JP2005278993A - 生体内留置用ステントおよびその製造方法 - Google Patents

生体内留置用ステントおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ステント本体とカバー間に剥離が生じることが少なく、剥離に起因するカバー切れを生じることが少ない生体内留置用ステントを提供する。
【解決手段】 生体内留置用ステント1は、略円筒形状に形成され、側面に複数の開口が形成された縮径可能なステント本体2と、ステント本体2を被覆する被覆樹脂層3と、ステント本体の開口を閉塞する筒状カバー4とを備える。カバー4は、多孔性樹脂フィルムにより形成されており、被覆樹脂層3は、フィルム形成材料と接着性を持たない常温もしくは加熱硬化型樹脂により形成されており、ステント本体2は、プライマー処理5がされている。フィルム4と接触する部分における被覆樹脂層3の形成材料の一部がフィルムの細孔42内に流入し固化することにより、筒状カバー4がステント本体2に固定されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、血管、胆管、気管、食道、尿道、その他の臓器などの管腔内に生じた狭窄部若しくは閉塞部の改善に使用される生体内留置用ステントに関する。特に、狭窄部若しくは閉塞部が再度狭窄若しくは閉塞するのを防止するために、ステントにカバーフィルムが取り付けられているカバードステントに関するものである。
従来より、血管、胆管、食道、気管、尿道、その他の臓器などの生体管腔または体腔の狭窄部に挿入し、管腔または体腔空間を確保するための種々のステントが提案されている。
ステントは、構造により金属のみによるメタリックステントと、メタリックステントの金属の支柱間より侵入する再狭窄を防止するために柔軟性カバーを設けたカバードステントがある。カバードステントとしては、例えば、特開平8−141090号公報のものを本件出願人は提案している。
特開平8−141090号公報
特許文献1には、略円筒形状に形成され、該円筒形状の外面と内面を連通する複数の開口が形成された縮径可能なステント本体と、該ステント本体を被覆する熱可塑性樹脂層と、該ステント本体の外側面もしくは内側面を被覆し、該開口を塞ぐとともに、該熱可塑性樹脂層に固着された筒状カバーとを備える生体内留置用ステントが開示されている。さらに、前記筒状カバーは、多孔質フィルムにより形成されており、該筒状カバーと前記熱可塑性樹脂層は、熱可塑性樹脂層を形成する熱可塑性樹脂の一部が前記多孔質フィルムの細孔内に流入していることも開示されている。
上記のものも十分な効果を有するが、熱可塑性樹脂自体ステント本体と接着されていないため、両者間に剥離が起こる可能性さらにはカバーの切れが生じる可能性がある。
そこで、本発明の目的は、ステント本体とカバー間に剥離が生じることが極めて少なく、剥離に起因するカバー切れを生じることが極めて少ない生体内留置用ステントおよびその製造方法を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 略円筒形状に形成され、該円筒形状の外面と内面を連通する複数の開口が形成された縮径可能なステント本体と、該ステント本体を被覆する被覆樹脂層と、該ステント本体の外側面もしくは内側面を被覆し、前記ステント本体の前記開口を閉塞する筒状カバーとを備える生体内留置用ステントであって、前記筒状カバーは、多孔性樹脂フィルムにより形成されており、前記被覆樹脂層は、前記多孔性樹脂フィルム形成材料と接着性を持たない常温もしくは加熱硬化型樹脂により形成されており、前記ステント本体は、前記常温もしくは加熱硬化型樹脂との接着性を高めるためのプライマー処理されており、さらに、前記多孔性樹脂フィルムと接触する部分における前記被覆樹脂層の形成材料の一部が前記多孔性樹脂フィルムの細孔内に流入し固化することにより、前記筒状カバーが前記被覆樹脂層を備える前記ステント本体に固定されていることを特徴とする生体内留置用ステント。
(2) 前記被覆樹脂層は、前記多孔性フィルムにより形成された筒状カバーの外面全体を被覆するとともに該多孔性フィルムの細孔を閉塞する薄膜部と該薄膜部上に配置されたステント本体の外面および前記薄膜部の露出する部分を被覆するものである上記(1)に記載の生体内留置用ステント。
(3) 前記被覆樹脂層は、前記ステント本体の全面を被覆し、前記筒状カバーとの接触部もしくは該接触部およびその付近における前記被覆樹脂層の形成材料の一部が前記多孔性樹脂フィルムの細孔内に流入し固化することにより、前記筒状カバーが前記被覆樹脂層を備える前記ステント本体に固定されており、かつ、前記被覆樹脂層は、前記筒状カバーとの接触部もしくは該接触部およびその付近以外を被覆せず、前記筒状カバーを形成する多孔性樹脂フィルムの細孔を閉塞していないものである上記(1)に記載の生体内留置用ステント。
(4) 前記多孔性樹脂フィルムは、多孔性ポリテトラフルオロエチレンフィルムである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
(5) 前記常温もしくは加熱硬化型樹脂は、常温硬化型もしくは加熱硬化型シリコーンゴムである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
(6) 前記ステント本体は、略円筒形状に形成され、生体内挿入時には中心軸方向に圧縮され、生体内留置時には外方に拡張して圧縮前の形状に復元可能なものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
(7) 前記筒状カバーは、前記多孔性樹脂フィルムを重ならないように筒状に巻くとともに、近接する端部を固着することにより形成されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
(8) 前記筒状カバーは、前記ステント本体の内側面に設けられている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
