量部に対
して20重量部以下で十分であり、特に10重量部以下
であるのが好ましい。なお、前記一次反応で用いたアル
カリ触媒が反応過程で生じる酸類、詳しくはヘミセルロ
ースのアルカリ分解で生じるヒドロキシ酸、ウロン酸、
酢酸等の酸類により中和されずに残存している場合に
は、追加の塩基性触媒を用いずに二次反応を実施しても
よい。また、前記触媒は、固体状態で使用しても、水溶
液として使用してもよい。
【0015】本発明の製造法において、リグノセルロー
ス系物質とフェノール類との一次反応は、40〜200
℃、好ましくは80〜170℃の温度で1〜10時間ほ
ど実施すればよい。また、反応生成物とアルデヒド類と
の二次反応は、40〜150℃の温度で20分〜10時
間ほど実施すればよい。勿論、いずれの反応においても
これらの条件に限られるものではない。
【0016】本発明の製造法で得られるリグノセルロー
ス系物質の部分樹脂化組成物は、成形材料として用いる
際の補強効果又は結合剤として用いる際の木質繊維系物
質に対する馴染み性の観点から10重量%以上、好まし
くは20〜70重量%程度の繊維状物質を含有する必要
がある。
【0017】
【作用】本発明の製造法で得られるリグノセルロース系
物質の部分樹脂化組成物が優れた性能を発揮する理由
は、必ずしも明確なものではないが、次のように推察さ
れる。
【0018】すなわち、本発明製造法における一次反応
では、リグノセルロース系物質のリグニン成分を選択的
にフェノール類との樹脂化反応に関与させてセルロース
成分を良好な状態で温存させているため、得られる樹脂
状の反応生成物は、木質繊維系物質に対して優れた馴染
み性を発揮し、多量の木質繊維系物質と良好な混合物を
形成できる。なお、前記樹脂状の反応生成物は、繊維状
物質と樹脂とが複合一体化した状態、すなわち繊維組織
の一部が樹脂で変性された繊維や未変性繊維等の繊維間
や細胞腔内に樹脂が充填ないし浸透して複合化された状
態で形成されているものと推察される。また、かかる反
応系においては、アルカリを触媒として使用するが、ヘ
ミセルロース成分のアルカリ分解によって生じるヒドロ
キシ酸、ウロン酸、酢酸等の酸類で中和されるため、反
応条件によっては反応系のpH低下現象を生じる。
【0019】次に、前記反応で得られた樹脂状の反応生
成物にアルデヒド類を作用させて熱硬化性を付与させる
ための二次反応においては、前記理由から必要に応じて
塩基性触媒が用いられる。その結果、樹脂状の反応生成
物中のフェノール類は、分子内にメチロール基のような
熱硬化性官能基を有するフェノール系樹脂に変換され、
かつ内含される未反応フェノール類の減少によって、作
業環境の汚染は回避されることとなる。しかも、生成し
たフェノール系樹脂は、木質系繊維物質との馴染み性が
良く、かつ加熱及び/又は酸性化合物、特に加熱により
熱硬化して良好な結合機能を発揮する性質を有する。従
って、このような性質を有するフェノール系樹脂が内在
する本発明組成物は、従来組成物のように例えばヘキサ
メチレンテトラミン等の硬化剤を併用しなくても、単に
これを加熱加圧処理することで、改善された機械的強度
を有する木質系成形体を形成することができるし、また
主として木質繊維系物質の結合剤ないしは接着剤として
も利用することができる。加えて従来組成物のように作
業環境の汚染を生じるおそれもない。
【0020】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。なお、リグノセルロース系物質の部分樹脂化組成物
中の未反応フェノール類の含有量および該組成物中のテ
トラヒドロフラン(以下、THFと略称する)可溶分中
のフェノール類単量体メチロール化物の含有量は、東ソ
ー社製のHLC8010型ゲル濾過クロマトグラフィー
(カラムはGXL1000+2000、キャリアはテト
ラヒドロフラン1cc/min、検出器UV)に基づき、前者
は検量線法で、後者は面積百分率法で求めたものであ
る。なお、これらの測定には、組成物50mgとTHF5
0ccを混合し、濾過して得た濾液を試料とした。また、
pHは蒸留水100ml中で反応生成物50gを攪拌混合し
て得られた上澄液をpHメーターで測定した。
【0021】実施例1 温度計を備えた加熱及び混練機能付き反応装置に木粉
(20〜80メッシュ、含水率約10重量%)1000
gを仕込んだ後、フェノール1000gと48重量%水
酸化ナトリウム水溶液210gとの混合液を添加し、混
合しながら加熱昇温して170(±10)℃で120分
間反応させた。その後、熱源を切って約90分間混練を