(9) 前記常温もしくは加熱硬化型シリコーンゴム層の厚みが5μm以下である上記(5)に記載の生体内留置用ステント。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(10) 略円筒形状に形成され、該円筒形状の外面と内面を連通する複数の開口が形成された縮径可能なステント本体を準備する工程と、該ステント本体に接着性を高めるためのプライマー処理を行う工程と、該ステント本体の内径とほぼ等しい外径を有する多孔性樹脂フィルム製の筒状カバーが被覆されたロッドを準備する工程と、前記多孔性樹脂フィルムと接着性を持たずかつ前記プライマーとの接着性を有する常温もしくは加熱硬化型樹脂の有機溶媒溶解液を準備する工程と、前記筒状カバー被覆ロッドを前記有機溶媒溶解液に接触させるとともに該有機溶媒溶解液を前記多孔性樹脂フィルムの細孔内に流入させた後、該ロッドに前記ステント本体を被着する工程と、該ステント本体が被着されたロッドを前記有機溶媒溶解液に接触させ後、前記常温もしくは加熱硬化型樹脂を硬化させる工程とを行うことを特徴とする生体内留置用ステントの製造方法。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(11) 略円筒形状に形成され、該円筒形状の外面と内面を連通する複数の開口が形成された縮径可能なステント本体を準備する工程と、該ステント本体に接着性を高めるためのプライマー処理を行う工程と、該ステント本体の内径とほぼ等しい外径を有する多孔性樹脂フィルム製の筒状カバーが被覆されたロッドを準備する工程と、前記多孔性樹脂フィルムと接着性を持たずかつ前記プライマーとの接着性を有する常温もしくは加熱硬化型樹脂の有機溶媒溶解液を準備し、前記ステント本体の全面に該有機溶媒溶解液を被覆する工程と、該筒状カバー被覆ロッドに前記有機溶媒溶解液を被覆したステント本体を被着し、該有機溶媒溶解液を前記多孔性樹脂フィルムの細孔内に流入させた後、前記常温もしくは加熱硬化型樹脂を硬化させる工程とを行うことを特徴とする生体内留置用ステントの製造方法。
(12) 前記多孔性樹脂フィルム製の筒状カバーが被覆されたロッドを準備する工程は、前記ロッドに前記多孔性樹脂フィルムを重ならないように筒状に巻き、さらに、近接する端部を固着することにより行うものである上記(10)または(11)に記載の生体内留置用ステントの製造方法。
(13) 前記常温もしくは加熱硬化型樹脂として、低温加熱硬化型樹脂を用いるものである上記(10)ないし(12)のいずれかに記載の生体内留置用ステントの製造方法。
本発明の生体内留置用ステントは、略円筒形状に形成され、該円筒形状の外面と内面を連通する複数の開口が形成された縮径可能なステント本体と、該ステント本体を被覆する被覆樹脂層と、該ステント本体の外側面もしくは内側面を被覆し、前記ステント本体の前記開口を閉塞する筒状カバーとを備える生体内留置用ステントであって、前記筒状カバーは、多孔性樹脂フィルムにより形成されており、前記被覆樹脂層は、前記多孔性樹脂フィルム形成材料と接着性を持たない常温もしくは加熱硬化型樹脂により形成されており、前記ステント本体は、前記常温もしくは加熱硬化型樹脂との接着性を高めるためのプライマー処理されており、さらに、前記多孔性樹脂フィルムと接触する部分における前記被覆樹脂層の形成材料の一部が前記多孔性樹脂フィルムの細孔内に流入し固化することにより、前記筒状カバーが前記被覆樹脂層を備える前記ステント本体に固定されている。このため、ステント本体とカバー間に剥離が生じることが極めて少なく、剥離に起因するカバー切れを生じることが極めて少ない。
そして、前記被覆樹脂層は、前記多孔性フィルムにより形成された筒状カバーの外面全体を被覆するとともに該多孔性フィルムの細孔を閉塞する薄膜部と該薄膜部上に配置されたステント本体の外面および前記薄膜部の露出する部分を被覆するものであれば、ステント本体とカバー間に剥離が生じることがより少なく、剥離に起因するカバー切れを生じることがより少ないものとなる。
また、前記被覆樹脂層は、前記ステント本体の全面を被覆し、前記筒状カバーとの接触部もしくは該接触部およびその付近における前記被覆樹脂層の形成材料の一部が前記多孔性樹脂フィルムの細孔内に流入し固化することにより、前記筒状カバーが前記被覆樹脂層を備える前記ステント本体に固定されており、かつ、前記被覆樹脂層は、前記筒状カバーとの接触部もしくは該接触部およびその付近以外を被覆せず、前記筒状カバーを形成する多孔性樹脂フィルムの細孔を閉塞していないものであれば、多孔質フィルムの細孔より生体組織の侵入を許容するものとなる。
また、本発明の生体内留置用ステントの製造方法は、略円筒形状に形成され、該円筒形状の外面と内面を連通する複数の開口が形成された縮径可能なステント本体を準備する工程と、該ステント本体に接着性を高めるためのプライマー処理を行う工程と、該ステント本体の内径とほぼ等しい外径を有する多孔性樹脂フィルム製の筒状カバーが被覆されたロッドを準備する工程と、前記多孔性樹脂フィルムと接着性を持たずかつ前記プライマーとの接着性を有する常温もしくは加熱硬化型樹脂の有機溶媒溶解液を準備する工程と、前記筒状カバー被覆ロッドを前記有機溶媒溶解液に接触させるとともに該有機溶媒溶解液を前記多孔性樹脂フィルムの細孔内に流入させた後、該ロッドに前記ステント本体を被着する工程と、該ステント本体が被着されたロッドを前記有機溶媒溶解液に接触させ後、前記常温もしくは加熱硬化型樹脂を硬化させる工程とを行うものである。このため、上述した効果を有するステントを容易かつ確実に製造することができる。
また、本発明の生体内留置用ステントの製造方法は、略円筒形状に形成され、該円筒形状の外面と内面を連通する複数の開口が形成された縮径可能なステント本体を準備する工程と、該ステント本体に接着性を高めるためのプライマー処理を行う工程と、該ステント本体の内径とほぼ等しい外径を有する多孔性樹脂フィルム製の筒状カバーが被覆されたロッドを準備する工程と、前記多孔性樹脂フィルムと接着性を持たずかつ前記プライマーとの接着性を有する常温もしくは加熱硬化型樹脂の有機溶媒溶解液を準備し、前記ステント本体の全面に該有機溶媒溶解液を被覆する工程と、該筒状カバー被覆ロッドに前記有機溶媒溶解液を被覆したステント本体を被着し、該有機溶媒溶解液を前記多孔性樹脂フィルムの細孔内に流入させた後、前記常温もしくは加熱硬化型樹脂を硬化させる工程とを行うものである。このため、上述した効果を有するステントを容易かつ確実に製造することができる。
本発明の生体内留置用ステントを図面に示した実施例を用いて説明する。
図1は、本発明のステントの一実施例の斜視図である。図2は、図1に示したステントのステント本体の展開図である。図3は、図1に示したステントの部分拡大断面図である。図4は、図1に示したステントの接合部付近における部分拡大断面図である。
本発明の生体内留置用ステント1は、略円筒形状に形成され、円筒形状の外面と内面を連通する複数の開口が形成された縮径可能なステント本体2と、ステント本体2を被覆する被覆樹脂層3と、ステント本体の外側面もしくは内側面を被覆し、ステント本体2の開口を閉塞する筒状カバー4とを備える。筒状カバー4は、多孔性樹脂フィルムにより形成されており、被覆樹脂層3は、多孔性樹脂フィルム形成材料と接着性を持たない常温もしくは加熱硬化型樹脂により形成されており、ステント本体2は、常温もしくは加熱硬化型樹脂との接着性を高めるためのプライマー処理5がされており、さらに、多孔性樹脂フィルムと接触する部分における被覆樹脂層3の形成材料の一部が多孔性樹脂フィルムの細孔42内に流入し固化することにより、筒状カバー4が被覆樹脂層3を備えるステント本体2に固定されている。
この実施例のステント1は、略円筒形状に形成され、生体内挿入時には中心軸方向に圧縮され、生体内留置時には外方に拡張して圧縮前の形状に復元可能なステント本体2と、ステント本体2の内面側に設けられた筒状カバー4とを備える。さらに、筒状カバー4は、ステント本体の内面に直接接触し、ステント本体2を被覆する被覆樹脂層3は、ステント本体2の筒状カバー4との接触面を除くステント本体2の表面および筒状カバー4のステント本体接触側の露出する表面を被覆している。
この実施例のステント1では、被覆樹脂層3は、多孔性フィルムにより形成された筒状カバー4の外面全体を被覆するとともに、多孔性フィルムの細孔42を閉塞する薄膜部3aと薄膜部3a上に配置されたステント本体2の外面および薄膜部3aの露出する部分を被覆するものである。
ステント本体2は、図1および図6に示すように、側面に開口部を備えている。また、ステント本体2は、拡張保持具の役割を担う波状(ジグザグ状)かつ環状につながった線状体24からなる複数の環状体22により構成され、これらの環状体22は接続部23(コネクター)により隣り合う環状体22が離反しないように接続されている。環状体22および接続部23を構成する部分以外の部分は開口部を形成している。
そして、この実施例のステント1では、複数の環状体22は、軸方向に隣り合う波状環状体22の谷部と山部が向かい合うようにほぼ直線的に配列されている。この実施例においては、環状体22は軸方向に11個連結している。また、ひとつの環状体22は、12個の山部(谷部)により形成されている。一つの環状体22を構成する山部(谷部)の個数はステントの直径と長さによるが、4〜36個であることが好ましく、環状体22は、軸方向に5〜50個連結することが好ましい。
接続部23は、ステント本体2の最も一端側と最も他端側においては、円形状の接続部23aとなっており、その他の部分においては、線状の接続部23bである。このように隣接する環状体22同士を部分的に接続することにより、体腔に沿って容易に湾曲するものとなる。なお、円形状の接続部23aは、後述するようにX線不透過性マーカー26が取り付けられる部分となっている。
円形状の接続部23aは、隣接する環状体22の山部と谷部が軸方向に隣接するように環状体22同士を連結している。隣接する山部と谷部は、それぞれ円形状の接続部23aの上端部および下端部に連結している。線状の接続部23bは、隣接する環状体22の山部と谷部が軸方向に隣接するように環状体22同士を連結している。線状の接続部23bは、直線状、曲線状いずれであってもよい。
円形状の接続部23a及び線状の接続部23bは、中心軸に対してほぼ等角度となるような位置に配置されていることが好ましい。円形状の接続部23aは、隣接する環状体間に3か所、言い換えると、3つおき(120°毎)に形成されている。また、線状の接続部23bは、隣接する環状体間に4か所、言い換えると2つおき(90°毎)に形成されている。本発明の実施例においては、軸方向に最も近接する線状の接続部23b同士は、山部(谷部)が1つ半ずつずれて配置されている。なお、接続部は、全部が線状の接続部であってもよい。
そして、ステント本体2は、留置対象部位により異なるが、一般的に、外径が2.0〜30mm、好ましくは5〜15mm、肉厚が0.04〜1.0mm、好ましくは0.06〜0.5mmのものであり、長さは、10〜150mm、より好ましくは20〜60mmである。特に、血管内留置用ステントの場合には、外径が2.0〜14mm、好ましくは2.5〜10mm、肉厚が0.04〜0.3mm、好ましくは0.06〜0.2mmのものであり、長さは5〜80mm、より好ましくは10〜60mmである。
上述したように、この実施例のステント本体2では、環状体22は、上記のように波状(ジグザグ状)かつ環状につながった線状体24からなるものであり、波の数は、4〜36程度が好適であり、特に、8〜24が好ましい。環状体22の長さは、1〜10mm、より好ましくは1.5〜5mmである。また、環状体22の数は、5〜50、より好ましくは5〜20である。そして、環状体22間の距離は、2〜7mmが好ましい。また、接続部23の長さは、0.2〜10mmが好ましい。また、接続部を構成する線状体の幅は、軽い力で曲げられるように線幅は小さい方が好ましい。具体的には、接続部23を構成する線状体24の幅は、0.03〜0.2mm、より好ましくは0.05〜0.12mmである。
ステント本体2の形状は、挿入時に縮径可能であり、かつ、体内放出時に拡径(復元)可能なものであればよく、上述の形状に限定されるものではない。例えば、コイル状のもの、円筒状のもの、ロール状のもの、異形管状のもの、高次コイル状のもの、板バネコイル状のもの、カゴまたはメッシュ状のものでもよい。
ステント本体2の構成材料としては、金属が使用される。金属としても生体適合性を有するものが好ましく、例えば、ステンレス、タンタル、ニッケルチタン合金などがある。特に、超弾性金属が好ましい。ステント本体2は、全体において物性の急激な変更点が形成されることなく一体に形成されていることが好ましい。ステント本体2は、例えば、留置される生体内部位に適合した外径を有する金属パイプを準備し、金属パイプの側面を、切削加工、化学エッチングなどにより部分的に除去することにより作製される。
ステントを形成する超弾性金属としては、超弾性合金が好適に使用される。ここでいう超弾性合金とは一般に形状記憶合金といわれ、少なくとも生体温度(37℃付近)で超弾性を示すものである。特に好ましくは、49〜53原子%NiのTi−Ni合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(X=Be,Si,Sn,Al,Ga)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等の超弾性金属体が好適に使用される。特に好ましくは、上記のTi−Ni合金である。また、Ti−Ni合金の一部を0.01〜10.0%Xで置換したTi−Ni−X合金(X=Co,Fe,Mn,Cr,V,Al,Nb,W,Bなど)とすること、またはTi−Ni合金の一部を0.01〜30.0%原子で置換したTi−Ni−X合金(X=Cu,Pb,Zr)とすること、また、冷間加工率または/および最終熱処理の条件を選択することにより、機械的特性を適宜変えることができる。また、上記のTi−Ni−X合金を用いて冷間加工率および/または最終熱処理の条件を選択することにより、機械的特性を適宜変えることができる。
使用される超弾性合金の座屈強度(負荷時の降伏応力)は、5〜20kg/mm(22℃)、より好ましくは、8〜150kg/mm、復元応力(除荷時の降伏応力)は、3〜180kg/mm(22℃)、より好ましくは、5〜130kg/mmである。ここでいう超弾性とは、使用温度において通常の金属が塑性変形する領域まで変形(曲げ、引張り、圧縮)させても、変形の解放後、加熱を必要とせずにほぼ圧縮前の形状に回復することを意味する。