継続しながら冷却して、樹脂状の反応生成物1700g
を得た。この反応生成物(A)は、21重量%の未反応
フェノールを含有し、pH9.5であった。
【0022】次に、上記反応生成物(A)500g、4
7重量%ホルマリン210g(仕込みフェノール量に対
する配合モル比が1.1に相当)及び48重量%水酸化ナ
トリウム水溶液50gを前記反応装置に仕込んだ後、混
合しながら加熱昇温して70(±5)℃で140分間反
応させた。その後、冷却してリグノセルロース系物質の
部分樹脂化組成物560gを得た。このリグノセルロー
ス系物質の部分樹脂化組成物(A−1)の未反応フェノ
ール含有量は0.8重量%であった。また、組成物(A−
1)のTHF可溶分中のフェノール単量体のメチロール
化物の含有量は35%であった。
【0023】実施例2 実施例1における後段の反応で、48重量%水酸化ナト
リウム水溶液50gを使用せずに、78(±5)℃の温
度で140分間反応させた以外は、実施例1と同様の方
法を実施して、樹脂状のリグノセルロース系物質の部分
樹脂化組成物540gを得た。このリグノセルロース系
物質の部分樹脂化組成物(A−2)の未反応フェノール
含有量は1.4重量%であった。また、組成物(A−2)
のTHF可溶分中のフェノール単量体のメチロール化物
の含有量は33%であった。
【0024】比較例1 実施例1で用いた反応装置により、実施例1で調製した
反応生成物(A)500gを減圧下で脱フェノール処理
して、リグノセルロース系物質の部分樹脂化組成物40
0gを得た。このリグノセルロース系物質の部分樹脂化
組成物(B)の未反応フェノール含有量は2.0重量%で
あった。
【0025】実施例3 実施例1で用いた反応装置に木粉(20〜80メッシ
ュ、含水率約10重量%)1000gを仕込んだ後、フ
ェノール1000gと48重量%水酸化ナトリウム水溶
液150gとの混合液を添加し、混合しながら加熱昇温
して150(±10)℃で150分間反応させた後、直
ちに取り出して樹脂状の反応生成物1800gを得た。
この反応生成物(C)は、23重量%の未反応フェノー
ルを含有し、pH8.7であった。
【0026】次に、上記反応生成物(C)500g、4
7重量%ホルマリン210g(仕込みフェノール量に対
する配合モル比が1.1に相当)及び48重量%水酸化ナ
トリウム水溶液50gを前記反応装置に仕込んだ後、混
合しながら加熱昇温して70(±5)℃で140分間反
応させた。その後、冷却してリグノセルロース系物質の
部分樹脂化組成物580gを得た。このリグノセルロー
ス系物質の部分樹脂化組成物(C−1)の未反応フェノ
ール含有量は1.3重量%であった。また、組成物(C−
1)のTHF可溶分中のフェノール単量体のメチロール
化物の含有量は31%であった。
【0027】実施例4 実施例3で調製した反応生成物(C)500g、47重
量%ホルマリン120g(仕込みフェノール量に対する
配合モル比が0.6に相当)及び48重量%水酸化ナトリ
ウム水溶液50gを反応装置に仕込んだ後、混合しなが
ら加熱昇温して70(±5)℃で140分間反応させ
た。その後、冷却してリグノセルロース系物質の部分樹
脂化組成物390gを得た。このリグノセルロース系物
質の部分樹脂化組成物(C−2)の未反応フェノール含
有量は2.0重量%であった。また、組成物(C−2)の
THF可溶分中のフェノール単量体のメチロール化物の
含有量は30%であった。
【0028】実施例5 実施例3で調製した反応生成物(C)300g、47重
量%ホルマリン48g(仕込みフェノール量に対する配
合モル比が0.4に相当)及び48重量%水酸化ナトリウ
ム水溶液30gを反応装置に仕込んだ後、混合しながら
加熱昇温して70(±5)℃で140分間反応させた。
その後、冷却してリグノセルロース系物質の部分樹脂化
組成物305gを得た。このリグノセルロース系物質の
部分樹脂化組成物(C−3)の未反応フェノール含有量
は3.5重量%であった。また、組成物(C−3)のTH
F可溶分中のフェノール単量体のメチロール化物の含有
量は24%であった。
【0029】比較例2 実施例1で用いた反応装置により、実施例3で調製した
反応生成物(C)200gを減圧下に脱フェノール処理
して、リグノセルロース系物質の部分樹脂化組成物16
0gを得た。このリグノセルロース系物質の部分樹脂化
組成物(D)の未反応フェノール含有量は1.8重量%で
あった。
【0030】比較例3 47重量%ホルマリンの使用量を12g(仕込みフェノ
ール量に対する配合モル比が0.1に相当)に減じた以外
は、実施例5と同様の方法を実施してリグノセルロース