ステント1は、X線不透過性材料製マーカー26を有していることが好ましい。X線不透過材料製マーカー26は、ステントの端部側に設けることが好ましい。実施例においては、X線不透過材料製マーカー26は、ステント本体2の両端部に位置する複数の円形状の接続部23aに設けられている。X線不透過材料製マーカー26は、接続部23aに形成された小開口を閉塞するようにステントに固定されている。このようなマーカーは、例えば、ステントに形成された小開口に、この小開口より若干小さいX線造影用物質の円盤状部材を配置し両面より押圧してかしめることにより取り付けられることが好ましい。なお、X線不透過材料製マーカーとしては、どのようなものであってもよく、上記のようなものに限定されない。例えば、X線造影性物質をステントの外面に被覆すること、またX線造影性物質により形成された線材を巻き付けたもの、さらには、X線造影性物質により形成されたリング状部材を取り付けたものなどであってもよい。なお、X線不透過材料製マーカーの形成材料としては、例えば、金、白金、タングステン、タンタルあるいはそれらの合金、あるいは銀−パラジウム合金等が好適である。
そして、ステント本体2は、後述する常温もしくは加熱硬化型樹脂との接着性を高めるためのプライマー処理5がされている。プライマーとしては、シリカ系カップリング剤、チタン系カップリング剤、あるいはシリケート剤の混合物が用いられる。プライマーの処理方法としては、ステント本体2の表面を溶剤で良く脱脂洗浄した後、適量のプライマーを塗布し、風乾した後、温度をかけて焼き付けることにより行われる。プライマーは、金属に反応しやすい官能基と常温もしくは加熱硬化型樹脂(例えば、シリコーン)に反応する官能基を同一の分子に持っている化合物である。まず、プライマーを金属に処理すると、金属と反応しやすい官能基が多くは水分の存在下で金属と共有結合し、薄いプライマーの皮膜を生成する。次にシリコーンを接触させると、プライマーのシリコンと反応する官能基とシリコンの官能基が共有結合し、強固な接着を構築する。
筒状カバー4は、図1ないし図3に示すように、ステント本体2の内側に設けられている。筒状カバーは、薄い被覆層でもある。筒状カバー4は、ステント本体2の内側面全体を被覆している。このように、ステント本体2の内側に筒状カバー4を設けることにより、ステント1の側面から体内組織がステント内に侵入することを防止できる。また、筒状カバー4をステント本体2の内側に設けることにより、ステント1の内側には凹凸が生じないため、ステント1内を血液、胆汁、食物等が通過しやすくなる。また、ステント1の外側には、ステント本体2の骨格による凹凸が生じるため、体腔内に固定されやすく位置ずれが防止される。
筒状カバー4の厚さは、4〜50μm、特に、6〜20μmであることが好ましい。
筒状カバー4は、多孔質フィルムにより形成されている。多孔質フィルムとしては、空孔率が25〜80%程度のものが好適である。また、細径孔は0.1〜10μm程度のものが好適である。多孔質フィルムとしては、延伸法、固液分離法、ビーム照射法などにより形成されたものが使用できる。好ましくは、強度の高い延伸法、特に2軸延伸法により形成されたものが好適である。多孔質フィルム形成材料としては、例えば、フッ素系樹脂(具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレン)、ポリオレフィン(具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン)などが使用できる。フィルムの厚みは、5〜300μmのものであればよく、より好ましくは、10〜200μmのものが好適である。
また、筒状カバー4は、多孔性樹脂フィルムを図1、図3および図4に示すように、重ならないように筒状に巻くとともに、近接する端部41を常温もしくは加熱硬化型樹脂により固着することにより形成されている。常温もしくは加熱硬化型樹脂としては、後述するものが使用できる。なお、常温もしくは加熱硬化型樹脂としては、多孔性樹脂フィルムと接着性を有するものを用いてもよい。
ステント本体を被覆する被覆樹脂層3は、多孔性樹脂フィルム形成材料と接着性を持たない常温もしくは加熱硬化型樹脂により形成されている。
そして、図3および図4に示すように、筒状カバー4を形成する多孔性樹脂フィルムと接触する部分における被覆樹脂層3の形成材料の一部3bが、多孔性樹脂フィルムの細孔42内に流入し固化することにより、筒状カバー4は、被覆樹脂層3を備えるステント本体2に固定されている。
具体的には、筒状カバー4の表面全面には、被覆樹脂層3の形成材料による薄膜部3aが形成されており、この薄膜部3aの形成材料の一部3bが、多孔性樹脂フィルムの細孔42内に流入し固化することにより、筒状カバー4と薄膜部3aは固着状態となっている。このため、筒状カバーのほぼすべての細孔内には、図4に示すように、被覆樹脂層3の形成材料の一部3bに流入し、細孔を閉塞している。そして、この実施例では、多孔性フィルムの向かい合う端部間41には、この被覆樹脂層3の薄膜部3aの形成材料が流入している。よって、多孔性フィルムは、薄膜部により筒状に維持されている。
そして、この薄膜部3aの外側に、プライマー処理5がされたステント本体2が配置され、図3に示すように、被覆樹脂層3は、ステント本体2の筒状カバー4上に形成された薄膜部3aとの接触面を除くステント本体2の表面および筒状カバー4のステント本体接触側の露出する表面(露出する薄膜部3a)を被覆している。
被覆樹脂層形成材料としては、シリコーンゴム、具体的には、低温硬化型シリコーンゴム、常温硬化型シリコーンゴム、加熱硬化型シリコーンゴムなどが使用できる。低温硬化型シリコーンゴム、常温硬化型シリコーンゴムおよび加熱硬化型シリコーンゴムは、硬化前は液状であり、基本ポリマーとして、重合度200〜1000,粘度500〜100000mPa・sの液状ジオルガノシロキサンを用い、その分子鎖をシラノール基、ビニル基などで停止させたテレケリックポリマーが一般的である。そして、シラノール基で停止させたものでは、縮合反応により、また、ビニル基で停止させたものでは、白金化合物などの金属化合物を触媒として付加反応により固化する。そして、シリコーンゴムとしては、常温では実質的に硬化せず、ある程度の加熱により硬化する低温加熱硬化型シリコーンゴムであることが好ましい。硬化させるために加熱作業は必要となるが、被覆作業中における予定外の硬化がなく作業が容易である。
次に、本発明の生体内留置用ステントの製造方法について説明する。
本発明の生体内留置用ステントの製造方法は、略円筒形状に形成され、該円筒形状の外面と内面を連通する複数の開口が形成された縮径可能なステント本体を準備する工程と、該ステント本体に接着性を高めるためのプライマー処理を行う工程と、該ステント本体の内径とほぼ等しい外径を有する多孔性樹脂フィルム製の筒状カバーが被覆されたロッドを準備する工程と、前記多孔性樹脂フィルムと接着性を持たずかつ前記プライマーとの接着性を有する常温もしくは加熱硬化型樹脂の有機溶媒溶解液を準備する工程と、前記筒状カバー被覆ロッドを前記有機溶媒溶解液に接触させるとともに該有機溶媒溶解液を前記多孔性樹脂フィルムの細孔内に流入させた後、該ロッドに前記ステント本体を被着する工程と、該ステント本体が被着されたロッドを前記有機溶媒溶解液に接触させ後、前記常温もしくは加熱硬化型樹脂を硬化させる工程とを行うものである。
この実施例の生体内留置用ステントの製造方法は、上述した図3および図4の断面構造を有するステントを製造するためのものである。
この実施例の生体内留置用ステントの製造方法では、略円筒形状に形成され、該円筒形状の外面と内面を連通する複数の開口が形成された縮径可能なステント本体を準備する工程を行う。ステント本体2としては、例えば、上述したものを準備する。
次に、ステント本体に接着性を高めるためのプライマー処理を行う。プライマー処理は、後述する常温もしくは加熱硬化型樹脂との接着性を高めるために行う。プライマーとしては、シリカ系カップリング剤、チタン系カップリング剤、あるいはシリケート剤の混合物が用いられる。プライマーの処理方法は、ステント本体2の表面を溶剤で良く脱脂洗浄した後、適量のプライマーを塗布し、風乾する。プライマーが化学反応するためには、水分が必要であり、室内の湿度が低い場合には、長時間風乾する必要がある。また、必要に応じて加熱焼付けを行う場合もある。
ステント本体の内径とほぼ等しい外径を有する多孔性樹脂フィルム製の筒状カバーが被覆されたロッドを準備する工程を行う。この工程は、上記の2つの工程の前後、同時のいずれに行ってもよい。この工程は、使用する常温もしくは加熱硬化型樹脂との接着性を持たない材料(例えば、フッ素系樹脂)により形成されるとともに、ステント本体の内径より若干小さい外径を有するロッドを準備する。また、筒状カバーを作成するための多孔性フィルムを準備する。多孔性フィルムとしては、上述したものが使用できる。そして、多孔性フィルムを端部が重ならないように、ロッドに巻きつけ、上下を仮止めする。仮止めは、例えば、粘着性テープを用いて行う。
また、多孔性樹脂フィルムと接着性を持たずかつ、プライマーとの接着性を有する常温もしくは加熱硬化型樹脂の有機溶媒溶解液を準備する。この工程は、上記のいずれの工程の前後もしくは同時に行ってもよい。
有機溶媒溶解液は、例えば、2液性の低温硬化型シリコーンを混合し、ヘキサンで最終的に固形分が1〜10%程度となるように希釈することにより作成される。
そして、筒状カバー被覆ロッドを有機溶媒溶解液に接触させるとともに有機溶媒溶解液を多孔性樹脂フィルムの細孔内に流入させた後、ロッドにステント本体を被着する工程を行う。
筒状カバー被覆ロッドの有機溶媒溶解液との接触は、有機溶媒溶解液に筒状カバー被覆ロッドを浸漬し、引き上げることにより行うことが好ましい。そして、有機溶媒溶解液は粘度が低いとともに浸透性を有するため、多孔性樹脂フィルムの細孔内に流入する。そして、表面に有機溶媒溶解液が付着した状態の筒状カバー被覆ロッドに上述したプライマー処理を行ったステントを被着する。ステントの内径とロッドの外径は同じか0.1mm程度ステント内径の方を大きくしておくと、かぶせるのが簡単で、指等で軽く押さえると、有機溶媒溶解液の粘着性で、ステントは固定され動かなくなる。
そして、ステント本体が被着されたロッドを有機溶媒溶解液に接触させ後、常温もしくは加熱硬化型樹脂を硬化させる工程を行う。
ステント本体が被着されたロッドを有機溶媒溶解液に接触は、有機溶媒溶解液にステント本体被着ロッドを浸漬し、引き上げることにより行うことが好ましい。また、硬化させる工程は、硬化性樹脂が加熱型の場合には、加熱手段、例えば
オーブン、ヒータ、温風送風機等により加熱する。一定の温度をかける必要があることから、オーブンが多用される。また、硬化性樹脂が常温硬化型の場合には、所定時間放置することにより硬化する。
そして、このようにして製造されたステント1は、図3および図4に示す断面構造を有するものとなる。具体的には、ステント本体2と多孔性フィルム(筒状カバー)4は、硬化した被覆樹脂層3により接着されている。ステント本体と多孔性フィルムの接触面は角張っているため、液だまりのように平面よりも多くの被覆樹脂層形成物が存在する。また、フィルム上に被覆樹脂層形成物が被覆されているので、ステント本体2とフィルム4の間には、被覆樹脂層形成物による薄膜部3aが存在する。また、この薄膜部を形成する被覆樹脂層形成物の一部が多孔性フィルムの細孔42内に一部浸透しており、侵入部3bが存在する。これがアンカー効果を発揮する。
細孔42は、図4に示すように複雑な構造をしており、有機溶媒溶解液は粘度が低いので、この孔に毛細管現象で容易に入り込み、そのまま硬化してアンカーとして機能する。また、ステント本体2と被覆樹脂層3は、プライマーによって強固に接着されており、多孔性フィルム4と被覆樹脂層3はアンカー効果によって強固に接着されており、両者により、ステント本体2と多孔性フィルム(筒状カバー)4は強固に接着されているのである。なお、電子顕微鏡での測定の結果、シリコーン層の厚みは2ミクロン以下であり、非常にコンパクトに接着されていることがわかっている。
次に、本発明の他の実施例の生体内留置用ステントを図面を用いて説明する。
図5は、本発明のステントの他の実施例の部分拡大断面図である。図6は、図5に示したステントの接合部付近における部分拡大断面図である。なお、斜視図は、図1と同じであり、ステント本体2の展開図も図2と同じである。
この実施例のステント10では、図5および図6に示すように、被覆樹脂層3は、ステント本体2の全面を被覆し、筒状カバー4との接触部もしくは接触部およびその付近における被覆樹脂層4の形成材料の一部が多孔性樹脂フィルムの細孔42内に流入し固化することにより、筒状カバー4が被覆樹脂層3を備えるステント本体2に固定されており、かつ、被覆樹脂層3は、筒状カバー4との接触部もしくは接触部およびその付近以外を被覆せず、筒状カバー4を形成する多孔性樹脂フィルムの細孔42を閉塞していないものとなっている。
ステント本体2、筒状カバー4、被覆樹脂層形成材料、プライマー処理などについては、上述した実施例と同じであり、上述した説明を参照するものとする。
このステント10と上述したステント1との相違は、上述したステント1では、被覆樹脂層3が筒状カバーの表面全体を被覆していたのに対し、このステント10では、筒状カバー4との接触部もしくは接触部およびその付近以外を被覆せず、筒状カバー4の表面が露出するとともに、露出部分(言い換えれば、非被覆部)における多孔性樹脂フィルムの細孔42を閉塞していない。
そして、この実施例のステント10を製造する場合の製造方法は、以下のものとなる。
この場合における生体内留置用ステントの製造方法では、略円筒形状に形成され、該円筒形状の外面と内面を連通する複数の開口が形成された縮径可能なステント本体を準備する工程と、該ステント本体に接着性を高めるためのプライマー処理を行う工程と、該ステント本体の内径とほぼ等しい外径を有する多孔性樹脂フィルム製の筒状カバーが被覆されたロッドを準備する工程と、前記多孔性樹脂フィルムと接着性を持たずかつ前記プライマーとの接着性を有する常温もしくは加熱硬化型樹脂の有機溶媒溶解液を準備し、前記ステント本体の全面に該有機溶媒溶解液を被覆する工程と、該筒状カバー被覆ロッドに前記有機溶媒溶解液を被覆したステント本体を被着し、該有機溶媒溶解液を前記多孔性樹脂フィルムの細孔内に流入させた後、前記常温もしくは加熱硬化型樹脂を硬化させる工程を行う。