系物質の部分樹脂化組成物275gを得た。このリグノ
セルロース系物質の部分樹脂化組成物(C−4)の未反
応フェノール含有量は12.0重量%であった。また、組
成物(C−4)のTHF可溶分中のフェノール単量体の
メチロール化物の含有量は4%であった。
【0031】応用例1 実施例1〜5及び比較例3で調製した本発明の組成物
(試料A−1、A−2、C−1〜C−4)のそれぞれ
を、180℃の成形金型中に入れ、ゲージ圧50Kgf/cm
2 で3分間加熱加圧して曲げ強度測定用の試験片(長さ
100mm×幅20mm×厚さ3mm)を成形した。また、実
施例1、3で調製した試料A(比較例4)及びC(比較
例5)と、この試料A及びCを脱フェノール処理した試
料B(比較例1)及びD(比較例2)については、試料
(組成物)に対して10重量%のヘキサメチレンテトラ
ミン(硬化剤)を混合した後、前記同様にして曲げ強度
測定用の試験片を成形した。得られた試験片はJISK
6911に準拠して曲げ強度を測定した。その結果、表
1に示す通り、本発明の組成物は従来の組成物より機械
的強度が大幅に向上することが確認された。なお、試料
A〜Dは成形時にアミン臭を感じたが、本発明の組成物
は全く感じなかった。更に試料A(比較例4)及びC
(比較例5)は、成形時に未反応フェノールが染み出
し、臭気もかなり強かった。また、ホルマリンの使用量
が少なかった試料C−4(比較例3)では、十分な強度
を得ることができなかった。
【0032】
【表1】
【0033】応用例2 実施例1で調製した試料A−1又は試料Bと木粉(スギ
/ベイトガ混合粉20〜80メッシュ、含水率約10
%)とを表2に示す重量割合で混合して、成形材料を作
製した。次いで、得られた成形材料について、応用例1
と同様にして曲げ強度測定用の試験片を成形し、それぞ
れの曲げ強度を測定した。その結果、表2に示す通り、
本発明の組成物は、従来の組成物より多量の木粉と混合
でき、しかも結合剤機能を有することが確認できた。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得ら
れる。 (1) 本発明組成物は、未反応フェノール類の含有量が少
なく、かつ硬化剤(ヘキサメチレンテトラミン)を用い
なくても熱硬化可能であり、更に改善された機械的強度
を有するので、木質系成形材料として使用できる。 (2) 本発明の組成物は、木質繊維系物質との馴染みが良
く、かつ結合剤機能を有するため、単に木質繊維系物質
と混合することにより、従来の組成物より更に木質繊維
系物質含有量の多い成形材料を製造でき、新たな用途を
開発できる。また、主として木質繊維系物質の接着剤と
しても使用できる。 (3) 本発明の製法では、煩雑な未反応フェノール類の除
去工程を設ける必要がなく、しかも熱硬化性のリグノセ
ルロース系物質の部分樹脂組成物を高収量で生産効率よ
く製造することができるため、従来の組成物より材料コ
ストを低減することができる。 (4) 本発明の製法では、従来必須工程とされていた組成
物と硬化剤との混合工程又は組成物を製造するためのリ
グノセルロース系物質、フェノール系樹脂、硬化剤及び
その他の添加物を混練ないしは混合する工程を省くこと
ができるため、従来の製法より製造工程の簡素化を図る
ことができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リグノセルロース系物質とフェノール類
    とをアルカリ触媒の存在下で反応させてなる反応生成物
    にアルデヒド類を反応させて、熱硬化性を付与したもの
    であって、10重量%以上の繊維状物質を含有すること
    を特徴とするリグノセルロース系物質の部分樹脂化組成
    物。
  2. 【請求項2】 上記組成物中のテトラヒドロフラン可溶
    分中のフェノール類単量体メチロール化物の含有量が1
    0%以上であることを特徴とする請求項1のリグノセル
    ロース系物質の部分樹脂化組成物。
  3. 【請求項3】 リグノセルロース系物質とフェノール類
    とをアルカリ触媒の存在下で反応させた後、その反応生
    成物とアルデヒド類とを塩基性触媒の存在下で反応させ
    るものであり、アルデヒド類の使用量がフェノール類1
    モルに対して0.2モル以上であることを特徴とする10
    重量%以上の繊維状物質を含有し、かつ熱硬化性を有す
    るリグノセルロース系物質の部分樹脂化組成物の製造
    法。
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