略円筒形状に形成され、円筒形状の外面と内面を連通する複数の開口が形成された縮径可能なステント本体を準備する工程、ステント本体に接着性を高めるためのプライマー処理を行う工程、多孔性樹脂フィルムと接着性を持たずかつプライマーとの接着性を有する常温もしくは加熱硬化型樹脂の有機溶媒溶解液を準備する工程、常温もしくは加熱硬化型樹脂を硬化させる工程については、上述したステント1についての製造方法において説明したものと同じであり、上述の説明を参照するものとする。
なお、この実施例のステント10の製造方法でも、ステント本体の内径とほぼ等しい外径を有する多孔性樹脂フィルム製の筒状カバーが被覆されたロッドを準備する工程が行われる。この工程は、上記の2つの工程の前後、同時のいずれに行ってもよい。この工程は、使用する常温もしくは加熱硬化型樹脂との接着性を持たない材料(例えば、フッ素系樹脂)により形成されるとともに、ステント本体の内径より若干小さい外径を有するロッドを準備する。また、筒状カバーを作成するための多孔性フィルムを準備する。多孔性フィルムとしては、上述したものが使用できる。そして、多孔性フィルムを端部が重ならないように、ロッドに巻きつけ、上下を仮止めする。仮止めは、例えば、粘着性テープを用いて行う。そして、多孔性フィルムの端部間41に固定剤を注入する。固定剤としては、多孔性樹脂フィルムと接着性を持たない常温もしくは加熱硬化型樹脂を用いてもよいが、多孔性樹脂フィルムと接着性を有するものを用いることが好ましい。
そして、この実施例のステント10の製造方法では、ステント本体の全面に有機溶媒溶解液を被覆する工程が行われる。この工程は、有機溶媒溶解液にステント本体を浸漬し、引き上げることにより行うことが好ましい。浸漬と乾燥を複数回、例えば、3〜7回繰り返して、ステント本体全面に、未架橋の硬化型樹脂皮膜を形成する。この状態では、硬化型樹脂は、指に付く程度の粘着性を有する。
そして、筒状カバー被覆ロッドに、有機溶媒溶解液を被覆したステント本体を被着する工程が行われる。具体的には、上記の未架橋の硬化型樹脂皮膜を有するステント本体をフィルムを巻いたロッドに、そっとかぶせて、所定の位置にセットする。その後、硬化型樹脂と相溶性の良い有機溶媒溶液(シリコーンゴムの場合ヘキサン溶液)に浸漬して、すばやく引き上げて、硬化型樹脂を多孔性フィルムの細孔内に浸透させる。これにより、有機溶媒溶解液の一部が筒状カバーを構成する多孔性樹脂フィルムの細孔内に流入する。この状態で室温で乾燥させた後、非接着性のテープをステントの上から巻きつけて、ステント本体をフィルムに押し付ける。
そして、常温もしくは加熱硬化型樹脂を硬化させる工程を行う。上記の状態のまま、硬化型樹脂が架橋する温度に加熱もしくは放置し、硬化させる。
そして、上述した全ての実施例のステントにおいて、図7に示すステント20のように、筒状カバー4は、ステント本体2の両端部の側面を閉塞しないものであってもよい。
図7に示すステント20では、筒状カバー4により被覆された部分である筒状カバー部とステント本体2が露出する非筒状カバー部を有する。つまり、この実施例のステント20は、ステント本体2の中央部分の内側面が筒状カバー3により被覆されており、かつ、ステント本体2の両端部が筒状カバー3により被覆されていない。非筒状カバー部は、ステントを生体管腔に一時的にくい込ませる働きをし、ステント20の初期固定に寄与し、2次的には生体組織に被包されることで固定される。また、筒状カバーの配置は、病変部によって変更可能であり、非筒状カバー部が片端のみでもよい。また、両端に筒状カバー部を有し、中央部に非筒状カバー部が配置されるものでもよい。
さらに、図7に示すように、ステント20が非筒状カバー部を備える場合には、少なくともステント本体2の露出する表面には、生体適合性樹脂が被覆されていることが好ましい。生体適合性材料としては、公知の各種の樹脂を単独または混合して使用することができるが、例えば、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートとスチレンの共重合体(例えば、HEMA−St−HEMAブロック共重合体)などが好適に使用できる。
そして、上述した全ての実施例のステントにおいて、ステント本体2の形態は、上述したものに限定されるものではなく、例えば、図8および図9に示すステント30におけるステント本体50のようなものであってもよい。
このステント30におけるステント本体50は、図8のステント本体50を展開した図9に示すように、並列的に配置された4本の線状螺旋状体51,52,53,54により形成されている。このように、スパイラル形状を複数本の線状螺旋状体51,52,53,54で形成することにより、図3に示すように、ステント1の軸方向と線状螺旋状体の螺旋方向とがなす角度が、スパイラル形状を1本の線状螺旋状体で形成した場合の角度より小さくすることができ、ステント30をより柔軟なものとすることができる。並列的に配置する線状螺旋状体は、3本以上であることが好ましい。特に、並列的に配置する線状螺旋状体は、3〜5本が好ましい。この実施例のステントでは、4本の線状螺旋状体により形成されている。この実施例のステント本体50を形成する4本の線状螺旋状体51,52,53,54は、どの部分においても接続されず、それぞれが独立した状態となっている。
この実施例のステント本体50は、図9に示すように、連続的な「<」の字形状とすることでジグザグ構造となっている。さらに、前記「<」の字形状を長さの異なる短線部50a(約2.0〜16.1mm)と長線部50b(約2.5〜43.6mm)により形成することによって、1つの線状螺旋状体51,52,53,54が全体としてスパイラル形状となるように形成されている。また、線状螺旋状体の屈曲部間ピッチ(言い換えれば、1本の線状螺旋状体における屈曲部の頂点間距離)は、2.0〜8.0mmが好ましい。また、線状螺旋状体における屈曲部の角度(内角)は、25〜45°が好ましい。そして、1本の線状螺旋状体において、屈曲部間ピッチ、すなわち屈曲部の角度(内角)は、すべて同じであってもよいが、部分的に異なるものであってもよい。
例えば、ステント30の中央部に位置する部分の線状螺旋状体の屈曲部間ピッチが、両端部に位置する部分の線状螺旋状体の屈曲部間ピッチよりも短いものとしてもよい。同様に、ステント30の中央部に位置する部分の線状螺旋状体の屈曲部の角度(内角)が、両端部に位置する部分の線状螺旋状体の屈曲部の角度(内角)よりも小さいものとしてもよい。このようにすることにより、ステント30として、両端部よりも、中央部の拡張力を高いものとすることができる。また、1本の線状螺旋状体のピッチもその全体において同じであってもよいが、部分的に異なるものであってもよい。例えば、ステント30の中央部に位置する部分の線状螺旋状体のピッチが、両端部に位置する部分の線状螺旋状体のピッチよりも短いものとしてもよい。このようにすることによっても、ステント30として、両端部よりも、中央部の拡張力を高いものとすることができる。
さらに、この実施例のステント30では全体として、複数の線状螺旋状体は、それぞれほぼ等間隔離間しているものとなっている。つまり、ステント30全体として、すべての線状螺旋状体においてその螺旋ピッチが同じとなっている。しかし、このようなものに限られず、線状螺旋状体の螺旋ピッチが部分的に異なるものとなっていてもよい。例えば、ステント30の中央部に位置する部分の線状螺旋状体自体の螺旋ピッチが、両端部に位置する部分の線状螺旋状体のピッチよりも短いものとしてもよい。このようにすることによって、ステント30として、両端部よりも、中央部の拡張力を高いものとすることができる。
さらに、ステント30全体として、ステント30の中央部に位置する部分の線状螺旋状体の屈曲部間ピッチが、両端部に位置する部分の線状螺旋状体の屈曲部間ピッチよりも短いものとしてもよい。同様に、ステント30の中央部に位置する部分の線状螺旋状体の屈曲部の角度(内角)が、両端部に位置する部分の線状螺旋状体の屈曲部の角度(内角)よりも小さいものとしてもよい。このようにすることによっても、ステント30として、両端部よりも、中央部の拡張力を高いものとすることができる。さらに、複数の線状螺旋状体51,52,53,54は、ほぼ平行に形成されていればよく、それぞれの線状螺旋状体におけるピッチもしくは屈曲部の角度(内角)は、同じものであってもよいが、異なるものであってもよい。
そして、この実施例のステント30では、線状螺旋状体51,52,53,54のステント本体50の両端に位置する部分は、ほぼ全てがステント本体50の軸方向の同じ位置となっている。
そして、上述した全ての実施例のステントにおいて、ステント本体2の形態は、例えば、図10に示すステント70におけるステント本体80のようなものであってもよい。
ステント本体80は、図10に示すように、円筒体の側面に形成された複数の切欠部または複数の開口を有しており、これにより応力負荷時に外径が縮径する方向への変形を補助する変形補助機能が形成されているものであってもよい。ステント本体80は、具体的には円筒状フレーム体であり、フレームにより区画(囲撓)された開口(または孔)およびフレームにより区画された切欠部を有している。ステント本体80の端部は、1つの円上にあり、連続しない複数の円弧の集合体により構成されており、それらはほぼ等角度離間している。ステント本体80の端部は、切欠部が形成されなければ、ほぼ真円形であり、切欠部が形成されることにより、ステント本体80の中心より等角度離間した複数の円弧を形成している。
フレームは、ステント本体80の中心軸に対して所定角度斜めにのびるように形成されている。また、端部にて連続する2つのフレームは、二等辺三角形の2つの等辺を形成している。そして、両端のフレームは、フレームにより接続されている。フレームは、フレーム体の中心軸とほぼ平行に形成されている。この実施例では、フレームは、フレームのほぼ二倍の幅を持っている。また、フレームのステント本体80の中心軸に直交する方向に切断したときの断面形状は、上辺が円弧で底辺が上辺より短い円弧で側辺が直線となった扇状となっている。さらに、フレーム(ステント本体80)の外面は、全体においてエッジがなく面取りされた状態となっている。
なお、上述したすべて実施例のステントにおいて、筒状カバーは、ステント本体の内側面側に設けられているが外側面側に設けてもよい。
以下に、具体的に実施例を示す。
ステント本体は、形状記憶合金であるニッケルチタン合金のパイプからレーザーを用いて、図1および図2にしめすような形状のステント本体を作成した。ステント本体の外径は10mm、長さは40mmである。ジグザグの頂点は360°で12である。これらがコネクターにより円周方向4箇所で接続されている。
ステント本体の両端部には、X線不透過マーカーを取りつけるための丸穴が成形してある。ジグザグ形状の骨格の断面形状はほぼ長方形であり、幅即ち円周方向の長さは、約0.1mmで、高さは約0.2mmである。
次に、このステントに多孔性ポリテトラフルオロエチレンフィルム製のカバーを取り付ける。ステント本体は、金属との接着性を向上するプライマー液に浸漬して室温で乾燥させる。次に、多孔性ポリテトラフルオロエチレンフィルムとして、膜厚40μ、エタノール中でのバブルポイント1.5kg/cm、透気度8秒(100cmの空気が6.45cm当たりの面積を水柱12.4cmの圧力で流れるのに要する時間)の物性を持つものを準備した。このシートを外径9.6mmのポリテトラフルオロエチレン製のロッドに重なりがないように巻きつけ、上下をテープで仮止めした。
2液性の低温硬化型シリコーンを混合し、ヘキサンで最終的に固形分が5%になるように希釈した。この溶液に前記のポリテトラフルオロエチレンロッドを浸漬し、引き上げた後、室温に放置して溶媒を蒸発させた。
次にプライマーで処理されたステントをこのロッドにかぶせて、所定の位置にセットする。このときのステントの内径とロッドの外径は同じか0.1mm程度ステント内径のほうを大きくしておくと、かぶせるのが簡単で、指等で軽く押えると、シリコーンの粘着性で、ステントは固定され動かなくなる。この状態で、再度、5%シリコン溶液に浸漬し、引き上げて乾燥する。
次に、これをシリコーンが架橋する温度に加熱して、架橋させる。このように作製されたステントでは、ステント本体は、多孔性ポリテトラフルオロエチレンフィルムとの間の硬化したシリコーンに固着されている。また、最初にフィルム上にシリコーンをコーティングしてあるので、ステント本体とフィルムの間には、薄いシリコーン層(薄膜部)が存在する。また、シリコーンはポリテトラフルオロエチレンの孔の中に一部浸透しており浸透層が存在する。これがアンカー効果を発揮する。なお、電子顕微鏡で確認したところ、シリコーン層の厚みは2ミクロン以下であり、非常にコンパクトに接着されていることがわかった。
以上述べたように、本発明によればステント本体と多孔性ポリテトラフルオロエチレンフィルム製のカバーとを常温もしくは加熱硬化型樹脂、特に加熱硬化型シリコーンゴムを用いることによって、最も優れた効果を発揮する。シリコーンゴムは、金属であるステント本体とはプライマーの存在で強固に接着されているため、シリコーンを引っ張ると金属との界面で剥がれることはなく、シリコーンゴム自体が母材破壊を起こす。また、多孔性ポリテトラフルオロエチレンとはアンカー効果によって、多孔性ポリテトラフルオロエチレンとの界面で剥がれることはなく同様に母材破壊を起こす。従って、2ミクロン程度の厚みであっても十分な接着強度を有する。一方、熱可塑性樹脂でも、特に溶媒に溶解したタイプであれば粘度が低く、多孔性ポリテトラフルオロエチレンの細孔に浸潤し十分なアンカー効果を発揮できるが、金属との接着性がないため、樹脂が金属部分を全面的に覆い、樹脂が部分的にでも破壊されると多孔性ポリテトラフルオロエチレンと金属が剥離する恐れがあるので、かなりの厚みを必要とする。(特開平08−141090によれば17ミクロン程度)。
また、シリコーンゴムは非常に柔軟であり、多孔性ポリテトラフルオロエチレンの柔軟性を損なうことはなく、且つ厚みが薄く最も適した材料であるが、熱可塑性樹脂は一般的に硬く、その中でも柔軟のあるポリウレタンも、シリコーンゴムの柔軟性には劣る。更に前述の如く物理的強度を必要とするために厚くなり多孔性ポリテトラフルオロエチレンの柔軟性やニッケルチタン合金の柔軟性を損なうことになる。更に、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂は、長期に生体内に埋植しておくと、生体内の水分で加水分解を受け、物性の低下や脆化が見られるが、シリコーンゴムは、そのような物性の低下や脆化は見られず、生体内に埋植しても十分な生体適合性の高い素材である。このことは、過去のいろいろな生体内埋め込み材料として利用されていることからも裏付けられている。以上述べたように本発明によれば、簡単な方法で、最も優れた材料と方法で多孔性樹脂フィルムでカバーされたステントを提供するものである。
図1は、本発明のステントの一実施例の斜視図である。 図2は、図1に示したステントのステント本体の展開図である。 図3は、図1に示したステントの部分拡大断面図である。 図4は、図1に示したステントの接合部付近における部分拡大断面図である。 図5は、本発明のステントの他の実施例の部分拡大断面図である。 図6は、図5に示したステントの接合部付近における部分拡大断面図である。 図7は、本発明のステント他の実施例の斜視図である。 図8は、本発明のステント他の実施例の斜視図である。 図9は、図8に示したステントのステント本体の展開図である。 図10は、本発明のステントの他の実施例の斜視図である。
符号の説明
1 生体内留置用ステント
2 ステント本体
3 被覆樹脂層
4 筒状カバー
5 プライマー処理
42 細孔

Claims (13)

  1. 略円筒形状に形成され、該円筒形状の外面と内面を連通する複数の開口が形成された縮径可能なステント本体と、該ステント本体を被覆する被覆樹脂層と、該ステント本体の外側面もしくは内側面を被覆し、前記ステント本体の前記開口を閉塞する筒状カバーとを備える生体内留置用ステントであって、前記筒状カバーは、多孔性樹脂フィルムにより形成されており、前記被覆樹脂層は、前記多孔性樹脂フィルム形成材料と接着性を持たない常温もしくは加熱硬化型樹脂により形成されており、前記ステント本体は、前記常温もしくは加熱硬化型樹脂との接着性を高めるためのプライマー処理されており、さらに、前記多孔性樹脂フィルムと接触する部分における前記被覆樹脂層の形成材料の一部が前記多孔性樹脂フィルムの細孔内に流入し固化することにより、前記筒状カバーが前記被覆樹脂層を備える前記ステント本体に固定されていることを特徴とする生体内留置用ステント。
  2. 前記被覆樹脂層は、前記多孔性フィルムにより形成された筒状カバーの外面全体を被覆するとともに該多孔性フィルムの細孔を閉塞する薄膜部と該薄膜部上に配置されたステント本体の外面および前記薄膜部の露出する部分を被覆するものである請求項1に記載の生体内留置用ステント。
  3. 前記被覆樹脂層は、前記ステント本体の全面を被覆し、前記筒状カバーとの接触部もしくは該接触部およびその付近における前記被覆樹脂層の形成材料の一部が前記多孔性樹脂フィルムの細孔内に流入し固化することにより、前記筒状カバーが前記被覆樹脂層を備える前記ステント本体に固定されており、かつ、前記被覆樹脂層は、前記筒状カバーとの接触部もしくは該接触部およびその付近以外を被覆せず、前記筒状カバーを形成する多孔性樹脂フィルムの細孔を閉塞していないものである請求項1に記載の生体内留置用ステント。
  4. 前記多孔性樹脂フィルムは、多孔性ポリテトラフルオロエチレンフィルムである請求項1ないし3のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  5. 前記常温もしくは加熱硬化型樹脂は、常温硬化型もしくは加熱硬化型シリコーンゴムである請求項1ないし4のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  6. 前記ステント本体は、略円筒形状に形成され、生体内挿入時には中心軸方向に圧縮され、生体内留置時には外方に拡張して圧縮前の形状に復元可能なものである請求項1ないし5のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  7. 前記筒状カバーは、前記多孔性樹脂フィルムを重ならないように筒状に巻くとともに、近接する端部を固着することにより形成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  8. 前記筒状カバーは、前記ステント本体の内側面に設けられている請求項1ないし7のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  9. 前記常温もしくは加熱硬化型シリコーンゴム層の厚みが5μm以下である請求項5に記載の生体内留置用ステント。
  10. 略円筒形状に形成され、該円筒形状の外面と内面を連通する複数の開口が形成された縮径可能なステント本体を準備する工程と、該ステント本体に接着性を高めるためのプライマー処理を行う工程と、該ステント本体の内径とほぼ等しい外径を有する多孔性樹脂フィルム製の筒状カバーが被覆されたロッドを準備する工程と、前記多孔性樹脂フィルムと接着性を持たずかつ前記プライマーとの接着性を有する常温もしくは加熱硬化型樹脂の有機溶媒溶解液を準備する工程と、前記筒状カバー被覆ロッドを前記有機溶媒溶解液に接触させるとともに該有機溶媒溶解液を前記多孔性樹脂フィルムの細孔内に流入させた後、該ロッドに前記ステント本体を被着する工程と、該ステント本体が被着されたロッドを前記有機溶媒溶解液に接触させ後、前記常温もしくは加熱硬化型樹脂を硬化させる工程とを行うことを特徴とする生体内留置用ステントの製造方法。
  11. 略円筒形状に形成され、該円筒形状の外面と内面を連通する複数の開口が形成された縮径可能なステント本体を準備する工程と、該ステント本体に接着性を高めるためのプライマー処理を行う工程と、該ステント本体の内径とほぼ等しい外径を有する多孔性樹脂フィルム製の筒状カバーが被覆されたロッドを準備する工程と、前記多孔性樹脂フィルムと接着性を持たずかつ前記プライマーとの接着性を有する常温もしくは加熱硬化型樹脂の有機溶媒溶解液を準備し、前記ステント本体の全面に該有機溶媒溶解液を被覆する工程と、該筒状カバー被覆ロッドに前記有機溶媒溶解液を被覆したステント本体を被着し、該有機溶媒溶解液を前記多孔性樹脂フィルムの細孔内に流入させた後、前記常温もしくは加熱硬化型樹脂を硬化させる工程とを行うことを特徴とする生体内留置用ステントの製造方法。
  12. 前記多孔性樹脂フィルム製の筒状カバーが被覆されたロッドを準備する工程は、前記ロッドに前記多孔性樹脂フィルムを重ならないように筒状に巻き、さらに、近接する端部を固着することにより行うものである請求項10または11に記載の生体内留置用ステントの製造方法。
  13. 前記常温もしくは加熱硬化型樹脂として、低温加熱硬化型樹脂を用いるものである請求項10ないし12のいずれかに記載の生体内留置用ステントの製造方法。

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